JP4853258B2 - 光硬化膜の製造方法、電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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支持体の外周上に硬化性アクリルモノマー又はオリゴマーと重合開始剤とを有する光硬化性塗膜を設ける工程、光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程を有する光硬化膜の製造方法において、
支持体を回転する周波数V(rps)が1以上500以下、
パルス光の発光周波数f(Hz)が1以上100以下で、
V(rps)とf(Hz)の関係が下記式(1)を満足することを特徴とする光硬化膜の製造方法。
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。)
2.
前記光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程で、パルス光の発光周波数を制御して、前記式(1)を満足することを特徴とする前記1に記載の光硬化膜の製造方法。
前記光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程で、支持体の回転周波数を制御して、前記式(1)を満足することを特徴とする前記1に記載の光硬化膜の製造方法。
支持体の外周上に硬化性アクリルモノマー又はオリゴマーと重合開始剤からなる光硬化性を有する表面層を設ける工程、該光硬化性を有する表面層を設けた支持体を回転させながらパルス光の照射を行う工程、該パルス光を照射して表面層を硬化する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、
支持体を回転する周波数V(rps)が1以上500以下、
パルス光の発光周波数f(Hz)が1以上100以下で、
V(rps)とf(Hz)の関係が下記式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。)
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。)
最近、高出力のパルス光を発振するパルスフラッシュキセノンランプが開発されている。
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。)
支持体の回転周波数V(rps)は1以上500以下、パルス光の発光周波数f(Hz)は1以上100以下である。但し、支持体の回転周波数V(rps)とパルス光の発光周波数f(Hz)を決めるときには、上記式(1)を満足する回転周波数と発光周波数を選定する。
光硬化膜を形成する工程で用いられる光源はとして、パルス光の発信周波数を制御でき、且つ光硬化性塗膜を光硬化するのに適したパルスキセノンランプを用いることが好ましい。
光硬化性塗膜は、前駆体材料と重合開始剤を有する塗布液を支持体の外周に塗布して設けることができる。
本発明では、光硬化性塗膜が形成された支持体を回転させながら、パルス光を照射して全周にわたり均一な硬度を有する光硬化膜を形成する。
測定機:微小硬度計「H−100V(フィッシャーインストルメント社製)」
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃、60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度:2mN/10sec
最大荷重クリープ時間:5秒
除荷速度:2mN/10sec
尚、測定は各試料とも軸方向に均等間隔で5点、周方向に10〜30点測定し、その値をユニバーサル硬度(HU)(N/mm2)とする。
ユニバーサル硬度のむらを上記範囲にすることにより、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに転写するときの転写むらが無く、結果としてべた画像濃度むらの無い良好な画像が得られる。
光硬化膜を有する感光体の製造方法では、支持体の外周に光硬化性塗膜を設ける工程、光硬化性塗膜が設けられた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化させる工程を有することを特徴とする。尚、光硬化させる工程で支持体の回転周波数とパルス光の発光周波数が前記式(1)を満足するように制御する。
本発明に用いられる支持体は、円筒状で、比抵抗が103Ωcm以下のものが好ましい。具体例として、切削加工後表面洗浄した円筒状アルミニウムを挙げることができる。
中間層は、バインダー、無機粒子、分散溶媒等から構成される中間層用塗布液を支持体上に塗布、乾燥して形成される。
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)及びバインダー樹脂から形成される。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を添加して形成しても良い。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
保護層は、上記パルス光の照射により光硬化して形成さる。保護層を形成する樹脂成分としては、前記の前駆体材料と重合開始剤が挙げられる。
尚、光硬化性塗膜の光硬化は、前記図1の(a)に示すパルスキセノンランプを用いた光照射装置装置を用い、前記式(1)を満足するよう支持体の回転周波数とパルス光の発光周波数を制御して行われる。
中間転写ベルトの層構成は、中間転写ベルトの最外層となる表面層が光硬化膜で形成される層構成のものである。
本発明に係る支持体は、特に限定されず、公知の材料を用い、公知の形成方法で作製することができる。
支持体の外周に表面層を設ける方法としては、表面層用塗布液を支持体上にスプレー塗布して光硬化性皮膜を形成し、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、パルス光を照射して硬化し、さらに塗膜中の揮発性物質の量を減らす目的で2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
本発明に係る感光体と中間転写ベルトの評価に用いられる画像形成装置としては、単色のトナーで画像形成を行うモノクロ画像形成装置や、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに順次転写するカラー画像形成装置、各色毎の複数の感光体を中間転写ベルト上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙といわれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下に示す手順で感光体を作製した。
(支持体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、洗浄して導電性の支持体を準備した。
下記化合物を混合して混合液を調製した。
エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比) 20質量部
表面処理済みN型半導性粒子1(※1) 4.2質量部
上記で調製した混合液をビーズミルを用い分散し、中間層用塗布液を調製した。分散は、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間を3時間に設定して行った。同分散液液を5μmのフィルターで濾過した後、該中間層用塗布液を洗浄済みの支持体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
表面処理N型半導性粒子1は下記のようにして作製したものである。
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で中間層の上に塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
ポリビニルブチラール「BX−1(積水化学(株)社製)」 10質量部
メチルエチルケトン 700質量部
シクロヘキサノン 300質量部
(電荷輸送層の作製)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥して膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300(三菱ガス化学社製)」
100質量部
酸化防止剤「イルガノックス1010(日本チバガイギー社製)」 8質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750質量部
(保護層1の作製)
〔光硬化性塗膜の作製〕
硬化性材料A(M408:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)
0.3質量部
硬化性材料B(E4858:分子量450、2官能のウレタンアクリレート)
0.7質量部
1−プロパノール 5.1質量部
メチルイソブチルケトン 2.4質量部
上記組成に、さらに粒径約300nmのフッ素樹脂微粒子0.6質量部とアナタース型酸化チタン微粒子(粒径約6nm、表面処理メチル水素シリコーンオイル20質量%)0.8質量部を加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料とフッ素樹脂微粒子、酸化チタン微粒子を含有する分散液を作製した。
上記で作製した「光硬化性塗膜1」の光硬化を、下記条件で行った。
光源 :パルスキセノンランプ(1パルス当たりの発光時間が6/1,000,000/sec)
パルスキセノンランプの発光周波数f(Hz):10Hz
光源と光硬化性塗膜の距離:10mm
光硬化性塗膜表面の光量 :375mj/cm2(320〜390nmの波長域)
支持体の回転周波数:9rps
照射時間 :1.5分間
その後、80℃で20分間2次乾燥を行い「感光体1」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転数を9rpsから5.3rpsに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体2」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから12rpsに変更、発光周波数f(Hz)を10Hzから100Hzに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体3」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから7rpsに変更、発光周波数f(Hz)を10Hzから100Hzに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体4」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから10rpsに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体5」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから5.1rpsに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体6」を作製した。
感光体1の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから3.3rpsに変更した以外は感光体1と同様にして「感光体7」を作製した。
感光体1の光硬化工程で用いた光源を、パルスキセノンランプから高圧水銀灯(2kW)に変更し、常時光を照射した以外は同様にして「感光体8」を作製した。
以下に示す手順で中間転写ベルトを作製した。
(支持体の作製)
ポリフェニレンサルファイド樹脂「E2180」(東レ社製) 100質量部
導電フィラー「ファーネス#3030B」(三菱化学社製) 16質量部
グラフト共重合体「モディパーA4400」(日本油脂社製) 1質量部
滑材(モンタン酸カルシウム) 0.2質量部
上記材料を単軸押し出し機に投入し、溶融混練させて樹脂混合物とした。単軸押し出し機の先端にはスリット状でシームレスベルト形状の吐出口を有する環状ダイスが取り付けてあり、混練された上記樹脂混合物を、シームレスベルト形状に押し出しした。押し出しされたシームレスベルト形状の樹脂混合物を、吐出先に設けた円筒状の冷却筒に外挿させて冷却し、固化することによりシームレス円筒状の厚さ150μmの「支持体」を作製した。尚、環状ダイスの径Dと冷却筒の径dの比D/dは1.00とした。
〔光硬化性塗膜の作製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬 DPHA) 70部
ウレタンアクリレートオリゴマー(日本化薬 UX−0937) 30部
1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン 10部
酸化金属ゾル(T−1 三菱マテリアル社製) 50部
n−ブチルアルコール 1200部
イソプロピルアルコール 300部
上記組成物を、サンドミルを用いて72時間溶解・分散を行い、粘度1×10-2Pa・sの表面層用塗布液を調製した。
上記で作製した「光硬化性塗膜11」を下記条件で光硬化を行い「中間転写ベルト11」を作製した。
光源 :パルスキセノンランプ(1パルス当たりの発光時間が6/1,000,000/sec)
パルスキセノンランプの発光周波数f(Hz):10Hz
光源と光硬化性塗膜の距離:10mm
光硬化性塗膜表面の光量 :375mj/cm2(320〜390nmの波長域)
支持体の回転周波数:9rps
照射時間 :1.5分間
その後、90℃で20分間2次乾燥を行い「中間転写ベルト11」を作製した。
中間転写ベルト11の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから12rpsに変更、発光周波数f(Hz)を10Hzから100Hzに変更した以外は中間転写ベルト11と同様にして「中間転写ベルト12」を作製した。
中間転写ベルト11の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから10rpsに変更した以外は中間転写ベルト11と同様にして「中間転写ベルト13」を作製した。
中間転写ベルト11の作製において、支持体の回転周波数V(rps)を9rpsから5.1rpsに変更した以外は中間転写ベルト11と同様にして「中間転写ベルト14」を作製した。
中間転写ベルト11の光硬化工程で用いた光源を、パルスキセノンランプから高圧水銀灯(2kW)に変更し、常時光を照射した以外は同様にして「中間転写ベルト15」を作製した。
感光体と中間転写ベルトの評価は、市販のフルカラー複合機「8050(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」に上記で作製した感光体と中間転写ベルトを順次装着して行った。尚、◎、○及び△は合格、×は不合格とする。
高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、白地部、べた黒部及びレッド、グリーン、ブルーのソリッド画像部、文字画像部を1/4づつ有するA4サイズの原稿を、上質紙(64g/m2)に10万枚プリントを行った。尚、中間転写ベルトは上記で作製した「中間転写ベルト1」を搭載した。
べた画像濃度むらは、10万枚プリント終了後に、A4サイズのべた黒画像をプリントし、感光体の周期に起因するべた画像濃度むらの程度を目視で評価した。
◎:感光体の周期に起因するべた画像濃度むらが、無く良好
○:感光体の周期に起因するべた画像濃度むらが、かすかに認められるが実用上問題ないレベル
×:感光体の周期に起因するべた画像濃度むらが、明らかに認められ実用上問題となるレベル。
画像かぶりは、10万枚プリント終了後の無地画像のかぶり濃度と、転写材の白紙濃度の差で評価した。
◎:画像かぶりが、0.003未満で良好
○:画像かぶりが、0.003以上、0.010未満で実用上問題ないレベル
×:画像かぶり濃度が、0.010以上で実用上問題となるレベル。
上記で作製した「中間転写ベルト1〜5」を、順次上記「画像形成装置」に搭載し、高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、オリジナル画像に白地部、べた黒部、及びレッド、グリーン、ブルーのソリッド画像部、文字画像部を有するA4サイズの画像を、感光体による画像形成が10万枚プリントに達するまで上質紙(64g/m2)を用いてプリントを行った。評価は10万枚プリント後の画像で行った。尚、感光体は上記で作製した「感光体1」を搭載した。
べた画像濃度むらは、10万枚プリント終了後に、A4サイズのべた黒画像をプリントし、中間転写ベルトの周期に起因するべた画像濃度むらの程度を目視で評価した。
◎:中間転写ベルトの周期に合うべた画像濃度むらが、無く良好
○:中間転写ベルトの周期に合うべた画像濃度むらが、かすかに認められるが実用上問題ないレベル
×:中間転写ベルトの周期に合うべた画像濃度むらが、明らかに認められ実用上問題となるレベル。
中間転写ベルトの耐久性は、10万枚プリントまでに中間転写ベルトが切断するかどうかで評価した。
○:10万枚プリントまで、中間転写ベルトが切断せず
×:10万枚プリントまでに、中間転写ベルトが切断。
10万枚プリント終了後、画素濃度が1.30のソリッド画像(20mm×50mm)を形成し、下記式により転写率を求めて評価を行った。
評価基準
◎:転写率が、95%以上で良好
○:転写率が、90%以上95%未満で実用上問題ないレベル
×:転写率が、90%未満で実用上問題となるレベル。
11 支持体
12 中間層
13 感光層
14 電荷発生層
15 電荷輸送層
16 保護層
18 表面層
Claims (4)
- 支持体の外周上に硬化性アクリルモノマー又はオリゴマーと重合開始剤とを有する光硬化性塗膜を設ける工程、光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程を有する光硬化膜の製造方法において、
支持体を回転する周波数V(rps)が1以上500以下、
パルス光の発光周波数f(Hz)が1以上100以下で、
V(rps)とf(Hz)の関係が下記式(1)を満足することを特徴とする光硬化膜の製造方法。
式(1)
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。) - 前記光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程で、パルス光の発光周波数を制御して、前記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光硬化膜の製造方法。
- 前記光硬化性塗膜を設けた支持体を回転させながらパルス光を照射して光硬化膜を形成する工程で、支持体の回転周波数を制御して、前記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光硬化膜の製造方法。
- 支持体の外周上に硬化性アクリルモノマー又はオリゴマーと重合開始剤からなる光硬化性を有する表面層を設ける工程、該光硬化性を有する表面層を設けた支持体を回転させながらパルス光の照射を行う工程、該パルス光を照射して表面層を硬化する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、
支持体を回転する周波数V(rps)が1以上500以下、
パルス光の発光周波数f(Hz)が1以上100以下で、
V(rps)とf(Hz)の関係が下記式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
式(1)
(m−0.1)≧f/V≧(m−0.9)
(式中mは1〜15の整数を表す。)
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