JP2008109100A - 有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイ - Google Patents

有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】トランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、絶縁性材料からなり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成され、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、を有する有機半導体素子であって、上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする、有機半導体素子を提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体トランジスタが用いられた有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイに関するものである。
TFTに代表される半導体トランジスタは、近年、ディスプレイ装置の発展に伴ってその用途を拡大する傾向にある。このような半導体トランジスタは、半導体材料を介して電極が接続されていることにより、スイッチング素子としての機能を果たすものである。
従来、上記半導体トランジスタに用いられる半導体材料としては、シリコン(Si)やガリウム砒素(GaAs)やインジウムガリウム砒素(InGaAs)などの無機半導体材料が用いられてきた。近年、普及が拡大している液晶表示素子のディスプレイ用TFTアレイ基板にもこのような無機半導体材料を用いた半導体トランジスタが用いられている。
一方、上記半導体材料としては、有機化合物からなる有機半導体材料も知られている。有機半導体材料は、上記無機半導体材料に比べて安価に大面積化が可能であることから、フレキシブルなプラスチック基板上に形成でき、さらに機械的衝撃に対して安定であるという利点を有している。したがって、このような有機半導体材料を対象として、電子ペーパー代表されるフレキシブルディスプレイ等の次世代ディスプレイ装置への応用などを想定した研究が活発に行われている。
このような有機半導体材料が用いられた有機半導体トランジスタを製造する際には、通常、有機半導体層をパターン状に形成することが必要とされる。従来、パターン状に有機半導体層を形成する方法としては、フォトレジスト法が主に用いられてきた(例えば、特許文献1)。しかしながら、フォトレジスト法は、有機半導体材料からなる層を所望のパターンに精度良くパターニングできる点においては優れているが、工程が煩雑であるため生産性に乏しいという問題点があった。
このような問題点に対し、特許文献2には隔壁部を形成し、当該隔壁部の開口部内に有機半導体層を形成することにより、パターニングされた有機半導体層を形成する方法が開示されている。このような方法によれば、例えば、インクジェット法によって有機半導体層を形成することができることから、微細にパターニングされた有機半導体層を高生産性で形成することができる利点がある。
特開2006−58497号公報 特開2006−189780号公報
ところで、本発明者らが鋭意検討した結果、上記隔壁部を用いて有機半導体層を作製する方法は、インクジェット法等を用いることにより高い生産性で有機半導体素子を作製することができる点においては利点を有するものであるが、一方で開口部内に形成される有機半導体層にムラが生じてしまうという問題点があることを見出した。すなわち、上記隔壁部の開口部内に有機半導体層を形成するには、インクジェット法などのアディティブな方法によって有機半導体材料を含有する溶液を、上記開口部内に吐出させる方法が用いられることになるが、当該溶液が乾燥する過程で上記有機半導体材料が開口部の壁面に偏在し、チャネル領域に均一な有機半導体層を形成することが困難になるという新たな課題があることを本発明者らは見出したのである。このように有機半導体層にムラが生じることは有機半導体材料を用いたトランジスタとしてはその性能に関わる重大な問題であり、このような問題点を解決しない限りは、上記隔壁部を用いた有機半導体素子の製造方法は工業的な実用性を得ることは困難であった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、トランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基板と、上記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、絶縁性材料からなり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成され、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、を有する有機半導体素子であって、上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする、有機半導体素子を提供する。
本発明によれば上記有機半導体層が絶縁性隔壁部の開口部内に形成されていることから、例えば、本発明の有機半導体素子を製造する工程において、生産性の高いインクジェット法を用いることにより上記絶縁性隔壁部の開口部内に選択的に有機半導体層を形成することが可能となる。
また、本発明においては上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、仮に高い生産性を有するインクジェット法を用いて、上記開口部内に有機半導体層を形成する場合であっても、上記開口部内に形成される有機半導体層の厚みを均一にすることができるため、トランジスタ性能に優れた有機半導体トランジスタを作製することができる。
このようなことから、本発明によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子の製造方法を提供することができる。
また、上記課題を解決するために本発明は基板と、上記基板上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成され、開口部を備え、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ上記ゲート電極上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート絶縁層上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、を有する有機半導体素子であって、上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする有機半導体素子を提供する。
本態様によれば上記ゲート絶縁層が絶縁性隔壁部の開口部内に形成されていることから、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、例えば、生産性の高いインクジェット法を用いることにより、上記絶縁性隔壁部内に選択的にゲート絶縁層を形成することが可能となる。
また、本態様においては上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、仮に高い生産性を有するインクジェット法を用いて、上記開口部内にゲート絶縁層を形成する場合であっても、上記開口部内に形成されるゲート絶縁層の厚みを均一にすることができるため、トランジスタ性能に優れた有機半導体トランジスタを作製することができる。
このようなことから、本態様によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子の製造方法を提供することができる。
本発明においては、上記絶縁性隔壁部が撥液性を有することが好ましい。上記絶縁性隔壁部が撥液性を有することにより、例えば、上記有機半導体層または上記ゲート絶縁層をインクジェット法によって形成する際に、仮にインクが上記絶縁性隔壁部の開口部から多少ずれた位置に滴下された場合であっても、撥液性の作用により当該インクを上記絶縁性隔壁部の内側へ導入することできるため、インクジェット法を用いることによって生じる欠陥を少なくできる等の利点を有するからである。
また本発明は、基板を用い、上記基板上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース・ドレイン電極形成工程において形成されたソース電極およびドレイン電極上に、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となり、かつ、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内となるように、絶縁性材料からなる絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に、有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層形成工程において形成された有機半導体層上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層形成工程によって形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とする有機半導体素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記有機半導体層形成工程において上記開口部内に有機半導体層を均一に形成することができる。
このため、本発明によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を高生産性で製造することができる。
さらに本発明は、基板を用い、上記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、上記ゲート電極形成工程において形成されたゲート電極上に、高さが0.1μm〜1.5μmであり、かつ、上記ゲート電極上に開口部を備える絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層形成工程において形成されたゲート絶縁層上に有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層形成工程により形成された有機半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、を有することを特徴とする、有機半導体素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記ゲート絶縁層工程において上記開口部内にゲート絶縁層を均一に形成することができる。
このため、本発明によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を高生産性で製造することができる。
また本発明は、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられ、上記基板上に有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とする、有機トランジスタアレイを提供する。本発明によれば、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられていることから、オンオフ比に優れる有機トランジスタアレイを得ることができる。
さらに本発明は、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とするディスプレイを提供する。本発明によれば、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられていることにより、表示性能に優れたディスプレイを得ることができる。
本発明は、トランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子を提供することができるという効果を奏する。
本発明は、有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイに関するものである。以下、本発明の有機半導体素子、有機半導体素子の製造方法、有機トランジスタアレイ、およびディスプレイについて順に説明する。
なお、本発明において「有機半導体トランジスタ」は、ソース電極、ドレイン電極、有機半導体層、ゲート絶縁層、および、ゲート電極を合わせたものを指すものとする。
A.有機半導体素子
まず、本発明の有機半導体素子について説明する。本発明の有機半導体素子は、トップゲート型の有機半導体トランジスタを備えるものと、ボトムゲート型の有機半導体トランジスタを備えるものとの2態様に分類することができる。
以下、各態様に分けて本発明の有機半導体素子について説明する。
A−1:第1態様の有機半導体素子
まず、本発明の第1態様の有機半導体素子について説明する。本態様の有機半導体素子は、トップゲート型の有機半導体トランジスタを有するものである。
すなわち、本態様の有機半導体素子は、基板と、上記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、絶縁性材料からなり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成され、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、を有するものであって、上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子について図を参照しながら説明する。図1は本態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。図1に例示するように本態様の有機半導体素子10は、基板1と、上記基板1上に形成されたソース電極2およびドレイン電極3と、絶縁性材料からなり、かつ、上記ソース電極2および上記ドレイン電極3によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成され、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部4と、上記絶縁性隔壁部4の開口部内であり、かつ上記ソース電極2および上記ドレイン電極3上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5と、上記有機半導体層5上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層6と、上記ゲート絶縁層6上に形成されたゲート電極7とを有するものである。このような例において、本態様の有機半導体素子10は、上記絶縁性隔壁部4の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
本態様によれば上記有機半導体層が絶縁性隔壁部の開口部内に形成されていることから、例えば、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、生産性の高いインクジェット法を用い、上記絶縁性隔壁部内に選択的に有機半導体層およびゲート絶縁層を形成することが可能となる。また、本態様においては上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、仮に高い生産性を有するインクジェット法を用いて、上記開口部内に有機半導体層を形成する場合であっても、上記開口部内に形成される有機半導体層の厚みを均一にすることができるため、トランジスタ性能に優れた有機半導体トランジスタを作製することができる。
ここで、本態様において絶縁性隔壁部の高さが上記範囲内であることにより、開口部内に形成される有機半導体層の厚みを均一にすることができる理由について説明する。図2は、絶縁性隔壁部の開口部内に有機半導体層を形成する場合の一例を示す概略図である。図2(a)は、絶縁性隔壁部の高さが従来のように高い場合の例であり、図2(b)は絶縁生成隔壁部の高さが本態様のように低い場合の例である。
図2(a)に例示するように、絶縁性隔壁部4の高さが高い場合、開口部内に有機半導体材料を含有する有機半導体層形成用塗工液5’を塗布した後、これを乾燥すると乾燥速度差の影響により、開口部の壁面に有機半導体材料が偏在するように有機半導体層5が形成されてしまう結果、有機半導体層5の厚みが不均一となり、ソース電極2およびドレイン電極3によって構成されるチャネル領域上に必要な厚みの有機半導体層5を形成することが困難になる。また、開口部の壁面付近に形成される有機半導体層5の厚みが局所的に高くなってしまい、この付近からリーク電流が生じてトランジスタ性能が損なわれるという問題があった。
しかしながら、図2(b)に例示するように絶縁性隔壁部4の高さを低くすることによって、有機半導体層形成用塗工液5’の乾燥に伴って、有機半導体材料が絶縁性隔壁部4の壁面に偏在することを防止することができるため、上記チャネル領域上に必要な厚みで均一な有機半導体層5を形成することができるようになるのである。
このようなことから、本態様によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子の製造方法を提供することができる。
本態様の有機半導体素子は、少なくとも上記基板、ソース電極、ドレイン電極、絶縁性隔壁部、有機半導体層、ゲート絶縁層、および、ゲート電極を有するものである。
以下、本態様の有機半導体素子に用いられる各構成について順に説明する。
1.絶縁性隔壁部
まず、本態様に用いられる絶縁性隔壁部について説明する。本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、絶縁性材料からなり、かつ、少なくとも後述するソース電極およびドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成されたものである。また、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。また、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は層間絶縁層をとしての機能を備えるものである。
以下、このような絶縁性隔壁部について説明する。
本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、層間絶縁層としての機能を備えるものであるが、ここで、層間絶縁層としての機能とは、開口部外の領域においてソース電極に接続されるデータラインと、ゲート電極とを絶縁する機能を意味するものである。
本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものであるが、本態様において絶縁性隔壁部の高さをこのような範囲内に規定するのは、高さが上記範囲よりも高いと、上述したように上記開口部内に形成される有機半導体層が開口部の壁面付近に局在化してしまい、形成される有機半導体トランジスタの性能が損なわれてしまうからである。また、高さが上記範囲よりも低いと、開口部内に形成される有機半導体層の厚みが薄くなりすぎて、所望の性能を発揮できない場合があるからである。また、上記範囲よりも薄いと、例えば、本態様に用いられる絶縁性隔壁部に撥液性を付与する場合に、十分な撥液性を付与することが困難になる場合があるからである。
ここで、本態様に用いられる絶縁性隔壁部の高さとしては、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.1μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm 〜 0.5μm の範囲内であることがより好ましい。
本態様の有機半導体素子に絶縁性隔壁部が形成されている態様としては、少なくとも後述するソース電極およびドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成されている態様であれば特に限定されるものではない。ここで、上記「チャネル領域」とは、後述するソース電極およびドレイン電極のチャネル部によって挟まれた領域のみを意味するものである。
本態様において、上記チャネル領域上が開口部となるように絶縁性隔壁部が形成されている態様としては、上記チャネル領域上の少なくとも一部が開口部となるように形成されている態様であれば特に限定されるものではない。したがって、本態様において絶縁性隔壁部が形成されている態様としては、チャネル領域の一部が開口部内に収納されるように形成されている態様であってもよく、あるいは、チャネル領域の全部が開口部内に収納されるように形成されている態様であってもよい。なかでも本態様における絶縁性隔壁部はチャネル領域の全部が開口部内に収納される態様で形成されていることが好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、上記絶縁性隔壁部の開口部内には後述する有機半導体層やゲート絶縁層が形成されることになるが、上記開口部の壁面近傍においてはこのような有機半導体層やゲート絶縁層の厚みのバラツキが大きくなる傾向にある。したがって、本発明における絶縁性隔壁部が、チャネル領域の一部が開口部内に収納されるように形成されている場合は、当該厚みのバラツキの影響によりトランジスタ性能が損なわれる可能性がある。しかしながら、チャネル領域の全部が開口部内に収納されるように形成されている場合は、このような問題が少ないからである。
本態様において上記絶縁性隔壁部が形成されている態様としては、層間絶縁層としての機能を発現できる態様であれば特に限定されるものではない。
本態様において絶縁性隔壁部がこのような態様で形成されている場合について図を参照しながら説明する。図3は、本態様の有機半導体素子の他の例を示す概略断面図である。図2に例示するように、本態様の有機半導体素子10においては、隣接する有機半導体トランジスタにおいて絶縁性隔壁部4’が一体となるように形成されていることが好ましい。
本態様における絶縁性隔壁部に用いられる絶縁性材料としては、本態様の有機半導体素子において後述するゲート電極と、ソース電極およびドレイン電極とを所望の程度に絶縁できる絶縁性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、絶縁性隔壁部の高さ等に応じて任意の材料を適宜選択して用いることができる。なかでも本態様に用いられる絶縁性材料は、絶縁破壊強さが200V/μm〜300V/μmの範囲内であるものが好ましく、特に250V/μm〜300V/μmの範囲内であるものが好ましい。
ここで、上記絶縁破壊強さは次のような方法によって求めた値を用いるものとする。
1)まず、評価対象となる絶縁性材料を電極でサンドイッチした構造の素子を作製する。
2)次に、上部電極-下部電極間に0〜300Vの電圧Vを印加し、上部電極-下部電極間を流れる電流値Iを計測する。
3)得られた電流値Iのデータを元に、横軸を電界強度E(印加電圧Vを絶縁層の膜厚dで割ったもの)、縦軸を絶縁層の抵抗値R(印加電圧を電流値で割ったもの)としてプロットする。そのグラフを元に急激に抵抗値Rが低下する電界強度の値Eを絶縁破壊強さとする。
また、本態様に用いられる絶縁性材料は、体積固有抵抗値が1×1015Ω・cm以上であるものが好ましく、なかでも1×1017Ω・cm以上であるものが好ましい。
ここで、上記体積固有抵抗値は、JIS K 6911に準じて測定した値を示すものとする。
また、本態様に用いられる絶縁性材料は、上記絶縁性および体積固有抵抗値を備えるもののなかでも光硬化型樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂を用いることにより、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記絶縁性隔壁部をフォトリソグラフィー法によって形成することが可能となるため、微細にパターニングされた絶縁性隔壁部を形成することが容易になるからである。
このような絶縁性材料としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を挙げることができる。なかでも本態様においては、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、または、カルド系樹脂が好適に用いられる。
また、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は撥液性を有することが好ましい。上記絶縁性隔壁部が撥液性を有することにより、例えば、上記有機半導体層または上記ゲート絶縁層をインクジェット法によって形成する際に、仮にインクが上記絶縁性隔壁部から多少ずれた位置に滴下された場合であっても、撥液性の作用により当該インクを上記絶縁性隔壁部の内側へ導入することでき、インクジェット法を用いることによって生じる欠陥を少なくできる等の利点を有するからである。
ここで、上記「撥液性」とは、本態様の有機半導体素子を製造する際に、上記絶縁性隔壁部の開口部内に塗工される塗工液に対する撥液性を意味するものである。
上記撥液性の程度としては、本態様の有機半導体素子を製造する際に、上記絶縁性隔壁部内に塗工される塗工液の表面張力等に応じて適宜調整すればよいが、なかでも本態様においては、蒸留水に対する接触角が80°以上であることが好ましい。
ここで、上記接触角は、例えば、協和界面科学社製:Drop Master 700を用いて測定することができる。
本態様に用いられる絶縁性隔壁部が撥液性を備える態様としては、絶縁性隔壁部の表面が所望の撥液性を発現できる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、上記絶縁性材料として撥液性を有する材料が用いられた態様と、上記絶縁性材料として撥液性を有さない樹脂材料が用いられ、当該樹脂材料を用いて絶縁性隔壁部を形成した後、絶縁性隔壁部の表面が撥液化処理されることにより撥液性が付与された態様とを挙げることができる。本態様においては上記のいずれの態様で撥液性が付与された絶縁性隔壁部であっても好適に用いることができる。
ここで、上記撥液性を有する絶縁性材料としては、例えば、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、および、カルド系樹脂を挙げることができる。
また、上記撥液化処理としては、例えば、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法が用いることができる。上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。
上記プラズマ照射を照射する方法としては、上記絶縁性隔壁部の撥液性を向上できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。
なお、このようなプラズマ照射による撥液化処理を用いる場合、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は表面にフッ素が存在することになるが、このようなフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析により確認することができる。
2.有機半導体層
次に、本態様に用いられる有機半導体層について説明する。本態様に用いられる有機半導体層は、上述した絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、後述するソース電極およびドレイン電極上に形成されるものである。また、本態様に用いられる有機半導体層は有機半導体材料からなるものである。
以下、本態様に用いられる有機半導体層について説明する。
本態様に用いられる上記有機半導体材料としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、所望の半導体特性を備える有機半導体層を形成できる材料であれば特に限定されるものではなく、一般的に有機半導体トランジスタに用いられる有機半導体材料を用いることができる。このような有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン等の低分子系有機半導体材料、および、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレン等のポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等の高分子系有機半導体材料を挙げることができる。なかでも本態様においては、ペンタセンまたはポリチオフェン類を好適に用いることができる。
また、本態様に用いられる有機半導体層の厚みについては、上記有機半導体材料の種類等に応じて所望の半導体特性を備える有機半導体層を形成できる範囲であれば特に限定されない。なかでも本態様においてはチャネル領域上に形成された有機半導体層の厚みが、1000nm以下であることが好ましく、なかでも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、特に1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
3.ゲート絶縁層
次に、本態様に用いられるゲート絶縁層について説明する。本態様に用いられるゲート絶縁層は、上述した有機半導体層上に積層されるように形成されるものであり、絶縁性樹脂材料からなるものである。
以下、本態様に用いられるゲート絶縁層について詳細に説明する。
本態様においてゲート絶縁層が形成されている態様としては、上述した絶縁性隔壁部の開口部内であって、かつ、上述した有機半導体層上に積層されるように形成されている態様であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては、ゲート絶縁層の上面が、上述した絶縁性隔壁部の上面と同等の高さになるように形成されていることが好ましい。ゲート絶縁層がこのように形成されていることにより、本態様の有機半導体素子を製造する際に、ゲート絶縁層上に後述するゲート電極を形成することが容易になるからである。
本態様に用いられるゲート絶縁層の厚みは、ゲート絶縁層を構成する絶縁性樹脂材料の種類等に応じて、ゲート絶縁層に所望の絶縁性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に0.01μm〜3μmの範囲内であることが好ましく、さらに0.01μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
また、ゲート絶縁層を構成する絶縁性樹脂材料としては、ゲート絶縁層に所望の絶縁性を付与することができ、かつ、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上述した有機半導体層上にゲート絶縁層を形成する際に、上記有機半導体層の性能を損なわないものであれば特に限定されるものではない。このような絶縁性樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を挙げることができる。
4.ゲート電極
次に、本態様に用いられるゲート電極について説明する。本態様に用いられるゲート電極は、上述したゲート絶縁層上に形成されるものである。
以下、本態様に用いられるゲート電極について説明する。
上述したように、本態様に用いられるゲート電極は、上記絶縁性隔壁部の開口部を覆うように形成されたものであるが、ここで本態様において「絶縁性隔壁部の開口部を覆うように」とは、各開口部当たりに形成されるゲート電極の面積が、上記開口部の面積以上であることを意味するものである。
本態様に用いられるゲート電極を構成する材料としては導電性材料であれば特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、例えば、Al、Cr、Au、Ag、Ta、Cu、C、Pt、および、Ti等の金属や、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料等を挙げることができる。
また、本態様に用いられるゲート電極は、後述するゲート絶縁層上に所定のパターン状に形成されるものであるが、上記ゲート電極のパターンとしては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて任意のパターンを選択して用いることができる。
本態様に用いられるゲート電極は、上記絶縁性隔壁部の開口部を覆うように形成されていることが好ましい。ゲート電極が上記絶縁性隔壁部の開口部を覆うように形成されていることにより、各開口部当たりに形成されるゲート電極の面積を、各開口部当たりに形成される有機半導体層の面積よりも大きくすることができるため、オフ電流値の小さい有機半導体トランジスタを作製することができるからである。
5.ソース電極・ドレイン電極
次に、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極について説明する。本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、後述する基板上に形成されるものであり、チャネル領域を構成するものである。
本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、金属材料から構成されるものであるが、上記金属材料としては所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような金属材料としては、例えば、Al、Cr、Au、Ag、Ta、Cu、C、Pt、Ti、Nb、Mo、IZO、ITOを挙げることができる。また、本態様に用いられるソースおよびドレイン電極に用いられる材料としては、例えば、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料も用いることができる。
なお、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、同一の材料から構成される。
また、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、後述する基板上に所定のパターン状に形成されるものであるが、上記ソース電極およびドレイン電極のパターンとしては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて任意のパターンを選択して用いることができる。
6.基板
次に、本態様に用いられる基板について説明する。本態様に用いられる基板は上記有機半導体トランジスタを支持するものである。
本態様に用いられる基板としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を有する基板を用いることができる。このような基板としては、ガラス基板等の可撓性を有さないリジット基板であってもよく、または、プラスチック樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。本態様においては、このようなリジット基板およびフレキシブル基板のいずれであっても好適に用いられるが、なかでもフレキシブル基板を用いることが好ましい。フレキシブル基板を用いることにより、本態様の有機半導体素子をRoll to Rollプロセスにより製造することが可能になるため、本態様の有機半導体素子をより生産性の高いものにすることができるからである。
ここで、上記プラスチック樹脂としては、例えば、PET、PEN、PES、PI、PEEK、PC、PPSおよびPEI等を挙げることができる。
また、本態様に用いられる基板は単一層からなるものであってもよく、または、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。上記複数の層が積層された構成を有する基板としては、例えば、上記プラスチック樹脂からなる基材上に、金属材料からなるバリア層が積層された構成を有するものを例示することができる。ここで、上記プラスチック樹脂からなる基板は、本態様の有機半導体素子を可撓性を有するフレキシブルなものにできるという利点を有する反面、上記ソース電極およびドレイン電極を形成する際に表面に損傷を受けやすいという欠点を有することが指摘されている。しかしながら、上記バリア層が積層された基板を用いることにより、上記プラスチック樹脂からなる基材を用いる場合であっても、上記のような欠点を解消することができるという利点がある。
本態様に用いられる基板の厚みは、通常、1mm以下であることが好ましく、なかでも50μm〜700μmの範囲内であることが好ましい。
ここで、本態様に用いられる基板が複数の層が積層された構成を有するものである場合、上記厚みは、各層の厚みの総和を意味するものとする。
7.その他の構成
本態様の有機半導体素子は、上記以外の他の構成を有するものであってもよい。本態様に用いられる他の構成としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、本態様の有機半導体素子に所望の機能を付加できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に好適に用いられる上記他の構成としては、例えば、上記ゲート電極上に形成され、空気中に存在する水分や酸素の作用により上記有機半導体層が劣化することを防止するパッシベーション層を挙げることができる。
本態様に用いられるパッシベーション層を構成する材料としては、空気中の水分や酸素を透過しにくく、上記有機半導体層の劣化を所望の程度に防止できるものであれば特に限定されるものではない。このような材料としては、例えば、PVA、PVA等の水溶性樹脂や、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
本態様の有機半導体素子に上記パッシベーション層が形成されている態様としては、パッシベーション層を構成する材料や、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、上記有機半導体層が劣化することを所望の程度に防止できる態様であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては、少なくとも上記絶縁性隔壁部の開口部の上面を覆うように形成されていることが好ましい。
また、本態様に用いられるパッシベーションの厚みは、パッシベーション層を構成する材料等に依存して決定されるものであるが、通常、0.1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、なかでも5μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、さらに10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
8.有機半導体素子の用途
本態様の有機半導体素子の用途としては、例えば、TFT方式を用いるディスプレイ装置のTFTアレイ基板として用いることができる。このようなディスプレイ装置としては例えば、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、および、有機ELディスプレイ装置等を挙げることができる。
9.有機半導体素子の製造方法
本態様の有機半導体素子の製造方法としては、上記構成を有する有機半導体素子を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、後述する「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明する方法を用いることができる。
A−2:第2態様の有機半導体素子
次に、本発明の第2態様の有機半導体素子について説明する。本態様の有機半導体素子は、ボトムゲート型の有機半導体トランジスタを有するものである。
すなわち、本態様の有機半導体素子は、基板と、上記基板上に形成されたゲート電極と、上記ゲート電極上に形成され、開口部を備え、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート絶縁層上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、上記有機半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、を有するものであって、上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子について図を参照しながら説明する。図3は本態様の有機半導体素子の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本態様の有機半導体素子11は、基板1と、上記基板1上に形成されたゲート電極7と、上記ゲート電極7上に形成され、開口部を備え、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部4と、上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層6と、上記絶縁性隔壁部4の開口部内であり、かつ上記ゲート絶縁層6上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層5と、上記有機半導体層5上に形成されたソース電極2およびドレイン電極3と、を有するものである。
このような例において本態様の有機半導体素子11は、上記絶縁性隔壁部4の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
本態様によれば上記ゲート絶縁層が絶縁性隔壁部の開口部内に形成されていることから、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、例えば、生産性の高いインクジェット法を用いることにより、上記絶縁性隔壁部内に選択的にゲート絶縁層を形成することが可能となる。
また、本態様においては上記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、仮に高い生産性を有するインクジェット法を用いて、上記開口部内にゲート絶縁層を形成する場合であっても、上記開口部内に形成されるゲート絶縁層の厚みを均一にすることができるため、トランジスタ性能に優れた有機半導体トランジスタを作製することができる。
ここで、本態様において絶縁性隔壁部の高さが上記範囲内であることにより、開口部内に形成されるゲート絶縁層の厚みを均一にすることができる理由について説明する。図5は、絶縁性隔壁部の開口部内にゲート絶縁層を形成する場合の一例を示す概略図である。図5(a)は、絶縁性隔壁部の高さが従来のように高い場合の例であり、図5(b)は絶縁生成隔壁部の高さが本態様のように低い場合の例である。
図5(a)に例示するように、絶縁性隔壁部4の高さが高い場合、開口部内に絶縁性樹脂材料を含有するゲート絶縁層形成用塗工液6’を塗布した後、これを乾燥すると乾燥速度差の影響により、開口部の壁面に絶縁性樹脂材料が偏在するようにゲート絶縁層6が形成されてしまう結果、ゲート絶縁層6の厚みが不均一となり、ソース電極2およびドレイン電極3によって構成されるチャネル領域上に必要な厚みのゲート絶縁層6を形成することが困難になる。しかしながら、図5(b)に例示するように絶縁性隔壁部4の高さを低くすることによって、ゲート絶縁層形成用塗工液6’の乾燥に伴って、絶縁性樹脂材料が絶縁性隔壁部4の壁面に偏在することを防止することができるため、上記チャネル領域上に必要な厚みで均一なゲート絶縁層6を形成することができるようになるのである。
このようなことから、本態様によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備え、高生産性で製造可能な有機半導体素子の製造方法を提供することができる。
本態様の有機半導体素子は、少なくとも、上記基板、ゲート電極、絶縁性隔壁部、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソース電極、および、ドレイン電極を有するものである。
以下、本態様の有機半導体素子に用いられる各構成について順に説明する。
1.絶縁性隔壁部
まず、本態様に用いられる絶縁性隔壁部について説明する。本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、絶縁性材料からなるものであり、ゲート電極上に開口部が配置されるように形成されたものである。また、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。また、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は層間絶縁層としての機能を有するものである。
本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものであるが、本態様において絶縁性隔壁部の高さをこのような範囲内に規定するのは、高さが上記範囲よりも高いと、上述したように上記開口部内に形成されるゲート絶縁層が開口部の壁面付近に局在化してしまい、形成される有機半導体トランジスタの性能が損なわれてしまうからである。また、高さが上記範囲よりも低いと、開口部内に形成されるゲート絶縁層の厚みが薄くなりすぎて、所望の性能を発揮できない場合があるからである。また、上記範囲よりも薄いと、例えば、本態様に用いられる絶縁性隔壁部に撥液性を付与する場合に、十分な撥液性を付与することが困難になる場合があるからである。
ここで、本態様に用いられる絶縁性隔壁部の高さとしては、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.5μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましく、1.0μm〜1.5μmの範囲内であることがより好ましい。
なお、本態様に用いられる絶縁性隔壁部は、後述するゲート電極上に開口部が配置されるように形成されるように形成されていること以外は、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において記載したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
2.ゲート絶縁層
次に、本態様に用いられるゲート絶縁層について説明する。本態様に用いられるゲート絶縁層は、絶縁性樹脂材料からなり、上述した絶縁性隔壁部の開口部内であって、かつ、後述するゲート電極上に形成されるものである。
ここで、本態様に用いられるゲート絶縁層は、上記ゲート電極上に形成されること以外は、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において記載したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
3.有機半導体層
次に、本態様に用いられる有機半導体層について説明する。本態様に用いられる有機半導体層は、上述した絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート絶縁層上に形成されるものである。また、本態様に用いられる有機半導体層は有機半導体材料からなるものである。
ここで、上述したよう上記絶縁性隔壁部の開口部は、後述するゲート電極上に配置されるように形成されることから、本態様に用いられる有機半導体層の面積は、必然的に後述するゲート電極の面積以下となる。
なお、本態様に用いられる有機半導体層は、上記ゲート絶縁層上に形成されていること以外は、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるためここでの詳しい説明は省略する。
4.ゲート電極
次に、本態様に用いられるゲート電極について説明する。本態様に用いられるゲート電極は、上記基板上に形成されるものである。
本態様に用いられるゲート電極は、通常、導電性材料からなるものであるが、上記導電性材料としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、例えば、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものを用いることができる。
また、本態様に用いられるゲート電極は、後述する基板上に所定のパターン状に形成されるものであるが、上記ゲート電極のパターンとしては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて任意のパターンを選択して用いることができる。
5.ソース電極・ドレイン電極
次に、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極について説明する。本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、上記有機半導体層上に形成されるものである。
本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、導電性材料からなるものである。上記導電性材料としては、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機半導体層の半導体性能を損なうことなく、上記有機半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成できるものであれば特に限定されるものではない。このような導電性材料としては、例えば、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において、ソース電極およびドレイン電極を構成する材料として説明したものと同様のもの用いることができる。
なお、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、同一の金属材料から構成される。
また、本態様に用いられるソース電極およびドレイン電極は、上記有機半導体層上に所定のパターン状に形成されるものであるが、上記ソース電極および上記ドレイン電極のパターンとしては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて任意のパターンを選択して用いることができる。
6.基板
次に、本態様に用いられる基板について説明する。本態様に用いられる基板は上記有機半導体トランジスタを支持するものである。
ここで、本態様に用いられる基板については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
7.その他の構成
本態様の有機半導体素子は、上記以外の他の構成を有するものであってもよい。本態様に用いられる他の構成としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、所望の機能を付加できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に好適に用いられる上記他の構成としては、例えば、上記有機半導体層上に形成され、空気中に存在する水分や酸素の作用により上記有機半導体層が劣化することを防止するパッシベーション層を挙げることができる。ここで、本態様に用いられるパッシベーション層については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
8.有機半導体素子の用途
本態様の有機半導体素子の用途としては、例えば、TFT方式を用いるディスプレイ装置のTFTアレイ基板として用いることができる。このようなディスプレイ装置としては例えば、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、および有機ELディスプレイ装置等を挙げることができる。
9.有機半導体素子の製造方法
本態様の有機半導体素子の製造方法としては、上記構成を有する有機半導体素子を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、後述する「B−2:第2態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明する方法を用いることができる。
B.有機半導体素子の製造方法
次に、本発明の有機半導体素子の製造方法について説明する。本発明の有機半導体素子は、トップゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造するものと、ボトムゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造するものとの2態様に分類することができる。
以下、各態様に分けて本発明の有機半導体素子の製造方法について説明する。
B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法
まず、本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法について説明する。本態様の有機半導体素子の製造方法は、トップゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造するものである。
すなわち、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板を用い、上記基板上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、上記ソース・ドレイン電極形成工程において形成されたソース電極およびドレイン電極上に、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となり、かつ、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内となるように、絶縁性材料からなる絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に、有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層形成工程において形成された有機半導体層上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層形成工程によって形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子の製造方法について図を参照しながら説明する。図6〜図11は本態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。なお、図6〜図11の各図における(b)は、各図における(a)中のX−X’線矢視断面図である。
図6〜図11に例示するように本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板1を用い(図6)、上記基板1上にソース電極2およびドレイン電極3’を形成するソース・ドレイン電極形成工程と(図7)、上記ソース・ドレイン電極形成工程において形成された上記ソース電極2および上記ドレイン電極3’上に、上記ソース電極3および上記ドレイン電極3’によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように、絶縁性材料からなる絶縁性隔壁部4を形成する絶縁性隔壁部形成工程と(図8)、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された上記絶縁性隔壁部4の開口部内であり、かつ、上記ソース電極2および上記ドレイン電極3’上に、有機半導体材料からなる有機半導体層5を形成する有機半導体層形成工程と(図9)、上記有機半導体層形成工程において形成された上記有機半導体層5上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層6を形成するゲート絶縁層形成工程と(図10)、上記絶縁性隔壁部の開口部を覆うようにゲート電極を形成するゲート電極形成工程と(図11)を有するものである。
このような例において、本態様の有機半導体素子の製造方法は上記絶縁性隔壁部形成工程において形成される絶縁性隔壁部4の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
なお、上記図6〜図11におけるドレイン電極3’は、画素電極と一体に形成されたものである。
本態様によれば、上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記有機半導体層形成工程において上記開口部内に有機半導体層を均一に形成することができる。
このため、本態様によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を高生産性で製造することができる。
なお、本態様において絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記有機半導体層形成工程において上記開口部内に有機半導体層を均一に形成することができる理由については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において記載した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の有機半導体素子の製造方法は、少なくとも上記ソース・ドレイン電極形成工程、上記絶縁性隔壁部形成工程、上記有機半導体層形成工程、上記ゲート絶縁層形成工程、および、上記ゲート電極形成工程を有するものである。
以下、本態様の有機半導体素子の製造方法に用いられる各工程について順に説明する。
1.ソース・ドレイン電極形成工程
まず、本態様に用いられるソース・ドレイン電極形成工程について説明する。本工程は、基板を用い、上記基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
本工程において上記基板上にソース電極およびドレイン電極を形成する方法としては、所望のパターン状にソース電極およびドレイン電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、上記基板上にパターン状のソース電極およびドレイン電極を直接形成する方法(第1の方法)と、上記基板の全面に導電性薄膜層を形成した後、当該導電性薄膜層をパターン状にエッチングすることにより、ソース電極およびドレイン電極を形成する方法(第2の方法)とを挙げることができる。本工程においては、上記のいずれの方法であっても好適に用いることができるが、なかでも上記第2の方法を用いることが好ましい。このような方法を用いることにより、より高精細なパターン状のソース電極およびドレイン電極を形成することができるからである。
上記第2の方法において、上記導電性薄膜層をパターン状にエッチングする方法としては、上記導電性薄膜層を所望のパターンにエッチングできる方法であれば特に限定されるものではない。このようなエッチング方法としては、例えば、レジスト材料を用いたリソグラフィー法やレーザーアブレーション法等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの方法であっても好適に用いることができるが、なかでも上記レジスト材料を用いたリソグラフィー法が最も好適に用いられる。上記リソグラフィー法によれば高精細なパターン状のソース電極およびドレイン電極を容易に製造することができるからである。また、このような方法によれば本工程を連続プロセスとして実施することも可能になるからである。
上記レジスト材料としては、例えば、フォトレジスト、スクリーンレジスト、EBレジスト等を用いることができる。
また、上記第2の方法において基板上に導電性薄膜層を形成する方法としては、厚みが均一な導電性薄膜層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、真空蒸着法等の一般的に金属薄膜を形成する方法として公知の方法を用いることができる。
また、上記導電性薄膜層に用いられる材料としては、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項においてソース電極およびドレイン電極に用いられる金属材料として説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程において形成されるドレイン電極は、画素電極と一体に形成されたものであってもよい。
なお、本工程に用いられる基板については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.絶縁性隔壁部形成工程
次に、本態様に用いられる絶縁性隔壁部形成工程について説明する。本工程は上記ソース・ドレイン電極形成工程において形成された上記ソース電極および上記ドレイン電極上に、上記ソース電極および上記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であり、絶縁性材料からなる絶縁性隔壁部を形成する工程である。
本工程は、形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものであるが、本工程において形成される絶縁性隔壁部の高さをこのような範囲内に規定するのは、高さが上記範囲よりも高いと、後述する有機半導体層形成工程において上記開口部内に形成される有機半導体層が開口部の壁面付近に局在化してしまい、形成される有機半導体トランジスタの性能が損なわれてしまうからである。また、高さが上記範囲よりも低いと、後述する有機半導体層形成工程において開口部内に形成される有機半導体層の厚みが薄くなりすぎて、所望の性能を発揮できない場合があるからである。また、上記範囲よりも薄いと、例えば、本工程において形成される絶縁性隔壁部に撥液性を付与する場合に、十分な撥液性を付与することが出来ず、開口部内へのインクジェット塗布が困難になる場合があるからである。
ここで、本工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さとしては、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも、0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜0.5μmの範囲内であることがより好ましい。
本工程において上記絶縁性隔壁部を形成する方法としては、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に、所望のパターン状の絶縁性隔壁部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法しては、フォトリソグラフィー法、マイクロコンタクトプリンティング法、インクジェット法、および、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等の印刷法等を挙げることができる。なかでも本工程においてはフォトリソグラフィー法を用いることが好ましい。
なお、本工程に用いられる上記絶縁性材料については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.有機半導体層形成工程
次に、本態様に用いられる有機半導体層形成工程について説明する。本工程は、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ソース電極および上記ドレイン電極上に、有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する工程である。
本工程において、上記有機半導体層を形成する方法としては、本工程に用いられる有機半導体材料の種類等に応じて、上記絶縁性隔壁部の開口部内に所望の厚みの有機半導体層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記有機半導体材料が溶媒に可溶なものである場合は、当該有機半導体材料を溶媒に溶解して、有機半導体層形成用塗工液を調製した後、当該有機半導体層形成用塗工液を塗工する方法を挙げることができる。この場合の塗工方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、およびキャスト法等を挙げることができる。一方、上記有機半導体材料が溶媒に不溶なものである場合は、例えば、真空蒸着法等のドライプロセスにより、有機半導体層を形成する方法を挙げることができる。なかでも本工程においては、上記有機半導体層形成用塗工液を塗工する方法を用いることが好ましく、特に上記インクジェット法により、上記絶縁性隔壁部の開口部内のみに上記有機半導体層形成用塗工液を吐出する方法を用いることが最も好ましい。これにより、本工程において、上記有機半導体層を高効率で形成することができる結果、さらに高効率で有機半導体素子を製造することが可能になるからである。また、本態様においては上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成差あれる絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、本工程においてインクジェット法を用いたとしても、厚みが均一な有機半導体層を形成することができるからである。
本工程に用いられる有機半導体材料としては、本発明により製造される有機半導体素子の用途等に応じて、本工程により形成される有機半導体層に所望の半導体特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような有機半導体材料としては、上記「A−1.第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.ゲート絶縁層形成工程
次に、本態様に用いられるゲート絶縁層形成工程について説明する。本工程は、上記有機半導体層形成工程において形成された上記有機半導体層上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成する工程である。
本工程において上記ゲート絶縁層を形成する方法としては、上記有機半導体層上に所望の絶縁性を備えるゲート絶縁層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、ゲート絶縁層を構成する絶縁性樹脂材料を溶媒に溶解したゲート絶縁層形成用塗工液を塗工する方法と(第1の方法)、ゲート絶縁層を構成する絶縁性樹脂材料を溶融させたゲート絶縁層形成用組成物を上記有機半導体層上に塗工する方法と(第2の方法)、ゲート絶縁層を構成する絶縁性樹脂材料のモノマー化合物を溶媒に溶解したゲート絶縁層形成用層形成用塗工液を上記有機半導体層上に塗工することにより、上記有機半導体層上にゲート絶縁層形成用層を形成した後、上記ゲート絶縁層形成用層中に含有される上記モノマー化合物を重合する方法と(第3の方法)、を挙げることができる。本工程においては上記のいずれの方法であっても好適に用いることができるが、なかでも上記第1の方法を用いることが好ましい。
上記第1の方法に用いられるゲート絶縁層形成用塗工液は、通常、上記有機半導体層を浸食しない溶媒が用いられたものが使用され、より具体的には、上記溶媒として水またはフッ素系溶媒が用いられたものが好適に用いられる。このような溶媒が用いられたゲート絶縁層形成用塗工液は、上記有機半導体層上に塗工された際に上記有機半導体層を浸食することが少ないからである。
上記フッ素溶媒としては、アルカン、アルケン等の炭化水素の水素原子が全てフッ素に置換された溶媒であるパーフルオロ系溶媒を用いることが好ましい。このようなパーフルオロ系溶媒としては、例えば、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ‐1,3ージメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−2−メチル−2−ペンテン、パーフルオロデカリン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨードオクタン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール等を挙げることができる。
また、本工程に用いられるフッ素系溶媒は、単一のフッ素系溶媒からなるものであってもよく、複数のフッ素系溶媒が混合された混合溶媒であってもよい。
上記ゲート絶縁層形成用塗工液に用いられる絶縁性樹脂材料は、上記溶媒に所望の濃度で溶解可能なものであれば特に限定されるものではない。このような絶縁性樹脂材料としては、上記溶媒として水が用いられる場合には、PVA、PVP等が用いられる。また、上記溶媒として、フッ素系溶媒が用いられる場合には、フッ素系樹脂が用いられる。
上記第1の方法において、上記ゲート絶縁層形成用塗工液を塗工する方法としては、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、パッド印刷法、フレキソ印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、および、グラビア・オフセット印刷法等を挙げることができる。なかでも本工程においては、上記インクジェット法、または、スクリーン印刷法を用い、上記絶縁性隔壁部の開口部内のみに上記ゲート絶縁層形成用塗工液を塗工する方法を好適に用いることができる。
5.ゲート電極形成工程
次に、本態様に用いられるゲート電極形成工程について説明する。本工程は、上記ゲート絶縁層形成工程によって形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成する工程である。
本工程においてゲート電極を形成する方法としては、上記絶縁性隔壁部の開口部を覆うように所望のパターン状にゲート電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、Agコロイド等の金属コロイドを含有するゲート電極形成用塗工液を用い、これをインクジェット法等により上記ゲート絶縁層上にパターン状に塗工する方法や、Agペースト等の金属ペーストを用い、これをスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビアオフセット印刷、または、マイクロコンタクトプリンティング法等により上記ゲート絶縁層上にパターン状に塗工する方法等を挙げることができる。
6.その他の工程
本態様の有機半導体素子の製造方法は、上述した工程以外の他の工程を含むものであってもよい。このような他の工程としては、本態様により製造される有機半導体素子に所望の機能を付与できる工程であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に好適に用いられる上記他の工程としては、例えば、所定の位置に画素電極を形成する画素電極形成工程や、上記ゲート電極上にパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程を例示することができる。
7.有機半導体素子
本態様により製造される有機半導体素子は、基板上にトップゲート型の有機半導体トランジスタが形成されたものとなる。このような有機半導体素子については、上記「A−1:第1態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
B−2:第2態様の有機半導体素子の製造方法
次に、本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法について説明する。本態様の有機半導体素子の製造方法は、ボトムゲート型の有機半導体トランジスタを有する有機半導体素子を製造するものである。
すなわち、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板を用い、上記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、上記ゲート電極形成工程において形成されたゲート電極上に、高さが0.1μm〜1.5μmであり、かつ、上記ゲート電極上に開口部を備える絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、上記ゲート絶縁層形成工程において形成されたゲート絶縁層上に有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、上記有機半導体層形成工程により形成された有機半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、を有することを特徴とする、有機半導体素子の製造方法を提供する。
このような本態様の有機半導体素子の製造方法について図を参照しながら説明する。図12〜図17は、本態様の有機半導体素子の製造方法の一例を示す概略図である。なお、図12〜図17の各図における(b)は、各図における(a)中のX−X’線野視断面図である。
図12〜図17に例示するように、本態様の有機半導体素子の製造方法は、基板1を用い(図12)、上記基板1上にゲート電極7を形成するゲート電極形成工程と(図13)、上記ゲート電極形成工程において形成された上記ゲート電極7上に、上記ゲート電極上に開口部を備える絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と(図14)、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された上記絶縁性隔壁部4の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極7上にゲート絶縁層6を形成するゲート絶縁層形成工程と(図15)、上記ゲート絶縁層形成工程において形成されたゲート絶縁層6上に有機半導体材料からなる有機半導体層5を形成する有機半導体層形成工程と(図16)、上記有機半導体層形成工程により形成された上記有機半導体層5上にソース電極2およびドレイン電極3’を形成するソース・ドレイン電極形成工程と(図17)、を有するものである。
このような例において、本態様の有機半導体素子の製造方法は上記絶縁性隔壁部形成工程において形成される絶縁性隔壁部4の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
なお、上記図12〜図17におけるドレイン電極3’は、画素電極と一体に形成されたものである。
本態様によれば、上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記ゲート絶縁層工程において上記開口部内にゲート絶縁層を均一に形成することができる。
このため、本態様によればトランジスタ性能が良好な有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を高生産性で製造することができる。
なお、本態様において絶縁性隔壁部形成工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、上記有機半導体層形成工程において上記開口部内に有機半導体層を均一に形成することができる理由については、上記「A−2:第2態様の有機半導体素子」の項において記載した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様の有機半導体素子の製造方法は、少なくとも上記ゲート電極形成工程、上記絶縁性隔壁部形成工程、上記ゲート絶縁層形成工程、上記有機半導体層形成工程、および、上記ソース・ドレイン電極形成工程を有するものである。
以下、本態様の有機半導体素子の製造方法に用いられる各工程について順に説明する。
1.ゲート電極形成工程
本態様に用いられるゲート電極形成工程は、基板を用い、上記基板上にゲート電極を形成する工程である。
本工程において基板上にゲート電極を形成する方法としては、所望のパターン状のゲート電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項においてソース電極およびドレイン電極を形成する方法として説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.絶縁性隔壁部形成工程
本態様に用いられる絶縁性隔壁部形成工程は、上記ゲート電極形成工程において形成された上記ゲート電極上であり、かつ、上記ゲート電極上に開口部を備える絶縁性隔壁部を形成する工程である。また、本工程は形成する絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものである。
本工程は、形成される絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とするものであるが、本工程において形成される絶縁性隔壁部の高さをこのような範囲内に規定するのは、高さが上記範囲よりも高いと、後述するゲート絶縁層形成工程において上記開口部内に形成されるゲート絶縁層が開口部の壁面付近に局在化してしまい、形成される有機半導体トランジスタの性能が損なわれてしまうからである。また、高さが上記範囲よりも低いと、後述するゲート絶縁層形成工程において開口部内に形成されるゲート絶縁層の厚みが薄くなりすぎて、所望の性能を発揮できない場合があるからである。また、上記範囲よりも薄いと、例えば、本工程において形成される絶縁性隔壁部に撥液性を付与する場合に、十分な撥液性を付与することが困難になる場合があるからである。
ここで、本工程によって形成される絶縁性隔壁部の高さとしては、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.5μm〜 1.5μmの範囲内であることが好ましく、1.0μm〜 1.5μmの範囲内であることがより好ましい。
ここで、本工程において上記絶縁性隔壁部を形成する方法としては、上記ゲート電極上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.ゲート絶縁層形成工程
本態様に用いられるゲート絶縁層形成工程は、上記絶縁性隔壁部形成工程において形成された上記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、上記ゲート電極上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成する工程である。
ここで、本工程において上記ゲート絶縁層を形成する方法としては、上記ゲート電極上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができる。なかでも本工程においては、インクジェット法を用い、上記絶縁性隔壁部の開口部内のみに上記ゲート絶縁層形成用塗工液を塗工する方法を好適に用いることができる。これにより、本工程において、ゲート絶縁層を高効率で形成することができる結果、さらに高効率で有機半導体素子を製造することが可能になるからである。また、本態様においては上記絶縁性隔壁部形成工程によって形成差あれる絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることにより、本工程においてインクジェット法が用いられたとしても、厚みが均一なゲート絶縁層を形成することができるからである。
4.有機半導体層形成工程
本態様に用いられる有機半導体層形成工程は、上記ゲート絶縁層形成工程において形成されたゲート絶縁層上に有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する工程である。
ここで、本工程において上記有機半導体層を形成する方法としては、上記ゲート絶縁層上に形成すること以外は、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
5.ソース・ドレイン電極形成工程
次に、本態様に用いられるソース・ドレイン電極について説明する。本工程は、上記有機半導体層形成工程により形成された上記有機半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成する工程である。
本工程において上記ソース電極およびドレイン電極を形成する方法としては、上記有機半導体層を浸食することなく、所望のパターン状のソース電極およびドレイン電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
このような方法としては、上記「B−1:第1態様の有機半導体素子の製造方法」の項において、ゲート電極を形成する方法として説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
6.その他の工程
本態様の有機半導体素子の製造方法は、上述した工程以外の他の工程を含むものであってもよい。このような他の工程としては、本態様により製造される有機半導体素子に所望の機能を付与できる工程であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に好適に用いられる上記他の工程としては、例えば、所定の位置に画素電極を形成する画素電極形成工程や、上記ゲート電極上にパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程を例示することができる。
7.有機半導体素子
本態様により製造される有機半導体素子は、基板上にボトムゲート型の有機半導体トランジスタが形成されたものとなる。このような有機半導体素子については、上記「A−2:第2態様の有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.有機トランジスタアレイ
次に、本発明の有機トランジスタアレイについて説明する。上述したように本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられ、上記基板上に有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とするものである。本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子が用いられていることから、オンオフ比に優れるという利点を有するものである。
本発明の有機トランジスタアレイは、上記本発明に係る有機半導体素子において基板上に複数個の有機半導体トランジスタが形成された構成を有するものである。本発明において上記有機半導体トランジスタが複数個形成される態様としては、本発明の有機トランジスタアレイの用途等に応じて適宜決定されることができるものであり、特に限定されるものではない。
なお、本発明の有機トランジスタアレイに用いられる有機半導体トランジスタについては、上記「A.有機半導体素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
D.ディスプレイ
次に、本発明のディスプレイについて説明する。上述したように本発明のディスプレイは、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とするものである。本発明のディスプレイは、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられていることにより、表示性能に優れるという利点を有するものである。
本発明のディスプレイとしては、上記本発明に係る有機トランジスタアレイが用いられ、画像表示に寄与する各画素が、上記有機トランジスタアレイが備える各有機半導体トランジスタによってスイッチングされる構成を有するものであれば特に限定されるものではない。このような構成を有するディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、および、有機ELディスプレイ装置等を挙げることができる。なお、これらの例におけるディスプレイ装置については、従来のTFTアレイに替えて、上記本発明の有機トランジスタアレイを用いること以外は一般的に公知のものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本発明に用いられる有機トランジスタアレイについては、上記「C.有機トランジスタアレイ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
1.実施例1
本実施例においては、トップゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ソース・ドレイン電極・Data Line形成工程
まず、スパッタリング法により全面にITOが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意する。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次にレジストのない部分のITOのエッチングを行い、ソースドレイン電極およびData Lineとした。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(2)絶縁性隔壁部形成工程
次に上記基板上にアクリル系樹脂(ネガ)をスピンコートした。スピンコートは1400rpmで20sec保持させた。その後、100℃で2分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。次いで、未露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させることにより絶縁性隔壁部を形成した。このとき、形成された絶縁性隔壁部の高さは、1.5μmであった。
なお、絶縁性隔壁部はチャネル形成領域のみ開口するようにパターニングした。
(3)有機半導体層形成工程
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた塗工液を、インクジェット法により上記絶縁性隔壁部内にパターン塗布した。その後、N雰囲気下にてホットプレートで200℃10分乾燥させることにより、有機半導体層を形成した。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであった。
(4)ゲート絶縁層形成工程
PVP(ポリビニルフェノール)を固形分濃度10wt%でn−ヘキシルアルコール溶媒に溶解させた塗工液を、インクジェット法により上記絶縁性隔壁部内にパターン塗布した。その後、ホットプレートにて100℃で5分乾燥後、ホットプレートにて200℃で30分乾燥させることにより、ゲート絶縁層を形成した。形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(5)ゲート電極・Scan Line形成工程
Agナノコロイド溶液をインクジェット法により上記ゲート絶縁層および絶縁性隔壁部上にパターン塗布した。その後、ホットプレートにて150℃で30分間乾燥させた。
(6)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機半導体トランジスタのON電流は1×10−5A、OFF電流は5×10−12Aであった。また、ゲート絶縁層および絶縁性隔壁部の耐電圧を測定した結果、200Vを保持していることが確認された。
2.実施例2
本実施例においては、ボトムゲート型構造を有する有機半導体トランジスタを備える有機半導体素子を作製した。
(1)ゲート電極・Scan Line形成工程
スパッタリング法により全面にCrが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意した。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次いで、レジストのない部分のCrのエッチングを行い、ゲート電極およびScan Lineとした。
(2)絶縁性隔壁部形成工程
上記基板上にアクリル系樹脂(ネガ)をスピンコートした。スピンコートは1400rpmで20sec保持させた。その後、100℃で2分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。次に、未露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させることにより、絶縁性隔壁部を形成した。形成された絶縁性隔壁部の高さは1.5μmであった。
なお、絶縁性隔壁部はゲート電極が形成された部位のみ開口するようにパターニングした。
(3)ゲート絶縁層形成工程
PVP(ポリビニルフェノール)を固形分濃度10wt%でn−ヘキシルアルコール溶媒に溶解させた塗工液を、インクジェット法にて絶縁性隔壁部内にパターン塗布した。その後、ホットプレートにて100℃で5分乾燥後、ホットプレートにて200℃で30分乾燥させた。形成されたゲート絶縁層の膜厚は1μmであった。
(4)ソース・ドレイン電極・Data Line形成工程)
スクリーン印刷法にてAgナノペーストをソースドレイン電極およびData Line形状にパターニングした。パターニング後、オーブンにて200度で30分乾燥させることにより、ソース電極およびドレイン電極を形成した。
(5)有機半導体層形成工程
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させ、インクジェット法にて上記絶縁性隔壁部内にパターン塗布し。その後、N雰囲気下にてホットプレートを用いて200℃で10分乾燥させた。形成された有機半導体層の膜厚は0.1μmであった。
(6)評価
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機半導体トランジスタのON電流は8×10−6A、OFF電流は2×10−12Aであった。また、ゲート絶縁層および絶縁性隔壁部の耐電圧を測定した結果、200Vを保持していることが確認された。
3.比較例1
絶縁性隔壁部の厚みを3μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法により有機半導体素子を作製した。
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。しかし、有機半導体トランジスタのON電流は1×10−7A、OFF電流は5×10−9Aであり、隔壁膜厚が1.5μmのものと比較してオンオフ比が低い特性であった。
4.比較例2
(1)ソース・ドレイン電極・Data Line形成工程
まず、スパッタリング法により全面にITOが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意する。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次にレジストのない部分のITOのエッチングを行い、ソースドレイン電極およびData Lineとした。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(2)絶縁性隔壁部形成工程
次に上記基板上にアクリル系樹脂(ネガ)をスピンコートした。スピンコートは3000rpmで20sec保持させた。その後、100℃で2分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。次いで、未露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させることにより絶縁性隔壁部を形成した。このとき、形成された絶縁性隔壁部の高さは、0.05μmであった。
なお、絶縁性隔壁部はチャネル形成領域のみ開口するようにパターニングした。
(3)有機半導体層形成工程
有機半導体材料(ポリチオフェン)を固形分濃度0.2wt%でトリクロロベンゼン溶媒に溶解させた塗工液を、インクジェット法により上記絶縁性隔壁部内にパターン塗布したが、有機半導体溶液が絶縁性隔壁部の開口部外へ決壊し、トランジスタの作製が出来なくなった。
5.実施例3
絶縁性隔壁部の厚みを3μmとしたこと以外は、実施例2と同様の方法により有機半導体素子を作製した。
作製した有機半導体素子の有機半導体トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機半導体トランジスタのON電流は8×10−7A、OFF電流は2×10−10Aであり、隔壁膜厚が1.5μmのものと比較してオンオフ比が低い特性であった。
6.実施例4
(1)ゲート電極・Scan Line形成工程
スパッタリング法により全面にCrが300nm成膜された大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板を用意した。上記基板上にフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。
次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで60分乾燥させた。次いで、レジストのない部分のCrのエッチングを行い、ゲート電極およびScan Lineとした。
(2)絶縁性隔壁部形成工程
上記基板上にアクリル系樹脂(ネガ)をスピンコートした。スピンコートは500rpmで20sec保持させた。その後、100℃で2分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。次に、未露光部分のレジスト現像を行い、その後、200℃のオーブンで0.05μmであった。
なお、絶縁性隔壁部はゲート電極が形成された部位のみ開口するようにパターニングした。
(3)ゲート絶縁層形成工程
PVP(ポリビニルフェノール)を固形分濃度10wt%でn−ヘキシルアルコール溶媒に溶解させた塗工液を、インクジェット法にて絶縁性隔壁部内にパターン塗布したが、PVP溶液が絶縁性隔壁部の開口部外へ決壊し、トランジスタの作製が出来なくなった。
本発明の第1態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の利点を説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の他の例を示す概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の利点を説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法の一工程を示す概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法におけるソース・ドレイン電極形成工程について説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法における絶縁性隔壁部形成工程について説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法における有機半導体層形成工程について説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法におけるゲート絶縁層形成工程について説明する概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の製造方法におけるゲート電極形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法におけるゲート電極形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法におけるゲート電極形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法における絶縁性隔壁部形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法におけるゲート絶縁層形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法における有機半導体層形成工程について説明する概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の製造方法におけるソース・ドレイン電極形成工程について説明する概略図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … ソース電極
3,3’ … ドレイン電極
4 … 絶縁性隔壁部
5 … 有機半導体層
6 … ゲート絶縁層
7 … ゲート電極
10,11 … 有機半導体素子

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極上に形成され、絶縁性材料からなり、かつ、前記ソース電極および前記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となるように形成され、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、
    前記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ前記ソース電極および前記ドレイン電極上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、
    前記有機半導体層上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、
    上記ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極と、を有する有機半導体素子であって、
    前記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする、有機半導体素子。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極上に形成され、絶縁性材料からなり、開口部を備え、かつ層間絶縁層としての機能を備える絶縁性隔壁部と、
    前記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ前記ゲート電極上に形成され、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層と、
    前記絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ前記ゲート絶縁層上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層と、
    前記有機半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、を有する有機半導体素子であって、
    前記絶縁性隔壁部の高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする、有機半導体素子。
  3. 前記絶縁性隔壁部が撥液性を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の有機半導体素子。
  4. 基板を用い、前記基板上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
    前記ソース・ドレイン電極形成工程において形成されたソース電極およびドレイン電極上に、前記ソース電極および前記ドレイン電極によって構成されるチャネル領域上が開口部となり、かつ、高さが0.1μm〜1.5μmの範囲内となるように、絶縁性材料からなる絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、
    前記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、前記ソース電極および前記ドレイン電極上に、有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
    前記有機半導体層形成工程において形成された有機半導体層上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記ゲート絶縁層形成工程によって形成されたゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、を有することを特徴とする有機半導体素子の製造方法。
  5. 基板を用い、前記基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
    前記ゲート電極形成工程において形成されたゲート電極上に、高さが0.1μm〜1.5μmであり、かつ、上記ゲート電極上に開口部を備える絶縁性隔壁部を形成する絶縁性隔壁部形成工程と、
    前記絶縁性隔壁部形成工程において形成された絶縁性隔壁部の開口部内であり、かつ、前記ゲート電極上に、絶縁性樹脂材料からなるゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
    前記ゲート絶縁層形成工程において形成されたゲート絶縁層上に有機半導体材料からなる有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
    前記有機半導体層形成工程により形成された有機半導体層上にソース電極およびドレイン電極を形成するソース・ドレイン電極形成工程と、を有することを特徴とする、有機半導体素子の製造方法。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の有機半導体素子が用いられ、前記基板上に有機半導体トランジスタが複数個形成されていることを特徴とする、有機トランジスタアレイ。
  7. 請求項6に記載の有機トランジスタアレイが用いられたことを特徴とする、ディスプレイ。
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