JP2000104575A - ハイブリッド車両の出力制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の出力制御装置

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JP2000104575A
JP2000104575A JP10276000A JP27600098A JP2000104575A JP 2000104575 A JP2000104575 A JP 2000104575A JP 10276000 A JP10276000 A JP 10276000A JP 27600098 A JP27600098 A JP 27600098A JP 2000104575 A JP2000104575 A JP 2000104575A
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torque
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康彦 北島
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浩之 糸山
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    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
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    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】クラッチの断接に基づくイナーシャの変化に対
応して駆動トルクを修正し、運転フィーリングの変動を
防止する。 【解決手段】エンジン2とモータ4との間にクラッチ3
が介装され、クラッチ3の断接に応じてエンジン2、モ
ータ4のいずれか一方または両方の出力で変速機5を介
して車両を駆動するようにしたハイブリッド車両におい
て、クラッチ3の断接を判断する手段50と、クラッチ
3の接続と切断に応じてそのときの駆動系イナーシャを
演算し、これら演算されたイナーシャと変速機5の変速
比変化とから過渡駆動力のイナーシャ補償トルクを演算
する手段51と、車両の目標駆動トルクとイナーシャ補
償トルクとに基づいてエンジン2とモータ4の駆動トル
クを制御する手段52を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド車両の
出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】原動機としてエンジン
(内燃機関)と電動機(モータ)とを併有し、いずれか
一方または双方の駆動力により走行するようにしたハイ
ブリッド車両が知られている(例えば、鉄道の日本社発
行「自動車工学」VOL.46 No.7 1997年6月号 39〜52頁
参照)。
【0003】このようないわゆるパラレル方式のハイブ
リッド車両では、基本的に比較的負荷の小さい運転域で
は電動機のみで走行し、負荷が増大するとエンジンを起
動して所要の駆動力を確保し、必要に応じてモータとエ
ンジンを併用することにより最大の駆動力を発揮させら
れるようになっている。また、エンジンはバッテリの充
電量が設定値以下となったときにも駆動され、バッテリ
の充電を行うようにもなっている。
【0004】ところで、エンジンの駆動力はクラッチ並
びに自動変速機、例えば無段変速機を経由して駆動輪に
伝達されるが、クラッチが接続されてないときは、モー
タだけがパワートレインを構成するが、クラッチが接続
されているときは、エンジンとモータがパワートレイン
を構成する。
【0005】このため、クラッチの断接により駆動系の
イナーシャが変化し、例えば同一の駆動力であっても、
変速機の変速比が変化したときに発生する過渡的なトル
クのダウン、アップ特性がクラッチを繋いでいるとき
と、切ったときとで変化し、また車両を加速したり減速
したりするときにも、クラッチが接続されているときと
切られているときとで、加減速特性が変化してしまう。
このように駆動系がモータだけのときと、エンジンとモ
ータが同時に接続されているときとでは、イナーシャが
異なるため、変速比の変化に伴うトルク特性や、加減速
特性が変化するのである。
【0006】これでは、クラッチが接続しているときと
切断されているときとで運転フィーリングが変動してし
まい、好ましくない。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
提案されたもので、クラッチの断接に基づくイナーシャ
の変化に対応して駆動トルクを修正し、運転フィーリン
グの変動を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
とモータとの間にクラッチが介装され、クラッチの断接
に応じてエンジン、モータのいずれか一方または両方の
出力で変速機を介して車両を駆動するようにしたハイブ
リッド車両において、クラッチの断接を判断する手段
と、クラッチの接続と切断に応じてそのときの駆動系イ
ナーシャを演算する手段と、これら演算されたイナーシ
ャと変速機の変速比変化とから過渡駆動力のイナーシャ
補償トルクを演算する手段と、車両の目標駆動トルクと
イナーシャ補償トルクとに基づいて前記エンジンとモー
タの駆動トルクを制御する手段とを備える。
【0009】第2の発明は、エンジンとモータとの間に
クラッチが介装され、クラッチの断接に応じてエンジ
ン、モータのいずれか一方または両方の出力で変速機を
介して車両を駆動するようにしたハイブリッド車両にお
いて、クラッチの断接を判断する手段と、クラッチの接
続と切断に応じてそのときの駆動系イナーシャを演算す
る手段と、車両の状態に応じて目標等価イナーシャを設
定する手段と、前記駆動系のイナーシャと目標等価イナ
ーシャとからこれらの偏差を補償するためのイナーシャ
偏差補償トルクを演算する手段と、車両の目標駆動トル
クとイナーシャ偏差補償トルクとに基づいて前記エンジ
ンとモータの駆動トルクを制御する手段とを備える。
【0010】第3の発明は、エンジンとモータとの間に
クラッチが介装され、クラッチの断接に応じてエンジ
ン、モータのいずれか一方または両方の出力で変速機を
介して車両を駆動するようにしたハイブリッド車両にお
いて、クラッチの断接を判断する手段と、クラッチの接
続と切断に応じてそのときの駆動系イナーシャを演算す
る手段と、これら演算されたイナーシャと変速機の変速
比変化とから過渡駆動力のイナーシャ補償トルクを演算
する手段と、車両の状態に応じて目標等価イナーシャを
設定する手段と、前記駆動系のイナーシャと目標等価イ
ナーシャとからこれら偏差を補償するためのイナーシャ
偏差補償トルクを演算する手段と、車両の目標駆動トル
クとイナーシャ補償トルク並びにイナーシャ偏差補償ト
ルクとに基づいて前記エンジンとモータの駆動トルクを
制御する手段とを備える。
【0011】第4の発明は、第1〜第3の発明におい
て、前記イナーシャ演算手段は、クラッチ接続時は変速
機上流の全ての駆動系のイナーシャを算出し、クラッチ
遮断時はクラッチ下流でかつ変速機上流のイナーシャを
算出する。
【0012】第5の発明は、第1または第3の発明にお
いて、前記イナーシャ補償トルク演算手段は、演算され
たイナーシャに変速比変化と回転軸角速度とを乗じてイ
ナーシャ補償トルクを算出する。
【0013】第6の発明は、第2または第3の発明にお
いて、前記イナーシャ偏差補償トルク演算手段は、演算
されたイナーシャと目標等価イナーシャとの差に回転軸
の回転角速度の時間変化を乗じてイナーシャ偏差補償ト
ルクを算出する。
【0014】第7の発明は、第2または第3の発明にお
いて、前記目標等価イナーシャ演算手段は車両状態に応
じて車両の加減速感度を大きくしたいときには目標等価
イナーシャを小さくし、同じく加減速感度を小さくした
いときには目標等価イナーシャを大きくする。
【0015】
【発明の作用・効果】第1の発明では、変速機の変速比
が変化するときに、クラッチの接続状態のいかんにかか
わらず、適切なイナーシャ補償が行われ、このため変速
比が変化しているときの過渡駆動力の応答性が、クラッ
チを接続しているときと切っているとき、つまりエンジ
ンとモータで車両を駆動しているときと、モータだけで
駆動しているときとで同じとなり、変速時の車両運転特
性の変動が防止される。
【0016】第2の発明では、クラッチが接続されてい
るときと、クラッチが切られているときの駆動系のイナ
ーシャの相違を、イナーシャ偏差補償トルクに基づいて
補償することにより、エンジンとモータで車両を駆動し
ているときと、モータだけで駆動しているときの車両の
加減速特性を同一にすることができ、加減速時の運転特
性の変動を防止できる。
【0017】第3の発明では、変速時の過渡駆動力の応
答性と、加減速時の応答性とをクラッチを接続している
ときと切っているときとで、同一となるように補償で
き、エンジンとモータの両方で、あるいはモータだけで
車両を駆動するときの運転特性の変動を回避できる。
【0018】第4の発明では、クラッチを接続している
ときと切っているときのそれぞれの駆動系のイナーシャ
を正確に求めることができる。
【0019】第5、第6の発明では、それぞれイナーシ
ャ補償トルクと、イナーシャ偏差補償トルクとを的確に
求めることができる。
【0020】第7の発明では、目標等価イナーシャを要
求される加減速感度に応じて変化させることで、必要に
応じて加速あるいは減速応答性を高めたり低下させたり
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。まず図1〜図4に本発明が適用可能な
ハイブリッド車両の構成例を示す。これらはいずれも走
行条件に応じてエンジン(内燃機関)またはモータ(電
動機)の何れか一方または双方の動力を用いて走行する
パラレル方式のハイブリッド車両である。
【0022】図1において、太い実線は機械力の伝達経
路を示し、太い破線は電力線を示している。また、細い
実線は制御線を示し、二重線は油圧系統を示す。
【0023】この車両のパワートレインは、モータ1、
エンジン2、クラッチ3、モータ4、無段変速機5、減
速装置6、差動装置7および駆動輪8から構成される。
モータ1の出力軸、エンジン2の出力軸およびクラッチ
3の入力軸は互いに連結されており、また、クラッチ3
の出力軸、モータ4の出力軸および無段変速機(または
自動変速機)5の入力軸は互いに連結されている。
【0024】クラッチ3締結時はエンジン2とモータ4
が車両の推進源となり、クラッチ3解放時はモータ4の
みが車両の推進源となる。エンジン2またはモータ4の
駆動力は、無段変速機5、減速装置6および差動装置7
を介して駆動輪8へ伝達される。無段変速機5には油圧
装置9から変速に必要な圧油が供給される。油圧装置9
のオイルポンプ(図示せず)はモータ10により駆動さ
れる。
【0025】モータ1は主としてエンジン始動と発電に
用いられ、モータ4は主として車両の推進(力行)と制
動(減速エネルギ回生)に用いられる。また、モータ1
0は油圧装置9のオイルポンプ駆動用である。また、ク
ラッチ3締結時に、モータ1を車両の推進と制動に用い
ることもでき、モータ4をエンジン始動や発電に用いる
こともできる。クラッチ3はパウダークラッチであり、
伝達トルクを調節することができる。無段変速機5はベ
ルト式やトロイダル式などの無段変速機であり、変速比
を無段階に調節することができる。
【0026】モータ1,4,10はそれぞれ、インバー
タ11,12,13により駆動される。なお、モータ
1,4,10に直流電動モータを用いる場合には、イン
バータの代わりにDC/DCコンバータを用いる。イン
バータ11〜13は共通のDCリンク14を介してメイ
ンバッテリ15に接続されており、メインバッテリ15
の直流充電電力を交流電力に変換してモータ1,4,1
0へ供給するとともに、モータ1,4の交流発電電力を
直流電力に変換してメインバッテリ15を充電する。な
お、インバータ11〜13は互いにDCリンク14を介
して接続されているので、回生運転中のモータにより発
電された電力をメインバッテリ15を介さずに直接、力
行運転中のモータへ供給することができる。メインバッ
テリ15には、リチウム・イオン電池、ニッケル・水素
電池、鉛電池などの各種電池や、電機二重層キャパシタ
ーいわゆるパワーキャパシターが適用される。
【0027】コントローラ16はマイクロコンピュータ
とその周辺部品や各種アクチュエータなどを備え、クラ
ッチ3の伝達トルク、モータ1,4,10の回転数や出
力トルク、無段変速機5の変速比、エンジン2の燃料噴
射量・噴射時期、点火時期などを制御する。
【0028】コントローラ16には、図2に示すよう
に、キースイッチ20、セレクトレバースイッチ21、
アクセルペダルセンサ22、ブレーキスイッチ23、車
速センサ24、バッテリ温度センサ25、バッテリSO
C検出装置26、エンジン回転数センサ27、スロット
ル開度センサ28が接続される。キースイッチ20は、
車両のキーが0N位置またはSTART位置に設定され
ると閉路する(以下、スイッチの閉路をオンまたは0
N、開路をオフまたはOFFと呼ぷ)。セレクトレバー
スイッチ21は、パーキングP、ニュートラルN、リバ
ースRおよびドライブDの何れかのレンジに切り換える
セレクトレバー(図示せず)の設定位置に応じて、P,
N,R,Dのいずれかのスイッチがオンする。
【0029】アクセルペダルセンサ22はアクセルペダ
ルの踏み込み量を検出し、ブレーキスイッチ23はブレ
ーキペダルの踏み込み状態(この時、スイッチオン)を
検出する。車速センサ24は車両の走行速度を検出し、
バッテリ温度センサ25はメインバッテリ15の温度を
検出する。また、バッテリSOC検出装置26はメイン
バッテリ15の実容量の代表値であるSOC(バッテリ
チャージ量)を検出する。さらに、エンジン回転数セン
サ27はエンジン2の回転数を検出し、スロットル開度
センサ28はエンジン2のスロットルバルブ開度を検出
する。
【0030】コントローラ16にはまた、エンジン2の
燃料噴射装置30、点火装置31、可変動弁装置32な
どが接続される。コントローラ16は、燃料噴射装置3
0を制御してエンジン2への燃料の供給と停止および燃
料噴射量・噴射時期を調節するとともに、点火装置31
を駆動してエンジン2の点火時期制御を行う。また、コ
ントローラ16は可変動弁装置32を制御してエンジン
2の吸・排気弁の作動状態を調節する。なお、コントロ
ーラ16には低圧の補助バッテリ33から電源が供給さ
れる。
【0031】ところで、クラッチ3を接続してエンジン
2とモータ4の出力により車両を駆動しているときと、
クラッチ3を切断し、モータ4のみで車両を駆動すると
きでは、パワートレインのイナーシャが異なり、これに
より無段変速機5の変速比が変化したときや、あるいは
車両を加速したの減速したときの特性が、クラッチ3の
接続状態によって変動する。
【0032】このような駆動力特性の変動を防止するた
め、コントローラ16はクラッチ3の断接状態を判定し
てイナーシャトルクの変化分を求め、これを補償するす
るように駆動トルクを制御するようになっている。
【0033】まず図3にしたがって、無段変速機5の変
速比が変化するときの過渡的な駆動トルク補償制御を説
明する。
【0034】図において、50はクラッチ3の接続、切
断、あるいは半クラッチ状態のいずれにあるかを判断す
る判断手段である。
【0035】このクラッチ状態判断手段50は、例え
ば、図4にもあるように、クラッチ入力軸の回転速度
と、クラッチ出力軸の回転速度とを入力し、これらの回
転速度差を演算する回路60と、基準の回転速度差範囲
に相当する基準範囲信号を出力する回路61と、これら
両方の回路60と61の出力を比較してクラッチ状態を
判定する回路62とから構成される。
【0036】比較判定回路62は、演算された回転速度
差が基準の回転速度差範囲の下限よりも小さいときは、
回転スリップが小さく、クラッチ3が接続状態にあるも
のと判定し、基準の回転速度差の上限よりも大きいとき
は、クラッチ3が切断状態にあると判定する。また、基
準の回転速度差範囲内にあるときは、ある程度のスリッ
プを生じている半クラッチ状態にあると判定する。
【0037】図3において、51はクラッチ3の接続状
態に応じての駆動系イナーシャトルクを演算するための
演算手段である。
【0038】このイナーシャトルク演算手段51は、例
えば図5のように構成される。
【0039】70は変速機上流の全ての駆動系、つまり
エンジン2とモータ4を含む駆動系のイナーシャを演算
するための回路であり、71はクラッチ3の下流で変速
機上流、すなわちエンジン2を切り離し、モータ4を中
心とする駆動系のイナーシャを演算するための回路であ
る。
【0040】なお、ここでエンジン側のイナーシャにつ
いては、エンジン2に直結されているモータ1のイナー
シャも含まれる(以下同じ)。
【0041】72はクラッチ3の状態に応じてこれら各
回路70と71の出力を切換える回路で、これら演算さ
れたイナーシャと、そのときの変速比の変化、駆動軸回
転角速度などに基づいて、73のイナーシャトルク補償
回路において、イナーシャ補償トルクが算出される。
【0042】この場合、イナーシャ補償トルクは、無段
変速機5の変速比が変化したときのトルクアップあるい
はトルクダウン特性を、それぞれクラッチ3を接続して
いるときと、切断したときとで同一となるように補償す
るためのもので、例えば、変速比が大きい方向(シフト
ダウン方向)に変化して変速機入力側がトルクアップす
る場合、イナーシャトルクが大きいときは小さいときに
比較して応答性が低下する。
【0043】したがってこのような場合に応答性を同一
に維持するには、そのときの変速比、駆動軸回転角速度
等に基づいて、駆動トルクを増加補正してやる必要があ
り、この変動吸収分がイナーシャ補償トルクに相当す
る。
【0044】ただし、これらの演算方法については後で
まとめて述べることにする。
【0045】図3に戻って、52は基準回転軸トルク演
算手段であって、ここでは運転状態に応じて設定される
目標駆動トルクと、このイナーシャ補償トルクとに基づ
いてエンジンまたはモータ回転軸に換算した基準回転軸
駆動トルクを算出する。
【0046】基準回転軸駆動トルクは目標駆動トルクが
同一でもイナーシャ補償トルクの大きさによって変化
し、この基準回転軸駆動トルク指令値が、エンジン2と
モータ4とのトルク分配演算手段53に出力される。こ
のトルク分配演算手段53はクラッチ3が接続されてい
るときは、エンジン2とモータ4とのトルク(駆動力)
の配分を算出し、それぞれエンジン回転軸トルク指令値
とモータ回転軸トルク指令値とをエンジン2とモータ4
に出力するが、クラッチ3が切断されているときは、モ
ータ4で全ての駆動トルクを賄うようにモータトルク指
令値を出力する。次に、図6にしたがって、車両が加速
したり減速したりするときの駆動トルク補償制御につい
て説明する。
【0047】80は前記と同じくクラッチ3の入力軸と
出力軸の回転速度差に基づいてクラッチ3の接続状態を
判断する手段、81はクラッチ3の状態に応じて車両イ
ナーシャを演算する手段である。
【0048】この車両イナーシャ演算手段81は、図7
にも示すように構成される。
【0049】90は変速機上流の全ての駆動系、つまり
エンジン2とモータ4を含む駆動系のイナーシャを演算
するための回路であり、91はクラッチ3の下流で変速
機上流、すなわちエンジン2を切り離し、モータ4を中
心とする駆動系のイナーシャを演算するための回路であ
る。92はクラッチ3の状態に応じてこれら各回路90
と91の出力を切換える回路である。
【0050】次に図6において、82は車両の状態に応
じて駆動軸回りの目標等価イナーシャを設定するための
等価イナーシャ設定手段である。この等価イナーシャ設
定手段82は、車両の状態に応じて、例えば加減速感度
を大きくしたい状況にあると判断した場合には目標等価
イナーシャを小さく、これに対して車両の加減速感度を
小さくしたい状況にあると判断したときは目標等価イナ
ーシャを大きくするようになっている。
【0051】83は前記車両イナーシャと目標等価イナ
ーシャとに基づいてイナーシャ偏差補償トルクを演算す
るイナーシャ偏差補償トルク演算回路で、図7のように
構成される。つまり、クラッチ3を接続したときと、切
断したときの車両のイナーシャから目標等価イナーシャ
を差し引いた値を出力する回路93と、これにそのとき
の基準回転軸回転角速度の時間変化を乗じて補償トルク
を演算する回路94からなり、これをイナーシャ偏差補
償トルクとして出力する。
【0052】84は基準回転軸トルク演算手段で、目標
駆動トルクとイナーシャ偏差補償トルクとに基づいて、
エンジン、モータ回転軸に換算した基準回転軸トルク指
令値を算出する。これは図3における基準回転軸トルク
演算手段52と実質的に同じであり、また、85〜87
のトルク分配演算手段、エンジン制御手段、モータ制御
手段は、同じく図3の53〜55の各手段に実質的に同
じである。
【0053】以上のように構成されていて、ここで前記
したイナーシャ補償トルク、イナーシャ偏差補償トルク
の具体的な演算手法について説明する。
【0054】無段変速機の変速比変化を補償するため
の、エンジン、モータ回転軸でのイナーシャ補償トルク
Tcmpは次式のようになる。ただし、式中の符号は下
記の一覧を参照。
【0055】 Tcmp1=Ipp・Gf・ωd(dG/dt) …(1) 車両の加減速時の加減速特性を補償するためのイナー
シャ偏差補償トルクTcmpは次式のようにないる。
【0056】 Tcmp2=(Ipp−Iequ)dωpp/dt …(2) ただし、駆動軸回りのイナーシャIdと、変速機入力軸
回りのイナーシャIppをそれぞれクラッチ締結時(接
続)、非締結時(切断)及び半クラッチ時とに分けて求
めると次式のようになる。
【0057】 1)クラッチ締結時(モータ1の回転数制御時を除く) Id=G2Gf2(Ieng+Imtb+Iinp+Imta) …(3) Ipp=(Ieng+Imtb+Iinp+Imta) …(4) 2)クラッチ非締結時(クラッチ締結時でモータ1の回転数制御時含む) Id=G2Gf2(Iinp+Imta) …(5) Ipp=(Iinp+Imta) …(6) 3)半クラッチの時 Id=G2Gf2(Iinp+Imta) …(7) Ipp=(Iinp+Imta) …(8) なお、ここで駆動軸回り運動方程式(変速比変化時の)
を考えると次のようになる。
【0058】 1)2)の場合 Id(dωd/dt)=(Td−Tr/l)−IppGGf2ωd(dG/ dt) …(9) 3)の場合 Id(dωd/dt)=(Td−Tr/l)−IppGGf2ωd(dG/ dt)−Tcl …(10) Id 駆動軸回りのイナーシャ Ipp 変速機入力軸回りのイナーシャ(車両のイ
ナーシャ) G 変速機の変速比 Gf 最終減速比 Ieng エンジンのイナーシャ Imtb モータ4のイナーシャ Iinp 変速機入力部のイナーシャ Imta モータ1のイナーシャ Iequ 目標等価イナーシャ ωd 駆動軸の回転角速度 Td 駆動軸トルク Tr/l 走行抵抗 Tcl クラッチ伝達トルク ωpp 変速機入力軸の回転角速度 次に全体的な作用について説明する。
【0059】車両がエンジン2とモータ4との両方によ
って駆動されているときと、エンジン2が切り離されて
モータ4のみで駆動されているときとでは、駆動系のイ
ナーシャがそれぞれ異なる。
【0060】このため、クラッチ3の接続状態のいかん
によって駆動系イナーシャが相違し、車両の運転特性が
変動する。例えば、クラッチ3を接続しているときは駆
動系のイナーシャが大きいため、クラッチ3を切ってい
るときに比較して、変速機5の変速比が変化したときの
トルクアップあるいはトルクダウン特性が緩やかになる
傾向がある。また車両を加速あるいは減速するときの特
性が、クラッチ3を接続してエンジン2とモータ4によ
って駆動しているときと、クラッチ3を切ってモータ4
のみによって駆動しているときとでは、たとえ同一の駆
動トルク特性に設定されていても、イナーシャの相違分
に応じて変動してしまう。
【0061】しかし本発明では、クラッチ3の接続状態
に応じて変化する駆動系のイナーシャに対応して、イナ
ーシャの変化分を補償し、例えば変速機5の変速比が変
化したときの補償トルクをそれぞれについて求め、これ
に応じてそのときのクラッチ3の接続状態により駆動ト
ルクを補正しているため、この補正された駆動トルクに
よって車両を駆動することで、イナーシャが異なって
も、変速比の変化時のトルク特性が同一に維持されるの
である。
【0062】したがって、エンジン2とモータ4とで駆
動系が構成されているときと、モータ4だけで駆動系が
構成されているときとで、変速比変化時のトルク特性が
変わることがなく、車両変速時の運転フィーリングの変
動を防止できる。
【0063】また、車両を加速したり減速したりすると
きにも、そのときのクラッチ3の接続状態に応じて駆動
系のイナーシャの変化分を求め、これと目標等価イナー
シャとの差を補償するような補償トルクを算出し、これ
により車両の駆動トルクを補正しているので、車両の加
減速特性がクラッチ3の接続状態のいかんによって変動
するのを防止できる。
【0064】したがってエンジン2とモータ4とで駆動
系が構成されているときと、モータ4のみで駆動系が構
成されているときとで、車両の加減速特性が変わること
がなく、加減速時の運転フィーリングの変化を防止でき
る。
【0065】なお、本発明は変速比変化時のトルク補償
と、加減速時のトルク補償とを行っているが、いずれか
一方のみ行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能なハイブリッド車両の構成例
を示す概略構成図。
【図2】コントローラのブロック図。
【図3】変速比変化時の駆動トルク補償制御回路を示す
ブロック図。
【図4】同じくクラッチ状態判断手段のブロック図。
【図5】同じくイナーシャ補償トルク演算手段のブロッ
ク図。
【図6】車両加減速時の駆動トルク補償制御回路を示す
ブロック図。
【図7】同じくイナーシャ偏差補償トルク演算手段のブ
ロック図。
【符号の説明】
1 電動モータ 4 電動モータ 2 エンジン 3 クラッチ 5 無段変速機 9 油圧装置 10 油圧発生用モータ 15 バッテリ 16 コントローラ(コントローラ) 20 キースイッチ 21 セレクトレバースイッチ 22 アクセルペダルセンサ 23 ブレーキスイッチ 24 車速センサ 25 バッテリ温度センサ 26 バッテリSOC検出装置(容量検出装置) 27 エンジン回転数センサ 28 スロットル開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/06 F02D 29/06 D H02P 9/04 H02P 9/04 L (72)発明者 出口 欣高 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA53 AC01 AC06 AC15 AC19 AD00 AD19 AD22 AD23 AE00 AE03 3G093 AA05 AA06 AA07 AA16 AB00 BA02 BA03 DB01 DB10 DB11 EA02 EB00 EC02 5H115 PA01 PG04 PI15 PI16 PI29 PO17 PU02 PU08 PU22 PU24 PU27 PU29 PV02 PV09 QI04 RB08 SE04 SE05 SE08 TE02 TE03 TI01 TO05 TO21 TO23 5H590 AA06 CA07 CA23 CD03 CE05 HA25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンとモータとの間にクラッチが介装
    され、クラッチの断接に応じてエンジン、モータのいず
    れか一方または両方の出力で変速機を介して車両を駆動
    するようにしたハイブリッド車両において、クラッチの
    断接を判断する手段と、クラッチの接続と切断に応じて
    そのときの駆動系イナーシャを演算する手段と、これら
    演算されたイナーシャと変速機の変速比変化とから過渡
    駆動力のイナーシャ補償トルクを演算する手段と、車両
    の目標駆動トルクとイナーシャ補償トルクとに基づいて
    前記エンジンとモータの駆動トルクを制御する手段とを
    備えることを特徴とするハイブリッド車両の出力制御装
    置。
  2. 【請求項2】エンジンとモータとの間にクラッチが介装
    され、クラッチの断接に応じてエンジン、モータのいず
    れか一方または両方の出力で変速機を介して車両を駆動
    するようにしたハイブリッド車両において、クラッチの
    断接を判断する手段と、クラッチの接続と切断に応じて
    そのときの駆動系イナーシャを演算する手段と、車両の
    状態に応じて目標等価イナーシャを設定する手段と、前
    記駆動系のイナーシャと目標等価イナーシャとからこれ
    らの偏差を補償するためのイナーシャ偏差補償トルクを
    演算する手段と、車両の目標駆動トルクとイナーシャ偏
    差補償トルクとに基づいて前記エンジンとモータの駆動
    トルクを制御する手段とを備えることを特徴とするハイ
    ブリッド車両の出力制御装置。
  3. 【請求項3】エンジンとモータとの間にクラッチが介装
    され、クラッチの断接に応じてエンジン、モータのいず
    れか一方または両方の出力で変速機を介して車両を駆動
    するようにしたハイブリッド車両において、クラッチの
    断接を判断する手段と、クラッチの接続と切断に応じて
    そのときの駆動系イナーシャを演算する手段と、これら
    演算されたイナーシャと変速機の変速比変化とから過渡
    駆動力のイナーシャ補償トルクを演算する手段と、車両
    の状態に応じて目標等価イナーシャを設定する手段と、
    前記駆動系のイナーシャと目標等価イナーシャとからこ
    れら偏差を補償するためのイナーシャ偏差補償トルクを
    演算する手段と、車両の目標駆動トルクとイナーシャ補
    償トルク並びにイナーシャ偏差補償トルクとに基づいて
    前記エンジンとモータの駆動トルクを制御する手段とを
    備えることを特徴とするハイブリッド車両の出力制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記イナーシャ演算手段は、クラッチ接続
    時は変速機上流の全ての駆動系のイナーシャを算出し、
    クラッチ遮断時はクラッチ下流でかつ変速機上流のイナ
    ーシャを算出する請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    ハイブリッド車両の出力制御装置。
  5. 【請求項5】前記イナーシャ補償トルク演算手段は、演
    算されたイナーシャに変速比変化と回転軸角速度とを乗
    じてイナーシャ補償トルクを算出する請求項1または3
    に記載のハイブリッド車両の出力制御装置。
  6. 【請求項6】前記イナーシャ偏差補償トルク演算手段
    は、演算されたイナーシャと目標等価イナーシャとの差
    に回転軸の回転角速度の時間変化を乗じてイナーシャ偏
    差補償トルクを算出する請求項2または3に記載のハイ
    ブリッド車両の出力制御装置。
  7. 【請求項7】前記目標等価イナーシャ演算手段は車両状
    態に応じて車両の加減速感度を大きくしたいときには目
    標等価イナーシャを小さくし、同じく加減速感度を小さ
    くしたいときには目標等価イナーシャを大きくする請求
    項2または3に記載のハイブリッド車両の出力制御装
    置。
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