JP2008179291A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シフト操作に伴う変速感を良好なものとする。
【解決手段】アップシフト指示がなされてエンジンの回転数を減少させる要求がなされたときには、エンジンの回転数の減少に伴って生じるエンジンを含む慣性系のイナーシャパワーに基づいて要求パワーPe*を制限し(S170)、エンジンの回転数の減少を伴って制限した要求パワーPe*がエンジンから出力されると共に入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸に出力されるようエンジンやモータを駆動制御する(S180,S200〜S270)。これにより、要求トルクTr*に対応しながらアップシフト指示に迅速に対応することができ、シフト操作に対する変速感を良好なものとすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、内燃機関とこの内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続された遊星歯車機構と、遊星歯車機構に接続された発電機と、駆動軸に接続された電動機と、発電機や電動機と電力をやり取りするバッテリとを備え、シフト操作に基づいて内燃機関の回転数が増減するよう発電機を駆動制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、アップシフト操作に対しては内燃機関の回転数が一時的に減少するよう発電機を駆動制御し、ダウンシフト操作に対しては内燃機関の回転数が一時的に増加するよう発電機を駆動制御することによりシフト操作に対する変速感を実現するものとしている。
特開2006−220482号公報
上述の動力出力装置において、アップシフト操作時に内燃機関の回転数の減少させる際には発電機は発電し、その発電電力はバッテリに蓄えられたり電動機により消費されたりする。このとき、バッテリの入力制限によっては発電機の駆動を制限する必要から内燃機関の回転数を迅速に減少させることができない場合を生じたり駆動軸に要求される要求駆動力に対応することができない場合を生じるからこれを改善することが望ましい。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、操作者の操作に基づいて内燃機関の回転数の急減が要求されたときにこれに迅速に対応することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、要求駆動力に対応しながら操作者の操作に基づく内燃機関の回転数の急減の要求に迅速に対応することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該駆動軸の回転に対して該内燃機関を任意の運転ポイントで運転可能で、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力を該駆動軸に伝達する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
操作者による所定の操作に基づいて前記内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには、前記内燃機関から出力する動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する駆動制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、操作者による所定の操作に基づいて内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには内燃機関から出力する動力の制限を伴って内燃機関の回転数が減少する共に設定した要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを駆動制御する。これにより、内燃機関の回転数を減少させる際の電力動力入出力手段の過剰な発電を抑制できるから、蓄電手段が過大な電力により充電されるのを抑制しつつ内燃機関の回転数を迅速に減少させることができ、操作者の操作に迅速に対応することができる。また、要求駆動力に対応することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記駆動制御手段は、前記内燃機関の回転数の減少に伴って生じる該内燃機関を含む慣性系の慣性力を推定し、該推定した慣性力に基づく前記内燃機関の動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段が過大な電力により充電されるのを抑制しながらより適正に操作者の所定の操作に対応することができる。この場合、内燃機関を含む慣性系の慣性力が大きいほど内燃機関の動力を大きく制限するものとすることもできる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記駆動制御手段は、前記設定された要求駆動力を前記駆動軸に出力するための前記内燃機関の目標動力を設定し、前記推定した慣性力に基づいて前記内燃機関の動力の制限値を設定し、該設定した制限値で前記設定した目標動力を制限した動力が前記内燃機関から出力され該内燃機関の回転数が減少すると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、前記駆動制御手段は、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、操作者の所定の操作に基づいて内燃機関の回転数を減少させる際に蓄電手段の入力制限の範囲内で要求駆動力に対応することができる。
本発明の自動車は、
上述した本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され該駆動軸の回転に対して該内燃機関を任意の運転ポイントで運転可能で電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力を該駆動軸に伝達する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、操作者による所定の操作に基づいて前記内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには前記内燃機関から出力する動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する駆動制御手段とを備える動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、蓄電手段が過大な電力により充電されるのを抑制しつつ内燃機関の回転数を迅速に減少させることができる効果や要求駆動力に対応することができる効果などの効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該駆動軸の回転に対して該内燃機関を任意の運転ポイントで運転可能で電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力を該駆動軸に伝達する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
(a)前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
(b)操作者による所定の操作に基づいて前記内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには、前記内燃機関から出力する動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する
ことを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、操作者による所定の操作に基づいて内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには内燃機関から出力する動力の制限を伴って内燃機関の回転数が減少する共に設定した要求駆動力に基づく駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段と電動機とを駆動制御する。これにより、内燃機関の回転数を減少させる際の電力動力入出力手段の過剰な発電を抑制できるから、蓄電手段が過大な電力により充電されるのを抑制しつつ内燃機関の回転数を迅速に減少させることができ、操作者の操作に迅速に対応することができる。また、要求駆動力に対応することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
また、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出するシフトレバー81のポジションとしては、駐車ポジション(Pポジション)や中立ポジション(ニュートラル),後進ポジション(Rポジション),ドライブポジション(Dポジション),ブレーキポジション(B)などがある他、ドライブポジションからの移行によりエンジン22の回転数を一時的に増減することにより車速Vに対するエンジン22の回転数の回転数比を変更することなく擬似的なシフト感を実現するためのアップシフトを指示するアップシフト指示ポジションとダウンシフトを指示するダウンシフト指示ポジションとがある。こうしたアップシフト指示ポジションとダウンシフト指示ポジションとによるシフトを実施例では「シーケンシャルシフト」と呼ぶことにする。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、シーケンシャルシフトにおけるアップシフト指示がなされた際の動作について説明する。図2は、シフトポジションセンサ82によりシーケンシャルシフトが検出されているときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*を設定する(ステップS120)。エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*の設定は、エンジン22を効率よく動作させる燃費最適動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の燃費最適動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、シーケンシャルシフトにおけるシフト操作が行なわれたか否かを判定する(ステップS130)。シフト操作が行なわれていないと判定されると、前回のシフト操作後からシーケンシャルシフトの処理(エンジン22の回転数を一時的に増減する処理)に必要な時間として設定されている所定時間Trefが経過しているか否かを判定する(ステップS140)、所定時間Trefが経過していると判定されると、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1の仮モータトルク指令Tm1tmpを計算する(ステップS210)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1tmp=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*と仮モータトルクTm1tmpとを計算すると、モータMG1から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm1min,Tm1maxを次式(3)および式(4)により設定し(ステップS220)、設定したトルク制限Tm1min,Tm1maxで仮モータトルクTm1tmpを制限した値としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS230)。ここで、式(3)はモータMG1とモータMG2とから駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクの総和が値0から要求トルクTr*までの範囲内となる関係であり、式(4)はモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Win,Woutの範囲内となる関係である。トルク制限Tm1min,Tm1maxを設定する様子を図8に示す。トルク制限Tm1min,Tm1maxは、図中斜線で示した領域内でモータMG1から出力できるトルクの最小値と最大値として求めることができる。
0≦-Tm1tmp/ρ+Tm2tmp・Gr≦Tr* (3)
Win≦Tm1tmp・Nm1+Tm2tmp・Nm2≦Wout (4)
モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(5)および式(6)により計算すると共に(ステップS240)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(7)により計算し(ステップS250)、計算したトルク制限Tm2min,Tm2maxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS260)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(7)は、前述した図7の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (6)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (7)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS270)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ステップS130でシーケンシャルシフトにおけるシフト操作が行なわれたと判定されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70に内蔵するタイマTをスタートする(ステップS150)。タイマTをスタートした直後やタイマTをスタートした後にステップS140でシフト操作後から未だ所定時間Trefが経過していない判定されると、行なわれたシフト操作がアップシフトであるか否かを判定する(ステップS160)。アップシフトと判定されると、エンジン22から出力すべき要求パワーPe*を制限するための後述する要求パワー制限処理を実行し(ステップS170)、タイマTの値に基づいて補正係数Kを設定し(ステップS180)、設定した補正係数KをステップS120で設定したエンジン22の目標回転数Ne*に乗じて目標回転数Ne*を再設定すると共に再設定した目標回転数Ne*で要求パワー制限処理により制限された要求パワーPe*を除して目標トルクTe*を再設定し(ステップS200)、再設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*によって示される運転ポイントでエンジン22が運転されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS210〜S260)、各設定値をエンジンECU24やモータECU40に送信して(ステップS270)、本ルーチンを終了する。ここで、補正係数Kは、実施例では、タイマTの値と補正係数Kとの関係を予め求めてアップシフト時補正係数設定用マップとしてRAM76に記憶しておき、タイマTの値が与えられるとマップから対応する補正係数Kを導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図9に示す。図示するように、補正係数Kは、アップシフト指示がなされたときには値1〜値0の範囲内で設定され、シフト操作の直後は値1から急激に小さくなりその後は徐々に値1に近づくよう設定される。したがって、エンジン22の目標回転数Ne*は、アップシフト指示に伴って一時的に減少するがその後は徐々に図6に例示する燃費最適動作ライン上の運転ポイントにおける回転数にまで増加する。このように、実施例では、アップシフト指示がなされたときには恰も車速Vに対するエンジン22の回転数の回転数比が変更されたかのようにエンジン22の回転数を一時的に減少させる擬似的なアップシフト処理を行なうことにより、アップシフト操作に対する変速感をもたせているのである。
ステップS160でシフト操作がダウンシフトであると判定されると、タイマTの値に基づいて補正係数Kを設定し(ステップS190)、設定した補正係数KをステップS120で設定したエンジン22の目標回転数Ne*に乗じて目標回転数Ne*を再設定すると共に再設定した目標回転数Ne*で要求パワーPe*を除して目標トルクTe*を再設定し(ステップS200)、ステップS210〜S270の処理を実行して本ルーチンを終了する。ここで、ダウンシフト時の補正係数Kは、実施例では、タイマTの値と補正係数Kとの関係を予め求めてダウンシフト時補正係数設定用マップとしてRAM76に記憶しておき、タイマTの値が与えられるとマップから対応する補正係数Kを導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図10に示す。図示するように、補正係数Kは、ダウンシフト操作がなされたときには値1以上の範囲内で設定され、シフト操作の直後は値1から急激に大きくなりその後は値1に近づくよう設定される。したがって、エンジン22の目標回転数Ne*は、ダウンシフトの操作に伴って一時的に増加するがその後は徐々に図6に例示する燃費最適動作ライン上の運転ポイントにおける回転数にまで減少する。このように、実施例では、ダウンシフト指示がなされたときには恰も車速Vに対するエンジン22の回転数の回転数比が変更されたかのようにエンジン22の回転数を一時的に増加さえる擬似的なダウンシフト処理を行なうことにより、ダウンシフト操作に対する変速感をもたせているのである。
次に、ステップS160でシフト操作がアップシフトであると判定されたときに実行される要求パワー制限処理について説明する。図11の実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される要求パワー制限処理の一例を示すフローチャートである。この要求パワー制限処理は、エンジン22の回転数Neに基づいて目標変化量ΔNe*を設定し(ステップS172)、設定した目標変化量ΔNe*と回転数Neとに基づいてアップシフトに伴うエンジン22の回転数の一時的な減少によって生じるイナーシャパワーPiを次式(8)により推定し(ステップS174)、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)を乗じたものからバッテリ50の入力制限WinとイナーシャパワーPiとを減じると共にロスLossを加えた次式(9)によりエンジン22から出力してもよいパワーの上限としての上限パワーPmaxを計算し(ステップS176)、計算した上限パワーPmaxで要求パワーPe*を制限した値を要求パワーPe*に設定し直すことにより行なわれる(ステップS178)。ここで、目標変化量ΔNe*は、実施例では、エンジン22の回転数Neと目標変化量ΔNe*との関係を予め求めて目標変化量設定用マップとしてRAM76に記憶しておき、回転数Neが与えられるとマップから対応する目標変化量ΔNe*を導出することにより設定するものとした。このマップの一例を図12に示す。なお、式(9)中「I」はエンジン22とモータMG1とを含む慣性系の慣性モーメントである。図13に、アップシフト指示がなされたときの動力分配統合機構30の回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を示す。今、アップシフト指示がなされたときを考えているから、エンジン22の目標回転数Ne*は一時的に減少し、モータMG1からは発電を伴って図中下向き(エンジン22の回転数を押さえ込む方向)のトルクが出力され、モータMG1で発電された電力はバッテリ50に蓄えられる。このため、入力制限WinによってはイナーシャパワーPi分の電力をバッテリ50で吸収できずにモータMG1から出力されるトルクが大きく制限される場合が生じ(図8参照)、この場合、エンジン22の回転数Neはゆっくりとしか低下しないから、アップシフトによる十分な変速感を得ることができない。実施例では、アップシフトの処理に伴って生じる余剰のイナーシャパワーPiを差し引いたエンジン22の上限パワーPmaxを設定すると共に設定した上限パワーPmaxでエンジン22から出力すべき要求パワーPe*(目標トルクTe*)を制限するから、エンジン22の回転数Neを素早く目標回転数Ne*まで低下させることができ、これにより、アップシフトによる十分な変速感を得ることができるのである。
Pi=I・ΔNe*・Ne (8)
Pmax=Tr*×Nm2/Gr-Win-Pi+Loss (9)
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、シーケンシャルシフトにおけるアップシフト指示がなされてエンジン22の回転数を減少させる要求がなされたときには、エンジン22の回転数の減少に伴って生じるイナーシャパワーPiを推定し、推定したイナーシャパワーPi分を差し引いてバッテリ50の入力制限Winの範囲内でエンジン22から出力してもよいパワーの上限としての上限パワーPmaxを設定し、設定した上限パワーPmaxでエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を制限し、エンジン22の回転数の減少を伴って制限した要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1,MG2を駆動制御するから、要求トルクTr*に対応しながらアップシフト指示されたときのエンジン22の回転数を素早く減少させることができる。この結果、シーケンシャルシフトのシフト操作に対するレスポンスを良好なものとすることができ、良好な変速感をもたせることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の回転数Neから回転変化量ΔNe*を推定すると共に慣性モーメントIに回転変化量ΔNe*と回転数Neとを乗じてイナーシャパワーPiを設定するものとしたが、エンジン22の回転数Neから直接イナーシャパワーPiを推定するものとしてもよいし、イナーシャパワーPiを推定可能な他の如何なるパラメータを用いるものとしてもよい。また、精度は若干低下するものの実験などにより得られる所定値をイナーシャパワーPiとして用いるものとしても差し支えない。
実施例のハイブリッド自動車20では、シーケンシャルシフトのシフト操作に基づいてエンジン22の回転数を所定時間Trefだけ増減させるものとして基本的にはエンジン22を図6に例示する燃費最適動作ライン上で運転するものとしたが、シーケンシャルシフトが選択されたときには図14に例示するようにシフトポジションSPにより車速Vに対するエンジン22の回転数の回転数比を複数段に亘って変更するものとしてもよい。この場合の処理は、例えば図2のステップS120に代えて図14に例示するマップを用いてシフトポジションSPと車速Vとに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*を設定すると共に設定した目標回転数Ne*で要求パワーPe*を除してエンジン22の目標トルクTe*を設定するものとし、ステップS180に代えてステップS170で要求パワーPe*が再設定されたときには図14のマップにより得られた目標回転数Ne*で再設定された要求パワーPe*を除して要求トルクTe*を再設定するものとし、ステップS190,S200を削除することにより行なうことができる。また、この場合、要求パワー制限処理の実行前にエンジン22の目標回転数Ne*が確定することから、要求パワー制限処理のステップS172の目標変化量ΔNe*を、設定した目標回転数Ne*に現在の回転数Neを減じたものとして計算することもできる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図15の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図15における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図16の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される動力出力装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた動力出力装置の形態としても構わない。さらに、こうした動力出力装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30やモータMG1が「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、図2の駆動制御ルーチンにおける要求トルクTr*を設定するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、シーケンシャルシフトにおけるアップシフト指示がなされたときに、エンジン22の回転数を減少させる際に生じるエンジン22を含む慣性系のイナーシャパワーPiを推定すると共に推定したイナーシャパワーPiに基づいてエンジン22から出力してもよいパワーの上限としての上限パワーPmaxを設定し、エンジン22の回転数の減少を伴って上限パワーPmaxの範囲内でエンジン22から要求パワーPe*が出力されると共に要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するハイブリッド用電子制御ユニット70,エンジンECU24,モータECU40が「駆動制御手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置や車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。 バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 モータMG1のトルクTm1min,Tm1maxの設定の様子の一例を示す説明図である。 アップシフト時補正係数設定用マップの一例を示す説明図である。 ダウンシフト時補正係数設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される要求パワー制限処理の一例を示すフローチャートである。 目標変化量設定用マップの一例を示す説明図である。 アップシフト時の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 シフトポジションSPと車速Vとエンジン22の目標回転数Ne*との関係の一例を示すマップである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、該駆動軸の回転に対して該内燃機関を任意の運転ポイントで運転可能で、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力を該駆動軸に伝達する電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    操作者による所定の操作に基づいて前記内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには、前記内燃機関から出力する動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する駆動制御手段と
    を備える動力出力装置。
  2. 前記駆動制御手段は、前記内燃機関の回転数の減少に伴って生じる該内燃機関を含む慣性系の慣性力を推定し、該推定した慣性力に基づく前記内燃機関の動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記駆動制御手段は、前記設定された要求駆動力を前記駆動軸に出力するための前記内燃機関の目標動力を設定し、前記推定した慣性力に基づいて前記内燃機関の動力の制限値を設定し、該設定した制限値で前記設定した目標動力を制限した動力が前記内燃機関から出力され該内燃機関の回転数が減少すると共に前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 前記駆動制御手段は、前記蓄電手段の入力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置を搭載し、前記駆動軸が車軸に接続されて走行する自動車。
  6. 内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され該駆動軸の回転に対して該内燃機関を任意の運転ポイントで運転可能で電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力を該駆動軸に伝達する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力をやり取り可能な蓄電手段とを備える動力出力装置の制御方法であって、
    (a)前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定し、
    (b)操作者による所定の操作に基づいて前記内燃機関の回転数を減少させる要求がなされたときには、前記内燃機関から出力する動力の制限を伴って該内燃機関の回転数が減少すると共に前記要求駆動力設定手段により設定された要求駆動力に基づく駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを駆動制御する
    動力出力装置の制御方法。
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