JP2011031762A - 移動体およびその制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体が周囲の障害物に接触した場合に、移動体が姿勢を崩す以前にサポートすることで、搭乗者に対してより安定感を与えることが可能な移動体を提供する。
【解決手段】車体36と、車体36の走行方向に直交した回転軸を中心にそれぞれ回転し、車体36の両側に配設された第1の車輪および第2の車輪18と、第1の車輪および第2の車輪18の駆動を制御することで、走行制御および車体36の姿勢制御を行う制御部14と、車体36の周囲の少なくとも1か所に取り付けられた接触検知手段24と、接触検知手段24が接触を検知した場合に、車体36の周囲の走行面30に接地する接地部材22と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】車体36と、車体36の走行方向に直交した回転軸を中心にそれぞれ回転し、車体36の両側に配設された第1の車輪および第2の車輪18と、第1の車輪および第2の車輪18の駆動を制御することで、走行制御および車体36の姿勢制御を行う制御部14と、車体36の周囲の少なくとも1か所に取り付けられた接触検知手段24と、接触検知手段24が接触を検知した場合に、車体36の周囲の走行面30に接地する接地部材22と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、車輪の駆動を制御して倒立制御を行う移動体、特に、移動体が障害物に接触した場合に、該移動体の姿勢が不安定になることを未然に防ぐ移動体に関する。
従来から、人間を搭乗させて走行する倒立制御の移動体が知られており、該移動体の倒立制御が正常に動作している場合には、移動体は自律的に安定して倒立走行する。倒立制御では、移動体の重心位置が車軸の真上になるように、該移動体の速度の加減速を繰り返して制御する。
また、特許文献1では、同軸二輪の移動体についての、転倒防止機構が開示されている。特許文献1の転倒防止機構は、移動体の傾斜を検知した場合であって、通常の制御で転倒回避ができないときは接地部材(特許文献1では車輪18)を接地させる。
特許文献2では、超音波センサやレーザレーダなどの検知手段を用いて、障害物を検出し、音声や光などで搭乗者に注意を促す。また、走行速度および姿勢の制御の状態ならびに前記検知手段で検出される障害物に応じて補助輪駆動部を駆動して補助輪を接地させる。
特許文献1の移動体では、障害物の有無によらずに、移動体の質量中心のモーメントに基づいて接地部材を展開しており、車体に所定値以上のモーメントが加わった場合に接地部材が駆動する。
また、特許文献2の移動体は、障害物の存在を事前に検知し、搭乗者に通知する。しかし、搭乗者が操作を誤るなどして、障害物に接触した場合には、特許文献1の場合と同様に、移動体が障害物に接触しただけでは接地部材は駆動せず、走行速度および姿勢の制御の状態に応じて接地部材が駆動する。
つまり、特許文献1および2に開示の移動体においては、障害物に接触し、転倒するおそれが出る程度に傾斜した後に接地部材が駆動するため、搭乗者が該移動体の搭乗中に移動体の不安定を感じるおそれがある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、移動体が周囲の障害物に接触した場合に、移動体が姿勢を崩す以前にサポートすることで、搭乗者に対してより安定感を与えることが可能な移動体を提供することを目的とする。
本発明に係る移動体は、車体と、前記車体の走行方向に直交した回転軸を中心にそれぞれ回転し、前記車体の両側に配設された第1の車輪および第2の車輪と、前記第1の車輪および第2の車輪の駆動を制御することで、走行制御および前記車体の姿勢制御を行う制御部と、前記車体の周囲の少なくとも1か所に取り付けられた接触検知手段と、前記接触検知手段が接触を検知した場合に、前記車体の周囲の走行面に接地する前記接地部材と、を備える。このような構成により、移動体が周囲の障害物に接触した場合に、移動体が姿勢を崩す以前にサポートをすることが可能となり、搭乗者に対して、より安定感を与えることができる。
また、前記接触検知手段は、前記車体の前方であって、前記第1の車輪および第2の車輪の少なくとも一方の回転軸の高さ以下に設置されることで、搭乗者がより顕著に移動体から安定感を得ることができる。移動体の進行方向前方であって車輪の回転軸の高さ以下の部分が、障害物と衝突した場合には、移動体は走行方向前方に向かって傾斜するとともに、移動体および搭乗者が受ける慣性力により、搭乗者が走行方向前方に投げ出されるおそれがある。よって、接触を検知した段階で接地部材を接地させることで、走行方向前方への傾斜を抑制することができる。
さらに、前記制御部は、前記接地部材が接地した場合に、前記移動体を後退させてもよい。これにより、障害物に接触したのち、搭乗者が再度操縦するに際して、あらためて後退の制御をする必要なく前進できるため、操縦性が向上する。
さらにまた、前記接触検知手段は、前記移動体が走行中に、前記移動体の走行方向前方の最も突出した部位に備えられていることが好ましい。接触を最も検知しやすいからである。
あるいは、前記接地部材を複数備える移動体であって、前記接触検知手段が接触を検知した場所に基づいて、前記車体が傾斜することを抑制する位置に前記接地部材を接地させてもよい。車体が接触する位置に応じて、車体が受けるモーメントの方向は変化する。これにより、方向の異なるモーメントを抑制することが可能である。
前記接地部材は、前記車体の姿勢を補助する補助輪であることが好ましい。接地部材として車輪を用いることにより、制動力を発揮させずに、車体の安定感を増すことができる。また、接地部材が接地している状態において、走行することが容易である。
本発明により、移動体が障害物に接触した場合に、バランスを崩す前に姿勢を補助することが可能な移動体を提供することができる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符合が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<発明の実施の形態1>
図1は発明の実施の形態1に係る移動体10の各センサ12、接触検知手段24、制御部14、車輪駆動手段16、第1および第2の車輪18、接地部材駆動手段20、接地部材22ならびに操作モジュール26のブロック図である。
図1は発明の実施の形態1に係る移動体10の各センサ12、接触検知手段24、制御部14、車輪駆動手段16、第1および第2の車輪18、接地部材駆動手段20、接地部材22ならびに操作モジュール26のブロック図である。
各種センサ12は、例えば、安全監視センサ121、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124を有する。
ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124は、たとえば、ジャイロや、回転角度に応じて抵抗値が変化する回転式可変抵抗器の回転軸に対して重量中心が回転軸からずれた剛性の錘を備えたものである。
安全監視センサ121は、例えば、制動部材や補助輪(図示しない)の飛び出し機構の不具合または制御部14の異常を常時監視し、移動体10の走行の信頼性を確保するために用いられる。
なお、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121の取り付け位置に制限はない。また、移動体10は、前記センサに限られず、他のセンサを備えていてもよい。
ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124は、たとえば、ジャイロや、回転角度に応じて抵抗値が変化する回転式可変抵抗器の回転軸に対して重量中心が回転軸からずれた剛性の錘を備えたものである。
安全監視センサ121は、例えば、制動部材や補助輪(図示しない)の飛び出し機構の不具合または制御部14の異常を常時監視し、移動体10の走行の信頼性を確保するために用いられる。
なお、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121の取り付け位置に制限はない。また、移動体10は、前記センサに限られず、他のセンサを備えていてもよい。
接触検知手段24は、例えば、図2の接触検知センサ241のような、センサが走行面30上に存在する障害物に触れた場合に、センサの検知部分と障害物が接触したことを検知するセンサを用いればよい。接触検知センサが接触を検知した場合には、制御部14に対して接触があった旨の信号を出力する。
制御部14は、搭乗者38による操作モジュール26への入力による操作に応じた回転信号に基づいて、車輪18の回転を制御する。
また、搭乗者38の操作に加えて、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121からの検出信号を基に、車輪駆動手段16によって車輪18の回転を制御することが好ましい。
また、搭乗者38の操作に加えて、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121からの検出信号を基に、車輪駆動手段16によって車輪18の回転を制御することが好ましい。
制御部14は、接触検知手段24から接触を検知した旨の信号を受信したときは、接地部材駆動手段20に対して制御信号を出力する。
また、制御部14は、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121からの検出信号を基に、接地部材駆動手段20に対して制御信号を出力することが好ましい。
さらに、制御部14は、操作モジュール26への搭乗者38からの入力信号を基に、接地部材駆動手段20に対して制御信号を出力してもよい。
なお、前記制御部14は、移動体10の速度、加速度、姿勢または車輪の回転等の移動体自身の状態にかかわらず、異常を検出した際には、異常検知の制御信号を接地部材駆動手段20に出力してもよい。これにより、異常時に自動で接地部材22を接地させることが可能である。
なお、異常検知による接地部材駆動手段20への制御信号が出力される条件としては、非常停止スイッチが押された場合、バッテリ電圧が低下した場合、各センサ12やモータ等と制御部14等との通信異常が発生した場合等様々な要因がある。
また、制御部14は、ピッチ角検出センサ122、ロール角検出センサ123およびヨー角検出センサ124ならびに安全監視センサ121からの検出信号を基に、接地部材駆動手段20に対して制御信号を出力することが好ましい。
さらに、制御部14は、操作モジュール26への搭乗者38からの入力信号を基に、接地部材駆動手段20に対して制御信号を出力してもよい。
なお、前記制御部14は、移動体10の速度、加速度、姿勢または車輪の回転等の移動体自身の状態にかかわらず、異常を検出した際には、異常検知の制御信号を接地部材駆動手段20に出力してもよい。これにより、異常時に自動で接地部材22を接地させることが可能である。
なお、異常検知による接地部材駆動手段20への制御信号が出力される条件としては、非常停止スイッチが押された場合、バッテリ電圧が低下した場合、各センサ12やモータ等と制御部14等との通信異常が発生した場合等様々な要因がある。
車輪駆動手段16は、駆動回路161および162、モータ163および164を有する。駆動回路161および162は、制御装置14からの制御信号を基に駆動信号を生成し、これをモータ163および164に出力する。各モータは駆動信号に従い各車輪18を回転させる。
第1および第2の車輪18は、走行方向に直交した回転軸を中心にそれぞれ回転し、前記車体36の同軸に配設されている。このような車輪18の配置により、移動体10が一定の場所で方向だけを変えることなども可能となり、病院や家庭などの限られた空間内でもより利用しやすくなる。また、一定の場所で方向転換できるため、障害物に接触した場合も、容易に方向転換をすることが可能である。
接地部材駆動手段20は、制御部14からの制御信号を基に駆動信号を生成し、これに基づいて接地部材22を走行面30に向かって駆動させる。
接地部材22は、キャスターなどの姿勢を補助するための補助輪であってもよいし、制動部材のように移動体10の速度を減速させ、姿勢を補助する部材であってもよい。本実施の形態では、接地部材22として前補助輪221および後補助輪222を用いている。制動部材を用いた場合には、移動体10の転倒を防ぐとともに、床面との摩擦接触による制動も可能である。
また、接地部材22として、補助輪を用いた場合には、移動体10の転倒を防ぐとともに、3点以上で移動体10を支えて走行できるため、安定した走行が可能である。
さらに、接地部材22がゴムやバネなどの弾性体であって、衝撃を吸収できる場合には、移動体10および搭乗者にかかる衝撃を軽減することが可能である。
また、接地部材22として、補助輪を用いた場合には、移動体10の転倒を防ぐとともに、3点以上で移動体10を支えて走行できるため、安定した走行が可能である。
さらに、接地部材22がゴムやバネなどの弾性体であって、衝撃を吸収できる場合には、移動体10および搭乗者にかかる衝撃を軽減することが可能である。
次に、図2から図4を用いて、本実施の形態にかかる移動体10の構成例について説明する。図2は移動体10の構成を模式的に示す斜視図であり、図3は移動体10の構成を模式的に示す図であり、左側に側面図、右側に正面図が示されている。図4は、移動体10に搭乗者38が搭乗した様子を示している。なお、図2、図3に示すように、移動体10の前方向を+X方向とし、左方向を+Y方向とし、上方向を+Z方向としている。また、図2、図3では、説明の明確化のため、一部の構成について透視して示している。
移動体10は、倒立二輪型の移動体であり、図3に示されるように、同軸上に配置された車輪18を備えている。ここで、車輪18の回転軸を車軸C1とする。移動体10は、搭乗者38が搭乗する搭乗席41を有している。したがって、移動体10は、人が座った状態で移動が可能な、座り乗り型モビリティロボットである。また、移動体10は、人が乗っていない状態でも移動可能である。例えば、搭乗したいユーザが遠隔で操作すると、移動体10がそのユーザの位置まで移動する。例えば、ユーザが呼び出しボタンなどを押すことで、移動体10がユーザの近傍まで移動する。そして、移動体がユーザの前まで移動した後、ユーザが搭乗する。
なお、本実施の形態では移動体10は座り乗り型モビリティロボットを用いて説明するが、本発明は立ち乗り型モビリティロボットにおいても適用可能である。
なお、本実施の形態では移動体10は座り乗り型モビリティロボットを用いて説明するが、本発明は立ち乗り型モビリティロボットにおいても適用可能である。
移動体10には、その骨格となるフレーム40が設けられている。フレーム40は、軽量なアルミニウムパイプなどによって構成されている。さらに、フレーム40を覆うカバー43が設けられている。カバー43は、後述する車台42などを覆っている。移動体10には、椅子形状の搭乗席41が設けられている。搭乗席41は、カバー43やフレーム40に固定されている。フレーム40及びカバー43は、搭乗席41の形状に沿って屈曲している。
搭乗席41は、シート41aと、シートバック41bとを有している。シート41aは、搭乗者38が座る座面となるため、ほぼ水平に配置されている。搭乗者38がシート41aの上に座ることで、図4に示すように搭乗者38が搭乗した状態での移動が可能となる。シートバック41bは、斜め後ろ方向に延びるように形成され、搭乗者38の背中を支える背もたれ部となる。したがって、搭乗者38はシートバック41bにもたれた状態で、移動体10を移動させることができる。
搭乗席41の直下には、車台42が配置されている。車台42には、右側と左側に車輪18が取り付けられている。車台42は、左右の車輪18を回転可能に支持している。左右の車輪18は、移動体10を移動させるための車輪(駆動輪)となる。左右の車輪18は、車軸C1周りに回転する。すなわち、左右の車輪18は同軸上に配置されている。車台42は、フレーム40に取り付けられている。
この車台42には、左右の車輪を駆動するためのモータ(図示せず)等が搭載されている。また、移動体10は倒立二輪型移動体であるため、搭乗席41などを含む車体36が車軸C1回りに傾斜する。すなわち、搭乗席41などを含む車体36が回転可能に支持されている。車体36は、車軸C1を回転中心として回転する。換言すると、車軸C1を回転中心として、傾斜する部分が車体36である。この車体36は、フレーム40やカバー43や搭乗席41などを含んでいる。さらには、車台42の一部、又は全部が車体36に含まれていてもよい。倒立状態では、左右の車輪18の駆動によって、車体36の傾斜角が変化する。車体36には、傾斜角度を測定するためのジャイロセンサなどの各姿勢検知センサ(ピッチ角検出センサ、ロール角検出センサ、ヨー角検出センサ等)が設けられている。なお、図2に示すように、左右の車輪18の中間を座標中心Oとしている。すなわち、座標系の原点となる座標中心Oは、車軸C1上に存在する。移動体10の進行方向は、水平面内において、車軸C1と垂直な方向になる。
車台42の前方には、フットステップ47が設けられている。搭乗者38は、フットステップ47に一度乗った後、搭乗席41に座ることができる。フットステップ47は、搭乗席41の下方に取り付けられている。また、フットステップ47は、搭乗席41の前方に延びている。図4に示すように、フットステップ47には、搭乗者38の両足が載置される。フットステップ47は、車台42に取り付けられていればよい。
フットステップ47の先端には接触検知センサ241が取り付けられている。フットステップ47が走行面30にある障害物に接触した場合には、接触を検知して接触を検知した旨の信号を制御部14に出力する。移動体10の進行方向前方の最も先端の部分は、段差等に接触しやすい部分であるため、移動体10と障害物との接触を効率的に検知可能である。
また、接触検知センサ241は、フットステップ47の先端に限らず、車体36の周囲であって、障害物と接触する可能性がある部分に取り付けられていてもよい。例えば、車体36の後方(−X側)であって車軸C1より上方、もしくは車軸C1より下方、または車体36の前方(+X側)であって車軸C1より上方などのうち少なくとも1個所に取り付けられていればよい。
車体前方かつ車軸C1より下方または車体後方かつ車軸C1より上方で接触を検知した場合には、次の瞬間に車体36は前傾する可能性がある。車体前方かつ車軸C1より上方または車体後方かつ車軸C1より下方で接触を検知した場合には、次の瞬間に車体36は後傾する可能性がある。
例えば、移動体10が+X方向へ前進中に、障害物と該部分で衝突した場合には、移動体10は走行方向前方に向かって傾斜するとともに、移動体10および搭乗者38が受ける慣性力により、搭乗者38が走行方向前方に投げ出されるおそれがある。車体36の前方であって、車軸C1の高さ以下に接触検知センサ241が取り付けられていた場合には、移動体の進行方向前方であって車輪の回転軸の高さ以下の部分が障害物と接触したことを検知することができる。よって、移動体10が姿勢を崩す以前に姿勢制御をサポートすることが可能となり、搭乗者38に対して、より安定感を与えることができる。
車体前方かつ車軸C1より下方または車体後方かつ車軸C1より上方で接触を検知した場合には、次の瞬間に車体36は前傾する可能性がある。車体前方かつ車軸C1より上方または車体後方かつ車軸C1より下方で接触を検知した場合には、次の瞬間に車体36は後傾する可能性がある。
例えば、移動体10が+X方向へ前進中に、障害物と該部分で衝突した場合には、移動体10は走行方向前方に向かって傾斜するとともに、移動体10および搭乗者38が受ける慣性力により、搭乗者38が走行方向前方に投げ出されるおそれがある。車体36の前方であって、車軸C1の高さ以下に接触検知センサ241が取り付けられていた場合には、移動体の進行方向前方であって車輪の回転軸の高さ以下の部分が障害物と接触したことを検知することができる。よって、移動体10が姿勢を崩す以前に姿勢制御をサポートすることが可能となり、搭乗者38に対して、より安定感を与えることができる。
さらに、前記各部分に複数の接触検知センサ241が取り付けられている場合には、接触を検知した場所によって、接地部材22の接地場所を決めることで、より適切な姿勢制御のサポートが可能である。
車台42の前方には、転倒を防止するための前方バー44が設けられている。また、車台42の後方には、転倒を防止するための後方バー45が設けられている。前方バー44および後方バー45は、図1で示す接地部材駆動手段20に含まれる。すなわち、車軸C1よりも前側に配置された前方バー44、及び車軸C1よりも後ろ側に配置された後方バー45を介して接地部材22を接地させることによって、前後方向への転倒を防止することができる。
前方バー44、及び後方バー45は、回転駆動できるようになっている。前方バー44、及び後方バー45の回転軸は、左右の車輪18の車軸C1よりも下側(−Z側)に配置されている。また、前方バー44、及び後方バー45の先端には、接地部材22として補助輪が取り付けられている。倒立制御状態においては、前方バー44、及び後方バー45の先端の接地部材22は、地面から離れている。
また、フットステップ47先端の接触センサ241が障害物との接触を検知したときは、接地部材22を接地させる。これにより移動体10が周囲の障害物に接触した場合に、移動体10が姿勢を崩す以前にサポートすることが可能となり、搭乗者に対して、より安定感を与えることができる。
さらに、搭乗者38が乗り降りするタイミングでも、前方バー44及び後方バー45の先端の接地部材を走行面30と接触させてもよい。なお、前方バー44および後方バー45ならびに接地部材22の接地部材駆動手段20の構成については後述する。
また、フットステップ47先端の接触センサ241が障害物との接触を検知したときは、接地部材22を接地させる。これにより移動体10が周囲の障害物に接触した場合に、移動体10が姿勢を崩す以前にサポートすることが可能となり、搭乗者に対して、より安定感を与えることができる。
さらに、搭乗者38が乗り降りするタイミングでも、前方バー44及び後方バー45の先端の接地部材を走行面30と接触させてもよい。なお、前方バー44および後方バー45ならびに接地部材22の接地部材駆動手段20の構成については後述する。
搭乗席41の両側には、アームレスト46が設けられている。アームレスト46は、フレーム40やカバー43に固定されている。アームレスト46は搭乗者38の肘よりも若干低い位置から前方に伸びている。アームレスト46はシート41aよりも高い位置に配置されている。また、アームレスト16はシート41aとほぼ平行になっている。アームレスト46は、搭乗席41の左右両側に、それぞれ配置されている。これにより、搭乗者38は、両腕をアームレスト46上に載置することができる。アームレスト46は、シートバック41bの中段に取り付けられている。図4示すように、搭乗者38が座った状態で、アームレスト46の上に両腕が載せられる。
さらに、アームレスト46には、操作モジュール26が設けられている。ここでは、操作モジュール26が右側のアームレスト46上に搭載されている。また、操作モジュール26は、アームレスト46の先端側に取り付けられている。これにより、搭乗者38の右手の位置に、操作モジュール26が配置されるため、操作性を向上することができる。操作モジュール26には、操作レバー(図示せず)及びブレーキレバー(図示せず)が設けられている。操作レバーは、搭乗者が移動体10の走行速度や走行方向を調整するための操作部材である、搭乗者は、操作レバーの操作量を調整することによって移動体10の移動速度を調整することができる。また、搭乗者は、操作レバーの操作方向を調整することによって移動体10の移動方向を指定することができる。移動体10は、操作レバーに加えられた操作に応じて、前進、停止、後退、左折、右折、左旋回、右旋回することができる。搭乗者がブレーキレバーを倒すことによって、移動体10を制動することができる。もちろん、操作モジュール26は左側のアームレスト46に搭載してもよく、両側のアームレスト46に搭載してもよい。さらには、アームレスト46以外に操作モジュール26を搭載してもよい。
車台42には、バッテリ28、及び制御ボックス48が搭載されている。バッテリ28及び制御ボックス48は、車体36の傾斜角度に応じて、車軸C1に対する前後位置が変化する。車台42に設けられているベースプレートの上に、バッテリ28、及び制御ボックス48が載置されている。したがって、バッテリ28、及び制御ボックス48は、シート41aの直下に配置されることになる。ここでは、制御ボックス48の前側に2つのバッテリ28が配置されている。2つのバッテリ28は、Y方向に沿って配列されている。バッテリ28は、充放電可能な二次電池である。制御ボックス48によって、バッテリ28の充放電が制御されている。
制御ボックス48は、図1で示す制御部14を具体化したものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有し、移動体10の各種動作を制御する。そして、この制御ボックス48は、例えばROMに格納された制御プログラムに従って各種の制御を実行する。制御ボックス48は、操作モジュール26での操作に応じて、所望の加速度、及び目標速度になるように、また、移動体10が倒立を維持するように、ロバスト制御、状態フィードバック制御、PID制御などの周知のフィードバック制御により、モータ等を制御する。これにより、移動体10が、操作モジュール26での操作に応じて加減速しながら走行する。
また、バッテリ28、及び制御ボックス48は、車軸C1よりも上方に設置されている。バッテリ28は、車軸C1よりも前側(+X側)に配置され、制御ボックス48は、車軸C1よりも後ろ側(−X側)に配置される。ここでは、制御ボックス48とバッテリ28とが離間して配置されている。すなわち、車軸C1の直上には、一定の隙間を隔てて、バッテリ28と制御ボックス48が対向配置されている。バッテリ28を車軸C1の前側に配置することで、車体36の重心位置を容易に車軸C1の直上に持って来ることができる。搭乗者38の有無に関わらず、同じ傾斜角度で、重心位置が車軸C1のほぼ直上になる。
次に、車台42の構成について図5を用いて説明する。図5は、車台42の構成を示す側面図である。車台42には、ベースプレート49が設けられている。このベースプレート49上に、バッテリ28、及び制御ボックス48が搭載されている。例えば、バッテリ28の中には、バッテリパックが収納されている。また、制御ボックス48の中には、CPUなどが収納されている。このベースプレート49は、車軸C1に対して回転可能に設けられている。すなわち、ベースプレート49の上面の角度が地面に対して傾斜すると、移動体10の姿勢が変化する。さらに、ベースプレート49には、フレーム40が取り付けられている。ベースプレート49の両端から、フレーム40が上方に延びている。そして、このフレーム40からアームレスト46が延設されている。
前方バー44は、車台42のベースプレート49の前側に取り付けられている。前方バー44は、ベースプレート49の前側に突出している。前方バー44は、駆動軸C2を中心として回転駆動する。車台42の先端には、接地部材22が支持されている。本実施の形態では、接地部材22として、前補助輪221が回転可能に取り付けられている。前補助輪221は、従動輪であり、回転軸C3を中心として回転する。さらに、前方バー44の前側には、フットステップ47が取り付けられている。フットステップ47の先端は、前方バー44の先端、すなわち前補助輪221よりも前側に配置されている。
また、ベースプレート49の後ろ側には、後方バー45が設けられている。後方バー45は、駆動軸C4を中心として回転駆動する。後方バー45の後端には、後補助輪222が回転可能に支持されている。後補助輪222は接地部材22に相当する。後補助輪222は、従動輪であり、回転軸C5を中心として回転する。このように、前方バー44、及び前方バー45は、ベースプレート49に対して矢印方向に揺動する。
次に、接地部材22である前補助輪221および後補助輪222を接地させる接地部材駆動手段20の構成について、図6、及び図7を用いて説明する、図6は、車台42の前方の接地部材駆動手段20を示す斜視図であり、図7は、車台42の後方に配置された接地部材駆動手段20を示す斜視図である。
まず、前補助輪221を接地させる接地部材駆動手段20について説明する。前補助輪221の接地部材駆動手段20には、前方バー44、モータ50、減速機51、ウォームギヤホイール52、ストッパ53、ボルト54、ベース55が設けられている。
ボルト54はベース55をベースプレート49に固定する。すなわち、ベース55は、ボルト54によって、ベースプレート49上に載置される。ベース55には、前方バー44を駆動するためのモータ50が設けられている。モータ50は、減速機51に連結されている。減速機51は、ウォームギヤホイール52と連結されている。ウォームギヤホイール52は、前方バー44を回転可能に支持している。モータ50からの駆動力は、減速機51、及びウォームギヤホイール52を介して前方バー44に伝達する。これにより、前方バー44が駆動軸C2周りに回転駆動する。駆動軸C2は、Y方向と平行になっている。前方バー44の角度がベース55に対して変化する。ここでは、ウォームギヤホイール52の両側にそれぞれ前方バー44が設けられている。すなわち、ウォームギヤホイール52の+Y側と−Y側に前方バー44が取り付けられている。
また、前方バー44の先端には、転倒防止用の前補助輪221が取り付けられている。ここでは、Y方向において離間配置された2つの前補助輪221が設けられている。前補助輪221は、回転軸C3周りに回転する。回転軸C3は、Y方向と平行になっている。倒立移動中に前方バー44が駆動軸C2周りに回転すると、前補助輪221と地面との距離が変化する。例えば、前方バー44を下方向に回転させると、前補助輪221と地面との距離が近くなり、上方向に回転させると前補助輪221と走行面30との距離が遠くなる。ここで、前方バー44の回転方向のうち、前補助輪221と走行面30との距離が近くなる方向を接近方向とし、その反対方向を離隔方向とする。すなわち、接近方向は、前方バー44の先端側(前補助輪221側)が根元側(ウォームギヤホイール52側)に対して下がっていく方向である。離隔方向は、前方バー44の先端側(前補助輪221側)が根元側(ウォームギヤホイール52側)に対して上がっていく方向である
前方バー44には、フットステップ47が取り付けられている。フットステップ47は、前方バー44に対して回転可能に支持されている。ここでは、フットステップ47が回転軸C3周りに回動する。フットステップ47の前方バー44に対する角度が変化する。また、前方バー44には、フットステップ47の回転動作を制限するためのストッパ53が設けられている。ストッパ53は、フットステップ47の先端が下がり過ぎるのを防止している。ストッパ53によって、前補助輪221が離地した状態でも、フットステップ47の傾斜角度を保持することができる。よって、前方バー44を駆動することで、フットステップ47が上昇する。すなわち、前方バー44を回転駆動することでフットステップ47が持ち上げられ、離地する。
ここで、モータ50と前方バー44の間には、ウォームギヤホイール52が設けられていることが好ましい。これにより、モータ50の駆動力がウォームギヤホイール52を介して、前方バー44に伝達する。前方バー44側が、ウォームギヤホイール52のウォームホイールが設けられ、モータ50側にウォームが設けられている。このようにウォームギヤホイール52を設けることによって、バックドライバビリティを無くすことができる。よって、意図しないタイミングにおいて、前方バー44が回転するのを防ぐことができる。これにより、前方バー44の角度を正確に制御することができる。
後補助輪222を接地させる接地部材駆動手段20は、フットステップ47、及びストッパ53の有無以外、前方バー44のユニットとほぼ同じになっている。すなわち、後方バー45には、フットステップ47が設けられていないため、ストッパが設けられていない。この点以外における後方バー45の構成、及び動作は、基本的に前方バー44と同じである。後補助輪222の接地部材駆動手段20には、後方バー45、モータ57、減速機58、ウォームギヤホイール59、ボルト60、ベース61が設けられている。
ボルト60はベース61をベースプレート49に固定する。すなわち、ベース61は、ボルト60によって、ベースプレート49上に載置される。ベース61には、後方バー45を駆動するためのモータ57が設けられている。モータ57は、減速機58に連結されている。減速機58は、ウォームギヤホイール59と連結されている。ウォームギヤホイール59は、後方バー45を回転可能に支持している。モータ57からの駆動力は、減速機58、及びウォームギヤホイール59を介して後方バー45に伝達する。これにより、後方バー45が駆動軸C4周りに回転駆動する。駆動軸C4は、Y方向と平行になっている。後方バー45の角度がベース61に対して変化する。
また、後方バー45の先端には、転倒防止用の後補助輪222が取り付けられている。ここでは、Y方向において離間配置された2つの後補助輪222が設けられている。後補助輪222は、回転軸C5周りに回転する。回転軸C5は、Y方向と平行になっている。倒立移動中に後方バー45が駆動軸C4周りに回転すると、後補助輪222と走行面30との距離が変化する。例えば、後方バー45を下方向に回転させると、後補助輪222と走行面30との距離が近くなり、上方向に回転させると後補助輪222と走行面30との距離が遠くなる。ここで、後方バー45の回転方向のうち、後補助輪222と走行面30との距離が近くなる方向を接近方向とし、その反対方向を離隔方向とする。すなわち、接近方向は、後方バー45の先端側(後補助輪222側)が根元側(ウォームギヤホイール59側)に対して下がっていく方向である。離隔方向は、後方バー45の先端側(後補助輪222側)が根元側(ウォームギヤホイール59側)に対して上がっていく方向である
ここで、モータ57と後方バー45の間には、ウォームギヤホイール59が設けられていることが好ましい。これにより、モータ57の駆動力がウォームギヤホイール59を介して、後方バー45に伝達する。後方バー45側が、ウォームギヤホイール59のウォームホイールが設けられ、モータ57側にウォームが設けられている。このようにウォームギヤホイール59を設けることによって、バックドライバビリティを無くすことができる。よって、意図しないタイミングにおいて、後方バー45が回転するのを防ぐことができる。これにより、後方バー45の角度を正確に制御することができる。
また、倒立を開始するタイミング、及び倒立を終了するタイミングでは、前方バー44に設けられたモータ50と後方バー45に設けられたモータ57を同期して駆動してもよい。すなわち、前方バー44および後方バー45が同時に駆動するように、制御ボックス48がモータ50、及びモータ57を制御する。これにより、ベースプレート49に対する前方バー44、及び後方バー45の角度が徐々に変化していく。モータ50が、前方バー44を回転駆動することで、前補助輪221の接地状態と離地状態間の移行を制御することができる。また、モータ57は、後方バー45を回転駆動することで、後補助輪222の接地状態と離地状態間の移行を制御することができる。すなわち、モータ50、及びモータ57の動作によって、安定状態と倒立状態間の移行が制御される。
このモータ50、57の制御について、図8を用いて説明する。図8は、倒立制御開始動作、及び障害物70との接触による倒立制御終了(接地制御開始)動作を説明するための図であり、移動体10を側面から見た図である。また、図8では、上側に倒立制御開始動作が示され、下側に倒立制御終了動作が示されている。各動作において、移動体10が左から右の順で動作している。すなわち、倒立制御開始動作においては、図8のAからFの順に移動体10の姿勢が変化する。また、障害物70との接触による倒立制御終了動作において、図8のGからJの順に移動体10の姿勢が変化していく。また、図8では、右側が移動体10の前方方向になっている。
まず、倒立開始動作について説明する。まず、移動体10に搭乗者が搭乗しておらず、駐車している状態では、前補助輪221、及び後補助輪222が接地している(図8A)。すなわち、前方バー44が下側に降りた状態になっている。駐車時では、移動体10が前傾姿勢になっている。この状態で、搭乗者38が乗車する(図8B)。なお、移動体10を前傾姿勢にしておくことで、乗りやすくなる。
そして、搭乗者38が操作モジュール26を操作して、倒立モードに移行する。例えば、操作モジュール26に設けられている倒立開始ボタンを搭乗者38が押すと、倒立モードに移行する。すると、倒立開始動作を行うため、まず、移動体10が後傾姿勢になる(図8C)。前方バー44を接近方向に駆動するとともに、後方バー45を離隔方向に駆動する。すなわち、モータ50とモータ57とを同期して動作させて、移動体10を後傾姿勢にする。この場合、移動体10の前側が地面から離れ、後ろ側が地面と接近する方向に姿勢が変化する。なお、この間、前補助輪221、及び後補助輪222は走行面30と接触したままとなっている。このように姿勢が変化すると、前補助輪221に加わる力が減少し、後補助輪222に加わる力が増加する。
このあと、前方バー44を回転駆動して、フットステップ47を上昇する(図8D)。すなわち、モータ50を駆動して、前方バー44を離隔方向に回転させる。これにより、後傾姿勢となった状態で、フットステップ47、及び前補助輪221が離地する。また、前補助輪221に加わる力が軽減されているため、フットステップ47の上昇に伴う姿勢変化は小さくなっている。すなわち、後傾姿勢のままフットステップ47が離地する。
フットステップ47を上昇させたら、前傾姿勢にする(図8E)。すなわち、後方バー45を離隔方向に回転駆動する。これにより、移動体10が徐々に前傾姿勢になっていく。このタイミングでは、既に倒立振子制御が実行されている。従って、後方バー45の回転駆動中に、倒立振子制御によって、左右の車輪18が駆動する。すなわち、倒立状態を維持するために、左右の車輪18が回転する。このように、左右の車輪18を制御しながら、後方バー45を離隔方向に回転させる。これにより、後方バー45を離地させることができる。すなわち、後方バー45がある一定角度以上、離隔方向に回転したとしても、左右の車輪18が後ろ方向に回転する。すると、重心位置が車軸C1の真上に来るため、倒立状態が維持される。よって、後方バー45の先端の後補助輪222が走行面30と接触しなくなる。そして、倒立走行が開始する(図8F)。このようにすることで、簡便な制御で、駐車モードから倒立モードへの移行を実施することができる。安定状態と倒立状態との間の移行をスムーズに行うことができる。また、乗車するタイミングでは、前補助輪221、及び後補助輪222が接地しているため、安全に搭乗することができる。
次に、倒立制御終了動作について説明する。すなわち、倒立走行モードから接地走行モードに移行するときの制御について説明する。まず、搭乗者38が搭乗した移動体10が障害物70に接触したことをトリガとして、走行モードの移行を開始する。障害物70との接触をトリガとして接地走行を開始することにより、移動体10および障害物70に加わる力を抑制することが可能である。正常時の倒立走行モードでは、移動体10は多少の前傾姿勢ならば通常の倒立制御で姿勢の回復が可能であるため、移動体を加速させることによって移動体の姿勢を起こそうとするからである。つまり、移動体10は障害物と接触しているにも関わらず、さらに力を加えるからである。
図8Gには、移動体10の先端が障害物70に接触した場合を示す。すると、まず、前方バー44が走行面30に接近する方向に回転して、前補助輪221が接地する(図8H)。これにより、移動体10が進行方向前方に傾斜することを未然に防止し、搭乗者38が前方に投げ出されるにくい状態を保つ。
さらに、後方バー45が走行面30に接近する方向に回転して、後補助輪222が接地する(図8I)。これにより、移動体10が障害物に衝突した反動で進行方向後方に傾斜することを未然に防止する。
このように、各接地部材22を接地させることで、搭乗者38に対して、より安定感を与えることが可能である。
なお、前方バー44と後方バー45の駆動は、同期して同時に接地するようにしてもよい。
さらに、後方バー45が走行面30に接近する方向に回転して、後補助輪222が接地する(図8I)。これにより、移動体10が障害物に衝突した反動で進行方向後方に傾斜することを未然に防止する。
このように、各接地部材22を接地させることで、搭乗者38に対して、より安定感を与えることが可能である。
なお、前方バー44と後方バー45の駆動は、同期して同時に接地するようにしてもよい。
次に、図8Jのように、接地走行状態になった移動体10は、障害物70との接触状態を解消するように後退してもよい。自動で後退することにより、搭乗者38が再度操縦を開始するに際して、あらためて後退の制御をする必要なく前進できるため、操縦性が向上する。
また、後退する方向としては、移動体10が走行してきた方向に向かって後退する。これにより、新たな障害物に衝突する可能性が減少する。
さらに、後退する距離は、移動体10が、その場で方向転換できる程度の距離だけ後退する。すなわち移動体10が回転する際に障害物と接触しない場所まで後退する。これにより、移動体10が自動で移動する距離を短くでき、自動操縦による周囲への衝突のおそれを減少させることができる。
また、後退する方向としては、移動体10が走行してきた方向に向かって後退する。これにより、新たな障害物に衝突する可能性が減少する。
さらに、後退する距離は、移動体10が、その場で方向転換できる程度の距離だけ後退する。すなわち移動体10が回転する際に障害物と接触しない場所まで後退する。これにより、移動体10が自動で移動する距離を短くでき、自動操縦による周囲への衝突のおそれを減少させることができる。
なお、図8Iの接地走行状態は、図8Aの駐車状態と同じ状態である。接地走行状態では、前補助輪221及び後補助輪222が接地している安定状態になっている。よって、搭乗者38が移動体10を安定的に操縦できるとともに、移動体10を停止後に早期に安全に降車することができる。このようにすることで、簡便な制御で、駐車(接地走行)モードから倒立モードへの移行を実施することができ、さらには、安定状態と倒立状態との間の移行をスムーズに行うことができる。
上述した移動体10に係る前補助輪221および後補助輪222の接地手法は、図8で説明した処理手順が記述された接地部材駆動プログラムをマイクロプロセッサ等のコンピュータに実行させることによって実現することが可能である。
接地部材駆動プログラムは、様々な種類の記憶媒体に格納することが可能であり、また、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,DVD、ROMカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 ・・・移動体
12 ・・・センサ
121 ・・・安全監視センサ
122 ・・・ピッチ角検出センサ
123 ・・・ロール角検出センサ
124 ・・・ヨー角検出センサ
14 ・・・制御部
16 ・・・車輪駆動手段
161 ・・・第1の駆動回路
162 ・・・第2の駆動回路
163 ・・・第1のモータ
164 ・・・第2のモータ
18 ・・・車輪
20 ・・・接地部材駆動手段
22 ・・・接地部材
221 ・・・前補助輪
222 ・・・後補助輪
24 ・・・接触検知手段
241 ・・・接触検知センサ
26 ・・・操作モジュール
28 ・・・バッテリ
30 ・・・走行面
36 ・・・車体
38 ・・・搭乗者
40 ・・・フレーム
41 ・・・搭乗席
41a ・・・シート
41b ・・・シートバック
42 ・・・車台
43 ・・・カバー
44 ・・・前方バー
45 ・・・後方バー
46 ・・・アームレスト
47 ・・・フットステップ
48 ・・・制御ボックス
49 ・・・ベースプレート
50 ・・・モータ
51 ・・・減速機
52 ・・・ウォームギヤホイール
53 ・・・ストッパ
54 ・・・ボルト
55 ・・・ベース
57 ・・・モータ
58 ・・・減速機
59 ・・・ウォームギヤホイール
60 ・・・ボルト
61 ・・・ベース
70 ・・・障害物
C1 ・・・車軸
C2 ・・・駆動軸
C3 ・・・回転軸
C4 ・・・駆動軸
C5 ・・・回転軸
O ・・・座標中心
12 ・・・センサ
121 ・・・安全監視センサ
122 ・・・ピッチ角検出センサ
123 ・・・ロール角検出センサ
124 ・・・ヨー角検出センサ
14 ・・・制御部
16 ・・・車輪駆動手段
161 ・・・第1の駆動回路
162 ・・・第2の駆動回路
163 ・・・第1のモータ
164 ・・・第2のモータ
18 ・・・車輪
20 ・・・接地部材駆動手段
22 ・・・接地部材
221 ・・・前補助輪
222 ・・・後補助輪
24 ・・・接触検知手段
241 ・・・接触検知センサ
26 ・・・操作モジュール
28 ・・・バッテリ
30 ・・・走行面
36 ・・・車体
38 ・・・搭乗者
40 ・・・フレーム
41 ・・・搭乗席
41a ・・・シート
41b ・・・シートバック
42 ・・・車台
43 ・・・カバー
44 ・・・前方バー
45 ・・・後方バー
46 ・・・アームレスト
47 ・・・フットステップ
48 ・・・制御ボックス
49 ・・・ベースプレート
50 ・・・モータ
51 ・・・減速機
52 ・・・ウォームギヤホイール
53 ・・・ストッパ
54 ・・・ボルト
55 ・・・ベース
57 ・・・モータ
58 ・・・減速機
59 ・・・ウォームギヤホイール
60 ・・・ボルト
61 ・・・ベース
70 ・・・障害物
C1 ・・・車軸
C2 ・・・駆動軸
C3 ・・・回転軸
C4 ・・・駆動軸
C5 ・・・回転軸
O ・・・座標中心
Claims (7)
- 車体と、
前記車体の走行方向に直交した回転軸を中心にそれぞれ回転し、前記車体の両側に配設された第1の車輪および第2の車輪と、
前記第1の車輪および第2の車輪の駆動を制御することで、走行制御および前記車体の姿勢制御を行う制御部と、
前記車体の周囲の少なくとも1か所に取り付けられた接触検知手段と、
前記接触検知手段が接触を検知した場合に、前記車体の周囲の走行面に接地する前記接地部材と、
を備える移動体。 - 前記接触検知手段は、前記車体の前方であって、前記第1の車輪および第2の車輪の少なくとも一方の回転軸の高さ以下に設置される請求項1に記載の移動体。
- 前記制御部は、前記接地部材が接地した場合に、前記移動体を後退させる請求項1または2に記載の移動体。
- 前記接触検知手段は、前記移動体が走行中に前記移動体の走行方向前方の最も突出した部位に配置された請求項1から3のいずれか一項に記載の移動体。
- 前記接地部材を複数備える移動体であって、
前記接触検知手段が接触を検知した場所に基づいて、前記車体が傾斜することを抑制する位置に前記接地部材を接地させる請求項1から4のいずれか一項に記載の移動体。 - 前記接地部材は、前記車体の姿勢を補助する補助輪である請求項1から5のいずれか一項に記載の移動体。
- 車体に配設された第1の車輪および第2の車輪の駆動を制御して、走行制御および姿勢制御をする移動体の制御をコンピュータに行わせるプログラムであって、
前記制御は、前記車体の周囲が障害物に接触したことを検知する接触検知ステップと、
前記接触の検知に応じて接地部材を接地させるように駆動する接地部材駆動ステップと、
を備える移動体の制御プログラム。
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JP2018109989A (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-12 | 本田技研工業株式会社 | 自律移動体の運用方法 |
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-
2009
- 2009-08-03 JP JP2009180651A patent/JP2011031762A/ja active Pending
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