JP2008133480A - 電子部品の実装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、基材に塗布後120℃程度以下の加熱処理によって硬化絶縁膜を得ることができ且つその硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が改良されており、且つ非カール性、耐熱性、耐溶剤性、電気特性などが優れており、スクリーン印刷が可能で、電気電子部品の絶縁膜を形成する印刷インキとして好適な溶液組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、多価イソシアネート化合物2〜40重量部、エポキシ化合物1〜20重量部、及び有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物であって、硬化絶縁膜としたとき、前記有機溶剤可溶性樹脂成分、前記多価イソシアネート化合物及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度がいずれも160℃以下になるように構成された絶縁膜用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂と、多価イソシアネート化合物及びエポキシ化合物とを含有してなる溶液組成物であって、加熱処理して硬化絶縁膜としたとき、前記イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶媒可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度、前記多価イソシアネート化合物に由来したガラス転移温度、及び、前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度がいずれも160℃以下になるように構成された絶縁膜用組成物に関する。本発明の溶液組成物は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜を得ることが可能であり、その硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性(接着性)が良好である。更にソリが発生し難く(非カール性)、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れ、フレキシブル配線基板などの基材上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能であり、電子部品などの絶縁膜(保護膜、ソルダレジスト、層間絶縁層など)を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な絶縁膜用組成物として用いられるものである。
従来、エポキシ樹脂、芳香族ポリイミドなどを電気部品などの絶縁膜として利用することは、例えば固体素子への絶縁膜、半導体集積回路、フレキシブル配線板などの絶縁膜などの用途において知られている。エポキシ樹脂は耐メッキ性および基材との良好な密着性を有しているためエポキシダムなどに使用されているが、反面、硬化剤などの併用が必要であり、その硬化剤に係わる保存安定性、二液調製のための作業性などの種々の問題があり、また前述の絶縁膜として使用した場合に、熱硬化によって形成される絶縁膜が剛直であり、柔軟性が小さく、屈曲性に劣る。
芳香族ポリイミドは、一般に有機溶媒に溶解し難いために、芳香族ポリイミドの前駆体(芳香族ポリアミック酸)の溶液を使用して塗布膜を形成し、次いで乾燥と高温で長時間の加熱処理によってイミド化して芳香族ポリイミドの絶縁膜を形成する必要があり、保護すべき電気または電子部材自体が熱劣化するという問題があった。
また、有機溶媒に可溶性の芳香族ポリイミドは、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸とジアミン化合物とを有機極性溶媒中で重合及びイミド化した芳香族ポリイミド(特許文献1参照)が知られているが、そのポリイミドは、シリコンウエハ−、ガラス板、フレキシブル基板などとの密着性が充分でなかったので予め基板などを密着促進剤で処理しておくなどの方法が必要であった。
このような問題を解決するものとして、有機溶媒への溶解性や耐熱性が良好で、硬化後の基材のそりが小さく且つ基材とある程度の密着性を有するポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂とを含有する組成物(例えば特許文献2、3参照)が知られている。しかし、このような組成物は、160℃程度の比較的高温の加熱処理によって硬化絶縁物が得られており、更にその硬化絶縁膜は封止材料との密着性が充分ではないという問題があった。
前記の組成物は、テトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサン、極性基を有する芳香族ジアミンおよびそれら以外のジアミンからなるジアミン成分とから得られるポリイミドシロキサンを主成分とし、これにエポキシ化合物を加えた組成物であり、加熱処理による架橋反応によって硬化絶縁膜を形成することができる。しかしながら、この硬化絶縁膜は、主成分のポリイミドシロキサンに含有されたポリシロキサン骨格がエポキシ樹脂などの有機材料に対して密着性が低いために、エポキシ樹脂などからなる封止材料に対して密着性が劣ると考えられた。また、前記組成物中のエポキシ化合物は少量成分であり、加熱処理されて硬化絶縁膜が形成されたときには架橋構造になっているから、封止材料との密着性向上に対して充分な役割を果たし得ないと考えられた。
また、封止材料との密着性を改良したポリイミドシロキサンと多価イソシアネートとを含有する組成物(特許文献4参照)も提案されているが、160℃程度以上の比較的高温の加熱処理によって硬化させる必要があるという点で更に改良の余地があった。
ところで、電気電子部品などの絶縁膜を形成する場合、例えばTABテープなどの銅箔で配線パターンが形成された絶縁テープ基材は、インナーリードやハンダボール端子などの接続部分を除いて回路を保護するために絶縁膜用組成物を塗布後加熱処理して絶縁膜(保護膜)を形成する。次いで接続部分の銅箔表面はスズメッキし、その後ICチップなどのチップ部品が接続される。
このスズメッキをおこなうとき、絶縁膜の端部から絶縁膜と銅箔との隙間にスズが侵入するスズ潜りがおこり、更にこの部分で銅箔がえぐれて孔触が形成される。このようなスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触は、銅箔が屈曲する時に応力集中によって破断の原因になる。
電気電子部品の小型化が進み、電気電子部品に用いられる銅箔の厚みがどんどん薄くなり例えば12μm程度の薄い銅箔が用いられると、前記のようなスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触の発生は、電気電子部品の信頼性を確保するうえで大きな問題になる。
このため、銅箔で配線パターンが形成された絶縁テープ基材を、先にスズメッキし次いで接続部分以外の部分に絶縁膜用組成物を塗布し加熱処理して絶縁膜を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献5参照)
スズメッキは、通常0.5μm程度の厚さで、金バンプと共晶を形成させて接続部を形成するためのものであるが、このスズメッキ層は不安定で室温でどんどんホイスカーが成長し、放置するとショートの原因になる。このため、スズメッキ後数時間以内に120℃程度の温度でアニール処理をおこない、スズメッキ層の下層部はスズと銅との合金として安定化させ、スズメッキ層の表層部は金バンプと共晶して接続部を形成させるために純スズとして保持する。
この方法では、前記のスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触の問題は生じない。ところが、スズメッキの後で絶縁膜用組成物を硬化させるために160℃程度の温度で加熱処理すると全てのスズが銅に拡散して合金化するために金バンプと共晶して接続部を形成するための純スズ層を保持することができないという問題が生じる。
以上の如き問題を解決するために、スズメッキ層のアニール処理温度である120℃程度以下の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成し、絶縁膜(保護膜)としての機能を発揮することができる改良された絶縁膜用組成物が求められていた。
特公昭57−41491号公報 特開平4−36321号公報 特開平7−304950号公報 特開2001−240650号公報 特開平6−342969号公報
本発明は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜(保護膜)を得ることが可能であり且つその硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が良好であり、更にソリが発生し難く(非カール性)、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れており、フレキシブル配線基板上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能な、電気電子部品などの絶縁膜を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な溶液組成物を提供することを目的とする。
本発明は(a)イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、(b)多価イソシアネート化合物2〜40重量部、(c)エポキシ化合物0.1〜20重量部、及び、(d)有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物であって、加熱処理して硬化絶縁膜としたとき、前記硬化絶縁膜が前記エポキシ基及びイソシアネート基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度、前記多価イソシアネート化合物に由来したガラス転移温度、及び、前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度がいずれも160℃以下になるように構成された絶縁膜用組成物に関する。
更に、本発明はイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂が、テトラカルボン酸成分と、一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン30〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサンと前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜69.5モル%からなるジアミン成分とから得られる有機溶媒可溶性のポリイミドシロキサンである絶縁膜用組成物に関する。
Figure 2008133480
(式中、R1は2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、R2は独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
また、本発明はエポキシ当量が100〜800のエポキシ化合物0.1〜10重量部、または、エポキシ当量が800を超えるエポキシ化合物0.1〜20重量部を含有する絶縁膜用組成物、さらに、(e)硬化触媒を含有する絶縁膜用組成物、前記硬化触媒が3級アミンである絶縁膜用組成物、さらに、(f)微細なフィラーを含有する絶縁膜用組成物、前記微細なフィラーが、少なくとも微粉状シリカ、タルク、マイカ、又は、硫酸バリウムのいずれか一つを含んでいる絶縁膜用組成物に関する。
また、前記のいずれかの絶縁膜用組成物を加熱処理して得られる硬化絶縁膜に関する。さらに、前記のいずれかに記載の絶縁膜用組成物を基材に塗布後50℃〜210℃で加熱処理して硬化絶縁膜を形成する方法、特に、基材に塗布後130℃以下の温度で加熱処理して耐溶剤性(アセトン浸漬時の重量減少)が20重量%以下の硬化絶縁膜を形成し次いで封止材料と接触した状態で210℃以下の温度で加熱処理して封止材料を硬化させる硬化絶縁膜を形成する方法に関する。
本発明の絶縁膜用組成物は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜を得ることが可能であり且つその硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が改良された絶縁膜用の溶液組成物である。その硬化絶縁膜は非カール性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、電気特性などが優れる。また、本発明の絶縁膜用組成物はフレキシブル配線基板上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能なものであり、電気電子部品などの絶縁保護膜を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な溶液組成物である。
本発明において、ガラス転移温度は、固体動的粘弾性測定装置によって測定された。固体動的粘弾性測定装置では、各温度において一定周波数の正弦的変形を試料に与え、試料に発生する力を検出し弾性率を求める。ガラス転移は樹脂中の特定セグメントのミクロブラウン運動が凍結あるいは開放される現象であり、固体動的粘弾性測定装置によって得られる貯蔵弾性率および損失弾性率の温度分散曲線において、それぞれ変曲点およびピークをもたらす。更に、損失弾性率と貯蔵弾性率の比である損失正接(tanδ)の温度分散曲線において、ガラス転移温度はピークとして現われる。本発明において、ガラス転移温度は、前述の損失正接の温度分散曲線におけるピークの温度及びピークを形成する温度範囲として求めた。
本発明の絶縁膜用組成物は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、及び、有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物であって、加熱処理して硬化絶縁膜を形成したとき、その硬化絶縁膜において、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分(セグメント)に由来したガラス転移温度、多価イソシアネート化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度、及びエポキシ化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度のいずれもが160℃以下になるように構成することによって、基材や封止材料との密着性を改良したことを一つの特徴のとするものである。
硬化絶縁膜と封止材料との密着性について具体的に説明する。通常、硬化絶縁膜が形成された後で,その硬化絶縁膜と接触して液状の封止材料が塗布などによって配置され、加熱処理によって封止材料が硬化される。封止材料を硬化するための加熱処理温度は通常160℃程度である。硬化絶縁膜に含まれる樹脂成分が160℃以下のガラス転移温度を持つように構成すると、封止材料を硬化させる加熱処理工程で、ガラス転移温度が160℃以下の樹脂成分(セグメント)は運動性が増して、封止材料との界面で封止材料(完全に硬化する前なので運動性が高い)とより緊密な化学的又は物理的相互作用が可能になる。この結果、封止材料との密着性が向上すると考えられる。
本発明において、160℃以下のガラス転移温度を示す硬化絶縁膜中の樹脂成分(セグメント)は、潜在的に封止材料と緊密な化学的又は物理的相互作用を持ち得るものでなければならず、好ましくは、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)、多価イソシアネート化合物成分(セグメント)及びエポキシ化合物成分(セグメント)である。
本発明において、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度は、ポリシロキサン骨格の含有量によって変化する。ポリシロキサン骨格の含有量が少ないと、例えばポリイミドシロキサンの場合にはイミド環を形成した芳香族テトラカルボン酸成分や芳香族ジアミン成分などの芳香族鎖成分の割合が相対的に増えるので、ガラス転移温度が160℃を越えてしまうことがある。イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂は、ポリシロキサン骨格を30重量%以上、特に50重量%以上、更に60重量%以上含有することが好適である。
ポリシロキサン骨格の含有量を増すことによって、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度は、160℃以下、特に50℃以下、更に室温以下になる。ポリシロキサン骨格の含有量を増すことによって、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度を室温以下とすると、得られる硬化絶縁膜が室温において極めて高い柔軟性を持つので特に好適である。
前述のようにして、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度を室温以下に下げた時には、得られる硬化絶縁膜が有する最高のガラス転移温度は、多価イソシアネート化合物成分(セグメント)あるいはエポキシ化合物成分(セグメント)のいずれかに由来したものになる。
本発明において、硬化絶縁膜の多価イソシアネート化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度は40〜130℃に存在し、160℃を超えることはない。
本発明において、硬化絶縁膜がエポキシ化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度を160℃以下に有するように調整するためには、絶縁硬化膜のエポキシ化合物が形成する架橋構造が蜜になり過ぎないような構成が重要であり、特にエポキシ化合物の添加量をポリイミドシロキサンに対して20重量部以下にすることが好適である。より具体的には、エポキシ当量が100〜800エポキシ化合物は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して10重量部以下特に7重量部以下であることが、エポキシ化合物成分(セグメント)に由来するガラス転移温度が160℃以下となるために必要である。またエポキシ当量が800を越えるエポキシ化合物は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して20重量部以下特に15重量部以下であることが好適である。エポキシ化合物の添加量が前記範囲よりも多すぎると、硬化絶縁膜のエポキシ化合物が構成する架橋構造が密になり、エポキシ化合物成分(セグメント)に由来するガラス転移温度が160℃を越える。
本発明において、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分、多価イソシアネート化合物成分及びエポキシ化合物成分とに由来したガラス転移温度は、ピークの温度がいずれも160℃以下であり、特に140℃以下更に130℃以下であることが好適である。また、これらの成分(セグメント)のガラス転移がいずれも160℃以下特に140℃以下更に130℃以下で完了することが特に好適である。ガラス転移が160℃以下で完了するとは、前述の損失正接の温度分散曲線におけるピークを形成する温度範囲全体が160℃以下になることを意味する。この場合には、160℃以上で全ての成分(セグメント)が高い運動性を持つから硬化絶縁膜は極めて柔軟になり、固体動的粘弾性測定装置では変形に対して試料に発生する力が検出限界以下になって測定できなくなる。これらの成分(セグメント)のガラス転移が160℃以下で完了しない場合、すなわち損失正接の温度分散曲線のピークを形成する温度範囲が160℃以上まで分散して存在し、損失正接の温度分散曲線が160℃以上まで測定される場合は、160℃以上でなければ運動性を持たない成分(セグメント)がわずかながら存在するから、封止材に対する密着性を改善する効果が限定的になる。
尚、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分、多価イソシアネート成分及びエポキシ化合物成分は、それらに由来したガラス転移温度のピークを単数又は複数有する。ガラス転移温度が複数のピークを有するのは、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分、多価イソシアネート成分及びエポキシ化合物成分が夫々複数の更に小さな成分(セグメント)から構成されているからであるが、本発明においては、ガラス転移温度の複数のピークが全て160℃以下であることが好適である。
また、本発明において、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分、多価イソシアネート成分及びエポキシ化合物成分とに由来したガラス転移温度の下限は特に限定されるのもではないが、通常は、ポリシロキサン骨格に由来した−150℃程度以上特に−100℃程度に最も低いガラス転移温度を有する。
本発明において、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂とは、分子中に、芳香族ジカルボン酸無水物基、芳香族ジカルボン酸ハーフエステル基、カルボン酸基、水酸基及びアミド基などの、イソシアネート基及びエポキシ基と常温では実質的な硬化反応が起こらず、例えば80℃以上の比較的高温において硬化反応が起こり得る基を有しており、且つ主鎖にポリシロキサン骨格を含有した樹脂である。好ましくは、耐熱性などを改良するために、前記主鎖はフレキシブルなポリシロキサン骨格とベンゼン環やイミド環などのリジッドなセグメントやアミド結合やウレタン結合などの凝集力を高めるゼグメントとを含んで構成されたものである。
本発明において、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂は、限定するものではないが、以下に示すようなポリイミドシロキサンが特に好適である。以下、ポリイミドシロキサンを例に挙げて本発明を説明する。
本発明におけるエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂として好適なポリイミドシロキサンは、好ましくは、テトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサン30〜95モル%特に50〜95モル%更に60〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜69.5モル%とからなるジアミン成分とを、略等モル好ましくはジアミン成分1モルに対してテトラカルボン酸成分が1.0〜1.2モル程度の割合で用いて有機溶媒中で反応して得ることができる。テトラカルボン酸成分が前記より多すぎると得られるポリイミドシロキサン絶縁膜用組成物の印刷特性が低下するので好ましくない。
ポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分としては、具体的には、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ヘキサフルオロプロパン、ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(3,4−フェノキシジカルボン酸)フェニル〕プロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンなどの芳香族テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物、及び、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などの脂環族系テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物を好適に挙げることができる。これらのなかでも特に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、及び、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物は、ポリイミドシロキサンとしたときの有機溶媒に対する溶解性が優れているので好適である。
また、本発明において、ポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分中に、前記例示の芳香族テトラカルボン酸成分を80モル%以上特に85%〜100%含有することが好ましい。
本発明におけるポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分は、ジアミンと反応させることが容易なテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
また、テトラカルボン酸二無水物の使用量がジアミンに対して1.05倍モル以上で未反応無水環が残存するような場合には、そのままでもよいが、エステル化剤で開環ハーフエステル化してもよい。エステル化剤であるアルコール類の使用量は、過剰なテトラカルボン酸二無水物の1.1〜20倍当量、特に、1.5〜5倍当量であることが好ましい。アルコール類の割合が少ないと、未反応の無水環が残って、組成物での貯蔵安定性が劣るものとなり、過剰のアルコール類は不溶分が析出したり貧溶媒となって固形分濃度を低くすることになって印刷による塗膜の形成が容易でなくなるので好ましくない。
エステル化剤を用いた場合は、反応溶液をそのまま用いても構わないが、過剰のアルコール類を加熱や減圧留去して使用することもできる。
本発明において、ポリイミドシロキサンのジアミン成分は、ジアミノポリシロキサン30〜95モル%特に50〜95モル%更に60〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜69.5モル%(通常、0〜30モル%)の割合で使用される。いずれかの成分が多すぎたり、少なすぎたりしてこれらの範囲をはずれると得られるポリイミドシロキサンの有機溶媒に対する溶解性が低下したり、他の有機化合物との相溶性が悪くなったり、得られる絶縁膜の曲率半径が小さくなってソリが発生したり、耐屈曲性、基材との密着性、又は、耐熱性が低下するので適当でない。
本発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成するジアミノポリシロキサンは、下記一般式(1)で示される化合物が好適である、特に、前記式中R1は独立に炭素数1〜6の2価の炭化水素基又はフェニレン基、特にプロピレン基であり、前記式中R2は独立に炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、前記式中n1は3〜50、特に3〜20である。n1が3未満では得られる絶縁膜の耐屈曲性が悪くなるので好ましくなく、又n1が50を超えるとテトラカルボン酸成分との反応性が低下して得られるポリイミドシロキサンの分子量が低くなったり、組成物における他の有機成分との相溶性が悪くなったり、得られる絶縁膜の耐溶剤性が低くなったりするので前記程度のものが好適である。尚、ジアミノポリシロキサンが2種以上の混合物からなる場合は、n1はアミノ当量から計算される。
Figure 2008133480
(式中、R1は2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、R2は独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
前記ジアミノポリシロキサンの具体的化合物の例としては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
本発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する極性基を有する芳香族ジアミンは、分子中にイソシアネート基又はエポキシ基との反応性を有する極性基を有する芳香族ジアミンであり、好ましくは下記一般式(2)で示されるジアミンである。
Figure 2008133480
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH2、C(CH32、C(CF32、O、ベンゼン環、SO2を示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2、好ましくは0又は1であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
前記一般式(2)で示されるジアミン化合物としては、2,4−ジアミノフェノ−ルなどのジアミノフェノ−ル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルエ−テルなどのヒドロキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルスルホンなどのヒドロキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(ハイドロキシフェニキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ハイドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(ハイドロキシフェニキシフェニル)スルホン化合物類などのOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
更に、前記の一般式(2)で示されるジアミン化合物としては、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸などのベンゼンカルボン酸類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエ−テルなどのカルボキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのカルボキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのCOOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
本発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミンは、特に限定されるものではないが、下記一般式(3)で示される芳香族ジアミンが好適である。
Figure 2008133480
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH2、C(CH32、C(CF32、O、ベンゼン環、SO2を示し、n5は1又は2である。)
前記一般式(3)で示される芳香族ジアミンは、具体的には、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物が挙げられる。
また、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなど脂肪族ジアミン化合物を上記ジアミンと共に使用することができる。
本発明におけるポリイミドシロキサンは、特に限定するものではないが、例えば次の方法で得ることができる。
(1)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中で連続的に15〜250℃で重合及びイミド化させてポリイミドシロキサンを得る方法。
(2)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とをそれぞれ分けて、まず過剰量のテトラカルボン酸成分とジアミン成分(例えばジアミノポリシロキサン)とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端に酸無水物基(又は、酸、そのエステル化物)を有するイミドシロキサンオリゴマーを調製し、別にテトラカルボン酸成分と過剰量のジアミン成分とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端にアミノ基を有するイミドオリゴマーを調製し、次いでこの両者を、酸成分とジアミン成分とが略等モルになるように混合して15〜60℃で反応させて、さらに130〜250℃に昇温して反応させてポリイミドシロキサンを得る方法。
(3)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中でまず20〜80℃で重合させてポリアミック酸を得た後に、そのポリアミック酸をイミド化してポリイミドシロキサンを得る方法。
上述の方法でポリイミドシロキサンを得る際に使用される有機極性溶媒としては、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど,硫黄原子を含有する溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど,フェノール系溶媒、例えばクレゾール、フェノール、キシレノールなど,ジグライム系溶媒,例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライムなど、酸素原子を分子内に有する溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、その他ピリジン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。また必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒やソルベントナフサ、ベンゾニトリルなど他の有機溶媒を併用してもよい。
本発明において、ポリイミドシロキサンは、前記(1)〜(3)などいずれの方法で得られたものを使用してもよいが、有機溶媒に少なくとも3重量%以上、好ましくは5〜60重量%、特に5〜50%程度の高濃度で溶解させることができるもので、25℃の溶液粘度(E型回転粘度計)が1〜10000ポイズ、特に1〜100ポイズであることが好ましい。
本発明において、ポリイミドシロキサンは高分子量のものが好ましく更にイミド化率が高いものが好ましい。分子量の目安としての対数粘度(測定濃度:0.5g /100ミリリットル、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、測定温度:30℃)は、0.15以上、特に0.16〜2のものが硬化物の強度、伸度などの機械的物性の点から好ましい。また、赤外吸収スペクトルから求められるイミド化率は、90%以上特に95%以上更に実質的に100%のものが好ましい。
本発明の絶縁膜用組成物を構成する多価イソシアネ−ト化合物としては、1分子中にイソシアネ−ト基を2個以上有するものであればどのようなものでもよい。このような多価イソシアネ−ト化合物として、脂肪族、脂環族または芳香族のジイソシアネ−ト等があり、例えば1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,5−ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−へキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(イソホロンジイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることが出来る。
更に、多価イソシアネ−ト化合物として、脂肪族、脂環族または芳香族の多価イソシアネ−トから誘導されるもの、例えばイソシアヌレ−ト変性多価イソシアネ−ト、ビュレット変性多価イソシアネ−ト、ウレタン変性多価イソシアネ−ト等であってもよい。
また、本発明に用いる多価イソシアネ−トは、多価イソシアネ−トのイソシアネ−ト基をブロック化剤でブロックしたブロック多価イソシアネ−トが好適に使用される。
前記のブロック化剤としては例えば、アルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系化合物、ピリジン系化合物等があり、これらを単独あるいは、混合して使用してもよい。具体的なブロック化剤としては、アルコ−ル系としてメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルピト−ル、ベンジルアルコ−ル、シクロヘキサノ−ル等、フェノ−ル系として、フェノ−ル、クレゾ−ル、エチルフェノ−ル、ブチルフェノ−ル、ノニルフェノ−ル、ジノニルフェノ−ル、スチレン化フェノ−ル、ヒドロキシ安息香酸エステル等、活性メチレン系として、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等、メルカプタン系として、ブチルメルカプタン、 ドデシルメルカプタン等、酸アミド系として、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−プチロラクタム等、酸イミド系として、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、イミダゾ−ル系として、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、尿素系として、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、オキシム系として、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等、アミン系として、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等、イミン系として、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、重亜硫酸塩として、重亜硫酸ソ−ダ等、ピリジン系として、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
本発明に用いるブロック多価イソシアネ−トとしては、特に、大日本インキ化学工業株式会社製のバーノックD−500(トリレンジイソシアネ−トブロック化体)、D−550(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トブロック化体)、三井武田ケミカル株式会社製のタケネートタケネートB−830(トリレンジイソシアネ−トブロック化体)、B−815N(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)ブロック化体)、B−842N(1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンブロック化体)、B−846N(1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンブロック化体)、B−874N(イソホロンンジイソシアネ−トブロック化体)、B−882N(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トブロック化体)、旭化成株式会社製のデュラネートMF−B60X(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トブロック化体)、デュラネートMF−K60X(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トブロック化体)、第一工業製薬社製のエラストロンBN−P17(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト ブッロク化体)、エラストロンBN−04、エラストロンBN−08、エラストロンBN−44、エラストロンBN−45(以上、ウレタン変成多価イソシアネートブロック化体1分子当たり3〜5官能、いずれも水エマルジョン品で乾燥単離後使用可能)などを好適に使用することができる。
本発明において、多価イソシアネ−ト化合物の使用量は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、2〜40重量部、好ましくは5〜40重量部である。多価イソシアネ−ト化合物の使用量が前記範囲外では、ポリイミド系絶縁組成物を加熱処理して得られる絶縁膜の耐溶剤性が悪くなったり、耐熱性が悪化したり、あるいは基材や封止材料に対して接着性が低下するので好ましくない。
本発明の絶縁膜用組成物を構成するエポキシ化合物としては、エポキシ当量が100〜4000程度であって、分子量が300〜10000程度である液状又は固体状のエポキシ樹脂が好ましい。例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート806、エピコート825、エピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1004、エピコート1055、エピコート1004AF、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010、)、3官能以上のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製:エピコート152、エピコート154、エピコート180シリ−ズ、エピコート157シリ−ズ、エピコート1032シリ−ズ、チバガイギ−製:MT0163など)、宇部興産株式会社製のハイカーETBN1300×40、及び、ナガセケムテックス株式会社製のデナレックスR−45EPTなどを挙げることができる。
本発明において、エポキシ化合物の使用量は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。使用量が前記範囲よりも多すぎると硬化後の絶縁膜の基材や封止材料に対する接着性が低下し、少なすぎると硬化後の絶縁膜の耐熱性、耐薬品性が悪くなるので前記範囲が好ましい。さらに詳しく述べると、エポキシ化合物のエポキシ当量が100〜800の場合には、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂に対して0.1〜10重量部特に0.5〜7重量部が硬化後の絶縁膜の基材や封止材料に対する接着性を保持するために好適である。また、エポキシ当量が800を越える場合には、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂に対して0.1〜20重量部特に0.5〜15重量部が硬化後の絶縁膜の基材や封止材料に対する接着性を保持するために好適である。更に、エポキシ化合物の使用量が前記範囲を越えると、硬化絶縁膜としたときにイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂とエポキシ化合物成分が相分離を生じたり、表面が平滑でなくなったり、力学的性質が劣ったものになり易いので好ましくない。
本発明の絶縁膜用組成物には、ブロック多価イソシアネ−トのブロック化剤を一定の温度以上で解離する解離触媒や、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂と多価イソシアネ−ト化合物及びエポキシ化合物との間の架橋反応を促進するため硬化促進触媒などからなる硬化触媒を含有することが好ましい。
ブロック多価イソシアネートの解離触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレ−トなどや3級アミン類が例示できる。解離触媒の量はブロック多価イソシアネ−ト100重量部に対して0.01〜25重量部程度特に0.1〜15重量部程度が好ましい。
また、硬化促進触媒としては、2−メチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類や3級アミン類が例示できる。硬化促進触媒の量は、ブロック多価イソシアネ−ト100重量部に対して0.01〜25重量部程度特に0.1〜15重量部程度が好ましい。
本発明の絶縁膜用組成物において、解離触媒と硬化促進触媒との両方の作用を発揮することができる3級アミンを硬化触媒として含有させることが特に好ましい。
前記3級アミンとしては、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBUと略記することもある。以下同様)、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、2−ジメチルアミノメチルフェノール(DMP−10)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30)、ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)、1,4−ジメチルピペラジン、シクロヘキシルジメチルアミンなどを挙げることができる。
特に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−−テトラメチルヘキサンジアミンは、ブロックイソシアネートからブロック化剤を適当な温度において解離し、且つ、ポリイミドシロキサンと多価イソシアネート化合物及びエポキシ化合物との架橋反応を適当な速度に促進することができるので、この発明の絶縁膜用組成物において極めて好適に使用することができる。
3級アミンの使用量は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。使用量が前記範囲よりも多すぎると、耐溶剤性や電気的性質が悪くなり、少なすぎると低温での硬化に長時間を要するので前記範囲が好ましい。
本発明の絶縁膜用組成物を構成する有機溶媒としては、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂を調製するときの反応に使用した有機溶媒をそのまま使用することができるが、好適には、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、アセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。
更に、本発明の絶縁膜用組成物においては、微細なフィラーを含有することが好ましい。微細なフィラ−としては、どのような大きさ、形態のものでもよいが、平均粒子径が0.001〜15μm、特に0.005〜10μmのものが好ましい。この範囲外のものを使用すると得られる硬化絶縁膜が屈曲したときに亀裂が発生したり、折り曲げ部が白化したりするので好ましくない。微細なフィラ−としては、例えば微粉状シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどの微細無機フィラ−や架橋NBR微粒子などの微細有機フィラ−を好適に挙げることができる。
微細なフィラ−の使用量は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、合計で20〜150重量部、好ましくは40〜125重量部である。使用量が前記範囲より多すぎたり、少なすぎると塗膜の折り曲げによりクラックが発生したり、印刷性、半田耐熱性、銅箔変色性が悪影響を受けるので前記範囲が好適である。また、微細無機フィラー、特に微粉状シリカとタルク、マイカあるいは硫酸バリウムの少なくとも1種とを組み合わせて使用し、微粉状シリカをイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜40重量部、タルク、マイカあるいは硫酸バリウムの少なくとも1種をイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して20〜130重量部使用することが、印刷性や得られる絶縁膜の性能を考慮すると特に好ましい。
また、本発明の絶縁膜用組成物においては、有機着色顔料、無機着色顔料を所定量、例えばイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、0〜100重量部程度使用することができる。
また、本発明の絶縁膜用組成物においては、消泡剤を所定量、例えばイソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度使用することができる。
本発明の絶縁膜用組成物は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂、多価イソシアネ−ト、エポキシ樹脂、微細なフィラーおよび有機溶媒などの所定量を均一に、撹拌・混合することによって容易に得ることができる。混合する際に有機溶媒中で混合して溶液組成物にすることができる。有機溶媒に混合させて溶液組成物にするにあたっては、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂の重合溶液をそのままでも、又その重合溶液を適当な有機溶媒で希釈したものを使用してもよい。有機溶媒としては、前記イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂を得る際に使用できる有機極性溶媒を挙げることができるが、沸点140℃以上で210℃以下のものを使用することが好ましい。特に沸点180℃以上、特に200℃以上である有機溶媒(例えばトリグライムなど)を使用すると、溶媒の蒸発による散逸が極めて減少するので、又その印刷インクを使用してスクリーン印刷などで印刷を支障なく好適に行うことができるので最適である。有機溶媒は、イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂100重量部に対して60〜200重量部程度使用する。
本発明の絶縁膜用組成物は、特に限定するものではないが、室温(25℃)での溶液粘度が50〜10000ポイズ特に100〜1000ポイズ更に100〜600ポイズであることがスクリーン印刷などの作業性や溶液物性、得られる硬化絶縁膜の特性上などから適当である。
本発明の絶縁膜用組成物は、ICチップなどのチップ部品を実装する電気電子部品の絶縁膜(保護膜)を形成するために好適に用いることができる。
例えば、導電性金属箔で形成された配線パタ−ンを有する絶縁フィルムのパタ−ン面に、乾燥膜の厚さが3〜60μm程度となるようにスクリ−ン印刷などによって印刷して塗布した後、50〜100℃程度の温度で5〜60分間程度加熱処理して溶媒を除去し、次いで100〜210℃程度好適には110〜200℃で5〜120分間好適には10〜60分間程度で加熱処理して硬化させ、弾性率が0.1〜20kgf/mm2の硬化絶縁膜を形成することが好ましい。本発明の絶縁膜用組成物は、ソリが発生し難く、導電性金属、基材及び封止材料との密着性が良好であり、耐スズメッキ性(スズ潜り)が良好であり、更に耐熱性、耐溶剤性(例えば、アセトン、イソプロパノ−ル、メチルエチルケトンに対する耐溶剤性)、耐ハンダフラックス性、耐薬品性、耐屈曲性、電気特性が優れた硬化絶縁膜(保護膜)を形成することができる。
このため、本発明の絶縁膜用組成物は、実装工程において、160℃程度又はそれ以上の比較的高温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成することもできるし、130℃以下好ましくは120℃程度以下の比較的低温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成することもできる。130℃以下の比較的低温の加熱処理で得られる硬化絶縁膜は耐溶剤性(アセトン浸漬時の重量減少)が20重量%以下特に10重量%以下になる程度まで硬化していることが好適である。また、130℃以下好ましくは120℃程度以下の比較的低温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成したあとで、更に210℃以下好ましくは160℃程度の比較的高温で加熱処理しても構わない。
言い換えれば、本発明の絶縁膜用組成物は、例えば絶縁フィルム基材にICチップなどのチップ部品を実装する際に、配線パターンを保護する絶縁膜を形成した後でスズメッキする手順で実装することもできるし、配線パターンを先にスズメッキしたあとでそれを保護するための絶縁膜を形成する手順で実装することも可能である。
先にスズメッキする手順は、例えば絶縁フィルム基材に実装する場合、以下のようになる。即ち、イ)絶縁フィルム基材表面に形成された銅箔の配線パターン表面をスズメッキする。ロ)絶縁フィルム基材表面の所定部分に、この発明の絶縁膜用組成物を塗布または印刷し、それを120℃程度以下の比較的低温で加熱処理して硬化させて絶縁膜(保護膜)を形成する。ハ)ICチップなどの電子部品を金バンプなどを用いて絶縁膜を形成していない配線パターンのインナーリード部などに実装する。このとき、接続部が金スズ共晶を形成するように、短時間だが400℃程度以上の加熱処理がなされる。ニ)次いでICチップなどを封止材料などによって保護する。このときに封止材料などを硬化させるために160℃程度の温度で加熱処理が行われる。
本発明の絶縁膜用組成物が前述の先にスズメッキする手順で用いられて、電子部品の絶縁膜を形成したときの一例について、概略の断面図を図1に示す。
図1において、例えば25μm厚のポリイミドフィルム1の表面に、例えば12μm厚の銅箔で配線パターン2が形成されており、その表面をメッキされた例えば0.5μm厚のスズ層3が覆っている。更にそれらの表面を、インナーリードの接続部分を除いてこの発明の絶縁用組成物からなる絶縁膜4が例えば10μm厚の保護膜を形成している。接続部分では金バンプ5を用いICチップ6が実装され、例えばエポキシ樹脂系の封止材料7によって保護されている。
また、本発明の絶縁膜用組成物は、低温圧着が可能でしかも耐熱性の接着剤として好適に使用することもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
各例において測定、評価は次の方法で行った。
〔溶液粘度〕
E型粘度計(東京計器社製)を用い、温度25℃で、回転数10rpmにて測定した。
〔印刷性の評価〕
スクリーン印刷機(株式会社ネオテクノジャパン社製の型式NT−15SS−U)を用いて印刷をおこなった。スクリ−ン印刷可能で、形成された膜にピンホ−ルがなく、端部の流れ出しがない場合を○、スクリ−ン印刷が不可能かまたは膜にピンホ−ルの発生があるかあるいは端部の流れ出しがある場合を×で表示した。
〔硬化膜の評価〕
硬化絶縁膜の評価は、評価項目によって、以下のような条件で加熱処理された硬化絶縁膜サンプルについておこなった。
すなわち、耐溶剤性及び封止材料との密着性の評価は、実装工程において先にスズメッキが施された導体配線上に絶縁膜用組成物を塗布するときには120℃程度以下の温度で硬化する必要があることを考慮して、80℃で30分次いで120℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。
但し、封止材料との密着性の評価用サンプルは、サンプル表面に封止材料を滴下して塗布した後160℃で封止材料を硬化させたから、結局前記加熱処理に加えて更に160℃の加熱処理されたのもである。
それ以外の硬化絶縁膜の評価は、実装工程で最終的に封止材料を硬化するために160℃程度の加熱処理がおこなわれることを考慮して、80℃で30分次いで160℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。
耐溶剤性の評価:
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状サンプル0.5gをアセトン(25℃)に30分間浸漬した後、アセトン可溶分の重量%で示した。尚、アセトン可溶分が100重量%はサンプルが完全に溶解したこと即ち未硬化であることを意味する。
ガラス転移温度:
硬化絶縁膜のガラス転移温度は基本的には含有するフィラーの影響を受けないが、ここではフィラーを含まない樹脂成分だけからなる組成物を用いて作成したサンプルについてガラス転移温度を測定した。フィラー含まないサンプルを用いると、得られる損失正接(tanδ)の温度変化をより明瞭に測定し易いためである。ガラス転移を示すピーク温度やピークを形成する温度範囲が明瞭に測定できるときにはフィラーを含む組成物を用いて作成したサンプルについて測定しても構わない。
具体的には、厚さ150μmのシート状に硬化した試料を幅5mm、長さ30mmの短冊状に切り出して、レオメトリックサイエンティフィック製固体粘弾性アナライザーRSAIIを用いて、引張り−圧縮モードで、周波数10Hz、窒素気流中、温度ステップ2℃で各設定温度に到達後30秒後に測定を行ない次の温度に昇温し測定を繰り返し、損失正接(tanδ)の温度変化を求めた。
測定結果を具体例で説明すれば、例えば後述の実施例1の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化は図2のようになる。この図において、−103℃、5℃、52℃および129℃のピークは、それぞれポリイミドシロキサンのポリシロキサン成分、ポリイミドシロキサンの芳香族鎖成分、多価イソシアネート化合物成分及びエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度を示している。尚、図2における135℃以上で見られる測定点のバラツキは、各成分がそれぞれガラス転移温度を越えた結果、硬化絶縁膜が全体として柔らかくなり、装置の測定限界に近くなり測定する弾性率にバラツキが生じるためである。この様なバラツキを生じる状態は、硬化絶縁膜の実質的に全樹脂成分(セグメント)の運動性が増しており、封止材料との界面で封止材料とより緊密な化学的又は物理的相互作用を可能にして密着性を高めると考えられる。一方、この様なバラツキが見られない場合は、ガラス転移温度以上になっても硬化絶縁膜が全体としてはリジッドな状態にあることを示している。
封止材料との密着性(接着性)の評価:
35μm厚電解銅箔光沢面上に絶縁膜用組成物を30μm厚に塗布し硬化させ、この硬化膜上にICチップ封止材料CEL−C−5020(日立化成工業株式会社製)を約1mm厚、直径0.5cm程度の円状に滴下して塗布し160℃で1時間加熱処理して硬化させサンプルとした。手でサンプルを折り曲げ、封止樹脂のはがれ具合を観察した。硬化絶縁膜で凝集破壊を起こした場合及び硬化絶縁膜/銅箔界面剥離の場合を○、硬化絶縁膜の凝集破壊と硬化絶縁膜/封止樹脂界面剥離が共存する場合を△、硬化絶縁膜/封止樹脂界面剥離の場合を×で示した。
電気絶縁性(体積抵抗)の測定:
JIS C−2103によって測定した。
引張弾性率:
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状試料を、幅1cm、長さ15cmに切り出して試験に用いた。ASTM D882によって測定した。
半田耐熱性の評価:
厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に絶縁膜用組成物を30μm厚に塗布し硬化させ絶縁膜を形成した。絶縁膜上にロジン系フラックス(サンワ化学工業社製:SUNFLUX SF−270)を塗布した後、260℃の半田浴に10秒間絶縁膜を接触させた。その後のサンプルの状態を観察して評価した。異常が生じない場合を○、ふくれなどの異常が生じた場合を×で示した。
以下の各例で使用した多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、充填材、硬化触媒について説明する。
〔多価イソシアネート化合物〕
バーノックD−550:大日本インキ株式会社製、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートブロック化体、ブロック化剤:メチルエチルケトオキシム
バーノックD−500:大日本インキ株式会社製、トリレンンジイソシアネートブロック化体、ブロック化剤:メチルエチルケトオキシム
タケネートB−842N:三井武田ケミカル株式会社製、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンブロック化体、ブロック化剤:メチルエチルケトオキシム
〔エポキシ化合物〕
エピコート157S70:ジャパンエポキシレジン社製ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210
エピコート1007:ジャパンエポキシレジン社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量2000
〔微粉状シリカ〕
アエロジル50:日本アエロジル社製、平均粒径30nm
アエロジル130:日本アエロジル株式会社製、平均粒径:16nm
〔硫酸バリウム〕
硫酸バリウムB−30:堺化学工業社製、平均粒径0.3μm
〔タルク〕
ミクロエースP−3:日本タルク社製、平均粒径5.1μm
〔マイカ〕
MK−100:コープケミカル社製、平均粒径2.6μm
〔硬化触媒〕
DBU:アルドリッチ社製、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
〔参考例1〕
ポリイミドシロキサン溶液の製造:
容量500mlのガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)、溶媒のトリグライム(以下、TGと略記することもある。)120gを仕込み、窒素雰囲気下、180℃で加熱撹拌した。α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(アミノ当量455)154.7g(0.17モル)、TG70gを加え、180℃で60分加熱撹拌した。さらにこの反応溶液にビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)メタン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシフェニルメタン)8.59g(0.03モル)及びTG23.4gを加え、180℃で5時間加熱撹拌した後、濾過を行った。得られたポリイミドシロキサン反応溶液は、ポリマ−固形分濃度50重量%、ηinhが0.18の溶液であった。イミド化率は実質的に100%であった。
〔実施例1〕
ガラス製容器に、参考例1で得たポリイミドシロキサン溶液に、ポリイミドシロキサン100重量部に対してブロック多価イソシアネートのバーノックD−550を10重量部、エポキシ樹脂のエピコート157S70を1重量部、3級アミン硬化触媒のDBUを5重量部、顔料のフタロシアニングリ−ンを1重量部、シリコン系消泡剤を2重量部、微粉状シリカのアエロジル50を18重量部、硫酸バリウムB−30を40重量部、タルクのミクロエースP−30を20重量部、を加えて攪拌し均一に混合させたポリイミドシロキサン組成物を得た。
このポリイミドシロキサン組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
このポリイミドシロキサン組成物を用いて、80℃で30分間次いで160℃で60分間加熱処理して厚さ75μmの硬化絶縁膜を形成し、その膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ1.0×1015Ω・cmであった。
この組成物を用いて硬化絶縁膜を作成し評価した。評価結果を表2に示す。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図2に示す。この硬化絶縁膜のイソシアネート化合物成分に基づくガラス転移は47℃〜56℃(ピーク温度52℃)に存在し、エポキシ化合物成分に基づくガラス転移は107℃〜142℃(ピーク温度129℃)に存在した。
〔実施例2〕
ブロック多価イソシアネート化合物としてバーノックD−500を10重量部用い、3級アミン硬化触媒のDBUを0.5重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図3に示す。この硬化絶縁膜のイソシアネート化合物成分とエポキシ化合物成分に基づくガラス転移が98℃〜148℃(ピーク温度127℃)に重なって観測された。
〔実施例3〕
ブロック多価イソシアネート化合物としてタケネートB−842Nを10重量部用い、3級アミン硬化触媒のDBUを1重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図4に示す。この硬化絶縁膜のイソシアネート化合物成分に基づくガラス転移は62℃〜85℃(ピーク温度74℃)に存在し、エポキシ化合物成分に基づくガラス転移は93℃〜117℃(ピーク温度106℃)に存在した。
〔実施例4〕
エポキシ化合物としてエピコート1007を10重量部用い、3級アミン硬化触媒のDBUを0.5重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図4に示す。この硬化絶縁膜のイソシアネート化合物成分に基づくガラス転移は49℃〜60℃(ピーク温度55℃)に存在し、エポキシ化合物成分に基づくガラス転移は62℃〜112℃(ピーク温度78℃)に存在する。
〔比較例1〕
ブロック多価イソシアネート化合物を用いないで、エポキシ化合物としてエピコート157S70を10重量部及び3級アミン硬化触媒のDBUを2重量部用いて、実施例1と同様にしてポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。この硬化絶縁膜は封止材料に対する密着性が劣るものであった。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図6に示す。この硬化絶縁膜のエポキシ化合物成分に基づくガラス転移は105℃から210℃(ピーク温度165℃)に存在する。また、210℃以上の温度になっても損失正接(tanδ)にブレ(測定値のバラツキ)は見られず硬化絶縁膜としてリジッドな状態が保持されている。
〔比較例2〕
エポキシ化合物を用いないで、ブロック多価イソシアネート化合物としてバーノックD550を10重量部、3級アミン硬化触媒のDBUを5重量部用いて、実施例1と同様にしてポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。この組成物は封止材料との密着性は優れているが、低温では硬化絶縁膜を得ることができなかった。
〔比較例3〕
エポキシ化合物としてエピコート157S70を15重量部及び3級アミン硬化触媒のDBUを1重量部用いる以外は実施例1と同様にしてポリイミドシロキサン組成物を得た。
この組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。この組成物は粘度が高く、印刷性が劣るものであり、また硬化絶縁膜は封止材料に対する密着性が劣るものであった。
また、この組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図7に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のエポキシ化合物成分に基づくガラス転移は90℃から220℃(ピーク温度135℃)に存在する。また、220℃以上の温度になっても損失正接(tanδ)にブレ(測定値のバラツキ)は見られず硬化絶縁膜としてリジッドな状態が保持されている。
表1に実施例及び比較例に用いたポリイミドシロキサン組成物の配合割合を、また表2に実施例及び比較例のポリイミドシロキサン組成物の評価結果を示す。
Figure 2008133480
Figure 2008133480
本発明の絶縁膜用組成物はフレキシブル配線基板上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能なものであり、電気電子部品などの絶縁保護膜を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適に利用することができる。
絶縁フィルム基材にICなどのチップ部品を実装した電子部品であって、配線パターン表面を先にスズメッキし次いで本発明の絶縁膜組成物からなる硬化絶縁膜(保護膜)を形成する手順で、絶縁フィルム基材にチップ部品を実装した時の一例の概略の断面図である。 実施例1の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。 実施例2の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。 実施例3の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。 実施例4の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。 比較例1の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。 比較例3の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化の測定結果である。
符号の説明
1:ポリイミドフィルム
2:銅箔からなる配線パターン
3:メッキされたスズ層
4:絶縁膜用組成物からなる硬化絶縁膜(保護膜)
5:バンプを用いた接合部位
6:ICチップ
7:封止材料

Claims (10)

  1. (a)イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、(b)多価イソシアネート化合物2〜40重量部、(c)エポキシ化合物0.1〜20重量部、及び、(d)有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物であって、加熱処理して硬化絶縁膜としたとき、前記硬化絶縁膜が前記エポキシ基及びイソシアネート基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度、前記多価イソシアネート化合物に由来したガラス転移温度、及び、前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度がいずれも160℃以下になるように構成されたことを特徴とする絶縁膜用組成物。
  2. イソシアネート基及びエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂が、テトラカルボン酸成分と、一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン30〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサンと前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜69.5モル%からなるジアミン成分とから得られる有機溶媒可溶性のポリイミドシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜用組成物。
    Figure 2008133480
    (式中、R1は2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、R2は独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
  3. エポキシ当量が100〜800のエポキシ化合物0.1〜10重量部、または、エポキシ当量が800を超えるエポキシ化合物0.1〜20重量部を含有することを特徴とする前記請求項1〜2のいずれかに記載の絶縁膜用組成物。
  4. さらに、(e)硬化触媒を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁膜用組成物。
  5. 硬化触媒が3級アミンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁膜用組成物。
  6. さらに、(f)微細なフィラーを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁膜用組成物。
  7. 微細なフィラーが、少なくとも微粉状シリカ、タルク、マイカ、又は、硫酸バリウムのいずれか一つを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の絶縁膜用組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜用組成物を加熱処理して得られる硬化絶縁膜。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜用組成物を基材に塗布後、50℃〜210℃で加熱処理して硬化絶縁膜を形成する方法。
  10. 基材に塗布後、130℃以下の温度で加熱処理して耐溶剤性(アセトン浸漬時の重量減少)が20重量%以下の硬化絶縁膜を形成し、次いで封止材料と接触した状態で210℃以下の温度で加熱処理して封止材料を硬化させることを特徴とする前記請求項9に記載の硬化絶縁膜を形成する方法。
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