JP2008108700A - 回転陽極型x線管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転陽極型X線管を、冷却媒体を使用して冷却することにより、出力されるX線の特性を、長期に亘って安定に維持可能とする。
【解決手段】この発明の回転陽極型X線管装置は、陽極ターゲット(15)と一体化された真空外囲器(11)と、真空外囲器を収納し、回転可能に保持するハウジング(5)と、真空外囲器の陽極ターゲットに近接して冷却媒体が循環する循環路(5b,5c,7c)と、陽極ターゲットに対向して静止するように真空外囲器内に収納配置された陰極(13)と、陰極を支持する陰極支持体(13a)と、真空外囲器とハウジングに固定された固定体との間に設けられた軸受機構(55)と、陰極支持体またはハウジングに固定された固定体と真空外囲器との間に設けられた真空シール機構(53)と、を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、回転陽極型X線管、特に陽極が発生する熱の放出特性を向上させる構造に関する。
陽極が発生する熱の放出特性を向上させた従来の回転陽極型X線管は、大別すると以下に述べる2タイプに分かれる。
(1)タイプ1:回転可能に支持された陽極ターゲットを真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管、回転陽極型X線管を収納するハウジングなどを備え、陽極ターゲットなどが発生する熱を放出するため、陽極ターゲット内部に冷却媒体を循環させる循環路が設けられている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
陽極ターゲットの熱が短い熱パスを通じて冷却媒体に伝熱されるため、陽極が発生する熱の放出特性を向上させることができる。
(2)タイプ2:軸線に関して回転可能であり、その一部が陽極ターゲットであり、かつ真空チャンバーである真空外囲器と、軸線のまわりに真空外囲器を回転させるための手段と、電子を生成させ、それを陽極ターゲットの軸線外の領域に集束させるために真空チャンバー内に取り付けられた陰極と、真空チャンバー外部のソースから真空外囲器の壁部分を通じて陰極へ電流を供給するための摺動通電機構が設けられている(例えば、特許文献3ないし特許文献6参照)。
陽極ターゲットの熱が短い熱パスを通じて冷却媒体に伝熱されるため、陽極が発生する熱の放出特性を向上させることができる。
特公平5−27205号公報 特開2006−54181号公報 特許第2539193号公報 フランス国特許2599555−A1号 特許第2929506号 米国特許第6396901号
(1)のように構成された回転陽極型X線管装置によれば、回転陽極型X線管の熱負荷が大きくなると、以下に述べる理由により、必要とされる冷却性能が十分に得られない場合がある。
ア)回転する陽極ターゲット裏面の移動速度とそれに接する流体の移動速度との差(相対移動速度)が高いほど接触界面での熱伝達率が上昇するが、上述(1)の構造の場合、相対移動速度は陽極ターゲットの回転速度にあまり依存せず、ほとんど冷却媒体の流速に依存するのみであるためである。なぜならば、陽極ターゲットの回転に伴って冷却媒体もともに回転してしまうためである(特許文献2の場合)。
イ)冷却媒体は、流体抵抗が高い細いシャフト内部やターゲット内部に設けられた狭い流路を通して循環ポンプにより強制駆送されるため、冷却媒体の流速を高めることには限界がある。
ウ)加えて、陽極ターゲットの内部に流路を設ける構造は、その複雑性に起因して製造コストの増加をもたらす。反面、特許文献2の図5に示される構造は、そのような流路が陽極ターゲット内部に設けられていないが、このようなシンプルな陽極ターゲット構造を採用した場合には、冷却性能は更に低下してしまう。
(2)のように構成された回転陽極型X線管装置によれば、(1)と同様に回転陽極型X線管の熱負荷が大きくなると、以下に述べる理由により、必要とされる冷却性能が十分に得られない場合がある。
エ)第1に、冷却性能が高い水系冷却媒体の使用が困難であり、冷却媒体として冷却性能が劣る絶縁油を使用せざるを得ないためである。すなわち、冷却媒体の存在する空間と陰極電位露出空間は互いに連通しているため、水系冷却媒体を使用すると、水蒸気の影響で陰極部の耐電圧性能が劣化し易くなることが原因である。
オ)また、真空チャンバー外部のソースから真空外囲器の壁部分を通じて陰極へ電流を供給するための摺動通電機構を設ける構造に起因して、焦点を多極化やパルス動作させるためのグリッド電極を追加するといった高機能化が困難となる。なぜならば、これらの高機能化に伴って摺動通電機構を多極化する必要があり、その結果一つ以上の摺動部を軸線外の周速度の大きい個所に設けることになってしまうからである。そうした場合には、摺動部の磨耗により摺動通電機構の寿命が短縮する。
この発明の目的は、陽極が発生する熱の放出特性を向上させることができ、しかも、長期にわたって信頼性の高い回転陽極型X線管装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
回転可能な、陽極ターゲットと一体化された真空外囲器と、
少なくとも前記真空外囲器を収納し、回転可能に保持するハウジングと、
少なくとも前記真空外囲器の陽極ターゲットに近接して冷却媒体が循環する循環路と、
前記真空外囲器内に収納配置された陰極と、
前記陰極を支持する陰極支持体と、
前記真空外囲器とハウジングまたはハウジングに固定された固定体との間に設けられた軸受機構および真空シール機構と、
前記真空外囲器を回転させるための回転駆動装置と、
を有することを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子が衝突することでX線を発生する陽極ターゲットと、
電子を放出する電子放出源と、
前記陽極ターゲットおよび前記電子放出源を所定の減圧下で保持する真空容器と、
前記真空容器を収容し、前記真空容器との間に冷却液を循環可能に密閉するハウジングと、
前記ハウジングに前記電子放出源を固定する支持部材と、
前記真空容器を前記ハウジング内で回転可能に保持する保持部材と、
前記支持部材と前記保持部材との間に位置され、前記真空容器内の真空を維持しながら前記真空容器の前記ハウジング内での回転を可能とする流体シール部材と、
を有することを特徴としている。
この発明によれば、冷却媒体を使用して回転陽極型X線管を冷却するX線管装置において、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。
さらに、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。
また、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示したように、X線管装置1は、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置に組み込まれ、対象物すなわち非検査対象に対してX線を放射するものである。X線管装置1は、ハウジング3と、X線管本体(回転陽極型X線管)5とを有している。X線管本体5は、ハウジング3に収容され、所定強度のX線を所定方向に向けて放射可能である。
X線管本体5は、冷却液7を介してハウジング3の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が所定の大きさ未満に管理された非油脂系の冷却液(水系冷却媒体)である。なお、冷却液7としては、低電圧に対する絶縁性を確保し、かつ金属部品に対する腐食性を低減するために導電率が1mS/m以下に設定された冷却媒体が用いられる。冷却媒体は、主として、水またはグリコールが所定量混合された水系媒体である。また、冷却媒体として水と混合されるグリコール類としては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等が利用可能である。
X線管本体5は、真空外囲器11と、陰極電子銃(熱電子放出源)13と、回転陽極(陽極ターゲット,アノード)15と、を含んでいる。真空外囲器11は、ハウジング3内部に満たされた冷却液(水系冷却媒体)7に、全周が概ね接触可能に、かつ回転可能に設けられている。真空外囲器11の内部は所定の真空度に保持されている。陰極電子銃13は、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と独立に設けられている。陽極ターゲット15は、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット15は、電子銃13から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射するものである。なお、真空外囲器11は、ハウジング3の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器11は、磁性流体真空シール部材53と、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55とにより保持されている。磁性流体真空シール部材53は、ハウジング3の所定の位置に設けられた円筒状の固定部51の外周面の所定の位置に設けられている。ベアリング部材55は、固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。なお、円筒状の固定部51は、電気絶縁性の支持部材57を介してハウジング3の真空外囲器保持部59に固定されている。固定部51及び真空外囲器保持部59は、同心状(同軸状)に設けられている。
陰極電子銃13は、円筒状で電気絶縁性の陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面に固定された固定部材63と、真空外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極電子銃13は、真空外囲器11の内側の所定の位置に固定されている。
なお、固定部材63は、シール部材61と固定される側から離れた側に端部63aを有している。接続構体51aは、円筒状の固定部51と接続され、ばね性を示すものである。固定部51は、真空外囲器11の内側で真空外囲器11を支持するものである。端部63aは、接続構体51aと、溶接部65とにより接続(固定)されている。なお、陰極電子銃13の陰極保持体13aには、ハウジング3の真空外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられている。陰極保持体13aは、ハウジング3の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃13への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
この固定部材63の端部63aと接続構体51aとは、溶接部65により固定されている。これにより、真空外囲器11が回転される際の振動が陰極電子銃13に伝達されることが低減される。すなわち、接続構体51aのばね性により真空外囲器11の回転によって発生する振動は吸収される。また、ばね性を示す接続構体51aにより、陰極保持体13aと円筒状の固定部51との僅かな組み立て誤差は吸収される。
アノード(陽極ターゲット)15を保持した側の真空外囲器11の所定の位置に複数の永久磁石69が設けられている。複数の永久磁石69は、ベアリング部材55の概ね外側に位置する真空外囲器11の軸受け部11aの近傍に設けられている。複数の永久磁石69は、真空外囲器11を回転させるための推進力(磁力)を受けるものである。
永久磁石69と実質的に同軸状(同心状)となるハウジング3の所定の位置には、ステータ71が設けられている。ステータ71は、永久磁石69に対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものであって、外部から回転を制御可能に回転磁界を形成するものである。ステータ71は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されているため、コイル体である。ここで、ステータ71は回転駆動装置として機能している。
このようなX線管装置1においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器11が所定の速度で回転され、真空外囲器11の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)15が所定の速度で回転される。この状態で陰極電子銃13から放射された電子が陽極ターゲット15に衝突されることで、陽極ターゲット15から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の位置に規定された窓部3aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器11の外側のほとんどの領域とハウジング3の内側の所定の領域との間には、例えば真空外囲器11の軸受け部11aの近傍に設けられた冷却液入り口5bを介して、冷却液7が注入される。冷却液7は、接地極9の近傍に設けられた冷却液出口5cからハウジング3外部に排出される。これにより、軸受け部11a及び真空外囲器11内に組み込まれた陽極ターゲット15は冷却される。
また、真空外囲器11の内側、すなわち陰極電子銃13と陽極ターゲット15は、磁性流体真空シール部材53により、所定の真空下に位置されている。磁性流体真空シール部材は、例えば、神山による「潤滑」第30巻第8号pp75〜78に報告がある。
磁性流体真空シール部材を形成する際、まず、磁性体である軸もしくは非磁性体の軸を磁性体からなる円筒で覆った軸構造体の外周に所定量の磁性流体を用意する。ここで、磁性流体は、強磁性体の粒子を液体に分散させたコロイド溶液である。次いで、軸もしくは軸構造体に磁性片と永久磁石等を近接させて磁気回路を形成する。これにより、磁性流体を軸もしくは軸構造体の周囲にとどまらせることができる。磁性流体真空シール部材は、圧力(気圧)差を維持するシール材である。磁性流体真空シール部材を設けることは、高速で回転される真空外囲器11内を所定の真空(減圧)下に維持するために有益である。
なお、ハウジング3内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口5bと冷却液出口5cとの間を循環される。これにより、陽極ターゲット15及び軸受け部11aにおいて発生する熱が、冷却液7を介して、ハウジング3の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、真空外囲器11を隔てて、磁性流体真空シール部材53と陽極ターゲット15の背面の近傍を流れる。このため、磁性流体真空シール部材53と陽極ターゲット15を効率よく冷却できる。なお、冷却液7の流路は、ハウジング3及びX線管本体5の形状を工夫することにより形成されている。冷却液7の流路を工夫したことにより、冷却液7はステータ71も併せて冷却可能である。そして、X線管装置1により生じる熱の多くを、冷却液7を介してX線管装置1外部に放出できる。
また、真空外囲器11の端部11cは、真空外囲器11の一端部に位置し、ハウジング3の固定部51に近接している。端部11cは、固定部51の突出部52との間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供する。上記したことから、隙間5dは、冷却液7の真空外囲器11の内側への入り込みを抑止できる。これにより、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込み、真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止される。
なお、接触角が比較的大きな液体としての冷却液7を冷却媒体として用いる場合、濡れ性の低い隙間5dは一定の大きさよりも小さく規定されている。これにより、隙間(5d)への冷却液7の入り込みは抑止される。但し、この実施例においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体が用いられている。この場合、接触角を大きくするために、真空外囲器11の端部11c(永久磁石69の端部を含む)および固定部51に、樹脂等をコーティングすることが好ましい。
また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリング部材は、内筒と外筒との間がシール材によりシールされているシール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
図2は、図1に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図1により既に説明した構成と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図1により既に説明した構成に類似した構成には100を加算した符号を付して、詳細な説明を省略する。
図2に示すX線管装置101は、ハウジング103と、ハウジング103に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)105とを有する。
X線管本体105は、冷却液7を介して、ハウジング103の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が1mS/m以下に設定された水系冷却媒体(非油脂系冷却媒体)である。
真空外囲器111は、ハウジング103の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器111の内部は、所定の真空度に保持されている。真空外囲器111の内側には、陰極電子銃(熱電子放出源)13と、回転陽極(陽極ターゲット,アノード)15とが設けられている。陰極電子銃13は、真空外囲器111と独立に設けられている。陽極ターゲット15は、真空外囲器111の内側に、真空外囲器111と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット15は、電子銃13から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射する
真空外囲器111は、磁性流体真空シール部材53と、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55と、により保持されている。磁性流体真空シール部材53は、ハウジング103の所定の位置に設けられた円筒状の固定部151の内周面の所定の位置に設けられている。ベアリング部材55は、固定部151の所定の位置であって、磁性流体シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。なお、円筒状の固定部151は、電気絶縁性の支持部材57を介してハウジング103の真空外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に、固定されている。
陰極電子銃13は、円筒状で電気絶縁性の陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面に固定された固定部材63と、真空外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極電子銃13は、真空外囲器111の内側の所定の位置に固定されている。
なお、固定部材63は、シール部材61と固定される側から離れた側に端部63aを有している。接続構体51aは、円筒状の固定部151と接続され、ばね性を示すものである。固定部151は、真空外囲器111の外側で真空外囲器111を支持する。端部63aは、接続構体51aと、溶接部65とにより接続(固定)されている。
なお、陰極電子銃13の陰極保持体13aには、ハウジング103の真空外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられている。陰極保持体13aは、ハウジング103の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃13への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
この固定部材63の端部63aと接続構体51aとは、溶接部65により固定されている。これにより、真空外囲器111が回転される際の振動が陰極電子銃13に伝達されることが低減される。すなわち、接続構体51aのばね性により真空外囲器111の回転によって発生する振動は吸収される。
アノード(陽極ターゲット)15を保持した真空外囲器111の所定の位置に、複数の永久磁石169が設けられている。複数の永久磁石169は、接地極9の近傍で、真空外囲器111の外径が陽極ターゲット15を囲む部分の真空外囲器111の外径よりも小さくなる部分(以下先端部と称する)111dに設けられている。複数の永久磁石169は、真空外囲器111を回転させるための推進力(磁力)を受けるものである。
ハウジング103の所定の位置には、ステータコイル171が設けられている。ステータコイル171は、永久磁石169と実質的に同軸状(同心状)となる。永久磁石169は、真空外囲器111の先端部111dを囲むように設けられている。ステータコイル171は、永久磁石169に対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものである。ステータコイル171は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されている。
このようなX線管装置101においては、ステータコイル171に所定の電流が供給されることで真空外囲器111が所定の速度で回転され、真空外囲器111の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)15が所定の速度で回転される。この状態で陰極電子銃13から放射された電子が陽極ターゲット15に衝突されることで、陽極ターゲット15から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器111の円筒状部の所定の位置に規定された窓部111b及びハウジング103の円筒状部の所定の位置に規定された窓部103aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器111の軸受け部111aの近傍に設けられた冷却液入り口105bを介して、ハウジング103内部に冷却液7が注入される。接地極9の近傍に設けられた冷却液出口105cから冷却液7が排出される。真空外囲器111の外側のほとんどの領域とハウジング103の内側の所定の領域との間で、冷却液7が循環される。このため、磁性流体真空シール部材53および真空外囲器111内に組み込まれた陽極ターゲット15は冷却される。
また、ハウジング103内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口105bと冷却液出口105cとの間を循環される。これにより、X線管装置101において発生する熱が、冷却液7を媒介として、ハウジング103の外部へ放出される。
上記したことから、冷却液7は、磁性流体真空シール部材53と陽極ターゲット15を効率よく冷却できる。なお、冷却液7の流路は、一般に金属で形成される固定部151に接して流れるよう工夫されている。
また、真空外囲器111の所定の位置に、濡れ性低減フランジ111eが設けられている。濡れ性低減フランジ111eは、ハウジング103の固定部151の一端部151bに近接する真空外囲器111の陽極ターゲット15の近傍に設けられている。濡れ性低減フランジ111eは、端部11cに一体的に設けられている。濡れ性低減フランジ111eは、ベアリング部材55および磁性流体真空シール部材53に、冷却液7が回り込むことを低減させることが可能となる。濡れ性低減フランジ111e及び固定部151の一端部151bは、これらの間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間105dを提供する。このため、濡れ性低減フランジ111e及び一端部151bは、冷却液7が真空外囲器111の内側に入り込むことを抑止できる。これにより、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込み、真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止される。
なお、接触角が比較的大きな液体としての冷却液7を冷却媒体として用いる場合、濡れ性の低い隙間105dは一定の大きさよりも小さく規定されている。これにより、隙間105dへの冷却液7の入り込みは抑止される。但し、この実施例においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体が用いられている。この場合、接触角を大きくするために、真空外囲器111のフランジ111eおよび固定部151の一端部151bに、樹脂等をコーティングすることが好ましい。
また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリング部材はシール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
なお、図1に示したX線管装置1あるいは図2に示したX線管装置101においては、それぞれ図3もしくは図4に示すように、溶接部65により接続構体51aと溶接された固定部材63(図4では固定部材163)の形状は、ベローズ(蛇腹)状の円筒状である。これにより、回転される真空外囲器11(図4では111)の振動が、陰極電子銃13に不所望に伝達されることが低減される。また、陰極保持体13aと円筒状の固定部51または固定部151とのより大きな組み立て誤差は吸収される。
図5は、図1ないし図4に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図1ないし図4により既に説明した構成と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図1ないし図4により既に説明した構成に類似した構成には500を加算した符号を付して、詳細な説明を省略する。
図5に示すX線管装置501は、ハウジング503とハウジング503に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)505とを有する。
X線管本体505は、冷却液7を介して、ハウジング503の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が1mS/m以下に設定された水系冷却媒体(非油脂系冷却媒体)である。
真空外囲器511は、ハウジング503の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器511の内部は、所定の真空度に保持されている。真空外囲器511の内側には、陰極電子銃(熱電子放出源)513と、回転陽極(陽極ターゲット)515と、が設けられている。陰極電子銃513は、真空外囲器511と独立に設けられている。陽極ターゲット515は、ハウジング503の接地極9に近接する側に真空外囲器511と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット515は、電子銃513から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射する。
真空外囲器511は、磁性流体真空シール部材53と、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55と、により保持されている。磁性流体真空シール部材53は、ハウジング503の所定の位置に設けられた円筒状の固定部51の外周面の所定の位置に設けられている。ベアリング部材55は、固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。なお、円筒状の固定部51は、支持部材57を介してハウジング503の真空外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に、固定されている。
陰極電子銃513は、円筒状の陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面に固定された固定部材63と、真空外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極電子銃513は、真空外囲器511の内側の所定の位置に固定されている。
固定部材63は、シール部材61と固定される側から離れた側に端部63aを有している。接続構体51aは、円筒状の固定部51(真空外囲器511の内側で真空外囲器511を支持する)と接続され、ばね性を示すものである。端部63aは、接続構体51aと、溶接部65とにより接続(固定)されている。なお、陰極電子銃513の陰極保持体13aには、ハウジング503の真空外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられている。陰極保持体13aは、ハウジング503の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃513への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
この固定部材63の端部63aと接続構体51aとは、溶接部65により固定されている。これにより、真空外囲器511が回転される際の振動が陰極電子銃513に伝達されることが低減される。すなわち、接続構体51aのばね性により真空外囲器511の回転によって発生する振動は吸収される。また、陰極保持体13aと円筒状の固定部51との僅かな組み立て誤差は吸収される。
陰極電子銃513が固定された側の真空外囲器511の所定の位置に、複数の永久磁石69が設けられている。複数の永久磁石69は、ベアリング部材55の概ね外側に位置する真空外囲器511の軸受け部11aの近傍に設けられている。複数の永久磁石69は、真空外囲器511を回転させるための推進力(磁力)を受けるものである。
ハウジング503の所定の位置には、ステータ71が設けられている。ステータ71は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されているため、コイル体である。ステータ71は、永久磁石69と実質的に同軸状(同心状)となる。永久磁石69は、真空外囲器511の軸受け部11aの周囲に設けられている。ステータ71は、永久磁石69に対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものである。
このようなX線管装置501においては、ステータコイル71に所定の電流が供給されることで真空外囲器511が所定の速度で回転され、真空外囲器511の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)515が所定の速度で回転される。この状態で陰極電子銃513から放射された電子が陽極ターゲット515に衝突されることで、陽極ターゲット515から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器511の円筒状部の所定の位置に規定された窓部511b及びハウジング503の円筒状部の所定の位置に規定された窓部503aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器511の外側のほとんどの領域とハウジング503の内側の所定の領域との間には、例えば真空外囲器511の軸受け部11aの近傍に設けられた冷却液入り口5bを介して、冷却液7が注入される。冷却液7は、接地極9の近傍に設けられた冷却液出口5cからハウジング503外部に排出される。これにより、磁性流体真空シール部53および真空外囲器511内に組み込まれた陽極ターゲット515は冷却される。
また、ハウジング503内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口5bと冷却液出口5cとの間を循環される。これにより、X線管装置501において発生する熱が、冷却液7を介してハウジング503の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、真空外囲器511を隔てて、磁性流体真空シール部材53の背面の近傍を流れる。このため、軸受け部11a(特に、磁性流体真空シール部材53)を効率よく冷却できる。なお、冷却液7の流路は、ハウジング503及びX線管本体505の形状を工夫することにより形成されている。冷却液7の流路を工夫したことにより、冷却液7はステータ71も併せて冷却可能である。そして、X線管装置501により生じる熱の多くは、冷却液7を介してX線管装置501外部に放出できる。
また、真空外囲器511の端部11cは、真空外囲器511の一端部に位置し、ハウジング530の固定部51に近接している。端部11cは、固定部51の突出部52との間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供する。上記したことから、隙間5dは、冷却液7の真空外囲器511の内側への入り込みを抑止できる。これにより、流体磁性真空シール部材53に冷却液7が回り込み、真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止される。
なお、接触角が比較的大きな液体としての冷却液7を冷却媒体として用いる場合、濡れ性の低い隙間5dは一定の大きさよりも小さく規定されている。これにより、隙間5dへの冷却液7の入り込みは抑止される。但し、この実施例においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体が用いられている。この場合、接触角を大きくするために、真空外囲器511の端部11c(永久磁石69の端部を含む)および固定部51に、樹脂等をコーティングすることが好ましい。
また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリング部材は、内筒と外筒との間がシール材によりシールされているシール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
図6は、図5に示したX線管装置の別の実施の形態を示す。なお、図5により既に説明した構成と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図5により既に説明した構成に類似した構成には600を加算した符号を付して、詳細な説明を省略する。
図6に示すX線管装置601は、ハウジング603と、ハウジング603に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)605とを有する。
X線管本体605は、冷却液7を介して、ハウジング603の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が1mS/m以下に設定された水系冷却媒体(非油脂系冷却媒体)である。
真空外囲器611は、ハウジング603の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器611の内部は所定の真空度に保持されている。真空外囲器611の内側には、陰極電子銃(熱電子放出源)613と、回転陽極(陽極ターゲット)615とが設けられている。陰極電子銃613は、真空外囲器611と独立に設けられている。陽極ターゲット615は、真空外囲器611の内側に真空外囲器611と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット615は、電子銃613から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射するものである。
真空外囲器611は、磁性流体真空シール部材53と、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55とにより保持されている。磁性流体真空シール部材53は、X線管本体605の所定の位置に設けられた円筒状の固定部151の内周面の所定の位置に設けられている。ベアリング部材55は、固定部151の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。なお、固定部151は、支持部材57を介してハウジング603の真空外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に、固定されている。
陰極電子銃613は、円筒状の陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面に固定された固定部材63と、真空外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極電子銃613は、真空外囲器611の内側の所定の位置に、固定されている。
固定部材63は、溶接部61と固定される側から離れた側に端部63aを有している。接続構体51aは、円筒状の固定部151(真空外囲器611の外側で真空外囲器611を支持する)と接続され、ばね性を示すものである。端部63aは、接続構体51aと、溶接部65により接続されている。なお、陰極電子銃613の陰極保持体13aには、ハウジング603の真空外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられている。陰極保持体13aは、ハウジング603の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃613への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
この固定部材63の端部63aと接続構体51aとは、溶接部65により固定されている。これにより、真空外囲器611が回転される際の振動が陰極電子銃613に伝達されることが低減される。すなわち、接続構体51aのばね性により真空外囲器611の回転によって発生する振動は吸収される。
陽極ターゲット615を保持した真空外囲器611の所定の位置であって、接地極9の近傍に、複数の永久磁石169が設けられている。複数の永久磁石169は、真空外囲器611の外径が陽極ターゲット615を囲む部分の真空外囲器611の外径よりも小さくなる部分(以下先端部と称する)611dに設けられている。複数の永久磁石169は、真空外囲器611を回転させるための推進力(磁力)を受けるものである。
ハウジング603の所定の位置には、ステータコイル171が設けられている。ステータコイル171は、先端部611dを囲むように設けられた永久磁石169と実質的に同軸状(同心状)となる。ステータコイル171は、永久磁石169に対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものである。ステータコイル171は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されている。
このようなX線管装置601においては、ステータコイル171に所定の電流が供給されることで真空外囲器611が所定の速度で回転され、真空外囲器611の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)615が所定の速度で回転される。この状態で陰極電子銃613から放射された電子が陽極ターゲット615に衝突されることで、陽極ターゲット615から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器611の円筒状部の所定の位置に規定された窓部611b及びハウジング603の円筒状部の所定の位置に規定された窓部603aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器611の外側のほとんどの領域とハウジング603の内側の所定の領域との間には、例えば真空外囲器611の軸受け部611aの近傍に設けられた冷却液入り口605bを介して、冷却液7が注入される。冷却液7は、接地極9の近傍に設けられた冷却液出口605cからハウジング603外部に排出される。これにより、磁性流体真空シール部53および真空外囲器611内に組み込まれた陽極ターゲット615は冷却される。
また、ハウジング603内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口605bと冷却液出口605cの間を循環される。これにより、X線管装置601において発生する熱が、冷却液7を媒介として、ハウジング603の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、固定部151を隔てて磁性流体真空シール部材53およびベアリング部材55を効率よく冷却できる。冷却液7は、真空外囲器611に固定された陽極ターゲット615の背面の近傍を流れる。上記したことから、軸受け部611aと陽極ターゲット615とは効率よく冷却される。なお、冷却液7の流路は、一般に金属で形成される固定部151に接して流れるよう工夫されている。
また、真空外囲器611の所定の位置であって、X線管本体605の固定部151の一端部151bに近接する真空外囲器611の陽極ターゲット615の近傍には、濡れ性低減フランジ111eが設けられている。濡れ性低減フランジ111eは、ベアリング部材55および磁性流体真空シール部材53に、冷却液7が回り込むことを低減させることが可能である。濡れ性低減フランジ111e及び固定部151の一端部151bは、これらの間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間105dを提供する。このため、濡れ性低減フランジ111e及び一端部151bは、冷却液7が真空外囲器611の内側に入り込むことを抑止できる。これにより、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込み、真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止される。
なお、接触角が比較的大きな液体としての冷却液7を冷却媒体として用いる場合、濡れ性の低い隙間105dは一定の大きさよりも小さく規定されている。これにより、その隙間105dへの冷却液7の入り込みは抑止される。但し、この実施例においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体が用いられている。この場合、接触角を大きくするために、真空外囲器611のフランジ111eおよび固定部151の一端部151bに、樹脂等をコーティングすることが好ましい。
また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリング部材は、シール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
なお、図7に示すように、図6に示したX線管装置601に関し、真空外囲器611の先端部611dとロータ(永久磁石)169との間に、第2のベアリング部材(ころがり軸受け)773を設けてもよい。すなわち、図7に示すように、第2のベアリング部材773は、真空外囲器611をその先端部611d側で支持している。真空外囲器611の重心位置とベアリング部材773が近接しているため、真空外囲器611が回転される際の軸ぶれ(偏心)は抑制される。従って、X線管装置601の振動発生を低減することができる。
次に、図7に示したX線管装置(601)を用いて、図2(図4)および図6に示したそれぞれのX線管装置のX線管本体(105,605)と真空外囲器(111,611)との間に、冷却液7を注入(充填)する方法の一例を説明する。
先ず、図7に示すように、真空外囲器611(111)の先端部611d(111d)を下方、すなわち、重力を受ける方向に向ける。これにより、X線管装置601(101)の管軸は垂直方向に平行となる。
上記したことにより、冷却液入り口605bは、真空外囲器611(111)内の陰極電子銃613(13)および陽極ターゲット615(15)よりも上方に位置している。冷却液入り口605bは、冷却液7が下方に堆積(流入)される際に残る空気層の近傍に位置している。
次に、不活性気体であるヘリウム(He)ガスで飽和された冷却液7を、入り口605bからハウジング603内に、「h」で示す位置(入り口605bの上部)まで注入する。
残った空間(空気層)に、ヘリウム(He)を注入する(空気層の空気を置換してもよい)。
上記したことから、冷却液7は、飽和状態で溶解された不活性気体を予め含んでいる。冷却液7は、ハウジング603と真空外囲器611との間において、不活性気体と接触される。
なお、濡れ性低減フランジ111eにより、冷却液7の磁性流体真空シール部材53およびベアリング部材55側への回り込みは抑制される。
また、ベアリング部材55がシール型である場合には、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が到達することは、ほぼ完全に防止される。
図8は、図1ないし図7に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図1ないし図7により既に説明した構成と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図1ないし図7により既に説明した構成に類似した構成には800を加算した符号を付して、詳細な説明を省略する。
図8に示すX線管装置801は、ハウジング803とハウジング803に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)805とを有する。
X線管本体805は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が1mS/m以下に設定された水系冷却媒体(非油脂系冷却媒体)7を介して、ハウジング803の所定の位置に収容されている。
真空外囲器811は、ハウジング803の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器811の内部は、所定の真空度に保持されている。真空外囲器811の内側には、陰極電子銃(熱電子放出源)813と、回転陽極(陽極ターゲット)815とが設けられている。陰極電子銃813は、真空外囲器811と独立に設けられている。陽極ターゲット815は、真空外囲器811の内側であって、ハウジング803の接地極9側の面と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット815は、電子銃813から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射する。
真空外囲器811は、磁性流体真空シール部材853と、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材855とにより保持されている。磁性流体真空シール部材853は、ハウジング803の内側の所定の位置に設けられた(外部から真空外囲器811内部に挿入された)円筒状の固定部875の外周面の所定の位置に設けられている。ベアリング部材855は、固定部875の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材853よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。
なお、円筒状の固定部875は、2枚の円筒状の薄板により形成された支持部材877を介してハウジング803の外部と接続された高電圧給電用レセプタクル879の外周と接続されている。また、ベアリング部材855が真空外囲器811の一端部(解放端)側に面する側には、シール部材881が設けられている。これにより、冷却液7が、ベアリング855および磁性流体真空シール部材853を通り抜けて真空外囲器811の内部に到達する(漏れ出す)ことを阻止している。
高電圧給電用レセプタクル879は、その端部がハウジング803を密閉する蓋部材883の概ね中央に固定されている。
従って、電子銃813は、蓋部材883に保持されたレセプタクル879により支持されている。真空外囲器811は、ハウジング803内において、レセプタクル879の外周を回転可能である。
ベアリング部材855は、固定部875を真空外囲器811に対して同軸の位置に位置決めするものである。電気絶縁性のスペーサ885およびベアリング部材887は、ハウジング803との間の(円筒状の)空間に、真空外囲器811を回転可能に保持するものである。第2のベアリング887は、非シール型である。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
次に、図8に示したX線管装置801を変形したX線管装置901について説明する。図9に示すように、真空外囲器811の円筒状の固定部875と真空外囲器811の軸受け部811aとの間に、第2の円筒状の固定部989と、第2の磁性流体シール部材991およびベアリング(ころがり軸受け)部材993とが設けられている。支持部材877の外側に位置する固定部875と、真空外囲器811とは、2段階で支持されていてもよい。この場合、それぞれのベアリング部材及び磁性流体シール部材が分担すべき回転数(回転速度)は、およそ1/2となる。このため、それぞれのベアリング部材における温度上昇(発熱)も低減される。長期に亘って、ベアリング部材の焼きつき等が生じる虞も抑止できる。磁性流体シール部材の真空シール性能を高めることができる。
次に、図9に示したX線管装置901を変形したX線管装置1001について説明する。図10に示すように、第2の円筒状の固定部989は、一部をロータとして用いるために全長を伸ばして形成されている。固定部989の外周に第2のステータコイル1095が設けられている。これにより、円筒状の固定部989の回転数を、正確に、真空外囲器901の回転数の1/2になるように制御することができる。
次に、図8に示したX線管装置801を変形したX線管装置1101について説明する。図11に示すように、X線管装置1101は回転機溝1197を設けている。回転機溝1197は、真空外囲器811の任意の位置に駆動力(回転力)を伝達するものである。回転機溝1197により、真空外囲器811を外部から強制的に回転させることも可能である。
また、図1ないし図11に示したX線管装置においては、真空外囲器の内面に、ゲッタ材(フラッシュゲッタ)、例えばバリウム(Ba)やチタン(Ti)の図示しない薄膜が蒸着等により形成されてもよい。なお、ゲッタ材は、真空外囲器内で発生することのある不純物ガスを回収/吸着するものである。また、図11に一例を示すが、陰極電子銃1113を通じて、通電ゲッタ1199が真空外囲器811の内部に配置されてもよい。
また、図1ないし図11に示したX線管装置においては、冷却器(クーラーユニット)は、詳述しないが、着脱自在の配管ジョイントを介してハウジングと接続されることは、いうまでもない。
なお、図1ないし図11に示したX線管装置において、陽極ターゲットおよび陰極電子銃(熱電子放出源)は、真空外囲器の回転軸に沿った方向に互いに対向配置されている。真空外囲器およびハウジングは、それぞれX線を透過させる窓部を有している。これらの窓部は、上記回転軸に直交した方向に陽極ターゲットと対向して位置している。 図12は、図1ないし図11に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図3により既に説明した構成と同じ構成には同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。また、図3により既に説明した構成に類似した構成には1200を加算した符号を付して説明する。
図12に示すように、X線管装置1201は、ハウジング1203とハウジング1203に収容されたX線管本体1205とを有する。陽極ターゲット1215は、円環状に形成され、真空外囲器1211とともに回転可能に形成されている。
陽極ターゲット1215および陰極電子銃(熱電子放出源)1213は、真空外囲器1211の回転軸に直交した方向に互いに対向配置されている。真空外囲器1211はX線を透過させる窓部1211bを有している。ハウジング1203は、窓部1211bとともにX線を透過させる窓部1203aを有している。窓部1211bおよび窓部1203aは、上記回転軸に沿った方向に陽極ターゲット1215と対向して位置している。
このようなX線管装置1201においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器1211が所定の速度で回転され、真空外囲器1211の内側に設けられた陽極ターゲット1215が所定の速度で回転される。この状態で陰極電子銃1213から放射された電子が陽極ターゲット1215に衝突されることで、陽極ターゲット1215から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器1211の所定の位置に規定された窓部1211b及びハウジング1203の所定の位置に規定された窓部1203aから外部へ放射される。
なお、図示しないが、冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却され、ポンプ7cにより、冷却液入り口5bと冷却液出口5cの間を循環される。
図12に示したX線管装置においては、冷却器(クーラーユニット)は、詳述しないが、着脱自在の配管ジョイントを介してハウジングと接続されることは、いうまでもない。
また、図13に示すように、冷却液入り口5bと冷却液出口5cとは、冷却器7aを介することなくパイプ7dで繋がっていても良い。この場合、冷却液7は、パイプ7dを介し冷却液入り口5bと冷却液出口5cの間を循環される。なお、言うまでもないが、陽極ターゲット1215および陰極電子銃1213は、真空外囲器1211の回転軸に直交した方向に互いに対向配置されている。
また、図14に示すように、冷却液入り口5bと冷却液出口5cとは、ハウジング1203に形成された流路1203dで繋がっていても良い。この場合、冷却液7は、流路1203dを介し冷却液入り口5bと冷却液出口5cの間を循環される。なお、言うまでもないが、陽極ターゲット1215および陰極電子銃1213は、真空外囲器1211の回転軸に直交した方向に互いに対向配置されている。
図12ないし図14で説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
なお、図1ないし図14に示したX線管装置において、陽極ターゲットおよび陰極電子銃(熱電子放出源)は、互いに対向配置されている。
次に、図1ないし図14に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。
図15及び図16に示すように、X線管装置1501は、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置に組み込まれ、対象物すなわち非検査対象に対して照射すべきX線を放射するものである。X線管装置1501は、ハウジング1503と、X線管本体(回転陽極型X線管)1505と、冷却器(クーラーユニット)7aとを有している。
X線管本体1505は、ハウジング1503に収容され、所定強度のX線を所定方向に向けて放射可能である。冷却器7aは、X線管本体1505の冷却液7を放熱及び循環させるものである。X線管本体1505と冷却器7aとは冷却液7の通路となるホース4により接続されている。X線管装置1501は、X線管本体(真空管)1505、ハウジング1503及び冷却液7を含んでいる。
X線管本体1505は、冷却液7を介してハウジング1503の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が所定の大きさ未満に管理された非油脂系冷却液(水系冷却媒体)である。なお、冷却液7としては、低電圧に対する絶縁性を確保し、かつ金属部品に対する腐食性を低減するために導電率が1mS/m以下に設定された冷却媒体が用いられる。冷却媒体は、主として、水またはグリコールが所定量混合された水系媒体である。なお、水系媒体において、水と混合されるグリコール類としては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等が利用可能である。
X線管本体1505は、真空外囲器1511と、陰極(熱電子放出源)1513と、回転陽極(陽極ターゲット,アノード)1515とを含んでいる。真空外囲器1511は、ハウジング1503内部に満たされた冷却液7に全周が概ね接触可能に、かつ、回転可能に設けられている。真空外囲器1511の内部は所定の真空度に保持されている。
陰極1513は、真空外囲器1511の内側に、真空外囲器1511と独立に設けられている。陽極ターゲット1515は、真空外囲器1511の内側に、真空外囲器1511と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット1515は、陰極1513から放出された電子が衝突されることによりX線を放射するものである。
陰極1513は真空外囲器1511の回転軸上に配置されている。すなわち、陰極1513は、陽極ターゲット1515と対向した位置から外れている。
陰極1513が配置される場所の近傍に、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bが配置されている。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、真空外囲器1511の外側でありハウジング内部である環状の設置スペースS1の所定位置に配置されている。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、真空外囲器1511(端部11c)を挟んで互いに対向している。
第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、偏向制御部として機能している。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、磁気的に電子ビームを偏向させるものである。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、電子ビームを偏向させる磁場Hをつくり出す。
ここで、真空外囲器1511の回転軸に沿った方向を第1方向d1、第1方向に直交した方向を第2及び第3方向d2、d3、第1、第2及び第3方向に直交した方向を第4及び第5方向d4、d5とする。
この実施の形態において、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、第2及び第3方向d2、d3に対向している。磁場Hは、第1磁気偏向コイル8aから第2磁気偏向コイル8bに向った第3方向d3に形成される。
陰極1513から放出される熱電子は、陰極1513と陽極ターゲット1515間の電場により加速集束されるとともに、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bがつくり出す磁場Hの影響を受ける。これにより、熱電子は、回転軸から回転軸に垂直な方向(径方向)に離れた位置に配置されている陽極ターゲット1515に衝突される。この実施の形態において、図示しないが、熱電子は、磁場Hにより第4方向d4に曲げられ、陽極ターゲット1515に衝突される。
なお、真空外囲器1511は、ハウジング1503の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
また、真空外囲器1511は、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材1573a、1573bにより保持されている。ベアリング部材1573a、1573bは、陽極ターゲット1515を保持した側の一端部に設けられたロータ1569aの内周面と、ハウジング1503の所定の位置に設けられた円筒状の電気絶縁体からなる固定部72の外周面との間の所定位置に設けられている。真空外囲器1511の荷重は、ベアリング部材1573a、1573bにより支承されている。
ロータ1569aの外周面には、真空外囲器1511を回転させるための推進力(磁力)を受ける複数の永久磁石1569bが設けられている。
ロータ1569aの周囲に設けられた永久磁石1569bと実質的に同軸状(同心状)となるハウジング1503の所定の位置には、ステータ71が設けられている。ステータ71は、永久磁石1569bに対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものである。ステータ71は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されているコイル体である。
このようなX線管装置1501においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器1511が所定の速度で回転され、真空外囲器1511の内側に設けられた陽極ターゲット15が所定の速度で回転される。この状態で陰極1513から放射された電子が陽極ターゲット1515に衝突されることで、陽極ターゲット1515からX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器1511の円筒状部の所定の位置に規定された窓部1511b及びハウジング1503の円筒状部の所定の位置に規定された窓部1503a(図示せず)から外部へ放射される。
磁性流体真空シール部材53は、陰極1513を保持した側のハウジング1503の所定の位置に設けられた円筒状の固定部51の内周面に設けられている。ベアリング部材55は、固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。
なお、円筒状の固定部51は、フランジとしての突出部52に固定されている。突出部52は電気絶縁体からなる支持部材57を介してハウジング1503の外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に固定されている。ベアリング部材55は、真空外囲器1511の荷重を支承するためではなく、真空外囲器1511と固定部51の同軸的な位置決めを行うための機能を有する。
陰極1513は、円筒状の絶縁体からなる陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面と、真空外囲器保持部59の円筒部分の内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極1513は、真空外囲器1511の内側の所定の位置に固定されている。
なお、陰極1513が取り付けられている陰極保持体13aには、ハウジング3の外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられている。陰極保持体13aは、ハウジング1503の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極1513への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
固定部材63はバネ性を有するベローズ形状を有する。このため、真空外囲器1511が回転される際の振動が陰極1513に伝達されることが低減される。固定部材63のバネ性により、陰極保持体13aと突出部52との僅かな組み立て誤差は吸収される。
なお、真空外囲器1511の外側の所定の領域とハウジング1503の内側の所定の領域との間の空間には、冷却液入り口5bを介して冷却液7が注入される。冷却液入り口5bは、例えば磁気偏向コイル8近傍に設けられている。冷却液7は、冷却液出口1505cからハウジング1503外部に排出される。冷却液出口1505cは、接地極9の近傍に設けられている。これにより、真空外囲器1511内に組み込まれた陽極ターゲット1515は冷却される。陽極ターゲット1515の近傍の窓部1511bを含む真空外囲器壁面は、陽極ターゲット1515に衝突した加速電子の一部である反跳電子の衝撃を受けて加熱される。しかし、真空外囲器壁面も冷却液7により冷却される。陽極ターゲット1515および真空外囲器1511は高速度で回転している。上記した回転動作は冷却率の増加に寄与する。
また、陰極1513及び陽極ターゲット1515は、真空外囲器1511の内側に設けられている。真空外囲器1511の内側は、磁性流体真空シール部材53により、所定の真空度に保持されている。磁性流体真空シール部材は、上記したように、例えば、神山による「潤滑」第30巻第8号pp75〜78に報告がある。
なお、ハウジング1503内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。熱交換器7bは、ファン7d及びラジエータ7eを有している。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口1505bと冷却液出口1505cとの間を循環される。これにより、陽極ターゲット1515および反跳電子の衝撃を受ける窓部1511bにおいて発生する熱は、冷却液7を介して、ハウジング1503の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、陽極ターゲット1515や窓部1511bのみならず、磁性流体真空シール部材53、ステータ71及び第1及び第2磁気偏向コイル8a、8bも併せて冷却可能である。各部の温度は許容温度以下に保持される。なお、冷却液7の流路は、ハウジング1503内部の形状を工夫することにより形成されている。
真空外囲器1511の端部11cは、真空外囲器1511の一端部に位置し、ハウジング1503の固定部51に近接している。端部11cは、固定部51の突出部52との間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供する。上記したことから、隙間5dは、冷却液7の真空外囲器1511の内側への入り込みを抑止する。流体磁性真空シール部材53への冷却液7の回り込みを抑止できるため、磁性流体真空シール部材53の性能(能力)の不所望な低下は抑止される。
この実施例においては、冷却媒体として、濡れ性が良い水または水にグリコールが混合された媒体を用いている。接触角を大きくするために、真空外囲器1511の端部11cおよびそれに対向する固定部51の表面に、樹脂等をコーティングすることが好ましい。また、ベアリング部材55は、内筒と外筒との間がシール材によりシールされているシール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく、冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
次に、図15に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図15により既に説明した構成と同じ構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図17及び図18に示すように、X線管装置1501は、ハウジング1503と、ハウジング1503に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)1505とを有する。図示しないが、X線管装置1501は、冷却器(クーラーユニット)7aも有している。
X線管本体1505は、冷却液7を介してハウジング1503の所定の位置に収容されている。冷却液7は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が所定の大きさ未満に管理された非油脂系冷却液(水系冷却媒体)である。
X線管本体1505は、真空外囲器1511と、陰極(熱電子放出源)1513と、回転陽極(陽極ターゲット,アノード)1515とを含んでいる。真空外囲器1511は、ハウジング1503内部に満たされた冷却液7に全周が概ね接触可能に、かつ、回転可能に設けられている。真空外囲器1511は、内部が所定の真空度に保持されている。
陰極1513は、真空外囲器1511の内側に、真空外囲器1511と独立に設けられている。陽極ターゲット1515は円環状に形成されている。陽極ターゲット1515は、真空外囲器1511の内側に、真空外囲器1511と一体的に回転可能に設けられている。陽極ターゲット1515は、陰極1513から放出された電子が衝突されることによりX線を放射するものである。
陰極1513は、真空外囲器1511の回転軸上に配置されている。すなわち、陰極1513は、陽極ターゲット1515と対向した位置から外れている。
陰極1513が配置される場所の近傍に、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bが配置されている。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、真空外囲器1511の外側でありハウジング1503内部である環状の設置スペースS1の所定位置に配置されている。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、真空外囲器1511(端部11c)を挟んで互いに対向している。
第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、偏向制御部として機能している。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、磁気的に電子ビームを偏向させるものである。第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、電子ビームを偏向させる磁場Hをつくり出す。
この実施の形態において、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bは、第4及び第5方向d4、d5に対向している。磁場Hは、第1磁気偏向コイル8aから第2磁気偏向コイル8bに向った第4方向d4に形成される。
陰極1513から放出される熱電子は、陰極1513と陽極ターゲット1515間の電場により加速集束されるとともに、第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bがつくり出す磁場Hの影響を受ける。これにより、熱電子は、回転軸から回転軸に垂直な方向(径方向)に離れた位置に配置されている陽極ターゲット1515に衝突される。この実施の形態において、図示しないが、熱電子は、磁場Hにより第2方向d2に曲げられ、陽極ターゲット1515に衝突される。
真空外囲器1511は、ハウジング1503の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。
真空外囲器1511は、ベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材1573a、1573bにより保持されている。
ベアリング部材1573aは、円筒状の先端部1511dの外周面と、固定部72の内周面との間の所定位置に設けられている。先端部1511dは、陽極ターゲット1515を保持した側の一端部に設けられている。固定部72は、ハウジング1503の所定の位置に設けられ、円筒状の電気絶縁体からなる。
磁性流体真空シール部材53は、円筒状の固定部51の外周面に設けられている。固定部51は、陰極1513を保持した側のハウジング1503の所定の位置に設けられている。
ベアリング部材1573bは、固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられている。
真空外囲器1511の荷重はベアリング部材1573a、1573bにより支承されている。真空外囲器1511は、ベアリング部材1573bが取り付けられる側の一端部に、端部11cを有している。端部11cの外周面には銅からなるロータ1569aが設けられている。
ロータ1569aの外周面には、複数の永久磁石1569bが設けられている。複数の永久磁石1569bは、真空外囲器1511を回転させるための推進力(磁力)を受けるものである。
ハウジング1503の所定の位置には、ステータ71が設けられている。ハウジング1503は、永久磁石1569bと実質的に同軸状(同心状)となる。ステータ71は、永久磁石1569bに対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供する。ステータ71は、外部から回転を制御可能に電磁石として形成されているコイル体である。
このようなX線管装置1501においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器1511が所定の速度で回転され、真空外囲器1511の内側に設けられた陽極ターゲット1515が所定の速度で回転される。この状態で陰極1513から放射された電子が陽極ターゲット1515に衝突されることで、陽極ターゲット1515からX線が出力される。出力されたX線は、窓部1511b及び窓部1503aから外部へ放射される。窓部1511bは、真空外囲器1511の側面部の所定の位置に規定されている。窓部1503aは、ハウジング1503の側面部の所定の位置に規定されている。窓部1511bおよび窓部1503aは、真空外囲器1511の回転軸に沿った方向に陽極ターゲット1515と対向して位置している。
なお、円筒状の固定部51は、フランジとしての突出部52に固定されている。突出部52は、電気絶縁体からなる支持部材57を介してハウジング1503の外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に固定されている。ベアリング部材1573bは、真空外囲器1511の荷重の一部を支承する。ベアリング部材1573bは、真空外囲器1511及び固定部51の同軸的な位置決めを行うための機能も有する。
陰極1513は、円筒状の絶縁体からなる陰極保持体13aを有している。陰極保持体13aの外周面と、真空外囲器保持部59の円筒部分の内側の所定の領域とは、シール部材61を介して固定される。上記したことから、陰極1513は、真空外囲器1511の内側の所定の位置に固定されている。
固定部材63はバネ性を有するベローズ形状を有する。このため、真空外囲器1511が回転される際の振動が陰極1513に伝達されることが低減される。固定部材63のバネ性により、陰極保持体13aと突出部52との僅かな組み立て誤差は吸収される。
なお、真空外囲器1511の外側の所定の領域と、ハウジング1503の内側の所定の領域との空間には、冷却液入り口1505bを介して冷却液7が注入される。冷却液入り口1505bは、例えば第1及び第2磁気偏向コイル8a、8b近傍に設けられている。冷却液7は、冷却液出口1505cからハウジング1503外部に排出される。冷却液出口1505cは、例えば接地極9の近傍に設けられている。これにより、真空外囲器1511内に組み込まれた陽極ターゲット1515は冷却される。
陽極ターゲット1515の近傍の窓部1511bを含む真空外囲器壁面は、陽極ターゲット1515に衝突した加速電子の一部である反跳電子の衝撃を受けて加熱される。しかし、真空外囲器壁面も冷却液7により冷却される。陽極ターゲット1515および真空外囲器1511は高速度で回転している。上記した回転動作は冷却率の増加に寄与する。
また、陰極1513及び陽極ターゲット1515は、真空外囲器1511の内側に設けられている。真空外囲器1511の内側は、磁性流体真空シール部材53により、所定の真空度に保持されている。
なお、ハウジング1503内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却される。冷却液7は、ポンプ7cにより、冷却液入り口1505bと冷却液出口1505cとの間を循環される。これにより、陽極ターゲット1515および反跳電子の衝撃を受ける窓部1511bにおいて発生する熱は、冷却液7を介して、ハウジング1503の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、陽極ターゲット1515や窓部1511bのみならず、磁性流体真空シール53、ステータ71及び第1及び第2磁気偏向コイル8a、8bも併せて冷却可能である。各部の温度は許容温度以下に保持される。なお、冷却液7の流路は、ハウジング1503内部の形状を工夫することにより形成されている。
端部11c及びロータ1569aは、突出部52に近接している。端部11c及びロータ1569aは、突出部52との間に僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供する。上記したことから、隙間5dは、冷却液7の真空外囲器1511の内側への入り込みを抑止する。流体磁性真空シール53への冷却液7の回り込みを抑止できるため、磁性流体真空シール部材53の性能(能力)の不所望な低下は抑止される。
この実施例においては、冷却媒体として、濡れ性が良い水または水にグリコールが混合された媒体を用いている。接触角を大きくするために、真空外囲器1511の端部11cおよびそれに対向する突出部52の表面に、樹脂等をコーティングすることが好ましい。また、ベアリング部材1573bは、内筒と外筒との間がシール材によりシールされているシール型である。これにより、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく、冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
次に、図15及び図17に示したX線管装置のさらに別の実施の形態を示す。なお、図17により既に説明した構成と同じ構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図19に示すように、X線管装置1501は、ハウジング1503と、ハウジング1503に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)1505とを有する。図示しないが、X線管装置1501は、冷却器(クーラーユニット)7aも有している。
この実施の形態において、X線管装置1501は、上記第1磁気偏向コイル8a及び第2磁気偏向コイル8bを有していない。陰極1513が配置される場所の近傍に、正の偏向電極としての第1偏向電極8c及び負の偏向電極としての第2偏向電極8dが配置されている。第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dに与えられる電圧において、第1偏向電極8cには相対的に正の電圧が与えられ、第2偏向電極8dには相対的に負の電圧が与えられる。
第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、真空外囲器1511内部に配置され、互いに間隔を置いて対向している。第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、それぞれ電気絶縁部材を介して陰極1513に固定されている。
第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、偏向制御部として機能している。第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、電気的に電子ビームを偏向させるものである。第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、電子ビームを偏向させる電場Eをつくり出す。
この実施の形態において、第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dは、第2方向d2(第3方向d3)に対向している。電場Eは、第1偏向電極8cから第2偏向電極8dに向った第3方向d3に形成される。
陰極1513から放出される熱電子は、陰極1513と陽極ターゲット1515間の電場により加速集束されるとともに、第1偏向電極8c及び第2偏向電極8dがつくり出す電場Eの影響を受ける。なお、第1偏向電極8c及び第2偏向電極8d間の電位差は、陰極1513及び陽極ターゲット1515間の電位差に比べて十分に小さい。
これにより、熱電子は、回転軸から回転軸に垂直な方向(径方向)に離れた位置に配置されている陽極ターゲット1515に衝突される。この実施の形態において、熱電子は、電場Eにより第2方向d2に曲げられ、陽極ターゲット1515に衝突される。
以上説明したように、この発明の一実施の形態をX線管装置に適用することで、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、この発明によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
なお、本発明は、上述のいずれかの実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記のいずれかの実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
冷却媒体7は、水系に限らず、絶縁油を使用したり、空気等のガス体を使用することも可能である。ベアリング部材は、ボールベアリングやロールベアリング等の転がり軸受け以外にすべり軸受けや磁気軸受けを使用することも可能である。固定部51は、電気絶縁部材を介してハウジングに直接固定されている。しかし、弾性部材、制振部材又は吸収部材が、電気絶縁部材及びハウジング間、又は電気絶縁部材及び固定部51間に配置されていても良い。これにより、回転部の回転に伴うX線管装置の振動をより低減させることも可能である。
この発明は、X線CT装置及びX線診断装置に使用される回転陽極型X線管装置に限定されるものではなく、全ての回転陽極型X線管装置に適用することができる。
この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を示す概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を示す概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を示す概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を示す概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置の冷却媒体の充填方法の一例を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 図15の線A−Aに沿った上記回転陽極型X線管装置の拡大断面図であり、特に第1及び第2磁気偏向コイルを示す図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。 図17の線B−Bに沿った上記回転陽極型X線管装置の拡大断面図であり、特に第1及び第2磁気偏向コイルを示す図。 この発明の一実施形態に係る回転陽極型X線管装置を説明する概略図。
符号の説明
1,101,501,601,801,901,1001,1101,1201,1501…X線管装置、3,103,503,603,803,903,1103,1203,1503…ハウジング、5,105,505,605,805,905,1105,1205,1505…X線管本体、3a,103a,503a,603a,803a,1203a,1503a…(X線管本体の)窓部、5b,105b,505b,605b,805b,1505b…(X線管本体の)冷却液入り口、5c,105c,505c,605c,805c,1505c…(X線管本体の)冷却液出口、5d,105d…(X線管本体の)濡れ性の低い隙間、7…冷却液(水系冷却媒体)、7a…冷却器(クーラーユニット)、7b…熱交換器、7c…(クーラーユニットの)ポンプ、8a…第1磁気偏向コイル、8b…第2磁気偏向コイル、8c…第1偏向電極、8d…第2偏向電極、9…接地極、11,111,511,611,811,911,1111,1211,1511…真空外囲器(真空容器)、11a,111a,611a,811a…(真空外囲器の)軸受け部、11b,111b,511b,611b,811b,911b,1111b,1211b,1511b…(真空外囲器の)窓部、11c,111c…(真空外囲器の)端部、111d,611d…(真空外囲器の)先端部、111e…(真空外囲器の)濡れ性低減フランジ、13,513,613,813,1113,1213,1513…電子銃(陰極電子銃)、13a,…陰極保持体、15,515,615,815,1215,1515…回転陽極(陽極ターゲット)、51…(円筒状の)固定部、51a…(円筒状の固定部の)接続構体、53,853,991…磁性流体真空シール部材、55,773,855,887,993…ころがり軸受け(ベアリング)、57…支持部材、59…真空外囲器保持部、59a…(真空外囲器保持部の)円筒部分、61…シール部材、65…溶接部、63…固定部材、67…接続部(高電圧供給端子)、1569a…ロータ、69,169,1569b…永久磁石、71…ステータ、151…(円筒状の)固定部、151b…(円筒状の固定部の)端部、163…固定部材、171…ステータコイル、875…(外部から真空外囲器811内部に挿入された円筒状の)固定部、877…支持部材、879…(高電圧給電用)レセプタクル、881…シール部材、883…蓋部材、885…スペーサ、989…第2の円筒状の固定部、1095…第2のステータコイル、1197…回転機溝、1199…通電ゲッタ。

Claims (26)

  1. 回転可能な、陽極ターゲットと一体化された真空外囲器と、
    少なくとも前記真空外囲器を収納し、回転可能に保持するハウジングと、
    少なくとも前記真空外囲器の陽極ターゲットに近接して冷却媒体が循環する循環路と、
    前記真空外囲器内に収納配置された陰極と、
    前記陰極を支持する陰極支持体と、
    前記真空外囲器とハウジングまたはハウジングに固定された固定体との間に設けられた軸受機構および真空シール機構と、
    前記真空外囲器を回転させるための回転駆動装置と、
    を有することを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  2. 前記真空シール機構は、磁性流体真空シール部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  3. 前記冷却媒体は、熱交換器を通り、循環ポンプにより前記ハウジングと前記真空外囲器との間を循環されることを特徴とする請求項1または2に記載の回転陽極型X線管装置。
  4. 前記冷却媒体は、飽和状態で溶解された不活性気体を予め含んでいるとともに、前記ハウジングと前記真空外囲器との間において、不活性気体と接触されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  5. 前記冷却媒体は、主要な成分が水である系冷却媒体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  6. 前記水系冷却媒体の導電率は、1mS/m以下であることを特徴とする請求項5に記載の回転陽極型X線管装置。
  7. 前記真空外囲器若しくは前記真空外囲器に一体的に設けられる部材、並びに前記ハウジング若しくはハウジングに一体的に設けられる部材は、これらの間に、前記真空外囲器と前記ハウジングとの間を循環される前記冷却媒体が前記真空外囲器内側に入り込むことを抑止可能に、濡れ性が抑制された狭い隙間を形成していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  8. 前記陰極支持体と前記真空外囲器との間に設けられた振動吸収機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  9. 前記陰極支持体と前記真空外囲器との間に設けられた中間回転円筒と、
    前記陰極支持体及び前記中間円筒の間、並びに前記中間円筒及び前記真空外囲器の間にそれぞれ設けられた第2軸受機構および第2真空シール機構と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  10. 前記中間円筒を回転させるための回転駆動装置をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の回転陽極型X線管装置。
  11. 前記回転駆動装置は、ステータであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  12. 前記真空外囲器および/または前記中間円筒を回転させるための回転駆動装置は、回転磁界を発生するステータであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の回転陽極型X線管装置。
  13. 着脱自在の配管ジョイントと、
    前記配管ジョイントを介して前記ハウジングと接続され、前記冷却媒体が循環するホースと、をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  14. 前記真空外囲器内に設けられ、かつ、不純物ガスを吸着するゲッターをさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  15. 前記真空外囲器内に設けられ、かつ、不純物ガスを吸着するゲッターと、
    前記真空外囲器内に設けられ、かつ、前記ゲッターを加熱する加熱装置と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の回転陽極型X線管装置。
  16. 前記真空外囲器およびハウジングは、前記回転軸に直交した方向に前記陽極ターゲットと対向して位置し、X線を透過させる窓部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  17. 前記真空外囲器およびハウジングは、前記回転軸に沿った方向に前記陽極ターゲットと対向して位置し、X線を透過させる窓部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  18. 前記陰極から放出される電子を偏向させる偏向制御部をさらに備えている請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  19. 電子が衝突することでX線を発生する陽極ターゲットと、
    電子を放出する電子放出源と、
    前記陽極ターゲットおよび前記電子放出源を所定の減圧下で保持する真空容器と、
    前記真空容器を収容し、前記真空容器との間に冷却液を循環可能に密閉するハウジングと、
    前記ハウジングに前記電子放出源を固定する支持部材と、
    前記真空容器を前記ハウジング内で回転可能に保持する保持部材と、
    前記支持部材と前記保持部材との間に位置され、前記真空容器内の真空を維持しながら前記真空容器の前記ハウジング内での回転を可能とする流体シール部材と、
    を有することを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  20. 前記流体シール部材は、磁性流体真空シール部材を含むことを特徴とする請求項19に記載の回転陽極型X線管装置。
  21. 前記真空容器若しくは前記真空容器に一体的に設けられる部材、並びに前記ハウジング若しくはハウジングに一体的に設けられる部材は、これらの間に、前記真空容器と前記ハウジングとの間を循環される前記冷却液が前記真空容器内側に入り込むことを抑止可能に、濡れ性が抑制された狭い隙間を形成していることを特徴とする請求項19または20に記載の回転陽極型X線管装置。
  22. 前記冷却液は、主要な成分が水である水系冷却媒体であることを特徴とする請求項19または20に記載の回転陽極型X線管装置。
  23. 前記水系冷却媒体の導電率は、1mS/m以下であることを特徴とする請求項22に記載の回転陽極型X線管装置。
  24. 前記真空外囲器およびハウジングは、前記回転軸に直交した方向に前記陽極ターゲットと対向して位置し、X線を透過させる窓部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項19に記載の回転陽極型X線管装置。
  25. 前記真空外囲器およびハウジングは、前記回転軸に沿った方向に前記陽極ターゲットと対向して位置し、X線を透過させる窓部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項19に記載の回転陽極型X線管装置。
  26. 前記陰極から放出される電子を偏向させる偏向制御部をさらに備えている請求項19に記載の回転陽極型X線管装置。
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