JPH06329728A - ポリクロロプレンゴム、その製法及び用途 - Google Patents

ポリクロロプレンゴム、その製法及び用途

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JPH06329728A
JPH06329728A JP11562793A JP11562793A JPH06329728A JP H06329728 A JPH06329728 A JP H06329728A JP 11562793 A JP11562793 A JP 11562793A JP 11562793 A JP11562793 A JP 11562793A JP H06329728 A JPH06329728 A JP H06329728A
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JP
Japan
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hue
polychloroprene rubber
alkali metal
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polychloroprene
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JP11562793A
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English (en)
Inventor
Hisamasa Wakayama
久昌 若山
Takeshi Hironaka
武士 弘中
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(a)重量平均分子量が10,000以上であ
るポリクロロプレンゴムの色相が、Lab反射法により
測定したL値、a値及びb値が夫々65〜75、−0.
5〜−3.0、及び5.0〜8.0のポリクロロプレン
ゴムであり、(b)上記(a)のポリクロロプレンゴム
を70℃×30日における色相の耐熱老化試験を行った
後のLab反射法により測定したL値、a値及びb値が
夫々65〜75、−2.5〜−1.5及び9.0〜1
2.0で、かつ(c)上記(a)のポリクロロプレンゴ
ムを5%トルエン溶液として溶解させたときのその色相
及び透明性を夫々440nm及び660nmの吸光度で
表した値が0.03〜0.08及び0.01〜0.04
であるポリクロロプレンゴム。 【効果】従来のポリクロロプレンゴムにはない優れた色
相並びに色相の耐熱老化性と耐紫外線性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリクロロプレン
ゴムとその製法及び用途に関するものである。さらに詳
しくは、非常に優れた色相並びに色相の耐熱老化性及び
有機溶剤で溶解させたときに優れた色相及び透明性を有
するポリクロロプレンゴムとその製法に関するものであ
る。また、優れた色相を有する溶液グラフト化ポリクロ
ロプレン接着剤を製造することができるポリクロロプレ
ンゴムに関するものである。
【0002】ポリクロロプレンゴムは結晶性が高く、凝
集力が大きいため接着剤原料として好適である。中でも
ポリクロロプレンゴムをトルエン、メチルエチルケトン
等の有機溶剤に溶解し、メタクリル酸メチル(MMAと
略称)等の単量体を添加し、ベンゾイルパーオキサイド
等の重合開始剤を用いグラフト重合を行った、いわゆる
溶液グラフト化ポリクロロプレンゴム接着剤が軟質塩ビ
系素材の接着に有用であることは公知であり、その優れ
た接着性ゆえに従来から、合成靴の接着剤として広く利
用されている。
【0003】
【従来の技術】ポリクロロプレンゴムの製造法は、古く
から知られており、公知の方法としてはEncyclo
pedia of Polymer Science
andEngineering,2nd ed.,Vo
l.3,Wiley−Interscience,Ne
w York,1985,pp447−449に記載さ
れている。第一段階においてラテックスを生成する重合
を不均化ロジンのアルカリ金属塩と乳化分散剤例えば、
ナフタリンスルフォン酸とホルムアルデヒドとの縮合物
のアルカリ金属塩の存在下で行い、未反応の単量体を、
例えばスチームフラッシュ法、すなわち50℃の温度及
び100トールの絶対圧力における、水蒸気蒸留によっ
て除去する。次いで、凍結凝固あるいは塩析等の方法で
仕上げ処理を行いポリクロロプレンゴムを得る。
【0004】仕上げ工程は、重合において生成したラテ
ックスを、希酢酸の添加によってpH5〜7に調製す
る。
【0005】この酸性化により、乳化剤である不均化ロ
ジンはその乳化効果を失う。この時ラテックスにある程
度の安定性を付与することのできる界面活性剤、すなわ
ち乳化分散剤をラテックス中に存在させない限りは、ラ
テックスは凝固してしまう。従って、ナフタリンスルフ
ォン酸とホルムアルデヒドとの縮合物のアルカリ金属塩
のような乳化分散剤を使用することにより、ラテックス
を安定化し、そして、回転冷却ドラムの表面で凍結凝固
する。凍結凝固物を解凍し、洗浄した後機械的に圧縮し
フィルム状とする。ついで、熱風によりベルト乾燥機中
で乾燥する。このようにして得られたポリクロロプレン
ゴムは、一般に黄褐色を呈しており、Lab反射法によ
る測色でL値、a値及びb値が夫々65〜75、−2.
0〜−3.0、10.0〜16.0を示す。このような
ポリクロロプレンゴムを使用して作成した接着剤では、
吸光度による黄色性の測定で0.4〜0.6の値を示
し、合成靴接着に要望される透明で無色の優れた色相を
充分に満たすことができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来に使用されているクロロプレンゴムでは得る
ことができない色相並びに色相の耐熱老化性と有機溶剤
に溶解したときの優れた色相と透明性を有するクロロプ
レンゴムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を一挙に解決し得るべく鋭意研究の結果、本発明
を完成したものである。即ち、本発明は、(a)重量平
均分子量が10,000以上であるポリクロロプレンゴ
ムの色相が、Lab反射法により測定したL値、a値及
びb値が夫々65〜75、−0.5〜−3.0、及び
5.0〜8.0のポリクロロプレンゴムであり、(b)
上記(a)のポリクロロプレンゴムを70℃×3日にお
ける色相の耐熱老化試験を行った後のLab反射法によ
り測定したL値、a値及びb値が夫々65〜75、−
2.5〜−1.5及び9.0〜12.0で、かつ(c)
上記(a)のポリクロロプレンゴムを5%トルエン溶液
として溶解させたときのその色相及び透明性を夫々44
0nm及び660nmの吸光度で表した値が0.03〜
0.08及び0.01〜0.04であるポリクロロプレ
ンゴム及びその製造法に関するものである。
【0008】本発明の新規なポリクロロプレンゴムは、
例えば分子量500以上の成分を含有しない不均化ロジ
ンのアルカリ金属塩とC11〜C15のアルキルベンゼンス
ルフォン酸アルカリ金属塩、C12〜C15のアルキルスル
フォン酸アルカリ金属塩、C11〜C17の高級脂肪酸アル
カリ金属塩、C12〜C18のアルキル硫酸エステルアルカ
リ金属塩、C3 〜C5 のアルキルナフタリンスルフォン
酸アルカリ金属塩、C11〜C15のアルキルジフェニルエ
ーテルスルフォン酸アルカリ金属塩、C10〜C20のジア
ルキルスルフォコハク酸アルカリ金属塩、HLBの値が
15以下であるポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル、HLBの値が15以下であるポリオキシエチレン
ラウリルエーテルから選ばれた一種以上の乳化分散剤か
らなる乳化・分散剤系の存在下において水性乳化重合を
行い、該重合ラテックスに炭化水素ビスフェノール系停
止剤を添加する事によって重合を停止して得る事ができ
る。また、このポリクロロプレンゴムは、優れた色相を
有する溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤を製造す
ることができる。以下その詳細について説明する。
【0009】本発明におけるゴム重合体原料として使用
される単量体としては、クロロプレン単独あるいはクロ
ロプレンの50重量%までの範囲で例えば、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、塩化ビニリデン、メタ
アクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のモノビニ
ル化合物、並びに、スチレン、ビニルトルエン等のビニ
ル置換型芳香族化合物及び、ブタジエン−1,3、1−
クロロブタジエン−1,3、2,3−ジクロロブタジエ
ン−1,3等の共役ジエン化合物のような化合物に置き
換えてもよい。
【0010】重合に使用する不均化ロジンとしては、木
材樹脂、例えばロジンの不均化によって得ることがで
き、その成分として分子量500以上の成分を含有しな
い不均化ロジンを使用することが必須である。この不均
化ロジンは、従来使用されている不均化ロジンを窒素シ
ール下に減圧下で蒸留することによって得ることができ
る。分子量500以上の成分を含有する従来使用の不均
化ロジンを使用した場合、本発明の目的である色相に悪
影響をもたらす。
【0011】不均化ロジンのアルカリ金属塩の例として
は、ナトリウム及びカリウム塩が好適でその添加量は、
ゴム重合体原料として使用される単量体100重量部当
たり3〜6重量部、好ましくは4〜5.5重量部の量で
加えることができる。この量より少ない場合には、ラテ
ックスが不安定となり重合、仕上げ工程における物理的
な外圧によって固体ゴムの析出の恐れがある。また多い
場合には、ラテックスは安定であるが本発明の目的であ
る色相に悪影響をもたらす。
【0012】使用可能な乳化分散剤のうち、C11〜C15
のアルキルベンゼンスルフォン酸アルカリ金属塩として
は、例えば、n−ドデシルベンゼンスルフォン酸Na、
トリデシルベンゼンスルフォン酸Na、ペンタデシルベ
ンゼンスルフォン酸Na、C12〜C15のアルキルスルフ
ォン酸アルカリ金属塩としては、例えば、n−ドデシル
スルフォン酸Na、トリデシルスルフォン酸Na、テト
ラデシルスルフォン酸Na、ペンタデシルスルフォン酸
Na、C12〜C17の高級脂肪酸アルカリ金属塩として
は、例えば、リノール酸Na、リノレン酸Na、オレイ
ン酸Na、C12〜C18のアルキル硫酸エステルアルカリ
金属塩としては、例えば、ラウリル硫酸Na、トリデシ
ル硫酸Na、テトラデシル硫酸Na、C3 〜C5 のアル
キルナフタリンスルフォン酸アルカリ金属塩としては、
例えば、ブチルナフタリンスルフォン酸Na、プロピル
ナフタリンスルフォン酸Na、C11〜C15のアルキルジ
フェニルエーテルスルフォン酸アルカリ金属塩として
は、例えば、ドデシルジフェニルエーテルスルフォン酸
Na、トリデシルジフェニルエーテルスルフォン酸N
a、C10〜C20のジアルキルスルフォコハク酸アルカリ
金属塩としては、例えば、ジオクチルスルフォコハク酸
Na、ジヘプシルスルフォコハク酸Naが、及びHLB
が10のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、
HLBが10のポリオキシエチレンラウリルエーテルな
どが挙げられ、界面活性作用及び乳化分散作用をもたら
す量で使用される。通常、ゴム重合体原料として使用さ
れる単量体100重量部当たり0.25〜1.5部、好
ましくは0.35〜0.7部を加えることができる。こ
の量未満で使用した場合、仕上げ工程での中和時にラテ
ックスが不安定な状態となり、固体ゴムが析出する。ま
た、この量を越えての使用はラテックスの中和時の化学
的安定性及び、物理的安定性は向上するが、仕上げ工程
において凍結凝固によるフィルムの形成を困難にする。
【0013】重合は重合開始剤として、公知のフリーラ
ジカル生成物質、例えば、過硫酸カリウム、過酸化水
素、過硫酸の水溶性塩類、有機過酸化物(p−メンタン
ヒドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、ラウリル過
ヨウ素、第三ーブチルヒドロパーオキサイド)が用いら
れる。また、これらは単独あるいは還元性物質、例え
ば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、有機アミン等との併用
で用い水性乳化重合として公知の方法で行われ、且つ連
続及び不連続の両方法が可能である。
【0014】重合停止剤としては、炭素、酸素、水素に
よって構成される、例えば、2、2’−メチレン−ビス
−(4−エチル−6−第三−ブチルフェノール)のよう
な重合停止能を有し且つ熱及び紫外線による劣化による
色相の変化を呈さない炭化水素系重合停止剤をゴム重合
体原料として使用される単量体100重量部に対して
0.01〜0.2重量部を添加できるが、好ましくは、
0.02〜0.1重量部である。
【0015】重合体の分子量調節は、例えばメルカプタ
ン類、キサントゲンスルフィド類、ヨウ化ベンジル及び
ヨードホルムのような、変性作用を有する公知の化合物
を添加することで、広い範囲内で行うことができる。
【0016】重合は、0〜60℃の範囲で行うことがで
きる。単量体を55〜80%の転化率まで重合させるこ
とができる。55%未満の場合未反応モノマーの回収に
時間を要し生産性に欠ける。また、80%越える場合増
粘し生産性を低下させてしまう。
【0017】未反応の単量体並びにコモノマー及びその
他の有機化合物は、例えば、スチームフラッシュ法、す
なわち例えば50℃の温度及び100トールの絶対圧力
における、水蒸気蒸留によって除去する。
【0018】ラテックスは、例えば、回転冷却ドラムに
より凍結凝固し、洗浄した後機械的に圧縮してフィルム
状とする。フィルムは、ベルト乾燥機中での熱風乾燥で
仕上げ処理を行い、ポリクロロプレンゴムを得ることが
できる。
【0019】本発明で得られるポリクロロプレンゴムは
通常の溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤、1液型
接着剤及び2液型接着剤の基体として使用可能である。
本発明で得られるポリクロロプレンゴムを基体とした溶
液グラフト化ポリクロロプレンゴム接着剤は優れた色相
を有する。本発明における優れた色相を有する溶液グラ
フト化ポリクロロプレン接着剤とは、その5%トルエン
溶液の440nmの吸光度が0.25〜0.35を示す
ものである。そして、溶液グラフト化ポリクロロプレン
接着剤の製造法は、公知の方法としての溶液グラグト化
反応が用いられる。
【0020】用いられる有機溶剤としては芳香族系炭化
水素、ケトン類等を挙げることができ、これらを単独も
しくは混合して使用できる。芳香族炭化水素としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン等、ケトン類としては、
メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブ
チルケトン等である。
【0021】重合開始剤としては、種々のラジカル開始
剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ラウロイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が使用で
きるが、この内ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
重合開始剤の添加量は、ポリクロロプレンゴム100重
量部に対して0.1重量部〜1.0重量部の範囲で添加
することができる。重合温度は、60℃〜120℃の範
囲で行われる。60℃より低いとグラフト化反応に時間
がかかり、120℃を越えると強い加熱が必要となるた
め経済的に不利である。重合停止剤としては、フェノー
ル系重合停止剤を使用する。その使用量は、ポリクロロ
プレンゴム100重量部に対して1重量部〜4重量部使
用される。フェノール系重合停止剤としては、2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノール、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−フェニル−フェノー
ル、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ter
t−ブチル−フェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール)等
である。
【0022】また、本発明で得られるポリクロロプレン
ゴムを基体とし、これに亜鉛華やマグネシアなどの金属
酸化物、変性フェノール樹脂、有機溶剤及び通常の添加
剤を通常の方法で添加することにより、粘着性及び接着
力は従来と変わらずに、しかも色相及び色相の耐熱老化
性の向上した一液型接着剤を得ることができる。
【0023】本発明で得られるポリクロロプレンゴムに
添加する変性フェノール樹脂はポリクロロプレンゴム1
00重量部に対し5〜100重量部の範囲で添加するこ
とができ、更に亜鉛華、マグネシア等の無機充填剤はそ
れぞれ1〜50重量部まで変量して添加することができ
る。金属酸化物はゴムロール上で加えてもゴム溶液に加
えても良く、樹脂と金属酸化物には、必ずしも前処理は
必要なく、直接ゴム溶液に添加しても良い。有機溶剤
は、ポリクロロプレンゴムを溶解できる各種の溶剤及び
混合溶剤が使用できる。
【0024】更に、本発明で得られるポリクロロプレン
ゴムを基体とし、そのゴム溶液及びポリイソシアネート
類から成る従来と変わらない粘着性及び接着力を有し、
更に色相と色相の耐熱老化性を有する二液型接着剤を得
ることができる。
【0025】本発明に適応し得るポリイソシアネート類
は、平均官能基数が2以上のポリイソシアネートであれ
ば良い。ポリイソシアネートの例としては、トリレンジ
シソシアネート(以下TDIと略す)、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソ
シアネート)チオホスフェート、TDI2量体、TDI
3量体などがある。その添加量は、ポリクロロプレンゴ
ムあるいはその他の接着剤成分を含むポリクロロプレン
ゴム系接着剤溶液100重量部に対して、ポリイソシア
ネートの有効成分を基準にして0.1重量部〜5重量部
の範囲で添加することができるが、0.2から2重量部
が適当である。これらのポリイソシアネートは1種類で
も又、2種類以上を併用してもかまわない。
【0026】これはポリクロロプレンゴムを主体とする
ゴム系接着剤であり、溶液中にポリクロロプレンゴムを
主成分とするポリマーの他、必要に応じて金属酸化物、
老化防止剤、充填剤あるいはフェノール樹脂類、ロジン
類、クマロン樹脂等の有機樹脂などを適当に溶解または
分散させたものである。
【0027】
【実施例】以下の実施例において、重合して得られたポ
リクロロプレンゴムの色相、ポリクロロプレンゴム溶液
の色相と透明性、色相の耐熱老化性、色相の耐紫外線性
及び接着剤の色相は、以下の方法で測定及び評価した。
【0028】(a)ポリクロロプレンゴムの色相の評価
法 得られたポリクロロプレンゴムの色の評価を行うため
に、ポリクロロプレンゴムを神藤金属工業(株)製シン
ドー式SF型油圧プレスで100℃、5分で2mmの厚
さのシートに成形し、さらに20℃、5分で冷却を行
う。作成したサンプルシートを日立製作所(株)製60
7カラーアナライザーでLab法(反射法)を用いて測
色を行った。Lab法は、L(明度)の数値が大きいほ
ど明るく、a値は(+)側では数値が大きい程赤の度合
が大きく、(−)側では緑の度合を示す。b値は(+)
側では黄の度合、(−)側では青の度合を示す。
【0029】(b)ポリクロロプレンゴム溶液の色相と
透明性の評価法 ポリクロロプレンゴムを5重量%トルエン溶液として、
日立製作所(株)製U−1000スペクトロフォトメー
ター(以下吸光光度計と略す)によって440、660
nmのそれぞれの波長によって、透明性及び色相の測定
を行った。440nmの波長における吸光度の測定によ
って黄色性の評価を行い、660nmにおける吸光度の
測定によって透明性の評価を行った。
【0030】(c)色相の耐熱老化性の評価法 ポリクロロプレンゴムの色相の耐熱老化性は、ポリクロ
ロプレンゴムをギアオーブンによって70℃×3日熱老
化を加えた後、それぞれのポリクロロプレンゴムを
(a)の方法でサンプルシートとして、Lab反射法に
よって測色して評価を行った。また、ポリクロロプレン
ゴムの5%トルエン溶液を(b)と同様、440、66
0nmの波長で測定を行い、その吸光度を用いて色相及
び透明性への影響を評価した。
【0031】(d)色相の耐紫外線性の評価法 ポリクロロプレンゴムの耐紫外線性は、254nmの紫
外線を20℃で4、10時間照射してポリクロロプレン
ゴム表面の色相を目視により評価した。評価は、○;薄
い黄色、△;黄褐色、×;濃い黄褐色で表した。
【0032】(e)接着剤の色相の評価法 溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤の色相の測定
は、接着剤を20%トルエン溶液として(b)と同様、
吸光光度計によって440nmで行い評価した。
【0033】実施例1〜6,比較例1,2 本発明を以下の実施例によってさらに例証するが、本発
明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、本
文中特に記載しない限り部は重量部である。
【0034】乳化・分散剤系を表1に示した組成割合で
内容積2リットルの撹拌機付きオートクレーブで窒素雰
囲気下で重合を行い、重量平均分子量300,000の
ポリクロロプレンゴムラテックスを作成した。
【0035】
【表1】
【0036】尚、不均化ロジン(I)は、従来使用され
ている不均化ロジン(II)を窒素シール下に3mmH
gの減圧下で蒸留することによって得ることができる。
不均化ロジン(I)と不均化ロジン(II)のGPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の分析結
果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】重合は窒素雰囲気下、過硫酸カリウム水溶
液を連続的に滴下して行い、転化率75%で重合停止剤
として2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−第
三−ブチルフェノール)を0.05部を添加し重合を停
止させた(実施例1〜8、比較例1)。あるいは4,
4’−チオビス−第三−ブチル−3−ブチルフェノール
を0.05部を添加し重合を停止させた(比較例2)。
【0039】残存する未反応単量体をスチームフラッシ
ュ法で除去した後、重合ラテックスを凍結凝固、水洗、
熱風乾燥を行いポリクロロプレンゴムに仕上げた。
【0040】表1に示した組成割合で重合して得られた
ポリクロロプレンゴムの色の評価をLab(反射法)を
用いて測色を行った。
【0041】また、ポリクロロプレンゴムを5%トルエ
ン溶液として、440nmの波長における吸光度の測定
によって黄色性の評価を行い、660nmにおける吸光
度の測定によって透明性の評価を行った。得られた結果
を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】表3より明らかなように本発明による実施
例1〜6は、比較例1、2に比べポリクロロプレンゴム
の色相の耐黄色性が良好であり、また、溶液における色
相及び透明性が良好であることが分かる。
【0044】ポリクロロプレンゴムの色相の耐熱老化性
と耐紫外線性の評価を行った。得られた結果を表4に示
した。
【0045】
【表4】
【0046】色相の耐熱老化性の結果は、表4より明ら
かなように比較例に比べ非常に耐黄色性の良好なもので
あることが分かる。また、個体ゴム表面の色相の耐紫外
線性も、本発明による実施例1〜6においてその耐黄色
性が良好であった。
【0047】実施例7〜14,比較例3,4 実施例1〜6で得られたポリクロロプレンゴムを原料と
して、下記に示す組成割合でMMAの溶液グラフト反応
を行い、溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤を作成
した。 ポリクロロプレンゴム 100部 トルエン 460部 MEK(メチルエチルケトン) 115部 MMA 90部 BPO 0.5部 重合は、温度を90℃に昇温後、ベンゾイルパーオキサ
イド(BPO)0.5部を添加し重合を開始させ、約6
時間重合を行った後、2,6−第三−ブチル−4−メチ
ルフェノール(BHT)2部を添加し重合を停止させ
た。MMAの転化率は約38%であった。
【0048】溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤の
色相の評価を行った。得られた結果を表5に示した。
【0049】
【表5】
【0050】表5から明らかなように本発明による優れ
た色相並びに色相の耐熱老化性及び、有機溶剤に溶解時
の優れた色相及び透明性を有したポリクロロプレンゴム
を使用して製造した溶液グラフト化ポリクロロプレンゴ
ム接着剤は、比較例に比べ耐黄色性が非常に良好である
ことが分かる。
【0051】以上のように、本発明要件を満たすポリク
ロロプレンゴムは、優れた色相並びに色相の耐熱老化性
と耐紫外線性を有し、有機溶剤で溶解を行ったときに優
れた色相及び透明性を有する。またポリクロロプレンゴ
ムを用いた溶液グラフト化ポリクロロプレン接着剤は優
れた色相を有する。
【0052】
【発明の効果】本発明のポリクロロプレンゴムは、従来
のポリクロロプレンゴムにはない優れた色相並びに色相
の耐熱老化性と耐紫外線性を有する。さらに、このポリ
クロロプレンゴムを有機溶剤に溶解したときの優れた色
相と透明性を有する。また、このポリクロロプレンゴム
を使用した接着剤も従来のクロロプレンゴムを使用した
接着剤に比べ、優れた色相を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)重量平均分子量が10,000以上
    であるポリクロロプレンゴムの色相が、Lab反射法に
    より測定したL値、a値及びb値が夫々65〜75、−
    0.5〜−3.0、及び5.0〜8.0のポリクロロプ
    レンゴムであり、(b)上記(a)のポリクロロプレン
    ゴムを70℃×30日における色相の耐熱老化試験を行
    った後のLab反射法により測定したL値、a値及びb
    値が夫々65〜75、−2.5〜−1.5及び9.0〜
    12.0で、かつ(c)上記(a)のポリクロロプレン
    ゴムを5%トルエン溶液として溶解させたときのその色
    相及び透明性を夫々440nm及び660nmの吸光度
    で表した値が0.03〜0.08及び0.01〜0.0
    4であるポリクロロプレンゴム。
  2. 【請求項2】クロロプレン単独並びにクロロプレンと共
    重合可能なコモノマーを50重量%までの量で含有して
    もよいクロロプレンを下記(A)の存在下、水性ラジカ
    ル乳化重合した後、該重合ラテックスに炭化水素系停止
    剤を添加することを特徴とする請求項1記載のポリクロ
    ロプレンゴム製造法。 (A)分子量が500以上の成分を含有しない不均化ロ
    ジンのアルカリ金属塩とC11〜C15のアルキルベンゼン
    スルフォン酸アルカリ金属塩、C12〜C15のアルキルス
    ルフォン酸アルカリ金属塩、C11〜C17の高級脂肪酸ア
    ルカリ金属塩、C12〜C18のアルキル硫酸エステルアル
    カリ金属塩、C3 〜C5 のアルキルナフタリンスルフォ
    ン酸アルカリ金属塩、C11〜C15のアルキルジフェニル
    エーテルスルフォン酸アルカリ金属塩、C10〜C20のジ
    アルキルスルフォコハク酸アルカリ金属塩、HLBの値
    が15以下であるポリオキシエチレンノニルフェニルエ
    ーテル、HLBの値が15以下であるポリオキシエチレ
    ンラウリルエーテルから選ばれた一種以上の乳化分散剤
    からなる乳化・分散剤系
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリクロロプレンゴムを接
    着剤の原料として用いる方法。
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