JPH07224152A - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂組成物

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JPH07224152A
JPH07224152A JP1417794A JP1417794A JPH07224152A JP H07224152 A JPH07224152 A JP H07224152A JP 1417794 A JP1417794 A JP 1417794A JP 1417794 A JP1417794 A JP 1417794A JP H07224152 A JPH07224152 A JP H07224152A
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polyimide resin
aminophenoxy
heat
coupling agent
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達弘 吉田
Keizo Takahama
啓造 高浜
Shiyuusaku Okaake
周作 岡明
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (A)主たる酸成分が3,3',4,4'-ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物と3,3',4,4'-ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物であり、主たるアミ
ン成分が、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
ゼン及びジメチルフェニレンジアミンの群から選ばれた
1種類または2種類以上のジアミンと一般式(1)で表
されるジアミノシロキサン化合物からなるポリイミド樹
脂100重量部と、(B)エポキシ化合物5〜100重
量部と、(C)カップリング剤0.1〜50重量部とを
含有。 (式中、R1,R2:炭素数1〜4の脂肪族基または芳香
族基 R3,R4,R5,R6:脂肪族基または芳香族基 k:1〜20) 【効果】 耐熱性と成形加工性に優れた耐熱性樹脂組成
物を得ることができ、特に高信頼性と耐熱性を要求する
エレクトロニクス用材料として工業的に極めて利用価値
が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、かつ有
機溶剤に可溶で成形加工性に優れた耐熱性樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、耐熱性が高く難燃性
で電気絶縁性に優れていることからフィルムとしてフレ
キシブル印刷配線板や耐熱性接着テープの基材に、樹脂
ワニスとして半導体の層間絶縁膜、表面保護膜に広く使
用されている。しかし、従来のポリイミド樹脂は吸湿性
が高く、耐熱性に優れている反面不溶不融であったり融
点が極めて高く、加工性の点で決して使いやすい材料と
はいえなかった。また半導体の実装材料として層間絶縁
膜、表面保護膜などに使用されているが、これらは有機
溶剤に可溶なポリイミド樹脂の前駆体ポリアミック酸を
半導体表面に塗布し、加熱処理によって溶剤を除去する
と共にイミド化をして用いている。この時、イミド化を
完全に進めるために、また高沸点のアミド系溶剤を揮散
させるために300℃以上の高温乾燥工程を必要とす
る。このため高温にさらされ、他に使用する部材の熱損
傷や素子の劣化を招きアセンブリ工程の収率を劣化させ
る。また、皮膜の吸湿性が高いため、高温時に吸収した
水分が一気に蒸発して膨れやクラックの原因となるなど
の問題があった。
【0003】前記の欠点を改良する方法として、有機溶
剤に可溶で既にイミド化されたポリイミド樹脂組成物か
らフィルム状接着剤を形成し、これを被着体に熱圧着す
る方法等が提案されている(特開平5−105850、
112760、112761号公報を参照)。しかしな
がら、ポリイミド樹脂をホットメルト型の接着剤として
使用するこの様な場合、ポリイミド樹脂のガラス転移温
度が高いと加工に非常な高温を要し被着材に熱損傷を与
える恐れが大きい。一方、低温加工性を付与するためポ
リイミド樹脂のガラス転移温度を下げるとポリイミド樹
脂の耐熱性という特徴を十分に生かすことができないと
いう問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、かつ低温での成形加工性の優れた耐熱性樹脂を得る
べく鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイミド樹脂
にエポキシ化合物およびカップリング剤を添加すると、
上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱性樹脂組成
物は、ガラス転移温度が350℃以下の有機溶剤に可溶
なポリイミド樹脂100重量部に対して、1分子中に少
なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
5〜100重量部、カップリング剤0.1〜50重量部
を主たる成分として含有されていることを特徴とする耐
熱性樹脂組成物である。
【0006】本発明のポリイミド樹脂は、主たる酸成分
が3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
及び3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物である。他の酸成分として4,4'-オキシジフタ
ル酸二無水物及びエチレングリコールビストリメリット
酸二無水物からなる群より選ばれた1種または2種のテ
トラカルボン酸二無水物を酸成分の50モル%を超えな
い範囲で併用することもできる。主たるアミン成分は、
2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパ
ン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン及びジ
メチルフェニレンジアミンの群から選ばれた1種類また
は2種類以上のジアミンと一般式(1)で表されるジア
ミノシロキサン化合物である。
【0007】
【化1】 (式中、R1,R2:二価の、炭素数1〜4の脂肪族基ま
たは芳香族基 R3,R4,R5,R6:一価の脂肪族基または芳香族基 k:1〜20の整数)
【0008】他のアミン成分として、2,2-ビス(4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシ)ヘキサフルオロ
プロパン、ビス-4-(4-アミノフェノキシ)フェニルス
ルフォン、ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニルス
ルフォンなどをジアミン成分の50モル%を超えない範
囲で、それらを単独、あるいは併用して使用することが
できる。
【0009】さらに該ジアミノシロキサン化合物はジア
ミン成分総量の5〜50モル%用いることがより好まし
い。ジアミン成分の総量の5モル%より少ないと有機溶
剤への溶解性が低下し、50モル%を越えるとガラス転
移温度が著しく低下し耐熱性に問題が生じる。一般式
(1)で表されるジアミノシロキサン化合物として具体
的には、下記一般式(2)で表されるα,ω-ビス(3-ア
ミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)が
好ましく、特にkの値が4〜10の範囲が、ガラス転移
温度、接着性、耐熱性の点から好ましい。これらのシロ
キサン化合物は単独で用いることは勿論、2種類以上を
併用することもできる。特にk=1と上記k=4〜10
のものをブレンドして用いることは接着性を重視する用
途では好ましい。
【0010】
【化2】
【0011】重縮合反応における酸成分とアミン成分の
当量比は、得られるポリアミックの分子量を決定する重
要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均分
子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られて
いる。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れてい
る。従って、実用的に優れた強度を得るためには、ある
程度高分子量であることが必要である。本発明では、酸
成分とアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.060 より好ましくは、 0.975 ≦ r ≦ 1.025 の範囲にあることが好ましい。ただし、r=[全酸成分
の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが
0.900未満では、分子量が低くて脆くなるため接着
力が弱くなる。また1.06を越えると、未反応のカル
ボン酸が加熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因とな
り好ましくないことがある。
【0012】本発明において分子量制御のためジカルボ
ン酸無水物あるいはモノアミンを添加することは、上述
の酸/アミンモル比の範囲であれば特にこれを妨げな
い。
【0013】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
C)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノ
ン、1,4-ジオキサン(1,4-DO)などである。非プ
ロトン性極性溶媒は、1種類のみ用いてもよいし、2種
類以上を混合して用いてもよい。この時、上記非プロト
ン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合して使用
しても良い。トルエン、キシレン、ソルベントナフサな
どの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶媒におけ
る非極性溶媒の割合は、30重量%以下であることが好
ましい。これは非極性溶媒が30重量%以上では溶媒の
溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れがあるた
めである。テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反
応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した前述反
応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好ましくは
99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を
添加して反応を進める。
【0014】このようにして得たポリアミック酸溶液を
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応
を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加え
て共沸させてディーン・スターク(Dean−Star
k)管などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶
しない有機溶剤としてはジクロルベンゼンが知られてい
るが、エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する
恐れがあるので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用
する。また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-
ピコリン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げ
ない。
【0015】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されている
ことが望ましい。
【0016】本発明では得られたポリイミド溶液にその
ままエポキシ化合物やカップリング剤を添加し耐熱性樹
脂組成物溶液とすることができる。また、該ポリイミド
溶液を貧溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈析出さ
せて未反応モノマを取り除いて精製し、乾燥して固形の
ポリイミド樹脂として使用することもできる。高温工程
を嫌う用途や特に不純物や異物が問題になる用途では、
再び有機溶剤に溶解して濾過精製ワニスとすることが好
ましい。この時使用する溶剤は加工作業性を考え、沸点
の低い溶剤を選択することが可能である。
【0017】本発明のポリイミド樹脂では、ケトン系溶
剤として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン
を、エーテル系溶剤として、1,4-ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジグライムを沸点200℃以下の低沸点
溶剤として使用することができる。これらの溶剤は単独
で使用しても良いし、2種以上を混合して用いることも
できる。
【0018】本発明の耐熱性樹脂組成物において使用す
る成分(B)エポキシ化合物は、少なくとも1分子中に
2個のエポキシ基を有するものであれば特に限定される
ものではないが、ポリイミド樹脂の溶媒への溶解性が良
好なものが好ましい。例えば、ビスフェノールA型のジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールF型のジグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0019】前記エポキシ化合物の量比は成分(A)ポ
リイミド樹脂100重量部に対して5〜100重量部、
特に10〜70重量部の範囲にあることが好ましい。5
重量部未満では、未硬化のエポキシ化合物を添加し樹脂
組成物の軟化温度を下げ低温加工性をあげるという効果
があらわれにくく、100重量部をこえるとポリイミド
樹脂の耐熱性を損なうこととなり好ましくない。
【0020】また本発明の耐熱性樹脂組成物において使
用する成分(C)カップリング剤は、成分(A)のポリ
イミド樹脂や成分(B)のエポキシ化合物との相溶性、
ポリイミド樹脂の溶媒への溶解性が良好なものが好まし
い。例えばシラン系のカップリング剤やチタン系、ジル
コン系のカップリング剤等が挙げられる。特にシラン系
カップリング剤が相溶性や溶解性の点で好ましい。カッ
プリング剤の配合割合は成分(A)のポリイミド樹脂1
00重量部に対して0.1〜50重量部、より好ましく
は0.5〜30重量部である。0.1重量部未満では、高
温時の樹脂の弾性率が低下している時の樹脂フローの制
御が困難であり、また当該樹脂組成物を接着用途に用い
る場合、被着対との密着性を向上させる効果が現れな
い。50重量部をこえると樹脂組成物の耐熱性を損な
い、好ましくない。
【0021】本発明の耐熱性樹脂組成物にはその加工
性、耐熱性を損なわない範囲で微細な無機充填材が配合
されていても良い。
【0022】
【作用】本発明のポリイミド樹脂にエポキシ化合物とカ
ップリング剤を添加した耐熱性樹脂組成物は、見かけ上
のガラス転移温度が該ポリイミド樹脂のガラス転移温度
より低下し低温加工性が向上する。一方、ガラス転移温
度より高温域での接着力は該ポリイミド樹脂より向上
し、IRリフローなどの熱衝撃を与えても剥離が認めら
れないなどの高温域での物性が向上する。この特異な現
象に対する詳細な機構は未だ明らかではない部分もある
が、エポキシ化合物とカップリング剤が反応した低分子
量の生成物は、特定構造のポリイミド樹脂に対して可塑
剤として作用し該ポリイミド樹脂のガラス転移温度より
低温域での弾性率を低下せしめ、よって接着性、加工性
など低温での作業性の向上をもたらす。一方、ガラス転
移温度より高温域ではその与えられた熱によって三次元
網目構造が形成され、ポリイミド樹脂の流動性を低下せ
しめ、よって該ポリイミド樹脂の耐熱性を維持、あるい
は向上せしめる。以上の機構によって低温加工性と高温
時の耐熱信頼性の両立がはかられる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、これらの実施例に限定されるものではない。
【0024】(ポリイミド樹脂PI−1の合成)乾燥窒
素ガス導入管、冷却器、温度計、撹拌機を備えた四口フ
ラスコに、脱水精製したNMP716gを入れ、窒素ガ
スを流しながら10分間激しくかき混ぜる。次に2,2-
ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(B
APP)24.631g(0.060モル)、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)48.236
g(0.165モル)、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)
ポリジメチルシロキサン(APPS、式(2))57.
753g(平均分子量837、0.069モル)、1,3
-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジメチルシロキ
サン(APDS,式(2)においてk=1)1.491
g(0.006モル)を投入し、系を60℃に加熱し、
均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系を氷水浴
で5℃に冷却し、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物(BPDA)52.960g(0.180
モル)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物(BTDA)38.668g(0.120モ
ル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、その後3時
間撹拌を続けた。この間フラスコは5℃に保った。
【0025】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレン179gを添加した。油浴に代え
て系を175℃に加熱し発生する水を系外に除いた。4
時間加熱したところ、系からの水の発生は認められなく
なった。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投
入し、ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、
80℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、204.72
g(収率91.5%)の固形樹脂を得た。KBr錠剤法
で赤外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結
合に由来する5.6μmの吸収を認めたが、アミド結合
に由来する6.06μmの吸収を認めることはできず、
この樹脂はほぼ100%イミド化していることが確かめ
られた。
【0026】このようにして得たポリイミド樹脂は、ガ
ラス転移温度が133℃、引張り弾性率が170kgf/m
m2、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4-ジオキサ
ン(1,4-DO)に良く溶解することが確かめられた。
【0027】(ポリイミド樹脂PI−2の合成)前記の
ポリイミド樹脂PI−1の合成と同様にして、NMP7
33gにジアミン成分としてα,ω-ビス(3-アミノプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)75.330
g(0.090モル)、2,2-ビス(4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)48.030g
(0.117モル)、2,5-ジメチル-p-フェニレンジ
アミン(DPX)12.258g(0.090モル)を投
入し、酸成分を3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(BPDA)44.133g(0.150モ
ル)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物(BTDA)48.335g(0.150モル)
をとして加え、その後2時間撹拌を続けた。その後、p
-フェノキシアニリン(PPA)1.111g(0.00
6モル)を加え、さらに1時間撹拌を続けた。
【0028】その後、系を加熱しイミド化を行い、21
4.30g(収率93.5%)の固形樹脂を得た。得られ
たポリイミド樹脂は、ガラス転移温度が158℃、引張
り弾性率が229kgf/mm2、ジメチルホルムアミド、
1,4-ジオキサンに良く溶解することが確かめられた。
第1表にポリイミド樹脂PI−1、およびPI−2の物
性を示した。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例1)ガラス製フラスコにポリイミ
ド樹脂PI−1、100gとDMF450gを入れ、室
温で充分に撹拌しポリイミドを完全に溶解させる。均一
に溶解した後、ビスフェノールA型エポキシ化合物(エ
ピコート828、油化シェルエポキシ(株)製)50gを
加え室温にて2時間撹拌した。その後均一に溶解してい
ることを確認して、シランカップリング剤(トリエトキ
シビニルシラン、KBE1003、信越化学(株)製)1
gを撹拌しながら徐々に加えた。引き続き2時間撹拌し
耐熱性樹脂溶液を調製した。この溶液組成物は、室温に
て10日間放置してもゲル化せず均一な溶液の状態のま
まであった。このワニスをリバースロールコーターでポ
リイミドフィルム(商品名ユーピレックスSGA、厚み
50μm、宇部興産(株)製)の片面に塗布し、接着剤層
の厚みが30μmの接着テープを得た。乾燥温度は最高
185℃で乾燥時間6分であった。
【0031】(実施例2)ポリイミド樹脂PI−1、1
00gにDMF450gを入れ溶解後に、フェノールノ
ボラック型エポキシ化合物(EOCN−1020、日本
化薬(株)製)50g、シランカップリング剤(トリスメ
トキシエトキシビニルシラン、KBC1003、信越化
学(株)製)1gを実施例1と同様にして添加し耐熱性樹
脂溶液を調製した。この樹脂溶液から実施例1と同様に
して接着テープを得た。
【0032】(実施例3)ポリイミド樹脂PI−2、1
00gにDMF360gを加え実施例1と同様にして、
ビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコート82
8、油化シェルエポキシ(株)製)20g、シランカップ
リング剤(N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、KBM573、信越化学(株)製)1gを添
加し耐熱性樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液から実施
例1と同様にして接着テープを得た。
【0033】(実施例4)ポリイミド樹脂PI−2、1
00gにDMF375gを加え実施例1と同様にして、
ビフェニル型エポキシ化合物(エピコートYX−400
0H、油化シェルエポキシ(株)製)20g、シランカッ
プリング剤(N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、KBM573、信越化学(株)製)5gを
実施例1と同様にして添加し耐熱性樹脂溶液を調製し
た。またこの樹脂溶液から実施例1と同様にして接着テ
ープを得た。
【0034】第2表に実施例1〜4で得られた耐熱性樹
脂組成物の物性(溶解性、ガラス転移温度、吸水率、引
張り特性)を示した。またこの耐熱性樹脂組成物より得
られた接着テープの銅箔に対する接着強度を示した。
【0035】
【表2】
【0036】溶解性の欄のSは該当する溶媒に溶解する
ことを示す。ガラス転移温度はDSC測定により求め
た。引張り試験は室温、引張り速度5mm/minにて測定
した。銅との接着強度は、接着テープを35μm銅箔に
熱圧着して試験片を作製し(銅箔の処理面に250℃2
秒間熱圧着し、圧を開放後250℃で30秒間アニール
した。接着面にかかる圧力はゲージ圧力と接着面積から
計算の結果4kgf/cm2であった。)、テンシロンにて1
80度ピール強度を測定したものである(引張り速度5
0mm/min)。それぞれの実施例の試験片の破断面は接
着樹脂層が凝集破壊し、発泡は全く認められなかった。
接着強度は常態とプレッシャークッカー(125℃、4
8時間、飽和100%)で処理した後の180度ピール
強度を測定した。
【0037】(比較例1、2)ポリイミド樹脂PI−1
およびPI−2のみの接着テープを実施例1と同様にし
て作製し、銅との接着強度を測定しその結果を第1表に
示した。
【0038】表1、2の結果から、実施例の接着テープ
の接着強度は吸湿加熱後でもその強度はわずかしか低下
していないが、比較例のポリイミド樹脂テープの接着強
度は、常態に比べて吸湿加熱後は著しく低下している。
以上の実施例から本発明により、耐熱性と成形加工性に
優れたフィルム接着剤を得られることが示される。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性と成形加工性を
両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供すること
が可能である。低沸点溶媒に可溶であるため残留溶媒を
ほぼ完璧になくすことが可能で、また既にイミド化され
ているため、加工時にイミド化のための高温過程が不要
で水分の発生も無い。またタックのないフィルムとして
使用することができるので連続作業性やクリーンな環境
を必要とする場合に非常に有効である。このため高信頼
性と耐熱性を要求するエレクトロニクス用材料として工
業的に極めて利用価値が高い。
【0040】本発明の樹脂組成物の使用方法は特に限定
されるものではないが、樹脂構成成分の全てが有機溶剤
に均一に溶解されている樹脂ワニスとして、コーティン
グやディッピングに、流延成形によってフィルムに、耐
熱性と加工性の両立した絶縁材料、接着フィルム等とし
て使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主たる酸成分が3,3',4,4'-ビ
    フェニルテトラカルボン酸二無水物と3,3',4,4'-ベ
    ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物であり、主たる
    アミン成分が、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)
    フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
    ベンゼン及びジメチルフェニレンジアミンの群から選ば
    れた1種類または2種類以上のジアミンと一般式(1)
    で表されるジアミノシロキサン化合物からなる有機溶剤
    に可溶なガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹
    脂100重量部と、(B)1分子中に少なくとも2個以
    上のエポキシ基を有するエポキシ化合物5〜100重量
    部と、(C)カップリング剤0.1〜50重量部とを主
    たる成分として含有していることを特徴とする耐熱性樹
    脂組成物。 【化1】 (式中、R1,R2:二価の、炭素数1〜4の脂肪族基ま
    たは芳香族基 R3,R4,R5,R6:一価の脂肪族基または芳香族基 k:1〜20の整数)
  2. 【請求項2】 成分(A)が3,3',4,4'-ビフェニル
    テトラカルボン酸二無水物aモルと3,3',4,4'-ベン
    ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物bモルとを酸成分
    とし、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)
    プロパンcモルと1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベ
    ンゼンとジメチルフェニレンジアミンとの群から選ばれ
    た1種類または2種類のジアミンdモルと、一般式
    (1)で表されるジアミノシロキサン化合物eモルとを
    アミン成分とし、a、b、c、d、eのモル比が 0.5
    ≦ a/(a+b)≦ 0.8、0.2 ≦ b/(a+b)≦
    0.5、かつ 0.05 ≦ e/(c+d+e)≦ 0.5 の割合
    で両成分を反応させてイミド閉環せしめたポリイミド樹
    脂である請求項1記載の耐熱性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(C)がシランカップリング剤であ
    る請求項1及び請求項2記載の耐熱性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008133480A (ja) * 2008-01-25 2008-06-12 Ube Ind Ltd 電子部品の実装方法
US7745516B2 (en) * 2005-10-12 2010-06-29 E. I. Du Pont De Nemours And Company Composition of polyimide and sterically-hindered hydrophobic epoxy

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