JP2008124508A - サポートピン配置位置決定装置、サポートピン配置位置決定方法および部品実装機 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板自身の重みによる反りの防止とともに、表面に部品を実装するときの基板に対する電子部品の押し込みによる基板の反りを防止するサポートピン配置位置決定装置を提供する。
【解決手段】基板20の第2実装面の基板情報がデータベース部607より演算制御部601にロードされる(S28)。そして、サポートピン配置データ616には、ピン孔504、基準穴514および第2実装面の部品が重ね合わせて表示される(S30)。第2実装面の部品を合わせて表示することにより、ピン孔504の位置を第2実装面の部品下に持ってくるよう編集することができる(S32)。このような編集を行なうことにより、部品実装位置がサポートピン510により支持されているため、部品実装時に基板20がたわむのを防止することができる。
【選択図】図26

Description

本発明は、プリント基板の製造において基板を支持するためのサポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定装置に関する。
電子部品をプリント基板等の基板に実装する部品実装機においては、部品実装機内の搬送レール上を基板が搬送され、所定の位置に位置決めされた後、電子部品の実装が行なわれる。
その際、基板自身の重みや、基板上に装着された電子部品の重みにより基板がたわむのを防止するため、部品実装機の搬送レール下には基板を複数のサポートピンで支持する支持装置が設けられている。
図35(a)に示すように支持装置にはサポートピンプレート502が設けられている。サポートピンプレート502には、サポートピンを立てるためのピン孔504が上下左右に一定の間隔で複数設けられている。
従来、サポートピンを立てる位置を決定する方法として、裏面に先に実装された電子部品と重ならないようにサポートピンを立てる位置を決定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図35(b)および図35(c)は支持装置を側面から見た図である。
この方法では、図35(b)に示すように、基板20の裏面に実装された電子部品508に当たらないようにサポートピン510の配置位置が決定される。これにより、図35(c)のように、サポートピンプレート502が図35(b)の矢印A方向に移動し、基板20を裏面から支えることができ、基板20の上面へ電子部品を実装する際に、基板20がたわむことがなくなる。
特開平6−169198号公報
しかしながら、従来の方法では単に裏面だけの部品との干渉についてのみを考慮するものであり、表面に電子部品を実装する際の基板に対する押し込みによる反りを防止できないという課題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、基板自身の重みによる反りの防止とともに、表面に部品を実装するときの基板に対する電子部品の押し込みによる基板の反りを防止するサポートピン配置位置決定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の支持部材パターン決定装置は、基板を支持するためのサポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定装置であって、前記基板における部品の実装を行なう面の部品の実装点データを記憶する実装点データ記憶手段と、前記実装点データを参照して、部品実装時に前記部品の実装位置の近辺を下方から支持するように、前記サポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定手段とを備える。
このように、サポートピンの配置位置を決定することにより、部品実装時に、基板に力がかかる事により基板がたわむのを防ぐことができる。
なお、本発明は、このような特徴的な手段を備えたサポートピン配置位置決定装置として実現することができるだけでなく、それらの特徴的な手段をステップとするサポートピン配置位置決定方法として実現したり、特徴的な命令を含むプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
本発明によると、表面の実装での基板の反りを避けるサポートピン配置位置決定装置を提供できる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る部品実装システムについて説明する。
(部品実装システム)
図1は、本発明に係る部品実装システム10全体の構成を示す外観図である。この部品実装システム10は、上流から下流に向けて回路基板20を送りながら電子部品を実装していく生産ラインを構成する複数の部品実装機100、200と、生産の開始等にあたり、各種データベースに基づいて必要な電子部品の実装順序を最適化し、得られたNC(Numeric Control)データを部品実装機100、200にダウンロードして設定・制御する最適化装置300と、部品実装機100、200における部品の実装時に、基板20を支持するサポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定装置600とからなる。
部品実装機100は、同時かつ独立して、又は、お互いが協調して(又は、交互動作にて)部品実装を行う2つのサブ設備(前サブ設備110及び後サブ設備120)を備える。各サブ設備110(120)は、直交ロボット型装着ステージであり、部品テープを収納する最大48個の部品カセット114の配列からなる2つの部品供給部115a及び115bと、それら部品カセット114から最大10個の部品を吸着し基板20に装着することができる10個の吸着ノズル(以下、単に「ノズル」ともいう。)を有するマルチ装着ヘッド112(10ノズルヘッド)と、そのマルチ装着ヘッド112を移動させるXYロボット113と、マルチ装着ヘッド112に吸着された部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するための部品認識カメラ116と、トレイ部品を供給するトレイ供給部117等を備える。各サブ設備は、他のサブ設備とは独立して(並行して)、基板への部品実装を実行する。
なお、「部品テープ」とは、現実には、同一部品種の複数の部品がテープ(キャリアテープ)上に並べられたものであり、リール(供給リール)等に巻かれた状態で供給される。主に、チップ部品と呼ばれる比較的小さいサイズの部品を部品実装機に供給するのに使用される。ただし、最適化処理においては、「部品テープ」とは、同一の部品種に属する部品の集合(それら複数個の部品が仮想的なテープ上に並べられたもの)を特定するデータであり、「部品分割」と呼ばれる処理によって、1つの部品種に属する部品群(1本の部品テープ)が複数本の部品テープに分割される場合がある。なお、「部品種」とは、抵抗、コンデンサ等の電子部品の種類を示す。
また、部品テープによって供給される部品をテーピング部品と呼ぶ。
この部品実装機100は、具体的には、高速装着機と呼ばれる部品実装機と多機能装着機と呼ばれる部品実装機それぞれの機能を併せもつ実装機である。高速装着機とは、主として□10mm以下の電子部品を1点あたり0.1秒程度のスピードで装着する高い生産性を特徴とする設備であり、多機能装着機とは、□10mm以上の大型電子部品やスイッチ・コネクタ等の異形部品、QFP(Quad Flat Package)・BGA(Ball Grid Array)等のIC部品を装着する設備である。
つまり、この部品実装機100は、ほぼ全ての種類の電子部品(装着対象となる部品として、0.6mm×0.3mmのチップ抵抗から200mmのコネクタまで)を装着できるように設計されており、この部品実装機100を必要台数だけ並べることで、生産ラインを構成することができる。
(部品実装機の構成)
図2は、本発明に係る部品実装順序最適化の対象となる部品実装機100の主要な構成を示す平面図である。
シャトルコンベヤ118は、トレイ供給部117から取り出された部品を載せて、マルチ装着ヘッド112による吸着可能な所定位置まで運搬するための移動テーブルである。ノズルステーション119は、各種形状の部品種に対応するための交換用ノズルが置かれるテーブルである。
各サブ設備110(又は120)を構成する2つの部品供給部115a及び115bは、それぞれ、部品認識カメラ116を挟んで左右に配置されている。したがって、部品供給部115a又は115bにおいて部品を吸着したマルチ装着ヘッド112は、部品認識カメラ116を通過した後に、基板20の実装点に移動し、吸着した全ての部品を順次装着していく動作を繰り返す。「実装点」とは、部品を装着すべき基板上の座標点のことであり、同一部品種の部品が異なる実装点に装着される場合もある。同一の部品種に係る部品テープに並べられた部品(実装点)の個数の合計は、その部品種の部品数(実装すべき部品の総数)と一致する。
ここで、マルチ装着ヘッド112による部品の吸着・移動・装着という一連の動作の繰り返しにおける1回分の動作(吸着・移動・装着)、又はそのような1回分の動作によって実装される部品群を「タスク」と呼ぶ。例えば、10個の吸着ノズルを有するマルチ装着ヘッド112によれば、1個のタスクによって実装される部品の最大数は10となる。なお、ここでいう「吸着」には、ヘッドが部品を吸着し始めてから移動するまでの全ての吸着動作が含まれ、例えば、1回の吸着動作(マルチ装着ヘッド112の上下動作)で10個の部品を吸着する場合だけでなく、複数回の吸着動作によって10個の部品を吸着する場合も含まれる。
なお、部品実装対象の基板20は、搬送レール511上を搬送され、所定の位置に固定された後、部品実装が行なわれる。搬送レール511の下には、基板20を支持するための支持装置が設けられている。支持装置については、図35を参照して説明したものと同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰返さない。
図3は、マルチ装着ヘッド112と部品カセット114の位置関係を示す模式図である。このマルチ装着ヘッド112は、「ギャングピックアップ方式」と呼ばれる作業ヘッドであり、最大10個の吸着ノズル112a〜112bを装着することが可能であり、このときには、最大10個の部品カセット114それぞれから部品を同時に(1回の上下動作で)吸着することができる。
なお、「シングルカセット」と呼ばれる部品カセット114には1つの部品テープだけが装填され、「ダブルカセット」と呼ばれる部品カセット114には2つの部品テープが装填される。また、部品供給部115a及び115bにおける部品カセット114(又は、部品テープ)の位置を「Z軸上の値」又は「Z軸上の位置」と呼び、部品供給部115aの最左端を「1」とする連続番号等が用いられる。したがって、テーピング部品についての実装順序を決定するために、部品種(又は、部品テープ、又は、その部品テープを収納した部品カセット114)の並び(Z軸上の位置)を決定することが必要である。「Z軸」とは、部品実装機(サブ設備を備える場合には、サブ設備)ごとに装着される部品カセットの配列位置を特定する座標軸(又は、その座標値)のことをいう。
図4(a)に示されるように、各部品供給部115a、115b、215a、215bは、それぞれ、最大48個の部品テープを搭載することができる(それぞれの位置は、Z1〜Z48、Z49〜Z96、Z97〜Z144、Z145〜Z192)。具体的には、図4(b)に示されるように、テープ幅が8mmの部品テープを2つ収納したダブルカセットを用いることで、各部品供給部(Aブロック〜Dブロック)に最大48種類の部品を搭載することができる。テープ幅の大きい部品(部品カセット)ほど、1つのブロックに搭載できるカセット本数は減少する。
なお、各サブ設備に向かって左側の部品供給部115a、215a(Aブロック、Cブロック)を「左ブロック」、各サブ設備に向かって右側の部品供給部115b、215b(Bブロック、Dブロック)を「右ブロック」とも呼ぶ。
図5は、10ノズルヘッドが吸着可能な部品供給部の位置(Z軸)の例を示す図及び表である。なお、図中のH1〜H10は、10ノズルヘッドに搭載されたノズル(の位置)を指す。
ここでは、10ノズルヘッドの各ノズルの間隔は、1つのダブルカセットの幅(21.5mm)に相当するので、1回の上下動により吸着される部品のZ番号は、1つおき(奇数のみ又は偶数のみ)となる。また、10ノズルヘッドのZ軸方向における移動制約により、図5(b)に示されるように、各部品供給部の一端を構成する部品(Z軸)に対しては、吸着することができないノズル(図中の「−」)が存在する。
次に、図6〜図8を用いて、部品カセット114の詳細な構造を説明する。
図6(a)〜図6(d)に示すような各種チップ形電子部品423a〜423dを図7に示すキャリアテープ424に一定間隔で複数個連続的に形成された収納凹部424aに収納し、この上面にカバーテープ425を貼付けて包装し、供給用リール426に所定の数量分を巻回したテーピング形態(部品テープ)でユーザに供給されている。ただし、電子部品が収納される部品の形状は凹形状には限られない。図7に示すようなキャリアテープ424以外であっても、部品をテープに粘着固定させた粘着テープや、紙テープなどもある。
このようなテーピング電子部品423dは図8に示すような部品カセット114に装着されて使用されるものであり、図8において供給用リール426は本体フレーム427に結合されたリール側板428に回転自在に取り付けられている。この供給用リール426より引き出されたキャリアテープ424は送りローラ429に案内され、この電子部品供給装置が搭載された電子部品自動装着装置(図示せず)の動作に連動し、同装置に設けられたフィードレバー(同じく図示せず)により電子部品供給装置の送りレバー430が図中の矢印Y1方向に移動し、送りレバー430に取り付けられているリンク431を介してラチェット432を定角度回転させる。そしてラチェット432に連動した前記送りローラ429を定ピッチ(たとえば、2mm又は4mmの送りピッチ)だけ動かす。なお、キャリアテープ424は、モータ駆動またはシリンダ駆動により送り出される場合もある。
また、キャリアテープ424は送りローラ429の手前(供給用リール426側)のカバーテープ剥離部433でカバーテープ425を引き剥がし、引き剥がしたカバーテープ425はカバーテープ巻取りリール434に巻取られ、カバーテープ425を引き剥がされたキャリアテープ424は電子部品取り出し部435に搬送され、前記送りローラ429がキャリアテープ424を搬送するのと同時に前記ラチェット432に連動して開口する電子部品取り出し部435より真空吸着ヘッド(図示せず)により収納凹部424aに収納されたチップ形のテーピング電子部品423dを吸着して取り出す。その後、送りレバー430は上記フィードレバーによる押し力を解除されて引張りバネ436の付勢力でもって同Y2方向に、すなわち元の位置にもどる。
この部品実装機100の動作上の特徴をまとめると、以下の通りである。
(1)ノズル交換
次の装着動作に必要なノズルがマルチ装着ヘッド112にないとき、マルチ装着ヘッド112は、ノズルステーション119へ移動し、ノズル交換を実施する。ノズルの種類としては、吸着できる部品のサイズに応じて、例えば、タイプS、M、L等がある。
(2)部品吸着
マルチ装着ヘッド112が部品供給部115a及び115bに移動し、電子部品を吸着する。一度に10個の部品を同時に吸着できないときは、吸着位置を移動させながら複数回、吸着上下動作を行うことで、最大10個の部品を吸着することができる。
(3)認識スキャン
マルチ装着ヘッド112が部品認識カメラ116上を一定速度で移動し、マルチ装着ヘッド112に吸着された全ての電子部品の画像を取り込み、部品の吸着位置を正確に検出する。
(4)部品装着
基板20に、順次電子部品を装着する。
上記(1)から(4)の動作を繰り返し行うことで、全ての電子部品を基板20に搭載する。上記(2)から(4)の動作は、この部品実装機100による部品の実装における基本動作であり、「タスク」に相当する。つまり、1つのタスクで、最大10個の電子部品を基板に装着することができる。
(部品実装機における制約)
部品の実装順序を最適化する目的は、部品実装機100による単位時間当たりの基板の生産枚数を最大化することである。したがって、好ましい最適化方法(最適化アルゴリズム)とは、この部品実装機100が有する上述の機能上及び動作上の特徴から分かるように、基板上に効率よく装着できる10個の電子部品を選び、それらを同時に部品供給部から吸着し、最短経路で順次装着するようなアルゴリズムである。このような最適化アルゴリズムで決定された部品実装順序は、理想的には、1本のノズルだけによる部品実装の場合と比較し、生産性を約10倍向上させることができる。
ところが、いかなる部品実装機であっても、機構上、コスト上、運用上などの面から、部品の実装順序の決定に対する制約要因を持っている。したがって、現実的には、部品の実装順序の最適化とは、様々な制約を遵守したうえで、単位時間当たりの基板の生産枚数を可能な限り最大化することである。
以下、この部品実装機100における主な制約を列挙する。
(マルチ装着ヘッド)
マルチ装着ヘッド112は、独立して吸着・装着動作をする10個の装着ヘッドが一列に並べられたものであり、最大10本の吸着ノズルが着脱可能であり、それら一連の吸着ノズルによって、1回の吸着上下動作で最大10個の部品を同時に吸着することができる。
なお、マルチ装着ヘッドを構成している個々の作業ヘッド(1個の部品を吸着する作業ヘッド)を指す場合には、単に「装着ヘッド(又は、「ヘッド」)」と呼ぶ。
マルチ装着ヘッド112を構成する10本の装着ヘッドが直線状に並ぶという構造上、部品吸着時と部品装着時のマルチ装着ヘッド112の可動範囲に関して制約がある。具体的には、図5(b)に示されるように、部品供給部の両端(左ブロック115aの左端付近及び右ブロック115bの右端付近)で電子部品を吸着するときには、アクセスできる装着ヘッドが制限される。
また、電子部品を基板に装着する時にも、マルチ装着ヘッド112の可動範囲は制限を受ける。
(部品認識カメラ)
この部品実装機100には、部品認識カメラ116として、2次元画像を撮像する2Dカメラと、高さ情報も検出できる3Dカメラが搭載されている。2Dカメラには、撮像できる視野の大きさによって、2DSカメラと2DLカメラがある。2DSカメラは視野は小さいが高速撮像が可能で、2DLカメラは最大60×220mmまでの大きな視野を特徴としている。3Dカメラは、IC部品の全てのリードが曲がっていないかどうかを3次元的に検査するために用いられる。
電子部品を撮像する際の認識スキャン速度は、カメラによって異なる。2DSカメラを使用する部品と3Dカメラを使用する部品が同じタスクに存在する場合には、認識スキャンはそれぞれの速度で2度実施する必要がある。
(部品供給部)
電子部品のパッケージの状態には、電子部品をテープ状に収納するテーピングと呼ばれる方式と、部品の大きさに合わせて間仕切りをつけたプレートに収納するトレイと呼ばれる方式がある。
テーピングによる部品の供給は、部品供給部115a及び115bにより行われ、トレイによる供給は、トレイ供給部117により行われる。
電子部品のテーピングは規格化されており、部品の大きさに応じて、8mm幅から72mmまでのテーピング規格が存在する。このようなテープ状の部品(部品テープ)をテープ幅に応じた部品カセット(テープ・フィーダ・ユニット)にセットすることで、電子部品を安定した状態で連続的に取り出すことが可能となる。
部品カセットをセットする部品供給部は、12mm幅までの部品テープを21.5mmピッチで隙間なく搭載できるように設計されている。テープ幅が16mm以上になると、テープ幅に応じて必要分だけ隙間をあけてセットすることになる。複数の電子部品を同時に(1回の上下動作で)吸着するためには、装着ヘッドと部品カセットそれぞれの並びにおけるピッチが一致すればよい。テープ幅が12mmまでの部品に対しては、10点同時吸着が可能である。
なお、部品供給部を構成する2つの部品供給部(左ブロック115a、右ブロック115b)それぞれには、12mm幅までの部品テープを最大48個搭載することができる。
(部品カセット)
部品カセットには、1つの部品テープだけを収納するシングルカセットと、最大2つの部品テープを収納することができるダブルカセットとがある。ダブルカセットに収納する2つの部品テープは、送りピッチ(2mm又は4mm)が同一の部品テープに限られる。
(その他の制約)
部品実装機100における制約には、以上のような部品実装機100の構造から生じる制約だけでなく、部品実装機100が使用される生産現場における事情から生じる以下のような運用面での制約もある。
(1)配列固定
例えば、人手による部品テープの交換作業を削減するために、特定の部品テープ(又は、それを収納した部品カセット)については、セットする部品供給部での位置(Z軸上の位置)が固定される場合がある。
(2)リソース上の制約
同一部品種について準備できる部品テープの本数、部品テープを収納する部品カセットの数、ダブルカセットの数、吸着ノズルの数(タイプごとの数)等が、一定数に制限される場合がある。
(最適化装置)
最適化装置300は、生産の対象(基板及びその上に実装すべき部品)と生産の道具(限られたリソースを備えた部品実装機、サブ設備)とが与えられた場合に、可能な限り短い時間で基板を製造する(単位時間あたりに製造できる基板の枚数を多くする)ための部品実装順序を決定する装置である。
具体的には、基板あたりの実装時間を最小化するためには、どの部品実装機(サブ設備)のどの位置(Z軸)にいかなる部品テープを収めた部品カセットを配置しておき、各部品実装機(サブ設備)のマルチ装着ヘッドがいかなる順序で部品カセットから可能な限り多くの部品を同時に吸着し、吸着した複数の部品を基板上のどの位置(実装点)にどのような順序で装着すればよいかをコンピュータ上で決定する(最適解を探索する)装置である。
このときに、対象の部品実装機(サブ設備)が有する上述の制約を厳守することが要求される。
(最適化装置のハードウェア構成)
最適化装置300は、本発明に係る最適化プログラムをパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムが実行することによって実現され、現実の部品実装機100と接続されていない状態で、スタンドアロンのシミュレータ(部品実装順序の最適化ツール)としても機能する。
図9は、図1に示された最適化装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。この最適化装置300は、生産ラインを構成する各設備の仕様等に基づく各種制約の下で、対象となる基板の部品実装におけるラインタクト(ラインを構成するサブ設備ごとのタクトのうち、最大のタクト)を最小化するように、部品実装用CAD装置等から与えられた全ての部品を対象として、各サブ設備で実装すべき部品及び各サブ設備における部品の実装順序を決定し、最適なNCデータを生成するコンピュータ装置であり、演算制御部301、表示部302、入力部303、メモリ部304、最適化プログラム格納部305、通信I/F(インターフェース)部306及びデータベース部307等から構成される。
なお、「タクト」とは、対象の部品を実装するのに要する総時間である。
演算制御部301は、CPUや数値プロセッサ等であり、ユーザからの指示等に従って、最適化プログラム格納部305からメモリ部304に必要なプログラムをロードして実行し、その実行結果に従って、各構成要素302〜307を制御する。
表示部302はCRTやLCD等であり、入力部303はキーボードやマウス等であり、これらは、演算制御部301による制御の下で、本最適化装置300と操作者とが対話する等のために用いられる。
通信I/F部306は、LANアダプタ等であり、本最適化装置300と部品実装機100、200、サポートピン配置位置決定装置600および電子部品や配線パターン等のレイアウトを設計するCAD装置(図示せず)との通信等に用いられる。
メモリ部304は、演算制御部301による作業領域を提供するRAM等である。最適化プログラム格納部305は、本最適化装置300の機能を実現する各種最適化プログラムを記憶しているハードディスク等である。
データベース部307は、この最適化装置300による最適化処理に用いられる入力データ(実装点データ307a、部品ライブラリ307b及び実装装置情報307c)や最適化によって生成された実装点データ等を記憶するハードディスク等である。
図10〜図12は、それぞれ、実装点データ307a、部品ライブラリ307b及び実装装置情報307cの例を示す。
実装点データ307aは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりである。図10に示されるように、1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、実装角度θi、制御データφiからなる。ここで、「部品種」は、図11に示される部品ライブラリ307bにおける部品名に相当し、「X座標」及び「Y座標」は、実装点の座標(基板上の特定位置を示す座標)であり、「実装角度θi」は、部品実装時のヘッドの回転角度であり、「制御データ」は、その部品の実装に関する制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、マルチ装着ヘッド112の最高移動速度等)である。なお、最終的に求めるべきNCデータとは、ラインタクトが最小となるような実装点の並びである。なお、X軸方向は基板20の進行方向であり、Y軸方向はそれに直行する方向である。
部品ライブラリ307bは、部品実装機100、200が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリであり、図11に示されるように、部品種ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、部品認識カメラ116による認識方式、マルチ装着ヘッド112の最高速度比等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。
実装装置情報307cは、生産ラインを構成する全てのサブ設備ごとの装置構成や上述の制約等を示す情報であり、図12に示されるように、設備番号を示すユニットID、マルチ装着ヘッドのタイプ等に関するヘッド情報、マルチ装着ヘッドに装着され得る吸着ノズルのタイプ等に関するノズル情報、部品カセット114の最大数等に関するカセット情報、トレイ供給部117が収納しているトレイの段数等に関するトレイ情報等からなる。
これらの情報は、以下のように呼ばれるデータである。つまり、設備オプションデータ(サブ設備毎)、リソースデータ(設備毎で利用可能なカセット本数とノズル本数)、ノズルステーション配置データ(ノズルステーション付きのサブ設備毎)、初期ノズルパターンデータ(サブ設備毎)、Z軸配置データ(サブ設備毎)等である。
(サポートピン配置位置決定装置)
サポートピン配置位置決定装置600は、サポートピン510を立てるためのサポートピンプレート502の形状に関するサポートピンプレートデータ、部品の実装点データ、部品の形状データ、部品のランド情報および基板20の輪郭情報より、サポートピン510を立てるサポートピンプレート502のピン孔504の位置を決定するための装置である。
図13は、サポートピンプレート502およびサポートピン510等の外観図である。電子部品508の実装に先立って、操作者により、サポートピンプレート502のピン孔504にサポートピン510が差し込まれる。その上に、基板20が載置され、マルチ装着ヘッド112により電子部品508が基板20上に装着される。
(サポートピン配置位置決定装置のハードウェア構成)
サポートピン配置位置決定装置600は、本発明に係るサポートピン配置位置決定プログラムをコンピュータ等の汎用のコンピュータシステムが実行することにより実現され、現実の部品実装機100と接続されていない状態で、スタンドアロンのシミュレータ(サポートピン配置位置決定ツール)としても機能する。
図14は、図1に示されたサポートピン配置位置決定装置600のハードウェア構成を示すブロック図である。このサポートピン配置位置決定装置600は、基板20に実装すべき部品の実装点などに基づいて、各設備の支持装置のサポートピンプレート502にサポートピン510を立てるピン孔504の位置を決定し、最適なサポートピン510配置情報を生成するコンピュータ装置であり、演算制御部601、表示部602、入力部603、メモリ部604、サポートピン配置位置決定プログラム格納部605、通信I/F(インターフェース)部606及びデータベース部607等から構成される。
演算制御部601は、CPUや数値プロセッサ等であり、ユーザからの指示等に従って、サポートピン配置位置決定プログラム格納部605からメモリ部604に必要なプログラムをロードして実行し、その実行結果に従って、各構成要素602〜607を制御する。
表示部602はCRTやLCD等であり、入力部603はキーボードやマウス等であり、これらは、演算制御部601による制御の下で、サポートピン配置位置決定装置600と操作者とが対話する等のために用いられる。
通信I/F部606は、LANアダプタ等であり、サポートピン配置位置決定装置600と部品実装機100、200、最適化装置300および上述のCAD装置(図示せず)との通信等に用いられる。
メモリ部604は、演算制御部601による作業領域を提供するRAM等である。サポートピン配置位置決定プログラム格納部605は、サポートピン配置位置決定装置600の機能を実現する各種プログラムを記憶しているハードディスク等である。
データベース部607は、このサポートピン配置位置決定装置600によるサポートピン配置位置決定処理に用いられる入力データ(サポートピンプレートデータ607a、実装点データ607b、形状データ607c、ランド情報607dおよび基板の輪郭情報607e)やサポートピン配置位置決定により生成されたサポートピン配置情報等を記憶するハードディスク等である。
図15に示されるように、サポートピンプレートデータ607aは、基板20の支持装置を構成するサポートピンプレート502の形状およびサポートピン510を配置することが可能なピン孔504の位置を示している。ピン孔504は、サポートピンプレートデータ607aの欠け516や、ボルト部分512等により一部欠けている。また、サポートピンプレートデータ607aには、基板20との位置あわせをするための基準穴514の位置も示している。
実装点データ607bは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりであり、図10に示したものと同様である。なお、データベース部607に実装点データ607bを格納しなくとも、演算制御部601は、通信I/F部606を介して最適化装置300に格納された実装点データ307aを利用するようにしてもよい。
形状データ607cは、部品の形状データであり、図11に示した部品ライブラリ307bのうち、部品名および部品サイズを少なくとも含むデータである。なお、ここでいう部品サイズとは、図16に示すように、リード518を含む電子部品508その他の電子部品の外接矩形519に対し、一定の幅520を持たせた(付加した)外接矩形522のサイズのことを示している。具体的には、一定の幅520を決めるに当たり、一定の幅520には半田が塗布され半田付けされる領域を含むことから、ランドの位置およびランドの形状から決めるようにしてもよい。なお、一定の幅520は、電子部品の種類ごとに定めてもよいし、すべての電子部品に対し一律に定めるようにしてもよい。電子部品の種類ごとに定めた方が精度良くサポートピンを立ててはいけない領域を定めることができる。
図17に示すように、ランド情報607dは、電子部品508の半田領域であるランド524の形状を示す情報である。なお、ランド情報607dが得られない場合には、基板20にクリーム半田を塗布する際に使用するマスクの形状を示したマスク情報を用いてもよい。
基板の輪郭情報607eは、部品実装前の基板20の輪郭情報を示すデータである。
(サポートピン配置位置決定処理)
次に、上述のサポートピン配置位置決定装置600を用いたサポートピン配置位置決定処理について図面を参照しながら説明する。
図18は、サポートピン配置位置決定処理のフローチャートである。
演算制御部601は、データベース部607より図15に示すようなサポートピンプレートデータ607aを部品実装機100ごとにロードする(S4)。ロードした全ての部品実装機100についてのサポートピンプレートデータ607aを基準穴514を基準として重ね合わせる(S6)。この処理により、すべてのサポートピンプレートデータ607aにおいて重なりを有するピン孔504を求め、有効なサポートピンプレートデータ領域を作成し、表示部602に表示する(S10)。例えば、図19に示されるような有効なサポートピンプレートデータ領域が作成され、表示される。
次に、ある期間内(例えば、1日)に部品実装対象とされるすべての種類の基板20(すべての電子部品の配置パターン)について、以下の処理を繰返す。すなわち、ある基板20の第1実装面(両面実装基板の最初に実装される面)に関して、実装点データ607b、部品の形状データ607c、ランド情報607dおよび基板の輪郭情報607eをロードし、図20(a)に示すような実装基板情報614aを作成する(S14)。すなわち、実装基板情報614aとは、基板20上に部品や、部品のリード、ランド等によりサポートピン510を立ててはいけない領域612が示されたものである。なお、サポートピン510を立ててはいけない領域612は、外接矩形522により求められる。この外接矩形522は、上述したようにリード518を含む電子部品508その他の電子部品の外接矩形519に対し、一定の幅520を持たせることにより求められる。このため、この方法によると、簡単な処理で領域612を求めることができる。なお、外接矩形522を求める際に、一定の幅520を用いずに、リードの位置および形状、ランドの位置および形状から外接矩形522を求めるようにしてもよい。この場合には、精度良く領域612を求めることが可能であるが、電子部品のリードやランドの位置および形状をすべて参照して領域612を求める必要がある。このため、比較的処理が複雑になる。なお、実装基板情報614aには、サポートピンプレート502との位置あわせをするための基準穴610も合わせて示されている。
次に、図20(b)に示すような実装基板情報614aをミラー反転させた反転実装基板情報614bを作成する(S16)。実装基板情報614aをミラー反転させるのは、第2実装面(両面実装基板の2番目に実装される面)に部品を実装する際に、基板の裏側の面となる第1実装面に接触するサポートピン510の位置を求めるためである。
次に、有効サポートピンプレートデータ領域算出処理(S2〜S8)で求められた有効なサポートピンプレートデータ領域と反転実装基板情報614bとを基準穴を基準として重ねあわせ、重ね合わせデータを作成する(S18)。ここでは、説明の簡単のため有効なサポートピンプレートデータ領域は図21に示すような領域であるものとする。これと、図20(b)に示される反転実装基板情報614bとを重ね合わせた結果の重ね合わせデータを図22(a)に示す。
重ね合わせの結果、サポートピン510を立ててはいけない領域612に含まれるピン孔504を重ね合わせデータより削除し、図22(b)に示すようなサポートピン配置データ616を作成する(S20)。すなわち、サポートピン配置データ616のうち、ピン孔504が存在する位置にサポートピン510を立てることができる。
次に、別の種類の基板の反転実装基板情報614bについても、サポートピン配置データ616との重ね合わせ処理を行ない、サポートピン配置データ616を更新する(S14〜S20)。例えば、図23(a)に示すようなサポートピン配置データ616と、図23(b)に示すような反転実装基板情報614bとを重ね合わせることにより、図23(c)に示すようにサポートピン配置データ616が更新される。以上の処理を全ての部品実装基板について行ない、サポートピン配置データ616を作成する(S12〜S22)。
すなわち、図24に示されるように、図24(a)〜図24(c)に示されるような各基板についてのサポートピン配置データ616を全て重ね合わせた図24(d)に示されるようなサポートピン配置データ616が、最終的に得られる。
次に、得られたサポートピン配置データ616より、最適なサポートピン配置を自動的に抽出し、サポートピン配置情報を作成する(S24)。すなわち、サポートピン510が偏りなく配置され、かつ、基板20をたわませることなく支持できるようなサポートピン510の配置位置が自動的に決定される。この処理については後述する。
自動抽出されたサポートピン配置情報は表示部602に表示される(S26)。図25は、表示部602に表示されたサポートピン配置情報の一例を示す図である。表示部602の左側にはサポートピン配置データ616が表示され、右側には、サポートピン配置データ616に表示される基板を指定するための基板指定欄618と、サポートピン配置データ616に表示される情報を指定するためのレイヤ表示欄620と、サポートピン配置データ616をサポートピン配置情報として出力するか否かを指定するためのサポートピン配置情報出力欄622とが表示されている。なお、この表示は一例にすぎず、これ以外の表示であってもよい。
基板指定欄618には、基板番号を入力することにより基板を指定することができる。レイヤ表示欄620には、回路番号、部品、ランド、マスクおよびサポートピンをチェックするためのチェック欄が設けられている。これら5つの情報はレイヤ構造をなしており、複数のチェック欄をチェックすることにより、それらに対応する情報を重ね合わせて画面上に表示させることが可能である。図25の例では、サポートピンのみにチェックが付けられていることより、サポートピン配置データ616にはピン孔504および基準穴514のみが表示されている。サポートピン配置情報出力欄622には、OKボタン622aと、キャンセルボタン622bとが含まれる。
ユーザは、OKボタン622aを押すことにより、編集中のサポートピン配置データ616をサポートピン配置情報として出力し、データベース部607に書込むことができる。キャンセルボタン622bを押すことにより、編集作業を中止させることもできる。なお、サポートピン配置データ616の編集作業は、入力部603を操作することにより、ピン孔504の位置を変更することにより行なわれる。
例えば、図26に示すようにユーザがレイヤ表示欄620のサポートピンおよび部品のチェック欄にチェックを付け、基板指定欄618に基板20の番号を入力すると、その番号に対応した基板20の第2実装面の基板情報がデータベース部607より演算制御部601にロードされる(S28)。そして、サポートピン配置データ616には、ピン孔504、基準穴514および第2実装面の部品が重ね合わせて表示される(S30)。第2実装面の部品を合わせて表示することにより、ピン孔504の位置を第2実装面の部品下に持ってくるよう編集することができる(S32)。このような編集を行なうことにより、部品実装位置がサポートピン510により支持されているため、部品実装時に基板20がたわむのを防止することができる。
以上のようにして編集が行なわれた後、OKボタン622aが押されると、サポートピン配置データ616がサポートピン配置情報としてデータベース部607に書き込まれ、処理を終了する。
なお、その実装ラインで基板片面にしか実装しない場合は、第1実装面に実装部品が存在しないので、第1実装面の実装部品によるピン配置制約領域は存在しない。このため、第2実装面の部品実装位置近辺を下から支える位置にピンを配置するようにする。
また、サポートピン配置の自動抽出処理をおこなわなくてもよい。すなわち、サポートピン配置データ616で許可された領域内において、編集機能により人手でピン配置位置を決定するようにしてもよい。
(最適サポートピン配置自動抽出処理)
次に、最適サポートピン配置自動抽出処理(図18のS24)について、図面を参照しながら詳細に説明する。この処理では、配置可能なサポートピン510を偏りなく配置し、かつ、基板20をたわませることなく支持するようなサポートピン510の配置位置を自動決定する。
図27は、最適サポートピン配置自動抽出処理のフローチャートである。
まず、ユーザがピンピッチと基板20上のピン本数とを入力する(S42)。入力されたピンピッチに基づいて、理想的なレイアウトマスクが定義される(S44)。例えば、図21に示すようなサポートピンプレートデータに対して、ピッチとして「1」を指定すると、図28に示すような理想的なレイアウトマスクが作成される。すなわち、図21に示すようなサポートピンプレートデータから1つ飛ばしにピン孔504が選択され、レイアウトマスクが作成される。また、ピッチとして「2」を指定すると、さらに倍のピンピッチが設定され図29に示すような理想的なレイアウトマスクが作成される。
次に、レイアウトマスクの取り得る重ね合わせ位置のすべてについて、以下の処理を繰り返し行なう(S46〜S52)。例えば、図28に示したレイアウトマスクの場合には、図28に示したものの他に、x方向に1ピッチ移動させたレイアウトマスクと、y方向に1ピッチ移動させたレイアウトマスクと、x方向およびy方向にそれぞれ1ピッチ移動させたレイアウトマスクとの4種類のレイアウトマスクが生成される。
これら4種類のレイアウトマスクの各々について、図30に示されるようなサポートピン配置データ616との重ねあわせを行なう(S48)。サポートピン配置データ616に表示されている基板20の大きさは、全ての部品実装基板の大きさのうち最大のものを示している。
4種類のレイアウトマスクの各々について、重ねあわせを行なった結果、基板20の有効なピン配置数を算出する(S50)。例えば、図28に示したレイアウトマスクと図30に示したサポートピン配置データ616とを重ね合わせた際に、両者のピン位置が重複するピン配置位置(有効なピン配置位置)は、図31の二重丸で示した部分であり、その個数は13個である。同様に、図28に示したレイアウトマスクをx方向に1ピッチ移動させたレイアウトマスクと、図30に示したサポートピン配置データ616とを重ね合わせた有効なピン配置位置は、図32の二重丸で示した部分であり、その個数は13個である。
以上のようにして求められた、取り得る重ね合わせ位置のすべてのうち、有効なサポートピン配置位置の数が最大となるサポートピン配置を採用する(S54)。ただし、例えば、図31および図32のように、有効なピン配置位置の数が最大となるサポートピン配置が2つ以上ある場合には、サポートピン配置位置に重みを付け、重み付けされた有効なピン配置位置の数が最大となるサポートピン配置を採用する。重み付けの一例としては、例えば図33に示すように、基板20のうち搬送レール511に支持されている基板端部632に配置されたサポートピンの重みを小さくし、基板20の中央部630や、搬送レール511により支持されない基板端部634のサポートピンの重みを大きくするようにしてもよい。
以上のようにして求められたサポートピン配置に含まれる有効なピン配置位置数とユーザにより入力されたピン本数とを比較する(S56)。両者が等しければ(S56で「=」)、サポートピン配置採用処理(S54)で採用されたサポートピン配置位置に含まれる有効なピン配置位置を最適なサポートピン配置位置と決定し(S60)、処理を終了する。
有効なサポートピン配置数のほうが入力されたピン本数よりも多ければ(S56で「>」)、重み付けに従い、重みの大きいものから順に入力されたピン本数と同数の有効なサポートピン配置位置を選択し、それを最適なサポートピン配置位置と決定し(S58)、処理を終了する。
有効なサポートピン配置数が入力されたピン本数よりも少なければ(S56で「<」)、有効でないピン配置位置のうち、採用されたレイアウトマスクのピン配置位置のピン抜けした位置(有効なピン配置位置が存在しない位置)から最も近傍にあるものを不足個数分だけ有効にし、有効なサポートピン配置位置を最適なサポートピン配置位置と決定し(S64)、処理を終了する。または、ピン抜けの多い空間を面積の多いものから順に補間するように現在無効のサポートピン配置位置を有効にするようにしてもよい。
以上のようにして最適なサポートピン配置自動抽出処理(図18のS24)が行なわれる。この処理では、理想的なレイアウトマスクに従い、サポートピンの配置位置が決定される。このため、単位面積あたりのサポートピンの本数が一定となるようにサポートピンの配置位置が決定されている。
以上説明したように本実施の形態によると、電子部品のリード部分やランド部分を考慮してサポートピンの配置位置を決定している。このため、基板の裏面のリード部分やランド部分にサポートピンが当たることがなくなる。よって、裏面の実装済みの電子部品のリードを損傷したり、半田付けが外れたりすることがない。
また、複数種類の電子部品の配置パターンのいずれにおいても使用可能なサポートピンの配置位置を求めている。このため、電子部品の配置パターンが変わってもサポートピンの位置を変更する必要がなく、ユーザの手間を省くことができる。
さらに、複数の部品実装機についてサポートピンプレートデータの重ねあわせを行なった後、有効なサポートピンプレートデータ領域を作成し、その領域に基づいてサポートピンの位置を求めている。このため、複数の部品実装機でサポートピン配置情報を共有でき、部品実装機ごとにサポートピンの配置を変更する必要がない。
以上、本発明に係る部品実装システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
例えば、部品実装機100のサポートピンプレート502にセンサを設けておき、サポートピン配置位置決定装置600から部品実装機100へサポートピン配置情報をダウンロードし、ユーザが配置すべき位置と別の位置へサポートピンを装着した場合には警告を発するようにしてもよい。
また、サポートピンプレート502のすべてのピン孔504の下に予めサポートピン510を用意しておき、サポートピン配置位置決定装置600から部品実装機100へサポートピン配置情報をダウンロードし、その情報に基づいて、配置すべき位置のサポートピンが自動的にピン孔504からせり上がるように、部品実装機100を構成してもよい。なお、サポートピンのせり上がりはモータ等を利用して機械的に構成することにより実現可能である。
さらに、多面取り基板の場合には、基板パターンを分割するために基板パターン間に設けられた切断部分には、サポートピンを配置しないようにしてもよい。なぜならば、切断部分は割れやすくなっているため、サポートピンを配置すると、部品実装時に、基板が割れてしまう場合があるからである。なお、このような切断部分は、例えば、分割するために所定の間隔で穴があけられていたり、ミシン目状になっていたりしてもよい。
さらにまた、サポートピン配置自動抽出処理では、第2実装面の部品の下に優先的にサポートピンを置くようにしてもよい。このようにすることにより、第2実装面の部品実装時に基板がたわむのを防ぐことができる。
また、図20(a)に示すような第1実装面のサポートピン510を立ててはいけない領域612に基づいて、実装基板情報614aを求める処理(図18のS14)において、基板20の第1実装面に実装された部品およびランドのイメージデータに基づいて、サポートピン510を立ててはいけない領域612を求めるようにしてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、サポートピンプレートおよびサポートピンを用いて基板を支持しているが、ウレタンフォーム、シリコン樹脂または金属(例えば鉄)のような塊状の部材を所定の形状に加工した治具を用いて基板を支持するようにしてもよい。図34は、ウレタンフォームで形成された治具の一例を示す図である。治具530には、孔532が複数箇所に設けられている。ウレタン部531は、サポートピン510が立てられる部分に相当する。また、孔532には、治具530の上部に基板20を載置した際に、基板20の裏面に実装された電子部品508が収められる。このため、基板20の裏面に実装された電子部品508を傷つけることなく、治具530上に基板20を載置することにより、基板20を支持することができる。なお、ウレタン部531は、柔軟に変形する。このため、高さの低い電子部品508は、孔532に収納する必要がなく、ウレタン部531に接触させることができる。このように、高さの低い電子部品508をウレタン部531に接触させても、ウレタン部531の柔軟性のため、電子部品508に傷が付いたり、電子部品508が基板20から取れたりすることはない。また、これらの治具530は、電子部品508が実装された後に、梱包剤としても使用することができる。
さらにまた、基板上への配線のスクリーン印刷工程においては、基板を支持する部材として、サポートプレートと呼ばれる板状の部材を使用するが、サポートプレートの代わりに、上述したサポートピンプレートおよびサポートピンの組み合わせや、ウレタンフォーム、シリコン樹脂または金属などにより形成された治具を用いても良い。
また、サポートピン配置位置決定装置600で用いられる、実装点データ607b、部品の形状データ607c、ランド情報607dおよび基板の輪郭情報607e等の情報は、通信I/F部306を介してCAD装置からサポートピン配置位置決定装置600へダウンロードするようにしてもよい。
本発明は、部品実装機のサポートピン配置位置を決定するサポートピン配置装置に適用でき、特に、複数の種類の部品実装を行なう部品実装機や複数台数の部品実装機を対象としたサポートピン配置装置等に適用できる。
本発明に係る部品実装システム全体の構成を示す外観図である。 同部品実装システムにおける部品実装機の主要な構成を示す平面図である。 同部品実装機の作業ヘッドと部品カセットとの位置関係を示す模式図である。 (a)は、同部品実装機が備える2つの実装ユニットそれぞれが有する合計4つの部品供給部の構成例を示し、(b)は、その構成における各種部品カセットの搭載本数及びZ軸上の位置を示す表である。 10ノズルヘッドが吸着可能な部品供給部の位置(Z軸)の例を示す図及び表である。 実装の対象となる各種チップ形電子部品の例を示す図である。 部品を収めたキャリアテープ及びその供給用リールの例を示す図である。 テーピング電子部品が装着された部品カセットの例を示す図である。 最適化装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図9に示された実装点データの内容例を示す図である。 図9に示された部品ライブラリの内容例を示す図である。 図9に示された実装装置情報の内容例を示す図である。 サポートピンプレートおよびサポートピン等の外観図である。 サポートピン配置位置決定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 サポートピンプレートデータの一例を示す図である。 電子部品の部品サイズを説明するための図である。 電子部品のランドの形状を説明するための図である。 サポートピン配置位置決定処理のフローチャートである。 有効なサポートピンプレートデータ領域の一例を示す図である。 (a)は実装基板情報を説明するための図である。(b)は反転実装基板情報を説明するための図である。 有効なサポートピンプレートデータ領域の他の一例を示す図である。 (a)は有効なサポートピンプレートデータ領域と反転実装基板情報とを重ね合わせた重ね合わせデータの一例を示す図である。(b)はサポートピン配置データの一例を示す図である。 サポートピン配置データの作成処理を説明するための図である。 複数の基板を元にしたサポートピン配置データの作成処理を模式的に説明するための図である。 表示部に表示されるサポートピン配置情報の一例を示す図である。 表示部に表示されるサポートピン配置情報の他の一例を示す図である。 最適サポートピン配置自動抽出処理のフローチャートである。 ピンピッチが「1」の場合の理想的なレイアウトマスクの一例を示す図である。 ピンピッチが「2」の場合の理想的なレイアウトマスクの一例を示す図である。 サポートピン配置データの一例を示す図である。 図28に示したレイアウトマスクと図30に示したサポートピン配置データとを重ね合わせた結果に基づく、有効なピン配置を示す図である。 図28に示したレイアウトマスクをx方向に1ピッチ移動させたレイアウトマスクと、図30に示したサポートピン配置データとを重ね合わせた結果に基づく、有効なピン配置を示す図である。 サポートピンの重み付けを説明するための図である。 ウレタンフォームで形成された治具の一例を示す図である。 従来の基板の支持装置を説明するための図である。
符号の説明
10 部品実装システム
20 回路基板
100、200 部品実装機
110 前サブ設備
112 マルチ装着ヘッド
112a〜112b 吸着ノズル
113 XYロボット
114 部品カセット
115a,115b 部品供給部
116 部品認識カメラ
117 トレイ供給部
118 シャトルコンベヤ
119 ノズルステーション
120 後サブ設備
300 最適化装置
301、601 演算制御部
302、602 表示部
303、603 入力部
304、604 メモリ部
305 最適化プログラム格納部
306、606 通信I/F部
307、607 データベース部
307a、607b 実装点データ
307b 部品ライブラリ
307c 実装装置情報
423d テーピング電子部品
424,441,442 キャリアテープ
424a 収納凹部
425 カバーテープ
426 供給用リール
427 本体フレーム
428 リール側板
429 送りローラ
430 送りレバー
431 リンク
432 ラチェット
433 カバーテープ剥離部
434 カバーテープ巻取りリール
435 電子部品取り出し部
436 引張りバネ
502 サポートピンプレート
504 ピン孔
508 電子部品
510 サポートピン
511 搬送レール
514 基準穴
518 リード
524 ランド
600 サポートピン位置決定装置
605 サポートピン配置位置決定プログラム格納部
606 通信I/F部
607a サポートピンプレートデータ
607c 形状データ
607d ランド情報
607e 基板の輪郭情報
614a 実装基板情報
614b 反転実装基板情報
616 サポートピン配置データ

Claims (4)

  1. 基板を支持するためのサポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定装置であって、
    前記基板における部品の実装を行なう面の部品の実装点データを記憶する実装点データ記憶手段と、
    前記実装点データを参照して、部品実装時に前記部品の実装位置の近辺を下方から支持するように、前記サポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定手段とを備える
    ことを特徴とするサポートピン配置位置決定装置。
  2. 前記サポートピン配置位置決定手段は、前記基板内に設けられた複数の基板パターンを分割するために基板パターン間に設けられた分割部分である分割部には、サポートピンを配置しないように、前記サポートピンの配置位置を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のサポートピン配置位置決定装置。
  3. 基板に部品を実装する部品実装機であって、
    基板を支持するためのサポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定装置で決定された前記サポートピンの配置位置に従い、前記サポートピン上に前記基板が載置され、
    前記サポートピン配置位置決定装置は、
    前記基板における部品の実装を行なう面の部品の実装点データを記憶する実装点データ記憶手段と、
    前記実装点データを参照して、部品実装時に前記部品の実装位置の近辺を下方から支持するように、前記サポートピンの配置位置を決定するサポートピン配置位置決定手段とを備える
    ことを特徴とする部品実装機。
  4. 基板に部品を実装する部品実装機において基板を支持するためのサポートピンの配置を決定するサポートピン配置位置決定方法であって、
    実装点データ記憶手段に記憶された前記基板における部品の実装を行なう面の部品の実装点データを参照して、部品実装時に前記部品の実装位置の近辺を下方から支持するように、前記サポートピンの配置位置を決定するステップを含む
    ことを特徴とするサポートピン配置位置決定方法。
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