JP4766031B2 - 倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法 - Google Patents

倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、断面が円形の回転体の回転駆動を制御することで倒立状態を維持しながら走行による移動を行う、いわゆる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法に関するものである。
断面が円形の回転体を回転駆動することで倒立状態を維持しながら走行する倒立型移動体は、全体の重心位置を回転体の接地位置に対して常に鉛直方向に維持するように回転体を駆動することで、倒立状態を維持しつつ、移動を行うことができる。このような倒立型の移動体においては、移動体の重心を前方へ移動させることで、回転体の接地位置を前方に移動した重心位置の真下に移動させるように回転体が駆動され、その結果、前方へ移動することができる。このような、重心位置を変化させることで移動する方向および速度を制御することが可能な移動体は、物体を搭乗して移動する台車として利用したり、人間が搭乗しつつ移動を行うための移動手段として利用したりされつつある。このような倒立型移動体は、前後の各々2輪ずつ有するいわゆる4輪安定型の移動体に比べてホイールベースが短く、方向転換に要するスペースが小さくなるというメリットを有しているため、新たな移動手段としての役割が期待されつつある。
ところで、このような移動体の倒立状態を維持するための倒立制御は、平坦な床面上を車輪(回転体)が接地し、車輪と床面との間に十分な摩擦力が生じ、かつ外部から大きな外力を受けていないと仮定して行われている。そのため、車輪が床面から持ち上げられるなどの事態が生じると車輪が空転し、倒立状態を安定して維持できなくなるとともに、空転した車輪が床面上の異物に接触して跳ね飛ばすといった恐れが生じる。そのような事態を防ぐために、例えば特許文献1に示すような空転を防止する機能を備えた倒立型移動体が開示されている。この特許文献1に開示されている倒立型移動体においては、移動体の車体(移動体本体)が持ち上げられたことを検知すると、車輪の回転駆動を停止することで、車輪の空転により生じる異物の跳ね飛ばしを防止することを提案している。
特開2006−290195号公報
しかしながら、前述の特許文献1に記載されている倒立型移動体は、車輪が床面から離れた状態になると、倒立を維持することができないと判断して倒立制御自体を中止してしまう。そのため、移動体が倒立制御を中止せずに移動を継続するためには、前述のような倒立制御が行えない事態を生じさせないように、車輪の素材や形状、または移動体本体の構造などを設計しなければならない。しかしながら、このように倒立制御を行うための仮定条件をできるだけ満たすようにすることによって、移動体の設計を行う際の自由度が制約され、また、移動体全体の製造コストが上昇するといった問題点が生じる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、移動体の移動中に倒立状態に異常が発生しても、倒立制御を安定して継続することが可能な倒立型移動体、および倒立型移動体の制御方法を提供することを目的とするものである。
本発明にかかる倒立型移動体は、前述のような課題を解決するためのものであり、断面が円形の回転体と、前記回転体を回転駆動させる駆動部と、前記回転体を保持する移動体本体と、前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備え、前記制御部が、前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じ、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出するとともに、前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記ゲインを低減することを特徴としている。
このような倒立型移動体においては、倒立状態が異常に陥った場合に、倒立制御のために回転体を駆動するための駆動トルクが低減されるものの、弱いトルクで倒立状態を維持する制御が作用する。したがって、倒立状態に異常が発生しても、倒立制御を継続することが可能となる。
また、前記ゲインを低減する場合、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じて、ゲインを低減する度合いを変化させるようにするとより好適である。このようにすると、異常度合いが小さい場合に倒立制御を行うためのトルクがある程度得られるため、倒立状態が異常から回復した後に倒立制御を迅速に復帰させることが可能となる。
また、その際に、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じたゲインの上限値および下限値を予め定めるとともに、前記ゲインをこの上限値および下限値の間でゲインを変化させるようにしてもよい。このようにすると、下限値を適切な値に設定することで、倒立状態を維持するために最低限必要なゲインを常に得ることが可能となるとともに、倒立状態の異常時に得られる駆動トルクの最大値を簡単に設定することができる。
また、このような倒立型移動体において、前記移動体本体の速度を検出する速度検出部をさらに設け、前記制御部によって、前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値と、速度検出部により検出された移動体本体の速度に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値とに基づいて、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出するようにしてもよい。このような移動体の場合、倒立状態に異常が生じた場合に、回転体の駆動量を移動体の速度に基づいて定めることができるため、回転体の駆動量の変化によって移動体が急激に減速し、ブレーキがかかった状態となるのを未然に防ぐことができる。
また、このような移動体の場合、前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させることが好ましい。このようにすると、倒立状態の異常時に、速度制御による回転体の駆動制御をより強く作用させることができる。
また、このような移動体において、前記移動体本体の速度を推定する速度推定部をさらに設け、前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記制御部が、前記速度推定部により推定された速度に基づいて目標速度を定め、該目標速度を得るように、前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させるようにしてもよい。このようにすると、倒立状態に異常が生じた場合に回転体を駆動させる駆動量が簡単得られる。
なお、倒立状態の異常を検知する手法としては、特に限定されるものではなく、回転体の床面との接地状態を検出するようなセンサを用いてもよいが、このようなセンサを用いずに倒立状態の異常を検知する手法を用いてもよい。すなわち、前記移動体において、前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、前記回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定部と、前記測定部により取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体の制御量に基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定部をさらに設け、前記選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知するようにしてもよい。なお、前述のようにして求めた実測値と推定値との偏差を求めた場合、この偏差の大きさに基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することも可能である。このように倒立状態の異常度合いを偏差の大きさに基づいて判断する場合、実験等により、倒立状態が異常となる状態と、実測値と推定値との偏差との関係を予め調べておくとよい。
また、倒立型移動体においては、前述の4つのパラメータは理想的な平面を走行している場合には、3つのパラメータから推定される他の1つのパラメータの推定値は、実測値とほぼ一致する。言い換えると、前記他の1つのパラメータの実測値と推定値とが大きく異なる場合は、倒立型移動体の倒立状態が異常であると言える。したがって、前述のように1つのパラメータの実測値と推定値との偏差に着目することによって、特別なセンサ等を用いることなく倒立型移動体における倒立状態の異常を判断することができる。
また、前述のような倒立状態の異常を検知する手法としては、前記4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように複数の組み合わせにより得られる偏差に基づいて倒立状態の異常を検知することで、より正確に倒立状態の異常を判断することができる。
また、倒立状態の異常を検知するためのより具体的な手法としては、前記4つのパラメータのうち、前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および前記回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて前記移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。すなわち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差は、倒立型移動体が理想的な平面上を移動している場合において単純な既知の関係を満たすことが知られている。したがって、これらの偏差の関係に着目することにより、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
このような倒立状態の異常を検知する手法を用いた場合、前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および前記回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、前記回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に配置することで得られる軌道に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に、前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差をパラメータとして配置すると、倒立型移動体が通常の平面上を移動する場合には、前記位相平面内において曲線状の軌跡が得られる。逆に、倒立状態に異常が生じる場合(例えば大きな段差部を乗り越えた場合や大きな外乱が加えられた場合)には、前記軌跡が前記曲線上から大きく外れた場所に位置するため、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
さらに、倒立状態の異常を検知するためのより詳細な手法としては、前記位相平面において、予め所定の領域を定め、得られた軌道が前記領域内に収まらない場合に、前記移動体本体の倒立状態を異常と判断するといった手法の他、前記位相平面における軌道の傾きが、所定の閾値を超えた場合に前記移動体本体の倒立状態を異常と判断するといった手法を用いることもできる。これらの倒立状態の異常を検知する手法は、状況に応じて適宜使い分けてもよく、さらに、これらの手法を併せて用いることもできる。このように、複数の異常検知の手法を組み合わせることで、倒立移動体の倒立状態の異常をより確実に検知することができる。
さらに、このような手法により倒立状態の異常を検知する場合、倒立状態の異常度合いを判断することも可能である。すなわち、前記位相平面において、予め所定の領域を定めるとともに、得られた軌道が前記領域から離れた距離を求めると、この求められた距離の大きさが倒立状態の異常度合いに概ね比例するため、この距離の大きさに基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することもできる。同様に、前記位相平面における軌道の傾き度合いに基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することもできる。
なお、前述の移動体本体としては、搭乗者を載置する搭乗台を有するものであってもよい。このような倒立型移動体は、搭乗者としての人間を載置し、搭乗者の指令にしたがって、または自律的に移動可能な移動手段として利用することができる。
なお、前記回転体としては、球状や円柱状に構成することも可能であるが、移動体本体の移動方向に対して両側に平行に設けられた一対の車輪であり、これらの車輪が独立して回転駆動可能であることが好ましい。このような倒立型移動体の場合、前後左右に対して自在に移動できるだけでなく、一対の車輪を互いに逆方向に回転させることで、その場旋回などの動作も容易に行うことが可能となる。
また、本発明は倒立型移動体の制御方法をも提供するものであり、断面が円形の回転体と、前記回転体を回転駆動させる駆動部と、前記回転体を保持する移動体本体と、前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで前記移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備える倒立型移動体の倒立状態を制御する制御方法において、前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号を取得する傾斜状態取得ステップと、取得した前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じて倒立状態を維持するための回転体の駆動量を算出する駆動量算出ステップと、を備え、かつ、前記移動体本体の倒立状態が異常であるか否かを判断する倒立状態判断ステップと、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断された場合に、前記ゲインを低減するゲイン低減ステップとをさらに備えることを特徴としている。
このように倒立型移動体を制御することによって、移動体の倒立状態が異常に陥った場合に、倒立制御のために回転体を駆動するための駆動トルクを低減しつつ、弱いトルクで倒立状態を維持する制御が作用する。したがって、倒立状態に異常が発生しても、倒立制御を継続することが可能となる。
また、前記ゲイン低減ステップにおいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じて、前記ゲインを低減する度合いを変化させるようにしてもよい。このようにすると、異常度合いが小さい場合に倒立制御を行うためのトルクがある程度得られるため、倒立状態が異常から回復した後に倒立制御を迅速に復帰させることが可能となる。
また、前記ゲイン低減ステップにおいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じて、ゲインを低減する度合いを変化させるようにするとより好適である。このようにすると、異常度合いが小さい場合に倒立制御を行うためのトルクがある程度得られるため、倒立状態が異常から回復した後に倒立制御を迅速に復帰させることが可能となる。
また、このような倒立型移動体の制御方法において、前記移動体本体の速度を検出する速度検出ステップをさらに設け、前記駆動量算出ステップおいて、傾斜状態取得ステップで取得された前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値と、速度検出ステップで検出された前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値とに基づいて、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出するようにしてもよい。このようにすると、倒立状態に異常が生じた場合に、回転体の駆動量を移動体の速度に基づいて定めることができるため、回転体の駆動量の変化によって移動体が急激に減速し、ブレーキがかかった状態となるのを未然に防ぐことができる。
また、このような倒立型移動体の制御方法においては、前記倒立状態判断ステップにおいて前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させるゲイン増大ステップをさらに備えることが好ましい。このようにすると、倒立状態の異常時に、速度制御による回転体の駆動制御をより強く作用させることができるという効果が得られる。
さらに、このような倒立型移動体の制御方法は、前記倒立状態判断ステップにおいて前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記移動体本体の速度を示す信号に乗じるゲインを増大させるゲイン増大ステップをさらに備えることが好ましい。このようにすると、倒立状態の異常時に、速度制御による前記回転体の駆動制御をより強く作用させることができるため、好適である。
また、このような倒立型移動体の制御方法においては、前記移動体本体の速度を推定する速度推定ステップをさらに設け、前記倒立状態判断ステップにおいて前記移動体本体の倒立状態が異常と判断された際に、前記駆動量算出ステップおいて、前記速度推定ステップにより推定された速度に基づいて目標速度を定め、該目標速度を得るように,前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させるように構成してもよい。このようにすると、倒立状態に異常が生じた場合に回転体を駆動させる駆動量が簡単得られる。
以上、説明したように、本発明によると移動中において倒立状態に異常が発生しても、倒立制御を安定して継続することが可能な倒立型移動体、および倒立型移動体の制御方法を提供することができる。
発明の実施形態1.
以下に、図1から図5を参照しつつ本発明の実施の形態1にかかる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法について説明する。
図1は、移動領域である床部上を、搭乗者を載置した状態で、該搭乗者の操作により移動制御可能な倒立型移動体(以下、単に移動体という)1を概略的に示す概略図であり、図2は、図1に示す移動体1を側方から見た様子を概念的なモデルを用いて示す概念図である。以下、詳細に説明する。
図1に示すように、移動体1は、搭乗者を載置する搭乗台11を備える移動体本体10と、1対の対向する回転体としての第1駆動輪31および第2駆動輪32と、移動体本体10に接続され、第1駆動輪31および第2駆動輪32の回転駆動を制御する制御ボックス20と、を備えている。この制御ボックス20は、後述するようにこれらの駆動輪を車軸C1、C2を中心として回転駆動するための、駆動部としてのモータ21、22と、該モータに電力を供給するバッテリー25と、移動体1の移動をコントロールする制御部23をその内部に備えている。
移動体本体10は、所定形状のフレームで構成された搭乗台11と、この搭乗台11を制御ボックス20とを接続する接続部材18とを備えている。この搭乗台11は、搭乗者が着座するための平面板状の座席12と、搭乗者の背面を支持するための背当て部13と、脚支持部14と、足載置部15とを備えている。
背当て部13は座席12に対して上方に向けて略垂直方向に起立するように固定され、着座した搭乗者が後方に向かって重心をかけた際に背中全体と接触し、その体重を支持する。同様に、脚支持部14は、着座した搭乗者の脚部に接触し、その重量を部分的に支持するように、座席12に対して略鉛直下方に伸びるように一端が固定されており、その他端に足載置部15が固定されている。そして、足載置部15は、着座した搭乗者の脚部の膝部分が略垂直に曲がった状態で足平底面が面接触するように、所定の形状および大きさに設計されている。
また、前記接続部材18は、制御ボックス20に対して一端が固定されるとともに、他端が搭乗台11を移動体の前後方向(移動体の進行方向)に対して回動自在となるように接続されている。そして、図示しないモータ等の駆動手段により、制御部23からの信号によって搭乗台11を回動するタイミングや回動量が制御されている。
また、この接続部材18には、移動体本体の加速度を検出するための加速度センサ18aと、移動体本体10の鉛直方向(図2でいう線分Lの伸びる方向)に対する傾斜角度および傾斜角速度を測定するためのジャイロ18bとが取り付けられている。加速度センサ18aは、移動体本体に作用する力により生じる進行方向についての加速度を検出し、検出した加速度に基づく信号(加速度信号)を制御部23に送信する。制御部23では受信した加速度信号に適切なフィルタ処理を施した後に積分処理をすることで、移動体本体、すなわち移動体の速度を推定する。すなわち、この加速度センサ18aおよび制御部23で、本発明でいう速度推定部が構成される。なお、移動体の実速度は、後述するように、駆動輪の回転角度および回転角速度を検出するための回転角センサの信号により求めることができる。
また、この加速度センサ18aは、移動体に作用した外力の大きさおよびその作用した方向を検出するためにも用いられる。すなわち、加速度センサ18aにより得られた加速度の値が、通常では得られない程度の大きさである場合、制御部23において、移動体本体に外部からの力(外力)が作用したものと判断することができる。
接続部材18に取り付けられたジャイロ18bは、自身の位置が鉛直方向から所定時間の間に傾斜する量、例えば傾斜角速度を検出し、検出した角速度を電気信号に変換して出力可能に構成されており、検出した傾斜角速度に基づいた傾斜角速度信号をフィルタ(図示せず)を介してノイズ等を除去した後に、制御部23に送信する。制御部23においては、移動体1の移動中に微小時間間隔で検出される、接続部材18(すなわち移動体本体)の傾斜角速度を積分することで、移動体本体10の傾斜角度および傾斜角速度を求めることができる。
また、本実施形態では移動体本体10の移動方向(前後方向)についての傾斜角のみを検出するものを用いているが、左右方向についての傾斜角を検出するセンサを用いることも可能である。
さらに、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度および傾斜角速度は、このようなジャイロを用いずに、前述の加速度センサ18aにより得られる加速度信号により測定することもできる。したがって、ジャイロを用いることなく、前述の加速度センサ18aのみを用いて、移動体本体の傾斜角度、傾斜角速度、移動体の速度を検出することもできる。
搭乗台11においては制御部23に操作信号を送信するためのジョイスティック等の操作レバーを備える操作部が設けられており、搭乗台11に搭乗する搭乗者が該操作部を操作することで、移動体1の移動方向や移動速度が制御される。
また、制御ボックス20は、図3に示すように、箱型形状をなすフレームの内部において第1駆動輪31および第2駆動輪32を支持する支持軸C1,C2を備え、これらの支持軸を駆動する駆動部としてのモータ21,22と、これらのモータの回転駆動動作を制御するための制御部23と、駆動輪の回転角度および回転角速度を検出するための回転角センサ24と、これらの構成要素に電力を供給するためのバッテリー25と、前方に配置され、移動する床面の形状等や障害物等を光学的に認識するための検出部26、26を備えている。
モータ21、22は、前述の駆動輪を各々独立して駆動するものであり、これらの駆動輪に回転トルクを与えることで、駆動輪の回転数を制御部23からの制御信号により変化させ、移動体1の進行方向を変化させたり、旋回動作を行ったりすることを可能とする。なお、モータには、電力供給により過熱状態となることを検出するための図示しない温度センサが設けられ、この温度センサにより過熱状態を検出し、後述する制御部に検出信号を出力することで、モータによる最大トルクの出力ができなくなるといった状態を回避することができる。
制御部23は、所定のCPUやメモリなどの記憶領域23aを備える小型のコンピュータであり、この記憶領域23aには、入力される信号に基づいて駆動輪を駆動する駆動量を決定するための所定のプログラムとともに、移動する移動領域に関するマップ情報などが記憶されている。
回転角センサ24は、駆動輪の回転角速度を検出し、検出した回転角速度に基づく電気信号(回転角速度信号)を前記制御部23に対して送信する。制御部23は、この回転角速度信号に基づいて、駆動輪の回転角度および回転角速度を取得する。一方、制御部23は、駆動輪を駆動するとともに、前述した回転角センサ24からの信号と、駆動輪の径とに基づいて移動体の移動速度を求めるだけではなく、駆動輪が床面から離れ、空転したことを検出することもできる。すなわち、制御部23においては、駆動輪を駆動する駆動力が変化していないにも関わらず、駆動輪の回転数が突然増大した場合などを、駆動輪が床面から離れたと判断することができる。
バッテリー25は、制御ボックス20の表面から突出して設けられた図示しない被充電用端子に対して電気的に導通しており、充電ステーションに設けられた充電用端子と、前述の被充電用端子とを接触させることで、電力を供給され、充電される。
検出部26、26は、制御ボックス20の下方前面について左右対称に設置された、検出手段としてのセンサであり、各々のセンサに設けられた光源から赤外線レーザを照射するとともに、そのレーザの照射方向を水平方向および鉛直方向について揺動するように変化させ、その反射光を受光することで、制御ボックス20の前面下方の床面形状を検出するものである。制御部23は、この検出部26により検出された床面形状に関する情報によって、床面上に存在する段差部や障害物等の存在を検知し、これらの障害物等を回避するための経路探索の作成等を行う。
次に、制御部23による、移動体1の倒立状態を維持しつつ移動を行うための制御について、図4に示す制御部23の内部構成を表すブロック図を用いつつ説明する。
図4に示すように、本実施形態に係る移動体1では、前述した制御部23は、目標となる状態量(移動体本体の傾斜角/傾斜角速度、駆動輪の回転角度/角速度など)を取得したのち、これらの状態量に基づいて、倒立走行を行うように駆動輪の回転駆動を制御する倒立制御と、移動体の速度により駆動輪の回転駆動を制御する速度制御とを行っている。前記倒立制御は、移動体本体の傾斜状態(移動体本体の傾斜角度η)に基づいて得られる信号に、所定のゲインG1を乗じて得られる制御量を算出する制御理論により設計されている。一方、前記速度制御は、駆動輪の径とその回転速度とから取得した移動体の実速度に基づいて得られる信号に、所定のゲインG2を乗じて得られる制御量を算出する。そして、算出された各々の制御量を合算することで得られた値を、床面に対して接地する駆動輪の回転駆動量として出力し、前記駆動輪の回転駆動を制御する。なお、前記倒立制御は、既知のPID制御などの制御系に置き換えても構成することができる。
なお、前記ゲインG1およびG2は、移動体に設けられた、倒立状態の異常を検知する検知手段(例えば回転角センサ24や加速度センサ18aなど)からの信号によって、その値が適宜変化する。すなわち、通常の走行時(移動体の倒立状態に異常が生じていない場合)は、移動体本体の傾斜状態に基づいて駆動輪の回転駆動を制御するために、速度制御用のゲインG2の値を小さくとり、倒立制御用のゲインG1の値を大きく設定する。この場合、駆動輪を回転駆動するための制御の大部分が倒立制御により行われるため、移動体1の駆動輪が床面Pに対して接地する接地点から鉛直方向に伸びる、車軸Cを通る直線Lと、移動体1の重心位置と車軸Cとを結ぶ直線とが目標傾斜角度η(例えばη=0度)をなすように第1駆動輪31、第2駆動輪32の回転駆動が制御される。
一方、前記検知手段によって移動体の倒立状態に異常が生じたと判断される場合は、倒立制御による回転駆動の制御量を弱め、速度制御による回転駆動の制御量を強めるように、ゲインG1の値を低減させ、ゲインG2の値を増大させる。この場合、駆動輪を回転駆動するための制御において、倒立制御の占める割合が低減し、速度制御の占める割合が増大するが、部分的に倒立制御が行われる。なお、このゲインG2の値は、取得した実速度に基づいて定めてもよく、例えば倒立状態に異常が生じた際に取得した実速度を目標速度とした場合に必要な駆動力を与えるように定めてもよい。なお、ゲインG2の定め方はこれに限られるものではなく、取得した実速度を下回る速度を目標速度としてもよい。
このように構成された移動体は、倒立状態が正常な場合において、移動体本体10の傾斜している方向に対して、第1駆動輪31、第2駆動輪32を進め、移動体の重心位置を駆動輪の車軸の鉛直上方に戻すように制御される。そして、床面に対して接地する一対の駆動輪に適切なトルクが付与されることで、移動体本体が鉛直方向に対してなす傾斜角度がある一定の値を超えて増加しないように倒立状態が保たれ、かつ、その倒立状態を維持するように、前進、後退、停止、右折、左折、左旋回、右旋回等の移動動作を行うことができる。
また、制御部23は、記憶領域23aに記憶したマップ情報などに基いて、その移動経路を自律的に作成する。このマップ情報は、移動する床面Pの全体形状に、略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで得られるグリッドマップから構成されており、このグリッド線で囲まれたグリッド単位を用いて、移動体1の自己位置に相当する場所や目標地点である移動終了点、および移動終了点における移動体1の移動方向などが特定される。なおグリッドマップにおける格子点の間隔は、移動体1の移動可能な曲率や絶対位置を認識する精度などの条件に応じて、適宜変更可能である。そして、制御部23は、このグリッドマップ上において特定された自己位置を移動始点とし、この移動始点から目的地である移動終点までの移動経路を作成するとともに、駆動輪の回転数などから求めた移動速度や移動距離からリアルタイムに自己位置を算出し、作成された移動経路に沿って移動を行うように移動制御を行う。
次に、前述のように、倒立状態の異常が検知された後に、移動体1の倒立状態を維持しつつ移動を行うための制御について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、移動体1の移動が開始されると、制御部23は加速度センサ18aやジャイロ18bからの信号を受信し、移動体本体の傾斜状態を示す信号を取得する(STEP101)。そして制御部23は、移動体1の移動中において、加速度センサ18aや回転角センサ24の信号から得られる、駆動輪の回転速度や移動体本体に付与された外力の大きさなどの値に基づいて、倒立状態が正常か否かを判断する(STEP102)。
STEP102において倒立状態が正常であると判断されれば、倒立制御を行うために用いるゲインG1および速度制御を行うために用いるゲインG2を初期設定の値のまま用いて(STEP103)、これらのゲインに基づいて駆動輪を駆動するための駆動量を決定する(STEP104)。ここで、初期設定ではゲインG1はゲインG2に比べて十分大きい値であるとし、G2をG1で除した値がほぼ0とみなせる程度の大きさに設定されているものとする。駆動量を決定した後は、制御部23から駆動信号を発信し、決定した駆動量に基づいて駆動輪を回転駆動する(STEP105)。
一方、STEP102において倒立状態が異常であると判断されれば、ゲインG1の値を大きく低減し、逆に、ゲインG2の値を増大させる(STEP113)。この場合、変更するG1の値およびG2の値は移動体の重量や最高速度、形状等に応じて予め設定されているものとする。そして、変更したゲインG1およびG2を用いて駆動輪を駆動するための駆動量を決定し(STEP104)、倒立状態が正常の場合と同様に、決定した駆動量にしたがって駆動輪の駆動を行う(STEP105)。
このようにして駆動輪の駆動が行われた後は、移動を継続するか否かを判断し(STEP106)、移動を継続する場合はSTEP101に戻って移動体本体の傾斜状態を監視する。このとき、STEP102において倒立状態が正常に戻ったと判断されると、ゲインG1およびG2を初期設定の値に戻す。なお、STEP106において移動を継続しないと判断された場合は、所定の停止処理を行い(STEP107)、次の指令を受けるまで待機する。
このように、本実施形態に係る倒立型移動体によると、倒立状態に異常が生じた場合であっても、倒立制御のために回転体を駆動するための駆動トルクが作用するとともに、倒立状態に異常が生じた際の移動体の速度に近づいた移動を行うような駆動トルクが作用する。したがって、倒立状態に異常が発生しても、倒立制御を継続することができるだけではなく、倒立状態の異常に基づく回転体の駆動量の変化によって、移動体が急激に減速し、ブレーキがかかった状態となるのを未然に防ぐことができる。
なお、本実施形態にかかる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法においては、倒立状態が異常であるか否かを、加速度センサや回転角センサなどの値に基づいて判断し、異常である場合にゲインの値を変化させているが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、倒立状態の異常度合いを検出し、その異常度合いに応じて倒立制御と速度制御が回転駆動に占める倒立制御と速度制御との割合を変化させるようにしてもよい。このような例について、次の第2の実施形態を用いて説明する。
発明の実施形態2.
図6から図8を参照しつつ本発明の実施の形態2にかかる倒立型移動体および倒立移動体の制御方法について説明する。この実施形態に係る移動体は、前述の実施の形態1において説明した移動体とほぼ同様の構成を備えるが、前述の実施形態と異なり、回転体(駆動輪)の回転角度と、移動体本体の傾斜角速度の2つについて、その実測値と推定値の偏差を各々求め、これらの偏差に基づいて倒立状態の異常を検知するとともに、その異常度合いを判断するものである。以下、詳細に説明する。本実施形態においては、前述の実施形態において説明した移動体の各構成と同一または同様の構成であるため、その具体的な構成については説明を省略するものとする。
本実施形態に係る倒立移動体の制御方法においては、移動中における4つのパラメータ、すなわち移動体本体10の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、駆動輪の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を用いて、その倒立状態が異常であるか否かをON/OFFで判断するとともに、その異常度合いを検知し、検知した異常度合いに応じてゲインの値を変化させる。以下、図6に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、床面P上を移動する移動体1は、前記4つのパラメータ(移動体本体10の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体(駆動輪)の回転角度および回転角速度)の実測値を同時に取得する(STEP201)。詳細には、制御部23が、前述したジャイロ18aからの傾斜角信号と、回転角センサ24からの回転角速度信号とを同時に取得し、これらの信号に基づいて前記4つのパラメータを同時に取得する。
次に、制御部23は、移動体本体の傾斜角度を除く3つのパラメータ(移動体本体の傾斜角速度、駆動輪の回転角度および回転角速度)と前記回転体の駆動量を用いて、移動体本体の傾斜角度の推定値を求める(STEP202)。そして、STEP201で求めた傾斜角度の実測値と、STEP02で求めた傾斜角度の推測値との偏差を比較し(STEP203)、その偏差δが所定の閾値δを超えるか否かを判断する(STEP204)。偏差δが閾値δを超えない場合は、STEP201に戻ってパラメータの実測値を継続して取得するが、偏差が閾値δを超える場合は、偏差の大きさに基づいて、倒立状態の異常度合いを判断した後(STEP205)、その異常度合いに応じてゲインG1およびG2の値を変更する(STEP206)。この倒立状態の異常度合いを判断する手法としては、前記偏差について段階的に閾値を定めておき、得られた偏差が到達した閾値のレベルによって、異常度合いを判断するといった手法が考えられる。
そして、ゲインの値を変更した後に移動が継続可能か否かを判断し(STEP207)、移動継続が可能であればSTEP201に戻って移動を継続し、倒立状態が保てず、移動継続が不可能と判断されると、倒立制御を中止し、所定の停止処理を行い(STEP208)、次の指令を受けるまで待機する。
なお、前述のSTEP207において、倒立状態の異常度合いが極端に大きい(例えば倒立状態を維持できないほどの大きな外力が移動体本体に作用する)場合、STEP208で行う所定の停止処理としては、図示等は省略するが、移動体本体の底面を床面に向かって傾斜させ、床面に接地させることにより安定した状態に移行するといった手法が考えられる。この場合、足載置部15の底面に補助輪等を設けておくと、移動体本体の底面と床面とが接触した際に生じる摩擦力が低減されるため、好適である。なお、移動体本体の底面が床面と接触したことを検知する手法としては、移動体本体の底面にタッチセンサ等を設置し、これらのセンサにより補助輪に衝撃が加わったことを検知した時点を移動体本体が床面に接地した時点とするといった手法を用いてもよい。なお、このようなタッチセンサに代えて、前述の加速度センサにより得られる信号に基づいて移動体本体が床面と接触した時点を判断してもよい。また、このような移動体が、例えば移動体本体から伸縮可能に構成され、先端に補助輪が設けられたバーを備えている場合は、移動体本体を傾斜させず、移動体本体から補助輪を遠ざかる方向に伸長させ、補助輪を床面に接地させてもよい。また、補助輪の構成としては、移動体本体の前方または後方のいずれかに固定されたものであっても、移動体本体の前方および後方の両方に設けるものであってもよい。
また、STEP206で変化させるゲインG1およびG2の値は、それぞれ独立して増大・低減するように変化させてもよいが、これらのゲインを所定の上限値、下限値の間で変化させるようにしてもよい。例えば、検知する異常度合いを段階的(S1,S2,S3,S4)に定めるとともに、これらの段階について、ヒステリシス特性を有するように対応したゲインG1、G2の値を定めるようにしてもよい。なお、前述の異常状態の段階は、予め実験等を行うことにより具体的な数値を定めるものとする。その具体的な例としては、まず、S3を、想定する最大外力で移動体を押した場合に、倒立制御を行う倒立制御部の制御量によって不安定になり始める(暴走したり、振動したりし始める)状態とする。次に、S1、S2、S4は、上述のS3を基準として、S2はS3よりも異常度合いが小さい状態(即ち、安定な状態)、S1はS2よりも十分に安定な状態、S4はS3よりも不安定な状態といったように決定する。このようにS1〜S4を決定することで、想定する最大外力よりも小さな外乱に対しては、倒立制御部が最大の性能で安定化制御を実行し、想定以上の外力が加わった場合には異常状態であると判断して、その制御量にかかるゲインを小さくすることで暴走を未然に防ぐことができる。
このような倒立状態の異常度合いと、ゲインとの関係を定めた一例を、図7および図8に示す。図7はゲインG1と移動体の倒立状態の異常度合いとの関係を示すグラフ、図8はゲインG2と移動体の倒立状態の異常度合いとの関係を示すグラフである。これらのグラフに示すように、ゲインG1およびG2は、その取り得る値に上限値および下限値が定められており、これらの上限値(K_max)および下限値(K_min)の間でその取り得る値が変化する。なお、本実施形態においては図7および図8に示すゲインの最大値および最小値は、各々同一の値としているが、これに限られるものではなく、これらの値を各々異なる値としてもよい。
図7に示すように、倒立制御を行うための制御量を算出するゲインG1は、倒立状態に異常がない場合は上限値(K_max)をとる。そして、検知された異常度合いがS2のレベルを超えたと判断されると、その値を一定の割合で低減し、下限値(K_min)まで低減する。一方、速度制御を行うための制御量を算出するゲインG2は、図8に示すように、倒立状態に異常がない場合は下限値(K_min)に設定されるこの下限値は、上限値(K_max)に対して十分小さな値が好ましい。そして、倒立状態に異常が発生し、異常度合いがS3に達すると、ゲインG2はその値を徐々に上限値(K_max)まで増大する。
次に、倒立状態の異常が回復し、異常度合いがS2のレベルを下回ると、ゲインG1は徐々にその値を増大させ、上限値(K_max)まで回復する一方、ゲインG2は下限値(K_min)に向かうように低減する。このように、ゲインG1およびG2は、倒立状態の異常度合いに応じて、ヒステリシス特性を有するように変化する。
なお、前述の例はゲインの値を倒立状態の異常度合いに応じて変更するための一例であって、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ゲインの値を変更するための倒立状態の異常度合いは、必要に応じてその度合いを適宜変更することが可能である。
また、前述のような倒立状態の異常度合いを判断する手法として、加速度センサや床面形状を判別するためのセンサなどから得られる信号を用いて、これらのセンサの信号と、前記得られた倒立状態の異常を示す信号とを併せることで、倒立状態の異常を示す度合いをより正確に判断してもよい。
なお、このような倒立型移動体の倒立状態の異常度合いを判断する手法は、上述のようなものに限られるものではない。倒立状態の異常度合いを判断する他の実施形態について、以下に図9から図11を用いて説明する。この実施形態に係る移動体についても、前述の実施の形態1において説明した移動体をほぼ同様の構成を備えているため、移動体の各構成についての説明は省略する。
発明の実施形態3.
本実施形態に係る倒立型移動体においては、具体的には、移動体本体10の傾斜角速度の実測値と推定値の偏差xを横軸、回転体(駆動輪)の回転角速度の実測値と推定値の偏差yを縦軸とした位相平面において、移動体1の移動中に得られる偏差の値(x,y)を前記位相平面内に座標として配置することで、移動体の倒立状態の異常を検知する。
図9は、移動体の移動する床面が理想的な平面である場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する様子を示している。図9に示すように、移動体本体の傾斜角度の偏差をx座標、駆動輪の角速度の偏差をy座標にとった場合、移動体の移動する床面が理想的な平面であれば、その座標の描く軌跡はほぼ楕円形となる。図6におけるt〜tは、移動体が移動する際に連続的に取得した座標を示しており、これらの座標は、ほぼ前述の楕円形の軌跡上に位置していることがわかる。
次に、移動体が移動する際に駆動輪が床面から離れ空転した場合における、前記偏差の値により特定される座標の変位の例を図10に示す。図10に示す座標t'は、駆動輪が空転した時点での移動体本体の傾斜角度の偏差、および駆動輪の角速度の偏差により特定された座標を示している。図10に示すように、座標tを取得した時点から座標t'を取得した時点に移行する際に、車輪が空転することによって、空転時の駆動輪の角速度が急激に大きくなるため、座標t'は前述の楕円形の軌跡上から大きく外れることとなる。すなわち、駆動輪が空転し、倒立状態が異常となった場合には、前記位相平面上で得られる軌跡は前述のような楕円形から大きく外れる。
さらに、移動体が移動する際に移動体に対して大きな外力が付与された場合における、前記偏差の値により特定される座標の変位の例を図11に示す。図11に示す座標t"は、移動体に対して外力が付与された時点での移動体本体の傾斜角度の偏差、および駆動輪の角速度の偏差により特定された座標を示している。図11に示すように、座標tを取得した時点から座標t"を取得した時点に移行する際に、移動体本体は付与された外力によって推測された傾斜角度から大きく外れて傾斜するため、座標t"は前述の楕円形の軌跡上から大きく外れることとなる。
このように、移動体本体の傾斜角度の偏差と、駆動輪の角速度の偏差との関係は、前記位相平面上において、それらの偏差を座標に置き換えた場合に、その軌跡がほぼ楕円形状を描く。そのため、この軌跡上から所定の誤差を考慮して得られる特定の領域に、取得した座標が含まれるか否か、すなわち、座標を取得したことで得られる軌跡が前記特定の領域に収まらない場合は、移動体の倒立状態に異常が生じており、前記領域からどの程度離れているかによって、倒立状態の異常度合いを検知することができる。
次に、本実施形態に係る移動体1が、その倒立状態の異常度合いに応じてその倒立制御を行う手順について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、床面P上を移動する移動体1は、その移動を開始すると、移動中における4つのパラメータ、すなわち移動体本体10の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体(駆動輪)の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する(STEP301)。
次に、これらのパラメータを取得すると、移動体本体10の傾斜角速度の推定値、および駆動輪の回転角度の推定値を、それぞれその他の3つのパラメータを用いて算出する(STEP302)。
そして、移動体本体10の傾斜角速度の実測値と推定値の偏差xを横軸、回転体(駆動輪)の回転角速度の実測値と推定値の偏差yを縦軸とした位相平面において、移動体1の移動中に得られる偏差の値(x,y)を前記位相平面内に座標として配置する(STEP303)。
そして、前記位相平面上において予め定められた軌跡(倒立状態に異常のない状態において描かれる軌跡)と、前記配置された座標との位置関係、例えば、移動の移動中に得られる偏差の値(x,y)と、前記軌跡との距離に基づいて倒立状態の異常度合いを判断する(STEP304)。そして、判断された異常度合いに基づいて、ゲインG1およびゲインG2を定め、定められた各ゲインを用いて駆動輪の回転駆動量を決定し(STEP305)、決定された回転駆動量に従って駆動輪を駆動し、移動を継続する(STEP306)。そして、移動を停止するか否かを判断し(STEP307)、移動体の移動を継続する場合は前述のSTEP301から306でのフローを連続的に繰り返す。また、STEP307において移動を停止すると判断された場合は、所定の停止処理を行い(STEP308)、次の指令を受けるまで待機する。
なお、この実施形態では、移動体本体の傾斜角速度の実測値と推定値の偏差をx、回転体(駆動輪)の回転角速度の実測値と推定値の偏差をyとした位相平面において、移動体の移動中に得られる偏差の値(x,y)を前記位相平面内に座標としてプロットするとともに、所定の軌跡とプロットした座標との距離に基づいて倒立状態の異常を判断しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、時系列的に座標を取得し、連続する座標のx座標またはy座標の値が大きく変化した場合に、その変化量に応じて移動体の倒立状態の異常度合いを判断するようにしてもよい。このような手法を用いる場合、倒立状態に異常が生じた場合、連続する座標間により得られる軌跡の傾きを逐次計算し、その傾きの変化を連続的に取得し、取得した傾きの変化に応じて移動体の倒立状態の異常度合いを判断するなどの手法を用いることができる。
以上、説明したように、本発明にかかる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法は、移動する床面上に段差や固定された障害物などの凸部が存在する場合であっても、特別なセンサ等を用いることなく倒立制御を安定して行うことができる。
なお、上記3つの実施形態においては、搭乗台に搭乗者が搭乗し、図示しない操作部を操作することにより移動を制御する形態を用いて説明しているが、搭乗台に物体を載置し、移動体を自律的に移動させるものであってもよい。すなわち、本発明に係る移動体を、例えば工場内や家庭内で物体を移動するキャリアとして用いることも可能である。この場合、移動体は、前述のような搭乗者の操作により移動を制御するものではなく、移動体に設けられた周囲の環境を認識するセンサ(赤外線センサなど)からの信号により、自己の動きを自律的に制御するものであってもよい。また、予め定められた移動経路に従って移動するような移動体においても本発明を好適に用いることも可能である。
第1の実施の形態に係る倒立型移動体であって、その外観および内部構成を概略的に示す概略図である。 図1に示す倒立型移動体を側方から見た様子を概念的なモデルを用いて示す概念図である。 図1に示す移動体の制御ボックスの内部を部分的に断面視し、その内部構造を概略的に示す概念図である。 図1に示す移動体が倒立状態を維持しつつ移動するための制御を行う制御部の内部構成を表すブロック図である。 第1の実施形態に係る倒立型移動体において、移動体1の倒立状態を維持しつつ移動を行う手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る倒立型移動体において、移動体1の倒立状態の異常度合いを検知し、検知した異常度合いに応じて駆動輪の駆動量を決定して移動を行う手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る倒立型移動体において、ゲインG1と移動体の倒立状態の異常度合いとの関係の一例を示すグラフである。 第2の実施形態に係る倒立型移動体において、ゲインG2と移動体の倒立状態の異常度合いとの関係の一例を示すグラフである。 第3の実施形態に係る移動体の移動する床面が理想的な平面である場合に、移動体本体の傾斜角および駆動輪の角速度の偏差の値により特定される座標が、移動体の移動に応じて変位する位相平面を示すグラフである。 前記位相平面において、移動体の移動時に駆動輪が空転した場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する一例を示すグラフである。 前記位相平面において、移動時に移動体に対して大きな外力が付与された場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する一例を示すグラフである。 第3の実施形態に係る倒立型移動体において、その倒立状態の異常度合いに応じてその倒立制御を行う手順を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1・・・移動体(倒立型移動体)
10・・・移動体本体
11・・・搭乗台
12・・・座席
13・・・背当て部
14・・・脚支持部
15・・・足載置部
18・・・接続部材
18a・・・加速度センサ(速度推定部)
18b・・・ジャイロ(測定部)
20・・・制御ボックス
21,22・・・モータ(駆動部)
23・・・制御部
23a・・・記憶領域
24・・・回転角センサ(測定部)
25・・・バッテリー
26・・・検出部
31,32・・・駆動輪(回転体)
P・・・床面

Claims (21)

  1. 断面が円形の回転体と、
    前記回転体を回転駆動させる駆動部と、
    前記回転体を保持する移動体本体と、
    前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで前記移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、
    前記回転体の回転角速度を検出する第1のセンサと、
    前記移動体本体に作用する外力及び前記移動体本体の傾斜状態の少なくとも1つを検出する第2のセンサと、を備える倒立型移動体であって、
    前記制御部が、前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じ、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出するとともに、前記第1のセンサの出力値及び前記第2のセンサの出力値の少なくとも1つに基づいて前記移動体本体の倒立状態が正常か否かを判断し、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合には、前記ゲインを低減することを特徴とする倒立型移動体。
  2. 前記制御部が、前記第1のセンサの出力値及び前記第2のセンサにより出力される前記移動体本体の傾斜状態に基づいて前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを検知し、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じて、前記ゲインを低減する度合いを変化させることを特徴とする請求項1に記載の倒立型移動体。
  3. 前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じた前記ゲインの上限値および下限値を定め、前記制御部が、前記上限値および下限値の間でゲインを変化させることを特徴とする請求項2に記載の倒立型移動体。
  4. 前記移動体本体の速度を検出する速度検出部をさらに備えるとともに、
    前記制御部が、前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値と、前記速度検出部により検出された前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値とに基づいて、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の倒立型移動体。
  5. 前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合に、前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させることを特徴とする請求項4に記載の倒立型移動体。
  6. 前記移動体本体の速度を推定する速度推定部をさらに備え、
    前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合に、前記速度推定部により推定された速度に基づいて目標速度を定め、該目標速度を得るように,前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させることを特徴とする請求項4または5に記載の倒立型移動体。
  7. 前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、前記回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定部と、前記測定部により取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体の制御量に基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定部をさらに備え、
    前記選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の倒立型移動体。
  8. 前記実測値と推定値との偏差の大きさに基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することを特徴とする請求項7に記載の倒立型移動体。
  9. 前記4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項7または8に記載の倒立型移動体。
  10. 前記4つのパラメータのうち、前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および前記回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて前記移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項に記載の倒立型移動体。
  11. 前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および前記回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差の値を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、前記回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に座標として配置することで得られる軌道に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項9に記載の倒立型移動体。
  12. 前記位相平面において、予め所定の領域を定めるとともに、得られた軌道が前記領域から離れた距離に基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することを特徴とする請求項11に記載の倒立型移動体。
  13. 前記位相平面における軌道の傾きに基づいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを判断することを特徴とする請求項11に記載の倒立型移動体。
  14. 前記移動体本体が、搭乗者を載置する搭乗台を有することを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項に記載の倒立型移動体。
  15. 前記回転体が、前記移動体本体の移動方向に対して両側に平行に設けられた一対の車輪であり、該車輪が各々独立して回転制御可能であることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項に記載の倒立型移動体。
  16. 断面が円形の回転体と、
    前記回転体を回転駆動させる駆動部と、
    前記回転体を保持する移動体本体と、
    前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで前記移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、
    前記回転体の回転角速度を検出する第1のセンサと、
    前記移動体本体に作用する外力及び前記移動体本体の傾斜状態の少なくとも1つを検出する第2のセンサと、を備える倒立型移動体の倒立状態を制御する制御方法であって、
    前記移動体本体の傾斜状態を示す信号を取得する傾斜状態取得ステップと、
    取得した前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じて倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出する駆動量算出ステップと、を備えるとともに、
    前記制御部が、前記第1のセンサの出力値及び前記第2のセンサの出力値の少なくとも1つに基づいて前記移動体本体の倒立状態が正常か否かを判断する倒立状態判断ステップと、
    前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合に、前記ゲインを低減するゲイン低減ステップとをさらに備えることを特徴とする倒立型移動体の制御方法。
  17. 前記倒立状態判断ステップにおいて、前記制御部が、前記第1のセンサの出力値及び前記第2のセンサにより出力される前記移動体本体の傾斜状態に基づいて前記移動体本体の倒立状態の異常度合いを検知し、
    前記ゲイン低減ステップにおいて、前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じて、前記ゲインを低減する度合いを変化させることを特徴とする請求項16に記載の倒立型移動体の制御方法。
  18. 前記ゲイン低減ステップにおいて、前記移動体本体の倒立状態の異常度合いに応じた前記ゲインの上限値および下限値を定め、前記制御部が、前記上限値および下限値の間でゲインを変化させることを特徴とする請求項17に記載の倒立型移動体の制御方法。
  19. 前記移動体本体の速度を検出する速度検出ステップをさらに備えるとともに、
    前記駆動量算出ステップおいて、傾斜状態取得ステップで取得された前記移動体本体の傾斜状態に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値と、速度検出ステップで検出された前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に所定のゲインを乗じた値とに基づいて、倒立状態を維持するための前記回転体の駆動量を算出することを特徴とする請求項16乃至18いずれか1項に記載の倒立型移動体の制御方法。
  20. 前記倒立状態判断ステップにおいて、前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合に、前記移動体本体の速度に基づいて得られた信号に乗じるゲインを増大させるゲイン増大ステップをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の倒立型移動体の制御方法。
  21. 前記移動体本体の速度を推定する速度推定ステップをさらに備え、
    前記倒立状態判断ステップにおいて、前記制御部が、前記移動体本体の倒立状態が異常であると判断した場合に、前記駆動量算出ステップおいて、速度推定ステップにより推定された速度に基づいて定められた目標速度を得るように、前記回転体の駆動量を算出することを特徴とする請求項19または20に記載の立型移動体の制御方法。
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