JPH1121317A - クロロプレンゴムの製造方法 - Google Patents

クロロプレンゴムの製造方法

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JPH1121317A
JPH1121317A JP17619497A JP17619497A JPH1121317A JP H1121317 A JPH1121317 A JP H1121317A JP 17619497 A JP17619497 A JP 17619497A JP 17619497 A JP17619497 A JP 17619497A JP H1121317 A JPH1121317 A JP H1121317A
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hue
chloroprene rubber
acid
polymerization
water
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JP17619497A
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Yoshitaka Tsutsumi
義高 堤
Takashi Yamamoto
隆 山本
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロロプレンゴム系接着剤の淡色の色相と
接着剤塗布後の粘着性を長期間保持できるタック性とを
同時に満足できるクロロプレンゴムを提供する。 【解決手段】クロロプレン又はクロロプレン及びそれと
共重合可能な単量体との混合物を水性ラジカル乳化重合
する際に、不均化ロジン酸のアルカリ金属塩とともに、
付加重合及び/又は付加重合後高分子反応により導入さ
れたスルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を含有する
水溶性高分子を分散剤として用い、重合停止時にラジカ
ル捕捉剤とともに紫外線吸収剤を添加しクロロプレンゴ
ムを製造し、用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なクロロプレン
ゴムの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
耐光性が非常に優れた淡色の色相及び接着剤として用い
た場合の接着剤塗布後に粘着性を長期間保持できるタッ
ク性を備えたクロロプレンゴムの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】クロロプレンゴムは結晶性が高く、凝集
力が大きいために接着剤原料として一般によく用いられ
ている。種々の接着剤用途の中でもクロロプレンゴムを
トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解し、
メタクリル酸メチル等の単量体を添加し、ベンゾイルパ
ーオキサイド等のラジカル重合開始剤を用いてグラフト
重合反応を行った、いわゆる溶液グラフト化クロロプレ
ンゴム接着剤は軟質塩ビ系素材の接着に有用であること
は公知であり、その優れた接着性ゆえに、従来から合成
靴の接着剤として広く利用されている。
【0003】クロロプレンゴムの製造方法は、古くから
知られており、公知の方法としては、例えば、Ency
clopedia of Polymer Scien
ceand Engineering,2nd e
d.,Vol.3,Wiley−Interscien
ce,New York,1985,p447−449
等に記載されている。まず、第一段階において、ラテッ
クスを生成する乳化重合を、不均化ロジン酸のアルカリ
金属塩からなる乳化剤として機能する石鹸と乳化分散
剤、例えば、ナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒド
との重縮合物のアルカリ金属塩との存在下で行う。次
に、重合停止剤としてラジカル捕捉剤を添加した後に、
未反応の単量体を、例えば、スチームフラッシュ法、即
ち、50℃の温度及び100トールの絶対圧力のような
条件の水蒸気蒸留によって除去する。最後に、凍結凝固
又は塩析等の方法で仕上げ処理を行いクロロプレンゴム
を得るものである。
【0004】仕上げ工程は、重合においてpH12〜1
3で生成したラテックスを、希酢酸の添加によってpH
5〜7に調整する。この酸性化により、乳化剤である不
均化ロジン酸はアルカリ金属塩から酸型になるためにそ
の乳化効力を失う。この時、ラテックスに安定性を付与
することのできる界面活性剤、即ち、乳化分散剤をラテ
ックス中に存在させない限りは、ラテックスは凝固して
しまい、凍結凝固等の次の処理が実施できない状況にな
る。そこで、例えば、ナフタリンスルホン酸とホルムア
ルデヒドとの重縮合物のアルカリ金属塩のような乳化分
散剤を使用することにより、ラテックスを安定化するこ
とができ、回転冷却ドラムの表面での凍結凝固が可能に
なる。凍結凝固物を解凍し、洗浄した後、機械的に圧縮
しフィルム状とし、ベルト乾燥機中で熱風により乾燥す
る。
【0005】このようにして得られたクロロプレンゴム
は、一般に黄褐色を呈しており、Lab反射法による測
色でL値、a値及びb値が各々65〜75、−2.0〜
−3.0、10.0〜16.0を示す。このようなクロ
ロプレンゴムを使用して作成した接着剤では、その接着
剤溶液は吸光度による黄色性の測定で0.4〜0.6の
値を示し、合成靴の接着剤に要望される透明で無色の優
れた色相を充分に満足することはできない。
【0006】そのため、その改良を目的として、特公昭
57−34844号公報には、乳化剤として、不均化ロ
ジン酸のアルカリ金属塩と付加的な界面活性剤とを使用
して乳化重合を実施する方法が開示されている。特に、
付加的な界面活性剤として特定の界面活性剤を使用する
ところに特徴がある。例えば、C1215のアルキルスル
ホン酸アルカリ塩、1,3−ビス−(2−エチルヘキシ
ル)グリセリンエーテル硫酸エステルアルカリ塩、α−
ヒドロキシ−オクタデカンスルホン酸アルカリ塩、第二
鉄−C1214アルキル硫酸エステルアルカリ塩、モノラ
ウリン酸グリセリド硫酸エステルアルカリ塩、N−オク
タデシルスルホコハク酸アミドアルカリ塩の記載があ
る。
【0007】この方法によると、色相はかなり改良され
るが、ナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒドとの重
縮合物のアルカリ金属塩を用いた場合の特徴であるタッ
ク性が不十分となり、クロロプレンゴム接着剤としての
魅力が消失する。
【0008】以上のような状況下で、色相とタック性と
を兼ね備えたクロロプレンゴム接着剤の開発が急務とな
っているが、現状、市場の要求を充分に満足できる材料
の提供にまでは至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のクロロプレンゴム接着剤では得られなかった耐光性が
非常に優れた淡色の色相とタック性とを具備したクロロ
プレンゴムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、クロロプレン又はク
ロロプレン及びそれと共重合可能な単量体との混合物を
水性ラジカル乳化重合する際に、不均化ロジン酸のアル
カリ金属塩とともに、付加重合及び/又は付加重合後高
分子反応により導入されたスルホン酸基及び/又は硫酸
エステル基を含有する水溶性高分子を分散剤として用
い、重合停止時にラジカル捕捉剤とともに紫外線吸収剤
を添加することを特徴とするクロロプレンゴムの製造方
法である。特に、分散剤としての水溶性高分子が、スチ
レンスルホン酸構造を有している場合、さらに、スチレ
ンスルホン酸と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カル
ボン酸アミドとの共重合体の水溶性塩の場合において、
かつ重合停止時に紫外線吸収剤を添加することによっ
て、本発明の特徴を最も効果的に発現できるクロロプレ
ンゴムの製造方法である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明におけるゴム重合体原料として使用
される単量体としては、クロロプレン単独又はクロロプ
レンの50重量%までの範囲で、例えば、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エ
ステル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸化合物、スチレ
ン、ビニルトルエン等のビニル置換型芳香族化合物、ブ
タジエン、1−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブ
タジエン等の共役ジエン化合物、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の極
性基含有ビニル化合物等を含む単量体が挙げられる。
【0013】本発明における不均化ロジン酸のアルカリ
金属塩としては特に限定するものではなく、クロロプレ
ン乳化重合時の乳化分散剤として充分な機能を発揮でき
るものであればよい。不均化ロジン酸のアルカリ金属塩
としては、例えば、不均化ロジン酸のナトリウム塩及び
カリウム塩等が挙げられ、これらは、例えば、木材樹
脂、ウッドロジンの不均化等によって得ることができ
る。このアルカリ金属塩の成分である不均化ロジン酸と
しては、ロジン酸自体が淡色であるため、分子量500
以下の成分からなる不均化ロジン酸を使用することが好
ましく、本発明の色相改良効果をより一層顕著にできる
ために、窒素シール下に減圧下で蒸留を行った不均化ロ
ジン酸を使用することがさらに好ましい。また、不均化
ロジン酸のアルカリ金属塩の添加量は特に限定するもの
ではないが、例えば、ゴム重合体原料として使用される
単量体100重量部あたり2〜6重量部が好ましく、3
〜5.5重量部がさらに好ましい。この範囲内において
は、乳化重合時のラテックス粒子安定性が充分確保でき
るとともに仕上げ工程における物理的な外圧によっての
固体ゴムの析出も認められず、かつ色相も非常に優れた
領域となる。
【0014】本発明では、付加重合及び/又は付加重合
後高分子反応により導入されたスルホン酸基及び/又は
硫酸エステル基を含有する水溶性高分子の分散剤として
の使用が大きな効果を示す点である。特に、水溶性高分
子がスチレンスルホン酸構造を有している場合、さら
に、スチレンスルホン酸と不飽和カルボン酸及び/又は
不飽和カルボン酸アミドとの共重合体の水溶性塩の場合
に最も効果が現れる。すなわち、付加重合及び/又は付
加重合後高分子反応により導入されたスルホン酸基及び
/又は硫酸エステル基のような淡色で、強アニオン性水
溶性高分子の使用により、色相及びタック性が同時に満
足されるようになるのである。
【0015】本発明における付加重合及び/又は付加重
合後高分子反応により導入されたスルホン酸基及び/又
は硫酸エステル基を含有する水溶性高分子としては、例
えば、ラジカル重合、イオン重合可能な不飽和二重結合
を有する単量体を単独又は共重合することにより得られ
る。スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基の導入は単
量体の段階で含有している化合物を選択しても、重合後
高分子反応にて導入する方法を用いてもよい。また、ス
ルホン酸基及び/又は硫酸エステル基の導入率は、本発
明の効果を充分発揮でき、水溶性である範囲においては
限定されるものではないが、10mol%以上、好まし
くは30mol%以上、さらに好ましくは50mol%
以上がより一層効果を顕著に示すために好適である。ス
チレンスルホン酸と不飽和カルボン酸及び/又は不飽和
カルボン酸アミドとの共重合体においても同様で、スチ
レンスルホン酸の導入率は、10mol%〜90mol
%、好ましくは50mol%〜90mol%が好適であ
る。さらに、スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を
含有する水溶性高分子の分子量においても、効果が充分
発揮できる範囲内で限定されるものではないが、重量平
均分子量において、1×103〜1×105が好ましく、
1×103〜1×104が特に好ましい。この範囲内にお
いては、分散効果が顕著に現れ、凝集効果が認められな
いために、少量の添加量にて非常に優れた特性を示すよ
うになる。スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を含
有する水溶性高分子の添加量についても、スルホン酸基
及び/又は硫酸エステル基の導入率、分子量及び構造の
種類の相違により各々最適量が存在するようになり、効
果が充分発揮できる範囲内で限定されるものではない
が、仕上げ工程におけるpH調整時のラテックス安定性
が充分付与できるとともに色相、タック性等の特性が優
れているために、単量体100重量部あたり0.1〜2
重量部が好ましく、特に、0.2〜1重量部が好まし
い。
【0016】本発明の付加重合及び/又は付加重合後高
分子反応により導入されたスルホン酸基及び/又は硫酸
エステル基を含有する水溶性高分子を得るための単量体
としては、例えば、以下の例を示すことができる。スル
ホン酸基及び/又は硫酸エステル基を含有する単量体と
して、例えば、アリルスルホン酸及びその水溶性塩、メ
タリルスルホン酸及びその水溶性塩、ビニルスルホン酸
及びその水溶性塩、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸及びその水溶性塩、p−ビニルベンジ
ルスルホン酸及びその水溶性塩、スルホエチルメタクリ
レート及びその水溶性塩、スルホプロピルメタクリレー
ト及びその水溶性塩、スチレンスルホン酸及びその水溶
性塩、アルキルアリル硫酸塩、o−プロペニル−p−ア
ルキルポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステ
ル水溶性塩等が挙げられる。また、付加重合後スルホン
酸基及び/又は硫酸エステル基を導入できる単量体とし
て、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン
酸等の不飽和カルボン酸化合物、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、プロピルアクリルアミド等の不飽和カル
ボン酸アミド化合物、スチレン、ビニルトルエン等のビ
ニル置換型芳香族化合物が挙げられる。さらに、共重合
できる単量体として、例えば、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル化合
物、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不
飽和カルボン酸化合物、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、プロピルアクリルアミド等の不飽和カルボン酸ア
ミド化合物、スチレン、ビニルトルエン等のビニル置換
型芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデンのような極性基含有ビニル化合物等を例示
できる。スチレンスルホン酸構造を有する重合体、特
に、スチレンスルホン酸と不飽和カルボン酸及び/又は
不飽和カルボン酸アミドとの共重合体の水溶性塩は、疎
水性と親水性とがバランスよく保たれていることによ
り、少量の添加で分散効果が優れ、かつ色相、タック性
も良好であるために好適である。以上の単量体は本発明
の特性を発揮できる範囲内で単独又は共重合を選択でき
る。また、水溶性塩の例としては、例えば、アルカリ金
属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。
【0017】本発明のスルホン酸基及び/又は硫酸エス
テル基を含有する水溶性高分子の合成方法は、常法のラ
ジカル重合、イオン重合に従うことができる。例えば、
スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を含有する単量
体のラジカル重合の場合には、水、水/アルコール混合
溶媒又はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
のような極性溶媒中にて、過硫酸塩、アゾ系化合物のよ
うなラジカル開始剤、メルカプタンのような分子量調節
剤を添加して、溶液重合により実施できる。また、例え
ば、高分子反応にてスルホン酸基を導入する場合、ポリ
スチレンのような樹脂を二塩化エチレンのような溶剤に
溶解し、液体三酸化イオウを溶液中にフィードすること
により合成できる。
【0018】本発明の付加重合及び/又は付加重合後高
分子反応により導入されたスルホン酸基及び/又は硫酸
エステル基を含有する水溶性高分子の添加方法は、乳化
重合時に不均化ロジン酸のアルカリ金属塩と同時に添加
しても乳化重合後ラテックス中に後添加してもよく、本
発明の目的は充分達成できる。不均化ロジン酸のアルカ
リ金属塩と同時に添加した場合には乳化重合時の沈殿析
出物の発生を一段と抑制できるためにより好ましい。
【0019】また、本発明の目的を維持できる範囲内で
他の乳化剤、分散剤を添加してもよい。例えば、アニオ
ン型の乳化剤、分散剤、ノニオン型の乳化剤、分散剤等
が挙げられ、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アル
キルアリルスルホン酸アルカリ金属塩等のスルホン酸型
界面活性剤、アルキル硫酸エステルアルカリ金属塩、ポ
リエチレングリコールエーテル硫酸エステルアルカリ金
属塩等の硫酸エステル型界面活性剤、ナフタリンスルホ
ン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物、ビスフ
ェノールスルホン酸縮合物、メラミンスルホン酸とホル
ムアルデヒドとの縮合物等のスルホン酸含有重縮合物、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノール、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアシルエステル等のノニオン型界面
活性剤等を例示できる。
【0020】本発明において、重合停止時にラジカル捕
捉剤とともに紫外線吸収剤を添加することが耐光性を良
好にできる重要な点である。紫外線吸収剤としては効果
が充分発揮され、均一に添加できる範囲で特に制限はな
いが、例えば、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート
等のシアノアクリレート系を挙げることができる。紫外
線吸収剤の添加量は効果を示す範囲で制限はないが、
0.05重量部未満では耐光性が充分には確保できない
ために、単量体100重量部あたり0.05重量部以上
が好適である。また、紫外線吸収剤の添加方法は系内に
均一に添加できる方法であれば制限はないが、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチ
ルブチルケトン等のケトン類、クロロプレンモノマー等
に紫外線吸収剤を溶解し、乳化剤を用いて水中に乳化し
た分散液を添加する方法が挙げられる。特に、ラジカル
捕捉剤と同時に分散液を調製して重合停止時に添加する
方法は操作上好適である。
【0021】本発明における乳化重合は公知の方法に従
って、水、単量体、乳化剤、分散剤、重合開始剤、分子
量調節剤等を乳化し、所定温度にて重合を行えばよい。
各原料はいずれも一括添加、逐次添加、分割添加しても
よい。重合転化率は、単量体回収の容易さ、適度な粘度
の維持等の生産性に優れた50〜80%が好ましく、重
合停止剤としてラジカル捕捉剤を添加することにより所
定転化率に制御できる。
【0022】重合時に用いる重合開始剤としては、公知
のフリーラジカル生成物質、例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸化物、過酸化水素、t−
ブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機の過酸化
物、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)塩
酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイ
ソブチルアミジン)塩酸塩等のアゾ化合物等が挙げられ
る。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ
硫酸塩、チオ亜硫酸塩、有機アミン等との併用レドック
ス系で用いることができる。重合温度は0〜80℃の範
囲で行うことができる。ラジカル捕捉剤としては、通常
ラジカル重合に用いられる停止剤、例えば、フェノチア
ジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノール)、ヒドロキシアミン等が使用できる。
分子量調節剤としては、連鎖移動剤の添加が有効であ
り、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン化炭化水
素、アルキルキサントゲンジスルフィド、イオウ等が挙
げられる。
【0023】未反応の単量体及びその他の有機化合物
は、例えばスチームフラッシュ法、即ち、50℃の温度
及び100トールの絶対圧力における水蒸気蒸留によっ
て除去できる。その後、ラテックスは、pH等の調節
後、例えば、回転冷却ドラムにより凍結凝固し、洗浄し
た後機械的に圧縮してフィルム状とする。フィルムは、
例えば、ベルト乾燥機中での熱風乾燥で仕上げ処理を行
い、クロロプレンゴムを得ることができる。
【0024】本発明で得られるクロロプレンゴムは通常
の溶液グラフト化クロロプレンゴム接着剤、1液型接着
剤及び2液型接着剤の基材として使用可能である。本発
明で得られるクロロプレンゴムを基材とした溶液グラフ
ト化クロロプレンゴム接着剤は優れた色相及びタック性
を有する。本発明における優れた色相を有する溶液グラ
フト化クロロプレンゴム接着剤とは、そのグラフト後の
接着剤溶液の440nmの吸光度が0.2〜0.4を示
すものである。溶液グラフト化クロロプレンゴム接着剤
の製造法としては、公知の方法であるクロロプレンゴム
溶液中でのメタクリル酸メチル等のアクリレートのグラ
フト化反応等が用いられる。
【0025】溶液グラフト化反応に用いられる有機溶剤
としては、例えば、芳香族系炭化水素類、ケトン類を挙
げることができ、これらを単独又は混合して使用でき
る。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等が、ケトン類としては、例えば、メ
チルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチ
ルケトン等が例示できる。また、溶液グラフト化反応開
始剤としては、種々のラジカル開始剤、例えば、アゾビ
スイソブチロニトリル、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド等が使用できる。反応温度は特
に限定できるものではなく、60〜120℃の範囲で行
われる。グラフト反応の終了は反応停止剤の添加により
行うことができる。停止剤としては、例えば、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−
t−ブチル−4−フェニルフェノール、2,2’−メチ
レンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)等のフェノール系化合物を使用できる。
【0026】また、本発明で得られるクロロプレンゴム
を基材とし、これに酸化亜鉛や酸化マグネシウム等の金
属酸化物、変性フェノール樹脂、有機溶剤及び種々の添
加剤を常法に従って添加することにより、色相、タック
性、粘着性、接着性の優れた1液型接着剤を得ることが
できる。その際の色相の値として、例えば、クロロプレ
ンゴムをトルエンに5重量%濃度になるように溶解させ
た溶液の440nmにおける吸光度は0.03〜0.2
を示す。
【0027】更に、本発明で得られるクロロプレンゴム
を基材としたゴム溶液及びポリイソシアネート類からな
る2液型接着剤も、また、色相、タック性、粘着性、接
着性の優れた接着剤になる。ポリイソシアネート類とし
ては、平均官能基数が2以上のポリイソシアネートであ
ればよく、例えば、トリレンジイソシアネート(以下T
DIと略す)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニル
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォス
フェート、TDI2量体、TDI3量体等がある。その
添加量は、クロロプレンゴム及び/又は他の接着剤成分
を含むクロロプレンゴム接着剤溶液100重量部に対し
てポリイソシアネートの有効成分を基準にして0.1〜
5重量部の範囲で添加することができる。
【0028】本発明のクロロプレンゴムから得られる接
着剤には、主成分とするクロロプレンゴムの他、種々の
添加剤、例えば、フェノール樹脂、ロジン類、クマロン
樹脂、金属酸化物、老化防止剤、充填剤等を添加でき
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、これらの実施例のみに限定されるものではな
い。
【0030】実施例において、得られたクロロプレンゴ
ムの色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老
化性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相及びクロロプレ
ンゴムのタック性は、以下の方法で測定及び評価した。
【0031】(a)クロロプレンゴムの色相の評価方法 得られたクロロプレンゴムの色相の評価を行うために、
クロロプレンゴムを神藤金属工業(株)製シンドー式S
F型油圧プレスで100℃×120kg/cm2×5分
で2mmの厚さのシートに成形し、さらに、20℃×5
分で冷却を行う。作成したサンプルシートを日立製作所
(株)製607カラーアナライザーでLab法(反射
法)を用いて測色を行い、b値の程度にて色相を評価し
た。b値は(+)側では黄色の度合、(−)側では青色
の度合を示し、(+)側でゼロに近づく程、淡色にな
る。
【0032】(b)クロロプレンゴム溶液の色相の評価
方法 クロロプレンゴムをトルエンに5重量%濃度になるよう
に溶解させて、日立製作所(株)製U−1000スペク
トロフォトメーターを用いて440nmの波長の吸光度
測定により色相(黄色性)を評価した。数値が小になる
程淡色になる。
【0033】(c)色相の耐熱老化性の評価方法 クロロプレンゴムの色相の耐熱老化性は、クロロプレン
ゴムをギアオーブン中に70℃×3日加熱後、(a)及
び(b)の方法にて色相を評価した。
【0034】(d)色相の耐紫外線性の評価方法 クロロプレンゴムの色相の耐光性の評価として、耐紫外
線性を、クロロプレンゴムを254nmの紫外線を20
℃で4、10時間照射した後のクロロプレンゴム表面の
色相を目視により評価した。
【0035】評価は、◎;白色〜淡黄色、○;淡黄色〜
黄色、△;黄褐色、×;濃い黄褐色で示した。
【0036】(e)接着剤の色相の評価方法 溶液グラフト化クロロプレンゴム接着剤の色相の測定
は、グラフト後の接着剤溶液を、(b)の方法にて色相
を評価した。
【0037】(f)クロロプレンゴムのタック性の評価
方法 クロロプレンゴムをトルエンに15重量%濃度になるよ
うに溶解させて、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合
体)フォーム上に塗布し、室温放置後、EVA同士が接
着可能である放置時間の長短にてタック性の良否を判断
した。評価は、○;非常に良好(60min.以上放置
後接着可能)、△;普通、×;不良(10min.放置
後接着不可能)で示した。
【0038】実施例1 表1に示した組成割合のクロロプレン、n−ドデシルメ
ルカプタン、不均化ロジン酸カリウム、スチレンスルホ
ン酸ナトリウム/メタクリル酸(50/50mol%)
共重合体(重量平均分子量7,000)、ハイドロサル
ファイトナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を撹拌機
付10lオートクレーブ中に仕込み、窒素雰囲気下、撹
拌を開始した。0.35重量%過硫酸カリウム水溶液を
12℃で連続的に滴下して重合を開始した。重合転化率
70%で、重合停止剤として2,2’−メチレンビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)を0.05
重量部及び紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール0.5重量部添加して重合を停止さ
せた。ラテックス中には沈殿析出物は全く認められなか
った。
【0039】残存する未反応単量体をスチームフラッシ
ュ法で除去した後、重合ラテックスを希酢酸にてpHを
6に調節、凍結凝固、水洗、熱風乾燥を行い、クロロプ
レンゴムに仕上げた。仕上げ工程において、全く異常は
認められなかった。
【0040】溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤
は、クロロプレンゴム100重量部、トルエン460重
量部、メチルエチルケトン115重量部、メタクリル酸
メチル90重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重
量部の組成割合でメタクリル酸メチルのグラフト反応を
行い、作成した。反応は、温度を90℃に昇温後、ベン
ゾイルパーオキサイドを添加して開始した。約6時間反
応を行った後、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール2重量部を添加して反応を停止させた。メタクリル
酸メチルの転化率は約35%であった。
【0041】
【表1】
【0042】クロロプレンゴムの色相、クロロプレンゴ
ム溶液の色相、色相の耐熱老化性、色相の耐紫外線性、
接着剤の色相、クロロプレンゴムのタック性の評価結果
は表2に示した。表より明らかなように、淡色の色相及
び耐紫外線性の変化が極めて小さく、タック性が良好と
いう結果であった。
【0043】
【表2】
【0044】実施例2 2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの添加量
を、0.5重量部から1重量部に変更した以外は実施例
1と同様の方法で重合を行った。各原料の組成割合は表
1に示した。ラテックス中の沈殿析出物及び仕上げ工程
における異常は全く認められなかった。
【0045】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0046】実施例3 2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノンに変更し、1重量部添加
した以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。各原
料の組成割合は表1に示した。ラテックス中の沈殿析出
物及び仕上げ工程における異常は全く認められなかっ
た。
【0047】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が小さ
く、タック性が良好という結果であった。
【0048】実施例4 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(50/
50mol%)共重合体(重量平均分子量7,000)
の添加量を、0.3重量部から0.1重量部に変更した
以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。各原料の
組成割合は表1に示した。ラテックス中の沈殿析出物は
撹拌機にわずかに観察され、仕上げ工程においては希酢
酸にてpHを6に調節した際にゴムの析出は多かった
が、クロロプレンゴムを仕上げることはできた。
【0049】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0050】実施例5 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(50/
50mol%)共重合体(重量平均分子量7,000)
の添加量を、0.3重量部から1.5重量部に変更した
以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。各原料の
組成割合は表1に示した。ラテックス中の沈殿析出物は
全く認められなかったが、仕上げ工程においては、水洗
時にゴムの流出が若干観察されたが、クロロプレンゴム
を仕上げることはできた。
【0051】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0052】実施例6 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
の重量平均分子量を、7,000から10,000に変
更した以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。各
原料の組成割合は表1に示した。ラテックス中の沈殿析
出物は全く認められなかった。仕上げ工程においては、
希酢酸にてpHを6に調節した際にゴムの析出がわずか
に観察されたが、充分クロロプレンゴムを仕上げること
ができた。
【0053】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0054】実施例7 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(50/
50mol%)共重合体(重量平均分子量7,000)
を、スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(7
0/30mol%)共重合体(重量平均分子量7,00
0)に変更した以外は実施例1と同様の方法で重合を行
った。各原料の組成割合は表1に示した。ラテックス中
の沈殿析出物及び仕上げ工程における異常は全く認めら
れなかった。
【0055】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0056】実施例8 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(50/
50mol%)共重合体(重量平均分子量7,000)
を、スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸(3
0/70mol%)共重合体(重量平均分子量7,00
0)に変更した以外は実施例1と同様の方法で重合を行
った。各原料の組成割合は表1に示した。ラテックス中
の沈殿析出物は全く認められなかった。仕上げ工程にお
いては、希酢酸にてpHを6に調節した際にゴムの析出
が観察されたが、充分クロロプレンゴムを仕上げること
ができた。
【0057】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0058】実施例9 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
を、スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリルアミド
(50/50mol%)共重合体(重量平均分子量5,
000)に変更した以外は実施例1と同様の方法で重合
を行った。各原料の組成割合は表1に示した。ラテック
ス中の沈殿析出物は全く認められなかった。仕上げ工程
においては、希酢酸にてpHを6に調節した際に若干ゴ
ムの析出が観察されたが、充分クロロプレンゴムを仕上
げることができた。
【0059】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が極め
て小さく、タック性が良好という結果であった。
【0060】実施例10 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
を、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(重量平均分子
量7,000)に変更して0.7重量部添加した以外は
実施例1と同様の方法で重合を行った。各原料の組成割
合は表1に示した。ラテックス中の沈殿析出物及び仕上
げ工程における異常は全く認められなかった。
【0061】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が小さ
く、タック性が良好という結果であった。
【0062】実施例11 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
を、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ナトリウム(重量平均分子量10,000)に
変更して0.5重量部添加した以外は実施例1と同様の
方法で重合を行った。各原料の組成割合は表1に示し
た。ラテックス中の沈殿析出物は全く認められなかっ
た。仕上げ工程においては、希酢酸にてpHを6に調節
した際にわずかにゴムの析出が観察されたが、充分クロ
ロプレンゴムを仕上げることができた。
【0063】表2に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相、クロロプレンゴ
ムのタック性は、淡色の色相、耐紫外線性の変化が小さ
く、タック性が良好という結果であった。
【0064】比較例1 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
を、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒ
ドとの重縮合物(デモールN、花王(株)製)に変更し
て0.7重量部添加した以外は実施例1と同様の方法で
重合を行った。各原料の組成割合は表3に示した。ラテ
ックス中の沈殿析出物及び仕上げ工程における異常は全
く認められなかった。
【0065】
【表3】
【0066】表4に示したように、クロロプレンゴムの
タック性は良好であったが、クロロプレンゴムの色相、
クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化性、色相
の耐紫外線性、接着剤の色相に関しては黄色度、色相の
変化の面で劣っていた。
【0067】比較例2
【0068】
【表4】
【0069】スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリ
ル酸共重合体を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムに変更して0.5重量部添加した以外は実施例1と同
様の方法で重合を行った。各原料の組成割合は表3に示
した。ラテックス中の沈殿析出物及び仕上げ工程におけ
る異常は全く認められなかった。
【0070】表4に示したように、クロロプレンゴムの
色相、クロロプレンゴム溶液の色相、色相の耐熱老化
性、色相の耐紫外線性、接着剤の色相は淡色の色相、色
相の変化が小さいという優れた結果であった。しかしな
がら、クロロプレンゴムのタック性は非常に劣ってい
た。
【0071】比較例3 実施例1において、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールを添加しないで実施例1と同様の方法で重合
を行った。各原料の組成割合は表3に示した。ラテック
ス中の沈殿析出物及び仕上げ工程における異常は全く認
められなかった。
【0072】表4に示したように、クロロプレンゴムの
色相、接着剤の色相、タック性は良好であったが、耐紫
外線性における色相の変化の面で劣っていた。
【0073】比較例4 スチレンスルホン酸ナトリウム/メタクリル酸共重合体
を、ポリメタクリル酸ナトリウム(重量平均分子量7,
000)に変更して0.5重量部添加した以外は実施例
1と同様の方法で重合を行った。各原料の組成割合は表
3に示した。ラテックス中の沈殿析出物は全く認められ
なかったが、仕上げ工程においては、希酢酸にてpHを
6に調節した際にゴムの析出が非常に多く、クロロプレ
ンゴムを仕上げることができなかった。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造法によ
り製造したクロロプレンゴムは、従来のクロロプレンゴ
ムにはない耐光性が非常に優れた淡色の色相を有すると
ともに接着剤として用いた場合の接着剤塗布後に粘着性
を長期間保持できるタック性を同時に備えているため、
木材、皮革、布、ゴム、プラスチック、金属等の種々の
用途の接着剤として好適である。
【0075】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/3475 C08K 5/3475 C08L 11/00 C08L 11/00 // C09J 111/00 C09J 111/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロプレン又はクロロプレン及びそれと
    共重合可能な単量体との混合物を水性ラジカル乳化重合
    する際に、不均化ロジン酸のアルカリ金属塩とともに、
    付加重合及び/又は付加重合後高分子反応により導入さ
    れたスルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を含有する
    水溶性高分子を分散剤として用い、重合停止時にラジカ
    ル捕捉剤とともに紫外線吸収剤を添加することを特徴と
    するクロロプレンゴムの製造方法。
  2. 【請求項2】スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を
    含有する水溶性高分子が、スチレンスルホン酸構造を有
    する重合体であることを特徴とする請求項1記載のクロ
    ロプレンゴムの製造方法。
  3. 【請求項3】スルホン酸基及び/又は硫酸エステル基を
    含有する水溶性高分子が、スチレンスルホン酸と不飽和
    カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸アミドとの共重
    合体の水溶性塩であることを特徴とする請求項1記載の
    クロロプレンゴムの製造方法。
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