JP2008112781A - エレクトレット素子および静電動作装置 - Google Patents

エレクトレット素子および静電動作装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い電荷密度を有する領域をエレクトレット膜に形成することが可能なエレクトレット素子を提供する。
【解決手段】このエレクトレット素子10は、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜2と、エレクトレット膜2の高い電荷密度を有する領域21の上面上に形成され、エレクトレット膜2に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜3とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトレット素子および静電動作装置に関し、特に、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット素子およびそのエレクトレット素子を備える静電動作装置に関する。
従来、電荷を蓄積することが可能なエレクトレットフィルム(エレクトレット素子)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、コロナ放電による被エレクトレット部材(エレクトレット膜)への電荷注入時に、パターンが形成された帯電防止部材を放電電極と被エレクトレット部材との間に配置することによって、帯電防止部材のパターンと対応する領域のみが帯電するエレクトレットフィルムが開示されている。
特開2005−333716号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来のエレクトレットフィルムでは、コロナ放電による被エレクトレット部材への電荷注入時において、電荷が注入された被エレクトレット部材の電位が帯電防止部材の電位に比べて低くなることに起因して、電荷が被エレクトレット部材よりも帯電防止部材に注入されやすくなるという不都合がある。したがって、被エレクトレット部材への電荷注入量を増加させるのが困難になるので、エレクトレットフィルムに高い電荷密度を有する領域を形成するのが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、高い電荷密度を有する領域をエレクトレット膜に形成することが可能なエレクトレット素子およびそのエレクトレット素子を備える静電動作装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるエレクトレット素子は、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、少なくともエレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜とを備える。
この発明の第1の局面によるエレクトレット素子では、上記のように、エレクトレット膜の上面上に、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜を設けることによって、電荷流出抑制膜が形成された領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に注入された電荷がエレクトレット膜の上面から流出するのを抑制することができるので、電荷流出抑制膜が形成された領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に高い電荷密度を有する領域を形成することができる。その一方、電荷流出抑制膜が形成されていない領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に注入された電荷がエレクトレット膜の上面から流出するので、電荷流出抑制膜が形成されていない領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に低い電荷密度を有する領域を形成することができる。このように、電荷流出抑制膜を用いることにより、電荷密度の高い領域と電荷密度の低い領域とを形成することができるので、電荷注入時に放電電極とエレクトレット膜との間に帯電防止部材を設ける必要がない。これにより、電荷注入時に帯電防止部材を用いて電荷密度の異なる複数の領域を形成する場合と異なり、エレクトレット膜の電位よりも高い電位を有する帯電防止部材に電荷が注入されやすくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。これにより、エレクトレット膜に電荷を注入するのが困難になるのを抑制することができるので、エレクトレット膜に対する電荷の注入量を増大させることができる。また、エレクトレット膜の上面上に電荷流出抑制膜を形成することによって、エレクトレット膜のパターニングを行うことなく、電荷密度の高い領域と電荷密度の低い領域とを形成することができるので、電荷注入時にパターニングされたエレクトレット膜により生じる横方向の電界に起因してエレクトレット膜に電荷が注入されにくくなるという不都合も発生しない。これによっても、エレクトレット膜に対する電荷の注入量を増大させることができる。これらにより、電荷流出抑制膜が形成された領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域をより高い電荷密度を有する領域にすることができるので、電荷流出抑制膜により、電荷密度の高い領域と電荷密度の低い領域とを有するとともに、その電荷密度の差が大きなエレクトレット素子を得ることができる。
上記第1の局面によるエレクトレット素子において、好ましくは、電荷流出抑制膜は、エレクトレット膜の上面上に所定の間隔を隔てて、エレクトレット膜の電荷低密度領域を露出するように形成されている。このように構成すれば、エレクトレット膜を露出する電荷流出抑制膜が形成されていない領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に注入された電荷がエレクトレット膜の上面から流出するので、エレクトレット膜を露出する電荷流出抑制膜が形成されていない領域の下方に位置するエレクトレット膜の領域に低い電荷密度を有する領域を形成することができる。したがって、エレクトレット膜の上面上に所定の間隔を隔てて電荷流出抑制膜を形成することにより、容易に、エレクトレット膜に電荷密度の高い領域と低い領域とを所定の間隔を隔てて交互に形成することができる。
上記第1の局面によるエレクトレット素子において、好ましくは、電荷流出抑制膜は、エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、第1の厚みを有する第1電荷流出抑制部と、エレクトレット膜の電荷低密度領域の上面上に形成され、第1電荷流出抑制部の第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する第2電荷流出抑制部とを含む。このように構成すれば、エレクトレット膜の第1電荷流出抑制部に対応する領域に注入された電荷の流出量を第2電荷流出抑制部に対応する領域に注入された電荷の流出量に比べて少なくすることができる。これにより、第1電荷流出抑制部に対応する領域に高い電荷密度を有する領域が形成されるとともに、第2電荷流出抑制部に対応する領域に低い電荷密度を有する領域が形成されるので、容易に、電荷密度の異なる複数の領域を形成することができる。また、第2電荷流出抑制部により、電荷注入時においてエレクトレット膜の第2電荷流出抑制部に対応する領域の上面から電荷が流出するのを抑制することができるので、エレクトレット膜内に電荷密度のばらつきが発生するのを抑制することができる。したがって、エレクトレット膜の第1電荷流出抑制部に対応する領域に電荷を注入しやすくすることができるので、エレクトレット膜の第1電荷流出抑制部に対応する領域の電荷密度をより高くすることができる。
上記第1の局面によるエレクトレット素子において、好ましくは、電荷流出抑制膜は、エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面のみならず側面を覆うように形成されている。このように構成すれば、エレクトレット膜の高い電荷密度を有する領域の上面のみならず側面からも電荷が流出するのを抑制することができる。これにより、高い電荷密度を有する領域の電荷密度が低下するのをより抑制することができる。
上記第1の局面によるエレクトレット素子において、好ましくは、少なくともエレクトレット膜の電荷低密度領域の上面上に形成され、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを促進する電荷流出促進膜をさらに備える。このように構成すれば、エレクトレット膜の電荷流出促進膜に対応する領域に電荷密度のより低い領域を形成することができる。これにより、電荷密度の差がより大きなエレクトレット素子を得ることができる。
この発明の第2の局面における静電動作装置は、固定電極と、固定電極と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、固定電極に対して移動可能な可動電極と、固定電極および可動電極のいずれか一方の上面上に形成され、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、少なくともエレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜とを含むエレクトレット素子とを備える。
この発明の第2の局面による静電動作装置では、上記のように、エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜を含むエレクトレット素子を設けることによって、電荷流出抑制膜により、電荷密度の高い領域と電荷密度の低い領域とを有するとともに、その電荷密度の差が大きなエレクトレット素子を用いることができるので、静電動作装置として静電誘導型発電装置を用いる場合には、静電誘導型発電装置の発電効率を向上させることができるとともに、静電動作装置として静電誘導型アクチュエータを用いる場合には、静電誘導型アクチュエータの消費電力に対する駆動力を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した図である。まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子10の構造について説明する。
この第1実施形態によるエレクトレット素子10は、図1および図2に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる基体1の上面上に形成されている。また、このエレクトレット素子10は、エレクトレット膜2と、エレクトレット膜2に蓄積された電荷の流出を抑制するための電荷流出抑制膜3とにより構成されている。
ここで、第1実施形態では、エレクトレット素子10のエレクトレット膜2は、基体1の上面上に形成されている。このエレクトレット膜2は、SiOからなるとともに、約0.1μm〜約100μmの厚みを有する。また、エレクトレット膜2の電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に位置する領域21は、高い電荷密度を有するとともに、エレクトレット膜2の電荷流出抑制膜3が形成されていない領域の下方に位置する領域22は、低い電荷密度を有する。なお、領域21および22は、それぞれ、本発明の「電荷高密度領域」および「電荷低密度領域」の一例である。
また、第1実施形態では、エレクトレット素子10の電荷流出抑制膜3は、エレクトレット膜2の上面上に、矢印A方向に所定の間隔を隔てて複数形成されている。この電荷流出抑制膜3は、矢印B方向に延びるように形成されている。また、電荷流出抑制膜3は、MSQ(Methyl Silses Quioxane:メチルシルセスキオキサン)またはSiOCからなるとともに、約0.01μm〜約10μmの厚みを有する。
図3および図4は、本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図2〜4を参照して、本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子10の製造プロセスについて説明する。
まず、基体1の上面上に、熱酸化によりSiOからなるエレクトレット膜2を形成する。次に、エレクトレット膜2の上面上に、MSQ膜またはSiOC膜を形成する。なお、MSQ膜を形成する場合には、スピンコート法を用いるとともに、SiOC膜を形成する場合には、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長)法を用いる。その後、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、図2に示すようなパターニングされたMSQまたはSiOCからなる電荷流出抑制膜3が形成される。
次に、図3に示すように、エレクトレット膜2への電荷の注入を行う。具体的には、コロナ放電により発生した電荷に電界によるエネルギーを与えることによって、エレクトレット膜2の領域21および22へ電荷が注入される。そして、電荷の注入後には、図4に示すように、電荷流出抑制膜3が形成されている領域の下方の領域21に注入された電荷が蓄積される一方、電荷流出抑制膜3が形成されていない領域の下方の領域22に注入された電荷が流出する。これにより、図2に示したように、領域21は、高い電荷密度を有するようになるとともに、領域22は、低い電荷密度を有するようになる。
第1実施形態では、上記のように、エレクトレット膜2の上面上に、エレクトレット膜2に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜3を設けることによって、電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に位置するエレクトレット膜2の領域21に注入された電荷がエレクトレット膜2の上面から流出するのを抑制することができるので、電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に高い電荷密度を有する領域21を形成することができる。その一方、電荷流出抑制膜3が形成されていない領域22の下方に位置するエレクトレット膜2の領域に注入された電荷がエレクトレット膜2の上面から流出するので、電荷流出抑制膜3が形成されていない領域の下方に低い電荷密度を有する領域22を形成することができる。このように、電荷流出抑制膜3を用いることにより、電荷密度の高い領域21と電荷密度の低い領域22とを形成することができるので、電荷注入時に放電電極とエレクトレット膜との間に帯電防止部材を設ける必要がない。これにより、電荷注入時に帯電防止部材を用いて電荷密度の異なる複数の領域を形成する場合と異なり、エレクトレット膜の電位よりも高い電位を有する帯電防止部材に電荷が注入されやすくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。これにより、エレクトレット膜2に電荷を注入するのが困難になるのを抑制することができるので、エレクトレット膜2に対する電荷の注入量を増大させることができる。また、エレクトレット膜2の上面上に電荷流出抑制膜3を形成することによって、エレクトレット膜2のパターニングを行うことなく、電荷密度の高い領域21と電荷密度の低い領域22とを形成することができるので、電荷注入時にパターニングされたエレクトレット膜により生じる横方向の電界に起因してエレクトレット膜に電荷が注入されにくくなるという不都合も発生しない。これによっても、エレクトレット膜2に対する電荷の注入量を増大させることができる。これらにより、電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に位置するエレクトレット膜2の領域21をより高い電荷密度を有する領域にすることができるので、電荷流出抑制膜3により、電荷密度の高い領域21と電荷密度の低い領域22とを有するとともに、その電荷密度の差が大きなエレクトレット素子10を得ることができる。
次に、上記した第1実施形態の電荷流出抑制膜の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、以下の試料1〜5を作製した。具体的には、電荷流出抑制膜の電荷流出抑制効果を確認するために、1μmの厚みを有するとともに、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、0.3μmの厚みを有するとともに、MSQからなる電荷流出抑制膜を形成した上記第1実施形態に対応する試料1によるエレクトレット素子と、1μmの厚みを有するとともに、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、0.3μmの厚みを有するとともに、SiOCからなる電荷流出抑制膜を形成した上記第1実施形態に対応する試料4によるエレクトレット素子とを作製した。また、1μmの厚みを有するSiOにより形成されたエレクトレット膜単体からなる比較例による試料2を作製した。また、0.3μmの厚みを有するMSQにより形成された電荷流出抑制膜単体からなる比較例による試料3と、1μmの厚みを有するSiOCにより形成された電荷流出抑制膜単体からなる比較例による試料5とを作製した。なお、試料1および3のMSQからなる電荷流出抑制膜は、スピンコート法により形成し、試料1、2および4のSiOからなるエレクトレット膜は、熱酸化法により形成し、試料4および5のSiOCからなる電荷流出抑制膜は、PE−CVD法により形成した。また、試料1〜5のエレクトレット膜および電荷流出抑制膜には、パターニングを行わなかった。そして、作製した試料1〜5に電荷注入を行うとともに、電荷注入が行われた試料1〜5の表面電位の経時変化を測定した。その結果を図5および図6に示す。
図5に示した測定結果より、22日経過後において、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、MSQからなる電荷流出抑制膜を形成した上記第1実施形態に対応する試料1によるエレクトレット素子の表面電位は、約−1020Vであった。また、22日経過後において、SiOにより形成されたエレクトレット膜単体からなる比較例による試料2の表面電位は、約−330Vであり、MSQにより形成された電荷流出抑制膜単体からなる比較例による試料3の表面電位は、約0Vであった。
また、図6に示した測定結果より、22日経過後において、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、SiOCからなる電荷流出抑制膜を形成した上記第1実施形態に対応する試料4によるエレクトレット素子の表面電位は、約−811Vであった。また、22日経過後において、SiOにより形成されたエレクトレット膜単体からなる比較例による試料2の表面電位は、約−330Vであり、SiOCにより形成された電荷流出抑制膜単体からなる比較例による試料5の表面電位は、約0Vであった。
上記測定結果から、試料1および4のように、エレクトレット膜の上面上に電荷流出抑制膜を形成することによって、エレクトレット素子の表面電位が大きくなることが判明した。これは、エレクトレット膜の上面上に形成された電荷流出抑制膜により、エレクトレット膜に注入された電荷の流出が抑制されているためであると考えられる。また、エレクトレット膜の上面上に電荷流出抑制膜を形成した試料1または4の表面電位と、エレクトレット膜単体からなる試料2の表面電位との差の大きさは、エレクトレット膜単体からなる試料2の表面電位の大きさよりも大きくなることが判明した。したがって、電荷流出抑制膜を用いることなく、エレクトレット膜に電荷を注入する領域と電荷を注入しない領域とを形成する場合に比べて、電荷流出抑制膜により、エレクトレット膜に高い電荷密度を有する領域と低い電荷密度を有する領域とを形成した方がエレクトレット膜の電荷密度の差を大きくすることができることが判明した。また、上記の試料3および5の結果から、電荷流出抑制膜には、電荷が蓄積されないことが判明した。
次に、上記した第1実施形態のエレクトレット膜の厚みによる影響を確認するために行った実験について説明する。この実験では、エレクトレット膜の厚みによる影響を確認するために、0.5μmの厚みを有するエレクトレット膜の上面上に、0.3μmの厚みを有する電荷流出抑制膜を形成した試料6によるエレクトレット素子と、0.8μmの厚みを有するエレクトレット膜の上面上に、0.3μmの厚みを有する電荷流出抑制膜を形成した試料7によるエレクトレット素子と、1μmの厚みを有するエレクトレット膜の上面上に、0.3μmの厚みを有する電荷流出抑制膜を形成した試料8によるエレクトレット素子とを作製した。なお、試料6〜8では、エレクトレット膜として熱酸化により形成したSiOを用いるとともに、電荷流出抑制膜としてPE−CVD法により形成したSiOCを用いた。また、試料6〜8のエレクトレット膜および電荷流出抑制膜には、パターニングを行わなかった。そして、作製した試料6〜8に電荷注入を行うとともに、電荷注入が行われた試料6〜8の表面電位を測定した。その結果を図7に示す。
図7に示した測定結果より、0.5μmの厚みを有するエレクトレット膜を用いた試料6によるエレクトレット素子の表面電位は、約−362Vであり、0.8μmの厚みを有するエレクトレット膜を用いた試料7によるエレクトレット素子の表面電位は、約−575Vであり、1μmの厚みを有するエレクトレット膜を用いた試料8によるエレクトレット素子の表面電位は、約−741Vであった。上記測定結果から、エレクトレット膜の上面上に電荷流出抑制膜を形成した構造において、エレクトレット膜の厚みを大きくすることによって、エレクトレット素子の表面電位が大きくなることが判明した。
(第2実施形態)
図8および図9は、本発明の第2実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した図である。図8および図9を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、エレクトレット膜2aの低い電荷密度を有する領域22aの上面にも電荷流出抑制膜3aが形成されているエレクトレット素子10aの構造について説明する。
この第2実施形態によるエレクトレット素子10aは、図8および図9に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる基体1の上面上に形成されている。また、このエレクトレット素子10aは、エレクトレット膜2aと、エレクトレット膜2aに蓄積された電荷の流出を抑制するための電荷流出抑制膜3aとにより構成されている。
ここで、第2実施形態では、エレクトレット素子10aの電荷流出抑制膜3aは、SiOからなるとともに、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するエレクトレット膜2aの上面上の全面に形成されている。また、電荷流出抑制膜3aは、MSQまたはSiOCからなる。また、電荷流出抑制膜3aには、矢印A方向に所定の間隔を隔てて厚みt1(たとえば、約0.01μm〜約10μm)を有する複数の凸部31が形成されている。この凸部31は、矢印B方向に延びるように形成されている。また凸部31の間には、厚みt1よりも小さい厚みt2(たとえば、約0.01μm〜約5μm)を有する凹部32が形成されている。なお、凸部31および凹部32は、それぞれ、本発明の「第1電荷流出抑制部」および「第2電荷流出抑制部」の一例であり、厚みt1およびt2は、それぞれ、本発明の「第1の厚み」および「第2の厚み」の一例である。
また、第2実施形態では、エレクトレット膜2aは、電荷流出抑制膜3aの凸部31の下方に位置する高い電荷密度を有する領域21aと、電荷流出抑制膜3aの凹部32の下方に位置する低い電荷密度を有する領域22aとを含んでいる。なお、領域21aおよび22aは、本発明の「電荷高密度領域」および「電荷低密度領域」の一例である。
なお、第2実施形態のエレクトレット素子10aの製造プロセスは、電荷流出抑制膜3aの形成プロセス以外は上記第1実施形態と同様である。この第2実施形態によるMSQまたはSiOCからなる電荷流出抑制膜3aは、エレクトレット膜2a上の全面に第1実施形態と同様の方法でMSQ膜またはSiOC膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、MSQ膜またはSiOC膜の所定部分を所定の厚み分だけ途中までエッチングすることにより形成する。
第2実施形態では、上記のように、厚みt1を有する凸部31および厚みt2を有する凹部32を含む電荷流出抑制膜3aを設けることによって、エレクトレット膜2aの凸部31に対応する領域21aに注入された電荷の流出量を凹部32に対応する領域22aに注入された電荷の流出量に比べて少なくすることができる。これにより、領域21aの電荷密度を領域22aの電荷密度よりも高くすることができるので、容易に、電荷密度の異なる複数の領域21aおよび22aを形成することができる。また、電荷流出抑制膜3aの凹部32により、電荷注入時におけるエレクトレット膜2aの凹部32に対応する領域22aの上面から電荷が流出するのを抑制することができるので、電荷注入時においてエレクトレット膜2a内に電荷密度のばらつきが発生するのを抑制することができる。したがって、エレクトレット膜2aの凸部31に対応する領域21aに電荷を注入しやすくすることができる。その結果、上記第1実施形態のエレクトレット膜2の領域21と比べて、高い電荷密度を有するエレクトレット膜2aの領域21aを形成することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
次に、上記した第2実施形態の電荷流出抑制膜の厚みによる影響を確認するために行った実験について説明する。この実験では、電荷流出抑制膜の厚みによる影響を確認するために、1μmの厚みを有するエレクトレット膜単体により形成した試料9によるエレクトレット素子と、1μmの厚みを有するエレクトレット膜の上面上に、0.1μm〜1.2μmの厚みを有する電荷流出抑制膜を形成した試料10〜16によるエレクトレット素子とを作製した。なお、試料9〜16では、エレクトレット膜として熱酸化により形成したSiOを用いた。また、試料10〜16では、電荷流出抑制膜としてPE−CVD法により形成したSiOCを用いた。また、試料9〜16のエレクトレット膜および電荷流出抑制膜には、パターニングを行わなかった。そして、作製した試料9〜16に電荷注入を行うとともに、電荷注入が行われた試料9〜16の表面電位を測定した。その結果を図10に示す。
図10に示した測定結果より、電荷流出抑制膜を形成しない試料9によるエレクトレット素子の表面電位は、約−292Vであり、0.1、0.2、0.3、0.5、0.8、1および1.2μmの厚みを有する電荷流出抑制膜を用いた試料10、11、12、13、14、15および16によるエレクトレット素子の表面電位は、それぞれ、約−709V、約−712V、約−741V、約−753V、約−774V、約−785Vおよび約−806Vであった。上記測定結果から、エレクトレット膜の上面上に電荷流出抑制膜を形成する構造において、電荷流出抑制膜の厚みを大きくすることによって、エレクトレット素子の表面電位が大きくなることが判明した。したがって、上記第2実施形態では、エレクトレット膜2aの上面上に、厚みt1を有する凸部31と、厚みt1よりも小さい厚みt2を有する凹部32とを含む電荷流出抑制膜3aを形成することによって、エレクトレット膜2aの凸部31に対応する領域21aの電荷密度を凹部32に対応する領域22aの電荷密度よりも高くすることができる。
(第3実施形態)
図11および図12は、本発明の第3実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した図である。図11および図12を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、エレクトレット膜42aおよび42bが電荷流出抑制膜3bにより分離されたエレクトレット素子10bの構造について説明する。
この第3実施形態によるエレクトレット素子10bは、図11および図12に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる基体1の上面上に形成されている。また、このエレクトレット素子10bは、エレクトレット膜42aおよび42bと、エレクトレット膜42aに蓄積された電荷の流出を抑制するための電荷流出抑制膜3bとにより構成されている。
ここで、第3実施形態では、エレクトレット素子10bのエレクトレット膜42aは、基体1の上面上に、矢印A方向に所定の間隔を隔てて複数形成されている。このエレクトレット膜42aは、矢印B方向に延びるように形成されている。また、エレクトレット膜42aは、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するSiOからなるとともに、高い電荷密度を有する。なお、エレクトレット膜42aは、本発明の「電荷高密度領域」の一例である。
また、第3実施形態では、基体1の上面上に、エレクトレット膜42aを覆うように、電荷流出抑制膜3bが形成されている。この電荷流出抑制膜3bは、MSQまたはSiOCからなるとともに、約0.01μm〜約10μmの厚みを有する。また、エレクトレット膜42bは、電荷流出抑制膜3bの上面上に、矢印A方向に所定の間隔を隔ててエレクトレット膜42aの間に複数形成されている。このエレクトレット膜42bは、矢印B方向に延びるように形成されているとともに、上面が電荷流出抑制膜3bの上面と実質的に同じ位置になるように構成されている。また、エレクトレット膜42bは、SiOからなるとともに、低い電荷密度を有する。なお、エレクトレット膜42bは、本発明の「電荷低密度領域」の一例である。
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態によるエレクトレット素子10bの製造プロセスについて説明する。
まず、基体1の上面上に、熱酸化によりSiO膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて、図12に示すようなパターニングされたSiOからなるエレクトレット膜42aを形成する。その後、基体1の上面上にエレクトレット膜42aを覆うように、MSQまたはSiOCからなる電荷流出抑制膜3bを形成する。なお、MSQからなる電荷流出抑制膜3bを形成する場合には、スピンコート法を用いるとともに、SiOCからなる電荷流出抑制膜3bを形成する場合には、PE−CVD法を用いる。そして、電荷流出抑制膜3bの上面上の全面を覆うように、SiO膜を形成した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などにより、SiO膜の余分な部分を研磨することによって、SiO膜を平坦化する。これにより、図12に示すようなエレクトレット膜42bが形成される。
次に、エレクトレット膜42aおよび42bへの電荷の注入を行う。そして、電荷の注入後には、エレクトレット膜42aに注入された電荷が蓄積される一方、エレクトレット膜42bに注入された電荷が流出する。また、エレクトレット膜42aの側面に形成された電荷流出抑制膜3bにより、エレクトレット膜42aに注入された電荷がエレクトレット膜42bに流出するのが抑制される。これにより、図12に示したように、エレクトレット膜42aは、高い電荷密度を有するようになるとともに、エレクトレット膜42bは、低い電荷密度を有するようになる。
第3実施形態では、上記のように、エレクトレット膜42aの上面のみならず側面を覆うように形成された電荷流出抑制膜3bを設けることによって、エレクトレット膜42aの上面のみならず側面からも電荷が流出するのを抑制することができる。これにより、エレクトレット膜42aの電荷密度をより高くすることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図13および図14は、本発明の第4実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した図である。図13および図14を参照して、この第4実施形態では、上記第1〜第3実施形態と異なり、電荷流出促進膜4を備えるエレクトレット素子10cの構造について説明する。
この第4実施形態によるエレクトレット素子10cは、図13および図14に示すように、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる基体1の上面上に形成されている。また、このエレクトレット素子10cは、エレクトレット膜2cと、エレクトレット膜2cに蓄積された電荷の流出を抑制するための電荷流出抑制膜3と、エレクトレット膜2cに蓄積された電荷の流出を促進するための電荷流出促進膜4とにより構成されている。
ここで、第4実施形態では、エレクトレット素子10cの電荷流出促進膜4は、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するSiOからなるエレクトレット膜2cの上面上に、矢印A方向に所定の間隔を隔てて電荷流出抑制膜3の間に複数形成されている。この電荷流出促進膜4は、矢印B方向に延びるように形成されている。また、電荷流出促進膜4は、SiNからなるとともに、約0.01μm〜約10μmの厚みを有する。また、電荷流出促進膜4は、電荷流出抑制膜3と実質的に同じ厚みを有するように形成されている。
また、第4実施形態では、エレクトレット膜2cの電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に位置する領域21cは、高い電荷密度を有するとともに、エレクトレット膜2cの電荷流出促進膜4が形成された領域の下方に位置する領域22cは、低い電荷密度を有する。なお、領域21cおよび22cは、それぞれ、本発明の「電荷高密度領域」および「電荷低密度領域」の一例である。
次に、図2および図14を参照して、本発明の第4実施形態によるエレクトレット素子10cの製造プロセスについて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様にして、図2に示すようなパターニングされた電荷流出抑制膜3を形成する。次に、LP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:減圧化学気相成長)法またはPE−CVD法によりSiN膜を形成する。その後、CMP法などにより、SiN膜の余分な部分を研磨することによって、電荷流出抑制膜3の上面が露出するようにSiN膜を平坦化する。これにより、図14に示すようなSiNからなる電荷流出促進膜4が形成される。
次に、エレクトレット膜2cへの電荷の注入を行う。そして、電荷の注入後には、電荷流出抑制膜3が形成されている領域の下方の領域21cに注入された電荷が蓄積される一方、電荷流出促進膜4が形成されている領域の下方の領域22cに注入された電荷が流出する。これにより、図14に示したように、領域21cは、高い電荷密度を有するようになるとともに、領域22cは、低い電荷密度を有するようになる。
第4実施形態では、上記のように、エレクトレット膜2cの上面上に、エレクトレット膜2cに蓄積された電荷が流出するのを促進する電荷流出促進膜4を設けることによって、電荷流出促進膜4が形成された領域の下方に注入された電荷をより流出させやすくすることができるので、電荷流出促進膜4が形成された領域の下方により低い電荷密度を有する領域22cを形成することができる。これにより、電荷密度の差がより大きなエレクトレット素子10cを得ることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は上記第1実施形態と同様である。
次に、上記した第4実施形態の電荷流出促進膜の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験では、以下の試料17〜21を作製した。具体的には、電荷流出促進膜の電荷流出促進効果を確認するために、0.5μmの厚みを有するとともに、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、0.02μmの厚みを有するとともに、SiNからなる電荷流出促進膜を形成した試料17によるエレクトレット素子と、0.5μmの厚みを有するとともに、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、1.5μmの厚みを有するとともに、SiNからなる電荷流出促進膜を形成した試料20によるエレクトレット素子とを作製した。また、0.5μmの厚みを有するSiOにより形成されたエレクトレット膜単体からなる試料18を作製した。また、2.5μmの厚みを有するSiNにより形成された電荷流出促進膜単体からなる試料19と、1μmの厚みを有するSiNにより形成された電荷流出促進膜単体からなる試料21とを作製した。なお、試料17〜21のエレクトレット膜および電荷流出抑制膜には、パターニングを行わなかった。また、試料17および19のSiNからなる電荷流出促進膜はLP−CVD法により形成するとともに、試料20および21のSiNからなる電荷流出促進膜はPE−CVD法により形成した。また、試料17、18および20のSiOからなるエレクトレット膜は、熱酸化法により形成した。そして、作製した試料17〜21に電荷注入を行うとともに、電荷注入が行われた試料17〜21の表面電位の経時変化を測定した。その結果を図15および図16に示す。
図15に示した測定結果より、12日経過後において、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、SiNからなる電荷流出促進膜をLP−CVD法により形成した試料17によるエレクトレット素子の表面電位は、約−19Vであった。また、12日経過後において、SiOにより形成されたエレクトレット膜単体による試料18の表面電位は、約−279Vであり、LP−CVD法により形成されたSiNからなる電荷流出促進膜単体による試料19の表面電位は、約−60Vであった。
また、図16に示した測定結果より、12日経過後において、SiOからなるエレクトレット膜の上面上に、SiNからなる電荷流出促進膜をPE−CVD法により形成した試料20によるエレクトレット素子の表面電位は、約−175Vであった。また、12日経過後において、SiOにより形成されたエレクトレット膜単体による試料18の表面電位は、約−279Vであり、PE−CVD法により形成されたSiNからなる電荷流出促進膜単体による試料21の表面電位は、約0Vであった。
上記測定結果から、試料17および20のように、エレクトレット膜の上面上に電荷流出促進膜を形成することによって、エレクトレット素子の表面電位が小さくなることが判明した。これは、エレクトレット膜の上面上に形成された電荷流出促進膜により、エレクトレット膜に注入された電荷の流出が促進されているためであると考えられる。したがって、上記第4実施形態では、エレクトレット膜2cの上面上に、電荷流出抑制膜3の間に電荷流出促進膜4を形成することによって、上記第1実施形態のエレクトレット膜2の低い電荷密度を有する領域22に比べて、エレクトレット膜2cの低い電荷密度を有する領域22cの電荷密度をより低くすることができる。これにより、エレクトレット膜2cの領域21cおよび22cの電荷密度の差をより大きくすることができる。
図17は、本発明の第4実施形態の第1変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。図17を参照して、この第4実施形態の第1変形例のエレクトレット素子10dでは、図14に示した第4実施形態と異なり、SiNからなる電荷流出促進膜4aにより電荷流出抑制膜3が覆われている。この電荷流出促進膜4aは、電荷流出抑制膜3の上面上において約0.01μm〜約1μmの厚みt3を有する。
第4実施形態の第1変形例では、上記のように、電荷流出促進膜4aをエレクトレット膜2cの上面上に、電荷流出抑制膜3を覆うように形成することよって、電荷流出抑制膜3の上面が露出するように平坦化する工程を省略することができる。
なお、第4実施形態の第1変形例のその他の効果は上記第4実施形態と同様である。
図18は、本発明の第4実施形態の第2変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。図18を参照して、この第4実施形態の第2変形例のエレクトレット素子10eでは、図14に示した第4実施形態と異なり、第2実施形態によるエレクトレット素子10aの電荷流出抑制膜3aの凹部32上にSiNからなる電荷流出促進膜4bが形成されている。この電荷流出促進膜4bは、上面が電荷流出抑制膜3aの凸部31の上面と実質的に同じ位置になるように構成されている。
なお、第4実施形態の第2変形例の効果は上記第第2および4実施形態と同様である。
図19は、本発明の第4実施形態の第3変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。図19を参照して、この第4実施形態の第3変形例のエレクトレット素子10fでは、図14に示した第4実施形態と異なり、第3実施形態によるエレクトレット素子10bのエレクトレット膜42b上にSiNからなる電荷流出促進膜4cが形成されている。この電荷流出促進膜4cは、上面が電荷流出抑制膜3bの上面と実質的に同じ位置になるように構成されている。
なお、第4実施形態の第3変形例の効果は上記第3および第4実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図20は、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の概略図である。図20を参照して、第5実施形態による静電誘導型発電装置50の構造について説明する。なお、この第5実施形態では、静電動作装置の一例である静電誘導型発電装置50に本発明を適用した場合について説明する。
この第5実施形態による静電誘導型発電装置50は、図20に示すように、固定基板60と、固定基板60に対して移動可能な可動基板70と、回路部80とを備えている。また、静電誘導型発電装置50には、静電誘導型発電装置50によって駆動される負荷90が接続されている。この負荷90は、接地されている。
静電誘導型発電装置50の固定基板60は、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる。また、固定基板60の可動基板70側の上面上には、約0.05μm〜約1μmの厚みを有するAlなどからなる固定電極61が形成されている。この固定電極61には、回路部80が接続されている。
ここで、第5実施形態では、固定電極61の上面上には、第1実施形態によるエレクトレット素子10が形成されている。具体的には、固定電極61の上面上に、約0.1μm〜約100μmの厚みを有するSiOからなるエレクトレット膜2が形成されている。また、エレクトレット膜2の上面上には、所定の間隔W1を隔てて複数の電荷流出抑制膜3が形成されている。この電荷流出抑制膜3は、約0.01μm〜約10μmの厚みを有するMSQまたはSiOCからなるとともに、幅W2を有する。また、エレクトレット膜2の電荷流出抑制膜3が形成された領域の下方に位置する領域21は、高い電荷密度を有するとともに、エレクトレット膜2の電荷流出抑制膜3が形成されていない領域の下方に位置する領域22は、低い電荷密度を有する。
静電誘導型発電装置50の可動基板70は、約300μm〜約1000μmの厚みを有するガラスなどからなる。また、可動基板70の固定基板60側の上面上には、電荷流出抑制膜3の幅W2よりも小さい所定の間隔W3を隔てて対向電極71が形成されている。また、対向電極71は、約0.05μm〜約1μmの厚みを有するAlなどからなるとともに、幅W4を有する。また、対向電極71には、回路部80が接続されている。
また、回路部80は、発電された電力を整流するための整流回路81と、整流回路81により整流された直流電流の電圧値を変換するためのDC−DCコンバータ82とを含んでいる。整流回路81は、固定電極61および対向電極71に接続されているとともに、DC−DCコンバータ82に接続されている。また、DC−DCコンバータ82には、静電誘導型発電装置50によって発電された電力により駆動される負荷90が接続されている。また、DC−DCコンバータ82は、接地されている。
次に、図20を参照して、本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置50の発電動作について説明する。
まず、静電誘導型発電装置50に振動が加わらない状態では、エレクトレット膜2の高い負の電荷密度を有する領域21と可動電極71とが所定の間隔を隔てて対向するように配置されているので、可動電極71には、静電誘導により正電荷が蓄積される。
次に、図20に示すように、静電誘導型発電装置50に水平方向(X方向)の振動が加わることに起因して、可動電極71がX方向に移動することにより、可動電極71は、エレクトレット膜2の低い負の電荷密度を有する領域22と対向する位置に移動する。これにより、可動電極71と対向する領域の電位が、低電位から高電位に変化するので、可動電極71に静電誘導により蓄積される電荷の量が変化する。この電荷の変化分が電流となり、整流回路81およびDC−DCコンバータ82を介して負荷90に出力される。そして、X方向の振動により、可動電極71が、上記動作を繰り返すことにより、発電が継続して行われる。
第5実施形態では、上記のように、エレクトレット膜2および電荷流出抑制膜3を含むエレクトレット素子10を設けることによって、電荷流出抑制膜3により、電荷密度の高い領域21と電荷密度の低い領域22とを有するとともに、その電荷密度の差が大きなエレクトレット素子10を用いることができるので、静電誘導型発電装置50の発電効率を向上させることができる。
また、第5実施形態では、対向電極71を、電荷流出抑制膜3の幅W2よりも小さい所定の間隔W3を隔てて形成することによって、可動基板70が固定基板60に対してY方向に移動した場合にも、エレクトレット膜2と対向電極71とが接触するのを抑制することができるので、静電誘導型発電装置50が短絡するのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、SiOからなるエレクトレット膜を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、テフロン(登録商標)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などからなるエレクトレット膜を用いるようにしてもよい。
また、上記第3実施形態では、エレクトレット膜42bの上面と電荷流出抑制膜3bの上面との高さが同じになるように形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、エレクトレット膜42bの上面が電荷流出抑制膜3bの上面よりも高くなるように形成してもよいし、低くなるように形成してもよい。
また、上記第3実施形態では、電荷流出抑制膜3bの厚みが全領域で同じになるようにしたが、本発明はこれに限らず、エレクトレット膜42aの上面に形成された電荷流出抑制膜3bの厚みを、エレクトレット膜42aの側面に形成された電荷流出抑制膜3bの厚みよりも大きくしてもよい。
また、上記第4実施形態では、電荷流出抑制膜3を形成した後、電荷流出促進膜4を形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、電荷流出促進膜4を形成した後、電荷流出抑制膜3を形成するようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、電荷流出促進膜4の厚みを電荷流出抑制膜3の厚みと実質的に同じにする例を示したが、本発明はこれに限らず、電荷流出促進膜4の厚みを電荷流出抑制膜3の厚みよりも大きくするようにしてもよいし、小さくするようにしてもよい。
また、上記第4実施形態の第2変形例では、電荷流出促進膜4bの上面を電荷流出抑制膜3aの凸部31の上面と実質的に同じ位置にする例を示したが、本発明はこれに限らず、電荷流出促進膜4bの上面を、電荷流出抑制膜3aの凸部31の上面よりも高い位置にしてもよいし、低い位置にしてもよい。また、電荷流出促進膜4bが電荷流出抑制膜3aの凸部31の上面を覆うように形成してもよい。
また、上記第4実施形態の第3変形例では、電荷流出促進膜4cの上面を電荷流出抑制膜3bの上面と実質的に同じ位置にする例を示したが、本発明はこれに限らず、電荷流出促進膜4cの上面を、電荷流出抑制膜3bの上面よりも高い位置にしてもよいし、低い位置にしてもよい。また、電荷流出促進膜4cが電荷流出抑制膜3bの上面を覆うように形成してもよい。
また、上記第5実施形態では、静電動作装置の一例として静電誘導型発電装置50を示したが、本発明はこれに限らず、エレクトレット素子を含む静電動作装置であれば、静電誘導型アクチュエータなどのその他の静電動作装置にも適用可能である。
また、上記第5実施形態では、固定基板60に第1実施形態によるエレクトレット素子10を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、固定基板に第2〜第4実施形態によるエレクトレット素子を設けるようにしてもよい。
また、上記第5実施形態では、固定基板60に固定電極61、エレクトレット膜2および電荷流出抑制膜3を形成するとともに、可動基板70に対向電極71を形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、固定基板に対向電極を形成するとともに、可動基板に可動電極、エレクトレット膜および電荷流出抑制膜を形成するようにしてもよい。
また、上記第5実施形態では、対向電極71を電荷流出抑制膜3の幅W2よりも小さい所定の間隔W3を隔てて形成する例を示したが、本発明はこれに限らず、対向電極71を電荷流出抑制膜3の幅W2よりも小さい所定の間隔W3を隔てて形成する代わりに、対向電極71の幅W4を間隔W1よりも大きく形成してもよい。
また、上記第5実施形態では、整流回路81とDC−DCコンバータ82とを含む回路部80を設ける例を示したが、本発明はこれに限らず、図21に示した第5実施形態の第1変形例による回路部80aを設けるようにしてもよい。この回路部80aは、整流回路81aを含んでいる。また、整流回路81aは、対向電極および固定電極に接続されているとともに、負荷90に接続されている。また、図22に示した第5実施形態の第2変形例による回路部80bを設けるようにしてもよい。この回路部80bは、DC−DCコンバータ82bを含んでいる。また、DC−DCコンバータ82bは、対向電極および固定電極に接続されているとともに、負荷90に接続されている。また、DC−DCコンバータ82bは、接地されている。
本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態によるエレクトレット素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 試料1〜3において、表面電位と時間との関係を示したグラフである。 試料2、4および5において、表面電位と時間との関係を示したグラフである。 エレクトレット膜の厚みと表面電位との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した斜視図である。 本発明の第2実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 電荷流出抑制膜の厚みと表面電位との関係を示したグラフである。 本発明の第3実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した斜視図である。 本発明の第3実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 本発明の第4実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した斜視図である。 本発明の第4実施形態によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 試料17〜19において、表面電位と時間との関係を示したグラフである。 試料18、20および21において、表面電位と時間との関係を示したグラフである。 本発明の第4実施形態の第1変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 本発明の第4実施形態の第2変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 本発明の第4実施形態の第3変形例によるエレクトレット素子の構造を示した断面図である。 本発明の第5実施形態による静電誘導型発電装置の概略図である。 本発明の第5実施形態の第1変形例による静電誘導型発電装置の回路部の概略図である。 本発明の第5実施形態の第2変形例による静電誘導型発電装置の回路部の概略図である。
符号の説明
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f エレクトレット素子
2、2a、2c エレクトレット膜
3、3a、3b 電荷流出抑制膜
4、4a、4b、4c 電荷流出促進膜
21、21a、21c 領域(電荷高密度領域)
22、22a、22c 領域(電荷低密度領域)
31 凸部(第1電荷流出抑制部)
32 凹部(第2電荷流出抑制部)
42a エレクトレット膜(電荷高密度領域)
42b エレクトレット膜(電荷低密度領域)
50 静電誘導型発電装置(静電動作装置)
61 固定電極
71 対向電極(可動電極)

Claims (6)

  1. 電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、
    少なくとも前記エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、前記エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜とを備える、エレクトレット素子。
  2. 前記電荷流出抑制膜は、前記エレクトレット膜の上面上に所定の間隔を隔てて、前記エレクトレット膜の電荷低密度領域を露出するように形成されている、請求項1に記載のエレクトレット素子。
  3. 前記電荷流出抑制膜は、前記エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、第1の厚みを有する第1電荷流出抑制部と、前記エレクトレット膜の電荷低密度領域の上面上に形成され、前記第1電荷流出抑制部の第1の厚みよりも小さい第2の厚みを有する第2電荷流出抑制部とを含む、請求項1に記載のエレクトレット素子。
  4. 前記電荷流出抑制膜は、前記エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面のみならず側面を覆うように形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレット素子。
  5. 少なくとも前記エレクトレット膜の電荷低密度領域の上面上に形成され、前記エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを促進する電荷流出促進膜をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトレット素子。
  6. 固定電極と、
    前記固定電極と所定の距離を隔てて対向するように設けられ、前記固定電極に対して移動可能な可動電極と、
    前記固定電極および前記可動電極のいずれか一方の上面上に形成され、電荷を蓄積することが可能なエレクトレット膜と、少なくとも前記エレクトレット膜の電荷高密度領域の上面上に形成され、前記エレクトレット膜に蓄積された電荷が流出するのを抑制する電荷流出抑制膜とを含むエレクトレット素子とを備える、静電動作装置。
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