JP2008137220A - 印刷方法および印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】版胴上のマスタ位置ずれにより印刷位置ずれが起きた場合に、印刷をやり直していたことにより、繰り返し製版を行う必要やその製版されたマスタを用いて用紙に印刷を行うために、その時間と製版に用いるマスタや印刷に用いる用紙が無駄となっていた。
【解決手段】制御手段75のCPU76は、排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77から所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷方法および孔版印刷装置等を含む印刷装置に関する。
従来、簡便な印刷方法を使用した印刷装置としてデジタル式の感熱孔版印刷装置が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とを貼り合わせたマスタに微細な発熱素子を多数有するサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンローラ等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を加熱溶融・穿孔製版した後、この製版済みのマスタを多孔性円筒状の版胴を外周部に備えた印刷ドラムの版胴外周面に巻装し、押圧手段によって印刷媒体としての印刷用紙を版胴外周面に押圧させることで、版胴の開孔部およびマスタの穿孔部から滲出したインキを印刷用紙に転移・転写させ、印刷用紙上に印刷画像を形成するものである(例えば、特許文献1および2参照)。
以下、この明細書では、印刷ドラムを含めて版胴といい、印刷用紙を単に「用紙」ともいう。
特開平8−216381号公報 特開2002−361994号公報
しかしながら、上述の孔版印刷装置で同一の製版済みのマスタを用いて印刷を行っていると、印刷の経過に伴う印刷枚数の増加によって版胴にクランプ・巻装保持されていたマスタの位置が、版胴の回転方向に徐々にずれてしまう場合がある。このような「マスタ位置ずれ」状態に気づかずに印刷を行っていると、用紙に対する用紙搬送方向(以下、「天地方向」ともいう)の印刷画像位置がずれてしまう。印刷が終了した時に用紙の印刷画像位置を確認した際には、印刷がすでに終わっている。
また、孔版印刷装置では、同一の製版済みのマスタを用いて印刷を行っていると、印刷画像の位置ずれ(以下、「印刷位置ずれ」ともいう)が異なる原因によって徐々にずれてしまう場合がある。すなわち、版胴にクランプされていたマスタが印刷枚数の増加によって徐々に伸びてしまう、「マスタ伸び」と呼ばれる現象である。このマスタ伸びにより印刷位置ずれが起きた場合には、印刷をやり直していた。
図20(a)および図20(b)を参照して、印刷装置におけるマスタ位置ずれについて説明する。印刷装置でも特に孔版印刷装置におけるマスタ位置ずれは、図20(a)に示すように、製版済みのマスタ23を版胴9の外周面に巻き付ける機械構造上およびシステム上、次のような根本的な問題点が存在する。すなわち、製版済みのマスタ23を版胴9の外周面に巻装する際には、先ず、版胴9に配設されているクランパ軸15aを介して開閉自在なクランパ15によって製版済みのマスタ23の先端部をクランプ・保持した後、版胴9の図中方向(時計回り方向)の回転により製版済みのマスタ23を版胴9の外周面に巻装する。この巻装初期時の製版済みのマスタ23には、初期タワミ分51が僅かに存在する上、押圧手段としてプレスローラ10を用いる機種・システムの場合には、プレスローラ10を回転駆動する機構を持たないために印刷時にプレスローラ10による印圧を加えると、版胴9の回転方向にマスタ23を引っ張ることにより、初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して、その結果印刷位置ずれが起きてしまう。
そして、製版済みのマスタ23の初期タワミ分51が生じる位置は、通常、版胴9において多数の開孔を備えた開口部(図示せず)の範囲外の非開口部、すなわちクランパ15配置部周辺に対応した製版済みのマスタ23の先端部周辺であるために、初期タワミ分51の製版済みのマスタ23は開口部の開孔から滲み出るインキの粘着力により版胴9の外周面に貼り付いた状態になっていない。
初期タワミ分51に加えマスタ23単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図20(b)に示すように、初期タワミ分51より版胴9の回転方向上流側の製版済みのマスタ23が版胴9の開口部から滲出したインキの粘着力により、製版済みのマスタ23の後端部53を除き、版胴9外周面に貼り付いた状態になる。
図20(a)および図20(b)において、52は版胴9の外周面に巻装された製版済みのマスタ23の後端を示す。図20(a)および図20(b)を含め、各実施形態で説明する図10、図12等において、図1において示されているインキ供給手段14等の図示を省略している。
また、押圧手段として版胴の外径とほぼ同じ外径を備えた圧胴を用いる機種・システムの場合には、圧胴径を版胴径より僅かに小さめに形成することにより、マスタ引っ張り側でのマスタ23のシワ発生(版胴9上の製版済みのマスタ23におけるベタ部浮き上がりシワ等)を回避しているため、初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して印刷位置ずれがプレスローラ10の場合と同様に起きてしまうことが経験および実験上から分かっている。
上述のマスタ位置ずれにより印刷位置ずれが起きた場合には、印刷をやり直していたことにより、繰り返し製版を行う必要やその製版されたマスタを用いて用紙に印刷を行うために、その時間と製版に用いるマスタや印刷に用いる用紙が無駄となっていた。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、印刷中に起きるマスタ位置ずれに関して印刷枚数との関係に着目し、版胴の回転方向における製版済みのマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた天地移動補正値を予め実験により求めて設定しておき、その設定した天地移動補正値に基づき、印刷中に、従来から使用されている天地移動手段を利用して自動的に天地移動補正を実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる印刷方法および印刷装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は、版胴上の製版済みのマスタの後端位置を随時検知することでマスタ後端位置データを得、これらのマスタ後端位置データから計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ後端位置に係るマスタ長さから随時検知されたマスタ後端位置に係るマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から天地移動補正値を求め、印刷中に、従来から使用されている天地移動手段を利用して、求められた天地移動補正値に応じた天地移動補正を自動的に実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる印刷装置を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、版胴上の製版済みのマスタのマスタ長さに係る表示位置を随時検知することでマスタ長さデータを得、これらのマスタ長さデータから計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ長さから随時検知されたマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から天地移動補正値を求め、印刷中に、従来から使用されている天地移動手段を利用して、求められた天地移動補正値に応じた天地移動補正を自動的に実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる印刷装置を提供することを第3の目的とする。
また、本発明は、マスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を製版装置に具備し、版胴上の製版済みのマスタのマスタ長さに係る表示位置を随時検知することでマスタ長さデータを得、これらのマスタ長さデータから計算によってマスタ位置ずれ量を求め、すなわち印刷開始時の基準となるマスタ長さから随時検知されたマスタ長さを減じた差分をマスタ位置ずれ量とみなし、このマスタ位置ずれ量から天地移動補正値を求め、印刷中に、従来から使用されている天地移動手段を利用して、求められた天地移動補正値に応じた天地移動補正を自動的に実行させることによって、印刷位置ずれを未然に防止し、マスタや印刷媒体(用紙)の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことのできる印刷装置を提供することを第4の目的とする。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、前記版胴の回転方向における製版済みのマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた天地移動補正値を予め設定しておき、前記天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記天地移動手段をして自動的に天地移動補正を実行させることを特徴とする。
ここで、「マスタの位置ずれ」とは、版胴上にクランプないしは巻装・保持されている製版済みのマスタが印刷の経過に伴い版胴の回転方向上流側に徐々にずれる「マスタずれ」およびマスタ単体・自身による「マスタ伸び」の少なくとも一方を含むことを意味する。
「印刷中に」とは、同一の製版済みのマスタを巻装した版胴を用いた状態で、直接的または間接的に印刷媒体に連続的に印刷画像を形成することを含む他、上記と同じ版胴上の製版済みのマスタを用いた状態で、何らかの理由(例えばジャム処理)により印刷を一時的に中断した後、再度設定された印刷枚数の残りの印刷枚数分の印刷を行ったり、上記と同じ版胴を用いた状態で、新たに追加された印刷枚数分の印刷を行ったり、あるいは天地移動補正実行のために一時的に印刷を停止・中断したりすることも含む広い概念用語である(以下の請求項でも同様)。
また、「版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像」とは、版胴上の製版済みのマスタから直接的に印刷媒体へ印刷画像を転写する印刷方式または印刷装置を含む他、版胴上の製版済みのマスタから間接的に印刷媒体へ印刷画像を転写する印刷方式または印刷装置や、例えば転写胴を介して印刷媒体へ印刷画像を転写する印刷方式または印刷装置、あるいは複数の版胴を印刷媒体の搬送方向に並設した複胴式の多色印刷方式または多色印刷装置も含むことを意味する(以下の請求項でも同様)。
「天地移動補正」とは、天地移動手段を作動させて印刷画像の位置を印刷媒体(もしくは被印刷媒体)の搬送方向に移動する印刷画像位置補正(もしくは印刷位置補正)のことを意味し、また「天地移動補正値」とは、印刷画像位置補正値(もしくは印刷位置補正値)を意味する(以下の請求項でも同様)。
請求項2記載の発明は、製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、所定の印刷枚数ごとに予め設定された天地移動補正値を記憶した記憶手段と、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が前記所定の印刷枚数になるごとに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値を読み出し、印刷中に、前記天地移動手段をして読み出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記制御手段は、印刷枚数が前記所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として前記印刷枚数計数手段により計数されるたびに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値とから前記1枚ごとの印刷枚数に対応した前記天地移動補正値を計算によって算出し、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記天地移動補正値は、マスタの種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記天地移動補正値は、前記版胴の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、前記天地移動補正値は、前記版胴に使用するインキ色ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記天地移動補正値は、印刷速度ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記天地移動補正値は、印刷媒体の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、前記天地移動補正値は、インキ温度設定範囲ごとに調整値を持つことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項2ないし9の何れか一つに記載の印刷装置において、前記制御手段による前記天地移動補正の必要有無を切り替える切替手段を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタの後端位置を検知するマスタ後端検知手段と、前記マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ後端検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ後端検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項11ないし13の何れか一つに記載の印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項11ないし14の何れか一つに記載の印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、この製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有し、前記製版済みのマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される印刷装置であって、前記版胴上の製版済みのマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項16記載の印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項16ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項20記載の発明は、請求項16ないし19の何れか一つに記載の印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項21記載の発明は、マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有し、前記製版済みのマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示手段により施された前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される印刷装置であって、前記版胴上の製版済みのマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段とを有することを特徴とする。
請求項21記載の発明を受けて、請求項17〜20の発明と同様に次のように表現することができる。
すなわち、請求項22記載の発明は、請求項21記載の印刷装置において、前記版胴上の製版済みのマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項23記載の発明は、請求項21記載の印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項24記載の発明は、請求項21ないし23の何れか一つに記載の印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項21ないし24の何れか一つに記載の印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、上記課題を解決して新規な印刷方法および孔版印刷装置等を含む印刷装置を提供することができる。請求項ごとの発明の効果を挙げれば、以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、版胴の回転方向における製版済みのマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた天地移動補正値を予め設定しておき、その天地移動補正値に基づき、印刷中に、天地移動手段をして自動的に天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項2記載の発明によれば、制御手段は、印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、記憶手段から所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項3記載の発明によれば、制御手段は、印刷枚数が所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として印刷枚数計数手段により計数されるたびに、記憶手段から所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値とから1枚ごとの印刷枚数に対応した天地移動補正値を計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段を制御するので、所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの所定の印刷枚数に対応したより木目細かく精度の高い天地移動補正を実行することができる。
請求項4ないし9の何れか一つに記載の発明によれば、マスタの種類ごと、版胴の種類ごと、版胴に使用するインキ色ごと、印刷速度ごと、印刷媒体の種類ごとまたはインキ温度設定範囲ごとに天地移動補正値の調整値を持つことにより、印刷枚数以外の印刷条件(パラメータ)が考慮・加味されたより実機の印刷条件に近い天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行することができる。
請求項10記載の発明によれば、制御手段による天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替えることができ、印刷装置の操作・利便性が向上する。
請求項11記載の発明によれば、制御手段は、マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、天地移動手段をして算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項12,17記載の発明によれば、上記構成により、版胴上の製版済みのマスタの後端位置をより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な天地移動補正を実行することができる。
請求項13,18記載の発明によれば、上記構成により、版胴上の製版済みのマスタの後端位置をさらに安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な天地移動補正を実行することができる。
請求項14,19記載の発明によれば、上記構成により、制御手段が印刷枚数の1枚ごとに上述の計算をして、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
請求項15,20記載の発明によれば、上記構成により、版胴の空回転時を利用して天地移動補正を実行することができる。
請求項16記載の発明によれば、制御手段は、マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、天地移動手段をして算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
請求項21記載の発明によれば、マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された製版済みのマスタを巻装する版胴と、版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有し、製版済みのマスタが版胴に巻装される際に表示手段により施された表示が版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される印刷装置であって、制御手段は、マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、天地移動手段をして算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
以下、図を参照して、発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
図1〜図5に、第1の実施形態を示す。まず、主として図1を参照して、本発明を適用した印刷装置の一例としてのデジタル感熱式の孔版印刷装置1の概略的な全体構成とともに本発明の特徴的な構成を詳述する。
孔版印刷装置1は、同図に示すように、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、制御手段75等を有している。同図において、8は前記各部・装置を搭載しその骨組みをなす装置本体を示す。
印刷部2は、装置本体8のほぼ中央に配置されており、製版済みのマスタ23を外周面に巻装する版胴9および該版胴9上の製版済みのマスタ23(以下、「版胴9上のマスタ23」ともいう)に直接的に用紙Pを押し付ける押圧手段としてのプレスローラ10を有している。
版胴9は、インキ通過性の多数の開孔が形成された開口部とインキ不通過性の非開口部とを有し、支軸11の周りに図中矢印方向に回転自在に支持されている。非開口部は、後述するクランパ周りおよび版胴9の幅方向の両端縁部に所定の範囲に亘り形成されている。版胴9の具体的構成は、例えば特開平11−138961号公報の図4等に示されている版胴(1a)と同様である。
版胴9は、版胴駆動手段としてのメインモータ45によって図中矢印方向に回転駆動される。メインモータ45は、例えば制御用のDCモータからなり、印刷速度に応じて回転速度が変速されるように後述の制御手段により制御される。版胴9とメインモータ45とを連結する駆動力伝達手段としての版胴駆動機構は、例えば特開2004−155170号公報の図4に示されている駆動機構(150)と同様の構成を採用している。
版胴9は、後述するインキ供給手段等とともに一体的にユニット化されていて図示しない版胴ユニット(もしくはドラムユニット)を構成しており、装置本体8側に配設された着脱手段(図示せず)を介して着脱自在に構成されている。前記版胴ユニットおよび前記着脱手段としては、例えば特開平11−138961号公報の図3に示されているドラムユニット(100a)、着脱手段(50a)と同様のものである。
版胴9の外周部の一母線上には、自身の外周面上に製版済みのマスタ23を巻き付けるべくマスタ23の先端部を挟持・クランプする開閉自在なクランパ15が配設されている。クランパ15は、版胴9の非開口部に設けられたステージ部15bに回動可能に取付けられたクランパ軸15aを介して開閉自在に構成されている。クランパ15は、版胴9が所定の回転位置、製版済みのマスタを給版する給版位置、版胴9上の使用済みのマスタ23を剥離する排版位置、初期位置であるホームポジション等を占めた際に図示しない開閉手段によって開閉される。
版胴9の内部には、インキ供給管を兼ねた支軸11、版胴9の内周面に対してその外周面を近接配置されたインキローラ12、インキローラ12の外周面と僅かな間隙をもってその外周面を近接配置されたドクターローラ13等を有するインキ供給手段14が配設されている。インキ供給手段14は、後述のように版胴9の内側から版胴9上のマスタ23にインキを供給する機能を有する。インキ供給管を兼ねた支軸11より供給されたインキは、インキローラ12とドクターローラ13との近接部においてインキ溜まりを形成し、このインキ溜まりのインキがインキローラ12とドクターローラ13との所定の間隙を通過してインキローラ12の外周面に層状に供給される。インキローラ12の外周面に供給されたインキは、プレスローラ10によって版胴9の外周面が押圧された際に版胴9の内周面とインキローラ12とが圧接することにより版胴9の内周面に供給され、版胴9の開口部より滲出して給紙部4から給送されて来た用紙Pへと転移・転写される。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキが好ましく用いられる。
版胴9の内部には、インキ供給手段14のインキ溜まり形成部に配置されインキの温度を検知するインキ温度検知手段としての温度センサ301が配設されている。温度センサ301としては、例えば従来から製版用エネルギーの調整等に使用されているサーミスタを兼用している。
版胴9の下方には、図示しない一対のアーム部材によってその支軸両端を回転自在に支持されたプレスローラ10が配設されている。プレスローラ10は、図示しない各アーム部材が図示しない揺動手段によって揺動されることにより、図1に示す版胴9の外周面より離間した非印刷位置と版胴9の外周面に所定の圧接力で圧接する印刷位置とを選択的に占める。前記揺動手段としては、例えば特開2004−155170号公報の図3に示されているプレスローラ変位手段(22)と同様の構成を採用している。
製版部3は、装置本体8の右上部に配設されている。製版部3は、マスタ保持部材16、プラテンローラ17、サーマルヘッド18、マスタ切断手段19、マスタ搬送ローラ対20、反転ローラ対21、マスタストック手段22等を有している。
マスタ保持部材16は、製版部3内の図示しないユニット側板に取り付けられており、マスタ23をロール状に巻成したマスタロール23aの芯部を回転自在かつ着脱自在に支持する。
本実施形態で使用されるマスタ23としては、例えば熱可塑性樹脂フィルムと、和紙繊維とか合成繊維あるいは和紙繊維および合成繊維を混抄したもの等からなる多孔質支持体(ベース)とを貼り合わせたラミネート構造のもので、熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のものである。一般的に、孔版印刷装置で使用するマスタ23としては、その厚みが20〜60μmの範囲のものであり、そのうちの熱可塑性樹脂フィルムの厚みとしては、1.0〜2.5μmの範囲のものであり、残りの厚みは多孔質支持体が担っている。
孔版印刷装置で使用されるマスタ23としては、本実施形態で用いる物に限らず、図7にマスタ種類として示したように、マスタ単体での伸びが少なく、より多くの印刷枚数を得る耐刷性能に優れたB(耐久)仕様のマスタや、耐刷枚数や画質よりもコストを優先して作製されたC(コストダウン)仕様のマスタも使用される。また、マスタの多孔質支持体の厚みを薄くしたマスタであってもよく、例えば特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ(2)でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタも使用することができる。
マスタ保持部材16の左方には、プラテンローラ17が前記ユニット側板に回転自在に支持されており、プラテンローラ17は、前記ユニット側板に固設された図示しないステッピングモータによって回転駆動される。サーマルヘッド18は、多数の発熱素子18aを有してプラテンローラ17の下方に配設されている。サーマルヘッド18は、図示しない付勢手段の付勢力によってその発熱素子18a面をプラテンローラ17の外周面に圧接されている。サーマルヘッド18は、マスタ23の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ各発熱素子18aを位置選択的に発熱させ、マスタ23を穿孔製版する製版手段としての機能を有する。
プラテンローラ17およびサーマルヘッド18の左方には、マスタ23を所定の長さに切断するマスタ切断手段19が配設されている。マスタ切断手段19は、前記ユニット側板に固設された固定刃と、この固定刃に対して移動自在に支持された可動刃とを有し、固定刃に対して可動刃が回転移動あるいは上下動することによりマスタ23を切断する。
マスタ切断手段19の左方には、マスタ搬送ローラ対20および反転ローラ対21が配設されており、各ローラ対20,21間にはマスタストック手段22が配設されている。各ローラ対20,21は、前記ユニット側板にそれぞれ回転自在に支持された駆動ローラと従動ローラとを有しており、互いに異なる駆動手段によってそれぞれ回転駆動される。マスタストック手段22は、内部に図示しないファンを有しており、このファンを駆動させることによりその内部に製版されたマスタ23を撓みボックス22a内に引き込み、1版分の製版済みのマスタ23をストック可能に構成されている。マスタストック手段22の上部には、マスタ搬送ローラ対20によって搬送されるマスタ23を反転ローラ対21へと案内する第1案内位置とマスタストック手段22内へと案内する第2案内位置とを選択的に占める図示しないマスタガイド板が配設されている。反転ローラ対21は、製版済みのマスタ23を版胴9に給版すべく送り出す給版手段の機能を有する。
給紙部4は、製版部3の下方に配設されている。給紙部4は、給紙台としての給紙トレイ24、給紙ローラ25、分離ローラ26、分離パッド27、レジストローラ対28等を有している。
給紙トレイ24は、上面に多数枚の用紙Pを積載可能に、かつ、装置本体8に対して上下動自在に構成されている。給紙トレイ24は、用紙Pの増減に連動して図示しない昇降機構を介して昇降モータ(図示せず)によって上下動される。給紙トレイ24の上面には、用紙Pの幅方向の揃えを行う一対のサイドフェンス30が、周知のラックアンドピニオン機構を介して、用紙搬送方向Xaと直交する用紙幅方向に互いに同移動量ずつ移動可能に配設されている。給紙トレイ24上には、用紙搬送方向Xaに沿った用紙Pの縦サイズを検知する用紙サイズ検知手段としての縦用紙サイズ検知センサ29が、また用紙搬送方向Xaと直交する用紙幅方向に沿った用紙Pの横サイズを検知する用紙サイズ検知手段としての図示しない横用紙サイズ検知センサがそれぞれ複数配置されている。前記横用紙サイズ検知センサは、サイドフェンス対30の用紙幅方向への移動に連動して用紙Pの横サイズを検知する周知の構成である。これらの縦用紙サイズ検知29センサおよび前記横用紙サイズ検知センサ(以下、これらを総称して「用紙サイズ検知センサ群29」という)から出力されるに信号に基づいて、制御手段75が用紙サイズを認識・決定する。
給紙トレイ24の左端上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ25が配設されている。給紙ローラ25は、装置本体8に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、給紙トレイ24が上昇した際に所定の圧接力で給紙トレイ24上の最上位の用紙Pに圧接する。給紙ローラ25は、歯付きのプーリおよび歯付きの無端ベルトを介して分離ローラ26に連結されており、同ローラ26の回転時にこれと同期して同方向に回転駆動される。
給紙ローラ25の左方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ26が配設されている。分離ローラ26は、ギアやベルト等の駆動力伝達手段を介してステッピングモータからなる給紙モータ46に連結されており、給紙モータ46によって版胴9の回転とほぼ同期して回転駆動される。
分離ローラ26の下方には、高摩擦抵抗部材からなり、分離ローラ26の周面に圧接する分離パッド27が配設されている。用紙Pは、分離ローラ26と分離パッド27との協働作用によって1枚ずつに分離給送される。
分離ローラ26および分離パッド27の左方には、駆動ローラ28aと従動ローラ28bとを有する給送手段としてのレジストローラ対28が配設されている。駆動ローラ28aは、装置本体8の図示しない側板間に回転自在に支持されており、メインモータ45(版胴駆動手段)からの回転駆動力を図2に示す天地移動手段250を介して伝達されることにより、版胴9の回転と同期して所定の給送タイミングで回転駆動される。
排版部5は、装置本体8の左上部に配設されている。排版部5は、上排版部材31、下排版部材32、排版ボックス33、圧縮板34等を有している。
上排版部材31および下排版部材32は、共に駆動ローラ、従動ローラ、無端ベルト等を有しており、図示しない排版駆動手段によって駆動ローラが回転駆動されることにより無端ベルトが移動する。また、下排版部材32は、図示しない移動手段によって移動自在に構成されており、図に示す待機位置と無端ベルトが版胴9の外周面に当接する剥離位置とを選択的に占める。
排版ボックス33は、その内部に使用済みのマスタ23を貯容するものであり、装置本体8に対して着脱自在に構成されている。圧縮板34は、上排版部材31と下排版部材32とによって運ばれた使用済みのマスタ23を排版ボックス33の内部に押し込み・圧縮することにより、その収納量を増加させるものであり、装置本体8に上下動自在に支持されており、図示しない昇降手段によって上下動される。
排紙部6は、排版部5の下方に配置されている。排紙部6は、剥離爪35、排紙吸着搬送装置36、排紙台としての排紙トレイ43等を有している。
剥離爪35は、その基端を装置本体8に揺動自在に支持されることにより、図示しない爪揺動手段によって揺動され、鋭角状に形成されたその自由端が版胴9の外周面に近接して版胴9上のマスタ23から用紙Pを強制的に剥離・分離する剥離位置と、クランパ15等の障害物を回避するために版胴9の外周面より離間する離間位置とを選択的に占める周知のものである。
剥離爪35の左下方には、排紙吸着搬送装置36が配設されている。排紙吸着搬送装置36は、版胴9上のマスタ23から剥離された画像形成済みの用紙である印刷済みの用紙P(図1に示されている排紙PBでもある)を、排紙トレイ43に向けて搬送する排紙搬送手段としての機能を有する。
排紙吸着搬送装置36は、図示しない排紙側板に回転自在に軸支された駆動ローラ39と、前記排紙側板に回転自在に軸支された従動ローラ38と、駆動ローラ39と従動ローラ38との間に掛け渡された複数本の無端ベルト40と、無端ベルト40間から空気を吸引する吸引ファン37と、駆動ローラ39を回転駆動する排紙駆動手段としての図示しないベルト駆動モータ等とを具備している。なお、剥離爪35の左上方に図示しない剥離ファンを配置して、剥離爪35の自由端である先端に向けて送風を行うことで、剥離爪35による用紙Pの剥離作用を助勢する場合もある。
上述した排紙吸着搬送装置36により、前記ベルト駆動モータが回転駆動されるとともに吸引ファン37が作動することにより、排紙PBが無端ベルト40上に押し付けられながら排紙方向Xbの下流側へと搬送される。
排紙吸着搬送装置36の排紙方向Xbの下流側には、排紙トレイ43が配設されている。排紙トレイ43は、排紙吸着搬送装置36によって搬送・排出されてくる印刷済みの用紙(排紙)PBを多数積載する周知の構成を有する。排紙トレイ43は、その上面に排紙PBの排紙方向Xbの揃えを行うための排紙方向Xbに移動可能な1つのエンドフェンス42と、排紙方向Xbと直交する用紙幅方向Yに同量ずつ同期して移動可能であり、かつ、排紙PBの用紙幅方向Yの揃えを行うための一対のサイドフェンス41とを有している。
排紙吸着搬送装置36における複数の無端ベルト40間の下方開口近傍には、印刷部2で用紙Pに印刷された印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段としての排紙センサ50が配設されている。排紙センサ50は、例えば反射型のフォトセンサからなり、版胴9への用紙Pの巻き上がり有無や排紙ミスを検知する排紙検知手段も兼ねている。
なお、印刷枚数計数手段は、排紙センサ50に限らず、給紙モータ46の回転カウントや、給紙部4の用紙搬送路に配設され用紙Pの先端等を検知することにより給紙された用紙Pの枚数をカウントする用紙センサ(周知の給紙センサやレジストセンサ等)や、印刷部2におけるプレスローラ10の揺動・昇降回数をカウントすること等で行ってもよい。
画像読取部7は、装置本体8の上部に配設されている。画像読取部7は、図示しない原稿を載置するコンタクトガラス62と、コンタクトガラス62に対して接離自在な圧板63と、原稿画像を走査して読み取る走査ユニット64と、走査された画像を集束するレンズ65と、集束された画像を処理するCCD等の画像読取センサ66と、原稿のサイズを検知する複数の原稿サイズ検知センサを備えた原稿サイズ検知センサ群67等を有している。原稿サイズ検知センサ群67は、原稿の原稿搬送方向に沿ったサイズを検知する複数のセンサと、原稿搬送方向と直交する原稿幅方向のサイズを検知する複数のセンサとの総称である。
圧板63の上部には、複数枚の原稿を自動的に読み取る際に用いられる図示しない自動原稿送り装置(ADF)や自動両面原稿送り装置(ARDF)も適宜配置される。
装置本体8の上部前面には、図3に示すように、孔版印刷装置1の操作を行う操作パネル103が配設されている。操作パネル103には、同図に示すように、製版スタートキー104、印刷スタートキー105、試し刷りキー106、連続キー107、クリア/ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、プログラムキー111、モードクリアキー112、印刷速度設定キー113、速度表示器113A、4方向キー114、7セグメントLED(発光ダイオード)からなる表示装置119、LCD(液晶表示装置)からなる表示装置120等が配設されている。
製版スタートキー104は、孔版印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー104が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー105は、孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、孔版印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー105が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー106は、孔版印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー106が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。連続キー107は、製版動作と印刷動作とを連続して行う際に製版スタートキー104の押下前に押下され、連続キー107の押下後、印刷条件が入力された後に製版スタートキー104が押下されると、排版動作、原稿読取動作、製版動作に引き続いて印刷動作が行われる。
クリア/ストップキー108は、孔版印刷装置1の動作を停止させる際あるいは置数のクリア時に押下され、テンキー109は、数値入力に用いられる。エンターキー110は、各種印刷条件等の設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー111は、よく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下される。モードクリアキー112は、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。
印刷速度設定キー113は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。印刷速度設定キー113により、自動的に設定される版付け印刷速度(例えば15〜20枚/min:15〜20rpm)の超低速度を除き、印刷速度:1速〜5速の5段階に設定可能であり、印刷速度を遅い方に設定するための速度ダウンキーと印刷速度を速い方に設定するための速度アップキーとからなる。
速度表示器113Aは、プリントスピードと表示されている中央部の黒色塗色を施した「印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、前記速度ダウンキーまたは速度アップキーを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。例えば「おそく」と表示されている一番左側の「印刷速度:1速」は印刷速度が最低速の60枚/min:60rpmに、その右側にいくにつれて順に印刷速度:2速〜5速に対応して15枚/min:15rpmずつ速くなり、「はやく」と表示されている一番右側の「印刷速度:5速」は印刷速度が最高速の120枚/min:120rpmにそれぞれ対応して設定されている。速度表示器113Aは、速度ダウンキー113aまたは速度アップキー113bの1回ごとの押下により、印刷速度を1から5までの5段階に切り換えられ設定された印刷速度を点灯表示する。
4方向キー114は、上キー114a、下キー114b、左キー114c、右キー114dを有しており、画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。ここで、左キー114cおよび右キー114dは、印刷画像位置の用紙搬送方向に沿った移動量の指示、すなわち天地移動量の指示を行う画像位置操作手段および画像位置調整キーとしての機能を有する。
さらに具体的には、例えば左キー114cを1回押すごとに、印刷画像位置を用紙搬送方向の下流側、すなわち用紙Pの天方向へ0.25mmずつ移動させることができ、これと反対に、右キー114dを1回押すごとに、印刷画像位置を用紙搬送方向の上流側、すなわち用紙Pの地方向へ0.25mmずつ移動させることができるようになっている。
7セグメントLEDからなる表示装置119は、主に印刷枚数等の数字を表示する。LCDからなる表示装置120は、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー120a,120b,120c,120dを押下することにより、各種印刷条件の設定、変倍や画像位置調整等の様々なモードへの変更、各モードでの設定が可能に構成されている。また表示装置120には、図示したように「製版・プリントできます」のような孔版印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等のアラーム、用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
選択設定キー120aは、マスタ種類(マスタの種類)を設定するマスタ種類設定手段としての機能を有し、図7に示すように、マスタ種類として3種類、すなわちA(標準)マスタ、B(耐久)マスタおよびC(コストダウン)マスタのうちの何れか一つを設定可能である。選択設定キー120aを1回押下するごとにより、表示装置120に表示されるマスタ種類を白黒反転表示して選択することが可能な周知の構成であり、後述の選択設定キー120b,120c,120dでも同様である。
図3の表示装置120に示されているA(標準)のマスタは、本実施形態で使用される所定のマスタ23であり、例えばポリエステル系の熱可塑性樹脂フィルムの厚みが1.0〜2.5μmであり、多孔質支持体の厚みが10〜20μmで、残りの厚みが和紙繊維層からなるトータル50μm以内の3層構成のものを用いている。このマスタは、特開平10−147075号公報等で提案したものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からなる多孔性樹脂膜を有し、さらにその表面に繊維状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなるマスタである。
A(標準)のマスタは、印刷枚数に応じたマスタ23単体での伸び特性(伸び率)が、B(耐久)のマスタとC(コストダウン)のマスタとの中間に位置するものである。
選択設定キー120bは、インキ色を設定するインキ色設定手段としての機能を有し、図7に示すように、インキ色として6種類、すなわち黒インキ、赤インキ、青インキ、緑インキ、紺インキおよび紫インキのうちの何れか一つを設定可能である。図3の表示装置120に示されている黒インキは、本実施形態で使用される所定のインキ色である。インキは、そのインキの含有成分である顔料等の組成およびその量により各々の流動性、換言すればインキ色の種類に応じてインキの粘度による粘着力が異なる。
選択設定キー120cは、印刷媒体の種類である用紙種類を設定する用紙種類設定手段としての機能を有し、図7に示すように、用紙種類として3種類、すなわち更紙やのし紙等を含む薄紙、孔版上質紙や普通紙を含む標準紙および画用紙や葉書、封筒を含む厚紙のうちの何れか一つを設定可能である。図3の表示装置120に示されている標準紙は、本実施形態で使用される所定の用紙である。用紙は、その種類により主として厚みが異なるため、版胴9上のマスタ23に対する引っ張り方向の圧接力の大小、つまり版胴9上のマスタ位置ずれに影響を与える。
選択設定キー120dは、版胴の種類(以下、「ドラム種類」ともいう)を設定する版胴種類設定手段としての機能を有し、図7に示すように、ドラム種類として3種類、すなわちA3ドラム、A4ドラムおよびDLTドラム(ダブルレター・ドラム)のうちの何れか一つを設定可能である。図3の表示装置120に示されているA3ドラムは、本実施形態で使用される所定の版胴である。版胴は、その種類により主としてマスタを巻き付ける長さ・面積が異なるため、版胴9上のマスタ位置ずれに影響を与える。
なお、本実施形態では、後述のように所定の印刷条件に限定されるため、選択設定キー120a〜120dは必須の構成ではなく、無くてもよい。また、選択設定キー120a〜120dに代えて、それぞれ専用のキーおよびLED等を設けるとともにLED等の点灯により印刷条件の設定状況を確認可能に構成してもよい。
図1および図2を参照して、天地移動手段250周りについて説明する。
装置本体8の内部には、駆動ローラ28aを回転駆動する扇形ギヤ249が配設されている。扇形ギヤ249は、そのほぼ中央部を支軸249aによって装置本体8に揺動自在に支持されており、ギヤ部249bとカムフォロア249cとを有している。ギヤ部249bは、駆動ローラ28aと同軸上に一体的に設けられたレジストギヤ28cと噛み合っている。
扇形ギヤ249の左方には、メインモータ45からの回転駆動力を扇形ギヤ249へと伝達する天地移動手段250が配設されている。天地移動手段250は、特開2006−192835号公報の図3に開示されている天地移動手段(50)と同様の構成である。すなわち、天地移動手段250は、駆動ギヤ251、従動ギヤ252、第1リンク253、第1ギヤ254、第2リンク255、第2ギヤ256、第3リンク257、レジストカム258および図示しない位相変位手段等を有している。
メインモータ45からの回転駆動力が伝達される駆動ギヤ251は、装置本体8に回転自在に支持された支軸251aに取り付けられている。駆動ギヤ251と同形の従動ギヤ252は、装置本体8に回転自在に支持された支軸252aに取り付けられており、支軸252aには扇形ギヤ249を揺動させるためのレジストカム258が一体的に取り付けられている。レジストカム258は、その周面の一部に凹部258aを有しており、レジストカム258の周面には、この周面に転動可能なカムフォロア249cが図示しない付勢手段の付勢力(例えば扇形ギヤ249におけるレジストギヤ28c寄りの右側部に張設された引張ばね等)によって常時圧接されている。この構成により、レジストカム258が回転してカムフォロア249cが凹部258aに嵌入・係合すると、扇形ギヤ249が図2において反時計回り方向に揺動することによりレジストギヤ28cが回転駆動され、駆動ローラ28aが回転駆動される。なお、レジストギヤ28cと駆動ローラ28aの軸の間には、扇形ギヤ249が時計回り方向に揺動する際にその回転力を駆動ローラ28aへと伝達させないための図示しない一方向クラッチが介装されている。
支軸251aには、第1リンク253の一端部が回転自在に支持されており、第1リンク253の他端には、第1ギヤ254がその周面を駆動ギヤ251の周面に噛合させる態様で回転自在に支持されている。これにより第1ギヤ254は、駆動ギヤ251の周面上を第1リンク253により転動可能に支持されている。
支軸252aには、第2リンク255の一端部が回転自在に支持されており、第2リンク255の他端には、第2ギヤ256がその周面を従動ギヤ252の周面に噛合させる態様で回転自在に支持されている。これにより第2ギヤ256は、従動ギヤ252の周面上を第2リンク255により転動可能に支持されている。さらに、第1ギヤ254と第2ギヤ256とは、それぞれの周面を噛合させた状態で第3リンク257によってそれぞれ回転自在に支持されている。
第1リンク253には、モータあるいはシリンダ等の図示しないアクチュエータによって伸縮自在な図示しないアーム部材からなる位相変位手段が取り付けられている。この位相変位手段の具体例としては、図2に簡略的に示すように、装置本体8側に固設された正逆転可能な天地移動モータ259と、天地移動モータ259の出力軸に固設された図示しない雄ねじと、第1リンク253に配設され前記雄ねじと螺合する雌ねじを形成されたアーム部材(図示せず)と、このアーム部材のホームポジションを検知するための図示しないホームポジションセンサ等からなる。メインモータ45が停止し、駆動ギヤ251が停止した状態で図示しない位相変位手段の天地移動モータ259を正転または逆転・作動させることにより、第1リンク253の位置が変位されることによって第1ギヤ254が駆動ギヤ251の周面上を転動し、第1ギヤ254の回転に伴い第2ギヤ256を介して従動ギヤ252が回転され、従動ギヤ252の回転に伴ってレジストカム258が回転されることにより凹部258aの位置が変位し、版胴9の位相(回転角度)に対するレジストローラ対28(駆動ローラ28a)の動作タイミングが変更される。
なお、本実施形態では図示しない位相変位手段の天地移動モータ259により第1リンク253を変位させ、第1ギヤ254を駆動ギヤ251上で転動させることにより版胴9の位相に対するレジストローラ対28の動作タイミングを変更させる構成を採用したが、図示しない位相変位手段の天地移動モータ259により第2リンク255を変位させ、第2ギヤ256を従動ギヤ252上で転動させることにより版胴9の位相に対するレジストローラ対28の動作タイミングを変更させる構成を採用してもよい。天地移動手段250は、これに限らず、特開2006−192835号公報の図5に開示されている天地移動手段(65)でもよい。
また、天地移動手段として、レジストローラ対28をメインモータ45とは独立した例えばステッピングモータからなるレジストモータで回転駆動し、そのレジストモータの回転駆動開始(起動)タイミングを変化させる方式を用いれば、連続的な印刷継続中において版胴9を停止することなく天地移動を実行させることもできる。
また、天地移動手段は、上記したような版胴9の回転に同期して印刷部2に用紙Pを給送する給送手段としてのレジストローラ対28の回転開始・動作タイミングを変化させる「レジストローラ方式」に限定されず、例えば特開平11−138961号公報の図2に示されているような天地移動手段(145a)に示されているような版胴の位相そのものを変える天地移動手段でもよい。さらに、押圧手段として圧胴を使用する装置においては、例えば特開平9−220850号公報に開示されている天地移動手段でもよい。要するに、本発明で用いる天地移動手段としては、周知の全てのものを利用してもよく、孔版印刷装置を含む印刷装置において各々の利点・効果等を考慮して選択・採用される天地移動手段を利用するものである。
版胴9を回転駆動するメインモータ45の出力軸には、フォトエンコーダ(図示せず)が取り付けられている。このフォトエンコーダを挟む態様で、装置本体8側に取り付けられた透過型のフォトセンサからなる図4に示す印刷速度検出手段としての印刷速度センサ47により、印刷速度の検出がなされるようになっている。なお、前記フォトエンコーダを版胴9の図示しない端板に取り付け、このフォトエンコーダを挟む態様で装置本体8側に印刷速度センサ47を取り付けたものでもよい。
また、図1に示すように、版胴9を構成する図示しない端板の外面には、遮光板49が取り付けられている。一方、版胴9の周囲近傍の装置本体8には、透過型フォトセンサからなるホームポジションセンサ48が遮光板49を選択的に挟む態様で取り付けられている。ホームポジションセンサ48は、クランパ15がプレスローラ10と対向する位置を占めたときに遮光板49を検知して、版胴9が初期位置であるホームポジションを占めたことを表す信号を図4に示す制御手段75に出力する。
図4を参照して、孔版印刷装置1の要部の制御構成について説明する。
同図において、制御手段75は、装置本体8の内部に設けられており、CPU76、ROM77、RAM78およびタイマ79等を有するマイクロコンピュータを具備して構成されている。制御手段75には、操作パネル103からの各種動作信号(起動や設定に係るオン/オフ信号やデータ信号)が入力される。また、制御手段75には、印刷速度センサ47からの印刷速度に係る信号が、ホームポジションセンサ48からの版胴9の初期位置に係る信号が、排紙部6における排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号が、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7等に配設されているセンサ等(同図には図示せず)からの各種信号がそれぞれ入力される。
制御手段75は、上記入力された各種信号に基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7の各駆動手段、メインモータ45および天地移動手段250の天地移動モータを259をそれぞれ制御する。
また、制御手段75は、入力された各種信号に基づいて、図4にはその図示を省略している操作パネル103の速度表示器113a、表示装置119、表示装置120の動作をそれぞれ制御する機能も有する。
CPU76は、上記入力された各種信号、すなわち操作パネル103、印刷速度センサ47、ホームポジションセンサ48および排紙センサ50からの出力信号が入力される。これら入力された各信号は、ROM77に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、メインモータ45、天地移動手段250の天地移動モータ259を作動制御する各駆動回路にそれぞれ動作・指令信号として出力されるとともに、操作パネル103に表示信号として出力される。
ROM77には、孔版印刷装置1の上記各部のモータやソレノイド等のアクチュエータを作動させる複数の動作プログラムが記憶されている。各動作プログラムのうち、天地移動手段250に関する動作プログラムとしては、図示しない位相変位手段の天地移動モータ259の動作プログラムおよび図5に示すように所定の印刷枚数ごとに予め設定された天地移動補正値のデータテーブル、メインモータ45の動作プログラムがそれぞれ記憶されている。天地移動モータ259の作動は、操作パネル103上で設定された用紙搬送方向(天地方向)への設定量に基づいて行われる他、印刷中に自動的に実行される。上記のとおり、ROM77は、所定の印刷枚数ごとに予め設定された天地移動補正値を記憶した記憶手段としての機能を有する。
RAM78には、CPU76によってROM77から呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれ、この動作プログラムは操作パネル103からの入力によって書き換えられる。またRAM78には、排紙センサ50から送信されてくる印刷枚数がCPU76により加算されたトータルの印刷枚数が記憶される。RAM78は、上記各センサやCPU76等から送信されてくる信号を一時記憶する機能も有する。
ここで、図5に示した所定の印刷枚数と天地移動補正値とのデータテーブルに関して、再度、図20(a)、図20(b)を参照しながら説明を加える。本発明は、上述したマスタ23単体での初期伸び分は元より、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23が印刷枚数の増加に伴い僅かずつ伸びてその伸びが蓄積されるマスタ伸びに対しても効果のあることが確認されている。本実施形態等では、主として、版胴9において製版済みのマスタ23のクランプによるマスタ位置ずれおよびその補正について説明する。
上記課題の欄でも説明したが、図20(a)に示したように、本実施形態の孔版印刷装置1のように版胴9に設けられたクランパ15によってその先端部がクランプ・保持されていた製版済みのマスタ23は、マスタ巻装時の初期タワミ分51が僅かに存在する上、独立した駆動手段で駆動されないプレスローラ10により印刷時に印圧がかかると版胴9の回転方向にマスタ23を引っ張ることにより、初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して、その結果印刷位置ずれが起きてしまう。
製版済みのマスタ23の初期タワミ分51が生じる位置は、版胴9におけるクランパ15配置部周辺の非開口部であるために、初期タワミ分51の製版済みのマスタ23はインキにより版胴9の外周面に貼り付いた状態になっていない。
初期タワミ分51に加えマスタ23単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図20(b)に示したように、初期タワミ分51より版胴9の回転方向上流側の製版済みのマスタ23が版胴9の開口部から滲出したインキの粘着力により、製版済みのマスタ23の後端部53を除き、版胴9外周面に貼り付いた状態になる。
初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に発生するマスタ位置ずれは、同一の印刷条件の下において、複数回の実験により、印刷枚数との間に密接な相関関係のあることが分かっている。また、マスタ位置ずれは、印刷条件としての例えば使用するマスタ種類や用紙種類などが変化するような場合においても、複数回の実験により、印刷枚数との間に相関関係のあることが分かっている。
そこで、本実施形態では、実験により求めた、印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係から、図5に示すように、横軸に示す所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)と縦軸に示す天地移動補正値(mm)との関係を表すデータテーブルとして設定し、これをROM77のプログラムに予め記憶しておくものである。天地移動補正値(mm)の最大量としては、例えば上述した構成の孔版印刷装置1では概ね5mm程度である。
マスタ位置ずれに影響を与える印刷条件等のマスタ位置ずれ補正用のパラメータは、本実施形態では印刷枚数(主パラメータ)として捉えているが、後述の変形例のように副パラメータとして種々あることは言うまでもない。従って、本実施形態で用いるデータテーブルは、副パラメータとしてのマスタ種類、ドラム種類、インキ色、印刷速度、用紙種類、インキ温度が所定の種類ないし所定の値として設定されているものについてのものである。本実施形態は、観点を変えれば上記各副パラメータを考慮しない場合の主パラメータである印刷枚数のみに着目した実施形態とみなすこともできる。
図5に示した印刷枚数と天地移動補正値との関係を表すデータテーブルは、本実施形態1のような印刷部2の構成では同図に示したような傾向になるものであるが、あくまでも一例であって、孔版印刷装置を含む印刷装置の主として印刷部の構成内容によっては特有の傾向を示すことがあり、そのような印刷装置にも本発明を適用できることを付記しておく。
上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置1の動作を説明する。
孔版印刷装置1の動作は、制御手段75のCPU76の制御機能の下に主になされるが、以下説明の簡明化のため、制御手段75のCPU76を単に制御手段75というときがある。
ユーザによりコンタクトガラス62上に印刷すべき原稿が載置された後、圧板63が閉じられた状態で製版スタートキー104が押下されると、画像読取部7において原稿画像の読取動作が行われる。画像の読み取りは走査ユニット64で原稿画像を走査することにより行われ、読み取られた画像はレンズ65で集束された後に画像読取センサ66に送られる。
画像読取動作と並行して、排版部5では版胴9の外周面上から使用済みのマスタ23を剥離・排版する排版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると、メインモータ45が作動されて版胴9が回転を開始し、版胴9が所定の排版位置に到達するとその回転が停止する。そして、下排版部材32が作動されるとともに剥離位置に移動し、下排版部材32によって版胴9上の使用済みのマスタ23がすくい上げられる。その後、再び版胴9が回転駆動されるとともに上排版部材31が作動され、版胴9上の使用済みのマスタ23は各排版部材31,32によって搬送されて排版ボックス33内に収納される。その後、圧縮板34が作動して排版ボックス33内の使用済みのマスタ23が圧縮されるとともに、版胴9が所定の給版位置、すなわちクランパ15が図1のほぼ右横に位置するまで回転して停止し、クランパ15が開放されて孔版印刷装置1は給版待機状態となる。
排版動作と並行して、製版部3では製版動作が行われる。製版スタートキー104が押下されると、図示しないステッピングモータが回転駆動されることにより、プラテンローラ17、マスタ搬送ローラ対20、反転ローラ対21がそれぞれ回転され、マスタロール23aよりマスタ23が引き出される。引き出されたマスタ23はサーマルヘッド18を通過する際に加熱穿孔され、その熱可塑性樹脂フィルム面に製版画像が形成される。この際、前記マスタガイド板(図示せず)は第1案内位置を占めており、マスタ搬送ローラ対20によって送られたマスタ23は反転ローラ対21へと案内される。そして、マスタ23の先端が反転ローラ対21によって挟持されると、前記マスタガイド板が第2案内位置に切り替えられ、マスタ搬送ローラ対20によって送られたマスタ23はマスタストック手段22の撓みボックス22a内に貯容される。
孔版印刷装置1が給版待機状態となると、反転ローラ21が回転して製版済みのマスタ23がクランパ15に向けて送られる。そして、図示しないステッピングモータのステップ数よりマスタ23の先端がクランパ15によって保持可能な位置まで搬送されたと制御手段75が判断すると、クランパ15が閉じられ、製版済みのマスタ23はその先端部を版胴9の外周面上に保持される。
その後、版胴9がマスタ23の搬送速度とほぼ同じ周速度で回転され、マスタ23の版胴9への巻装動作が行われる。そして、1版分のマスタ23が製版されたと制御手段75によって判断されると、プラテンローラ17およびマスタ搬送ローラ対20の作動が停止されるとともに、マスタ切断手段19が作動してマスタ23が切断される。切断されたマスタ23は版胴9および反転ローラ対21の回転によって製版部3より引き出され、マスタ23の巻装後に版胴9がホームポジションまで回転して停止することにより製版動作および給版動作が完了する。
給版動作に引き続き版付け動作が行われる。版胴9がホームポジションで停止すると、給紙ローラ25および分離ローラ26が回転されて給紙トレイ24上より最上位の用紙Pが引き出されるとともに、版胴9が図1において時計回り方向に低速で回転駆動される。引き出された用紙Pは1枚だけ分離給送され、その先端をレジストローラ対28のニップ部に突き当て・当接される(この状態の用紙が、用紙PAである)。そして、版胴9に巻装されたマスタ23の版胴回転方向における画像領域先端部がプレスローラ10との接触部に到達する所定のタイミングで図2に示すカムフォロア249cが凹部258aに嵌入・係合し、扇形ギヤ249が支軸249aを中心に図2において反時計回り方向に揺動され、レジストギヤ28cが回転駆動されることにより駆動ローラ28a(レジストローラ対28)が回転駆動され、用紙Pが版胴9とプレスローラ10との接触部に向けて給送される。レジストローラ対28の回転とほぼ同時に図示しない揺動手段の作動によりプレスローラ10がその周面を版胴9の外周面に圧接させ、給送された用紙Pが版胴9上のマスタ23に圧接される。この押圧動作によりプレスローラ10と用紙Pとマスタ23と版胴9とが圧接し、インキローラ12によって版胴9の内周面に供給されたインキが版胴9の開口部より滲出し、マスタ23の多孔性支持体に充填された後にマスタ23の穿孔部を介して用紙Pに転写・転移され、いわゆる版付けが行われる。
版付けによって画像を転写された用紙Pは、剥離爪35によって版胴9の外周面より剥離され、下方へと落下して排紙吸着搬送装置36へと送られた後、排紙吸着搬送装置36によって排紙方向Xbのさらに下流側に吸引搬送される(この状態の印刷済みの用紙が、排紙PBである)。排紙PBは、各サイドフェンス41によって排紙PBの両側端を揃えられつつ、また排紙PBの先端がエンドフェンス42に突き当たり受け止められることでその衝突エネルギーが吸収されて、整然と排紙トレイ43上に排出される。その後、版胴9が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
孔版印刷装置1が印刷待機状態となった後、操作パネル103上の各種キーによって印刷条件が入力された後に試し刷りキー106が押下されると、版胴9が版付け時よりも高速である設定された印刷速度に応じた周速度で回転するとともに、給紙部4より用紙Pが1枚だけ給送され、版付け時と同様に試し刷りが行われる。試し刷りによって画像位置および画像濃度等が確認され、操作パネル103上においてテンキー109により印刷枚数が設定された後に印刷スタートキー105が押下されると、給紙部4から用紙Pが連続的に給送されて試し刷り時と同様に印刷動作が行われる。そして設定された印刷枚数が消化されると、版胴9がホームポジションで停止して孔版印刷装置1は再び印刷待機状態となる。
本実施形態においては、版付けおよび試し刷り時において排紙センサ50によって計数された版付けおよび試し刷りに使用された用紙Pの印刷枚数に係る信号は、制御手段75のCPU76によって無効化され、従来と同様に正規の印刷枚数としてカウントしないようになっている。
なお、印刷時の印刷枚数は、後述の「版替え」を含め、新しいマスタの製版時にクリアされて次回の製版までクリアされることなく、印刷ごとに加算されてRAM78に記憶される。追加印刷や、試し印刷時も加算することによって印刷位置ずれの補正が正しく行えるようになる。製版済みのマスタと同一の製版画像を形成された製版済みのマスタを版胴9に巻装する「版替え」を行った場合には、印刷時の印刷枚数は当然クリアされる(以下、第1の実施形態の変形例等でも同様)。
上述の試し刷り時において、用紙P上に形成される印刷画像位置を用紙搬送方向Xaにずらしたい場合には、操作パネル103上において印刷画像位置の調整を行う。この印刷画像位置の調整は左キー114c、右キー114dにより行われ、現在の位置(未調整の位置)を0として用紙搬送方向Xaの下流側に移動させる場合には左キー114cを、用紙搬送方向Xaの上流側に移動させる場合には右キー114dを用い、表示装置120に表示される調整量を0.25mm単位で入力する。
移動量の入力後、操作パネル103上の印刷スタートキーが押下されると、天地移動手段250において図示しない位相変位手段の天地移動モータ259が作動し、上述したように版胴9の位相に対するレジストローラ対28の動作タイミングの変更が行われ、設定された移動量に応じて印刷画像位置が調整される。
版付け後および適宜の試し刷り後において、上記したように操作パネル103上においてテンキー109により印刷枚数が設定された後に印刷スタートキー105が押下されて実行される正規の印刷中において、CPU76は、排紙センサ50により計数された印刷枚数が図5に示した所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)になるごとに、ROM77から上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値、すなわち正規の印刷開始後の印刷枚数1枚目から100枚目に対応して設定された天地移動補正値Amm、101枚目から500枚目に対応して設定された天地移動補正値Bmm、501から1000枚目に対応して設定された天地移動補正値Cmm、10001枚目から2000枚目に対応して設定された天地移動補正値Dmm、2001枚目から3000枚目に対応して設定された天地移動補正値Emmを読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御することとなる。
この際の詳細な動作内容を印刷枚数101枚目で例示すると、先ず、CPU76は排紙センサ50からの101枚目の印刷枚数に係る信号およびホームポジションセンサ48からの信号に基づいて、版胴9がホームポジションに停止するようにメインモータ45を制御する。次いで、図20(a)に示したように初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが上記版付けおよび101枚目の正規の印刷動作によって吸収された分に対応して、版胴9の回転方向上流側(版胴9の位相の遅れ側)に位置ずれを生じた製版済みのマスタ23に対して、そのマスタ位置ずれを補正すべく、版胴9の位相に対する駆動ローラ28a(レジストローラ対28)の給送タイミングが天地移動補正値Bに対応した分だけ遅くなるように天地移動手段250の天地移動モータ259を作動制御することでなされる。
換言すれば、上記天地移動補正をすることなく、製版済みのマスタ23の後端位置が版胴9の回転方向上流側にずれている、すなわち版胴9の回転方向上流側に位置ずれを生じた製版済みのマスタ23に基づいてそのまま印刷をした場合には、印刷画像位置が用紙における用紙搬送方向の基準位置から用紙搬送方向上流側(地方向)に天地移動補正値B分だけ位置ずれを生じるから、その印刷位置ずれを補正すべく天地移動補正値Bに対応した分だけレジストローラ対28の給送タイミングを遅くすることで、用紙に対する用紙搬送方向の印刷画像位置が元の基準位置に補正され維持されることとなる。
なお、本実施形態では、上記所定の印刷条件が後述する図9に示す選択パターンNに相当し、図5に示した天地移動補正の具体的数値例としては天地移動補正値A:0.25、天地移動補正値B:0.50、天地移動補正値C:1.00、天地移動補正値D:1.25、天地移動補正値E:1.50(mm)に設定されている。
上述したとおり、第1の実施形態では、製版済みのマスタ23を巻装する版胴9と、版胴9上のマスタ23から直接的に用紙Pへ転写される印刷画像の位置を用紙搬送方向Xaに移動する天地移動手段250とを有する孔版印刷装置1を使用する印刷方法において、版胴9の回転方向における製版済みのマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むマスタ位置ずれ補正用のパラメータに応じた天地移動補正値を予め設定しておき、その天地移動補正値に基づき、印刷中に、天地移動手段250をして自動的に天地移動補正を実行させる印刷方法が使用されていたと言える。
第1の実施形態によれば、上述したとおり、制御手段75のCPU76は、排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77から所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御するので、印刷枚数に応じたマスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれを未然に防止して印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
なお、版胴9の位相(回転角度)そのものを変える天地移動手段においては、レジストローラ対28の給送タイミングが一定であるから、天地移動補正値Bに対応した分だけ版胴9の位相(回転角度)を進ませるように天地移動手段の駆動手段を制御することで、用紙に対する用紙搬送方向の印刷画像位置が元の基準位置に補正され維持されることとなる。
(第1の実施形態の変形例1)
図5を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。
変形例1は、第1の実施形態と比較して、制御手段75が第1の実施形態の演算および制御機能に加え、次の演算機能を付加されていることのみ相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。
すなわち、制御手段75は、第1の実施形態の演算および制御機能に加え、印刷枚数がROM77に記憶されている所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として計数された排紙センサ50からの所定の印刷枚数に係る信号に基づいて、ROM77から所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値とから1枚ごとの印刷枚数に対応した所定の印刷枚数の天地移動補正値を計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する。
第1の実施形態では、印刷時に印刷枚数に応じた天地移動補正を実行する際に、所定の印刷枚数範囲内で設定された天地移動補正値(以下、単に「補正値」ともいう)を使用するが、印刷枚数に応じた補正値は1枚ごとのデータを持たないために段階的に補正するようになってしまう。つまり、図5において、正規の印刷枚数(以下、単に「印刷枚数」ともいう)1枚目から100枚目までは補正値A、印刷枚数101枚目から500枚目までは補正値B、印刷枚数501枚目枚から1000枚目までは補正値C、印刷枚数1001枚目から2000枚目までは補正値D、印刷枚数2001枚目から3000枚目までは補正値Eというようになってしまうために、所定の印刷枚数範囲内のグループでは同一の補正値になってしまう。
そこで、本変形例では、上記のような印刷枚数に応じた天地移動補正値が所定の印刷枚数範囲内ごとのグループに割り付いていても、1枚ごとの印刷枚数に応じた天地移動補正値を計算により求めるものである。例えば、印刷枚数1500枚目の印刷枚数に応じた天地移動補正を実行するように制御手段75を機能させる場合、所定の印刷枚数範囲として印刷枚数1001枚目から2000枚目までのグループに割り付いている補正値Dと、次の所定の印刷枚数として印刷枚数2001枚目から3000枚目までのグループに割り付いている補正値Eとに関し、その間の1枚ごとの印刷枚数に対応した天地移動補正値が比例しているとみなす数学的な補間法を用いることで、所定の印刷枚数としての1500枚目に相当する天地移動補正値Fを計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するものである。
上述のようなより木目細かな天地移動補正を実行するように制御手段75を機能させるために、プログラム可能なPROMを追加することにより、例えば操作パネル103に専用のキーを追加したり、あるいは各種キー(テンキー109、プログラムキー111、エンターキー110、選択設定キー120a,120b,120c,120dなど)を適宜組み合わせ用いて構成したりしてもよいし、あるいはROMチップを交換等することで対応してもよい。
従って、変形例1によれば、第1の実施形態よりも所定の印刷枚数囲内の1枚ごとの所定の印刷枚数に対応したより木目細かい天地移動補正を実行することができる。
(第1の実施形態の変形例2)
第1の実施形態で説明したように、初期タワミ分51とマスタ23単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に発生するマスタ位置ずれは、同一の印刷条件の下において、複数回の実験により、印刷枚数との間に密接な相関関係のあることが分かっている。しかしながら、実際には例えば使用するマスタ種類や用紙種類などが変わるごとに、印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係により設定された天地移動補正値が違ってくることが実験で確認されている。
そこで、本変形例では、マスタ位置ずれに密接な相関関係のある印刷条件としての印刷枚数(マスタ位置ずれ補正用の主パラメータ)の他に、6つの印刷条件(マスタ位置ずれ補正用の副パラメータ)に着目してより実機の印刷条件・環境に近いより精確な天地移動補正値を得て自動的に天地移動補正を実行することを目的としている。
図6〜図9を参照して、第1の実施形態の変形例2を説明する。
変形例2は、第1の実施形態と比較して、制御手段75に代えて、図6に示す制御手段75Aを用いる点、マスタ位置ずれに影響を与えるマスタ位置ずれ補正用の主パラメータとしての印刷枚数の他に、図7に印刷条件(もしくは選択条件)として示す6つの副パラメータ、すなわち、インキ色、ドラム種類、印刷速度、用紙種類、インキ温度およびマスタ種類の副パラメータを組み合わせたパターン(図8参照)により調整・設定された天地移動補正値(図9参照)を用いる点が主に相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。以下、上記6つの副パラメータについて、順次説明する。
なお、本変形例では、説明の簡明化のため、上記6つの副パラメータ全ての組み合わせ・選択パターンに応じて予め実験で求めて設定した天地移動補正値を用いているが、これに限らず、上記6つの副パラメータの少なくとも一つの組み合わせ・選択パターンごとに印刷枚数に応じて予め実験で求めて設定した天地移動補正値を用いて天地移動補正を行えることは無論である。
本変形例の孔版印刷装置1では、上記した6種類のインキ色の多色重ね刷り印刷が可能であって、インキ色ごとの色替えがそのインキ色に対応したドラムユニットの交換により容易に行えるようになっている。インキ種類でもあるインキ色は、図7に示した黒インキ、赤インキ、青インキ、緑インキ、紺インキおよび紫インキの6種類のうちの何れか一つを上記した操作パネル103の選択設定キー120bで設定可能または後述のインキ色検出手段で検出可能に構成されている。
インキ色の違いによりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、インキ粘度の大小による粘着力の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、インキ粘度が大きく粘着力が大きいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にインキ粘度が小さく粘着力が小さいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、インキ色ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図6に示す印刷部2には、インキ色を検出するインキ色検出手段302が配設されている。インキ色検出手段302の具体例としては、特開2004−155170号公報の図16に示されているようにドラムユニット側に配置されたマグネット(130,131,132)と装置本体側に配置されたホール素子センサ(136,137,138)とを有するインキ種類検出手段(135)と同様である。
なお、選択設定キー120bおよびインキ色検出手段302は、両方必要ではなく、何れか一方を有していればよい。両方有している高級機種にあっては、例えばマニュアルで設定する選択設定キー120bからの出力信号を有効とし、インキ色検出手段302からの出力信号を無効化する構成であってもよい。これは、後述の各種副パラメータ(印刷条件)設定手段および検出手段でも同様である。但し、印刷速度設定キー113および印刷速度センサ47は、両方共に必要である。
本変形例の孔版印刷装置1では、上記した3種類のドラム種類に対応したドラムユニットの交換が容易に行えるようになっている。ドラム種類は、図7に示したA3ドラム、A4ドラムおよびDLTドラムのうちの何れか一つを操作パネル103の選択設定キー120dで設定可能または後述のドラム種類検出手段で検出可能に構成されている。
ドラム種類によりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主としてマスタを巻き付ける長さ・開口面積の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、マスタを巻き付ける長さ・開口面積が相対的に小さいA4ドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にマスタを巻き付ける長さ・開口面積が大きいA3ドラムやDLTドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、ドラム種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図6に示す印刷部2には、ドラム種類を検出するドラム種類検出手段303が配設されている。ドラム種類検出手段303の具体例としては、装置本体側に配設された電気コネクタメスとドラムユニット側に配設された電気コネクタオスとの接続端子の違いにより電気的に検出可能に構成されている。これに限らず、インキ色検出手段302と同様のものを応用してもよい。
印刷速度は、その遅速によりマスタ位置ずれに影響を与える。すなわち、印刷速度が比較的遅いときには、版胴9上のマスタ23に用紙Pが押圧される時間が長くなって、マスタ位置ずれ量が多くなり、印刷速度が比較的速いときには、上記押圧される時間が短くなって、マスタ位置ずれ量が少なくなる傾向にある。これに着目して、印刷速度ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
用紙種類は、図7に示した薄紙、標準紙および厚紙のうちの何れか一つを操作パネル103の選択設定キー120cで設定可能または後述の用紙種類検出手段で検出可能に構成されている。
用紙種類により、マスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主として厚みが挙げられる。すなわち、厚い用紙の場合には版胴9上のマスタ23に対する引っ張り方向の圧接力が相対的に大きくなので、その結果マスタ位置ずれ量が多くなり、逆に薄い用紙の場合には上記圧接力が相対的に小さくなるので、その結果マスタ位置ずれ量が少なくなる。これに着目して、用紙種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図6に示す給紙部4には、用紙種類を検出する用紙種類検出手段304が配設されている。用紙種類検出手段304の具体例としては、透過光量の多少によって用紙の厚みを検出するものや、厚みそのもの計測する周知の検出手段が用いられる。
インキ温度は、その高低によりマスタ位置ずれに影響を与える。すなわち、一般的に、インキ温度が高くなるほどインキ粘度が低くなって粘着力が小さくなることで、マスタ位置ずれ量が相対的に大きくなり、逆にインキ温度が低くなるほどインキ粘度が高くなって粘着力が大きくなることで、マスタ位置ずれ量が相対的に小さくなる。これに着目して、インキ温度ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。インキ温度設定範囲は、低温:18℃以下((0)〜18℃)、常温:19〜29℃、高温30℃以上(30〜(40)℃)の3段階に設定した。
マスタ種類は、図7に示したA(標準)マスタ、B(耐久)マスタおよびC(コストダウン)マスタのうちの何れか一つを操作パネル103の選択設定キー120aで設定可能または後述のマスタ種類検出手段で検出可能に構成されている。
マスタ種類については、そのマスタ単体の伸び度合い(伸び率)の違いにより、マスタ位置ずれに影響を与える。マスタ単体の伸び度合い(伸び率)は、B(耐久)、A(標準)、C(コストダウン)のこの順に大きくなり伸びやすくなるから、これに着目して、マスタ種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
図6に示す製版部3には、マスタ種類を検出するマスタ種類検出手段300が配設されている。マスタ種類検出手段300の具体例としては、特開2004−155170号公報の図17に示されているマスタ種類検出手段(141)と同様である。すなわち、マスタ種類検出手段300は、図1に示すマスタロール23aの芯部をマスタ保持部材16にセットしたときに、マスタ23の種類を検出するものであり、マスタロール23aの引き出し先端部に貼り付けられた上記公報の図17に示す識別表示体(142)と、該識別表示体(142)に表示された内容を検知する検知手段としての上記公報の図17に示す3つの反射型のフォトセンサ(143)とを有して構成された公知の構成である。
マスタ種類検出手段300は、上述したものに限らず、上記公報の図19に示されているICタグ(144)と受信手段(145)とから構成されるものや、マスタロール23a側に共振タグ等を設けて検出するようにしてもよいし、あるいは静電容量を検出し、その値でマスタ種類を検出するようにしてもよい。
図8に、上述したインキ色、ドラム種類、用紙種類、マスタ種類、インキ温度、印刷速度の副パラメータを組み合わせた具体例として選択パターン1〜10のうちの一部を示す。図9に、選択パターン1〜10,Nごとに印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係を実験結果より求め、これに基づき天地移動補正値(同図には「補正値」と記載されている:単位mm)として設定した一部を示す。この例では、印刷枚数100枚ごとに対する選択パターン1〜10の天地移動補正値を木目細かく記載しているが、勿論、図5に示したような粗い印刷枚数ごとに対する選択パターン1〜10の天地移動補正値でもよい。その場合、変形例1で説明したようにCPU76による計算で必要とする印刷枚数に対応する選択パターン1〜10の天地移動補正値を算出してもよい。
なお、選択パターンNは、第1の実施形態で説明した所定の印刷条件・パラメータを組み合わせたパターンを表している。
本変形例の制御手段75Aは、図6に示すように、図4に示した制御手段75と比較して、CPU76に代えたCPU76Aを用いる点、ROM77に代えたROM77Aを用いる点のみが相違する。ROM77Aは、図4に示したROM77と比較して、図5に示した天地移動補正値のデータテーブルに代えて、図8に示した選択パターンの設定内容に関するデータテーブルおよび図9に示したように印刷枚数ごとの選択パターンにより設定された天地移動補正値のデータテーブルが予め記憶されている点のみ相違する。上記のとおり、ROM77Aは、所定の印刷枚数ごとに6種類のパラメータの組み合わせによる実験により予め設定された天地移動補正値を記憶した記憶手段としての機能を有する。
なお、ユーザの要望により、図9に示したデータテーブルの選択パターン1〜10,Nや、これに応じて所定の印刷枚数ごとに設定した天地移動補正値を変更したい場合には、上記データテーブルの内容をプログラム可能なPROMなどに記憶させておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせなどで上述したと同様に可変するように構成してもよい。
CPU76Aは、図4に示したCPU76に代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120bまたはインキ色検出手段302、選択設定キー120dまたはドラム種類検出手段303、選択設定キー120cまたは用紙種類検出手段304、選択設定キー120aまたはマスタ種類検出手段300、温度センサ301、印刷速度設定キー113および印刷速度センサ47からの各出力信号に基づいて、ならびに排紙センサ50により計数された印刷枚数が図9に示した所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されている図8および図9に示した各データテーブルと上記各出力信号とを照合することでパターンを選択するとともに、選択されたパターンと上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有する。
従って、変形例2によれば、第1の実施形態よりも、印刷枚数以外の印刷条件(副パラメータ)が考慮・加味されたより実機の印刷条件に近い天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行することができる。
上述したほどの実機の印刷条件に近い天地移動補正値に応じた天地移動補正を望まなくてもよいのであれば、次のような単一の印刷条件(副パラメータ)あるいは少なくとも複数の印刷条件(副パラメータ)を組み合わせた各特性値を設定または検出する手段を有し、その手段により設定または検出された特性値を考慮して天地移動補正値(調整値)を決定し、天地移動補正を実行させる制御構成例であってもよい。以下、そのCPUの機能にのみ着目して記載した内容を図6に示した符号を借りて列挙する。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120bまたはインキ色検出手段302からの出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(インキ色を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、インキ色が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第1の制御構成例)。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120dまたはドラム種類検出手段303からの出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(ドラム種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、ドラム種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第2の制御構成例)。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120cまたは用紙種類検出手段304からの出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(用紙種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、用紙種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第3の制御構成例)。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120aまたはマスタ種類検出手段300からの出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(マスタ種類を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、マスタ種類が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第4の制御構成例)。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、温度センサ301からの出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(インキ温度を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、インキ温度が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第5の制御構成例)。
制御手段75AのCPU76Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、印刷速度設定キー113および印刷速度センサ47からの各出力信号に基づいて、および排紙センサ50により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM77Aに記憶されているデータテーブル(印刷速度を考慮・加味した印刷枚数ごとの天地移動補正値)と上記各出力信号とを照合することで、印刷速度が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した天地移動補正値を読み出し、読み出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有するものであってもよい(第6の制御構成例)。
上述した第1の実施形態、変形例1および2等では、制御手段によって印刷中に自動的に天地移動補正が実行されるものであったが、そのような自動天地移動補正を使用して印刷を行った時に何らかの原因により印刷位置がうまく調整できない場合がある。このような場合に、制御手段による上述の天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替える切替手段を設けるとよい。
上記切替手段としては、例えば自動天地移動補正の有無を初期設定としてプログラム化してPROMなどに入れておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせで切り替えたり、あるいは専用キーを設けたりすることで、ユーザが切り替えできるようにする手段が挙げられる。
従って、上記例によれば、制御手段による天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替えることができ、孔版印刷装置の操作・利便性が向上する。
(第2の実施形態)
図10および図11に、第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、図1〜図5に示した第1の実施形態と比較して、図10および図11に示すように、排紙センサ50に代えて、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を検知するマスタ後端検知手段としてのマスタ後端センサ54を用いる点、および制御手段75に代えて、制御手段75Bを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第1の実施形態の孔版印刷装置1と同様である。なお、図10に括弧を付して示す符号55,56は、説明の簡明化のために後述の第3および4の実施形態等で使用するものであり、この第2の実施形態のものではないことを付記しておく。
マスタ後端センサ54は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図10に示すように、版胴9における回転方向の開口部の後端(上流端部)までは、製版済みのマスタ23が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴9外周面に貼り付いているが、版胴9の開口部の後端以降に位置する同マスタ23の後端部53は版胴9外周面に貼り付いておらず、版胴9外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マスタ後端センサ54は、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を検知すべく、同マスタ23の後端52の位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
本実施形態の制御手段75Bは、図11に示すように、図4に示した制御手段75と比較して、CPU76に代えたCPU76Bを用いる点、ROM77に代えたROM77Bを用いる点が主に相違する。ROM77Bは、図4に示したROM77と比較して、図5に示した天地移動補正値のデータテーブルに代えて、CPU76Bの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムおよび天地移動補正の必要性を判断するためのマスタ位置ずれ量に係る天地移動補正閾値等が予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Bは、図4に示したCPU76に代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マスタ後端センサ54からの版胴9上のマスタ23の後端52の位置に係るマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、天地移動手段250の天地移動モータ259を制御して算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる機能を有する。
CPU76Bがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出するには、印刷速度センサ47から送信される印刷速度データから版胴9の周速度を計算した周速度値と、タイマ79から送信される計時時間データ、すなわち版胴9が1回転する間にマスタ後端センサ54により検知されたマスタ後端位置の出力信号の計時時間データとに基づいて、版胴9上のマスタ23の後端位置長さを求めることができる。そして、CPU76Bが正規の印刷中において、版胴9の1回転(印刷枚数)ごとに上述の計算を行い、正規の印刷開始時における上記マスタ23の後端位置長さの差分、すなわち版胴9の1回転(印刷枚数)ごとのマスタ位置ずれ量を求め、このマスタ位置ずれ量がROM77Bに記憶されている天地移動補正閾値(前の印刷におけるマスタ23の後端位置長さと次の印刷におけるマスタ23の後端位置長さとの差分として例えば0.2mm)を超えた場合に、上記マスタ位置ずれ量を天地移動補正値とみなして上述の天地移動補正を実行させる。
従って、第2の実施形態によれば、制御手段75BのCPU76Bは、正規の印刷中において、マスタ後端センサ54からの版胴9上のマスタ23の後端52の位置に係るマスタ後端位置データからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを天地移動補正値とみなし、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれを未然に防止して印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
また、第2の実施形態では、実機の実際の印刷条件が反映された結果としての版胴9上のマスタ23の後端52の位置の検知・計測からマスタ位置ずれ量を計算によって求めているため、印刷枚数ごとに応じた、またマスタ種類や用紙種類などのパラメータごとのマスタ位置ずれ量を得るために、第2の実施形態、変形例1および2のように多くの工数を掛けて実験を行い、これによって得られた上記各種データをROM77やROM77Aに記憶させるという面倒な行為の必要性がなくなるという利点もある。それ故に、本実施形態においては、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を正確に検知して計測できるように構成することが肝要である(後述の第3および第4の実施形態およびこれらの変形例等でも同様)。
(第2の実施形態の変形例3)
版胴9上のマスタ23の後端52は、図10に示したように版胴9外周面に貼り付いておらず、版胴9外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴9上のマスタ23の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第2の実施形態の変形例3を創作した。
図12に、第2の実施形態の変形例3を示す。変形例3は、図10および図11に示した第2の実施形態と比較して、図12に示すように、マスタ後端センサ54の配置位置を、版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側に変えたことのみ相違する。なお、図12に括弧を付して示す符号56は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
図12に示すようにプレスローラ10により印刷時に印圧をかける際には、マスタ23の後端52まで印圧がかかるようにプレスローラ10による印圧範囲(押圧範囲)を版胴9の回転方向上流側に延長した構成にするとよい。これにより、版胴9上のマスタ23の後端52の位置が第2の実施形態のそれと比べて、より安定した状態になるとともに、版胴9とプレスローラ10とのニップ部近傍にマスタ後端センサ54を配置することによって、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例3によれば、第2の実施形態の上記問題点を解消して、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を第2の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な天地移動補正を実行することができる。
(第2の実施形態の変形例4)
上述の変形例3において、版胴上の製版済みのマスタ23の後端52の位置を正確に測定するために、図12に示したようにマスタ後端センサ54を版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ10が上昇・揺動して印圧をかける際に、マスタ23の後端52まで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴9とプレスローラ10とが接するニップ部にマスタ後端センサ54を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮するとマスタ23の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第2の実施形態の変形例4を創作した。
図13に、第2の実施形態の変形例4を示す。変形例4は、図12に示した変形例3と比較して、図13に示すように、マスタ後端センサ54の配置位置を、版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側であって、かつ、版胴9の開口部9aにおける版胴幅方向の外側、すなわち版胴幅方向の非開口部9bに存するマスタ23の後端52を検知可能に配置したことのみ相違する。これにより、変形例3の問題点を解消して、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例4によれば、変形例3の上記問題点を解消して、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を変形例3よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な天地移動補正を実行することができる。なお、図13に括弧を付して示す符号55,56は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
(第2の実施形態の変形例5)
図14に、第2の実施形態の変形例5を示す。変形例5は、図10および図11に示した第2の実施形態と比較して、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段75に代えて、制御手段75Cを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段75Cは、図14に示すように、図11に示した制御手段75Bと比較して、CPU76Bに代えたCPU76Cを用いる点、ROM77Bに代えたROM77Bを用いる点が主に相違する。
ROM77Bは、図11に示したROM77Bと比較して、CPU76Cの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Cは、図11に示したCPU76Bに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マスタ後端センサ54からの版胴9上のマスタ23の後端52の位置に係るマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有する。CPU76Cがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図11に示したCPU76Bと同様である。
従って、変形例5によれば、制御手段75CのCPU76Cは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図5に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、図11に示したCPU76Bと同様の計算を行い、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御すればよいので、図11に示したCPU76Bのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
(第2の実施形態の変形例6)
第2の実施形態の変形例5は、図1〜図5に示した第2の実施形態と比較して、図11に示した制御手段75Bに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段75BのCPU77Bは、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴9の回転ごとに、上述した天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの印刷位置補正(天地移動補正)を行う場合には、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マスタ後端センサ54を用いて、版胴9上のマスタ23の後端52の位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴9の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、継続印刷からの天地移動補正(印刷位置補正)も行うことができるとともに、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができる。本変形例は、第2の実施形態の変形例3ないし5にも適用できることは無論である。
(第3の実施形態)
図10および図15に、第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、図10および図11に示した第2の実施形態と比較して、図10に括弧を付して示すように、版胴9に巻き付ける1版のマスタ長さを検知するための表示の一例であるマーキング55(同図に破線で示す)が印刷されたマスタ23をマスタロールとして用いる点、マスタ後端センサ54に代えて、版胴9上の製版済みのマスタ23のマーキング55の位置を検知するマスタ表示検知手段としてのマーキング位置センサ56を用いる点、および制御手段75Bに代えて、制御手段75Dを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第2の実施形態の孔版印刷装置1と同様である。
マーキング55は、孔版印刷装置1に使用するマスタロールに予め印刷されており、その位置は版胴9の外周面に巻装された際に1版ごとの適正な間隔を保ち、かつ、版胴9の回転方向の上流端部(マスタ23の後端部)の位置になるように印刷されている。マーキング55は、例えばマスタ23を構成する熱可塑性樹脂フィルムに対する光の反射率との関係で感度良く検知できる黒色で、マスタ幅方向に平行なストライプ状の形状で印刷される。
マーキング位置センサ56は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図10に示すように、版胴9における回転方向の開口部の後端までは、製版済みのマスタ23が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴9外周面に貼り付いているが、版胴9の開口部の後端以降に位置する同マスタ23の後端部53は版胴9外周面に貼り付いておらず、版胴9外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マーキング位置センサ56は、版胴9上のマスタ23の後端52のマーキング55の位置を検知すべく、マスタ23のマーキング55の位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
マスタ長さを検知するための表示は、上記のように印刷されたマーキング55に限らず、例えば矩形状や三角形のものでもよいし、あるいはインクジエットによりプリントされた表示等でもよく、要するにマスタ長さを精度良く確実に検知できる表示であればよい。マスタ表示検知手段は、上記マーキング位置センサ56に限らず、マスタ23に施された表示位置を精度良く確実に検知できる検知手段であれば何でもよい。マスタ表示検知手段の配置位置も同様である。
マスタ23の後端52を検知するためのマーキング55を印刷してあるマスタロールのセットは、図1に示すマスタ保持部材16にセットする際、製版時にマーキング位置がマスタ23の後端に位置するように行う。マスタ23の先端のセットは、手動で位置合わせしても、マーキング位置を自動的に検知してセットしてもよい。マスタ23の後端52を検知するためのマーキング55を印刷してあるマスタ23は、製版長さに合わせて、マーキング55を印刷されている。
上記マスタ23を版胴9に巻装する際にも、当然、マーキング55の位置がマスタ23の後端52になるように給版し巻装する。マーキング位置センサ56は、版胴9上のマスタ23のマーキング位置を検知することで、版胴9上のマスタ23の長さを検知・測定できるように配置される。
本実施形態の制御手段75Dは、図15に示すように、図11に示した制御手段75Bと比較して、CPU76Bに代えたCPU76Dを用いる点、ROM77Bに代えたROM77Dを用いる点が主に相違する。ROM77Dは、図11に示したROM77Bと比較して、CPU76Bと類似する演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Dは、CPU76Bと類似する演算機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の位置に係るマスタ長さデータとしてのマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、天地移動手段250の天地移動モータ259を制御して算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる機能を有する。CPU76Dがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU76Bと同様である。
従って、第3の実施形態によれば、制御手段75DのCPU76Dは、正規の印刷中において、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置に係るマスタ後端位置データからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを天地移動補正値とみなし、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれを未然に防止して印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。また、第3の実施形態は、第2の実施形態のように版胴9上のマスタ23の後端52を検知・測定する場合と比べ、版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置を検知・測定するので、その精度が向上しているとともにその分、天地移動補正(印刷位置補正)の精度も向上している。
(第3の実施形態の変形例7)
版胴9上のマスタ23のマーキング後端は、図10に示したように版胴9外周面に貼り付いておらず、版胴9外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴9上のマスタ23の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第3の実施形態の変形例7を創作した。
図12に、変形例7を示す。変形例7は、図10および図15に示した第3の実施形態と比較して、図12に示すように、マーキング位置センサ56の配置位置を、版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側に変えたことのみ相違する。
図12に示すようにプレスローラ10により印刷時に印圧をかける際には、マスタ23の後端まで印圧がかかるようにプレスローラ10による印圧範囲(押圧範囲)を版胴9の回転方向上流側に延長した構成にするとよい。これにより、版胴9上のマスタ23のマーキング55後端位置が第3の実施形態のそれと比べて、より安定した状態になるとともに、版胴9とプレスローラ10とのニップ部近傍にマーキング位置センサ56を配置することによって、版胴9上のマスタ23のマーキング55の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例7によれば、第3の実施形態の問題点を解消でき、版胴9上のマスタ23のマーキング55の位置を、第3の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な天地移動補正を実行することができる。
(第3の実施形態の変形例8)
上述の変形例7において、版胴上の製版済みのマスタ23のマーキング55の位置を正確に測定するために、図12に示したようにマーキング位置センサ56を版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ10が上昇・揺動して印圧をかける際に、マスタ23のマーキング55まで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴9とプレスローラ10とが接するニップ部にマーキング位置センサ56を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮するとマスタ23の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第3の実施形態の変形例8を創作した。
図13に、第3の実施形態の変形例8を示す。変形例8は、図12に示した変形例7と比較して、図13に括弧を付して示すように、マーキング位置センサ56の配置位置を、版胴9とプレスローラ10とのニップ部(挟持部)近傍における版胴9外周面外側であって、かつ、版胴9の開口部9aにおける版胴幅方向の外側、すなわち版胴幅方向の非開口部9bに存するマスタ23のマーキング55を検知可能に配置したことのみ相違する。これにより、変形例7の問題点を解消して、版胴9上のマスタ23のマーキング55の位置を正確に検知・測定できるようになる。
従って、変形例8によれば、変形例7の問題点を解消でき、版胴9上のマスタ23のマーキング55後端の位置を、変形例7よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な天地移動補正を実行することができる。
(第3の実施形態の変形例9)
図16に、第3の実施形態の変形例9を示す。変形例9は、図10および図15に示した第3の実施形態と比較して、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段75Dに代えて、制御手段75Eを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段75Eは、図16に示すように、図15に示した制御手段75Dと比較して、CPU76Dに代えたCPU76Eを用いる点、ROM77Dに代えたROM77Eを用いる点が主に相違する。
ROM77Eは、図15に示したROM77Dと比較して、CPU76Eの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Eは、図15に示したCPU76Dに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有する。CPU76Eがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図15に示したCPU76Dと同様である。
従って、変形例9によれば、制御手段75EのCPU76Eは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図5に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、図15に示したCPU76Dと同様の計算を行い、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御すればよいので、図15に示したCPU76Dのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
(第3の実施形態の変形例10)
第3の実施形態の変形例9は、図10および図15に示した第3の実施形態と比較して、図15に示した制御手段75Dに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段75DのCPU76Dは、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴9の回転ごとに、上述した天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの印刷位置補正(天地移動補正)を行う場合には、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ56を用いて、版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴9の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第3の実施形態の変形例7ないし9にも適用できることは無論である。
第3の実施形態、変形例7ないし9に限らず、次のような構成例であってもよい。すなわち、マスタロールとして巻かれているマスタ23にマーキング55を印刷する位置は、上述した位置に限らず、そのマスタ位置ずれの検知・計測精度を高めるために、マーキング55位置の移動がマスタ位置ずれの範囲で検知・計測できる位置、すなわち例えば、版胴9に巻装された際に版胴9における開口部の版胴回転方向上流端部に位置する位置、換言すれば版胴9上のマスタ23の後端部で浸出したインキで版胴の外周面に密着する位置にしてもよい。そして、上記したように版胴9上に密着したマスタ23のマーキング55を検知できる位置に、マーキング位置センサ56を配置してもよい(後述の第4の実施形態およびその変形例でも同様)。
(第4の実施形態)
上述した第3の実施形態およびその変形例7ないし10では、版胴9上のマスタ23の長さを検知するために使用するマスタロールに予めマスタ23の後端を検知するためのマーキング55を印刷してあるマスタ23を用いて、製版時にマーキング位置がマスタ23の後端に配置するように製版する必要がある。そのために、製版開始時にマスタ23の先端を製版部3内の所定の位置にセットする必要から、手動または自動でセットしなければならない。また、マスタ23には、版胴9に巻装する製版1版ごとにマスタ23の後端を検知するためのマーキング55を印刷してあるが、製版ミスなどによって1版分送れなかった場合などには再度の位置合わせのためにマスタ23をカットしなければならなかった。そこで、この問題点を解消すべく第4の実施形態を創作した。
図10、図17および図18に、第4の実施形態を示す。第4の実施形態は、図10および図15に示した第3の実施形態と比較して、図1に示した製版部3に代えて、図17に示すように、1版のマスタ長さを検知するための表示の一例であるマーキング55(図10参照)をマスタ23に施す表示手段としてのマーキング印刷装置57を具備した製版装置としての製版部3Fを用いる点、図15に示した制御手段75Dに代えて、制御手段75Fを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第3の実施形態の孔版印刷装置1と同様である。製版部3Fは、図1に示した製版部3と比較して、マーキング印刷装置57を備えている点のみ相違する。
図17に示すように、マーキング印刷装置57は、例えばインクジエットヘッド等を備えて構成されており、第3の実施形態で説明した例と同様に、マスタ23を構成する熱可塑性樹脂フィルムに対する光の反射率との関係で感度良く検知できる黒色で、マスタ幅方向に平行なストライプ状の形状で印刷可能な構成を有している。
マーキング印刷装置57は、製版終了時にマスタ切断手段19により製版済みのマスタ23の後端が切断される直前の位置・タイミングにおいて、製版済みのマスタ23の後端位置にマーキング印刷できるように、マスタ切断手段19とテンションローラ対20との間のマスタ搬送路上に配置されている。
本実施形態の制御手段75Fは、図18に示すように、図15に示した制御手段75Dと比較して、CPU76Dに代えたCPU76Fを用いる点、ROM77Dに代えたROM77Fを用いる点が主に相違する。ROM77Fは、図11に示したROM77Dと比較して、製版終了時にマスタ切断手段19により製版済みのマスタ23の後端が切断される直前の位置・タイミングで同マスタ23の後端位置にマーキング印刷を施すようにマーキング印刷装置57の駆動手段を制御するための動作プログラムおよびCPU76Dと類似する演算機能を発揮するための計算プログラムが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Fは、ROM77Fに記憶された動作プログラムを読み出し、製版終了時にマスタ切断手段19により製版済みのマスタ23の後端が切断される直前の位置・タイミングで同マスタ23の後端位置にマーキング印刷を施すようにマーキング印刷装置57の駆動手段を制御する機能を有する他、CPU76Dと同様の上記演算機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の位置に係るマスタ長さデータとしてのマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、天地移動手段250の天地移動モータ259を制御して算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる機能を有する。CPU76Fがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU76BおよびCPU76Dと同様である。
従って、第4の実施形態によれば、制御手段75DのCPU76Dは、正規の印刷中において、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置に係るマスタ後端位置データからマスタ位置ずれ量を計算によって算出し、これを天地移動補正値とみなし、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御するので、マスタ位置ずれが発生しても、印刷位置ずれを未然に防止して印刷位置ずれのない印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。また、第4の実施形態では、第3の実施形態の上記問題点を解消して、マスタセットの操作性が向上し、マスタカットのような面倒な作業をなくすことができるとともに、第2の実施形態のように版胴9上のマスタ23の後端52を検知・測定する場合と比べ、版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置を検知・測定するので、その精度が向上しているとともにその分印刷位置補正の精度も向上している。
第4の実施形態でも、図12を参照して説明した第3の実施形態の変形例7、図13を参照して説明した第3の実施形態の変形例8と同様の、第4の実施形態の変形例11および12として構成して、同様の効果を奏することは無論である。これら第4の実施形態の変形例11および12については、当業者であれば容易に理解して実施できるから、これ以上の説明は省略する。
(第4の実施形態の変形例13)
図19に、第4の実施形態の変形例13を示す。変形例13は、図10および図16に示した第3の実施形態の変形例9と比較して、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段75Eに代えて、制御手段75Gを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段75Gは、図19に示すように、図18に示した制御手段75Fと比較して、CPU76Fに代えたCPU76Gを用いる点、ROM77Fに代えたROM77Gを用いる点が主に相違する。
ROM77Gは、図18に示したROM77Fと比較して、CPU76Gの後述する特有の演算機能を発揮するための計算プログラム、すなわち図16に示したROM77Eの一部計算プログラムと同様のものが予め記憶されている点のみ相違する。
CPU76Gは、図18に示したCPU76Fに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ50からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ56からの版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号から天地移動補正値を計算によって算出し、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御する機能を有する。CPU76Gがマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU76Eと同様である。
従って、変形例13によれば、制御手段75GのCPU76Gは、正規の印刷中において、予め設定された所定の印刷枚数(例えば図5に示したと同様の印刷枚数)になるごとに、上述したCPU76Eと同様の計算を行い、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行するように天地移動手段250の天地移動モータ259を制御すればよいので、図18に示したCPU76Fのように印刷枚数1枚ごとに上述と同様の計算をして、算出された天地移動補正値に応じた天地移動補正指令をする必要がなくなり、制御動作を簡単にできる。
第4の実施形態でも、図16に示した第3の実施形態の制御手段75Eと同様の機能、すなわち、制御手段75GのCPU77Gは、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴9の回転ごとに、上述した天地移動補正を実行させる機能も有することである(第4の実施形態の変形例14とする)。この変形例14では、特に継続印刷からの印刷位置補正(天地移動補正)を行う場合には、版胴9上の同一の製版済みのマスタ23を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ56を用いて、版胴9上のマスタ23のマーキング55の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴9の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第4の実施形態の変形例11ないし13にも適用できることは無論である。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態あるいは変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例あるいは変形例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の印刷方法および印刷装置は、孔版印刷装置に好適な他、例えばオフセット印刷機等にも適用ないし準用可能である。また、特開平7−17013号公報に開示されているような版胴の外側からインキを供給する凹版印刷装置とも呼ぶべき印刷装置にも準用可能である。
また、特開平8−118774号公報に開示されているような2ドラム対向式転写胴介在型1パス同時両面印刷方式の印刷ドラムおよび印刷装置や、特開平9−95033号公報に開示されているような1ドラム分割印刷同時反転式両面印刷方式の印刷ドラムおよび印刷装置、あるいは特開平10−129100号公報に開示されているような1ドラム分割印刷転写胴1パス両面印刷方式の印刷ドラムおよび印刷装置にも適用可能である。さらには、特開2001−191627号公報で開示されている1パスで多色印刷可能な複胴式印刷装置にも適用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す孔版印刷装置全体の簡略的な正面図である。 第1の実施形態等で使用する天地移動手段の要部の正面図である。 操作パネルの要部の平面図である。 第1の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 所定の印刷枚数ごとに設定された天地移動補正値のデータテーブルを示すとともに、所定の印刷枚数範囲内の特定の印刷枚数に応じた天地移動補正値を計算によって求める場合の説明図である。 変形例2の制御構成を示すブロック図である。 パラメータとしての印刷条件の種類を説明する図表である。 パラメータとしての印刷条件の組み合わせにより選択されるパターンを説明する図表である。 印刷枚数ごとにパターンに応じて設定された天地移動補正値のデータテーブルを示す図である。 第2ないし第4の実施形態において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサの配置例を示す概略的な正面図である。 第2の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第2ないし第4の実施形態の各変形例において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサの別の配置例を示す概略的な正面図である。 第2ないし第4の実施形態の各変形例において、版胴上のマスタの後端位置や後端表示位置を検知するマスタ後端センサ、マーキング位置センサのさらに別の配置例を示す図であって、排紙トレイ側から見た概略的な側面図である。 第2の実施形態の変形例5の制御構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第3の実施形態の変形例9の制御構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の製版部の構成を示す要部の正面図である。 第4の実施形態の制御構成を示すブロック図である。 第4の実施形態の変形例13の制御構成を示すブロック図である。 (a)は、版胴上のマスタに発生するマスタ位置ずれの状況を説明する要部の断面図、(b)は、同マスタ位置ずれが吸収され、マスタが版胴に密着した状態を説明する要部の断面図である。
符号の説明
1 孔版印刷装置(印刷装置)
2 印刷部
3,3F 製版部(製版装置)
9 版胴
9a 版胴の開口部
9b 版胴の非開口部
10 プレスローラ(押圧手段)
14 インキ供給手段
15 クランパ(保持手段)
18 サーマルヘッド(製版手段)
23 マスタ
45 メインモータ(版胴駆動手段)
50 排紙センサ(印刷枚数計数手段)
52 版胴上のマスタの後端
54 マスタ後端センサ(マスタ後端検知手段)
55 マーキング(表示)
56 マーキング位置センサ(マスタ表示検知手段)
75,75A〜75G 制御手段
76,76A〜76G CPU
77,77A〜77G ROM(記憶手段)
103 操作パネル
250 天地移動手段
259 天地移動モータ(天地移動駆動手段)
P 用紙(印刷媒体)

Claims (21)

  1. 製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置を使用する印刷方法において、
    前記版胴の回転方向における製版済みのマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた天地移動補正値を予め設定しておき、前記天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記天地移動手段をして自動的に天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷方法。
  2. 製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、
    所定の印刷枚数ごとに予め設定された天地移動補正値を記憶した記憶手段と、
    前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が前記所定の印刷枚数になるごとに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値を読み出し、印刷中に、前記天地移動手段をして読み出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷枚数が前記所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として前記印刷枚数計数手段により計数されるたびに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した前記天地移動補正値とから前記1枚ごとの印刷枚数に対応した前記天地移動補正値を計算によって算出し、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた前記天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記天地移動補正値は、マスタの種類ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記天地移動補正値は、前記版胴の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
    前記天地移動補正値は、前記版胴に使用するインキ色ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記天地移動補正値は、印刷速度ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記天地移動補正値は、印刷媒体の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項2記載の印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
    前記天地移動補正値は、インキ温度設定範囲ごとに調整値を持つことを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項2ないし9の何れか一つに記載の印刷装置において、
    前記制御手段による前記天地移動補正の必要有無を切り替える切替手段を有することを特徴とする印刷装置。
  11. 製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有する印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタの後端位置を検知するマスタ後端検知手段と、
    前記マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項11記載の印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
    前記マスタ後端検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする印刷装置。
  13. 請求項12記載の印刷装置において、
    前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
    前記マスタ後端検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする印刷装置。
  14. 請求項11ないし13の何れか一つに記載の印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
    前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷装置。
  15. 請求項11ないし14の何れか一つに記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷装置。
  16. マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、この製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有し、前記製版済みのマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される印刷装置であって、
    前記版胴上の製版済みのマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
    前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  17. 請求項16記載の印刷装置において、
    前記版胴上の製版済みのマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
    前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする印刷装置。
  18. 請求項17記載の印刷装置において、
    前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
    前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする印刷装置。
  19. 請求項16ないし18の何れか一つに記載の印刷装置において、
    印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
    前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷装置。
  20. 請求項16ないし19の何れか一つに記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記天地移動補正を実行させることを特徴とする印刷装置。
  21. マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された製版済みのマスタを巻装する版胴と、該版胴上の製版済みのマスタから直接的または間接的に印刷媒体へ転写される印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する天地移動手段とを有し、前記製版済みのマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示手段により施された前記表示が前記版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される印刷装置であって、
    前記版胴上の製版済みのマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
    前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記天地移動手段をして算出された前記天地移動補正値に応じた天地移動補正を実行させる制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
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