JP2008138172A - クロロプレンラテックス及びクロロプレンラテックスを含有する接着剤組成物 - Google Patents

クロロプレンラテックス及びクロロプレンラテックスを含有する接着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 pHを調節したクロロプレンラテックスにおいて、保管中のラテックス安定性を維持し、長期間に渡って使用可能なクロロプレンラテックス、及びそれを含有する接着剤組成物の用途を提供する。
【解決手段】 25℃における水溶液の酸解離定数(Ka)の負の常用対数値(pKa)が7以下である酸、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤、及びクロロプレン100重量部に対してスルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤0.5〜5重量部を含み、かつ、25℃におけるpHが9.0〜12.0であることを特徴とするクロロプレンラテックス、およびそれを含有することを特徴とする接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、長期間保存してもラテックス安定性が良好であるクロロプレンラテックスに関するものである。
クロロプレンゴム等をベースとした溶剤系接着剤は、その良好な作業性や接着物性から各種用途に用いられてきた。しかし、使用される有機溶剤は地球環境や作業者の健康に悪影響を与え、時には作業場の火災等を引き起こす危険性を有しているため、脱溶剤の検討がなされている。
脱溶剤化の手法の一つとして、ラテックス系接着剤による代替が考えられており、なかでもクロロプレンラテックスは、貼り合せ直後から高い強度を示すため期待される反面、水を乾燥するまでに時間を要することが問題であった。
この問題を解決する1つの方法として、ロジン酸および/またはロジン酸の金属塩からなる乳化剤を用いて重合した水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを含むクロロプレンラテックスに、pH調整剤を添加してpH=7〜10としたクロロプレンラテックス接着剤とする方法がある(例えば、特許文献1)。このpH調整剤として、一般的な無機酸、有機酸などの酸性物質やその塩類、及びアミノ酸が使用され、接着性能、ラテックスの安定性の面では、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸などのアミノ酸およびマロン酸が好ましいと記載されている。
ロジン酸などカルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤は、酸により中和されることで乳化剤としての効力を失い、それによりラテックスの安定性が低下する。しかし、上記のアミノ酸等を使用することにより、ゴムを析出させること無くpH調節が可能であり、その結果、湿潤状態にて接着した際にゴムが析出し易く、良好な接着物性を示す接着剤が安定して作製可能である。
このように、pH調整剤を予め添加してpH調整した1液タイプのクロロプレンラテックス接着剤は、使用する直前に硬化剤を混ぜたり、ラテックス接着剤(主剤)と、pH調製剤(凝集剤)を別個に調整しておき使用時に同時に吹き付けて使用する2液タイプのクロロプレンラテックス接着剤と異なり、操作の煩雑さや調整から使用までの時間的制約が無いのが利点の1つである。このため、長期間の保存による保存安定性も重要な性能と考えられる。一般的にクロロプレンラテックスは保管中に脱塩酸するため、この1液タイプのクロロプレンラテックス接着剤においてはpHが更に低下することによるラテックスの安定性低下により保管中にゴムが析出するなどの問題が生じる可能性がある。にもかかわらず、pH調整剤を添加したクロロプレンラテックスの保存安定性に関する検討は今までなされていないのが現状である。
特開2001−19922号公報
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、pHを調節したクロロプレンラテックスにおいて、保管中のラテックス安定性を維持し、長期間に渡って使用可能なクロロプレンラテックス及び接着剤組成物を提供するものである。
本発明者らは、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の酸、特定の乳化剤及び特定の安定剤からなるクロロプレンラテックスにおいて保管中のゴムの凝集を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、25℃における水溶液の酸解離定数(Ka)の負の常用対数値(pKa)が7以下である酸、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤、及びクロロプレン100重量部に対してスルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤0.5〜5重量部を含み、かつ、25℃におけるpHが9.0〜12.0であることを特徴とするクロロプレンラテックス、及びそれを含有することを特徴とする接着剤組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のクロロプレンラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエンであるクロロプレンの単量体を重合して得られたラテックスであり、必要に応じて、クロロプレンと共重合可能な他の単量体を2種類以上用いても良い。クロロプレンと共重合可能なその他の単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸等があるが、これらをクロロプレン100重量部に対し、20重量部以下で用いる。
本発明のクロロプレンラテックスは、水溶液の25℃における酸解離定数(Ka)の負の常用対数値(pKa)が7以下である酸を含むものである。pKaが7を超えると、保管中のラテックスにおいてpHの低下やゴムが析出するという問題が生じる。酸解離定数Kaは、酸の電離水溶液中における酸の電離平衡の平衡定数であり、強い酸ほどその値は大きく、pKaは小さくなる。pKaが7以下である酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、しゅう酸、マロン酸、リンゴ酸、クエン酸などがあげられる。これらのうち、pHの安定性および濃厚な状態での取り扱い時の安全性のため、ギ酸、酢酸、しゅう酸、リンゴ酸、マロン酸、クエン酸等のカルボキシル基を有する酸が好ましく、更には酢酸又はクエン酸の使用が好ましい。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良い。また、pKaが7以下である酸の含有量は、特に限定するものではない。
本発明のクロロプレンラテックスは、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むものである。カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むことにより、pH調節により接着物性を向上させることが可能である。乳化剤の含有量は特に限定するものではないが、重合制御のため、クロロプレン単量体100重量部に対して3〜6重量部が好ましい。ここに、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤としては、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩の高分子化合物などがあげられる。アルカリ金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどがあげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良い。接着性能の観点から、ロジン酸のアルカリ金属塩を用いるのが好ましい。
本発明のクロロプレンラテックスは、クロロプレン100重量部に対してスルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤0.5〜5重量部を含むものである。スルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤が0.5重量部未満であると、中和安定性が悪く酸の添加によりゴムが析出し、一方、5重量部を超えると接着物性に悪影響する可能性がある。中和安定性および良好な接着物性を維持するためには、0.7〜3.0重量部であることが好ましく、1.0〜2.0重量部であることがさらに好ましい。ここに、スルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤としては、例えば、ペンタンスルホン酸のアルカリ金属塩,オクタンスルホン酸のアルカリ金属塩,ラウリルスルホン酸のアルカリ金属塩,ステアリルスルホン酸のアルカリ金属塩などの脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、トルエンスルホン酸のアルカリ金属塩,スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩,ドデシルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩,アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアルカリ金属塩,ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩,ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩などの芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、ラウリル硫酸のアルカリ金属塩などのアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸のアルカリ金属塩などのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアルカリ金属塩、及びナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物や不飽和結合を有するスルホン酸化合物のアルカリ金属塩と共重合可能な単量体との各種共重合体などのスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を有する各種化合物(具体的にはスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩とメタクリル酸のアルカリ金属塩の共重合体など)などがあげられる。不飽和結合を有するスルホン酸化合物としては、例えば、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、アリルスルホン酸のアルカリ金属塩、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、イソプレンスルホン酸のアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩などがあげられ、それらと共重合可能な単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、メチルメタクリレート及びそのアルカリ金属塩などがあげられる。アルカリ金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどがあげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上含んでいても良い。これらの中でも、重合安定性の面および湿潤状態における接着物性の面から、ペンタンスルホン酸のアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩などの炭素数が6以下のアルキル鎖を有するスルホン酸のアルカリ金属塩、アルキル鎖の無い芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、これらを有する各種化合物が好ましく、なかでもナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物又はスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩とメタクリル酸のアルカリ金属塩の共重合体のうち1種類以上を用いるのが好ましい。
本発明のクロロプレンラテックスは、25℃におけるpHが9.0〜12.0である。pHが9.0未満であるとゴムの析出により配合の際にゴムが析出し、一方、12.0を超えると接着時のゴム析出が不十分で強度不足となるなどの問題が出る。配合安定性と、接着物性の両立のためには、pH9.0〜11.5であることが好ましく、pH9.5〜10.5であることがさらに好ましい。
本発明のクロロプレンラテックスは、その中に含まれるクロロプレン重合体のゲル分が1重量%以下であることが、良好なコンタクト性発現のために好ましい。
本発明のクロロプレンラテックスの製造方法においては、25℃における水溶液の酸解離定数(Ka)の負の常用対数値(pKa)が7以下である酸、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤、及びクロロプレン100重量部に対してスルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤0.5〜5重量部を添加することが必要である。
pKaが7以下である酸の添加量としては、特に限定するものではなく、ラテックスが任意のpHとなるよう量を調整して添加する。また、その添加時期は特に限定するものではないが、ゴムの析出を防止するために、クロロプレンラテックスを攪拌した状態で行うのが好ましい。添加する時の酸の状態は特に限定するものでなく、粉末又は水溶液で添加することができるが、ラテックスに均一に混合され、かつ接着剤の固形分を維持して乾燥性を維持するため、粉末又は濃厚な水溶液状態での添加が好ましい。
カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の添加量としては、特に限定するものではないが、重合制御のため、クロロプレン単量体100重量部に対して3〜6重量部が好ましい。また、重合前に限らず、重合中、重合終了後の任意のタイミングでの追加添加が可能である。また、重合時にアルカリ性を維持するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ性を示す水溶性物質を0.2〜0.5重量部添加することが好ましい。
スルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤は、クロロプレン100重量部に対して0.5〜5重量部を添加することが必要である。0.5重量部未満であると、中和安定性が悪く酸の添加によりゴムが析出し、一方、5重量部を超えると接着物性に悪影響する可能性がある。中和安定性および良好な接着物性を維持するためには、0.7〜3.0重量部であることが好ましく、1.0〜2.0重量部であることがさらに好ましい。また、その添加時期は、特に限定するものではなく、重合前、重合中、重合終了後の任意のタイミングで添加が可能である。
クロロプレンラテックスの製造方法におけるクロロプレンの重合の方法としては特に制限のあるものではなく、クロロプレン単量体、又はクロロプレン単量体とクロロプレンと共重合可能なその他の単量体をラジカル乳化重合すればよい。クロロプレンと共重合可能なその他の単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸等があるが、例えば、これらをクロロプレン100重量部に対し、20重量部以下で用いる。乳化重合は、特に限定するものではなく、上記の単量体、および乳化剤を、重合開始剤、連鎖移動剤等と共に乳化し、所定温度にて行い、所定の転化率で重合停止剤を添加すればよい。
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン炭化水素、アルキルキサントゲンジスルフィド、硫黄等の分子量調節剤等があげられ、これらのうち、臭気及び作業性の面からn−ドデシルメルカプタンが好ましい。
重合温度は特に限定するものではなく、0〜80℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃の範囲である。
重合終了時期は特に限定するものでないが、生産性、および良好な接着物性を得るため、単量体の転化率が60〜100%まで重合を行うことが好ましい。
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
また、ラテックスの安定性を更に良好にするため、重合中、および重合終了後に上記の乳化剤のうち1種類以上を追加添加しても良い。
本発明のクロロプレンラテックスを含む接着剤は、pH調整をすることで単独でも接着剤として使用可能であるが、要求物性に応じて、粘着付与樹脂、架橋剤等を添加することができる。
粘着付与樹脂としては特に限定するものではなく、例えば、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体樹脂、石油系炭化水素等があげられ、例えば、重合ロジン、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール、水添ロジン、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、石油樹脂、クマロン樹脂等が使用される。
架橋剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物、エポキシ樹脂、ポリアジリジン化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等クロロプレンラテックスに均一に混合できる化合物であれば用いることができる。
クロロプレンラテックスを主成分とする接着剤の粘度は、各種増粘剤、例えば、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、疎水化セルロース、会合型ノニオン界面活性剤等の水溶性ポリマー、及びカルボキシル基含有ポリマーから構成されるアルカリ可溶型の増粘剤、ヘクトライト等のシリケート化合物等の配合により所望の値に調整できる。また必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、凍結防止剤、造膜助剤、可塑剤、クレー等の各種充填剤を適宜配合しても良い。
本発明のクロロプレンラテックスは、長期間の保管においてゴムが凝集することが無く、その結果、これを含有する接着剤組成物は安定した物性を示す。
本発明のクロロプレンラテックスは、長期間の保管においてpHが安定であり、ゴムの沈降が無いという効果を有するものであり、これを含有する接着剤組成物は安定した物性を示すものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例における保管期間は、25℃における1ヶ月、又はそれに相当する促進条件として50℃における7日間以上の保管とした。各物性は以下の方法で測定した。
<ポリマーのゲル分>
ラテックスを流延してゴムフィルムを作製し、真空乾燥機において24時間以上経過後に秤量を行い、その後8時間おきに秤量を繰り返し、重量変化が1%以下となるまで乾燥した。その後、そのゴムを重量換算で0.6%の濃度となるようにトルエンに溶解し、ボールミルにて16時間混合・溶解し、得られた溶液を200メッシュの金網にてろ過、トルエンにて洗浄後、残渣を170℃で10分乾燥し、その重量と溶解したゴムの重量の比をゲル分とした。
<pH>
pHメーター((株)堀場製作所製)により測定した。
<中和安定性>
酸添加時のゴム析出有無を観察した。
<配合安定性>
接着剤配合時のゴム析出有無を観察した。
<配合粘度>
接着剤容器をを25℃の恒温槽に1時間浸漬した後に、B型粘度計にてNo.3ローターを用いて6rpmで測定し、60秒後の値を用いた。
<接着強度>
9号帆布(150mm×25mm)2枚それぞれの片面に接着剤を約690g/m塗布し、23℃にて5分間乾燥した後にハンドローラーを用いて圧着を行い測定用の試験片とした。常温剥離強度の測定はテンシロン型引っ張り試験機を用いて23℃の雰囲気下にて100mm/minの剥離速度で180°方向の引っ張りにて行った。測定は圧着後2分後に実施した。
実施例1
クロロプレン単量体100重量部に対し、n−ドデシルメルカプタン0.15部、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))5重量部、水酸化ナトリウム0.4重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、および純水80重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中20℃で重合を行いクロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体除去し、クロロプレンラテックスを得た。クロロプレンラテックスの固形分は50%であり、ラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分は0重量%であった。
得られたクロロプレンラテックスに、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で0.7重量部を加えた後、ラテックス150gを秤量し、30%のクエン酸水溶液2.1g(クエン酸の25℃におけるpKa1=3.2,pKa2=4.7,pKa3=6.4)を用いてpHが9.7のラテックスを得た。このラテックスの50℃保管におけるpH変化を測定した。また、ラテックス100重量部に対し、樹脂エマルジョン40重量部、(商品名:E−100、荒川化学工業(株))金属酸化物1重量部(商品名:AZ−SW、大崎工業(株))増粘剤2重量部(商品名:アデカノールUH−420、(株)ADEKA)を配合して接着剤組成物を作製し、配合安定性および接着強度を確認した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
Figure 2008138172
実施例2
安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))の添加量をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.5重量部に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
実施例3
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物の代わりに安定剤としてペンタンスルホン酸ナトリウムをクロロプレンラテックスの固形分換算で1.5重量部を加えた以外は、実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
実施例4
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物の代わりに安定剤としてスチレンスルホン酸ナトリウムをクロロプレンラテックスの固形分換算で1.5重量部を加えた以外は、実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
実施例5
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物の代わりに安定剤としてスチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムの共重合物をクロロプレンラテックスの固形分換算で0.7重量部を加えた以外は、実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
実施例6
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物の代わりに安定剤としてスチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムの共重合物をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.7重量部を加えた以外は、実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるpHも安定でありゴムの析出も無かった。また、配合安定性および接着物性も良好であった。
比較例1
安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))の添加量を0.3重量部に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムが析出した。
比較例2
安定剤としてスチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムの共重合物の添加量を0.3重量部に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て、評価を実施した。結果を表1に示す。表1の結果より、酸によるpH調節時にゴムが析出した。
実施例7
クロロプレン単量体100重量部に対し、n−ドデシルメルカプタン0.15重量部、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))0.3重量部、水酸化ナトリウム0.4重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、および純水80重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中20℃で重合を行いクロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体を除去するとともに水分を濃縮し、固形分55%のクロロプレンラテックスを得た。ラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分は0重量%であった。
得られたクロロプレンラテックスに、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液2.9g(酢酸の25℃におけるpKa:4.8)を用いて、ラテックスのpHが9.7のラテックスを得た。このラテックスを50℃にて保管してpHの変化を測定した。また、ラテックス100重量部に対し、樹脂エマルジョン40重量部、(商品名:E−100、荒川化学工業(株))金属酸化物1重量部(商品名:AZ−SW、大崎工業(株))増粘剤2重量部(商品名:アデカノールUH−420、(株)ADEKA)を配合して接着剤組成物を作製し、配合安定性、50℃保管における配合粘度変化および接着物性を確認した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。
Figure 2008138172
実施例8
実施例7に従って重合を行い、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりに10%のマロン酸水溶液4.8g(マロン酸の25℃におけるpKa1=2.8,pKa2=5.7)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。配合粘度も比較的安定な値であった。
実施例9
実施例7に従って重合を行い、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりに30%のクエン酸水溶液2.1g(クエン酸の25℃におけるpKa1=3.2,pKa2=4.7,pKa3=6.4)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。配合粘度も比較的安定な値であった。
実施例10
実施例7に従って重合を行い、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりに3.5%の塩酸9.7g(塩酸の25℃におけるpKa:1以下)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。
実施例11
クロロプレン単量体100重量部に対し、n−ドデシルメルカプタン0.15重量部、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))5重量部、スチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムの共重合体0.3重量部、水酸化ナトリウム0.4重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、および純水80重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中20℃で重合を行いクロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体を除去するとともに水分を濃縮し、固形分55%のクロロプレンラテックスを得た。ラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分は0重量%であった。
得られたクロロプレンラテックスに、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液2.8g(酢酸の25℃におけるpKa:4.8)を用いて、ラテックスのpHが9.7のラテックスを得た。このラテックスを50℃にて保管してpHの変化を測定した。また、ラテックス100重量部に対し、樹脂エマルジョン40重量部、(商品名:E−100、荒川化学工業(株))金属酸化物1重量部(商品名:AZ−SW、大崎工業(株))増粘剤2重量部(商品名:アデカノールUH−420、(株)ADEKA)を配合して接着剤組成物を作製し、配合安定性、50℃保管における配合粘度変化および接着物性を確認した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。
実施例12
クロロプレン単量体100重量部に対し、n−ドデシルメルカプタン0.15重量部、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))5重量部、スチレンスルホン酸とメタクリル酸ナトリウムの共重合体1.4重量部、水酸化ナトリウム0.4重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、および純水80重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中20℃で重合を行いクロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体を除去するとともに水分を濃縮し、固形分55%のクロロプレンラテックスを得た。ラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分は0.1重量%であった。
得られたクロロプレンラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液2.9g(酢酸の25℃におけるpKa:4.8)を用いて、ラテックスのpHが9.7のラテックスを得た。このラテックスを50℃にて保管してpHの変化を測定した。また、ラテックス100重量部に対し、樹脂エマルジョン40重量部、(商品名:E−100、荒川化学工業(株))金属酸化物1重量部(商品名:AZ−SW、大崎工業(株))増粘剤2重量部(商品名:アデカノールUH−420、(株)ADEKA)を配合して接着剤組成物を作製し、配合安定性、50℃保管における配合粘度変化および接着物性を確認した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、50℃保管によるゴムの析出も無かった。また、配合安定性も良好で、配合粘度も比較的安定な値であり、接着物性も良好であった。
比較例3
実施例7に従って重合を行った後に、安定剤を添加しないで、さらに、20%酢酸水溶液の代わりに10%のマロン酸水溶液4.8g(マロン酸の25℃におけるpKa1=2.8,pKa2=5.7)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスのpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムが析出した。
比較例4
実施例7に従って重合を行った後に、安定剤を添加しないでラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりにグリシンの粉末0.7g(グリシンの25℃におけるpKa:9.8)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスのpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好であったが、50℃保管でゴムが析出した。
比較例5
実施例7に従って重合を行い、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりにグリシンの粉末0.7g(グリシンの25℃におけるpKa:9.8)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスのpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好であったが、50℃保管でゴムが析出し、また、配合粘度も増加する傾向がみられた。
比較例6
実施例7に従って重合を行い、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加え合計1.4重量部とした後、ラテックス150gを秤量し、20%酢酸水溶液の代わりにβアラニンの粉末0.8g(βアラニンの25℃におけるpKa:10.2)を用いてラテックスのpHを9.7とした以外は実施例5に従ってラテックスのpHを調整し、ラテックスpHおよび接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表2に示す。表2の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好であったが、50℃保管でpHが9未満に低下した。
実施例13
クロロプレン単量体100重量部に対し、n−ドデシルメルカプタン0.15重量部、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))5重量部、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))0.3重量部、水酸化ナトリウム0.4重量部、ハイドロサルファイトナトリウム0.01重量部、および純水80重量部を攪拌機付き10Lオートクレーブ中20℃で重合を行いクロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が90%以上となった時点で重合停止剤を加え反応を停止した。減圧下で未反応単量体除去し、クロロプレンラテックスを得た。クロロプレンラテックスの固形分は50%であり、ラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分は0%であった。
得られたクロロプレンラテックスに、安定剤としてナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))をクロロプレンラテックスの固形分換算で1.1重量部を加えた後、20%酢酸水溶液2.3g、2.6g、3.3g(酢酸の25℃におけるpKa:4.8)をそれぞれ加え、pHがそれぞれ11.5、10.5、9.3のラテックスを得た。
ラテックスそれぞれ100重量部に対し、樹脂エマルジョン40重量部、(商品名:E−100、荒川化学工業(株))金属酸化物1重量部(商品名:AZ−SW、大崎工業(株))増粘剤2重量部(商品名:アデカノールUH−420、(株)ADEKA)を配合して接着剤組成物を作製し、50℃雰囲気で10日間保管し、保管中の接着剤組成物の粘度変化を測定した。結果を表3に示す。表3の結果より、酸によるpH調節時にゴムの析出は無く中和安定性は良好で、接着物性も良好であった。また、25℃30日の保管による配合粘度も比較的安定な値であった。
Figure 2008138172
比較例7
20%酢酸水溶液を加えなかった以外は実施例13に従ってラテックスを製造し、評価を実施した。結果を表3に示す。表3の結果より、圧着2分後の強度が低く、また、配合粘度も増加する傾向がみられた。
比較例8
20%酢酸水溶液3.8gを加え25℃におけるpHを8.7とした以外は実施例13に従ってラテックスを製造し、評価を実施した。結果を表3に示す。表3の結果より、中和安定性および接着強度は問題が無かったが、接着剤配合時にゴムが析出し、配合安定性が悪かった。また、保管中にゴムが析出し凝固した。

Claims (5)

  1. 25℃における水溶液の酸解離定数(Ka)の負の常用対数値(pKa)が7以下である酸、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤、及びクロロプレン100重量部に対してスルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤0.5〜5重量部を含み、かつ、25℃におけるpHが9.0〜12.0であることを特徴とするクロロプレンラテックス。
  2. カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤が、ロジン酸カリウム又はロジン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンラテックス。
  3. スルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤が、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物及び/又はスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩とメタクリル酸のアルカリ金属塩の共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクロロプレンラテックス。
  4. クロロプレンラテックス中のクロロプレン重合体のゲル分が1%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項記載のクロロプレンラテックス。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかの項記載のクロロプレンラテックスを含有することを特徴とする接着剤組成物。
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