JP2008137422A - 走行車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乗員が降車手続きをせずに降りてしまった場合、走行車両を迅速に安定に停車させる走行車両を提供する。
【解決手段】 車体2と、車体2に回転可能に支持された車輪12と、を有する走行車両1において、停車時に走行車両1の姿勢を補助する停車時姿勢補助手段90と、乗員の有無を検知する乗員検知装置54と、乗員Pが手続きをすることで走行車両1を停車させる降車手続手段55と、乗員Pが降車手続手段55の手続きをしないまま降車し、且つ、乗員検知手段54が乗員Pを検知しなかった場合、走行車両1を停車させ、停車時姿勢補助手段90により姿勢を補助する制御装置70と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体と、車輪と、車輪に対して車体の姿勢を制御する機構とを備えた走行車両に関する。
従来、同軸に配された左右の駆動輪の前方側または後方側で接地する補助輪と、該補助輪出没させる補助輪駆動部とを備え、補助輪を出して接地させた状態で乗降を行うことで、不安定感をなくすものがある(特許文献1参照)。
また、複数の車輪の接地点が略直線上に並ぶ移動車の停車時にスタンドを接地することで安定な姿勢を保持し、転倒の可能性が低減され、簡便な取り扱いが可能となるものがある(特許文献2参照)。
特開2004−74814号公報 特開2004−243845号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された発明では、車両の停止時等に乗員が降車スイッチ等での手続きをせずに降りてしまった場合、車両は無人のまま走行制御を続けることになり、燃料等のエネルギが無駄に使用される可能性があった。また、乗員が不在の状態では、人や物がぶつかる等の外乱により、車両が走行制御を実行し、動いてしまう可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するものであって、乗員が降車手続きをせずに降りてしまった場合、走行車両を迅速に安定に停車させるので、燃料等のエネルギの無駄がなくなり、外乱により動いてしまうこともない走行車両を提供することを目的とする。
そのために本発明は、車体と、前記車体に回転可能に支持された車輪と、を有する走行車両において、停車時に前記走行車両の姿勢を補助する停車時姿勢補助手段と、乗員の有無を検知する乗員検知装置と、乗員が手続きをすることで走行車両を停車させる降車手続手段と、乗員が前記降車手続手段の手続きをしないまま降車し、且つ、前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった場合、前記走行車両を停車させ、前記停車時姿勢補助手段により姿勢を補助する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
また、前記制御装置は、停車時に操縦装置を無効にすることを特徴とする。
また、前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった時点からカウントするタイマを備え、前記制御手段は、前記タイマにより所定時間カウントされた後、前記走行車両を停車させることを特徴とする。
また、前記走行車両の所定範囲を監視する周辺監視装置をさらに備え、前記周辺監視装置が、前記所定範囲内に何も検知しなかった場合に、前記走行車両を停車させることを特徴とする。
また、前記制御装置は、前記走行車両が停車時に通過・占有する停車時移動空間マップを記憶した記憶手段を有し、前記所定範囲は、前記停車時移動空間マップであることを特徴とする。
また、前記周辺監視装置は、前記停車時移動空間マップ内を監視する第1センサと、前記停車時移動空間マップ外を監視する第2センサとを有し、前記制御装置は、前記第1センサが前記停車時移動空間マップ内に障害物等を検知した場合、前記障害物等までの距離を計測し、前記第2センサにより、前記検知した障害物等までの距離と同じ距離内に他の障害物が存在するか検知し、検知しなかった場合、前記走行車両を障害物が検知されない方向に移動させて停車することを特徴とする。
また、前記制御装置は、停車後に点灯手段を点灯させることを特徴とする。
また、前記停車時姿勢補助手段は、通常時は格納され、停車時に突出することを特徴とする。
本発明は、車体と、前記車体に回転可能に支持された車輪と、を有する走行車両において、停車時に前記走行車両の姿勢を補助する停車時姿勢補助手段と、乗員の有無を検知する乗員検知装置と、乗員が手続きをすることで車両を停車させる降車手続手段と、乗員が前記降車手続手段の手続きをしないまま降車し、且つ、前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった場合、前記走行車両を停車させ、前記停車時姿勢補助手段により姿勢を補助する制御装置と、を備えたので、燃料等のエネルギの無駄がなくなり、外乱により動いてしまうこともなくなる。
また、前記制御装置は、停車時に操縦装置を無効にするので、誤って何かが触れてしまっても、暴走することがない。
また、前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった時点からカウントするタイマを備え、前記制御手段は、前記タイマにより所定時間カウントされた後、前記走行車両を停車させるので、落とした物の拾得や買い物等で乗員が一時的に降りる場合には、走行車両を停車させることがなく、再び乗車する際に何ら操作をする必要がない。
また、前記走行車両の所定範囲を監視する周辺監視装置をさらに備え、前記周辺監視装置が、前記所定範囲内に何も検知しなかった場合に、前記走行車両を停車させるので、障害物等に衝突する危険を防止することができる。
また、前記制御装置は、前記走行車両が停車時に通過・占有する停車時移動空間マップを記憶した記憶手段を有し、前記所定範囲は、前記停車時移動空間マップであるので、迅速に演算することができる。
また、前記周辺監視装置は、前記停車時移動空間マップ内を監視する第1センサと、前記停車時移動空間マップ外を監視する第2センサとを有し、前記制御装置は、前記第1センサが前記停車時移動空間マップ内に障害物等を検知した場合、前記障害物等までの距離を計測し、前記第2センサにより、前記検知した障害物等までの距離と同じ距離内に他の障害物が存在するか検知し、検知しなかった場合、前記走行車両を障害物が検知されない方向に移動させて停車するので、停車させることのできる範囲がより広くなる。
また、前記制御装置は、停車後に点灯手段を点灯させるので、周囲に走行車両が停車状態にあることを知らせることができ、より安全になる。
また、前記停車時姿勢補助手段は、通常時は格納され、停車時に突出するので、通常走行時に邪魔になることがない。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態における走行車両1の正面図であり、図1(b)は、走行車両1の側面図である。なお、図1では、乗員Pが座席11aに着座した状態を示している。また、図1の矢印U−D,L−R,F−Bは、走行車両1の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
まず、走行車両1の概略構成について説明する。走行車両1は、図1に示すように、乗員Pが乗車する乗員部11を含む車体2と、その乗員部11の下方(図1下側)に設けられる左右(一対)の車輪12L,12Rと、それら左右の車輪12L,12Rに回転駆動力を付与する回転駆動装置52(図6参照)とを主に備え、旋回時には、左右の車輪12L,12Rにキャンバ角を付与すると共に、車輪の回転駆動力に差を設け、乗員部11を旋回内輪側へ傾斜させることで旋回性能の向上と乗員Pの快適性の確保とを図ることができるように構成されている。
次いで、各部の詳細構成について説明する。乗員部11は、図1に示すように、座席11a、アームレスト11b、フットレスト11cを主に備える。座席11aは、走行車両1の走行中に乗員Pが着座するための部位であり、乗員Pの尻部を支持する座面部11a1と、乗員Pの背部を支持する背面部11a2とを主に備えて構成されている。
座席11aの左右両側(矢印L側及び矢印R側)には、図1に示すように、乗員Pの上腕節を支持するための一対のアームレスト11bが設けられている。アームレスト11bの一方(矢印R側)には、ジョイスティック装置51が取着されている。乗員Pは、ジョイスティック装置51を操作して、走行車両1の走行状態(例えば、進行方向、走行速度、旋回方向、或いは、旋回半径など)を指示する。
座席11aの前方側(矢印F側)下方には、図1に示すように、乗員Pの足部を支持するためのフットレスト11cが配設されている。また、座席11aの後方側(矢印B側)には、ケース11dが配設され、座席11の底面側(矢印D側)には、バッテリー装置(図示せず)などが配設されている。
なお、バッテリー装置は、後述する回転駆動装置52及びアクチュエータ装置53の駆動源である(いずれも図2参照)。また、ケース11dには、後述する制御装置70(図2参照)、各種センサ装置或いはインバータ装置(いずれも図示せず)などが収納されている。
左右の車輪12L,12Rは、後述するリンク機構30に支持されており、リンク機構30は、後述する連結リンク40を介して、乗員部11に連結されている(図6及び図7参照)。詳細構成については、後述する。
また、リンク機構30の下部には、停車時姿勢補助手段の一例としての補助バー90が設けられ、乗員Pが降車した後や走行時の走行車両1の転倒を防止する。
次いで、図2を参照して、走行車両1の電気的構成について説明する。図2は、走行車両1の電気的構成を示したブロック図である。
制御装置70は、走行車両1の各部を制御するための制御装置であり、図2に示すように、CPU71、記憶手段の一例としてのROM72及びRAM73を備え、これらはバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、ジョイスティック装置51等の複数の装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置である。 ROM72は、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであり、本実施形態では、停車時移動空間マップ72aを含んでいる。RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。
操作装置の一例としてのジョイスティック装置51は、上述したように、走行車両1を運転する際に乗員Pが操作する装置であり、乗員Pにより操作される操作レバー(図1参照)と、その操作レバーの操作状態を検出するための前後センサ51a及び左右センサ51bと、それら各センサ51a,51bの検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを主に備えている。
前後センサ51aは、操作レバーの前後方向(矢印F−B方向、図1参照)への操作状態(操作量)を検出するためのセンサであり、CPU71は、前後センサ51aの検出結果(操作レバーの前後操作量)に基づいて、回転駆動装置52の駆動状態を制御する。これにより、走行車両1は、乗員P示指示した走行速度で走行される。
左右センサ51bは、操作レバーの左右方向(矢印L−R方向、図1参照)への操作状態(操作量)を検出するためのセンサであり、CPU71は、左右センサ51bの検出結果(操作レバーの左右操作量)に基づいて、回転駆動装置52とアクチュエータ装置53との駆動状態をそれぞれ制御する。これにより、走行車両1は、運転者が指示した旋回半径で旋回される。
即ち、操作レバーが左右方向に操作されると、CPU71は、左右センサ51bの検出結果に基づいて、旋回方向と旋回半径とを判断し、左右の車輪12L,12Rが旋回内側へ傾斜されるように、アクチュエータ装置53を駆動制御すると共に(図8参照)、旋回半径に応じて左右の車輪12L,12Rが差動されるように、回転駆動装置52を駆動制御する。その結果、左右の車輪12L,12Rにキャンバ角が付与されると共に、乗員部11が旋回内側へ傾斜され、旋回性能の向上と乗員Pの快適性の確保とが達成される。
なお、このように、本発明の走行車両1では、左右の車輪12L,12Rにキャンバ角を付与して、キャンバスラストを発生させると共に、左右林の回転駆動力に差を設けることにより、走行車両1を旋回させる。よって、本実施の形態では、左右の車輪12L,12Rの中心線は互いに平行に保持されており、左右に操舵されることはない。但し、操舵機構を設けても良い。
回転駆動装置52は、左右の車輪12L,12Rを回転駆動させるための駆動装置であり、左の車輪12Lに回転駆動力を付与するLモータ52Lと、右の車輪12Rに回転駆動力を付与するRモータ52Rと、それら各モータ52L,52RをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路及び駆動源(いずれも図示せず)とを主に備えて構成されている。
アクチュエータ装置53は、後述するリンク機構30を屈伸させるための駆動装置であり、リンク機構30の前方側(図7参照、矢印F側)に配設されるFアクチュエータ53Fとリンク機構30の後方側(図7参照、矢印B側)に配設されるBアクチュエータ53Bと、それら各アクチュエータ53L,53RをCPU71からの命令に基づいて駆動制御する駆動回路及び駆動源(いずれも図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各アクチュエータ53F,53Bが伸縮式の電動アクチュエータ、即ち、ボールねじ機構(外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝を内周面に有しねじ軸に嵌合されるナットと、それらナットとねじ軸の両ねじ溝の間に転勤可能に装填された多数の転動体と、ねじ軸又はナットを回転駆動する電動モータとを備え、ねじ軸又はナットが電動モータにより回転駆動されることで、ねじ軸がナットに対して相対移動する機構)を利用した伸縮可能な電動アクチュエータとして構成されている。
乗員検知装置54は、乗員部11に備えた座席11aの座面部11a1下に配置する重量センサ等を配置することにより構成する。また、乗員部11に赤外線センサ等を配置してもよい。
降車手続手段の一例としての降車スイッチ55は、回転駆動装置52やアクチュエータ装置53等の電源を切断するスイッチで、乗員Pが降車し、走行制御を停止し、走行車両を停車させる際に使用する。
タイマ56は、後述する停車時制御の際に使用するもので、乗員検知装置54が乗員Pを検出せず、且つ、降車スイッチ55による電源OFFが実行されない場合にカウントを行うもので、乗員Pの降車が一時的なものかを判断するために使用される。
周辺監視装置57は、前方センサ57a及び後方センサ57bを有し、走行車両1周辺の障害物Oの有無を確認するための装置であり、例えば、レーザ、ミリ波、超音波等のレーダやカメラ等による画像処理により確認する。前方センサ57aは走行車両1の前方を、後方センサ57bは車両1の後方を監視する。なお、本実施形態では、説明を簡易にするため、前方センサ57aと後方センサ57bという構成にしたが、後述する停車時移動空間マップ72aに基づき、当該停車時移動空間マップ72aの内側を検出する第1センサと、停車時移動空間マップ72aの外側を検出する第2センサとして構成することも可能である。
点灯手段の一例としての警告灯58は、走行車両1が停車状態となった時に点灯させ、周囲に走行車両1の停車状態を知らせるものである。
図2に示す他の入出力装置59としては、例えば、走行車両1の走行状態(走行速度や走行距離など)を検出する検出装置、その検出装置により検出された走行状態を表示して乗員Pに報知する表示装置(図示せず)、或いは、走行車両1に作用する加速度を検出する加速度センサなどが例示される。
次いで、図3を参照して、L及びRモータ52L,52Rについて説明する。図3(a)は、Rモータ52Rの正面図であり、図3(b)は、Rモータ52Rの側面図である。なお、Lモータ52LとRモータ52Rとは互いに同一に構成されるものであるので、Lモータ52Lについての説明は省略する。
Rモータ52Rは、上述したように、右の車輪12Rに回転駆動力を付与するための駆動装置であり、電動モータとして構成されている。また、Rモータ52Rは、いわゆるインホイールモータとして構成され、図3に示すように、走行車両1の外方側(矢印R側)にはハブ52aが、走行車両1の内方側(矢印L側)には上部及び下部軸支プレート52b,52cが、それぞれ配設されている。
ハブ52aは、右の車輪12Rのホイール12Raがハブナット及びハブボルトにより締結固定される部位であり(図6及び図7参照)、図3(a)に示すように、Rモータ52Rの駆動軸(図示せず)の軸心Oと同心の円板状に形成されている。Rモータ52Rの駆動軸が回転駆動されると、その回転が、ハブ52aを介して、ホイール12Ra伝達され、右の車輪12Rが回転駆動される。
上部軸支プレート52b及び下部軸支プレート52cは、後述する上部リンク31及び下部リンク32の端部をそれぞれ軸支するための部材であり(図6及び図7参照)、図3に示すように、Rモータ52Rの側面(矢印L側面)に溶接固定されている。また、上部及び下部軸支プレート52b,52cには、上部及び下部リンク3 1,32を軸支するための貫通孔52b1,52c1がそれぞれ穿設されている。
なお、上部及び下部軸支プレート52b,52cは、図3(b)に示すように、それぞれ一対が所定間隔を隔てつつ互いに対向して配設されている。本実施の形態では、これら両対向間隔(矢印F−B方向才法)が互いに等しい寸法に設定されている。
また、本実施の形態では、上部軸支プレート52bの貫通孔52b1と下部軸支プレート52cの貫通孔52c1とを結ぶ仮想線がRモータ52Rの軸心Oと直交するように構成されている。これにより、後述するように、リンク機構30を4節の平行リンク機構として構成することができる(図8参照)。
次いで、図4を参照して、上部リンク31及び下部リンク32について説明する。図4(a)は、上部リンク31及び下部リンク32の正面図であり、図4(b)は、上部リンク31及び下部リンク32の上面図である。
上部リンク31及び下部リンク32は、R及びLモータ52R,52Lに両端が軸支され、それらR及びLモータ52R,52Lと共に4節のリンク機構を構成するための部材であり(図6乃至図8参照)、図4に示すように、互いに同一の形状、即ち、正面視略矩形の板状体として構成されている。
なお、上部及び下部リンク31,32の両端に穿設される貫通孔33R,33Lは、R及びLモータ52R,52Lの上部軸支プレート52b(貫通孔52b1)に軸支される部位であり、上部及び下部リンク31,32の長手方向(図4左右方向)中央部に穿設される貫通孔33Cは、後述する連結リンク40に軸支される部位である(図6乃至図8参照)。
また、本実施の形態では、2枚の上部リンク31と2枚の下部リンク32との両端をそれぞれRモータ52R及びLモータ52Lに軸支して、リンク機構30を構成する。詳細については、後述する(図6及び図7参照)。
次いで、図5を参照して、連結リンク40について説明する。図5(a)は、連結リンク40の正面図であり、図5(b)は、連結リンク40の側面図であり、図5(c)は、連結リンク40の上面図である。
連結リンク40は、リンク機構30と乗員部11とを連結するための部材であり、連結部材41と乗員支持部材42とを主に備える。連結部材41は、上部及び下部リンク31,32との連結部となる部位であり、図5(b)に示すように、側面視略U字状に形成され、その上端部が後述する乗員支持部42に接続されている。
なお、図5(a)に示すように、連結部材41の上方(矢印U側)に穿設される貫通孔43aは、上部リンク31の貫通孔33Cに軸支される部位であり、連結部材41の下方(矢印D側)に穿設される貫通孔43bは、下部リンク32の貫通孔33Cに軸支される部位である(図6乃至図8参照)。
乗員支持部42は、乗員部11(座席11a)を底面側(矢印D側、図6参照)から支持するための部材であり、図5(a)に示すように、正面視略U字状に形成される一対の部材が、図5(b)及び図5(c)に示すように、棒状体により連結され一体化されている。
次いで、図6及び図7を参照して、リンク機構30の詳細構成について説明する。図6は、リンク機構30の正面図であり、図7は、リンク機構30の上面図である。なお、図6及び図7では、図面を簡略化して理解を容易とするために、アームレスト11bやフットレスト11cなどの図示が省略されると共に、左右の車輪12L,12Rや連結リンク40などが断面視されている。
図6及び図7に示すように、上部リンク31の両端がRモータ52R及びLモータ52Lの上部軸支プレート52bに回転可能に軸支され、同様に、下部リンク32の両端がRモータ52R及びLモータ52Lの下部軸支プレート52cにそれぞれ回転可能に軸支されることで、これら上部及び下部リンク3 1,32とR及びLモータ52R,52Lとにより、4節のリンク機構30が平行リンクとして構成される。
ここで、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、一対のモータ装置(即ち、L及びRモータ52L,52R)が左右の車輪12L,12Rに回転駆動力を付与する回転駆動装置として機能するように構成したので、例えば、デファレンシヤル装置を設けると共にそのデファレンシヤル装置と左右の車輪12L,12Rとを等速ジョイントにより連結するといった複雑な構成を設けることなく、左右の車輪12L,12Rを差動させることができる。
同時に、本実施の形態では、かかる一対のモータ装置(L及びRモータ52L,52R)が回転駆動装置と左右(一対)の車輪支持体とを兼用する構成としたので、部品点数を低減して、構造を簡素化することができる。その結果、軽量化や部品・組立コストの削減を図ることができる。
また、図6及び図7に示すように、連結リンク40は、連結部材41が上部リンク31及び上部リンク32に軸支されると共に、乗員支持部材42が乗員部11(座席11a)を底面側から支持する。これにより、後述するように、リンク機構30の屈伸に伴って、連結リンク40を傾斜させることができ、その結果、乗員部11を旋回内輪側へ傾斜させることができる(図8参照)。
また、図6及び図7に示すように、リンク機構30の前方側(矢印F側)及び後方側(矢印B側)には、Fアクチュエータ53F及びBアクチュエータ53Bがそれぞれ配設されている。F及びBアクチュエータ53F,53Bは、上述したように、リンク機構30を屈伸させるための駆動装置であり、その両端が4節のリンク機構30の互いに隣り合わない支持軸に接続されている。
即ち、図6及び図7に示すように、Fアクチュエータ53Fは、その下端(本体節側)がRモータ52Rの下部軸支プレート52cに支持軸80Fcを介して軸支される一方、その上端側(ロッド側)がLモータ52Lの上部軸支プレート52bに支持軸80Fbを介して軸支される。これにより、Fアクチュエータ53Fが4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛けされる。
また、図7に示すように、Bアクチュエータ53Bは、その下端(本体節側)がLモータ52Lの下部軸支プレート52cに支持軸80Bdを介して軸支される一方、その上端側(ロッド側)がRモータ52Rの上部軸支プレート52bに支持軸80Baを介して軸支される。これにより、Bアクチュエータ53Bが4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛けされる。また、これらF及びBアクチュエータ53F,53Bが互いに交差する向きに配置される。
このように、F及びBアクチュエータ53F,53Bの両端を4節のリンク機構30の互いに隣り合わない支持軸に接続(即ち、4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛け)したので、力の作用点(例えば、図6に示すように、Fアクチュエータ53Fであれば、支持軸80Fb及び支持軸80Fc)から回転中心(Fアクチュエータ53Fの両端が接続されない残りの支持軸80Fa及び支持軸80Fd)までの距離を最大として、その分、リンク機構30の屈伸に必要な駆動力を小さくすることができる。
その結果、リンク機構30の屈伸をスムーズ(即ち、高速高精度)に行うことができると共に、アクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)に要求される駆動性能を低く抑えることができるので、アクチュエータやその駆動源などを小型化して、軽量化と部品コストの削滅とを図ることができる。
また、上記した力の作用点から回転中心までの距離を長くするべくアームをリンク機構30に更に設ける場合には、そのアームの分だけ重量が嵩むと共に、リンク機構30の屈伸時にアームやアクチュエータがリンク機構の外形よりも外方に突出し、小型化を図ることができない。
これに対し、本実施の形態のように、アクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)の両端をリンク機構の対角線上にたすき掛けする構成であれば、アームを設けることなく上記の距離を最大とすることができると共に、リンク機構30の屈伸時にアクチュエータがリンク機構の外形から外方に突出することを回避して、小型化を図ることができる。
また、上述したように、一対のアクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)を互いに交差する向きに配置したので、これらを互いに同方向に配置する場合と比較して、リンク機構30をいずれの方向へも均等に屈伸させ、旋回動作の安定性を確保することができる。
例えば、1のアクチュエータを4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛けする構成では、リンク機構30を中立位置から1の方向(例えば、右旋回に対応)へ屈伸させるべく、アクチュエータを伸長させると、その伸長に伴って、力の作用方向とリンク機構20の節との成す角度(例えば、図8(b)において、Fアクチュエータ53FとLモータ52Lとの成す角度)が漸次O゜に近づく。
即ち、アクチュエータからリンク機構30に作用する力の内のリンク機構30の節を回転させるための力成分(即ち、1の節の回転中心と力の作用点とを接続する仮想線に対して直交する方向の力成分、例えば、図8(b)において、Lモータ52Lを1の節とした場合には、その1の節の回転中心は支持軸80Fdであり、力の作用点は支持軸80bとなる。よって、仮想線は、これら支持軸80Fdと支持軸80Fbを接続する線となる)の割合が減少される。
一方、リンク機構30を中立位置から他の方向(左旋回に対応)へ屈伸させるべく、アクチュエータを短縮させると、その短縮に伴って、力の作用方向とリンク機構30の節との成す角度が漸次9 0゜ に近づく。
即ち、アクチュエータからリンク機構30に作用する力の内のリンク機構30の節を回転させるための力成分(即ち、1の節の回転中心と力の作用点とを接続する仮想線に対して直交する方向の力成分)の割合が増加される。
このように、リンク機構30を屈伸させる場合、アクチュエータを伸長させる工程では、短縮させる工程よりも大きな駆動力が必要とされる(言い換えれば、アクチュエータを短縮させる工程は、伸長させる工程よりも少ない駆動力でリンク機構30を屈伸させることができる)。
従って、アクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)を一対備える場合、これら一対のアクチュエータを互いに同方向に配置したのでは、リンク機構30を1の方向へ屈伸させる(即ち、アクチュエータを伸長させる)工程と他の方向へ屈伸させる(即ち、アクチュエータを短縮させる)工程とに要する駆動力がそれぞれ異なることとなるため、リンク機構30の屈伸量や屈伸速度を両方向(即ち、右旋回及び左旋回)で高精度に一致させることが困難となる。
その結果、リンク機構30の屈伸、即ち、走行車両1の旋回動作が不安定となり、乗員Pの操作感や旋回性能の悪化を招くという不具合が生じる。更に、アクチュエータの作動制御が複雑化して、制御コストの増大を招く。
これに対し、本実施形態では、一対のアクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)を互いに交差する向きに配置したので、リンク機構30のいずれの方向への屈伸も同じ駆動力で行うことができ、屈伸動作(旋回性能)の安定性を確保することができると共に、CPU71の制御コストの削減を図ることができる。
なお、本実施の形態では、図6及び図7に示すように、F及びBアクチュエータ53F,53Bの本体節側がロッド側よりも下方に位置するように配置した。これにより、重量が嵩む部位を走行車両1の下方に位置させ、走行車両1の重心位置を下げることができるので、その分、旋回性能の向上を図ることができる。
図6及び図7に示すように、リンク機構30の前方側(矢印F側)及び後方側(矢印B側)には、弾性ばね装置60F,60Bがそれぞれ配設されている。これら弾性ばね装置60F,60Bは、リンク機構30がいずれの方向へ屈伸された場合でも、そのリンク機構30に付勢力を付勢して中立位置へ復帰させるための駆動装置であり、金属製のコイルスプリングとして構成されている。
これら弾性ばね装置60F,60Bは、互いに同一材料から同一の形状に構成されており、上述したF及びBアクチュエータ53F,53Bの場合と同様に、その両端が4節のリンク機構30の互いに隣り合わない支持軸に接続されている。
即ち、図6及び図7に示すように、弾性ばね装置60Fは、その下端側がLモータ52Lの下部軸支プレート52cに支持軸80Fdを介して軸支される一方、その上端側がRモータ52Rの上部軸支プレート52bに支持軸80Faを介して軸支される。これにより、弾性ばね装置60Fが、Fアクチュエータ53Fと直交しつつ、4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛けされる。
また、図7に示すように、弾性ばね装置60Bは、その下端がRモータ52Rの下部軸支プレート52cに支持軸80Bcを介して軸支される一方、その上端側がLモータ52Lの上部軸支プレート52bに支持軸80Bbを介して軸支される。これにより、弾性ばね装置60Bが、Bアクチュエータ53Bと直交しつつ、4節のリンク機構30の対角線上にたすき掛けされる。また、これら弾性ばね装置60F,60Bも互いに交差する向きに配置される。
このように、本実施の形態では、弾性ばね装置60F,60Bを備え、リンク機構30がいずれの方向へ屈伸される場合でも、そのリンク機構30へ付勢力を付勢して中立位置へ復帰させることができるので、F及びBアクチュエータ53F,53Bを常時駆動してリンク機構30を中立位置に保持することを不要とすることができる。よって、リンク機構30を中立位置に保持するための制御及び駆動を不要として、制御コスト及び駆動コストの削減を図ることができる。
また、F及びBアクチュエータ53F,53Bの駆動は、リンク機構30をいずれかの方向へ屈伸させる場合のみ行えば良く、リンク機構30を中立位置へ復帰させるための駆動を不要とすることができるので、その分、駆動コストの削減を図ることができる。但し、中立位置への復帰工程においても、F及びBアクチュエータ53F,53Bを駆動するように構成しても良い。これにより、復帰工程の高速化や旋回状態の安定化を図ることができる。
更に、本実施の形態では、上述したように、弾性ばね装置60F,60Bを互いに交差する向きに配置したので、上述したアクチュエータ(F及びBアクチュエータ53F,53B)の場合と同様に、互いに同方向に配置する場合と比較して、リンク機構30の中立位置への復帰動作や保持動作を安定して行うことができる。
次いで、このように構成されたリンク機構30の動作について説明する。図8は、リンク機構30の屈伸動作を説明するための模式図であり、リンク機構30の正面図に対応する。なお、図8では、R及びLモータ52R,52L等が模式的に図示されると共に、弾性ばね部材60F等の図示が省略されている。
図8(a)に示すように、リンク機構30が中立位置にある場合には、左右の車輪12L,12Rのキャンバ角はO゜である。また、連結リンク40の傾斜角もO゜である。そして、Fアクチュエータ53Fが伸長駆動されると、目8(b)に示すように、リンク機構30が屈伸され、左右の車輪12L,12Rに所定のキャンバ角θR,θLが付与されると共に、連結リンク40に所定の傾斜角θCが付与される。
なお、本実施の形態では、リンク機構30が平行リンク機構として構成されているので、キャンバ角θR,θLと傾斜角θCとは全て同値となる。また、Fアクチュエータ53Fが伸長駆動(短絡駆動)される場合には、Bアクチュエータ53Bは短絡駆動(伸長駆動)される。
次に、走行車両1の停車時制御について説明する。まず、本実施形態の停車時制御における停車について説明する。図9は走行車両1の走行制御時と停車時とを示す。図9(a)は通常の走行制御時であり、図9(b)は停車時である。
本実施形態の停車時制御における停車とは、図9(b)に示すように、走行車両1を車輪12及び停車時姿勢補助手段90により3点以上で接地させることにより、静的な安定を保持することをいう。この場合、走行駆動のための電源はOFFとし、通常の走行制御は実行しない。
図10及び図11は、本実施形態のフローチャートを示す。図10はメイン処理、図11はサブルーチンの自動停車処理である。まず、ステップ1で、通常走行制御を実行する(ST1)。次に、ステップ2で、降車スイッチ55がONとなったか判断する(ST2)。
ここで、先に降車スイッチ55がONとされた場合を説明する。降車スイッチ55がONとされた場合、ステップ11で、ジョイスティック装置51の操作を無効とする(ST11)。次に、ステップ12で、周辺監視装置57の前方センサ57aの値を取得する(ST12)。
続いて、ステップ13で、前方センサ57aの値を取得した結果、障害物Of等のある位置と停車に伴い走行車両1が傾斜又は移動する停車時移動空間マップ72aとを比較し、停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在しないことを確認する(ST13)。停車時移動空間マップ72aとは、図12に示すように、走行車両1が、停車のために傾斜又は移動することにより、通過・占有する空間を表す三次元データのことである。なお、余裕を持たせるためにマージンを加え、通過・占有する空間より大きい空間を停車時移動空間マップ72aとしてもよい。
停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在しないことを確認した場合、ステップ14で、走行車両1を停車させ、乗員が降車できるようにする(ST14)。
停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在した場合、ステップ21で、周辺監視装置57の後方センサ57bにより後方の障害物Or等までの距離Dの値を取得する(ST21)。
次に、ステップ22で、後方の安全を確認する(ST22)。後方の安全の確認方法は、図13に示すように、まず、ステップ13で前方センサ57aが確認した障害物Of等までの距離と、停車時移動空間マップ72aとを比較して、停車するために必要な後進距離Lを算出する。次に、ステップ21で周辺監視装置57の後方センサ57bが取得した後方の障害物Or等までの距離Dと、停車するために必要な後進距離Lとを比較して、D>Lの関係があるか判断する。
D>Lの関係となり、後方の安全を確認できた場合、ステップ23で、障害物Of等を避けるために後方に移動する(ST23)。その後、ステップ14に進み、走行車両1を停車させる。
D>Lの関係とならず、後方の安全を確認できなかった場合、ステップ31で、「移動させてください」等の警告メッセージを出力する(ST31)。次に、ステップ32で、降車スイッチ55がOFFとなっているか確認する(ST32)。降車スイッチ55がOFFとなっていた場合、ステップ33で、ジョイスティック装置51を有効にする(ST33)。その後、ステップ1の通常走行制御に戻る。降車スイッチ55がOFFとなっていなかった場合、ステップ12に戻り、障害物Of等が移動しているか、周辺監視装置57により再び障害物Of等の有無を検出する。
次に、ステップ2で、降車スイッチ55がONとなったか判断した結果、降車スイッチ55がONとされていない場合を説明する。
降車スイッチ55がONとされていない場合、ステップ3で、乗員検知装置54の値を取得する(ST3)。次に、ステップ4で、乗員検知装置54の値を取得した結果、乗員が降車しているかどうか判断する(ST4)。乗員が降車している場合、ステップ5で、サブルーチンの自動停車処理制御に入る(ST5)。乗員が降車していない場合は、ステップ1に戻り、通常走行制御を実行する。
次に、図11に示すステップ5の自動停車処理制御を説明する。まず、ステップ101で、タイマ56をスタートさせる(ST101)。次に、ステップ102で、ジョイスティック装置51を無効にする(ST102)。続いて、ステップ103で、周囲に警告を知らせる点灯手段としての警告灯58をONとする(ST103)。次に、ステップ104で、乗員検知装置54の値を取得する(ST104)。そして、ステップ105で、乗員が再び走行車両1に乗車したかを判断する(ST105)。
ここで、乗員が再び走行車両1に乗車した場合、ステップ121で、ジョイスティック装置51を有効にする(ST121)。そして、ステップ122で、戻り値を再乗車とし(ST122)、自動停車処理を終了する。
乗員が再び走行車両1に乗車していなかった場合、ステップ106で、タイマ56により一定時間経過したかを判断する(ST106)。一定時間経過していなかった場合、ステップ104に戻る。
一定時間経過していた場合、次に、ステップ107で、周辺監視装置57の前方センサ57aの値を取得する(ST107)。
続いて、ステップ108で、前方センサ57aの値を取得した結果、障害物Of等のある位置と停車に伴い走行車両1が傾斜又は移動する停車時移動空間マップ72aとを比較し、停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在しないことを確認する(ST108)。停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在しないことを確認した場合、ステップ109で、走行車両1を停車させ、乗員が降車できるようにする(ST109)。
停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等が存在した場合、ステップ131で、周辺監視装置57の後方センサ57bにより後方の障害物Or等までの距離Dの値を取得する(ST131)。次に、ステップ132で、後方の安全を確認する(ST132)。後方の安全の確認方法は、ステップ22と同様に、図13に示すように、まず、ステップ108で前方センサ57aが確認した障害物Of等までの距離と、停車時移動空間マップ72aとを比較して、停車するために必要な後進距離Lを算出する。次に、ステップ21で周辺監視装置57の後方センサ57bが取得した後方の障害物Or等までの距離Dと、停車するために必要な後進距離Lとを比較して、D>Lの関係があるか判断する。
D>Lの関係となり、後方の安全を確認できた場合、ステップ133で、障害物Of等を避けるために後方に移動する(ST133)。その後、ステップ109に進み、走行車両1を停車させる。D>Lの関係とならず、後方の安全を確認できなかった場合、ステップ104に戻る。
ステップ109で走行車両1を停止させた後、ステップ110で、電源をOFFとする(ST110)。続いて、ステップ111で、戻り値を電源OFFとし(ST111)、自動停車処理を終了する。
再び、図10に示すメイン処理に戻り、ステップ6で、ステップ5の自動停車処理の結果、戻り値が再乗車であるか判断する(ST6)。戻り値が再乗車である場合、ステップ1の通常走行制御に戻る。戻り値が再乗車でなく、電源OFFとなる場合、制御を終了する。
また、他の実施形態として、図14に示すように、停車時姿勢補助手段90を、通常走行時は、格納されているが、停車時制御の際に突出し接地することで、走行車両1の姿勢を保持し停車させるようにしてもよい。図14(a)は、補助脚91、図14(b)は、補助輪92を示す。さらに、図15に示すように、前後2本の補助脚93a,93bを突出し、接地するように構成してもよい。
このように、本実施形態の走行車両1では、乗員が降車スイッチ55の手続きをしないまま降車し、且つ、乗員検知装置54が乗員を検知しなかった場合、走行車両1を停車させ、停車時姿勢補助手段90により姿勢を補助する制御装置70と、を備えたので、燃料等のエネルギの無駄がなくなり、外乱により動いてしまうこともなくなる。
また、停車時に操縦装置であるジョイスティック装置51を無効にするので、誤って何かが触れてしまっても、暴走することがない。
また、タイマ56により所定時間カウントされた後、走行車両1を停車させるので、落とした物の拾得や買い物等で乗員が一時的に降りる場合には、走行車両1を停車させることがなく、再び乗車する際に何ら操作をする必要がない。
また、走行車両1の所定範囲を監視する周辺監視装置57をさらに備え、制御装置70は、周辺監視装置57が、所定範囲内に何も検知しなかった場合に、走行車両1を停車させるので、障害物Of等に衝突する危険を防止することができる。
また、制御装置70は、走行車両1が停車時に通過・占有する停車時移動空間マップ72aを記憶したROM72を有し、所定範囲は、停車時移動空間マップ72aであるので、迅速に演算することができる。
また、前方センサ57aが停車時移動空間マップ72a内に障害物Of等を検知した場合、前方における障害物Of等までの距離を計測し、後方センサ72bにより、前方における障害物Of等までの距離と同じ距離内に他の障害物Orが存在するか検知し、検知しなかった場合、走行車両1を後方に移動させて停車するので、停車させることのできる範囲がより広くなる。
また、停車後に点灯手段を点灯させるので、周囲に走行車両1が停車状態にあることを知らせることができ、より安全になる。
また、停車時姿勢補助手段90は、通常時は格納され、停車時に突出するので、通常走行時に邪魔になることがない。
(a)は、本発明の第1実施の形態における車両の正面図であり、(b)は、車両の側面図である。 車両の電気的構成を示したブロック図である。 (a)は、Rモータの正面図であり、(b)は、Rモータの側面図である。 (a)は、上部リンク及び下部リンクの正面図であり、(b)は、上部リンク及び下部リンクの上面図である。 (a)は、連結リンクの正面図であり、(b)は、連結リンクの側面図であり、(c)は、連結リンクの上面図である。 リンク機構の正面図である。 リンク機構の上面図である。 リンク機構の屈伸動作を説明するための模式図であり、(a)は中立位置にある状態を、(b)は屈伸された状態を、それぞれ示している。 本実施形態の停車状態を示す図である。 本実施形態のメイン処理のフローチャートである。 本実施形態のサブルーチンのフローチャートである。 本実施形態の停車時移動空間マップを示す図である。 本実施形態の後方安全確認方法を示す図である。 他の実施形態として停車時姿勢補助手段を示す図である。 他の実施形態として停車時姿勢補助手段を示す図である。
符号の説明
1…走行車両、2…車体、11…乗員部、11a…座席、12…車輪、30…リンク機構、51…ジョイスティック装置(操作手段)、52…回転駆動装置、53…アクチュエータ装置(車体左右傾斜装置)、54…乗員検知装置、55…降車スイッチ、56…タイマ、57…周辺監視装置、58・・・点灯手段、70…制御装置、71…CPU、72…ROM、72a…停車時移動空間マップ、73…RAM、74…バスライン、75…入出力ポート、90…補助バー(停車時姿勢補助手段)、91…補助脚(停車時姿勢補助手段)、92…補助輪(停車時姿勢補助手段)、93a,93b…補助脚(停車時姿勢補助手段)

Claims (8)

  1. 車体と、
    前記車体に回転可能に支持された車輪と、
    を有する走行車両において、
    停車時に前記走行車両の姿勢を補助する停車時姿勢補助手段と、
    乗員の有無を検知する乗員検知装置と、
    乗員が手続きをすることで走行車両を停車させる降車手続手段と、
    乗員が前記降車手続手段の手続きをしないまま降車し、且つ、前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった場合、前記走行車両を停車させ、前記停車時姿勢補助手段により姿勢を補助する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする走行車両。
  2. 前記制御装置は、停車時に操縦装置を無効にすることを特徴とする請求項1に記載の走行車両。
  3. 前記乗員検知手段が乗員を検知しなかった時点からカウントするタイマを備え、
    前記制御手段は、前記タイマにより所定時間カウントされた後、前記走行車両を停車させることを特徴とする請求項2に記載の走行車両。
  4. 前記走行車両の所定範囲を監視する周辺監視装置をさらに備え、
    前記周辺監視装置が、前記所定範囲内に何も検知しなかった場合に、前記走行車両を停車させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行車両。
  5. 前記制御装置は、前記走行車両が停車時に通過・占有する停車時移動空間マップを記憶した記憶手段を有し、前記所定範囲は、前記停車時移動空間マップであることを特徴とする請求項4に記載の走行車両。
  6. 前記周辺監視装置は、前記停車時移動空間マップ内を監視する第1センサと、前記停車時移動空間マップ外を監視する第2センサとを有し、
    前記制御装置は、前記第1センサが前記停車時移動空間マップ内に障害物等を検知した場合、前記障害物等までの距離を計測し、前記第2センサにより、前記検知した障害物等までの距離と同じ距離内に他の障害物が存在するか検知し、検知しなかった場合、前記走行車両を障害物が検知されない方向に移動させて停車することを特徴とする請求項5に記載の走行車両。
  7. 前記制御装置は、停車後に点灯手段を点灯させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の走行車両。
  8. 前記停車時姿勢補助手段は、通常時は格納され、停車時に突出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の走行車両。
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