JP2008142958A - 両面印刷方法および両面印刷装置 - Google Patents

両面印刷方法および両面印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】版胴上のマスタ位置ずれにより両面印刷位置ずれが起きた場合に、印刷をやり直していたことにより、繰り返し製版を行う必要やその製版されたマスタを用いて用紙に両面印刷を行うために、その時間と製版に用いるマスタや印刷に用いる用紙が無駄となっていた。
【解決手段】制御手段129のCPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する。
【選択図】図10

Description

本発明は、両面印刷方法および孔版両面印刷装置等を含む両面印刷装置に関する。
最近、簡便な両面印刷方法を使用した両面印刷装置としてデジタル式の感熱孔版両面印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1ないし4参照)。特開2003−200645号公報や特開2004−26373号公報に開示されている両面印刷装置は、版胴の回転方向に沿って1版分の長さ内に第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴および該版胴に対して相対的に接離自在な押圧手段を有する印刷部と、用紙を印刷部に向けて給紙する給紙部と、印刷部において印刷された印刷済み用紙を排出する排紙部と、印刷部においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙を一時的に貯容する補助トレイ(再給紙貯容手段)と、補助トレイに貯容された表面印刷済み用紙を反転させて印刷部に向けて再給紙する再給紙手段と、印刷部を通過した用紙を再給紙貯容手段または排紙部に案内する切換部材(切換手段)等の基本的な構成を具備している。
そして、両面印刷時に、給紙部より1枚目の用紙を印刷部に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方を印刷し、印刷された1枚目の用紙を切換部材により補助トレイに案内した後、給紙部より2枚目の用紙を印刷部に給送してその表面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方を印刷するとともに再給紙手段により1枚目の用紙を印刷部に再給紙してその裏面に第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方を印刷し、切換部材により1枚目の用紙を排紙部に、2枚目の用紙を補助トレイにそれぞれ案内するものである。このように、最初および最後の1枚の通紙を除き版胴の1回転で用紙の両面に印刷可能に構成されている。
特許第3545861号公報 特開2003−200645号公報 特開2004−26373号公報 特開2005−153179号公報
しかしながら、上述の孔版両面印刷装置で両面印刷用の同一の分割製版済みマスタを用いて印刷を行っていると、印刷の経過に伴う印刷枚数の増加によって版胴にクランプ・巻装保持されていたマスタの位置が、版胴の回転方向上流側に徐々にずれてしまう場合がある。このような「マスタ位置ずれ」状態に気づかずに両面印刷を行っていると、用紙の表面および/または裏面に対する用紙搬送方向(以下、「天地方向」ともいう)の印刷画像位置がずれてしまう。両面印刷が終了した時に用紙の表面に対する表面印刷画像の位置(以下、「表面印刷位置」ともいう)および/または用紙の裏面に対する裏面印刷画像の位置(以下、「裏面印刷位置」ともいう)を確認した際には、印刷がすでに終わっている。以下、表面印刷位置および/または裏面印刷位置を「両面印刷位置」ともいう。
また、孔版両面印刷装置では、同一の分割製版済みマスタを用いて両面印刷を行っていると、表面印刷位置ずれおよび/または裏面印刷位置ずれが異なる原因によって徐々にずれてしまう場合がある。すなわち、版胴にクランプされていたマスタが印刷枚数の増加によって徐々に伸びてしまう、「マスタ伸び」と呼ばれる現象である。このマスタ伸びにより印刷位置ずれが起きた場合には、両面印刷をやり直していた。以下、表面印刷位置ずれおよび/または裏面印刷位置ずれを「両面印刷位置ずれ」ともいう。
図26(a)および図26(b)を参照して、両面印刷装置におけるマスタ位置ずれについて説明する。印刷装置でも特に孔版両面印刷装置におけるマスタ位置ずれは、図26(a)に示すように、分割製版済みマスタ65を版胴12の外周面に巻き付ける機械構造上およびシステム上、次のような根本的な問題点が存在する。すなわち、分割製版済みマスタ65を版胴12の外周面に巻装する際には、先ず、版胴12に配設されているステージ部19aのクランパ軸19cを介して開閉自在なクランパ19bによって分割製版済みマスタ65の先端部をクランプ・保持した後、版胴12の図中方向(時計回り方向)の回転により分割製版済みマスタ65を版胴12の外周面に巻装する。この巻装初期時の分割製版済みマスタ65には、初期タワミ分65Xが僅かに存在する上、押圧手段としてプレスローラ13を用い、版胴駆動手段とは別のプレスローラ13を回転駆動する機構を持たない機種の場合においては、印刷時にプレスローラ13による印圧を加えると、版胴12の回転方向に分割製版済みマスタ65を引っ張ることにより、初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して、その結果、両面印刷位置ずれが起きてしまう。
そして、分割製版済みマスタ65の初期タワミ分65Xが生じる位置は、通常、版胴12において多数の開孔を備えた開口部(図示せず)の範囲外の非開口部、すなわちクランパ19b配置部周辺に対応した分割製版済みマスタ65の先端部周辺であるために、初期タワミ分65Xの分割製版済みマスタ65は開口部の開孔から滲み出るインキの粘着力により版胴12の外周面に貼り付いた状態になっていない。
初期タワミ分65Xに加え分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図26(b)に示すように、初期タワミ分65Xより版胴12の回転方向上流側の分割製版済みマスタ65が版胴12の開口部から滲出したインキの粘着力により、分割製版済みマスタ65の後端部65Zを除き、版胴12外周面に貼り付いた状態になる。
図26(a)および図26(b)において、65Yは版胴12の外周面に巻装された分割製版済みマスタ65の後端を示す。図26(a)および図26(b)を含め、各実施形態で説明する図16、図18等において、図1において示されているインキ供給手段15等の図示を省略している。
上述したように両面印刷では、用紙の表面に転写するための表面用製版画像を形成する製版および用紙の裏面に転写するための裏面用製版画像を形成する製版を1枚のマスタに行い、この分割製版済みマスタを版胴に巻装した後、版胴上の分割製版済みマスタにおけるそれぞれの製版画像に対して給紙のタイミングを合わせて印圧を加えて両面印刷を行う。
このため、上述のマスタ位置ずれによって両面印刷位置ずれが起きた場合には、印刷をやり直していたことにより、繰り返し両面製版を行う必要やその両面製版されたマスタを用いて用紙に印刷を行うために、その時間と製版に用いるマスタや印刷に用いる用紙が無駄となっていた。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、両面印刷中に起きるマスタ位置ずれに関して印刷枚数との関係に着目し、版胴の回転方向におけるマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め実験により求めて設定しておき、その設定した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、公知の表面天地移動手段を利用して自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、公知の裏面天地移動手段もしくは公知ではないが公知の構成にその機能を付加した裏面天地移動手段を利用して自動的に裏面天地移動補正を実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる両面印刷方法および両面印刷装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は、版胴上の分割製版済みマスタの後端位置を随時検知することでマスタ後端位置データを得、これらのマスタ後端位置データ等から計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ後端位置に係るマスタ長さから随時検知されたマスタ後端位置に係るマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を求め、印刷中に、公知の表面天地移動手段を利用して自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、公知の裏面天地移動手段もしくは公知ではないが公知の構成にその機能を付加した裏面天地移動手段を利用して自動的に裏面天地移動補正を実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる両面印刷装置を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、版胴上の分割製版済みマスタのマスタ長さに係る表示位置を随時検知することでマスタ長さデータを得、これらのマスタ長さデータ等から計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ長さから随時検知されたマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を求め、印刷中に、公知の表面天地移動手段を利用して自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、公知の裏面天地移動手段もしくは公知ではないが公知の構成にその機能を付加した裏面天地移動手段を利用して自動的に裏面天地移動補正を実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる両面印刷装置を提供することを第3の目的とする。
また、本発明は、マスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を製版装置に具備し、版胴上の分割製版済みマスタのマスタ長さに係る表示位置を随時検知することでマスタ長さデータを得、これらのマスタ長さデータ等から計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ長さから随時検知されたマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を求め、印刷中に、公知の表面天地移動手段を利用して自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、公知の裏面天地移動手段もしくは公知ではないが公知の構成にその機能を付加した裏面天地移動手段を利用して自動的に裏面天地移動補正を実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる両面印刷装置を提供することを第4の目的とする。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置を使用する両面印刷方法において、前記版胴の回転方向における分割製版済みマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、前記表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
ここで、「分割製版済みマスタの位置ずれ」とは、版胴上にクランプないしは巻装・保持されている分割製版済みマスタが印刷の経過に伴い版胴の回転方向上流側に徐々にずれる「マスタずれ」およびマスタ単体・自身による「マスタ伸び」の少なくとも一方を含むことを意味する。
「印刷中に」とは、同一の分割製版済みマスタを巻装した版胴を用いた状態で、印刷媒体に連続的に印刷画像を形成することを含む他、上記と同じ版胴上の分割製版済みマスタを用いた状態で、何らかの理由(例えばジャム処理)により印刷を一時的に中断した後、再度設定された印刷枚数の残りの印刷枚数分の印刷を行ったり、上記と同じ版胴を用いた状態で、新たに追加された印刷枚数分の印刷を行ったり、あるいは天地移動補正実行のために一時的に印刷を停止・中断したりすることも含む広い概念用語である(以下の請求項でも同様)。
「表面天地移動補正」とは、表面天地移動手段を作動させて表面印刷画像の位置を印刷媒体(もしくは被印刷媒体)の搬送方向に移動する表面印刷画像位置補正(もしくは表面印刷位置補正)のことを、「裏面天地移動補正」とは、裏面天地移動手段を作動させて裏面印刷画像の位置を印刷媒体の搬送方向に移動する裏面印刷画像位置補正(もしくは裏面印刷位置補正)のことをそれぞれ意味し、また「表面天地移動補正値」とは、表面印刷画像位置補正値(もしくは表面印刷位置補正値)のことを、「裏面天地移動補正値」とは、裏面印刷画像位置補正値(もしくは裏面印刷位置補正値)のことをそれぞれ意味する(以下の請求項でも同様)。
請求項2記載の発明は、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、所定の印刷枚数ごとに予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段と、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が前記所定の印刷枚数になるごとに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして読み出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして読み出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記制御手段は、印刷枚数が前記所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として前記印刷枚数計数手段により計数されるたびに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値とから前記1枚ごとの印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を計算によって算出し、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた前記表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、マスタの種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴に使用するインキ色ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷速度ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷媒体の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、インキ温度設定範囲ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項2ないし9の何れか一つに記載の両面印刷装置において、前記制御手段による前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正の必要有無を切り替える切替手段を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタの後端位置を検知するマスタ後端検知手段と、前記マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ後端検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の両面印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ後端検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項11ないし13の何れか一つに記載の両面印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項11ないし14の何れか一つに記載の両面印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを具備し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項16記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の両面印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項16ないし18の何れか一つに記載の両面印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項20記載の発明は、請求項16ないし19の何れか一つに記載の両面印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項21記載の発明は、マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示手段により施された前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項21記載の発明を受けて、請求項17〜20の発明と同様に次のように表現することができる。
すなわち、請求項22記載の発明は、請求項21記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項23記載の発明は、請求項21記載の両面印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項24記載の発明は、請求項21ないし23の何れか一つに記載の両面印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項21ないし24の何れか一つに記載の両面印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、上記課題を解決して新規な両面印刷方法および孔版両面印刷装置等を含む両面印刷装置を提供することができる。請求項ごとの発明の効果を挙げれば、以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、版胴の回転方向における分割製版済みマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項2記載の発明によれば、制御手段は、印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、記憶手段から所定の印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように裏面天地移動手段を制御することにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項3記載の発明によれば、制御手段は、印刷枚数が所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として印刷枚数計数手段により計数されるたびに、記憶手段から所定の印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値とから1枚ごとの印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように裏面天地移動手段を制御することにより、所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの所定の印刷枚数に対応したより木目細かく精度の高い表面天地移動補正および裏面天地移動補正を実行することができる。
請求項4ないし9の何れか一つに記載の発明によれば、マスタの種類ごと、版胴の種類ごと、版胴に使用するインキ色ごと、印刷速度ごと、印刷媒体の種類ごとまたはインキ温度設定範囲ごとに天地移動補正値の調整値を持つことにより、印刷枚数以外の印刷条件(パラメータ)が考慮・加味されたより実機の印刷条件に近い表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正および裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行することができる。
請求項10記載の発明によれば、制御手段による表面天地移動補正および裏面天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替えることができ、両面印刷装置の操作・利便性が向上する。
請求項11記載の発明によれば、制御手段は、マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように裏面天地移動手段を制御することにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項12,17記載の発明によれば、上記構成により、版胴上の分割製版済みマスタの後端位置をより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な表面天地移動補正および裏面天地移動補正を実行することができる。
請求項13,18記載の発明によれば、上記構成により、版胴上の分割製版済みマスタの後端位置をさらに安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な表面天地移動補正および裏面天地移動補正を実行することができる。
請求項14,19記載の発明によれば、上記構成により、制御手段が印刷枚数の1枚ごとに上述の計算をして、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正指令および算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
請求項15,20記載の発明によれば、上記構成により、版胴の空回転時を利用して表面天地移動補正および裏面天地移動補正を実行することができる。
請求項16記載の発明によれば、制御手段は、マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように裏面天地移動手段を制御することにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項21記載の発明によれば、マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、製版手段により製版された、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有し、分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に表示手段により施された表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、制御手段は、マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように裏面天地移動手段を制御することにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
以下、図を参照して、発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る両面印刷装置の一例としての孔版両面印刷装置1の全体構成を示している。まず、主として図1を参照して、孔版両面印刷装置1の全体構成を簡単に説明する。
孔版両面印刷装置1は、同図に示すように、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された両面印刷用の分割製版済みマスタ65(図6参照)を巻装する版胴12および版胴12に対して相対的に接離自在かつ回転自在な押圧手段としてのプレスローラ13を有する印刷部2と、画像情報に応じてマスタ64を製版して、両面印刷用の分割製版済みマスタ65(図6参照)または片面印刷用の製版済みマスタ66(図7参照)を作製する製版手段としてのサーマルヘッド59、プラテンローラ58等のマスタ搬送手段および分割製版済みマスタ65または製版済みマスタ66を版胴12に給版する給版手段としての反転ローラ対63等を有する製版部3と、給紙台としての給紙トレイ67上に積載された印刷媒体の一例としての用紙Pを印刷部2に向けて給送する給紙部4と、版胴12上の使用済みマスタ64cを剥離し排版する排版部5と、印刷部2において印刷された印刷済み用紙PBを排紙台としての排紙トレイ86上に排出する排紙部6と、原稿の画像情報を読み取る画像読取部7と、印刷部2においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙PAを一時的に貯容する再給紙貯容手段としての補助トレイ8を備え、補助トレイ8に貯容された表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13の回転で反転させて印刷部2に向けて再給紙する再給紙手段9と、印刷部2を通過した表面印刷済み用紙PAまたは印刷済み用紙PBを補助トレイ8または排紙部6に案内する切換手段としての切換部材10等とを具備している。同図において、11は上記各部・装置を搭載しその骨組みをなす装置本体を示す。
孔版両面印刷装置1を構成する上記各部・装置のうちの排版部5、画像読取部7については、例えば特開2003−200645号公報や特開2004−196476号公報の図1およびこれに関連する各段落に開示されている構成と同様であるためその説明を省略する。本発明を理解し実施する上で必要な印刷部2、製版部3、給紙部4、排紙部6の構成に関しては、適宜説明を加える。
孔版両面印刷装置1は、上記構成の他に、それぞれ後で詳述する、孔版両面印刷装置1を操作するための図9に示す操作パネル103、孔版両面印刷装置1を構成する上記各部・装置等の動作を制御するための図10に示す制御手段129、図8に示す表面天地駆動手段としての天地駆動モータ259等を備えた表面天地移動手段250、図1等に示す再給紙レジストローラ23および図2、図5および図10に示すソレノイド33等を備えた裏面天地移動手段等も具備している。
印刷部2は、装置本体11のほぼ中央に配設されており、版胴12と押圧手段としてのプレスローラ13とを有している。版胴12およびプレスローラ13はそれぞれ単一である。以下、この明細書では、印刷ドラムを含めて版胴といい、印刷用紙を単に「用紙」ともいう。
版胴12は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持された図示しない一対の端板と、各端板の外周面に巻着・固定された図示しない多孔性支持板と、図示しない多孔性支持板の外周面に巻着された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されている。版胴12は、複数の印刷速度に対応してその回転速度を変えることが可能なように図示しないモータ駆動回路を備えた版胴駆動手段121(図10参照、例えばDCモータ等からなるメインモータ)を含む駆動系を介して回転駆動される。版胴12は、後述するインキ供給手段15等と共に版胴ユニットを構成していて、装置本体11に対して着脱可能になっている。本実施形態において版胴12は、片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさを有している。
版胴12の内部には、インキ供給手段15が配設されている。インキ供給手段15は、支軸14、インキローラ16、ドクターローラ17等を有している。インキローラ16は、版胴12内に設けられた図示しない側板間に回転自在に支持されており、その周面を版胴12の内周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12と同方向に回転駆動される。ドクターローラ17も上記側板間に回転自在に支持されており、その周面をインキローラ16の周面に近接して配置され、図示しない駆動手段によって版胴12とは逆方向に回転駆動される。支軸14には複数の小さな孔が穿設されており、支軸14から供給されたインキがインキローラ16とドクターローラ17との間に形成される断面ほぼ楔形状の空間に溜まることによりインキ溜まり18が形成される。
インキ溜まり18のインキがインキローラ16とドクターローラ17との所定の間隙を通過してインキローラ16の外周面に層状に供給される。インキローラ16の外周面に供給されたインキは、プレスローラ13によって版胴12の外周面が押圧された際に版胴12の内周面とインキローラ16とが圧接することにより版胴12の内周面に供給され、版胴12の開口部より滲出して給紙部4から給送されて来た用紙Pへと転移・転写される。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキが好ましく用いられる。
版胴12の内部には、インキ供給手段15のインキ溜まり18形成部に配置されインキの温度を検知するインキ温度検知手段としての温度センサ301が配設されている。温度センサ301としては、例えば従来から製版用エネルギーの調整等に使用されているサーミスタを兼用している。
版胴12の外周面上には、版胴12の一母線に沿って支軸14の長さ方向に延在し、平面をなすステージ部19aが形成されている。ステージ部19a上には、マスタの先端部を保持する保持手段としてのクランパ19bが開閉可能に配設されていて、版胴12の外周面上にマスタを巻き付けることが可能になっている。クランパ19bは、版胴12が所定の回転位置まで回転されたとき、すなわち分割製版済み65や製版済みマスタ66を給版する給版位置、版胴12上の使用済みマスタ64cを剥離する排版位置、初期位置であるホームポジション等を占めた際に図示しない開閉手段によって開閉される。
版胴12の下方には、インキローラ16と対向する配置状態でプレスローラ13が配設されている。プレスローラ13は、表面印刷済み用紙PAの印刷画像面側をその表面に当接するように保持して回転しながら反転し版胴12に搬送する機能も有している。
プレスローラ13は、金属製の芯部13aに、耐油性を有する弾性体である例えばニトリルゴム(NBR)等を巻成して構成されており、版胴12の軸方向に延在して設けられている。プレスローラ13の少なくとも上記ゴムの外周表面には、微細な凹凸状の表面処理を施されたフィルムとしての、例えばオフセット印刷機などで印刷物の汚れ防止等に用いられていると同様の例えばガラス質微粒子としてのガラスビーズが均一に被覆または接着されている。ガラス質微粒子に限らず、セラミック質微粒子であってもよい。これにより、版胴12の外周表面または該版胴12上の分割製版済みマスタ65や製版済みマスタ66と接触したときや、表面印刷済み用紙PAの印刷画像面側のインキと接触することによる膨潤およびインキ汚れが最小となるように構成されている。
プレスローラ13は、図2に示すように芯部13aの紙面の手前側および奥側の両端部を一対のアーム部材20(紙面の手前側は省略)によって回転自在に支持されている。略L字形状を呈する各アーム部材20は、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21によってそれぞれ一体化されている。揺動軸21は、装置本体11によって所定角度の範囲で回動自在に支持されている。一対のアーム部材20は、プレスローラ13を回転自在に支持し、かつ、プレスローラ13を版胴12に対して接離自在とすべく変位可能に構成されている。
各アーム部材20間には、図2および図5に示すように、プレスローラ13の他、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙レジストローラ接離機構160、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送ユニット25、クリーニングローラ26、ガイド板27等が設けられている。クリーニングローラ26、ガイド板27は、特開2004−196476号公報の段落「0049」〜「0050」に記載されていると同様のものであり、本発明に余り関係ないのでその説明を省略する。
上述した構成のうち、補助トレイ8、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙レジストローラ接離機構160、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送ユニット25およびプレスローラ13によって、再給紙手段9が構成されている。
再給紙手段9は、図1および図3に示す用紙接触防止手段(用紙接触防止部材)としての用紙受け板40に代えて、例えば特開2004−26373号公報の図16および図17に示されている用紙受け板(141)およびその駆動機構を用いることが好ましい。また、特開2005−262730号公報の図1〜図9に示されている移動ガイド(81)および移動手段(87)を用いてもよい。
再給紙案内部材22は、プレスローラ13の右方近傍に配設されていて、搬送されてきた表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13の外周面に当接・保持させながら版胴12に向けて案内する。再給紙案内部材22は、各支軸28a,29a,30a上にそれぞれ一体的に設けられそれぞれの周面をプレスローラ13の外周面に圧接させた複数のコロ状のローラ28,29,30と、表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13の外周面に沿わせるための曲面状に形成された用紙ガイド板31とを有している。各支軸28a,29a,30aは、それぞれの両端部を各アーム部材20に回転自在に支持されており、図示しないばね等の付勢手段によってそれぞれ芯部13aに向けて付勢されている。各ローラ28,29,30は、対応する支軸28a,29a,30aに、プレスローラ13のほぼ全幅にわたってそれぞれ所定の間隔をもって一体的に取り付けられている。
用紙ガイド板31は、プレスローラ13の外周面から各ローラ28,29,30の半径よりも小さな距離である所定距離だけ離れた位置に配設されており、その両端部を各アーム部材20に固着されている。用紙ガイド板31は芯部13aを中心とした曲面となるように形成されており、用紙ガイド板31には各ローラ28,29,30の周面をプレスローラ13の外周面に当接させるための図示しない複数の開口部が形成されている。
再給紙搬送ユニット25により搬送される表面印刷済み用紙PAの搬送方向下流側であってプレスローラ13の下方には、再給紙レジストローラ23が配設されている。再給紙レジストローラ23は、再給紙搬送ユニット25により搬送されてきた表面印刷済み用紙PAを回転しているプレスローラ13の外周面に所定の圧接力で圧接する図2に実線で示す圧接位置と、プレスローラ13の外周面から離間する図2に二点鎖線で示す離間位置との間で変位可能な圧接手段としての機能を有する。
図2において、160は、再給紙レジストローラ接離機構を示す。再給紙レジストローラ接離機構160は、支軸23a、揺動アーム32、支軸32a、ソレノイド33および引張ばね34から主に構成されている。再給紙レジストローラ接離機構160は、再給紙レジストローラ23を同図に実線で示す圧接位置と、同図に二点鎖線で示す離間位置との間に変位させる機能を有する他、また裏面天地移動手段としての機能も有する。なお、再給紙レジストローラ23による表面印刷済み用紙PAを介してのプレスローラ13の外周面への圧接力は、プレスローラ13による用紙Pの表面や表面印刷済み用紙PAの裏面への圧接力と比較して小さく設定されている。
再給紙レジストローラ23は、コロ状をなし、支軸23aに回転自在に支持されている。支軸23aは、ほぼへ字形状を呈する揺動アーム32の一端に取り付けられている。揺動アーム32は、各アーム部材20間に固設された支軸32aにその曲折部を揺動自在に支持されている。揺動アーム32の配設位置は、再給紙レジストローラ23がプレスローラ13の幅方向のほぼ中央部に位置し、かつ、自身が各ローラ30の配設位置の中間に位置するように定められている。
揺動アーム32の他端には、ピンを介してソレノイド33のプランジャ33aが取り付けられている。ソレノイド33は、図示しないブラケットを介して一方のアーム部材20に取り付け・固定されている。また、揺動アーム32の他端には、その一端を一方のアーム部材20に固着され支軸32aを中心に揺動アーム32に対して図2において反時計回り方向へ回転する付勢力を付与する引張ばね34の他端が取り付けられている。ソレノイド33は、再給紙レジストローラ23を所定のタイミングで圧接位置を占めるように変位させる圧接駆動手段および裏面天地移動駆動手段としての機能を有する。
上述した構成のとおり、再給紙レジストローラ23は、ソレノイド33が引張ばね34の付勢力に抗して作動される(オン作動)と、その外周面を所定の圧接力でプレスローラ13の外周面に圧接して圧接位置を占め、ソレノイド33の作動が解除される(オフ作動)と、引張ばね34の付勢力によってその外周面がプレスローラ13の外周面から離間して離間位置を占める。
プレスローラ13の左下方には、再給紙搬送ユニット25が配設されている。再給紙搬送ユニット25は、搬送ユニット本体35、駆動ローラ36、従動ローラ37、無端ベルト38、吸引ファン39等を有している。補助トレイ8は、搬送ユニット本体35の上部に一体的に設けられている。
搬送ユニット本体35は、その上面が開放され、その幅が各アーム部材20間の間隔よりも若干小さくなるように形成されていて、ほぼ筐体状をなす。搬送ユニット本体35は、その用紙搬送方向上流側および下流側の両側面に図示しない軸受を有しており、これらの軸受は、駆動軸36aおよび従動軸37aをそれぞれ回転自在に支持している。駆動軸36aは、その両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しており、この貫通した駆動軸36aの両端部は、装置本体11に設けられた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。また、駆動軸36aの一端には、図示しない駆動ギヤが取り付けられており、駆動軸36aは、その駆動ギヤを介して連結された搬送ユニット駆動モータ122(図10参照)によって回転駆動される。搬送ユニット駆動モータ122は、装置本体11に固定して設けられている。従動軸37aは、その両端部が搬送ユニット本体35の両側面を貫通しないように構成されている。
搬送ユニット本体35の用紙搬送方向上流側端部の両側面外側には、ボス35aがそれぞれ一体的に設けられており、各ボス35aは各アーム部材20に形成された図示しない長穴にそれぞれ緩く嵌合されている。この構成により、搬送ユニット本体35は、後述するプレスローラ接離機構55によりプレスローラ13が版胴12に対して接離される際に、各アーム部材20の揺動に伴って駆動軸36aを中心とした揺動が可能となっている。
駆動ローラ36は、複数のコロ状をなしていて、それぞれ駆動軸36aに一体的に取り付けられており、各駆動ローラ36間には、それぞれ所定の間隔が設けられている。従動ローラ37は、駆動ローラ36と同様に複数のコロ状をなしていて、各駆動ローラ36と同じ間隔でそれぞれ従動軸37aに一体的に取り付けられている。各駆動ローラ36とこれに対応した各従動ローラ37との間には、無端ベルト38が所定の張力でそれぞれ掛け渡されている。無端ベルト38は、摩擦抵抗部材からなり、搬送ユニット駆動モータ122によって駆動軸36aが回転駆動されることにより図2に矢印で示す方向に移動・回転される。
無端ベルト38は、補助トレイ8上に一時的に貯容された表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13に向けて搬送する再給紙搬送手段としての機能を有する。
搬送ユニット駆動モータ122は、駆動ギヤ、駆動軸36aおよび駆動ローラ36を介して、再給紙搬送手段としての無端ベルト38を所定のタイミングで駆動する再給紙搬送駆動手段としての機能を有する。
搬送ユニット本体35の下面には、吸引ファン39が一体的に取り付けられており、搬送ユニット本体35の上面には、補助トレイ8が一体的に取り付けられている。補助トレイ8は、図3に示すように各ローラ36,37の周面の一部が用紙搬送面に臨むように構成されている。補助トレイ8における用紙搬送面上の各無端ベルト38の両側部には、それぞれ多数の開孔8bが穿設されている。補助トレイ8における用紙搬送方向下流側端部(図2の左側)には、印刷部2より送られた表面印刷済み用紙PAの一端を受け止めるための2個のエンドフェンス8aがそれぞれ一体的に設けられている。
図1ないし図3および図5に示すように、補助トレイ8の用紙搬送方向上流側端部(図1ないし図3の右側)には、再給紙搬送ユニット25によって印刷部2へと再給紙される表面印刷済み用紙PAの他端を定位置で一時停止させるための再給紙位置決め部材24が配設されている。図3に示すように、2個設けられており、それぞれ補助トレイ8に一体的に取り付けられている。さらに補助トレイ8には、表面印刷済み用紙PAの他端が再給紙位置決め部材24に近接したことを検知する表面印刷済み用紙検知手段としてのセンサ8cが配設されている。センサ8cは、例えば反射型のフォトセンサからなり、表面印刷済み用紙PAの他端を検知した際に図10に示す制御手段129に信号を出力する。
吸引ファン39の取付面である搬送ユニット本体35の下面には、図示しない穴部が設けられており、これにより吸引ファン39が作動することで筐体である搬送ユニット本体35の内部に負圧を発生させ、移動する各無端ベルト38の上面に表面印刷済み用紙PAを吸引させる。吸引ファン39の吸引力および無端ベルト38の摩擦抵抗力は、表面印刷済み用紙PAの他端が再給紙位置決め部材24に当接した際に、表面印刷済み用紙PAと各無端ベルト38との間で滑りが発生する程度の強さにそれぞれ設定されている。
図2および図5に示すように、各アーム部材20の、プレスローラ13が支持された一端側と対向する他端側には、それぞれ回転自在なカムフォロア41が互いに外側を向く態様で配設されている。また、カムフォロア41が配設された位置の各アーム部材20の近傍には、その一端を装置本体11に固着された印圧ばね42の他端がそれぞれ取り付けられている。これにより、各アーム部材20の一端側および他端側は、揺動軸21を中心にして図2において時計回り方向への回転付勢力をそれぞれ付与されている。各カムフォロア41の左方近傍には、3枚のカム板43A,43B,43Cを有する周知の多段カム43がそれぞれ配設されている。
図4に示す多段カム43は、例えば特開2004−196476号公報の段落「0052」〜「0053」に記載されていると同様のものであり、また図示しないプレスローラ係止手段も上記同公報の段落「0054」に記載されていると同様であり、本発明に余り関係ないのでその説明を省略する。また、図4に示す移動アーム48と段差カム49も、上記同公報の段落「0055」〜「0058」に記載されていると同様である。
カムフォロア41、印圧ばね42、多段カム43、図示しないプレスローラ係止手段、移動アーム48、段差カム49によってプレスローラ接離機構55が構成されており、このプレスローラ接離機構55の作動によって、プレスローラ13は、図2に示した離間位置(非印刷位置)と図5に示した圧接位置(印刷位置)とを選択的に占める。
版胴12とプレスローラ13との接触位置の左方であって用紙Pの搬送経路上には、用紙Pの搬送経路を切り換える周知の切換部材10が配設されている。切換部材10は、ソレノイド123(図10参照)が作動することによって断面鋭角状に形成された用紙搬送方向上流側端部を図1に実線で示す第1の位置と二点鎖線で示す第2の位置とに選択的に位置決めされる。
切換部材10は、第1の位置を占めたときにその先端がプレスローラ13の外周面に近接すると共に版胴12上のクランパ19bと干渉しない位置に置かれ、第2の位置を占めたときにその先端が版胴12の周面に近接する位置に置かれる。版胴12とプレスローラ13との間を通過した表面印刷済み用紙PAは、切換部材10が第1の位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の位置を占めたときにガイド板27と装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って補助トレイ8へと案内される。
装置本体11の右上部には、周知の製版部3が配設されている。製版部3は、マスタ保持部材57、プラテンローラ58、サーマルヘッド59、切断手段60、マスタストック部61、テンションローラ対62、反転ローラ対63等を有している。製版部3の上記各構成要素は、特開2004−196476号公報の段落「0063」、〜「0069」に記載されていると同様のものである。
製版部3は、マスタ64に製版を行い、図6に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとを版胴12の回転方向でもあるマスタ搬送方向にこの順に並んで有する分割製版済みマスタ65、あるいは図7に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの2面分の画像領域を有する第3製版画像66Aを有する製版済みマスタ66を作製する。第1製版画像65Aは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域と対応する位置に形成され、第2製版画像65Bは裏面領域と対応する位置に形成される。
孔版印刷では、インキが製版されたマスタの穿孔部分から直接用紙Pに転移・転写して印刷が行われるので、分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aおよび第2製版画像65B、ならびに製版済みマスタ66の第3製版画像66Aは図6および図7に示したような鏡像になっている。図6および図7では、分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aおよび第2製版画像65B、製版済みマスタ66の第3製版画像66Aは、用紙Pと接触するマスタの熱可塑性樹脂フィルム表面側から見た状態を示している。
本実施形態で使用されるマスタ64としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体(ベース)とを貼り合わせたラミネート構造のもので、熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものである。一般的に、孔版印刷装置で使用するマスタ64としては、その厚みが20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜2.5μmの範囲のものであり、残りの厚みは多孔質支持体が担っている。
孔版印刷装置で使用されるマスタ64としては、本実施形態で用いる物に限らず、後述する図13にマスタ種類として示したように、マスタ64単体での伸びが少なく、より多くの印刷枚数を得る耐刷性能に優れたB(耐久)仕様のマスタや、耐刷枚数や画質よりもコストを優先して作製されたC(コストダウン)仕様のマスタも使用される。また、マスタの多孔質支持体の厚みを薄くしたマスタであってもよく、例えば特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ(2)でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも使用することができる。
製版部3の下方には、給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙トレイ67、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70、レジストローラ対71等を有している。
給紙トレイ67は、その上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙台としての構成を有し、装置本体11に上下動自在に支持されていて、図示しない昇降手段としての昇降モータを含む給紙駆動手段125(図10参照)によって上下動される。給紙トレイ67は、孔版両面印刷装置1で使用される最大サイズの用紙PとしてA3サイズの用紙Pを縦置き可能であり、給紙トレイ67の上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙トレイ67の自由端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
図1に示した給紙トレイ67上の用紙Pは、後述する製版動作にて詳細に説明する分割製版済みマスタ65における第1製版画像(表面画像)および第2製版画像(裏面画像)の大きさにそれぞれ対応した用紙サイズとして、例えばA4サイズのものが積載されている状態を示している。つまり、片面印刷時の最大印刷サイズの用紙Pが例えばA3サイズである場合、両面印刷時の最大印刷サイズのそれは、大よそA4サイズとなり、最大通紙サイズもA4サイズとなる。その通紙方向は、短手方向、すなわちA4サイズ横置きで通紙することになる。
給紙トレイ67の上方には、その表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ68が配設されている。給紙ローラ68は、装置本体11に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ67が図示しない昇降手段によって上昇されたときに所定の圧接力で給紙トレイ67上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ68は、給紙駆動手段125によって回転駆動され、給紙トレイ67上の用紙Pを用紙搬送方向に送り出す。
給紙ローラ68の左方には、各表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラ69は、タイミングベルト69aを介して給紙ローラ68に駆動連結されており、給紙ローラ68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は、図示しないばね等の付勢手段の付勢力によって分離ローラ69に圧接されていて、分離ローラ69との協働作用により給紙ローラ68によって送り出された用紙Pを1枚ずつに分離して用紙搬送方向に給送する。
分離ローラ69および分離パッド70の左方には、レジスト手段としてのレジストローラ対71が配設されている。レジストローラ対71は、駆動ローラ71aと従動ローラ71bとからなり、版胴駆動手段121からの回転駆動力をギヤやカム等の図示しない駆動力伝達手段によって伝達されることで駆動ローラ71aが版胴12と同期した所定のタイミングで回転し、駆動ローラ71aに圧接された従動ローラ71bとによって用紙Pを印刷部2に向けて所定のタイミングで給送する。136,137は、給紙部4から印刷部2へと給送される用紙Pの搬送をガイドするための給紙ガイド板を示す。
なお、給紙ローラ68および分離ローラ69の回転駆動は、版胴駆動手段121に限らず、これと独立して配設された例えばパルス入力で駆動するモータとしてのステッピングモータからなる給紙モータで行ってもよい。同様に、レジストローラ対71の回転駆動も、版胴駆動手段121に限らず、これと独立して配設された例えばパルス入力で駆動するモータとしてのステッピングモータからなるレジストモータで行ってもよい。上記給紙モータと分離ローラ69との連結や上記レジストモータと駆動ローラ71aとの連結は、例えばタイミングベルトおよびタイミングプーリ等の駆動力伝達手段を介して行えばよい。
特に、ステッピングモータからなるレジストモータで、レジストローラ対71を回転駆動する場合には、版胴12とプレスローラ13との間へ用紙Pを給送するタイミングを比較的簡単な制御構成(後述するように、版胴12の回転角度、回転位置を検出する構成を含む)により実行できるので、版胴12を停止させずに、版胴12上の製版済みマスタ66や分割製版済みマスタ65の各製版画像に対する用紙Pの用紙搬送方向の位置調整、いわゆる表面印刷画像の表面天地移動調整を容易かつ確実に行うことができるという利点がある。
印刷部2の左上方には、周知の排版部5が配設されている。排版部5は、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有していて、特開2004−196476号公報の段落「0077」〜「0078」に記載されていると同様のものであり、本発明に余り関係ないのでその説明を省略する。
排版部5の下方には、周知の排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送ユニット85、排紙トレイ86等を有していて、特開2004−196476号公報の段落「0079」〜「0081」に記載されていると同様のものであり、下記する以外の構成については本発明に余り関係ないのでその説明を省略する。
すなわち、排紙搬送ユニット85における複数の無端ベルト89間の下方開口近傍には、印刷部2で用紙Pに印刷された印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段としての排紙センサ150が配設されている。排紙センサ150は、例えば反射型のフォトセンサからなり、版胴12への用紙Pの巻き上がり有無や排紙ミスを検知する排紙検知手段も兼ねている。
なお、印刷枚数計数手段は、排紙センサ150に限らず、給紙モータの回転カウントや、給紙部4の用紙搬送路に配設され用紙Pの先端等を検知することにより給紙された用紙Pの枚数をカウントする用紙センサ(周知の給紙センサやレジストセンサ等)や、印刷部2におけるプレスローラ13の揺動・昇降回数をカウントすること等で行ってもよい。
装置本体11の上部には、周知の画像読取部7が配設されている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95,96,97,98および蛍光灯99、走査された原稿画像を集束するレンズ100、集束された画像を処理するCCD(電荷結合素子)等の画像センサ101、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサ102、読み取られた画像データを記憶する画像メモリ136等を有しており、原稿画像の読取動作は読取駆動手段128(図10参照)の作動によって行われる。
図1を参照して、版胴12の回転速度、回転角度位置(回転位置)を検出する構成(位相タイミング発生方法)について説明する。図1に示すように、図において紙面手前側および紙面奥側に設けられ版胴12の紙面奥側の図示しない端板外面には、位相タイミング検知板134が固設されている。位相タイミング検知板134取付部位の版胴12の周囲近傍には、版胴12のホームポジションを検知するためのホームポジションセンサ135が装置本体11に固設されている。ホームポジションセンサ135は、光透過型の光学センサからなる。クランパ19bがプレスローラ13と対向する回転位置を版胴12が占めたとき、すなわち版胴12がホームポジションを占めたとき、ホームポジションセンサ135が位相タイミング検知板134と係合して後述する制御手段129に位相タイミング信号を出力する。
一方、図1および図10に示す版胴駆動手段121としての例えばDCモータからなるメインモータの出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ板151が取り付けられている。このエンコーダ板151近傍の装置本体11には、エンコーダ板151を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型の光学センサ)からなる版胴回転角度センサ152が配設されている。版胴駆動手段121(上記メインモータ)の回転駆動によるエンコーダ板151の回転動作に協働して発生されたパルス数を版胴回転角度センサ152で検出することにより、版胴12の回転角度(回転量)や回転速度、すなわち印刷速度が検出されるようになっている。
次に、図9を参照して、孔版両面印刷装置1の操作を行う操作パネル103について説明する。操作パネル103は、装置本体11の上部前面に配設されている。操作パネル103には、同図に示すように、製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー105、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、表面画像位置調整キーとしての4方向キー114および裏面画像位置調整キーとしての4方向キー214、用紙サイズ設定キー115、両面印刷キー117、片面印刷キー118、LED(発光ダイオード)からなる印刷速度表示装置113A、7セグメントのLEDからなる表示装置119、LCD(液晶表示装置)からなる表示装置120等を有している。
製版スタートキー104は、孔版両面印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー104が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版両面印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー105は、孔版両面印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、孔版両面印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー105が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー106は、孔版両面印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー107は、製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版スタートキー104の押下前に押下され、連続キー107の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキー104が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
クリア/ストップキー108は、孔版両面印刷装置1の動作を停止させる際あるいは置数のクリア時に押下され、テンキー105は、数値入力に用いられる。エンターキー110は、各種印刷条件等の設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー111は、よく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下される。モードクリアキー112は、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。
印刷速度設定キー113は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。印刷速度設定キー113は、印刷速度を遅い方に設定するための速度ダウンキー113aと印刷速度を速い方に設定するための速度アップキー113bとからなる。
印刷速度表示装置113Aは、プリントスピードと表示されている中央部の黒色塗色を施した「印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー113aまたは速度アップキー113bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。例えば「おそく」と表示されている一番左側の「印刷速度:1速」は印刷速度が最低速の60枚/min:60rpmに、その右側にいくにつれて順に印刷速度:2速〜5速に対応して15枚/min:15rpmずつ速くなり、「はやく」と表示されている一番右側の「印刷速度:5速」は印刷速度が最高速の120枚/min:120rpmにそれぞれ対応して設定されている。
印刷速度表示装置113Aは、速度ダウンキー113aまたは速度アップキー113bの1回ごとの押下により、印刷速度を1から5までの5段階に切り換えられ設定された印刷速度を点灯表示する。
4方向キー114は、上キー114a、下キー114b、左キー114c、右キー114dを有しており、表面画像編集時にその表面画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。ここで、左キー114cおよび右キー114dは、図6に示した分割製版済みマスタ65における第1製版画像65Aに対応して用紙Pの表面に転写される表面印刷画像(以下、「表面画像」ともいう)の位置の用紙搬送方向に沿った移動量の指示を行うための、すなわち表面画像の天地移動量の指示を行う表面画像位置操作手段および表面画像位置調整キーとしての機能を有する。
4方向キー214は、上キー214a、下キー214b、左キー214c、右キー214dを有しており、裏面画像編集時にその裏面画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。ここで、左キー214cおよび右キー214dは、図6に示した分割製版済みマスタ65における第2製版画像65Bに対応して表面印刷済み用紙PAの裏面に転写される裏面印刷画像(以下、「裏面画像」ともいう)の位置の用紙搬送方向に沿った移動量の指示を行うための、すなわち裏面画像の天地移動量の指示を行う裏面画像位置操作手段および裏面画像位置調整キーとしての機能を有する。
さらに具体的には、例えば左キー114cを1回押すごとに、その表面画像を用紙搬送方向の下流側、すなわち用紙Pの天方向へ0.25mmずつ移動させることができ、これと反対に、右キー114dを1回押すごとに、その表面画像を用紙搬送方向の上流側、すなわち用紙Pの地方向へ0.25mmずつ移動させることができるようになっている。
4方向キー214c,214dも、上述したと同様に、例えば左キー214cを1回押すごとに、その裏面画像を用紙搬送方向の下流側、すなわち用紙Pの天方向へ0.25mmずつ移動させることができ、これと反対に、右キー214dを1回押すごとに、その裏面画像を用紙搬送方向の上流側、すなわち用紙Pの地方向へ0.25mmずつ移動させることができるようになっている。
用紙サイズ設定キー115は、用紙サイズを任意で入力する際に押下され、用紙サイズ設定キー115で入力された用紙サイズは、用紙サイズ検知センサ73によって検知された用紙サイズ情報よりも優先される。両面印刷キー117は、孔版両面印刷装置1に両面印刷動作を行わせる際に製版スタートキー104の押下前に押下され、両面印刷キー117が押下されるとその近傍に配置されたLED117aが点灯してオペレータに両面印刷モードであることが表示される。片面印刷キー118も、両面印刷キー117と同様に孔版両面印刷装置1に片面印刷動作を行わせる際にスタートキー104の押下前に押下され、片面印刷キー118が押下されるとその近傍に配置されたLED118aが点灯してオペレータに片面印刷モードであることが表示される。孔版両面印刷装置1は、初期状態時においてLED118aが点灯しており、片面印刷モードが自動的に初期設定されている。
7セグメントLEDからなる表示装置119は、主に印刷枚数等の数字を表示する。LCDからなる表示装置120は、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー120a,120b,120c,120dを押下することにより、各種印刷条件の設定、変倍や画像位置調整等の様々なモードへの変更および各モードでの設定が可能に構成されている。また表示装置120には、図示したように「製版・プリントできます」のような孔版両面印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等のアラーム、用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
選択設定キー120aは、マスタ種類(マスタの種類)を設定するマスタ種類設定手段としての機能を有し、図13に示すように、マスタ種類として3種類、すなわちA(標準)マスタ、B(耐久)マスタおよびC(コストダウン)マスタのうちの何れか一つを設定可能である。選択設定キー120aを1回押下するごとにより、表示装置120に表示されるマスタ種類を白黒反転表示して選択することが可能な周知の構成であり、後述の選択設定キー120b,120c,120dでも同様である。
図9の表示装置120に示されているA(標準)のマスタは、本実施形態で使用される所定のマスタ64であり、例えばポリエステル系の熱可塑性樹脂フィルムの厚みが1.0〜2.5μmであり、多孔質支持体の厚みが10〜20μmで、残りの厚みが和紙繊維層からなるトータル50μm以内の3層構成のものである。このマスタは、特開平10−147075号公報等で提案したものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からなる多孔性樹脂膜を有し、さらにその表面に繊維状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなるマスタである。
A(標準)のマスタは、印刷枚数に応じたマスタ単体での伸び特性(伸び率)が、B(耐久)のマスタとC(コストダウン)のマスタとの中間に位置するものである。
選択設定キー120bは、インキ色を設定するインキ色設定手段としての機能を有し、図13に示すように、インキ色として6種類、すなわち黒インキ、赤インキ、青インキ、緑インキ、紺インキおよび紫インキのうちの何れか一つを設定可能である。図9の表示装置120に示されている黒インキは、本実施形態で使用される所定のインキ色である。インキは、そのインキの含有成分である顔料等の組成およびその量により各々の流動性、換言すればインキ色の種類に応じてインキの粘度による粘着力が異なる。
選択設定キー120cは、印刷媒体の種類である用紙種類を設定する用紙種類設定手段としての機能を有し、図13に示すように、用紙種類として3種類、すなわち更紙やのし紙等を含む薄紙、孔版上質紙や普通紙を含む標準紙および画用紙や葉書、封筒を含む厚紙のうちの何れか一つを設定可能である。図9の表示装置120に示されている標準紙は、本実施形態で使用される所定の用紙である。用紙は、その種類により主として厚みが異なるため、版胴12上のマスタ64に対する引っ張り方向の圧接力の大小、つまり版胴12上のマスタ位置ずれに影響を与える。
選択設定キー120dは、版胴の種類(以下、「ドラム種類」ともいう)を設定する版胴種類設定手段としての機能を有し、図13に示すように、ドラム種類として2種類、すなわちA3ドラムおよびDLTドラム(ダブルレター・ドラム)のうちの何れか一つを設定可能である。図9の表示装置120に示されているA3ドラムは、本実施形態で使用される所定の版胴である。版胴は、その種類により主としてマスタを巻き付ける長さ・面積が異なるため、版胴12上のマスタ位置ずれに影響を与える。
なお、本実施形態では、後述のように所定の印刷条件に限定されるため、選択設定キー120a〜120dは必須の構成ではなく、無くてもよい。また、選択設定キー120a〜120dに代えて、それぞれ専用のキーおよびLED等を設けるとともにLED等の点灯により印刷条件の設定状況を確認可能に構成してもよい。
図1、図6、図8および図10を参照して、表面天地移動手段250周りについて説明する。図8に示す表面天地移動手段250は、図1に示す版胴12上の分割製版済みマスタ65における第1製版画像65A(表面用製版画像)から用紙Pの表面へ転写される表面印刷画像の位置を用紙Pの用紙搬送方向(天地方向)に移動するためのものである。
装置本体11の内部には、レジストローラ対71の駆動ローラ71aを回転駆動する扇形ギヤ249が配設されている。扇形ギヤ249は、そのほぼ中央部を支軸249aによって装置本体11に揺動自在に支持されており、ギヤ部249bとカムフォロア249cとを有している。ギヤ部249bは、駆動ローラ71aと同軸上に一体的に設けられたレジストギヤ71cと噛み合っている。
扇形ギヤ249の左方には、版胴駆動手段121(メインモータ)からの回転駆動力を扇形ギヤ249へと伝達する表面天地移動手段250が配設されている。表面天地移動手段250は、特開2006−192835号公報の図3に開示されている天地移動手段(50)と同様の構成である。すなわち、表面天地移動手段250は、駆動ギヤ251、従動ギヤ252、第1リンク253、第1ギヤ254、第2リンク255、第2ギヤ256、第3リンク257、レジストカム258および図示しない位相変位手段等を有している。
版胴駆動手段121からの回転駆動力が伝達される駆動ギヤ251は、装置本体11に回転自在に支持された支軸251aに取り付けられている。駆動ギヤ251と同形の従動ギヤ252は、装置本体11に回転自在に支持された支軸252aに取り付けられており、支軸252aには扇形ギヤ249を揺動させるためのレジストカム258が一体的に取り付けられている。レジストカム258は、その周面の一部に凹部258aを有しており、レジストカム258の周面には、この周面に転動可能なカムフォロア249cが図示しない付勢手段の付勢力(例えば扇形ギヤ249におけるレジストギヤ71c寄りの右側部に張設された引張ばね等)によって常時圧接されている。この構成により、レジストカム258が回転してカムフォロア249cが凹部258aに嵌入・係合すると、扇形ギヤ249が図2において反時計回り方向に揺動することによりレジストギヤ71cが回転駆動され、駆動ローラ71aが回転駆動される。なお、レジストギヤ71cと駆動ローラ71aの軸の間には、扇形ギヤ249が時計回り方向に揺動する際にその回転力を駆動ローラ71aへと伝達させないための図示しない一方向クラッチが介装されている。
支軸251aには、第1リンク253の一端部が回転自在に支持されており、第1リンク253の他端には、第1ギヤ254がその周面を駆動ギヤ251の周面に噛合させる態様で回転自在に支持されている。これにより第1ギヤ254は、駆動ギヤ251の周面上を第1リンク253により転動可能に支持されている。
支軸252aには、第2リンク255の一端部が回転自在に支持されており、第2リンク255の他端には、第2ギヤ256がその周面を従動ギヤ252の周面に噛合させる態様で回転自在に支持されている。これにより第2ギヤ256は、従動ギヤ252の周面上を第2リンク255により転動可能に支持されている。さらに、第1ギヤ254と第2ギヤ256とは、それぞれの周面を噛合させた状態で第3リンク257によってそれぞれ回転自在に支持されている。
第1リンク253には、モータあるいはシリンダ等の図示しないアクチュエータによって伸縮自在な図示しないアーム部材からなる位相変位手段が取り付けられている。この位相変位手段の具体例としては、図8に簡略的に示すように、装置本体11側に固設された正逆転可能な天地移動モータ259と、天地移動モータ259の出力軸に固設された図示しない雄ねじと、第1リンク253に配設され前記雄ねじと螺合する雌ねじを形成されたアーム部材(図示せず)と、このアーム部材のホームポジションを検知するための図示しないホームポジションセンサ等からなる。版胴駆動手段121が停止し、駆動ギヤ251が停止した状態で図示しない位相変位手段の天地移動モータ259を正転または逆転・作動させることにより、第1リンク253の位置が変位されることによって第1ギヤ254が駆動ギヤ251の周面上を転動し、第1ギヤ254の回転に伴い第2ギヤ256を介して従動ギヤ252が回転され、従動ギヤ252の回転に伴ってレジストカム258が回転されることにより凹部258aの位置が変位し、版胴12の位相(回転角度)に対するレジストローラ対71(駆動ローラ71a)の動作タイミングが変更される。
なお、本実施形態では図示しない位相変位手段の天地移動モータ259により第1リンク253を変位させ、第1ギヤ254を駆動ギヤ251上で転動させることにより版胴12の位相に対するレジストローラ対71の動作タイミングを変更させる構成を採用したが、図示しない位相変位手段の天地移動モータ259により第2リンク255を変位させ、第2ギヤ256を従動ギヤ252上で転動させることにより版胴12の位相に対するレジストローラ対71の動作タイミングを変更させる構成を採用してもよい。表面天地移動手段250は、これに限らず、特開2006−192835号公報の図5に開示されている天地移動手段(65)でもよい。
また、表面天地移動手段として、レジストローラ対71を版胴駆動手段121とは独立した例えばステッピングモータからなるレジストモータで回転駆動し、そのレジストモータの回転駆動開始(起動)タイミングを変化させる方式を用いれば、連続的な印刷継続中において版胴12を停止することなく表面天地移動を実行させることもできる。なお、レジストローラ対71の駆動ローラ71aをステッピングモータからなるレジストモータで回転駆動する構成例は、例えば特開平11−48595号公報の図1等に開示されているものを採用することが望ましい。
本発明における表面天地移動手段は、上記したように版胴12の回転に同期して印刷部2に用紙Pを給送する給送手段としてのレジストローラ対71の回転開始・動作タイミング(給送タイミング)を変化させる「レジストローラ方式」が採用される。
図1、図2、図5、図6および図10を参照して、裏面天地移動手段周りについて説明する。裏面天地移動手段は、図1に示す版胴12上の分割製版済みマスタ65における第2製版画像65B(裏面用製版画像)から表面印刷済み用紙PAの裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を用紙Pの用紙搬送方向(天地方向)に移動するためのものである。裏面天地移動手段は、裏面天地移動駆動手段としてのソレノイド33を備えた再給紙レジストローラ接離機構160から主に構成されている。
上述の裏面天地移動は、再給紙搬送ユニット25に搬送した表面印刷済み用紙PAを再給紙位置決め部材24に突き当てて一時停止させて、再給紙レジストローラ23が上昇して、再給紙位置決め部材24に一時停止している表面印刷済み用紙PAがプレスローラ13の外周面に圧接するように、図5等に示した裏面天地駆動手段を兼ねる再給紙レジストローラ接離機構160のソレノイド33をオンする作動タイミングを調整することで行っている。
図10を参照して、孔版両面印刷装置1の要部の制御構成について説明する。同図において、制御手段129は、装置本体11の内部に設けられており、CPU130、ROM131、RAM132およびタイマ133等を有するマイクロコンピュータを具備して構成されている。
CPU130は、操作パネル103からの各種信号(起動や設定に係るオン・オフ信号やデータ信号)および装置本体11に設けられた上記各種センサからの検知信号およびROM131から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9に設けられたソレノイド33および搬送ユニット駆動モータ122、切換部材10を作動させるソレノイド123、表面天地移動手段250に設けられた天地移動モータ259、操作パネル103の各表示装置119,120の作動等を制御し、孔版両面印刷装置1全体の動作を制御する。
ROM131には、孔版両面印刷装置1全体の動作プログラムが記憶されており、この動作プログラムはCPU130によって適宜呼び出される。本実施形態に特有の動作プログラムとしては、表面天地移動手段250の天地移動モータ259を駆動するための動作プログラム、裏面天地移動手段としての再給紙レジストローラ接離機構160のソレノイド33(以下、「裏面天地移動手段のソレノイド33」ともいう)を駆動するための動作プログラムおよび図11に示すように所定の印刷枚数ごとにそれぞれ予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値に関するデータテーブル等が挙げられる。
天地移動モータ259の作動は、操作パネル103上で設定された用紙搬送方向(天地方向)への設定量に基づいて行われる他、印刷中に自動的に実行される。裏面天地移動手段のソレノイド33の作動も、操作パネル103上で設定された用紙搬送方向(天地方向)への設定量に基づいて行われる他、印刷中に自動的に実行される。上記のとおり、ROM131は、所定の印刷枚数ごとに予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段としての機能を有する。
RAM132には、CPU130によってROM131から呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれ、この動作プログラムは操作パネル103からの入力によって書き換えられる。またRAM132には、排紙センサ150から送信されてくる印刷枚数がCPU130により加算されたトータルの印刷枚数が記憶される。RAM132は、CPU130の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン・オフ信号を随時記憶する機能等も有している。
制御手段129のCPU130(以下、単に「制御手段129」ともいう)は、ホームポジションセンサ135からの位相タイミング信号(ホームポジション信号)と、版胴12が一定角度回転するごとに発生する版胴回転角度センサ152からの回転パルス信号とに基づいて、版胴12の回転速度(印刷速度)を随時認識・把握すると共に、版胴12の回転位置(回転位相位置)をリアルタイムで認識・把握している。
ここで、図11に示した所定の印刷枚数と表面天地移動補正値との、および所定の印刷枚数と裏面天地移動補正値との各データテーブルに関して、再度、図26(a)、図26(b)を参照しながら説明を加える。本発明は、上述した分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分は元より、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65が印刷枚数の増加に伴い僅かずつ伸びてその伸びが蓄積されるマスタ伸びに対しても効果のあることが確認されている。本実施形態等では、主として、版胴12において分割製版済みマスタ65のクランプによるマスタ位置ずれおよびその補正について説明する。
上記課題の欄でも説明したが、図26(a)に示したように、本実施形態の孔版両面印刷装置1のように版胴12に設けられたクランパ19bによってその先端部がクランプ・保持されていた分割製版済みマスタ65は、マスタ巻装時の初期タワミ分65Xが僅かに存在する上、印刷時にプレスローラ13による印圧が掛かると版胴12の回転方向に分割製版済みマスタ65を引っ張ることにより、初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して、その結果両面印刷位置ずれが起きてしまう。
分割製版済みマスタ65の初期タワミ分65Xが生じる位置は、版胴12におけるクランパ19b配置部周辺の非開口部であるために、初期タワミ分65Xの分割製版済みマスタ65はインキにより版胴12の外周面に貼り付いた状態になっていない。
初期タワミ分65Xに加え分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図26(b)に示したように、初期タワミ分65Xより版胴12の回転方向の上流側の分割製版済みマスタ65が版胴12の開口部から滲出したインキの粘着力により、分割製版済みマスタ65の後端部65Zを除き、版胴12外周面に貼り付いた状態になる。
初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に発生するマスタ位置ずれは、同一の印刷条件の下において、複数回の実験により、印刷枚数との間に密接な相関関係のあることが分かっている。また、マスタ位置ずれは、印刷条件としての例えば使用するマスタ種類や用紙種類などが変化するような場合においても、複数回の実験により、印刷枚数との間に相関関係のあることが分かっている。
そこで、本実施形態では、実験により求めた印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係から、図11(a)、(b)に示すように、横軸に示す所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)と縦軸に示す表面天地移動補正値、裏面天地移動補正値(mm)との関係を表す各データテーブルとして設定し、これをROM131のプログラムに予め記憶しておくものである。表面天地移動補正値、裏面天地移動補正値(mm)の最大量としては、例えば上述した構成の孔版両面印刷装置1では概ね5mm程度である。
マスタ位置ずれに影響を与える印刷条件等のマスタ位置ずれ補正用のパラメータは、本実施形態では印刷枚数(主パラメータ)として捉えているが、後述の変形例のように副パラメータとして種々あることはいうまでもない。従って、本実施形態で用いるデータテーブルは、副パラメータとしてのマスタ種類、ドラム種類、インキ色、印刷速度、用紙種類、インキ温度が所定の種類ないし所定の値として設定されているものについてのものである。本実施形態は、観点を変えれば上記各副パラメータを考慮しない場合の主パラメータである印刷枚数のみに着目した実施形態とみなすこともできる。
図11(a)に示した印刷枚数と表面天地移動補正値との関係を表すデータテーブル、および図11(b)に示した印刷枚数と裏面天地移動補正値との関係を表すデータテーブルは、本実施形態1のような印刷部2の構成では同図に示したような傾向になるものであるが、あくまでも一例であって、孔版両面印刷装置を含む両面印刷装置の主として印刷部の構成内容によっては特有の傾向を示すことがあり、そのような両面印刷装置にも本発明を適用できることを付記しておく。
上述の構成に基づき、孔版両面印刷装置1の動作を説明する。まず、片面印刷モードを設定して片面印刷を行う動作例について簡単に説明する。孔版両面印刷装置1による片面印刷動作は、従来の孔版印刷装置により片面印刷を行う動作とほぼ同様であり、従来の孔版印刷装置による片面印刷動作と比較して、オペレータによって片面印刷キー118が押下されると片面印刷モードの設定がなされたことをLED118aの点灯によって確認可能になる点、切換部材10が第1の位置に位置決めされる点、片面印刷用のカム板43Aが選択・使用される点、再給紙手段9が非作動状態で行われる点等が主に相違するだけであり、後述する両面動作例および上記特許文献2、3等で開示した内容から当業者であれば容易に理解して実施できるからその説明を省略する。
次に、両面印刷キー117を押下して両面印刷を行う場合を説明する。なお、図1に示した用紙受け板40部位の構成および動作は、特開2004−26373号公報の段落「0134」〜「0155」でその詳細が開示されているとおりである。これは、本発明と余り関係がないためこの部分の説明を省略する。
オペレータは給紙トレイ67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、オペレータは操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、両面印刷キー117を押下する。両面印刷モードであることをLED117aの点灯によって確認した後、製版スタートキー104が押下されると、用紙サイズ検知センサ73から用紙サイズ検知信号が、また原稿サイズ検知センサ102から原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、信号を受けた制御手段129は各信号を比較する。このとき、用紙サイズと原稿サイズとが同じ場合は直ちに画像読取動作が行われ、用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に表示してオペレータに注意を促す。
第1の実施形態では、版胴12で印刷可能な最大用紙サイズがA3サイズであるため、両面印刷時において使用可能な用紙サイズはA4横置きまでである。原稿サイズと用紙サイズとを比較した結果、両サイズが同じ場合には直ちに画像読取動作が行われ、両サイズが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に警告として表示してオペレータに注意を促す。用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合に、制御手段129からの指令で自動的に拡大または縮小の変倍を行って原稿サイズと画像サイズとを整合させる構成、表示装置120に縮小や画像データの回転等の手順を表示してオペレータの操作の手助けを行う構成としてもよい。また、用紙サイズがA4横置きを超える大きさの場合には、制御手段129は両面印刷を禁止して片面印刷を促す旨を表示装置120に表示させてもよい。
製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7では1枚目の原稿画像の読取動作が行われる。原稿画像の読み取りは、蛍光灯99によって露光された反射光を各反射ミラー95,96,97,98によって反射することにより行われ、読み取られた原稿画像はレンズ100で集束された後に画像センサ101に入射されて光電変換される。光電変換された電気信号は装置本体11内の図示しないA/D変換器に入力された後、画像メモリ136内に1枚目の画像データ信号として格納される。1枚目の原稿の読取動作が完了して画像データ信号が画像メモリ136内に格納されると、制御手段129は表示装置120に2枚目の原稿をセットして下さいという旨の表示を行わせる。オペレータはこの表示に従って圧板94を開放してコンタクトガラス93上より1枚目の原稿を取り除き、2枚目の原稿を載置して再び圧板94を閉じる。圧板94が閉じられたことを図示しないセンサが検知し、コンタクトガラス93上に原稿があることを他の図示しないセンサが検知すると、1枚目と同様に2枚目の原稿の読取動作が行われる。読み取られた原稿画像は画像メモリ136内に2枚目の画像データ信号として格納される。
なお、本実施形態において、片面印刷モード時および両面印刷モード時における原稿の読取動作はオペレータが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADFを用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは原稿の読取動作を行うことなく例えばコンピュータ等の図示しない外部装置から画像データを取り込む構成としてもよい。また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面および裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。
画像読取部7での画像読取動作と並行して、排版部5では版胴12の外周面から使用済みマスタ64cを剥離・排版する排版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると、版胴駆動手段121が起動されることにより版胴12が回転を開始し、版胴12が図1に示すホームポジションに達すると位相タイミング検知板134がホームポジションセンサ135に係合(遮光)することにより検知され、ホームポジションセンサ135から制御手段129に位相タイミング(ホームポジション)信号が送られる。位相タイミング信号を受けた制御手段129は、このホームポジションを基点として版胴回転角度センサ152が発するパルス数を計測し、版胴12の外周面上に巻装された使用済みマスタ64cの先端が従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83と対応する所定の排版位置に達したと判断すると、版胴駆動手段121の作動を停止させる。
版胴駆動手段121が停止されて版胴12が所定の排版位置で停止すると、版胴駆動手段121および排版駆動手段126が作動して各駆動ローラ78,81が回転駆動されると共に下排版部材75が版胴12側に移動し、従動ローラ82の外周面上に位置する無端ベルト83が版胴12上の使用済みマスタ64cと当接する。すると、版胴12の回転および無端ベルト83の移動によって版胴12の外周面上よりすくい上げられた使用済みマスタ64cは、下排版部材75と上排版部材74とで挟持搬送されて版胴12の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタ64cは排版ボックス76内に廃棄された後、圧縮板77によって圧縮される。
外周面上より使用済みマスタ64cが全て剥離された後も版胴12は回転を継続し、クランパ19bが右上方に位置する所定の給版待機位置まで回転して停止する。版胴12が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパ19bが開放され、孔版両面印刷装置1は給版待機状態となる。
排版動作と並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると、プラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63がそれぞれ回転駆動されてマスタロール64aよりマスタ64が引き出される。このとき図示しない可動マスタガイド板は搬送位置に位置決めされている。マスタ64が引き出されてその画像形成領域がサーマルヘッド59の発熱素子と対応する位置に達すると、画像メモリ136内に格納されている画像データ信号が画像処理を施された後に呼び出され、図示しないサーマルヘッドドライバがサーマルヘッド59の各発熱素子を選択的に発熱させることにより、マスタ64にはその熱可塑性樹脂フィルム面に図6に示すように第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとが形成される。このとき第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの間には、図6に示すように所定の空白部Sが設けられるように各画像65A,65Bが形成・製版される。この所定の空白部Sは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに、図1に示す中間領域と対応する位置に設けられる。
マスタ64は製版されつつ搬送されその先端部が反転ローラ対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラ対63の回転が停止される。反転ローラ対63の回転停止後もプラテンローラ58およびテンションローラ対62は回転を継続しており、サーマルヘッド59によって製版された分割製版済みマスタ65はマスタストック部61内に貯容される。反転ローラ対63の停止時において、マスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、分割製版済みマスタ65は図示しない吸引ファンに吸引されることによって良好にマスタストック部61内に貯容される。
上述の製版動作中、排版動作が完了して孔版両面印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ対63が回転を開始してマスタストック部61内に貯容されている分割製版済みマスタ65が開放されているクランパ19bとステージ部19aとの間に向けて搬送される。そして、分割製版済みマスタ65の先端部がクランパ19bによって挟持可能な所定位置まで搬送されると、図示しない開閉手段が作動してクランパ19bが閉じられ、分割製版済みマスタ65はその先端部をステージ部19aとクランパ19bとによって版胴12の外周面上に保持される。
その後、版胴12が図1において時計回り方向に間欠的に回転駆動され、分割製版済みマスタ65の版胴12への巻装動作が行われる。この時、反転ローラ対63は回転を停止しており、駆動ローラ63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって分割製版済みマスタ65の引き出しに伴い連れ回りする。そして、画像メモリ136から2枚分の画像データが全て送られ画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、1版分の分割製版済みマスタ65が製版搬送されるとプラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65が切断される。切断された分割製版済みマスタ65は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12の外周面上への1版分の分割製版済みマスタ65の巻き付けが完全になされた後、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで、製版動作および給版動作が完了する。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。ソレノイド123が作動して切換部材10が第1の位置に位置決めされた後、図示しないプレスローラ係止手段が作動すると共にステッピングモータ52が作動して段差カム49が回転され、カム部49aをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動されてカム軸44がカム板43Bをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動された後、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。
その後、給紙ローラ68、分離ローラ69、各駆動ローラ36,87、各吸引ファン39,90がそれぞれ駆動されると共に、版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上に積載された最上位の1枚目の用紙Pが給紙ローラ68により用紙搬送方向に送り出され、さらに分離ローラ69と分離パッド70との協働作用により1枚ずつに分離されてレジストローラ対71に向けて給送され、その用紙Pの先端をレジストローラ対71のニップ部に突き当てられて一時停留される(この状態の用紙が、図1に太い実線で示す用紙Pである)。そして、クランパ19bが切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の位置に位置決めされ、その後、版胴12に巻装された分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第1製版画像65Aの画像領域先端部がプレスローラ13との接触部に到達する所定のタイミングで図8に示したカムフォロア249cが凹部258aに嵌入・係合し、扇形ギヤ249が支軸249aを中心に図8において反時計回り方向に揺動され、レジストギヤ71cが回転駆動されることにより駆動ローラ71a(レジストローラ対71)が回転駆動され、用紙Pが版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
版胴12の回転に同期して、プレスローラ接離機構55ではカム軸44およびこれと一体に設けられた多段カム43が回転駆動されており、上述したように上記所定のタイミングにおいて、カムフォロア41と当接可能である位置に移動されたカム板43Bはその凸部をカムフォロア41から離脱させる。これにより、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させ、レジストローラ対71によって給送された用紙Pが版胴12上の分割製版済みマスタ65に押圧される。この押圧動作により、プレスローラ13と1枚目の用紙Pと分割製版済みマスタ65の第1製版画像65A形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部より滲出し、版胴12に巻着された図示しない多孔性支持板および図示しないメッシュスクリーン、および分割製版済みマスタ65の多孔性支持体に充填された後に第1製版画像65Aの穿孔部を介して1枚目の用紙Pに転移・転写され、分割製版済みマスタ65のうちの第1製版画像65Aが形成された部分の版付けが行われる。
版付けにより第1製版画像65Aに応じた表面印刷画像をその表面に印刷され表面印刷済み用紙PAとなった1枚目の用紙Pは、切換部材10の先端によってその一端から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65から剥離されつつ、第2の位置を占めた切換部材10によって再給紙手段9へと案内される。切換部材10によって下方へと導かれた表面印刷済み用紙PAは、各ガイド板27,56間を通ってその一端をエンドフェンス8aに当接させ、補助トレイ8上に載置される。補助トレイ8上に搬送された表面印刷済み用紙PAは、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38に保持されつつ図1の矢印方向に搬送され、その他端(第1製版画像65Aの印刷時における後端)を再給紙位置決め部材24に当接される。このときセンサ8cが表面印刷済み用紙PAの他端を検知し、センサ8cからの検知信号が制御手段129へ向けて出力されることにより、制御手段129から指令が送られて駆動ローラ36および吸引ファン39の作動が停止される。図1中の表面印刷済み用紙PAは、その先端が再給紙位置決め部材24に突き当たっている状態を示している。
1枚目の用紙Pが補助トレイ8上に案内されている間も版胴12は回転を継続しており、プレスローラ13は版胴12の表面領域との接触を終えるとカム板43Bの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Bの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の裏面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の外周面へのインキの転移を防止できる。このとき図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13を離間位置で保持した後、ステッピングモータ52が作動して段差カム49が回転され、そのカム部49bをカムフォロア48cに当接させる。これにより移動アーム48が支軸48aを中心に揺動され、カム軸44がカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置に移動される。
また、上述の動作とほぼ同時に給紙ローラ68および分離ローラ69が駆動され、給紙トレイ67上から2枚目の用紙Pが引き出されてその先端をレジストローラ対71に突き当て一時停留される。そして、上述と同様の所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された2枚目の用紙Pは版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
一方、プレスローラ接離機構55では、移動されたカム板43Aの凸部がカムフォロア41と当接可能な位置までカム軸44が回転すると、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。このときカム軸44と同期して回転している版胴12は、表面領域、裏面領域および中間領域以外の部位である非開孔部がプレスローラ13と対向する位置を占めている。また、版胴12の表面領域がプレスローラ13との対向部を通過し、クランパ19bが再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。
2枚目の用紙Pがレジストローラ対71によって給送される所定のタイミングにおいて、カム板43Aがその凸部をカムフォロア41から離脱させることによりプレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその外周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラ13と2枚目の用紙Pと分割製版済みマスタ65の第1製版画像65A形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板および図示しないメッシュスクリーン、第1製版画像65Aの穿孔部を介して2枚目の用紙Pに転写される。
第1製版画像65Aに応じた画像を印刷され印刷済み用紙PBとなった2枚目の用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送ユニット85へと案内されると共に、剥離爪84によってその一端から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離される。剥離された印刷済み用紙PBは下方へと落下して排紙搬送ユニット85へと送られた後に排紙トレイ86上に排出される。
また、レジストローラ対71によって2枚目の用紙Pが給送された後、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングである所定のタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図5における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動されることにより、その他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留されていた表面印刷済み用紙PAが版胴12と圧接して従動回転しているプレスローラ13の外周面に当接される。
この時、プレスローラ13は版胴12の周速度と同じ周速度にて従動回転されているので、再給紙レジストローラ23によりプレスローラ13の外周面に当接された表面印刷済み用紙PAは、プレスローラ13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送されていく。この際、表面印刷済み用紙PAは用紙ガイド板31および各ローラ28,29,30によってプレスローラ13の外周面に密着した状態で版胴12との印刷ニップ部に向けて搬送される。この時、表面印刷済み用紙PAの表面には第1製版画像65Aに応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって表面印刷済み用紙PAがプレスローラ13の外周面に密着されているので、一度プレスローラ13の外周面に接触した表面印刷済み用紙PAがずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。そして、2枚目の用紙Pの後端および中間領域がプレスローラ13と対応する位置を通過した後、裏面領域の先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するタイミングで、表面印刷済み用紙PAが反転されて版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部に送り込まれる。
これにより、プレスローラ13と表面印刷済み用紙PAと分割製版済みマスタ65の第2製版画像65B形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板および図示しないメッシュスクリーン、第2製版画像65Bの穿孔部を介して表面印刷済み用紙PAの裏面に転移・転写され、分割製版済みマスタ65のうちの第2製版画像65Bが形成された部分の版付けが行われる。
第1製版画像65Aに対応した画像を表面(下面)に、第2製版画像65Bに対応した画像を裏面(上面)にそれぞれ印刷され印刷済み用紙PBとなった1枚目の両面印刷済みの用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送ユニット85へと案内されると共に、剥離爪84によってその一端から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離される。剥離された印刷済み用紙PBは下方へと落下して排紙搬送ユニット85へと送られ、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引きつけられつつ左方へと搬送されて排紙トレイ86上に排出される。その後、版胴12が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
上述の版付け時において、分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの間に所定の空白部Sが設けられ、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装された際に中間領域が形成されるので、給紙部4から送られた2枚目の用紙Pの後端と再給紙手段9から送られた表面印刷済み用紙PAの先端とが重合することが防止され、良好な版付けを行うことができる。また、再給紙手段9からの表面印刷済み用紙PAの再給紙時において、表面印刷済み用紙PAの印刷面と接触することでプレスローラ13の表面に表面印刷済み用紙PAからのインキが再転移するが、プレスローラ13の外周面が撥インキ性を有すると共にクリーニングローラ26がプレスローラ13の外周面をクリーニングするので、表面印刷済み用紙PAからプレスローラ13の外周面への再転移インキ量が減少されると共にプレスローラ13の外周面からの再転移インキの除去が促進され、以下の印刷時においてプレスローラ13から用紙Pの裏面へのインキの再転移を防止できる。
孔版両面印刷装置1が印刷待機状態となった後、印刷速度設定キー113および操作パネル103上の各種キーによって印刷条件を入力した後に試し刷りキー106が押下されると試し刷りが行われる。試し刷りキー106が押下されると、版付け時と同様にカム板43Bがカムフォロア41に当接可能となる位置にカム軸44が移動された後に設定された印刷速度に対応した回転速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後、給紙部4から1枚目の用紙Pが給送され、給送された1枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に、設定された印刷速度に応じた所定のタイミングで給送され、プレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接される。表面に第1製版画像65Aに対応した印刷画像を印刷されて表面印刷済み用紙PAとなった1枚目の用紙Pは、切換部材10によって版胴外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離されつつ補助トレイ8へと案内される。補助トレイ8上に搬送された表面印刷済み用紙PAは、吸引ファン39の吸引力によって無端ベルト38上に保持されつつ他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留される。
その後、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、段差カム49が回転してカム板43Aをカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。切換部材10は、クランパ19bが再び切換部材10と対応する位置を占めるまでの間に第2の位置から第1の位置に変位される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙Pが給送され、給送された2枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後、1枚目の用紙Pと同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。
給送された2枚目の用紙Pは揺動するプレスローラ13により分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接され、表面に第1製版画像65Aに対応した印刷画像を印刷されて印刷済み用紙PBとなった2枚目の用紙Pは第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送ユニット85へと案内される。印刷済み用紙PBは剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離され、下方へと落下して排紙搬送ユニット85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出される。
レジストローラ対71によって2枚目の用紙Pが給送された後、設定された印刷速度に応じた所定のタイミングでソレノイド33が作動されて再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置へと変位され、補助トレイ8上で一時停留されていた表面印刷済み用紙PAが回転しているプレスローラ13の外周面に当接される。表面印刷済み用紙PAはプレスローラ13の回転力によって搬送され、再給紙案内部材22によってプレスローラ13の外周面に密着した状態で印刷部2へと搬送される。
搬送された表面印刷済み用紙PAは揺動するプレスローラ13により分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bに圧接され、その裏面に第2製版画像65Bに対応する画像を転写される。両面に各製版画像65A,65Bに対応した画像を印刷されて印刷済み用紙PBとなった1枚目の用紙Pは、切換部材10によって排紙搬送ユニット85へと案内される。その後、印刷済み用紙PBが剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離され、排紙搬送ユニット85によって搬送されて排紙トレイ86上に排出されることにより試し刷りが完了する。
本実施形態においては、版付けおよび試し刷り時において排紙センサ150によって計数された版付けおよび試し刷りに使用された用紙の印刷枚数に係る信号は、制御手段129のCPU130によって無効化され、従来と同様に正規の印刷枚数としてカウントしないようになっている。
なお、印刷時の印刷枚数は、後述の「版替え」を含め、新しいマスタの製版時にクリアされて次回の製版までクリアされることなく、印刷ごとに加算されてRAM132に記憶される。追加印刷や、試し印刷時も加算することによって、両面印刷位置ずれの補正が正しく行えるようになる。分割製版済みマスタと同一の製版画像を形成された分割製版済みマスタを版胴12に巻装する「版替え」を行った場合には、印刷時の印刷枚数は当然クリアされる(以下、第1の実施形態の変形例等でも同様)。
上述の試し刷り時において、分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに対応して用紙Pの表面に転写・形成される表面印刷画像の位置(以下、「表面印刷画像位置」ともいう)を用紙搬送方向に移動・ずらしたい場合には、操作パネル103上において表面印刷画像位置の調整を行う。この表面印刷画像位置の調整は、左キー114c、右キー114dにより行われ、現在の位置(未調整の位置)を0として用紙搬送方向の下流側に移動させる場合には左キー114cを、用紙搬送方向の上流側に移動させる場合には右キー114dを用い、表示装置120に表示される調整量を0.25mm単位で入力する。
移動量の入力後、印刷スタートキー105が押下されると、表面天地移動手段250において図示しない位相変位手段の天地移動モータ259が作動し、上述したように版胴12の位相に対するレジストローラ対71の動作タイミングの変更が行われ、設定された移動量に応じて表面印刷画像位置が調整される。
また、上述の試し刷り時において、分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bに対応して表面印刷済み用紙PBの裏面に転写・形成される裏面印刷画像の位置(以下、「裏面印刷画像位置」ともいう)を用紙搬送方向に移動・ずらしたい場合には、操作パネル103上において裏面印刷画像位置の調整を行う。この裏面印刷画像位置の調整は、左キー214c、右キー214dにより行われ、現在の位置(未調整の位置)を0として用紙搬送方向の下流側に移動させる場合には左キー214cを、用紙搬送方向の上流側に移動させる場合には右キー214dを用い、表示装置120に表示される調整量を0.25mm単位で入力する。
移動量の入力後、印刷スタートキー105が押下されると、表面印刷済み用紙PAに対する裏面画像位置の天地移動調整は、再給紙手段9におけるソレノイド33の作動タイミング、換言すれば再給紙レジストローラ23のプレスローラ13への圧接・オンタイミングが左キー214cまたは右キー214dによって設定された調整量に応じた分だけ変更されることで行われる。
例えば、表面印刷済み用紙PAに対して用紙搬送方向下流側(天方向)に裏面画像位置を移動したい場合、ソレノイド33の作動タイミング(オン・タイミング)を基準となるタイミングと比較して設定調整量に応じて遅くすればよく、これとは逆にソレノイド33の作動タイミングを基準となるタイミングと比較して設定調整量に応じて速くすれば、表面印刷済み用紙PAに対して用紙搬送方向上流側(地方向)に裏面画像位置を移動することができる。このように、裏面画像位置の移動量調整を行う際の操作は、従来の片面印刷機のそれと同様に、操作パネル103における表示装置120に表示される天地移動量を目視確認しながら、操作パネル103における左キー214cおよび右キー214dの何れか一方を適宜操作することによって簡単かつ容易に行うことができる。
試し刷りにより画像の位置あるいは濃度等が確認され、テンキー105によって印刷枚数が入力された後に印刷スタートキー105が押下されると、印刷動作が行われる。第1の実施形態では、印刷枚数としてN枚が入力された場合を説明する。
印刷スタートキー105が押下されると、版付け時および試し刷り時と同様にカム板43Bがカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後に設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時および試し刷り時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後に給紙部4から1枚目の用紙Pが給送され、給送された1枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に試し刷り時と同じタイミングで給送される。1枚目の用紙Pはプレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接されることで、その表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて1枚目の表面印刷済み用紙PAとなる。表面印刷済み用紙PAは第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送され、他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留される。
その後、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、カム板43Aがカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。また、この動作とほぼ同時に給紙部4から2枚目の用紙Pが給送され、2枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に1枚目の用紙Pと同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパ19bとの衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされた後、クランパ19bの通過後に再び第2の位置に位置決めされる。
給送された2枚目の用紙Pはプレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接され、表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて2枚目の表面印刷済み用紙PAとなった後、第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送される。この時、試し刷り時と同じタイミングでソレノイド33が作動され、補助トレイ8上に停留されていた1枚目の表面印刷済み用紙PAがプレスローラ13の回転力によって印刷部2へと搬送される。1枚目の表面印刷済み用紙PAは2枚目の表面印刷済み用紙PAの後端が版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部を抜けきった後、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を通過して裏面領域がプレスローラ13と対向するタイミングで版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部に送られ、プレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bに圧接されることで、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されて印刷済み用紙PBとなる。
上述の動作中、版胴12の中間領域がプレスローラ13と対向する位置を占める直前にソレノイド123が作動され、切換部材10が第2の位置から第1の位置に変位される。これにより切換部材10によって案内されていた2枚目の表面印刷済み用紙PAの後端(他端)は、切換部材10の下面10aとプレスローラ13の外周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内され、これに続いて搬送された1枚目の印刷済み用紙PBの先端(一端)は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内される。1枚目の印刷済み用紙PBは、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
その後、給紙部4から3枚目の用紙Pが給送され、3枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に1枚目および2枚目の用紙Pと同じタイミングで印刷部2に向けて給送される。切換部材10はクランパ19bとの衝突を回避すべく第1の位置に位置決めされ、クランパ19bの通過後に再び第2の位置に位置決めされる。給送された3枚目の用紙Pは表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて表面印刷済み用紙PAとなった後、切換部材10によって補助トレイ8上に案内される。そして所定のタイミングでソレノイド33が作動され、補助トレイ8上に停留されていた2枚目の表面印刷済み用紙PAが印刷部2へと搬送される。
2枚目の表面印刷済み用紙PAは1枚目の表面印刷済み用紙PAと同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部に送られ、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されて2枚目の印刷済み用紙PBとなる。切換部材10は上述と同様のタイミングで第2の位置から第1の位置に変位され、3枚目の表面印刷済み用紙PAの後端(他端)は切換部材10の下面10aとプレスローラ13の外周面との間の僅かな隙間を通って補助トレイ8上に案内される。また、これに続いて補助トレイ8上より搬送された2枚目の印刷済み用紙PBの先端(一端)は、切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内され、2枚目の印刷済み用紙PBは剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。
以下、上述と同様の印刷動作が(N―1)枚目まで行われる。そして、N枚目の用紙Pが給紙部4から給送されその表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷され、N枚目の表面印刷済み用紙PAとして補助トレイ8上に案内された後、(N−1)枚目の表面印刷済み用紙PAがその裏面に第2製版画像に対応した画像を印刷されて(N−1)枚目の印刷済み用紙PBとして排紙トレイ86上に排出されると、図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、カム板43Cをカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後、図示しないプレスローラ係止手段の作動が解除される。このとき切換部材10は第1の位置を占めた状態を維持している。
そして、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりも早い第1のタイミングでカムフォロア41と当接可能である位置に移動されたカム板43Cはその凸部をカムフォロア41から離脱させ、プレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその周面を版胴12の外周面に圧接させる。その後、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早い第2のタイミング(設定された印刷速度に応じた所定のタイミング)でソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図2における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動され、他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留されていたN枚目の表面印刷済み用紙PAが版胴12と当接して従動回転しているプレスローラ13の外周面に当接される。
N枚目の表面印刷済み用紙PAは1枚目の表面印刷済み用紙PAと同様のタイミングで版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部に送られ、その裏面に第2製版画像65Bに対応した画像を印刷されてN枚目の印刷済み用紙PBとなる。N枚目の印刷済み用紙PBは切換部材10の上面10bに沿って排紙搬送ユニット85へと案内され、剥離爪84によって分割製版済みマスタ65より剥離された後に排紙搬送ユニット85によって搬送され、排紙トレイ86上に排出される。その後、プレスローラ13は版胴12の裏面領域との接触を終えるとカム板43Cの凸部がカムフォロア41に当接することで離間位置を占める。このカム板43Cの働きにより、用紙Pが存在しない状態で版胴12の表面領域とプレスローラ13とが圧接することがなく、プレスローラ13の外周面へのインキの転移を防止できる。このとき図示しないプレスローラ係止手段が作動してプレスローラ13が離間位置で保持され、その後に版胴12がホームポジションで停止して孔版両面印刷装置1は印刷動作を終えて再び印刷待機状態となる。
以上説明したとおり、孔版両面印刷装置1では、次のような両面印刷動作が行われていた。すなわち、両面印刷時に、給紙部4より1枚目の用紙Pを印刷部2に給送してその表面に図6に示す分割製版済みマスタ65における第1製版画像65Aおよび第2製版画像65Bの何れか一方に対応した印刷を行い、印刷された1枚目の表面印刷済み用紙PAを切換部材10により再給紙手段9の補助トレイ8に案内した後、給紙部4より2枚目の用紙Pを印刷部2に給送してその表面に第1製版画像65Aおよび第2製版画像65Bの何れか一方に対応した印刷を行うと共に再給紙手段9により1枚目の表面印刷済み用紙PAを印刷部2に再給送してその裏面に第1製版画像65Aおよび第2製版画像65Bの何れか他方に対応した印刷を行い、切換部材10により1枚目の両面印刷済み用紙PBを排紙部6に、2枚目の表面印刷済み用紙PAを補助トレイ8にそれぞれ案内するものであった。
版付け後および適宜の試し刷り後において、上記したように操作パネル103のテンキー105により印刷枚数が設定された後に印刷スタートキー105が押下されて実行される正規の印刷中において、制御手段129によって以下の特有の動作が行われる。
すなわち、CPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が図11(a)、(b)に示した所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)になるごとに、ROM131から上記所定の印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値、すなわち正規の印刷開始後の印刷枚数1枚目から100枚目に対応して設定された表面天地移動補正値A1mmおよび裏面天地移動補正値A2mm、101枚目から500枚目に対応して設定された天地移動補正値B1mmおよび裏面天地移動補正値B2mm、501枚目から1000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値C1mmおよび裏面天地移動補正値C2mm、1001枚目から2000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値D1mmおよび裏面天地移動補正値D2mm、2001枚目から3000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値E1mmおよび裏面天地移動補正値E2mmを読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段250の天地移動モータ259(以下、「天地移動モータ259」と表記する)を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように再給紙手段9における再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)のソレノイド33(以下、「ソレノイド33」と表記する)を制御することとなる。
この際の詳細な動作内容を印刷枚数100枚目で例示すると、先ず、CPU130は排紙センサ150からの100枚目の印刷枚数に係る信号およびホームポジションセンサ48からの信号に基づいて、版胴12がホームポジションに停止するように版胴駆動手段121を制御する。次いで、図26(a)ないし図26(b)に示したように初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが上記版付けおよび100枚目の正規の印刷動作によって吸収された分に対応して、版胴12の回転方向上流側(版胴12の位相の遅れ側)に位置ずれを生じた分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに対して、そのマスタ位置ずれを補正すべく、版胴12の位相に対する駆動ローラ71a(レジストローラ対71)の給送タイミングが表面天地移動補正値B1に対応した分だけ遅くなるように天地移動モータ259を作動制御するとともに、分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bに対して、そのマスタ位置ずれを補正すべく、プレスローラ13の外周面に対する再給紙レジストローラ23の圧接・作動タイミングが表面天地移動補正値B1に対応した分だけ遅くなるようにソレノイド33のオンタイミングを制御することでなされる。これにより、印刷枚数101枚目から500枚目まで、表面天地移動補正値B1および裏面天地移動補正値B2に応じた分だけ、両面印刷位置が自動的に補正されることとなる。
以下、表面印刷画像および裏面印刷画像のことを「表・裏面印刷画像」と、表面天地移動補正および裏面天地移動補正のことを「表・裏面天地移動補正」と、表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値のことを「表・裏面天地移動補正値」とそれぞれ記載することがある。
換言すれば、上記表・裏面天地移動補正をすることなく、分割製版済みマスタ65の後端位置が版胴12の回転方向上流側にずれている、すなわち版胴12の回転方向上流側に位置ずれを生じた分割製版済みマスタ65に基づいてそのまま印刷をした場合には、表・裏面印刷画像位置が用紙における用紙搬送方向の基準位置から用紙搬送方向上流側(地方向)に表・裏面天地移動補正値B1,B2分だけ位置ずれを生じるから、その両面印刷位置ずれを補正すべく表・裏面天地移動補正値B1,B2に対応した分だけレジストローラ対71の給送タイミングおよび再給紙レジストローラ23のプレスローラ13に対する圧接タイミングをそれぞれ遅くすることで、用紙に対する用紙搬送方向の表・裏面印刷画像位置が元の基準位置に補正され維持されることとなる。
なお、本実施形態では、上記所定の印刷条件が後述する図15に示す選択パターンNに相当し、図11に示した表・裏面天地移動補正の具体的数値例としては表・裏面天地移動補正値A1,A2:0.25、表・裏面天地移動補正値B1,B2:0.50、表・裏面天地移動補正値C1,C2:1.00、表・裏面天地移動補正値D1,D2:1.25、表・裏面天地移動補正値E1,E2:1.50(mm)に設定されている。
上述したとおり、第1の実施形態では、分割製版済みマスタ65を巻装する版胴12と、版胴12上の分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aから用紙Pへ転写される表面印刷画像の位置を用紙搬送方向に移動する表面天地移動手段250と、版胴12上の分割製版済みマスタ65の第2製版画像65Bから表面印刷済み用紙PAの裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を用紙搬送方向に移動する再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)とを有する孔版両面印刷装置1を使用する両面印刷方法において、版胴12の回転方向における分割製版済みマスタ65の位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むマスタ位置ずれ補正用のパラメータに応じた表・裏面天地移動補正値を予め設定しておき、その表・裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、表面天地移動手段250をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)をして自動的に裏面天地移動補正を実行させる両面印刷方法が使用されていたと言える。
第1の実施形態によれば、上述したとおり、制御手段129のCPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御するので、印刷枚数に応じたマスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
(第1の実施形態の変形例1)
図10および図11を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。
変形例1は、第1の実施形態と比較して、図10に示した制御手段129が第1の実施形態の演算および制御機能に加え、次の演算機能を付加されていることのみ相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。
すなわち、制御手段129は、第1の実施形態の演算および制御機能に加え、印刷枚数がROM131に記憶されている所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として計数された排紙センサ150からの所定の印刷枚数に係る信号に基づいて、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値とから1枚ごとの印刷枚数に対応した所定の印刷枚数の表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御するものである。
第1の実施形態では、印刷時に印刷枚数に応じた天地移動補正を実行する際に、所定の印刷枚数範囲内で設定された表・裏面天地移動補正値(以下、単に「表・裏面補正値」ともいう)を使用するが、印刷枚数に応じた補正値は1枚ごとのデータを持たないために段階的に補正するようになってしまう。つまり、図11において、正規の印刷枚数(以下、単に「印刷枚数」ともいう)1枚目から100枚目までは表・裏面補正値A1,A2、印刷枚数101枚目から500枚目までは表・裏面補正値B1,B2、印刷枚数501枚目枚から1000枚目までは表・裏面補正値C1,C2、印刷枚数1001枚目から2000枚目までは表・裏面補正値D1,D2、印刷枚数2001枚目から3000枚目までは表・裏面補正値E1,E2というようになってしまうために、所定の印刷枚数範囲内のグループでは同一の表・裏面補正値になってしまう。
そこで、本変形例では、上記のような印刷枚数に応じた表・裏面天地移動補正値が所定の印刷枚数範囲内ごとのグループに割り付いていても、1枚ごとの印刷枚数に応じた表・裏面天地移動補正値を計算により求めるものである。例えば、印刷枚数1500枚目の印刷枚数に応じた天地移動補正を実行するように制御手段129を機能させる場合、所定の印刷枚数範囲として印刷枚数1001枚目から2000枚目までのグループに割り付いている表・裏面補正値D1,D2と、次の所定の印刷枚数として印刷枚数2001枚目から3000枚目までのグループに割り付いている表・裏面補正値E1,E2とに関し、その間の1枚ごとの印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値がそれぞれ比例しているとみなす数学的な補間法を用いることで、所定の印刷枚数としての1500枚目に相当する表・裏面天地移動補正値F1,F2を計算によって算出し、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するものである。
上述のようなより木目細かな表・裏面天地移動補正を実行するように制御手段129を機能させるために、プログラム可能なPROMやEPROMを追加することにより、例えば操作パネル103に専用のキーを追加したり、あるいは各種キー(テンキー105、プログラムキー111、エンターキー110、選択設定キー120a,120b,120c,120dなど)を適宜組み合わせ用いて構成したりしてもよいし、あるいはROMチップを交換等することで対応してもよい。
従って、変形例1によれば、第1の実施形態よりも所定の印刷枚数囲内の1枚ごとの所定の印刷枚数に対応したより木目細かい表・裏面天地移動補正を実行することができる。
(第1の実施形態の変形例2)
第1の実施形態で説明したように、初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に発生するマスタ位置ずれは、同一の印刷条件の下において、複数回の実験により、印刷枚数との間に密接な相関関係のあることが分かっている。しかしながら、実際には例えば使用するマスタ種類や用紙種類などが変わるごとに、印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係により設定された表・裏面天地移動補正値が違ってくることが実験で確認されている。
そこで、本変形例では、マスタ位置ずれに密接な相関関係のある印刷条件としての印刷枚数(マスタ位置ずれ補正用の主パラメータ)の他に、6つの印刷条件(マスタ位置ずれ補正用の副パラメータ)に着目してより実機の印刷条件・環境に近いより精確な表・裏面天地移動補正値を得て自動的に表・裏面天地移動補正を実行することを目的としている。
図12〜図15を参照して、第1の実施形態の変形例2を説明する。
変形例2は、第1の実施形態と比較して、制御手段129に代えて、図12に示す制御手段129Aを用いる点、マスタ位置ずれに影響を与えるマスタ位置ずれ補正用の主パラメータとしての印刷枚数の他に、図13に印刷条件(もしくは選択条件)として示す6つの副パラメータ、すなわち、インキ色、ドラム種類、印刷速度、用紙種類、インキ温度およびマスタ種類の副パラメータを組み合わせたパターン(図14参照)により調整・設定された表・裏面天地移動補正値(図15参照)を用いる点が主に相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。以下、上記6つの副パラメータについて、順次説明する。
なお、本変形例では、説明の簡明化のため、上記6つの副パラメータ全ての組み合わせ・選択パターンに応じて予め実験で求めて設定した表・裏面天地移動補正値を用いているが、これに限らず、上記6つの副パラメータの少なくとも一つの組み合わせ・選択パターンごとに印刷枚数に応じて予め実験で求めて設定した表・裏面天地移動補正値を用いて表・裏面天地移動補正を行えることは無論である。
本変形例の孔版両面印刷装置1では、上記した6種類のインキ色の多色重ね刷り印刷が可能であって、インキ色ごとの色替えがそのインキ色に対応したドラムユニットの交換により容易に行えるようになっている。インキ種類でもあるインキ色は、図13に示した黒インキ、赤インキ、青インキ、緑インキ、紺インキおよび紫インキの6種類のうちの何れか一つを上記した操作パネル103の選択設定キー120bで設定可能または後述のインキ色検出手段で検出可能に構成されている。
インキ色の違いによりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、インキ粘度の大小による粘着力の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、インキ粘度が大きく粘着力が大きいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にインキ粘度が小さく粘着力が小さいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、インキ色ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図12に示す印刷部2には、インキ色を検出するインキ色検出手段302が配設されている。インキ色検出手段302の具体例としては、特開2004−155170号公報の図16に示されているようにドラムユニット側に配置されたマグネット(130,131,132)と装置本体側に配置されたホール素子センサ(136,137,138)とを有するインキ種類検出手段(135)と同様である。
なお、選択設定キー120bおよびインキ色検出手段302は、両方必要ではなく、何れか一方を有していればよい。両方有している高級機種にあっては、例えばマニュアルで設定する選択設定キー120bからの出力信号を有効とし、インキ色検出手段302からの出力信号を無効化する構成であってもよい。これは、後述の各種副パラメータ(印刷条件)設定手段および検出手段でも同様である。但し、印刷速度設定キー113および版胴回転角度センサ152は、両方共に必要である。
本変形例の孔版両面印刷装置1では、上記した2種類のドラム種類に対応したドラムユニットの交換が容易に行えるようになっている。ドラム種類は、図13に示したA3ドラムまたはDLTドラムを操作パネル103の選択設定キー120dで設定可能または後述のドラム種類検出手段で検出可能に構成されている。
ドラム種類によりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主としてマスタを巻き付ける長さ・開口面積の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、マスタを巻き付ける長さ・開口面積が相対的に小さいA3ドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にマスタを巻き付ける長さ・開口面積が大きいDLTドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、ドラム種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図12に示す印刷部2には、ドラム種類を検出するドラム種類検出手段303が配設されている。ドラム種類検出手段303の具体例としては、装置本体11側に配設された電気コネクタメスとドラムユニット側に配設された電気コネクタオスとの接続端子の違いにより電気的に検出可能に構成されている。これに限らず、インキ色検出手段302と同様のものを応用してもよい。
印刷速度は、その遅速によりマスタ位置ずれに影響を与える。すなわち、印刷速度が比較的遅いときには、版胴12上の分割製版済みマスタ65に用紙Pが押圧される時間が長くなって、マスタ位置ずれ量が多くなり、印刷速度が比較的速いときには、上記押圧される時間が短くなって、マスタ位置ずれ量が少なくなる傾向にある。これに着目して、印刷速度ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
用紙種類は、図13に示した薄紙、標準紙および厚紙のうちの何れか一つを操作パネル103の選択設定キー120cで設定可能または後述の用紙種類検出手段で検出可能に構成されている。
用紙種類により、マスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主として厚みが挙げられる。すなわち、厚い用紙の場合には版胴12上の分割製版済みマスタ65に対する引っ張り方向の圧接力が相対的に大きくなるので、その結果マスタ位置ずれ量が多くなり、逆に薄い用紙の場合には上記圧接力が相対的に小さくなるので、その結果マスタ位置ずれ量が少なくなる。これに着目して、用紙種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図12に示す給紙部4には、用紙種類を検出する用紙種類検出手段304が配設されている。用紙種類検出手段304の具体例としては、透過光量の多少によって用紙の厚みを検出するものや、厚みそのもの計測する周知の検出手段が用いられる。
インキ温度は、その高低によりマスタ位置ずれに影響を与える。すなわち、一般的に、インキ温度が高くなるほどインキ粘度が低くなって粘着力が小さくなることで、マスタ位置ずれ量が相対的に大きくなり、逆にインキ温度が低くなるほどインキ粘度が高くなって粘着力が大きくなることで、マスタ位置ずれ量が相対的に小さくなる。これに着目して、インキ温度ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。インキ温度設定範囲は、低温:18℃以下((0)〜18℃)、常温:19〜29℃、高温30℃以上(30〜(40)℃)の3段階に設定した。
マスタ種類は、図13に示したA(標準)マスタ、B(耐久)マスタおよびC(コストダウン)マスタのうちの何れか一つを操作パネル103の選択設定キー120aで設定可能または後述のマスタ種類検出手段で検出可能に構成されている。
マスタ種類については、そのマスタ単体の伸び度合い(伸び率)の違いにより、マスタ位置ずれに影響を与える。マスタ単体の伸び度合い(伸び率)は、B(耐久)、A(標準)、C(コストダウン)のこの順に大きくなり伸びやすくなるから、これに着目して、マスタ種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図12に示す製版部3には、マスタ種類を検出するマスタ種類検出手段300が配設されている。マスタ種類検出手段300の具体例としては、特開2004−155170号公報の図17に示されているマスタ種類検出手段(141)と同様である。すなわち、マスタ種類検出手段300は、図1に示すマスタロール23aの芯部をマスタ保持部材16にセットしたときに、分割製版済みマスタ65の種類を検出するものであり、マスタロール23aの引き出し先端部に貼り付けられた上記公報の図17に示す識別表示体(142)と、該識別表示体(142)に表示された内容を検知する検知手段としての上記公報の図17に示す3つの反射型のフォトセンサ(143)とを有して構成された公知の構成である。
マスタ種類検出手段300は、上述したものに限らず、上記公報の図19に示されているICタグ(144)と受信手段(145)とから構成されるものや、マスタロール23a側に共振タグ等を設けて検出するようにしてもよいし、あるいは静電容量を検出し、その値でマスタ種類を検出するようにしてもよい。
図14に、上述したインキ色、ドラム種類、用紙種類、マスタ種類、インキ温度設定範囲、印刷速度の副パラメータを組み合わせた具体例として選択パターン1〜10,Nのうちの一部を示す。図10に、選択パターン1〜10,Nごとに印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係を実験結果より求め、これに基づき表・裏面天地移動補正値(同図には「補正値」と記載されている:単位mm)として設定した一部を示す。この例では、印刷枚数100枚ごとに対する選択パターン1〜10,Nの天地移動補正値を木目細かく記載しているが、勿論、図11に示したような粗い印刷枚数ごとに対する選択パターン1〜10の天地移動補正値でもよい。その場合、変形例1で説明したようにCPU130による計算で必要とする印刷枚数に対応する選択パターン1〜10,Nの表・裏面天地移動補正値を算出してもよい。
なお、選択パターンNは、第1の実施形態で説明した所定の印刷条件・パラメータを組み合わせたパターンを表している。
本変形例の制御手段129Aは、図12に示すように、図10に示した制御手段129と比較して、CPU130に代えたCPU130Aを用いる点、ROM131に代えたROM131Aを用いる点のみが相違する。ROM131Aは、図10に示したROM131と比較して、図11に示した天地移動補正値のデータテーブルに代えて、図14に示した選択パターンの設定内容に関するデータテーブルおよび図15に示したように印刷枚数ごとの選択パターンにより設定された表・裏面天地移動補正値のデータテーブルがそれぞれ予め記憶されている点のみ相違する。上記のとおり、ROM131Aは、所定の印刷枚数ごとに6種類のパラメータの組み合わせによる実験により予め設定された表・裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段としての機能を有する。
なお、ユーザの要望により、図15に示したデータテーブルの選択パターン1〜10,Nや、これに応じて所定の印刷枚数ごとに設定した表・裏面天地移動補正値を変更したい場合には、上記データテーブルの内容をプログラム可能なPROMなどに記憶させておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせなどで上述したと同様に可変するように構成してもよい。
CPU130Aは、図10に示したCPU130に代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120bまたはインキ色検出手段302、選択設定キー120dまたはドラム種類検出手段303、選択設定キー120cまたは用紙種類検出手段304、選択設定キー120aまたはマスタ種類検出手段300、温度センサ301、印刷速度設定キー113および版胴回転角度センサ152からの各出力信号に基づいて、ならびに排紙センサ150により計数された印刷枚数が図10に示した所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されている図14および図15に示した各データテーブルと上記各出力信号とを照合することでパターンを選択するとともに、選択されたパターンと上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。
従って、変形例2によれば、第1の実施形態よりも、印刷枚数以外の印刷条件(副パラメータ)が考慮・加味されたより実機の印刷条件に近い表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行することができる。
上述したほどの実機の印刷条件に近い表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を望まなくてもよいのであれば、次のような単一の印刷条件(副パラメータ)あるいは少なくとも複数の印刷条件(副パラメータ)を組み合わせた各特性値を設定または検出する手段を有し、その手段により設定または検出された特性値を考慮して表・裏面天地移動補正値(調整値)を決定し、表・裏面天地移動補正を実行させる制御構成例であってもよい。以下、そのCPUの機能にのみ着目して記載した内容を図12に示した符号を借りて列挙する。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120bまたはインキ色検出手段302からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(インキ色を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、インキ色が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第1の制御構成例)。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120dまたはドラム種類検出手段303からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(ドラム種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、ドラム種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第2の制御構成例)。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120cまたは用紙種類検出手段304からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(用紙種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、用紙種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第3の制御構成例)。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120aまたはマスタ種類検出手段300からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(マスタ種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、マスタ種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第4の制御構成例)。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、温度センサ301からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(インキ温度を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、インキ温度が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第5の制御構成例)。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、印刷速度設定キー113および版胴回転角度センサ152からの各出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(印刷速度を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記各出力信号とを照合することで、印刷速度が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第6の制御構成例)。
上述した第1の実施形態、変形例1および2等では、制御手段によって印刷中に自動的に表・裏面天地移動補正が実行されるものであったが、そのような自動表・裏面天地移動補正を使用して印刷を行った時に何らかの原因により両面印刷位置がうまく調整できない場合がある。このような場合に、制御手段による上述の表・裏面天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替える切替手段を設けるとよい。
上記切替手段としては、例えば自動表・裏面天地移動補正の有無を初期設定としてプログラム化してROMまたはEPROMなどに入れておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせで切り替えたり、あるいは専用キーを設けたりすることで、ユーザが切り替えできるようにする手段が挙げられる。
従って、上記例によれば、制御手段による表・裏面天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替えることができ、孔版両面印刷装置の操作・利便性が向上する。
(第2の実施形態)
図16および図17に、第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、図1〜図11に示した第1の実施形態と比較して、図16および図17に示すように、排紙センサ150に代えて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置を検知するマスタ後端検知手段としてのマスタ後端センサ153を用いる点、および制御手段129に代えて、制御手段129Bを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第1の実施形態の孔版両面印刷装置1と同様である。なお、図16に括弧を付して示す符号154,155は、説明の簡明化のために後述の第3および4の実施形態等で使用するものであり、この第2の実施形態のものではないことを付記しておく。
マスタ後端センサ153は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図16に示すように、版胴12における回転方向の開口部の後端(上流端部)までは、分割製版済みマスタ65が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴12外周面に貼り付いているが、版胴12の開口部の後端以降に位置する同分割製版済みマスタ65の後端部65Zは版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マスタ後端センサ153は、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置(後端位置)を検知すべく、同分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
本実施形態の制御手段129Bは、図17に示すように、図10に示した制御手段129と比較して、CPU130に代えたCPU130Bを用いる点、ROM131に代えたROM131Bを用いる点が主に相違する。ROM131Bは、図10に示したROM131と比較して、図11に示した表・裏面天地移動補正値のデータテーブルに代えて、CPU130Bの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムおよび表・裏面天地移動補正の必要性を判断するためのマスタ位置ずれ量に係る表・裏面天地移動補正閾値等が予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Bは、図10に示したCPU130に代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マスタ後端センサ153からの版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置に係るマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。
CPU130Bがマスタ後端位置データから表・裏面天地移動補正値を計算によって算出するには、版胴回転角度センサ152から送信される印刷速度データおよび版胴12の直径から版胴12の周速度を計算した周速度値と、ホームポジションセンサ135から送信される分割製版済みマスタ65の先端の位置データおよびタイマ133から送信される計時時間データ(版胴12の1回転中における)、すなわちホームポジションセンサ135を起点とするマスタ65の先端位置からマスタ後端センサ153により検知されたマスタ後端位置までの計時時間データとに基づいて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の先端位置から後端位置までの長さ(以下、「分割製版済みマスタ65の後端位置長さ」ともいう)を求めることができる。そして、CPU130Bが正規の印刷中において、版胴12の1回転(印刷枚数)ごとに上述の計算を行い、正規の印刷開始時から印刷中における前の印刷と現在の印刷における上記分割製版済みマスタ65の後端位置長さの差分、すなわち版胴12の1回転(印刷枚数)ごとのマスタ位置ずれ量を求め、このマスタ位置ずれ量がROM131Bに予め記憶されている表・裏面天地移動補正閾値(前の印刷における分割製版済みマスタ65の後端位置長さと現在の印刷における分割製版済みマスタ65の後端位置長さとの差分として例えば0.2mm)を超えた場合に、上記マスタ位置ずれ量を表・裏面天地移動補正値とみなして表・裏面天地移動補正値に応じた上述の表・裏面天地移動補正を実行させる。
従って、第2の実施形態によれば、制御手段129BのCPU130Bは、正規の印刷中において、ホームポジションセンサ135から送信される分割製版済みマスタ65の先端の位置データとマスタ後端センサ153からの版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置に係るマスタ後端位置データとからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを表・裏面天地移動補正値とみなし、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259およびソレノイド33をそれぞれ制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
また、第2の実施形態では、実機の実際の印刷条件が反映された結果としての版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置の検知・計測からマスタ位置ずれ量を計算によって求めているため、印刷枚数ごとに応じた、またマスタ種類や用紙種類などのパラメータごとのマスタ位置ずれ量を得るために、第2の実施形態、変形例1および変形例2のように多くの工数を掛けて実験を行い、これによって得られた上記各種データをROM131やROM131Aに記憶させるという面倒な行為の必要性がなくなるという利点もある。それ故に、本実施形態においては、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知して計測できるように構成することが肝要である(後述の第3および第4の実施形態およびこれらの変形例等でも同様)。
(第2の実施形態の変形例3)
版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yは、図16に示したように版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第2の実施形態の変形例3を創作した。
図18に、第2の実施形態の変形例3を示す。変形例3は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、図18に示すように、マスタ後端センサ153の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に変えたことのみ相違する。なお、図18に括弧を付して示す符号155は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
図18に示すようにプレスローラ13により印刷時に印圧をかける際には、分割製版済みマスタ65の後端65Yまで印圧が掛かるようにプレスローラ13による印圧範囲(押圧範囲)を版胴12の回転方向上流側に延長した構成にするとよい。これにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置が第2の実施形態のそれと比べて、より安定した状態になるとともに、版胴12とプレスローラ13とのニップ部近傍にマスタ後端センサ153を配置することによって、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例3によれば、第2の実施形態の上記問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を第2の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
(第2の実施形態の変形例4)
上述の変形例3において、版胴上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に測定するために、図18に示したようにマスタ後端センサ153を版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ13が上昇・揺動して印圧をかける際に、分割製版済みマスタ65の後端65Yまで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴12とプレスローラ13とが接するニップ部にマスタ後端センサ153を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮すると分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第2の実施形態の変形例4を創作した。
図19に、第2の実施形態の変形例4を示す。変形例4は、図18に示した変形例3と比較して、図19に示すように、マスタ後端センサ153の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側であって、かつ、版胴12の開口部12aにおける版胴幅方向の外側、すなわち版胴幅方向の非開口部12bに存する分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知可能に配置したことのみ相違する。これにより、変形例3の問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例4によれば、変形例3の上記問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を変形例3よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。なお、図19に括弧を付して示す符号154,155は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
(第2の実施形態の変形例5)
図20に、第2の実施形態の変形例5を示す。変形例5は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129に代えて、制御手段129Cを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Cは、図20に示すように、図17に示した制御手段129Bと比較して、CPU130Bに代えたCPU130Cを用いる点、ROM131Bに代えたROM131Bを用いる点が主に相違する。
ROM131Bは、図17に示したROM131Bと比較して、CPU130Cの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Cは、図17に示したCPU130Bに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マスタ後端センサ153からの版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Cがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図17に示したCPU130Bと同様である。
従って、変形例5によれば、制御手段129CのCPU130Cは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図11に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、図17に示したCPU130Bと同様の計算を行い、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259およびソレノイド33を制御すればよいので、図17に示したCPU130Bのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
(第2の実施形態の変形例6)
第2の実施形態の変形例6は、図1〜図11に示した第2の実施形態と比較して、図17に示した制御手段129Bに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段129BのCPU77Bは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マスタ後端センサ153を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、継続印刷からの表・裏面天地移動補正(印刷位置補正)も行うことができるとともに、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができる。本変形例は、第2の実施形態の変形例3ないし5にも適用できることは無論である。
(第3の実施形態)
図16および図21に、第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、図16に括弧を付して示すように、版胴12に巻き付ける1版のマスタ長さを検知するための表示の一例であるマーキング154(同図に破線で示す)が印刷された分割製版済みマスタ65をマスタロールとして用いる点、マスタ後端センサ153に代えて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を検知するマスタ表示検知手段としてのマーキング位置センサ155を用いる点、および制御手段129Bに代えて、制御手段129Dを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第2の実施形態の孔版両面印刷装置1と同様である。
マーキング154は、孔版両面印刷装置1に使用するマスタロールに予め印刷されており、その位置は版胴12の外周面に巻装された際に1版ごとの適正な間隔を保ち、かつ、版胴12の回転方向の上流端部(分割製版済みマスタ65の後端部)の位置になるように印刷されている。マーキング154は、例えば分割製版済みマスタ65を構成する熱可塑性樹脂フィルムに対する光の反射率との関係で感度良く検知できる黒色で、マスタ幅方向に平行なストライプ状の形状で印刷される。
マーキング位置センサ155は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図16に示すように、版胴12における回転方向の開口部の後端までは、分割製版済みマスタ65が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴12外周面に貼り付いているが、版胴12の開口部の後端以降に位置する同分割製版済みマスタ65の後端部65Zは版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マーキング位置センサ155は、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yのマーキング154の位置を検知すべく、分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
マスタ長さを検知するための表示は、上記のように印刷されたマーキング154に限らず、例えば矩形状や三角形のものでもよいし、あるいはインクジエットによりプリントされた表示等でもよく、要するにマスタ長さを精度良く確実に検知できる表示であればよい。マスタ表示検知手段は、上記マーキング位置センサ155に限らず、分割製版済みマスタ65に施された表示位置を精度良く確実に検知できる検知手段であれば何でもよい。マスタ表示検知手段の配置位置も同様である。
分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知するためのマーキング154を印刷してあるマスタロールのセットは、図1に示すマスタ保持部材16にセットする際、製版時にマーキング位置が分割製版済みマスタ65の後端に位置するように行う。分割製版済みマスタ65の先端のセットは、手動で位置合わせしても、マーキング位置を自動的に検知してセットしてもよい。分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知するためのマーキング154を印刷してある分割製版済みマスタ65は、製版長さに合わせて、マーキング154を印刷されている。
上記分割製版済みマスタ65を版胴12に巻装する際にも、当然、マーキング154の位置が分割製版済みマスタ65の後端65Yになるように給版し巻装する。マーキング位置センサ155は、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング位置を検知することで、版胴12上の分割製版済みマスタ65の長さを検知・測定できるように配置される。
本実施形態の制御手段129Dは、図21に示すように、図17に示した制御手段129Bと比較して、CPU130Bに代えたCPU130Dを用いる点、ROM131Bに代えたROM131Dを用いる点が主に相違する。ROM131Dは、図17に示したROM131Bと比較して、CPU130Bと類似する演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Dは、CPU130Bと類似する演算機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置に係るマスタ長さデータとしてのマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Dがマスタ後端位置データから表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU130Bと同様である。
従って、第3の実施形態によれば、制御手段129DのCPU130Dは、正規の印刷中において、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを表・裏面天地移動補正値とみなし、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
また、第3の実施形態は、第2の実施形態のように版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知・測定する場合と比べ、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定するので、その精度が向上しているとともにその分、表・裏面天地移動補正(印刷位置補正)の精度も向上している。
(第3の実施形態の変形例7)
版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング後端は、図16に示したように版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第3の実施形態の変形例7を創作した。
図18に、変形例7を示す。変形例7は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、図18に示すように、マーキング位置センサ155の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に変えたことのみ相違する。
図18に示すようにプレスローラ13により印刷時に印圧をかける際には、分割製版済みマスタ65の後端まで印圧が掛かるようにプレスローラ13による印圧範囲(押圧範囲)を版胴12の回転方向上流側に延長した構成にするとよい。これにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置が第3の実施形態のそれと比べて、より安定した状態になるとともに、版胴12とプレスローラ13とのニップ部近傍にマーキング位置センサ155を配置することによって、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例7によれば、第3の実施形態の問題点を解消でき、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を、第3の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
(第3の実施形態の変形例8)
上述の変形例7において、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を正確に測定するために、図18に示したようにマーキング位置センサ155を版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ13が上昇・揺動して印圧をかける際に、分割製版済みマスタ65のマーキング154まで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴12とプレスローラ13とが接するニップ部にマーキング位置センサ155を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮すると分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第3の実施形態の変形例8を創作した。
図19に、第3の実施形態の変形例8を示す。変形例8は、図18に示した変形例7と比較して、図19に括弧を付して示すように、マーキング位置センサ155の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側であって、かつ、版胴12の開口部12aにおける版胴幅方向の外側、すなわち版胴幅方向の非開口部12bに存する分割製版済みマスタ65のマーキング154を検知可能に配置したことのみ相違する。これにより、変形例7の問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例8によれば、変形例7の問題点を解消でき、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング後端の位置を、変形例7よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
(第3の実施形態の変形例9)
図22に、第3の実施形態の変形例9を示す。変形例9は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129Dに代えて、制御手段129Eを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Eは、図22に示すように、図21に示した制御手段129Dと比較して、CPU130Dに代えたCPU130Eを用いる点、ROM131Dに代えたROM131Eを用いる点が主に相違する。
ROM131Eは、図21に示したROM131Dと比較して、CPU130Eの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Eは、図21に示したCPU130Dに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Eがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図21に示したCPU130Dと同様である。
従って、変形例9によれば、制御手段129EのCPU130Eは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図11に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、図21に示したCPU130Dと同様の計算を行い、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259およびソレノイド33を制御すればよいので、図21に示したCPU130Dのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
(第3の実施形態の変形例10)
第3の実施形態の変形例9は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、図21に示した制御手段129Dに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段129DのCPU130Dは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ155を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの両面印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第3の実施形態の変形例7ないし9にも適用できることは無論である。
第3の実施形態、変形例7ないし9に限らず、次のような構成例であってもよい。すなわち、マスタロールとして巻かれている分割製版済みマスタ65にマーキング154を印刷する位置は、上述した位置に限らず、そのマスタ位置ずれの検知・計測精度を高めるために、マーキング154位置の移動がマスタ位置ずれの範囲で検知・計測できる位置、すなわち例えば、版胴12に巻装された際に版胴12における開口部の版胴回転方向上流端部に位置する位置、換言すれば版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端部で浸出したインキで版胴の外周面に密着する位置にしてもよい。そして、上記したように版胴12上に密着した分割製版済みマスタ65のマーキング154を検知できる位置に、マーキング位置センサ155を配置してもよい(後述の第4の実施形態およびその変形例でも同様)。
(第4の実施形態)
上述した第3の実施形態およびその変形例7ないし10では、版胴12上の分割製版済みマスタ65の長さを検知するために使用するマスタロールに予め分割製版済みマスタ65の後端を検知するためのマーキング154を印刷してある分割製版済みマスタ65を用いて、製版時にマーキング位置が分割製版済みマスタ65の後端に配置するように製版する必要がある。そのために、製版開始時に分割製版済みマスタ65の先端を製版部3内の所定の位置にセットする必要から、手動または自動でセットしなければならない。また、分割製版済みマスタ65には、版胴12に巻装する製版1版ごとに分割製版済みマスタ65の後端を検知するためのマーキング154を印刷してあるが、製版ミスなどによって1版分送れなかった場合などには再度の位置合わせのために分割製版済みマスタ65をカットしなければならなかった。そこで、この問題点を解消すべく第4の実施形態を創作した。
図16、図23および図24に、第4の実施形態を示す。第4の実施形態は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、図1に示した製版部3に代えて、図23に示すように、1版のマスタ長さを検知するための表示の一例であるマーキング154(図16参照)を分割製版済みマスタ65に施す表示手段としてのマーキング印刷装置156を具備した製版装置としての製版部3Fを用いる点、図21に示した制御手段129Dに代えて、制御手段129Fを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第3の実施形態の孔版両面印刷装置1と同様である。製版部3Fは、図1に示した製版部3と比較して、マーキング印刷装置156を備えている点のみ相違する。
図23に示すように、マーキング印刷装置156は、例えばインクジエットヘッド等を備えて構成されており、第3の実施形態で説明した例と同様に、分割製版済みマスタ65を構成する熱可塑性樹脂フィルムに対する光の反射率との関係で感度良く検知できる黒色で、マスタ幅方向に平行なストライプ状の形状で印刷可能な構成を有している。
マーキング印刷装置156は、製版終了時に切断手段60により分割製版済みマスタ65の後端が切断される直前の位置・タイミングにおいて、分割製版済みマスタ65の後端位置にマーキング印刷できるように、切断手段60とテンションローラ対62との間のマスタ搬送路上に配置されている。
本実施形態の制御手段129Fは、図24に示すように、図21に示した制御手段129Dと比較して、CPU130Dに代えたCPU130Fを用いる点、ROM131Dに代えたROM131Fを用いる点が主に相違する。ROM131Fは、図21に示したROM131Dと比較して、製版終了時に切断手段60により分割製版済みマスタ65の後端が切断される直前の位置・タイミングで同分割製版済みマスタ65の後端位置にマーキング印刷を施すようにマーキング印刷装置156の駆動手段を制御するための動作プログラムおよびCPU130Dと類似する演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Fは、ROM131Fに記憶された動作プログラムを読み出し、製版終了時に切断手段60により分割製版済みマスタ65の後端が切断される直前の位置・タイミングで同分割製版済みマスタ65の後端位置にマーキング印刷を施すようにマーキング印刷装置156の駆動手段を制御する機能を有する他、CPU130Dと同様の上記演算機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置に係るマスタ長さデータとしてのマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Fがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU130BおよびCPU130Dと同様である。
従って、第4の実施形態によれば、制御手段129DのCPU130Dは、正規の印刷中において、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを表・裏面天地移動補正値とみなし、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259およびソレノイド33を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。また、第4の実施形態では、第3の実施形態の上記問題点を解消して、マスタセットの操作性が向上し、マスタカットのような面倒な作業をなくすことができるとともに、第2の実施形態のように版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知・測定する場合と比べ、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定するので、その精度が向上しているとともにその分、両面印刷位置補正の精度も向上している。
第4の実施形態でも、図18を参照して説明した第3の実施形態の変形例7、図19を参照して説明した第3の実施形態の変形例8と同様の、第4の実施形態の変形例11および12として構成して、同様の効果を奏することは無論である。これら第4の実施形態の変形例11および12については、当業者であれば容易に理解して実施できるから、これ以上の説明は省略する。
(第4の実施形態の変形例13)
図19に、第4の実施形態の変形例13を示す。変形例13は、図16および図24に示した第4の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129Fに代えて、制御手段129Gを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Gは、図25に示すように、図24に示した制御手段129Fと比較して、CPU130Fに代えたCPU130Gを用いる点、ROM131Fに代えたROM131Gを用いる点が主に相違する。
ROM131Gは、図24に示したROM131Fと比較して、CPU130Gの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラム、すなわち図22に示したROM131Eの一部計算プログラムと同様のものが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU130Gは、図24に示したCPU130Fに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Gがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU130Eと同様である。
従って、変形例13によれば、制御手段129GのCPU130Gは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図11に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、上述したCPU130Eと同様の計算を行い、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259およびソレノイド33を制御すればよいので、図24に示したCPU130Fのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された表・裏面天地移動補正値に応じた表・裏面天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
第4の実施形態でも、図21に示した第3の実施形態の制御手段129D等と同様の機能、すなわち、制御手段129GのCPU77Gは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである(第4の実施形態の変形例14とする)。この変形例14では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ155を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの両面印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第4の実施形態の変形例11ないし13にも適用できることは無論である。
圧接手段としての再給紙レジストローラ23を圧接位置を占めるように変位させる変位駆動手段としては、ソレノイド33を用いるほかに、例えばギヤトレイン等を介してDCモータやステッピングモータを使用する構成とすることもできることはいうまでもない。
一部上述したが、レジストローラ対71の給送タイミングを変える表面天地移動手段は、表面天地移動手段250に限らず、例えばステッピングモータからなるレジストローラによって、再給紙手段9における再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)のソレノイド33とともに版胴12の回転を停止することなく実行することも可能である。
以上説明した内容から、片面印刷用の製版済みマスタ66を用いた片面印刷中においても、上述した第1ないし第4およびその変形例の内容に準じてレジストローラ対71の給送タイミングを自動的に変える天地移動補正を実行することにより、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれが自動的に補正できて、上述と類似の効果を奏するように構成できることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態あるいは変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例あるいは変形例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の両面印刷方法および両面印刷装置は、特許第3545861号公報や特開2005−153179号公報等の孔版両面印刷装置にも適用可能である。例えば、特許第3545861号公報記載の孔版印刷装置においては、同公報の図1および図3等に示されているレジストコロ(37)の給送タイミングを変える手段・構成を表・裏面天地移動手段として機能させればよい。また、特開2005−153179号公報記載の両面印刷装置においては、同公報の図1、図2および図17等に示されているレジストローラ対(31)を回転駆動するレジストモータ(41)の回転駆動開始タイミングを変化させることにより表面天地移動手段として機能させ、同公報の図1、図2および図17等に示されている再給紙部(45)における搬送ベルト(108)の作動タイミングを変える、すなわち搬送ベルト(108)を駆動するベルト駆動モータ(105)の作動タイミングを変化させることにより裏面天地移動手段として機能させればよい。
また、本発明の両面印刷方法および両面印刷装置は、例えばオフセット印刷機等にも適用ないし準用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す孔版両面印刷装置全体の簡略的な正面図である。 第1の実施形態に用いられる再給紙手段、プレスローラ接離機構および版胴外周面から離間したプレスローラを説明する概略正面図である。 第1の実施形態に用いられる再給紙搬送ユニットおよび用紙受け板を説明する概略平面図である。 第1の実施形態に用いられるプレスローラ接離機構を説明する概略側面図である。 第1の実施形態に用いられる再給紙手段、プレスローラ接離機構および版胴外周面に接触したプレスローラを説明する概略正面図である。 第1の実施形態に用いられる分割製版済みマスタを説明する概略的平面図である。 第1の実施形態に用いられる製版済みマスタを説明する概略的平面図である。 第1の実施形態等で使用する表面天地移動手段の要部の正面図である。 第1の実施形態等に用いられる操作パネルを示す概略図である。 第1の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 (a)は所定の印刷枚数ごとに設定された表面天地移動補正値のデータテーブルを示すとともに、所定の印刷枚数範囲内の特定の印刷枚数に応じた表面天地移動補正値を計算によって求める場合の説明図、(b)は、裏面天地移動補正値のデータテーブル示すとともに、所定の印刷枚数範囲内の特定の印刷枚数に応じた裏面天地移動補正値を計算によって求める場合の説明図である。 第1の実施形態の変形例2の制御構成を示すブロック図である。 パラメータとしての印刷条件の種類を説明する図表である。 パラメータとしての印刷条件の組み合わせにより選択されるパターンを説明する図表である。 印刷枚数ごとにパターンに応じて設定された表・裏面天地移動補正値のデータテーブルを示す図である。 第2ないし第4の実施形態において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサの配置例を示す概略的な正面図である。 第2の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第2ないし第4の実施形態の各変形例において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサの別の配置例を示す概略的な正面図である。 第2ないし第4の実施形態の各変形例において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサのさらに別の配置例を示す図であって、排紙トレイ側から見た概略的な側面図である。 第2の実施形態の変形例5の制御構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の変形例9の制御構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の製版部の構成を示す要部の正面図である。 第4の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の変形例13の制御構成を示すブロック図である。 (a)は、版胴上のマスタに発生するマスタ位置ずれの状況を説明する要部の断面図、(b)は、同マスタ位置ずれが吸収され、マスタが版胴に密着した状態を説明する要部の断面図である。
符号の説明
1 孔版両面印刷装置(両面印刷装置)
2 印刷部
3,3F 製版部(製版装置)
12 版胴
12a 版胴の開口部
12b 版胴の非開口部
13 プレスローラ(押圧手段)
15 インキ供給手段
19b クランパ(保持手段)
23 再給紙レジストローラ
24 再給紙位置決め部材
33 ソレノイド(裏面天地移動手段、裏面天地移動駆動手段)
59 サーマルヘッド(製版手段)
65 分割製版済みマスタ
65A 第1製版画像(第1の製版画像)
65B 第2製版画像(第2の製版画像)
65Y 版胴上のマスタの後端
71 レジストローラ対
103 操作パネル
121 版胴駆動手段
129,129A〜129G 制御手段
130,130A〜130G CPU(制御手段を構成)
131,131A〜131G ROM(記憶手段)
132 RAM
133 タイマ
135 ホームポジションセンサ
150 排紙センサ(印刷枚数計数手段)
152 版胴回転角度センサ
153 マスタ後端センサ(マスタ後端検知手段)
154 マーキング(表示)
155 マーキング位置センサ(マスタ表示検知手段)
156 マーキング印刷装置(表示手段)
250 表面天地移動手段
259 天地移動モータ(表面天地移動駆動手段)
P 用紙(印刷媒体)
PA 表面印刷済み用紙
PB 印刷済み用紙

Claims (21)

  1. 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置を使用する両面印刷方法において、
    前記版胴の回転方向における分割製版済みマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、前記表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷方法。
  2. 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、
    所定の印刷枚数ごとに予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段と、
    前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が前記所定の印刷枚数になるごとに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして読み出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして読み出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする両面印刷装置。
  3. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷枚数が前記所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として前記印刷枚数計数手段により計数されるたびに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値とから前記1枚ごとの印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を計算によって算出し、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた前記表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。
  4. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、マスタの種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  5. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  6. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記版胴上の分割製版済みマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴に使用するインキ色ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  7. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷速度ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  8. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷媒体の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  9. 請求項2記載の両面印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
    前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、インキ温度設定範囲ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。
  10. 請求項2ないし9の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
    前記制御手段による前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正の必要有無を切り替える切替手段を有することを特徴とする両面印刷装置。
  11. 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、
    前記版胴上の分割製版済みマスタの後端位置を検知するマスタ後端検知手段と、
    前記マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする両面印刷装置。
  12. 請求項11記載の両面印刷装置において、
    前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
    前記マスタ後端検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする両面印刷装置。
  13. 請求項12記載の両面印刷装置において、
    前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
    前記マスタ後端検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする両面印刷装置。
  14. 請求項11ないし13の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
    前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。
  15. 請求項11ないし14の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。
  16. マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを具備し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、
    前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
    前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする両面印刷装置。
  17. 請求項16記載の両面印刷装置において、
    前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
    前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする両面印刷装置。
  18. 請求項17記載の両面印刷装置において、
    前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
    前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする両面印刷装置。
  19. 請求項16ないし18の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
    前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。
  20. 請求項16ないし19の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。
  21. マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示手段により施された前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、
    前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
    前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする両面印刷装置。
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