JP2008134505A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続プリント(例えば、100枚)しても残留電位の上昇が少なく、多数枚プリント(例えば10万枚)しても摩耗量が少なく、転写性及びクリーニング性が良好で、高濃度のプリント画像が継続して得られる電子写真感光体の製造方法の提供。
【解決手段】導電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体の製造方法において、該保護層が発光ダイオード光により光硬化される工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
近年、電子写真画像形成装置において、有機光導電性物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体が広く用いられている。これら有機物を用いた感光体は可視光から赤外光まで各種の露光光源に対応した材料を開発し易いこと、環境汚染の少ない材料を選択できること、製造コストが安いことなど、無機の感光体(例えばセレン感光体)に対して有利な点が多くある。反面、有機物を用いた感光体は機械的強度が弱く、多数枚プリントした時に感光体表面が摩耗されたり或いは傷が発生したりして耐久性が無機の感光体に対して劣っていた。
有機物を用いた感光体の製造方法としては、導電性支持体上に感光層、或いは感光層の上に保護層を塗布して形成する感光体(以下、単に感光体ともいう)の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、感光体表面の摩耗劣化や傷の発生を防止するため、表面層(保護層)を光硬化反応により硬化して作製する方法が開示されている。光硬化反応を行う光源としては水銀灯やキセノン等の紫外光を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
特開平11−149164号公報 特開2001−166514号公報 特開2001−125299号公報
しかしながら、感光体表面に形成される保護層の光硬化性塗膜を水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等の光を用いて光硬化して作製したした感光体は、繰り返し使用で残留電位が上昇し、画像濃度が低下するという画像問題が発生していた。
画像濃度低下を防止するために光硬化性塗膜を光硬化する光の照射量を少なくすると、画像濃度低下は解決できるが、光硬化が不十分となり保護層の摩耗が大きくなり耐久性が問題となる。
本発明は、上記問題を解決する目的でなされたものであり、連続プリント(例えば100枚)しても残留電位の上昇が少なく、多数枚プリント(例えば10万枚)しても摩耗量が少なく、転写性及びクリーニング性が良好で、高濃度のプリント画像が継続して得られる優れた感光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
導電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体の製造方法において、
該保護層が発光ダイオード光により光硬化される工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
2.
前記発光ダイオード光は、そのピーク波長が300〜500nmであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体の製造方法。
3.
前記発光ダイオード光は、そのピーク波長の半値幅が30nm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
本発明の感光体の製造方法は、連続プリント(例えば100枚)しても残留電位の上昇が少なく、多数枚プリント(例えば10万枚)しても摩耗量が少なく、転写性及びクリーニング性が良好で、高濃度のプリント画像が継続して得られる優れた感光体を提供できる優れた効果を有する。
本発明者らは、導電性支持体上に感光層及び保護層を有する感光体において、該保護層の光硬化性塗膜(樹脂形成成分含有)を水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等の光を照射して作製した感光体が、連続プリントで画像濃度低下する原因について検討を行った。検討の結果、帯電・露光を繰り返すと残留電位が上昇していることが判明した。
残留電位の上昇は、水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等の光を照射することにより発生する。水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等の光は、保護層中の樹脂形成成分(モノマーやオリゴマー)を光化学反応させ硬化させると同時に、感光層や保護層に含まれている化合物(例えば、電子発生物質や電荷輸送物質)を分解或いは化学変化してしまう。その結果、残留電位が上昇していると推察している。
本発明者等は、残留電位を上昇させずに保護層の樹脂形成成分を光硬化させる感光体の製造方法について検討を行った。
種々検討の結果、発光ダイオード(以下、LEDともいう)光で樹脂形成成分(モノマーやオリゴマー)を光化学反応させて作製した感光体は、連続プリントしても残留電位の上昇が抑えられ、且つ耐摩耗性も得られることを見出した。
残留電位の上昇を低く抑えることができた理由は、本発明で用いるLED光が保護層中の樹脂形成成分を光化学反応させる波長の量が十分ありながら、感光層や保護層中の化合物を分解や化学変化を起こさせる波長の量が少ないので、化合物の分解や化学変化する量が少なく、結果として残留電位の上昇が抑えられたものと推察している。
本発明で用いるLED光は、特定のピーク波長、特定のピーク波長の半値幅を有するものが好ましい。このLED光を照射し、保護層を光硬化して作製した感光体は、残留電位の上昇が低く、摩耗量が小さく、且つ実写特性(画像濃度、転写性、クリーニング性)を満足でき好ましい。
特に、硬化に必要な単色光のみを保護層に照射して光硬化を行う方法は、下層の塗膜、感光層の劣化をさせずに保護層のみを硬化できる点で従来の光源と異なる。
さらに、LEDは、対電力に対する発光効率も高く、エネルギー効率も高い。
さらに、不要な光は、例えば空気中の酸素をオゾン化してしまい、塗膜或いは感光層を劣化させる活性ガスが発生し、問題であったが、本願の場合にはこのようなガスの発生量が少なく良好な感光体が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感光体の製造方法は、保護層がLED光により光硬化される工程を有する。
LED光源としては、特に限定されず、そのピーク波長が300〜500nmのものが好ましく、ピーク波長半値幅が30nm以下のものが好ましい。
上記特性のLED光源を用いることにより、導電性支持体上に設けられた塗膜(例えば、中間層、感光層や保護層)中の化合物(例えば、バインダー樹脂、電子発生物質や電荷輸送物質)の分解や化学変化が抑えられ、保護層中の樹脂形成成分(例えば、モノマーやオリゴマー)を光化学反応させ硬化を良好に行うことができる。
図1は、本発明で用いられるLEDの出射パワー波長スペクトルの一例を示す図である。
図1において、横軸は波長(nm)、縦軸は出射強度分布を示す。このLEDは363nmで出射強度分布1.0を示す。
LEDは、その最大照度が2000〜4000mw/cm2(ビーム径ψ3)のものが好ましい。
本発明に係る感光体は、その表面に保護層を有す層構成である。保護層はLED光の照射により光硬化する工程を経て形成される。
先ず、感光体の層構成について説明する。
(感光体の層構成)
本発明に係る感光体は、その表面に光硬化する保護層を有していれば特に限定されない。
図2は、本発明に係る感光体の層構成の一例を示す模式図である。
図2において、100は導電性支持体、200は中間層、300は感光層、400は電荷発生層、500は電荷輸送層、600は保護層を示す。
図2の(a)は導電性支持体100上に、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む感光層300、保護層600を順次積層した層構成の感光体、(b)は導電性支持体100上に、電荷発生層400、電荷輸送層500、保護層600を順次積層した層構成の感光体;
(c)導電性支持体100上に、中間層200、電荷発生層400、電荷輸送層500、保護層600を順次積層した層構成の感光体を示す。
本発明に係る感光体は、上記何れの層構成でもよいが、これらの中では、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けて作製されるもの(図2の(c))が好ましい。
次に、本発明に係る感光体を構成する部材、各層について説明する
(導電性支持体)
本発明に用いられる導電性支持体は、円筒状で、比抵抗が103Ωcm以下のものが好ましい。具体例として、切削加工後表面洗浄した円筒状アルミニウムを挙げることができる。
(中間層)
中間層は、バインダー、無機粒子、分散溶媒等から構成される中間層用塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して形成される。
中間層のバインダーとしては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中ではポリアミド樹脂が、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくでき好ましい。
中間層用塗布液を作製する溶媒としては、添加する無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物等の無機粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体又は融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層の膜厚は、0.2〜40μmが好ましく、0.3〜20μmがより好ましい。
〈電荷発生層〉
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等を用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好ましい。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送層は、該電荷輸送層が表面層となる場合は、本発明に係る粒子、電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂から形成される。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を添加して形成しても良い。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
電荷輸送層が表面層を形成する時、電荷輸送層中に占める本発明に係る粒子の量は、5〜80質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることができる。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位の内の2つ以上を含む共重合体樹脂。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。
酸化防止剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の添加量は樹脂層固形分の総質量100部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。膜厚をこの範囲とすることで、感光体の感度を確保することができる。
尚、導電性支持体上に中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を設ける方法としては、スプレー塗布、浸漬塗布、或いは円形量規制型塗布、或いは浸漬塗布と円形量規制型塗布を組み合わせる方法が好ましい。尚、円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
〈保護層〉
保護層は、少なくとも前駆体材料と重合開始剤を有する光硬化性塗膜を電荷輸送層上に形成後、LED光を照射して光硬化して得ることができる。
前駆体材料とは、1分子中にアクロリル基又はメタロイル基を3個以上有する不揮発成分中の50質量%以上含んでなるもので、具体的には硬化型のアクリルモノマー又はオリゴマーを挙げることができる。
硬化性アクリルモノマー又はオリゴマーとしては、以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2008134505
Figure 2008134505
Figure 2008134505
式中R1、R2、R3は、水素原子、又は、炭素原子数10以下で且つ置換基を有していても良いアルキル基、アリール基、アルケニル基又はアラルキル基を表す。
式中R1、R2は、末端にビニル基を有する炭素原子数10以下で且つ置換基を有していても良いアルキル、アリール、アルケニル基を表す。
具体的化合物として、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート等を挙げることができる。
重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、チオキサントン、ベンゾブチルエーテル、アシロキシムエステル、ジベンゾスロベン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−ジメチルアミノー2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン等を挙げることができる。
これらの重合開始剤は、LED光源のピーク波長と、吸収ピーク波長が重なるように選択することが好ましく、LED光源のピーク波長に対して±30nm以内に重合開始剤の吸収ピークが有ることが好ましい。
保護層は、必要に応じ電荷輸送物質、酸化防止剤、無機微粒子、有機微粒子及び電気抵抗調整剤等を添加して形成することができる。
無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。これらの無機微粒子を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。このような無機微粒子の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
有機微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体を挙げることができる。これらの有機微粒子を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。このような有機微粒子の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
特に、上記のような微粒子を添加する保護層を硬化する場合には、本願のようなLED光を用いて硬化することが望ましい。
保護層の膜厚は、0.2〜5μmが好ましく、0.3〜4μmがより好ましい。膜厚をこの範囲とすることで、感光体の耐久性を確保することができる。
電荷輸送層の上に保護層を設ける方法としては、保護層用塗布液を感光層上にスプレー塗布して光硬化性塗膜を形成し、光硬化性塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、LED光を照射して光硬化性塗膜を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を減らす目的で2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
スプレー塗布液は、前駆体材料(例えば、硬化性アクリルモノマー又はオリゴマー)と前記重合開始剤、電荷輸送物質等を希釈溶剤で溶解して作製することができる。
希釈溶剤としては、前駆体紫外線硬化アクリルモノマー又はオリゴマーと重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されず、具体的にはn−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
本発明では、光硬化性塗膜にLED光を照射して光硬化膜を形成する。光硬化膜の形成は、用いるLED(ピーク波長、ピーク波長の半値幅、出力)の選択、光硬化性塗膜が受ける照射強度と照射時間を制御して行うことが好ましい。
LED光を光硬化性塗膜に照射する装置としては、光硬化性塗膜を均一に照射でき、均一な光硬化膜を形成できる装置が好ましい。具体的には下記に記載の装置を用いることが好ましい。
図3は、LED光を照射する装置の一例を示す概略図である。
図3において、1は光硬化性塗膜を形成した感光体、2はLED光源、3は光硬化性塗とLED間の距離を示す。
図3の(a)は光硬化性塗膜から10mm程度の距離にLED光源をセットし、感光体を回転させながらLED光源を左右に移動させてLED光を照射する装置を示す。(b)は光硬化性塗膜から10mm程度の距離にLED光源を直線に多数並べてセットし、感光体を回転させながらLED光を照射する装置を示す。(c)は光硬化性塗膜から10mm程度の距離にLED光源を円形に多数並べてセットし、感光体を上下に移動させながらLED光を照射する装置を示す。
(保護層の硬度)
硬化して得られる保護層の硬度は、用いる前駆体材料(例えば、硬化性アクリルモノマーやオリゴマー)の種類、重合開始剤の種類と量、保護層の厚さ、パルス光の照射条件、必要に応じ添加する電荷輸送物質、酸化防止剤、電気抵抗調整剤の種類や量等により影響される。
特に、硬化性アクリルモノマーやオリゴマーの種類、その組成比、パルス光の照射条件に影響される。
保護層の硬度は、ユニバーサル硬度HUで50〜400N・mm2が好ましく、300〜400N・mm2がより好ましい。保護層の硬度を上記範囲とすることで、保護層の摩耗を少なくすることができる。
このユニバーサル硬度の測定は、市販の硬度測定装置を用いて行うことができ、例えば、超微小硬度計「H−100V(フィッシャー・インストルメンツ社製)」を用いて測定することができる。
測定条件
測定機:微小硬度計「H−100V(フィッシャー・インストルメンツ社製)」
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃、60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度:2mN/10sec
最大荷重クリープ時間:5秒
除荷速度:2mN/10sec
尚、測定は各試料とも軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を本発明で定義するユニバーサル硬度HU(N/mm2)とする。
本発明で使用可能な画像形成装置としては、単色のトナーで画像形成を行うモノクロ画像形成装置や、感光体上のトナー像を中間転写体に順次転写するカラー画像形成装置、各色毎の複数の感光体を中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
図4は、本発明に係る感光体が好ましく用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図4において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ローラ、5Aは2次転写手段としての2次転写ローラ、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ローラ5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ローラ5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、熱ロール式定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
〈転写材〉
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙といわれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《感光体の作製》
以下の手順で感光体を作製した。
〈感光体1の作製〉
(導電性支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、洗浄して導電性支持体を準備した。
(中間層の形成)
下記化合物を混合して混合液を調製した。
バインダー樹脂(N−1) 1質量部
エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比) 20質量部
表面処理済N型半導性粒子1(※1) 4.2質量部
上記で調製した混合液をビーズミルを用い分散し、中間層用塗布液を調製した。分散は、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間を3時間に設定して行った。同分散液を5μmのフィルターで濾過した後、該中間層用塗布液を洗浄済みの導電性支持体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
※1(表面処理N型半導性粒子1)
表面処理N型半導性粒子1は下記のようにして作製したものである。
メチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行い溶媒から分離後、加熱乾燥して表面処理済N型半導性粒子1を作製した。
Figure 2008134505
(電荷発生層の形成)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で中間層の上に塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y−チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20質量部
ポリビニルブチラール「BX−1(積水化学(株)製)」 10質量部
メチルエチルケトン 700質量部
シクロヘキサノン 300質量部
(電荷輸送層の作製)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥して膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 50質量部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300(三菱ガス化学社製)」
100質量部
酸化防止剤「イルガノックス1010(日本チバガイギー社製)」 8質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750質量部
(保護層の作製)
〔光硬化性塗膜の作製〕
保護層用塗布液を調製
硬化性材料A(M408:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)
0.3質量部
硬化性材料B(E4858:分子量450、2官能のウレタンアクリレート)
0.7質量部
1−プロパノール 5.1質量部
メチルイソブチルケトン 2.4質量部
さらに粒径約300nmのフッ素樹脂微粒子0.6質量部とアナタース型酸化チタン微粒子(粒径約6nm、表面処理メチル水素シリコーンオイル20質量%)0.8質量部を加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料とフッ素樹脂微粒子、酸化チタン微粒子を含有する分散液を作製した。
同分散液に重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(吸収ピーク:365nm)を0.05質量部加え保護層用塗布液を調製した。
上記で調製した保護層用塗布液を前記電荷輸送層の上に浸漬塗布法で塗布した。その後、100℃で5分間乾燥して「光硬化性塗膜1」を形成した。尚、塗膜の膜厚は3μmであった。
〔光硬化性塗膜の光硬化〕
上記で形成した「光硬化性塗膜1」の光硬化を、下記条件で行った。
LED照射装置 :図3の(b)に記載の装置
LED光源 :出力200mw/cm2のLED(ピーク波長365nm,ピーク波長の半値幅30nm)
LED光源と光硬化性塗膜の距離:10mm
支持体の回転速度:10rpm
照射時間 :3分間照
その後、80℃で20分間2次乾燥を行い「感光体1」を作製した。
〈感光体2の作製〉
感光体1の光硬化で照射したLEDの光量を2倍に変更(照射時間を3分間から6分に変更)した以外は同様にして「感光体2」を作製した。
〈感光体3の作製〉
感光体1の光硬化工程で照射したLEDの光量を0.5倍に変更(照射時間を3分間から1.5分に変更)した以外は同様にして「感光体3」を作製した。
〈感光体4の作製〉
感光体1の光硬化工程で用いたLED光源を、ピーク波長が420nm、その半値幅が40nmのLED光源に更した以外は同様にして「感光体4」を作製した。
〈感光体5の作製〉
感光体1の光硬化工程で用いたLED光源を、ピーク波長が550nm、その半値幅が30nmのLED光源に更した以外は同様にして「感光体5」を作製した。
〈感光体6の作製〉
感光体1の作製で用いた重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンを、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(吸収ピーク:400nm)に変更した以外は同様にして「感光体6」を作製した。
〈感光体7の作製〉
感光体1の作製で用いた重合開始剤1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンを、2−ジメチルアミノー2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(吸収ピーク:320nm)に変更した以外は同様にして「感光体7」を作製した。
〈感光体8の作製(比較例)〉
感光体1の光硬化工程で用いた光源を、LEDから高圧水銀灯(2kW)に変更した以外は同様にして「感光体8」を作製した。
〈感光体9の作製(比較例)〉
感光体1の光硬化工程で用いた光源を、LEDからメタルハライドランプ(2kW)に変更した以外は同様にして「感光体9」を作製した。
〈感光体10の作製(比較例)〉
感光体1の光硬化工程で用いた光源を、LEDからキセノンランプ(2kW)に変更した外は同様にして「感光体10」を作製した。
表1に、重合開始剤の吸収ピーク、光源の種類とその出力、ピーク波長。ピーク波長の半値幅、LED光量、保護層の光硬化後の硬度を示す。
Figure 2008134505
尚、保護層の硬度は、超微小硬度計「H−100V(フィッシャー・インストルメンツ社製)」を用い前記の方法で測定して得られた値である。
《評価》
感光体の評価は、市販のフルカラー複合機「8050(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」に上記で作製した感光体を順次装着して行った。尚、◎、○及び△は合格、×は不合格とする。
高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、白地部、べた黒部及びレッド、グリーン、ブルーのソリッド画像部、文字画像部を1/4づつ有するA4サイズの原稿を、上質紙(64g/m2)に10万枚プリントを行った。尚、中間転写ベルトは上記で作製した「中間転写ベルト1」を搭載した。
(残留電位の上昇)
残留電位の測定は、上記フルカラー複合機から現像器とクリーニング器を取り除き、その位置に電位測定装置を取り付けて行った。具体的には、連続100回帯電、露光を繰り返し、初回の残留電位と100回目の残留電位を測定し、その差を残留電位の上昇として評価した。尚、残留電位の上昇は100V未満であれば実用上問題なしと判断した。
(塗膜層の摩耗量)
塗膜層の摩耗量は、プリント開始時と10万枚プリント終了時の塗膜層の膜厚を下記の方法で測定し、その差を塗膜層の摩耗量とした。
塗膜層の膜厚は、プリント開始時と10万枚プリント終了時に均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を塗膜層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBH CO社製)」を用いた。尚、塗膜層の摩耗量は1μm未満であれば合格とする。
(画像濃度)
画像濃度は、A4サイズで連続100枚プリントを行った後、べた黒画像をプリントし、べた黒画像部の画像濃度で評価した。
画像濃度は、マクベス社製濃度計「RD−918」を使用して測定した。上質紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。尚、画像濃度は、1.2以上であれば合格とする。
(転写性)
転写性は、10万枚プリント終了後、画素濃度が1.30のソリッド画像(20mm×50mm)のオリジナルをプリントし、下記式により転写率を求めて評価を行った。
転写率(%)=(転写材に転写されたトナーの質量/感光体上に現像されたトナーの質量)×100
評価基準
◎:転写率が、95%以上で転写性良好
○:転写率が、90%以上、95%未満で実用上問題ないレベル
×:転写率が、90%未満で実用上問題となるレベル。
(クリーニング性の評価)
クリーニング性の評価は、10万枚プリント終了後、低温低湿(10℃、15%RH)環境下で、エッジが10μm摩耗した劣化ブレードを用い、ブレードにかけるバネ荷重を変更して行った。具体的には、ブレードにかけるバネ荷重を5段階に変更し、べた画像をクリーニングしたときにクリーニング不良が発生するクリーニング限界荷重(N/m)で評価した。尚、Rank3以上は実用可能で、合格とする。
評価基準
Rank5:クリーニング限界荷重が、9N/m未満
Rank4:クリーニング限界荷重が、9N/m以上、13N/m未満
Rank3:クリーニング限界荷重が、13N/m以上、17N/m未満
Rank2:クリーニング限界荷重が、17N/m以上、21N/m未満
Rank1:クリーニング限界荷重が、21N/m以上。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2008134505
表2の結果から、本発明の「実施例1〜7」は何れの特性も優れていることが判る。しかし、本発明外の「比較例1〜3」は少なくとも何れかの特性に問題がでることが判る。
本発明で用いられるLEDの出射パワー波長スペクトルの一例を示す図である。 本発明に用いられる感光体の層構成の一例を示す模式図である。 LED光を照射する装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る感光体が好ましく用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
100 導電性支持体
200 中間層
300 感光層
400 電荷発生層
500 電荷輸送層
600 保護層

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に感光層及び保護層を有する電子写真感光体の製造方法において、
    該保護層が発光ダイオード光により光硬化される工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記発光ダイオード光は、そのピーク波長が300〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記発光ダイオード光は、そのピーク波長の半値幅が30nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
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