JP7104299B2 - クロロプレン重合体ラテックスとその製造方法 - Google Patents

クロロプレン重合体ラテックスとその製造方法 Download PDF

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本発明はクロロプレン重合体ラテックスとその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、浸漬成型により優れた柔軟性と力学物性を有する加硫ゴム製品を得ることのできるクロロプレン重合体ラテックスとその製造方法に関するものである。
クロロプレン重合体ラテックスは、機械的強度、耐候性、耐油性、耐熱性、難燃性、接着性などのバランスが良好であるため、手袋や被膜等の浸漬成型体、糸ゴム、接着剤、表面処理剤などの用途として幅広く用いられている。特に手袋用途においては従来天然ゴムラテックスが用いられてきたが、天然ゴムに含まれるタンパク質等による医療従事者や患者のアレルギーが問題となるため、合成ゴム手袋が勧められてきた(特許文献1)。中でもクロロプレンゴムは柔軟性や風合い等各種物性が天然ゴムに近いため、天然ゴム手袋からの代替が進められている。
しかしながらクロロプレン重合体ラテックスを用いた手袋は天然ゴムやイソプレンゴムと比べて柔軟性などの物性が劣るため、更なる物性の向上が望まれてきた。手袋等浸漬用途に用いられるクロロプレン重合体ラテックスは、液中の重合体固形分を高く保つため、また優れた作業性(成型時の未加硫状態での変形防止、型からの離型性など)を得るために重合転化率を高く設定し、単離した重合体を1重量%トルエン溶液にした際に溶け残る超高分子重合体(ゲルと呼称する)を含ませる必要がある。ゲルはラテックス粒子内で高度に架橋しており、これを含むクロロプレン重合体ラテックスを手袋用途に使用することにより高い破断強度や耐摩耗性などの物性や優れた作業性を得ることができる(特許文献2)。
一方で手袋に必要な物性として柔軟性が挙げられ(特許文献3)、ゴム物性としては低伸び時の引張応力(モジュラス)が相当する。しかし前述のゲルを含んだクロロプレンゴムを用いた手袋では低伸び時の引張応力が高くなり柔軟性が劣るため、高い破断強度を有したまま天然ゴムやイソプレンゴムに匹敵する柔軟性を有し、かつ良好な作業性を持つクロロプレン重合体ラテックスが望まれてきた。
特開2017-214593号公報 特許5428305号公報 特開2011-122141号公報
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、浸漬成型により加硫ゴム製品を与え得るクロロプレン重合体ラテックスであり、破断強度等の力学特性を維持し、優れた柔軟性すなわち低伸長時の低モジュラスの両立を可能とした加硫ゴムを与えうるクロロプレン重合体ラテックスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち本発明は、1重量%トルエン不溶分量が15~85重量%であり、トルエン可溶なゾル部分の重量平均分子量が20万~50万であるクロロプレン重合体を含むクロロプレン重合体ラテックスであって、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤をラテックス100重量%に対して1.5~8.0重量%含有することを特徴とするクロロプレン重合体ラテックスである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは、重合体中の1重量%トルエン不溶分量が15~85重量%であり、トルエン可溶なゾル部分の重量平均分子量が20万~50万であるクロロプレン重合体を含むクロロプレン重合体ラテックスである。クロロプレン重合体の1重量%トルエン不溶分量が15%未満では加硫物の耐摩耗性や離型性に劣り、1重量%トルエン不溶分量が85%より多いと加硫物の破断強度や柔軟性に劣る。クロロプレン重合体のトルエン可溶なゾル部分の重量平均分子量が20万未満では加硫物の耐摩耗性や離形性に劣り、50万を超えると加硫物の柔軟性に劣る。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を、ラテックス中1.5~8.0重量%含有する。含有するロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1以上の場合は、浸漬成型により得られた加硫ゴムを浸漬成型用の型から剥がすことが困難となり、離型性に劣る。また、ラテックス100重量%に対してロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の含有量が1.5重量%より少ない場合はラテックスの貯蔵安定性に劣り、8.0重量%より多い場合は浸漬成型時に形成される被膜が形成されにくく、生産性に劣る。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスの製造方法について以下に説明する。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは、1重量%トルエン不溶分量が70重量%以上であるクロロプレン重合体Aを含むラテックスと、1重量%トルエン不溶分量が10重量%以下であるクロロプレン重合体Bを含むラテックスとを混合することで得られる。AとBとの混合比は重量比で2:8~8:2であることが好ましい。Aの1重量%トルエン不溶分量が70重量%未満の場合はラテックス粒子中の重合体架橋密度が低く、浸漬成型により得られる加硫ゴムの架橋密度が十分に高くならず破断強度等の加硫物性に劣る。Bの1重量%トルエン不溶分量が10重量%より大きいとラテックス粒子中の重合体架橋密度の低い成分が少なく、浸漬成型により得られる加硫ゴムの低伸長時のモジュラスが高くなるため柔軟性に劣る。AとBの混合比が2:8~8:2の範囲であれば、高破断強度と柔軟性のバランスに優れた加硫物が得られるため好ましい。
クロロプレン重合体ラテックスが含有するクロロプレン重合体の原料としては、クロロプレン単独、又はクロロプレン及びこれと共重合可能な単量体との混合物が用いられる。共重合可能な単量体としては、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、2-シアノ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、1,3-ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられ、このうち単独でまたは2種類以上を併用することができる。これら単量体を含む量は特に限定するものではないが、浸漬成型により得られる加硫ゴムの性質を損なわない程度で、0~20重量%が好ましい。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスの製造方法では、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン炭化水素、アルキルキサントゲンジスルフィド、アルキルキサントゲンポリスルフィド、硫黄等の分子量調節剤等があげられ、これらのうち、作業性の面からn-ドデシルメルカプタン、アルキルキサントゲンジスルフィドが好ましい。連鎖移動剤の量としては、分子量調整のため一般のラジカル重合で使用される量であれば特に限定するものではないが、得られる重合体の分子量を目的通りにし、さらに、浸漬成型により得られる加硫ゴムの柔軟性と良好な力学物性のため、連鎖移動剤以外の単量体混合物100重量%に対して0.01~1.0重量%であることが好ましい。特に、重合体中の1重量%トルエン不溶分量が70%以上である高分子量クロロプレン重合体ラテックスAを製造する際の連鎖移動剤の量としては、連鎖移動剤以外の単量体混合物100重量%に対して0.01~0.10重量%であることが好ましく、重合体中の1重量%トルエン不溶分量が10%以下である低分子量クロロプレン重合体ラテックスBを製造する際の連鎖移動剤の量としては、連鎖移動剤以外の単量体混合物100重量%に対して0.12~1.0重量%であることが好ましく、0.14~0.60重量%がさらに好ましい。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスを得るための乳化剤としては、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を使用する。アルカリ金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良い。このようロジン酸のアルカリ金属塩としては、荒川化学(株)製、ロンヂスK-25((8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)=0.5)等の市販品を使用することができる。
重合は、混合攪拌しながら10~50℃の温度で、重合系のpH7~13において触媒液を添加して行われることが望ましい。pH調節剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、アンモニア等の塩基性化合物のうち、いずれか1種類以上を単独または併用して用いる。
重合を開始させるための触媒(重合開始剤)としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド等が用いられる。
重合は、重合転化率40~99%程度まで行なわれ、次いで重合禁止剤を少量添加して停止させる。
重合禁止剤としては、例えば、チオジフェニルアミン、4-t-ブチルカテコール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ハイドロキノン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミンなどが挙げられ、このうち1種類以上を単独又は併用して用いる。
次いで得られたクロロプレン重合体ラテックスは、未反応単量体を減圧スチームストリッピング法などにより除去、回収し、クロロプレン重合体ラテックスを得る。得られた重合体中の1重量%トルエン不溶分量が70%以上であるクロロプレン重合体ラテックスAと、重合体中の1重量%トルエン不溶分量が10%以下であるクロロプレン重合体ラテックスBを重合体の重量比でA:B=2:8~8:2の範囲で混合することで、目的とするクロロプレン重合体ラテックスを得る。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは浸漬成形用に用いられる。浸漬成型にて加硫ゴム製品を製造するためには、通常の浸漬成型の手法が利用できる。例えば、本発明のクロロプレン重合体ラテックスに必要に応じて受酸剤、充填剤、補強剤、老化防止剤、可塑剤、滑剤、酸化亜鉛、加硫促進剤、硫黄等、またはそれらを水に分散させた分散液、さらに必要により乳化剤、粘度調節剤、pH調節剤を添加したラテックス組成物を作製し、その中へ硝酸カルシウム等の凝固剤を含浸させた目的とする加硫ゴム成型物の型を浸漬することで、型上にゴム膜を形成させる。さらにゴム膜を型とともに水に浸け、余分な乳化剤などを水洗除去した後、型とともにオーブン等で加熱し、乾燥および加硫するという手法等が挙げられる。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは、ラテックス粒子内のポリマー架橋密度が調整されており、容易に浸漬成型が可能でかつ浸漬加硫フィルムの高い破断強度と優れた柔軟性と力学物性を有する加硫ゴムを製造することができるため、これらの物性が要求される用途、例えば試験検査用手袋、医療用手袋などとして使用することができる。
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは、高分子量重合体と低分子量重合体を含むことにより、浸漬成型により作製された加硫ゴムにおいて優れた柔軟性と力学物性を両立することができる。
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1重量%トルエン不溶分量>
重合体中の1重量%トルエン不溶分量は、クロロプレン重合体ラテックスに酢酸を加えpH=6.0に調整したのちシャーレ上に広げて凍結させ、真空乾燥機による凍結乾燥により得た重合体を1%の濃度でトルエンに溶解し、20時間攪拌したのちに200メッシュの金網にて濾別される不溶分量として求めた。
<(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値>
使用するロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤をメチル化後、ガスクロマトグラフによる測定を実施し、各成分のピーク面積から8,15-イソピマル酸およびジヒドロピマル酸の比率[(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値]を算出した。既製品ラテックスの乳化剤分析においては、ラテックスを乾燥後、クロロホルムに溶解し、塩酸-メタノールにて再沈精製した後、ろ液を濃縮、メチル化し、ガスクロマトグラフによる測定を実施し、上記と同様に各成分のピーク面積から8,15-イソピマル酸およびジヒドロピマル酸の比率を算出した。
使用カラム:DB-5 0.25mmφ×30m(膜厚1μm)
カラム温度:150℃→300℃(30min保持)
昇温速度:5℃/min
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
注入量:1μl
<常態物性>
加硫物の常態物性は、得られた浸漬成型体から、ASTM D-412に準じてダンベル形状C型の試験片を用い、引張り速度500mm/分、23℃の条件により破断時の引張強度および破断時の伸び、100%伸長応力(モジュラス)、300%伸長応力、500%伸長応力を測定した。
実施例1
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n-ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(荒川化学(株)製、商品名ロンヂスK-25、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)=0.5)、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中40℃で重合を行った。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率90%で、重合停止剤として2,6-ターシャリーブチル-4-メチルフェノール0.05重量%を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去を行ない、ラテックスAとBを得た。得られたラテックスAとBを表1に示す比率で混合し、目的のクロロプレン重合体ラテックスを得た。
一方、酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤DPTU(N,N‘-ジフェニルチオウレア)、加硫促進剤DPG(1,3-ジフェニルグアニジン)それぞれを100重量%として、アンモニウムガゼイン3重量%、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物3重量%、蒸留水100重量%をそれぞれ混合し、ボールミルにて1日撹拌することにより、各配合剤の安定な懸濁液を作製した。
クロロプレン重合体ラテックス中の固形分量を100重量部として、酸化亜鉛5重量部、硫黄1重量部、加硫促進剤DPTUを3重量部、加硫促進剤DPGを2重量部%となるように各配合剤の懸濁液をクロロプレン重合体ラテックスへ添加し、24時間撹拌することによりラテックス組成物を作製した。
25%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、乾燥させた平板状の型をクロロプレン重合体ラテックス組成物に浸漬することで、平板上にゴムフィルムを凝集形成させた。次いで型とともに60℃温水に浸し、水溶性の不純物を溶出させた後、120℃の熱風乾燥機にて30分間加熱し乾燥および加硫を行なった。型からゴムを剥がし、厚さ0.25mm程度の加硫ゴムシートを得た。
次に得られた加硫ゴムシートの常態特性を測定した。加硫物特性を表1に示す。高破断強度と低モジュラスを有した、強度と柔軟性に優れる加硫ゴムが得られた。
実施例2~12
実施例1と同様に、それぞれ表1に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。いずれも高破断強度と低モジュラスを有した、強度と柔軟性に優れる加硫ゴムが得られた。
Figure 0007104299000001
比較例1,2,5
実施例1と同様に、表2に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。破断強度に劣った。
比較例3,4
実施例1と同様に、表1に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。破断強度と柔軟性に劣った。
比較例6
実施例1と同様に、表1に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。柔軟性に劣った。
比較例7
実施例1と同様に、表2に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。重合には、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)=6.7であるロジン酸カリウム(ハリマ化成(株)製、商品名バンディスT-25KP)を用いた。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。実施例と比較して平板と加硫シートの粘着が強く、離型性に劣った。
比較例8
実施例1と同様に、表2に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。重合には、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)=4.2であるロジン酸カリウム(ハリマ化成(株)製、商品名バンディスT-34K)を用いた。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。実施例と比較して平板と加硫シートの粘着が強く、離型性に劣った。
比較例9
実施例1と同様に、表2に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製し、浸漬操作を行なうことでそれぞれ加硫ゴムシートを得た。実施例と比較しフィルムの形成性が劣ったため、ムラの多い加硫ゴムシートを得た。結果、破断強度に劣った。
比較例10
実施例1と同様に、表2に示した組成で重合を行ない、目的のクロロプレンラテックス重合体を得た。次いで実施例1と同様にラテックス組成物を作製したが、24時間撹拌後にゴムの析出が見られ、平板への均一がフィルム形成ができなかった。
Figure 0007104299000002
本発明のクロロプレン重合体ラテックスは、容易に浸漬成型が可能でかつ浸漬加硫フィルムの高い破断強度と優れた柔軟性と力学物性を要求される用途、例えば試験検査用手袋、医療用手袋などとして使用することができる。

Claims (5)

  1. 1重量%トルエン不溶分量が15~85重量%であり、トルエン可溶なゾル部分の重量平均分子量が20万~50万であるクロロプレン重合体を含むクロロプレン重合体ラテックスであって、クロロプレン単量体、またはクロロプレン単量体と共重合可能なその他単量体と、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を使用し重合して得られた1重量%トルエン不溶分量が70重量%以上であるクロロプレン重合体Aを含むラテックスと、クロロプレン単量体、またはクロロプレン単量体と共重合可能なその他単量体と、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を使用し重合して得られた1重量%トルエン不溶分量が10重量%以下であるクロロプレン重合体Bを含むラテックスを混合して得られ、前記クロロプレン重合体Aとクロロプレン重合体Bの重量比が2:8~8:2であり、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を1.5~8.0重量%含有することを特徴とするクロロプレン重合体ラテックス。
  2. クロロプレン単量体、またはクロロプレン単量体と共重合可能なその他単量体と、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を使用し重合して得られた1重量%トルエン不溶分量が70重量%以上であるクロロプレン重合体Aを含むラテックスと、クロロプレン単量体、またはクロロプレン単量体と共重合可能なその他単量体と、(8,15-イソピマル酸の含有量)÷(ジヒドロピマル酸の含有量)の値が1より小さいロジン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を使用し重合して得られた1重量%トルエン不溶分量が10重量%以下であるクロロプレン重合体Bを含むラテックスとを、前記クロロプレン重合体Aとクロロプレン重合体Bの重量比が2:8~8:2で混合することを特徴とする、請求項1に記載のクロロプレン重合体ラテックスの製造方法。
  3. 10~50℃の温度で重合を行なうことを特徴とする請求項2に記載のクロロプレン重合体ラテックスの製造方法。
  4. 請求項1に記載のクロロプレン重合体ラテックスを含有することを特徴とする浸漬成形用ラテックス組成物。
  5. 請求項4に記載の浸漬成形用ラテックス組成物から得られる加硫物。
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