JP4941226B2 - 倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法 - Google Patents

倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、断面が円形の回転体の回転駆動を制御することで倒立状態を維持しながら走行による移動を行う、いわゆる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法に関するものである。
断面が円形の回転体を回転駆動することで倒立状態を維持しながら走行する倒立型移動体は、全体の重心位置を回転体の接地位置に対して常に鉛直方向に維持するように回転体を駆動することで、倒立状態を維持しつつ、移動を行うことができる。このような倒立型の移動体においては、移動体の重心を前方へ移動させることで、回転体の接地位置を前方に移動した重心位置の真下に移動させるように回転体が駆動され、その結果、前方へ移動することができる。このような、重心位置を変化させることで移動する方向および速度を制御することが可能な移動体は、物体を搭乗して移動する台車として利用したり、人間が搭乗しつつ移動を行うための移動手段として利用したりされつつある。(例えば特許文献1,2)
このような倒立型移動体は、前後の各々2輪ずつ有するいわゆる4輪安定型の移動体に比べてホイールベースが短く、方向転換に要するスペースが小さくなるというメリットを有しているため、新たな移動手段としての役割が期待されつつある。
特開2004−129435号公報 特開2006−247802号公報
このような移動体は、移動する領域が完全な平面である場合は倒立制御の理論に基づいてその倒立状態を維持できる。しかしながら、移動する領域内に未知の段差部や障害物が存在する場合や、移動する領域内の路面摩擦係数が変化する場合、走行中に外乱が加わり、その結果、倒立制御が保てなくなる場合がある。このような倒立制御を保てなくなる状況を防ぐため、例えば回転体の素材や移動体本体の構造などについて、外乱を考慮した設計がなされることが一般的であるが、全ての状況を考慮した倒立制御の設計を行うことは事実上困難である。
そこで、移動領域内の段差部や障害物、または路面摩擦係数の変化を検知するための特別なセンサを搭載することが考えられるが、このようなセンサを搭載することにより制御がさらに複雑になり、倒立制御の信頼性を高めることが必ずしも達成できない。さらに、このようなセンサを用いることにより、移動体の重量増加やコストアップといった問題も新たに生じる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、移動する床面上に段差や固定された障害物などの凸部が存在する場合であっても、特別なセンサ等を用いることなく倒立制御を安定して行うことが可能な倒立型移動体、および倒立型移動体の制御方法を提供することを目的とするものである。
本発明にかかる倒立型移動体は、前述のような課題を解決するためのものであり、断面が円形の回転体と、前記回転体を回転駆動させる駆動部と、前記回転体を保持する移動体本体と、前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備えるとともに、前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定部と、前記測定部により取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体を駆動するための制御量とに基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定部と、を備え、前記選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴としている。
倒立型移動体においては、前述の4つのパラメータは理想的な平面を走行している場合には、3つのパラメータと制御量から推定される他の1つのパラメータの推定値は、実測値とほぼ一致する。言い換えると、前記他の1つのパラメータの実測値と推定値とが大きく異なる場合は、倒立型移動体の倒立状態が異常であると言える。したがって、前述のように1つのパラメータの実測値と推定値との偏差に着目することによって、特別なセンサ等を用いることなく倒立型移動体における倒立状態の異常が検知できるため、安定した倒立制御を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる倒立型移動体は、前記4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように複数の組み合わせにより得られる偏差に基づいて倒立状態の異常を検知することで、より確実に倒立状態の異常を検知することができる。
さらに、このような倒立型移動体においては、前記4つのパラメータのうち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知してもよい。すなわち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差は、倒立型移動体が理想的な平面上を移動している場合において単純な既知の関係を満たすことが知られている。したがって、これらの偏差の関係に着目することにより、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
この場合、倒立状態の異常を検知するより詳細な手法としては、前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に配置することで得られる軌道に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に、前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差をパラメータとして配置すると、倒立型移動体が通常の平面上を移動する場合には、前記位相平面内において曲線状の軌跡が得られる。逆に、倒立状態に異常が生じる場合(例えば大きな段差部を乗り越えた場合や大きな外乱が加えられた場合)には、前記軌跡が前記曲線上から大きく外れた場所に位置するため、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
さらに、倒立状態の異常を検知するためのより詳細な手法としては、前記位相平面において、予め所定の領域を定め、得られた軌道が前記領域内に収まらない場合に、移動体本体の倒立状態を異常と判断するといった手法の他、前記位相平面における軌道の傾きが、所定の閾値を超えた場合に移動体本体の倒立状態を異常と判断するといった手法を用いることもできる。これらの倒立状態の異常を検知する手法は、状況に応じて適宜使い分けてもよく、さらに、これらの手法を併せて用いることもできる。このように、複数の異常検知の手法を組み合わせることで、倒立移動体の倒立状態の異常をより確実に検知することができる。
また、前記倒立型移動体に、非常時に床面に対して接触する補助輪をさらに設け、移動体本体の倒立状態の異常が検知された際に、前記補助輪を床面に対して接触させるようにしてもよい。これによって、倒立状態の異常が検知された場合に、移動体を直ちに安定した状態に移行させることができる。
なお、前述の移動体本体としては、搭乗者を載置する搭乗台を有するものであってもよい。このような倒立型移動体は、搭乗者としての人間を載置し、搭乗者の指令にしたがって、または自律的に移動可能な移動手段として利用することができる。
なお、前記回転体としては、球状や円柱状に構成することも可能であるが、移動体本体の移動方向に対して両側に平行に設けられた一対の車輪であり、これらの車輪が独立して回転駆動可能であることが好ましい。このような倒立型移動体の場合、前後左右に対して自在に移動できるだけでなく、一対の車輪を互いに逆方向に回転させることで、その場旋回などの動作も容易に行うことが可能となる。
また、本発明は倒立型移動体の制御方法をも提供するものであり、断面が円形の回転体と、前記回転体を回転駆動させる駆動部と、前記回転体を保持する移動体本体と、前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備える倒立型移動体の倒立状態を制御する制御方法であって、前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定ステップと、前記測定ステップにより取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体の制御量に基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定ステップと、選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知する異常検知ステップと、前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、移動体を安定した状態に移行させる安定化ステップと、を備えることを特徴としている。
このような倒立型移動体の制御方法によると、上述したように、特別なセンサ等を用いることなく倒立型移動体における倒立状態の異常が検知できるため、安定した倒立制御を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる倒立型移動体の制御方法においては、前記推定ステップが、4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について、他の1つのパラメータの推定値を求めるものであり、前記異常検知ステップが、前記推定ステップにより複数得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように複数の組み合わせにより得られる偏差に基づいて倒立状態の異常を検知することで、より確実に倒立状態の異常を検知することができる。
さらに、このような倒立型移動体の制御方法においては、前記異常検知ステップが、前記4つのパラメータのうち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知するものであってもよい。このように、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差の関係に着目することにより、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
また、この場合、倒立状態の異常を検知するより詳細な手法としては、前記異常検知ステップにおいて、前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に配置することで得られる軌道に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知するようにしてもよい。このように、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に、前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差をパラメータとして配置すると、倒立状態に異常が生じる場合には、得られる軌跡が理想的な曲線状の軌跡から大きく外れるため、容易に倒立状態の異常を検知することができる。
さらに、倒立状態の異常を検知するためのより詳細な手法としては、前記異常検知ステップにおいて、前記位相平面上に予め所定の領域を定め、得られた軌道が前記領域内に収まらない場合に、移動体本体の倒立状態を異常と判断するといった手順を備えさせる他、前記位相平面における軌道の傾きが、所定の閾値を超えた場合に移動体本体の倒立状態を異常と判断する手順を備えさせるといった手法が考えられる。倒立状態の異常を検知する手法としては、これらの手順を状況に応じて適宜使い分けてもよく、さらに、これらの手順を併せて用いて移動体の倒立状態の異常を検知するようにしてもよい。
また、前記制御部における、前記駆動部を制御して倒立状態を維持するための制御ゲインが可変である場合に、前記安定化ステップにおいて、前記実測値と推定値との偏差の大きさに応じて前記制御ゲインを変化させることで倒立状態を安定させるようにしてもよい。このようにすると、ある程度の外乱が移動体に加えられた場合に、加えられた外乱の大きさに応じて移動体を正常な倒立状態を復帰する力が作用するため、移動体の倒立状態を安定させることができる。
また、前記倒立型移動体が、非常時に床面に対して接触する補助輪をさらに備える場合は、移動体本体の倒立状態の異常が検知された際に、前記安定化ステップが、倒立制御を中止し、補助輪を床面に対して接触させることで移動体を安定した状態に移行させるものであってもよい。このような手法を用いても、倒立状態の異常が検知された場合に、移動体を安定した状態に移行させることが可能となる。
以上、説明したように、本発明によると、移動する床面上に段差や固定された障害物などの凸部が存在する場合であっても、特別なセンサ等を用いることなく倒立制御を安定して行うことが可能な倒立型移動体、および倒立型移動体の制御方法を提供することができる。
発明の実施形態1.
以下に、図1から図5を参照しつつ本発明の実施の形態1にかかる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法について説明する。
図1は、移動領域である床部上を、搭乗者を載置した状態で、該搭乗者の操作により移動制御可能な倒立型移動体(以下、単に移動体という)1をその内部構造とともに概略的に示す概略図であり、図2は、図1に示す移動体1を側方から見た様子を概念的なモデルを用いて示す概念図である。以下、詳細に説明する。
図1に示すように、移動体1は、搭乗者を載置する搭乗台11を備える移動体本体10と、1対の対向する回転体としての第1駆動輪31および第2駆動輪32と、移動体本体10に接続され、第1駆動輪31および第2駆動輪32の回転駆動を制御する制御ボックス20と、を備えている。この制御ボックス20は、後述するようにこれらの駆動輪を車軸C1、C2を中心として回転駆動するための、駆動部としてのモータ21、22と、該モータに電力を供給するバッテリー25とをその内部に備え、移動体1の移動をコントロールしている。
移動体本体10は、所定形状のフレームで構成された搭乗台11と、この搭乗台11を制御ボックス20とを接続する接続部材18とを備えている。この搭乗台11は、搭乗者が着座するための平面板状の座席12と、搭乗者の背面を支持するための背当て部13と、脚支持部14と、足載置部15とを備えている。
背当て部13は座席12に対して上方に向けて略垂直方向に起立するように固定され、着座した搭乗者が後方に向かって重心をかけた際に背中全体と接触し、その体重を支持する。同様に、脚支持部14は、着座した搭乗者の脚部に接触し、その重量を部分的に支持するように、座席12に対して略鉛直下方に伸びるように一端が固定されており、その他端に足載置部15が固定されている。そして、足載置部15は、着座した搭乗者の脚部の膝部分が略垂直に曲がった状態で足平底面が面接触するように、所定の形状および大きさに設計されている。
また、足載置部15の底部には、移動体の前方におよび後方に突出するバー16a,16bが固定されており、その各々の先端に回動自在に取り付けられた補助輪17a,17bが設けられている。図2に示すように、接続部材18が回動し、これらの補助輪17a,17bが地面から離れた状態では倒立制御が行われるが、図3に示すように、接続部材18が前方(または後方)に回動し、これらの補助輪を床面に接地させると移動体1は安定した状態となる。
また、前記接続部材18は、制御ボックス20に対して一端が固定されるとともに、他端が搭乗台11を移動体の前後方向(移動体の進行方向)に対して回動自在となるように接続されている。そして、図示しないモータ等の駆動手段により、制御ボックス20からの信号によって搭乗台11を回動するタイミングや回動量が制御されている。
また、この接続部材18には、移動体本体10の鉛直方向(図2でいう線分Lの伸びる方向)に対する傾斜角度および傾斜角速度を測定するためのジャイロ18aが取り付けられている。このジャイロ18aは、自身の位置が鉛直方向から所定時間の間に傾斜する量、例えば傾斜角速度を検出し、検出した角速度を電気信号に変換して出力可能に構成されており、検出した傾斜角速度に基づいた傾斜角速度信号をフィルター(図示せず)を介してノイズ等を除去した後に、制御部23に送信する。制御部23においては、移動体1の移動中に微小時間間隔で検出される、接続部材18(すなわち移動体本体)の傾斜角速度を積分することで、移動体本体10の傾斜角度および傾斜角速度を求めることができる。
また、本実施形態では移動体本体10の移動方向(前後方向)についての傾斜角のみを検出するものを用いているが、左右方向についての傾斜角を検出するセンサを用いることも可能である。さらに、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度および傾斜角速度を測定するための手段としては、このようなジャイロに代えて、加速度センサを用いることもできる。加速度センサを用いた場合は、移動体本体に加わる加速度に基づいて、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度および傾斜角速度を求めることができる。また、ジャイロおよび加速度センサを組み合わせたものを用いてもよい。
さらに、搭乗台11においては制御部23に操作信号を送信するためのジョイスティック等の操作レバーを備える操作部が設けられており、搭乗台11に搭乗する搭乗者が該操作部を操作することで、移動体1の移動方向や移動速度が制御される。
また、制御ボックス20は、図4に示すように、箱型形状をなすフレームの内部において第1駆動輪31および第2駆動輪32を支持する支持軸C1,C2を備え、この支持軸を駆動する駆動部としてのモータ21,22と、これらのモータの回転駆動動作を制御するための制御部23と、駆動輪の回転角度および回転角速度を検出するための回転角センサ24と、これらの構成要素に電力を供給するためのバッテリー25と、前方に配置され、移動する床面の形状等や障害物等を光学的に認識するための検出部26、26を備えている。
モータ21、22は、前述の駆動輪を各々独立して駆動するものであり、これらの駆動輪に回転トルクを与えることで、駆動輪の回転数を制御部23からの制御信号により変化させ、移動体1の進行方向を変化させたり、旋回動作を行ったりすることを可能とする。なお、モータには、電力供給により過熱状態となることを検出するための図示しない温度センサが設けられ、この温度センサにより過熱状態を検出し、後述する制御部に検出信号を出力することで、モータによる最大トルクの出力ができなくなるといった状態を回避することができる。
制御部23は、所定のCPUやメモリなどの記憶領域23aを備える小型のコンピュータであり、この記憶領域23aには、入力される信号に基づいて駆動輪を駆動する駆動量を決定するための所定のプログラムとともに、移動する移動領域に関するマップ情報などが記憶されている。この駆動輪を駆動するために入力される信号としては、前述のジャイロ18aから送信される傾斜角信号などが用いられる。
また、制御部23は、移動体1の倒立状態を維持するための制御を行うための倒立制御を行う。すなわち、移動体1の駆動輪が床面Pに対して接地する接地点から鉛直方向に伸びる、車軸Cを通る直線Lと、移動体1の重心位置と車軸Cとを結ぶ直線とが目標傾斜角度η(例えばη=0度)をなすように第1駆動輪31、第2駆動輪32の回転駆動を制御する。詳細には、床面に対して接地する一対の駆動輪に、取得した移動体本体の傾斜角度ηに対して所定のゲインを乗じて得られる大きさのトルクを付与する。このように構成された移動体は、移動体本体10の傾斜している方向に対して、第1駆動輪31、第2駆動輪32を進め、移動体の重心位置を駆動輪の車軸の鉛直上方に戻すように制御される。そして、床面に対して接地する一対の駆動輪に適切なトルクが付与されることで、移動体本体が鉛直方向に対してなす傾斜角度がある一定の値を超えて増加しないように倒立状態が保たれ、かつ、その倒立状態を維持するように、前進、後退、停止、右折、左折、左旋回、右旋回等の移動動作を行うことができる。
さらに、制御部23は、記憶領域23aに記憶したマップ情報などに基づいて、その移動経路を自律的に作成する。このマップ情報は、移動する床面Pの全体形状に、略一定間隔に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写することで得られるグリッドマップから構成されており、このグリッド線で囲まれたグリッド単位を用いて、移動体1の自己位置に相当する場所や目標地点である移動終了点、および移動終了点における移動体1の移動方向などが特定される。なおグリッドマップにおける格子点の間隔は、移動体1の移動可能な曲率や絶対位置を認識する精度などの条件に応じて、適宜変更可能である。そして、制御部23は、このグリッドマップ上において特定された自己位置を移動始点とし、この移動始点から目的地である移動終点までの移動経路を作成するとともに、駆動輪の回転数などから求めた移動速度や移動距離からリアルタイムに自己位置を算出し、作成された移動経路に沿って移動を行うように移動制御を行う。
回転角センサ24は、駆動輪の回転角速度を検出し、検出した回転角速度に基づく電気信号(回転角速度信号)を前記制御部23に対して送信する。制御部23は、この回転角速度信号に基づいて、駆動輪の回転角度および回転角速度を取得する。
バッテリー25は、制御ボックス20の表面から突出して設けられた図示しない被充電用端子に対して電気的に導通しており、充電ステーションに設けられた充電用端子と、前述の被充電用端子とを接触させることで、電力を供給され、充電される。
検出部26、26は、制御ボックス20の下方前面について左右対称に設置された、検出手段としてのセンサであり、各々のセンサに設けられた光源から赤外線レーザを照射するとともに、そのレーザの照射方向を水平方向および鉛直方向について揺動するように変化させ、その反射光を受光することで、制御ボックス20の前面下方の床面形状を検出するものである。制御部23は、この検出部26により検出された床面形状に関する情報によって、床面上に存在する段差部や障害物等の存在を検知し、これらの障害物等を回避するための経路探索の作成等を行う。
次に、このように構成された移動体1が、その倒立状態が異常であるか否かを判断する手順について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、床面P上を移動する移動体1は、移動中における4つのパラメータ、すなわち移動体本体10の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体(駆動輪)の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する(STEP101)。詳細には、制御部23が、前述したジャイロ18aからの傾斜角信号と、回転角センサ24からの回転角速度信号とを同時に取得し、これらの信号に基づいて前記4つのパラメータを同時に取得する。
次に、制御部23は、駆動輪の制御量と移動体本体の傾斜角度を除く3つのパラメータ(移動体本体の傾斜角速度、駆動輪の回転角度および回転角速度)を用いて、移動体本体の傾斜角度の推定値を求める(STEP102)。そして、STEP101で求めた傾斜角度の実測値と、STEP102で求めた傾斜角度の推測値との偏差を比較し(STEP103)、その偏差δが所定の閾値(δ)よりも大きいか否かを判断する(STEP104)。この偏差δが閾値δを超えない場合は、STEP101に戻ってパラメータの実測値を継続して取得するが、偏差δが閾値δを超える場合は、倒立状態が異常と判断し、倒立制御を中止して補助輪17a,17bを床面Pに接地するよう、移動体本体10を前方に傾斜させる(STEP105)。この際、実測した移動体本体10の傾斜角度に基づいて、移動体本体の傾斜量を制御すると、より好適である。
補助輪17が床面Pに接地し、移動体が安定した状態に移行すると、制御部23は駆動輪の駆動を停止し(STEP106)、所定の停止処理を行ったのち(STEP107)、次の指令を受けるまで待機する。なお、移動体本体10を前方に傾斜させるように駆動輪を駆動させた際に移動体本体10がそれ以上傾斜できなくなった時点を、補助輪17a,17bが床面Pに接地した状態とみなしてもよいが、これに代えて、補助輪17aまたは17bの近傍に加速度センサやタッチセンサ等を設置し、これらのセンサにより補助輪に衝撃が加わったことを検知した時点を補助輪17a,17bが床面に接地した時点としてもよい。
なお、この実施形態では、取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータ(移動体本体の傾斜角速度、駆動輪(回転体)の回転角度および回転角速度)の実測値と回転体の制御量に基づいて、他の1つのパラメータ(移動体本体の傾斜角度)を推定し、この推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知しているが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、選択する3つのパラメータとして他の組み合わせを選んでもよい。
なお、前述のような倒立状態の異常が生じる原因として、床面上に存在する段差部などに駆動輪が衝突した場合や、駆動輪が床面から一時的に離れて空転した場合などが考えられる。そこで、別のセンサ(例えば床面形状を判別するためのセンサ)などを用いて、これらのセンサの信号と、前記得られた倒立状態の異常を示す信号とを併せることで、倒立状態の異常が生じた原因をより正確に判別してもよい。
また、前述の実施形態においては、移動体を安定した状態に移行する手段として、移動体本体を傾斜させ、補助輪を床面に接地する手法を用いているが、例えばこれらの補助輪が移動体本体から伸縮可能に構成されている場合は、移動体本体を傾斜させず、移動体本体から補助輪を遠ざかる方向に伸長させることで、補助輪を床面に接地させてもよい。なお、このような移動体を安定させる手段を複数設けておき、倒立状態の異常度合いに応じて、移動体を安定させるレベルを選択するようにしてもよい。この場合、倒立状態の異常度合いを、前記偏差に応じて定めるようにすると好適である。
また、補助輪の構成としては、移動体本体の前方および後方の両方に設けるものに限定されず、例えば移動体本体の前方または後方のいずれかに固定されたものであってもよい。このような場合であっても、移動体本体に対して揺動自在に接続された接続部材の動きによって、補助輪を床面に接地させ、移動体を安定した状態にすることができる。
発明の実施形態2.
次に、図6から図8を参照しつつ本発明の実施の形態2にかかる倒立型移動体および倒立移動体の制御方法について説明する。この実施形態に係る移動体は、前述の実施の形態1において説明した移動体をほぼ同様の構成を備えるが、前述の実施形態と異なり、回転体(駆動輪)の回転角度と、移動体本体の傾斜角速度の2つについて、その実測値と推定値の偏差を各々求め、これらの偏差に基づいて倒立状態の異常を検知するものである。以下、詳細に説明する。本実施形態においては、前述の実施形態において説明した移動体の各構成と同一または同様の構成であるため、その具体的な構成については説明を省略するものとする。
本実施形態にかかる倒立型移動体では、具体的には、移動体本体10の傾斜角速度の実測値と推定値の偏差xを横軸、回転体(駆動輪)の回転角度の実測値と推定値の偏差yを縦軸とした位相平面において、移動体1の移動中に得られる偏差の値(x,y)を前記位相平面内に座標として配置することで、移動体の倒立状態の異常を検知する。
図6は、移動体の移動する床面が理想的な平面である場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する様子を示している。図6に示すように、移動体本体の傾斜角度の偏差をx座標、駆動輪の角速度の偏差をy座標にとった場合、移動体の移動する床面が理想的な平面であれば、その座標の描く軌跡はほぼ楕円形となる。図6におけるt〜tは、移動体が移動する際に連続的に取得した座標を示しており、これらの座標は、ほぼ前述の楕円形の軌跡上に位置していることがわかる。
次に、移動体が移動する際に駆動輪が床面から離れ空転した場合における、前記偏差の値により特定される座標の変位の例を図7に示す。図7に示す座標t'は、駆動輪が空転した時点での移動体本体の傾斜角度の偏差、および駆動輪の角速度の偏差により特定された座標を示している。図7に示すように、座標tを取得した時点から座標t'を取得した時点に移行する際に、車輪が空転することによって、空転時の駆動輪の角速度が急激に大きくなるため、座標t'は前述の楕円形の軌跡上から大きく外れることとなる。すなわち、駆動輪が空転し、倒立状態が異常となった場合には、前記位相平面上で得られる軌跡は前述のような楕円形から大きく外れる。
さらに、移動体が移動する際に移動体に対して大きな外力が付与された場合における、前記偏差の値により特定される座標の変位の例を図8に示す。図8に示す座標t"は、移動体に対して外力が付与された時点での移動体本体の傾斜角度の偏差、および駆動輪の角速度の偏差により特定された座標を示している。図8に示すように、座標tを取得した時点から座標t"を取得した時点に移行する際に、移動体本体は付与された外力によって推測された傾斜角度から大きく外れて傾斜するため、座標t"は前述の楕円形の軌跡上から大きく外れることとなる。
このように、移動体本体の傾斜角度の偏差と、駆動輪の角速度の偏差との関係は、前記位相平面上において、それらの偏差を座標に置き換えた場合に、その軌跡がほぼ楕円形状を描く。そのため、この軌跡上から所定の誤差を考慮して得られる特定の領域に、取得した座標が含まれるか否か、すなわち、座標を取得したことで得られる軌跡が前記特定の領域に収まるか否かを判断すれば、移動体の倒立状態に異常が生じたことを検知することが可能となる。
また、前述のような、所定の領域に取得した座標が含まれるか否かを判断する手法に代えて、時系列的に座標を取得し、連続する座標のx座標またはy座標の値が大きく変化する場合に、移動体の倒立状態に異常が生じたと判断するようにしてもよい。このような手法を用いる場合、倒立状態に異常が生じた場合、連続する座標間により得られる軌跡の傾きを逐次計算し、その傾きの変化を連続的に取得し、所定の閾値と比較することで、移動体の倒立状態の異常を検知するようにしてもよい。
また、本実施形態においても、移動体の倒立状態の異常が検知されると、前記実施形態と同様に、移動体を安定した状態に移行させる処置をとるものとする。なお、前述の実施形態と動揺に、移動体を安定させる手段を複数設けておき、倒立状態の異常度合いに応じて、移動体を安定させるレベルを選択するようにしてもよい。この場合、倒立状態の異常度合いは、前記軌跡が特定の領域からどの程度離れたか、または得られた軌跡の傾きがどの程度閾値を超えたか、などの手法によって判断することができる。
なお、前述の実施形態と同様に、例えば床面形状を判別するためのセンサを移動体本体に設け、これらのセンサの信号と、前記得られた倒立状態の異常を示す信号とを併せることで、倒立状態の異常が生じた原因をより正確に判別してもよい。
また、移動体本体に設けられた補助輪が移動体本体から伸縮可能に構成されている場合は、移動体本体を傾斜させず、移動体本体から補助輪を遠ざかる方向に伸長させることで、補助輪を床面に接地させてもよい。また、補助輪の構成として、移動体本体の前方および後方の両方に設けるものに限定されず、例えば移動体本体の前方または後方のいずれかに固定されたものであってもよい。
以上、説明したように、本発明にかかる倒立型移動体および倒立型移動体の制御方法は、移動する床面上に段差や固定された障害物などの凸部が存在する場合であっても、特別なセンサ等を用いることなく倒立制御を安定して行うことができる。
なお、上記2つの実施形態においては、搭乗台に搭乗者が搭乗し、図示しない操作部を操作することにより移動を制御する形態を用いて説明しているが、搭乗台に物体を載置し、移動体を自律的に移動させるものであってもよい。すなわち、本発明に係る移動体を、例えば工場内や家庭内で物体を移動するキャリアとして用いることも可能である。この場合、移動体は、前述のような搭乗者の操作により移動を制御するものではなく、移動体に設けられた周囲の環境を認識するセンサ(赤外線センサなど)からの信号により、自己の動きを自律的に制御するものであってもよい。また、予め定められた移動経路に従って移動するような移動体においても本発明を好適に用いることも可能である。
第1の実施の形態に係る倒立型移動体であって、その外観および内部構成を概略的に示す概略図である。 図1に示す倒立型移動体を側方から見た様子を概念的なモデルを用いて示す概念図である。 図2に示す倒立型移動体が、補助輪を床面に接地し、安定した状態に移行した様子を示す概念図である。 図1に示す移動体の制御ボックスの内部を部分的に断面視し、その内部構造を概略的に示す概念図である。 第1の実施形態に係る倒立型移動体において、その倒立状態が異常であるか否かを判断する手順を説明するためのフローチャートである。 移動体の移動する床面が理想的な平面である場合に、移動体本体の傾斜角および駆動輪の角速度の偏差の値により特定される座標が、移動体の移動に応じて変位する位相平面を示すグラフである。 前記位相平面において、移動体の移動時に駆動輪が空転した場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する一例を示すグラフである。 前記位相平面において、移動時に移動体に対して大きな外力が付与された場合に、前記偏差の値により特定される座標が移動体の移動に応じて変位する一例を示すグラフである。
符号の説明
1・・・移動体(倒立型移動体)
10・・・移動体本体
11・・・搭乗台
12・・・座席
13・・・背当て部
14・・・脚支持部
15・・・足載置部
17a,17b・・・補助輪
18・・・接続部材
18a・・・ジャイロ(測定部)
20・・・制御ボックス
21,22・・・モータ(駆動部)
23・・・制御部
23a・・・記憶領域
24・・・回転角センサ(測定部)
25・・・バッテリー
26・・・検出部
31,32・・・駆動輪(回転体)
P・・・床面

Claims (17)

  1. 断面が円形の回転体と、
    前記回転体を回転駆動させる駆動部と、
    前記回転体を保持する移動体本体と、
    前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備える倒立型移動体であって、
    前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定部と、
    前記測定部により取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体の制御量に基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定部と、を更に備え、
    前記選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする倒立型移動体。
  2. 前記4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項1に記載の倒立型移動体。
  3. 前記4つのパラメータのうち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の倒立型移動体。
  4. 前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差の値を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に座標として配置することで得られる軌道に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項3に記載の倒立型移動体。
  5. 前記位相平面において、予め所定の領域を定めるとともに、得られた軌道が前記領域内に収まらない場合に、移動体本体の倒立状態を異常と判断することを特徴とする請求項4に記載の倒立型移動体。
  6. 前記位相平面における軌道の傾きが、所定の閾値を超えた場合に移動体本体の倒立状態を異常と判断することを特徴とする請求項4に記載の倒立型移動体。
  7. 非常時に床面に対して接触する補助輪をさらに備えており、移動体本体の倒立状態の異常を検知した際に補助輪を床面に対して接触させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の倒立型移動体。
  8. 前記移動体本体が、搭乗者を載置する搭乗台を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の倒立型移動体。
  9. 前記回転体が、移動体本体の移動方向に対して両側に平行に設けられた一対の車輪であり、該車輪が各々独立して回転制御可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の倒立型移動体。
  10. 断面が円形の回転体と、
    前記回転体を回転駆動させる駆動部と、
    前記回転体を保持する移動体本体と、
    前記駆動部を制御し、床面に接する前記回転体の回転駆動を制御することで移動体本体の倒立状態を維持する制御部と、を備える倒立型移動体の倒立状態を制御する制御方法であって、
    前記移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度、傾斜角速度、回転体の回転角度および回転角速度からなる4つのパラメータの実測値を同時に取得する測定ステップと、
    前記測定ステップにより取得した4つのパラメータの実測値のうち、選択した3つのパラメータの実測値と前記回転体を制御するための制御量とに基づいて、選択しなかった他の1つのパラメータの値を推定する推定ステップと、
    選択しなかったパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知する異常検知ステップと、
    前記異常検知ステップにより異常が検知された場合に、移動体を安定した状態に移行させる安定化ステップと、を備えることを特徴とする倒立型移動体の制御方法。
  11. 前記推定ステップが、4つのパラメータの実測値のうち、3つのパラメータを少なくとも2通り以上選択し、その各々について、他の1つのパラメータの推定値を求めるものであり、
    前記異常検知ステップが、前記推定ステップにより複数得られた、他の1つのパラメータの推定値と実測値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項10に記載の倒立型移動体の制御方法。
  12. 前記異常検知ステップが、前記4つのパラメータのうち、移動体本体の鉛直方向に対する傾斜角度の実測値と推定値、および回転体の回転角速度の実測値と推定値を各々求め、これらの実測値と推定値との偏差に基づいて移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項10または11に記載の倒立型移動体の制御方法。
  13. 前記異常検知ステップが、
    前記移動体本体の鉛直方向に対する前記傾斜角度の実測値と推定値の偏差、および回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を連続的かつ同時に取得し、これらの偏差の値を、傾斜角度の実測値と推定値の偏差を一方の軸、回転体の回転角速度の実測値と推定値の偏差を他方の軸とした位相平面内に座標として配置することで得られる軌道に基づいて、移動体本体の倒立状態の異常を検知することを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の倒立型移動体の制御方法。
  14. 前記異常検知ステップが、
    前記位相平面において、予め所定の領域を定めるとともに、得られた軌道が前記領域内に収まらない場合に、移動体本体の倒立状態を異常と判断することを特徴とする請求項13に記載の倒立型移動体の制御方法。
  15. 前記異常検知ステップが、
    前記位相平面における軌道の傾きが、所定の閾値を超えた場合に移動体本体の倒立状態を異常と判断することを特徴とする請求項13に記載の倒立型移動体の制御方法。
  16. 前記制御部における、前記駆動部を制御して倒立状態を維持するための制御ゲインが可変であり、前記安定化ステップが、前記実測値と推定値との偏差の大きさに応じて前記制御ゲインを変化させることで倒立状態を安定させるものであることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の倒立型移動体の制御方法。
  17. 前記倒立型移動体が、非常時に床面に対して接触する補助輪をさらに備えており、前記安定化ステップが、移動体本体の倒立状態の異常が検知された場合に、倒立制御を中止し、補助輪を床面に対して接触させることで移動体を安定した状態に移行させるものであることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の倒立型移動体の制御方法。
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