JP2008101134A - 光半導体封止用樹脂組成物 - Google Patents

光半導体封止用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)に優れ、かつ、硬化物の非ボイド性や耐湿信頼性に関しても充分に満足する、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 下記の(A)、(B)成分からなる光半導体封止用樹脂組成物であって、該組成物中のヘミアセタール基/エポキシ基の当量比N/Nが0.2〜2.0である光半導体封止用樹脂組成物
(A)1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)との付加反応により得られる硬化剤
(B)シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)からなり、前記の(b1)成分と(b2)成分との重量比b1/b2が50/50〜90/10である主剤
【選択図】 なし

Description

本発明は、LED、フォトトランジスタ、フォトダイオード、CCD等の光半導体素子を封止するために用いられる樹脂組成物に関する。
発光波長が250nm〜550nmの青色発光あるいは紫外線発光の発光ダイオード(以下「LED」と称す)に関しては、近年、GaN、GaAlN、InGaNおよびInAlGaN等のGaN系化合物半導体を利用した高輝度の製品が得られるようになり、赤色、緑色発光LEDと組み合わせることで高画質なフルカラー画像が形成可能となった。また、青色発光LEDや紫外線発光LEDと蛍光体の組み合わせにより、白色発光のLEDも得られ、液晶ディスプレイのバックライトや一般照明用として需要の高まりが期待されている。
従来、LED、受光素子等の光半導体の樹脂封止材料としては、透明性、密着性、電気絶縁性、耐熱性等に優れる点からエポキシ樹脂組成物が多く使用されている。エポキシ樹脂の硬化剤としては、カルボン酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が挙げられ、透明性や成形性の観点からカルボン酸無水物系硬化剤が多く使用されている。
しかしながら、硬化剤としてカルボン酸無水物を使用した場合、以下のような問題がある。
(1)エポキシ樹脂との反応性が高いため、樹脂組成物の貯蔵安定性が悪い。
(2)硬化過程においてエポキシ基とカルボキシル基との反応によりヒドロキシル基が生成するため、硬化物の耐湿性が悪い。
(3)硬化の前工程である真空脱泡工程において、カルボン酸無水物が揮発し、エポキシ樹脂組成物の組成比を一定に保つことが困難である。
これらの問題を解決する手法として、特許文献1、2では、ヘミアセタールエステル誘導体(ビニルエーテル化合物によりカルボキシル基が熱潜在化されたカルボン酸誘導体)を含有する光半導体封止用樹脂組成物が提案されている。しかしながら、これらの光半導体封止用樹脂組成物は、確かに、硬化物の耐湿性や樹脂組成物の保存安定性、LED成形時の作業性には優れた効果を発揮するものの、硬化物の着色、耐候性、耐光性、耐熱性、光透過性の面では未だ不十分であり、さらに改良が求められている。すなわち、最近では、LEDの高輝度化が進んでいることから、光半導体封止用樹脂組成物は、より高温や高いエネルギーの光に曝されることとなり、それによって硬化物に着色(黄変)が生じるなど低波長領域の光に対する耐光性が低く、長時間の無色透明性の維持が困難となってきている。エポキシ変性シリコーン樹脂を使用する手法も検討されているが、ガラス転移温度(以下Tgと称す)で代表される耐熱性が低く、通電による発熱により硬化物が軟化すると言う課題を有している。すなわち、硬化物の耐熱性向上が強く求められている。また、ヘミアセタールエステル誘導体を含有する光半導体封止用樹脂組成物は、硬化時にビニルエーテルが分解・揮発し、それによって、硬化物に発泡が生じることがある。特に、砲弾型LEDの用途のような、厚膜成形される場合には顕著な欠点となりうる。
特開2004−292706号公報 特開2003−277483号公報
本発明は、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)に優れ、かつ、硬化物の非ボイド性や耐湿信頼性に関しても充分に満足する、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)との付加反応により得られる硬化剤と、シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)とを特定割合で混合した主剤とを組み合わせて用いることによって、これを硬化して得られる硬化物が、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域での耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)に優れ、かつ、非ボイド性や耐湿信頼性に関しても充分に満足する、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕である。
〔1〕 下記の(A)、(B)成分からなる光半導体封止用樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のヘミアセタール基/エポキシ基の当量比N/Nが0.2〜2.0である光半導体封止用樹脂組成物
(A)下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物である硬化剤
硬化剤

(ここで、R〜Rは独立に水素原子もしくは炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、またはエトキシ基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはシクロヘキシル基である。)
(B)シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)からなり、前記の(b1)成分と(b2)成分との重量比b1/b2が50/50〜90/10である主剤
本発明によって、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)に優れ、かつ、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の非ボイド性や耐湿信頼性に関しても充分に満足する、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、下記の(A)、(B)成分からなる。
(A)ヘミアセタールエステル化合物である硬化剤
(B)シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)からなる主剤
(A)(B)両成分について順に説明する。
<硬化剤(A)>
本発明の光半導体封止用樹脂組成物に用いる硬化剤(A)は、下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物である。
(ここで、R〜Rは独立に水素原子もしくは炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、またはエトキシ基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはシクロヘキシル基である。)
本発明の光半導体封止用樹脂組成物に用いる硬化剤(A)は、下記の式(2)で表される1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と下記の式(3)で表される2,3−ジヒドロフラン(a2)との付加反応により得られる。
(ここで、R〜Rは式(1)におけるものと同じである。)
(ここで、R、Rは式(1)におけるものと同じである。)
前記の式(1)および式(2)において、R〜Rは独立に水素原子もしくは炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基、好ましくは水素原子である。R〜Rの炭素数が3を上回り嵩高くなると、カルボキシル基との付加反応が進行しにくくなるとともに、得られるへミアセタールエステル化合物の解離温度の再現性も悪くなる。
具体的には、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)としては、式(2)においてR〜Rの全てが水素原子となる1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、および全てがメチル基となる1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸が好ましく挙げられる。
また、前記の式(1)および式(3)において、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、またはエトキシ基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはシクロヘキシル基である。Rの炭素数が6を上回ったりRの炭素数が10を上回ったりして嵩高くなると、カルボキシル基との付加反応が進行しにくくなるとともに、得られるへミアセタールエステル化合物の解離温度の再現性も悪くなる。
具体的には、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)のとしては、式(2)においてR〜Rの全てが水素原子となる1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、および全てがメチル基となる1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸が好ましく挙げられる。
2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)としては、具体的には、2,3−ジヒドロフラン、5−メチル−2,3−ジヒドロフラン、5−フェニル−2,3−ジヒドロフラン、5−メトキシ−2,3−ジヒドロフラン、2−メチル−2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジメチル−2,3−ジヒドロフラン、2−メトキシ−2,3−ジヒドロフラン等が挙げられる。
前記の2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)の中でも、式(2)においてR=R=水素原子となる2,3−ジヒドロフラン、およびR=R=水素原子となる5−メチル−2,3−ジヒドロフランが入手性およびカルボキシル基との反応性の点から好ましく挙げられる。
前記の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と前記の2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)から硬化剤(A)を得る反応は、化合物(a1)のカルボキシル基を化合物(a2)の不飽和基に等モルで反応させる付加反応であり、等モルから不飽和基が過剰となる仕込み条件下で反応を行う。具体的には、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜3モルの比になるように1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と、2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)を混合して反応させる。好ましくは、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜1.5モル、さらに好ましくは、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜1.2モルである。カルボキシル基/不飽和基=1モル/3モル以上であると、過剰な2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)成分が残存することになり、反応後に減圧蒸留するとしても、コスト的に好ましくない。カルボキシル基/不飽和基=1モル/1モル未満であると、硬化剤(A)の酸価が高くなり、本発明の光半導体封止用樹脂組成物の保存安定性が低下するので好ましくない。
また、反応温度は、通常、室温ないし200℃の範囲の温度であればよく、好ましくは50〜150℃である。また、この反応の反応時間は、反応進行状況に応じて適宜選定すればよいが、通常1〜100時間でよい。この際、反応を促進させる目的で酸触媒を使用することができる。そのような触媒としては、例えば、式(4)で表される酸性リン酸エステル化合物が挙げられる。
ここで、Rは炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、pは1または2である。
前記の酸性リン酸エステル化合物としては、より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといった第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
また、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶媒も使用することができる。そのような有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸3−メトキシブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トリメチルホスフェート等のリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体が挙げられる。より好ましくは、メチルエチルケトンが挙げられる。
有機溶剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの溶媒量としては、特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常、5〜95重量部、好ましくは20〜80重量部である。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、硬化剤(A)を30〜45重量%、好ましくは35〜52重量%含有する。35重量%未満であると、硬化性が不十分となり、耐熱性が低下するので好ましくない。45重量%を上回ると、硬化物中に未反応のカルボキシル基が多く存在することとなり、硬化物の耐クラック性が低下するので好ましくない。
<主剤(B)>
また、本発明の光半導体封止用樹脂組成物において使用する主剤(B)としては、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)との混合物が使用される。
<シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)>
シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添化物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添化物、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の核水添化物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の核水添化物、ビフェニル型エポキシ樹脂の核水添化物、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂の核水添化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂、ヘキサヒドロ無水フタル酸のジグリシジルエステル等の多塩基酸のポリグリシジルエステル等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添化物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの脂環式エポキシ樹脂が、硬化物のTg(℃)が高く、かつ、基材との密着性に優れるのでより好ましい。
これらのエポキシ樹脂は単独でまたは二種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
<エポキシ変性シリコーン樹脂(b2)>
本発明に用いるエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)の構造は、次式(5)で表される。
(式中のRは、互いに同一または相異なる式(6)〜(8)のいずれかで表される炭素数4〜16のエポキシ基含有基であり、m、nはm≧0、n≧0,好ましくは0≦m+n≦20、さらに好ましくは2≦m+n≦10を満たす整数である。)
(Rは炭素数1〜13の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。)
(R10は炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。)
(R11は炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基である。)
前記の式(5)において、エポキシ基含有基Rの炭素数は4〜16、好ましくは4〜8であり、ポリシロキサン部分の繰り返し単位m、nはいずれも0以上であり、繰り返し単位数の合計m+nは、好ましくは0〜20、さらに好ましくは2〜10の整数である。炭素数が4未満であったり、繰り返し単位数の合計が大きすぎるとエポキシ樹脂(b1)や硬化剤(A)との相溶性が悪くなり、樹脂組成物中に均一に混合することができなくなる。
硬化特性の観点からエポキシ当量が150〜540g/molの範囲であることが好ましく、特に、好ましくは170〜210g/molである。具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−ジシロキサン(式(4)中、R=プロピル基、n=0)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(オキシラニルメトキシエチル)−ジシロキサン(式(4)中、R=エチル基、n=0)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−トリシロキサン(式(4)中、R=プロピル基、n=1)、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−テトラシロキサン(式(4)中、R=プロピル基、n=2)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−ジシロキサン(式(5)中、R=メチル基、n=0)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルエチル)−ジシロキサン(式(5)中、R=エチル基、n=0)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルプロピル)−ジシロキサン(式(5)中、R=プロピル基、n=0)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−トリシロキサン(式(5)中、R=メチル基、n=1)等が挙げられる。
これらの中では、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−ジシロキサンおよび1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルプロピル)−ジシロキサンが好ましく挙げられ、これらの構造式はそれぞれ次式(9)および(10)で表される。
本発明に用いるエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)は、単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上を適宜混合して使用することもできる。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物において使用する主剤(B)は、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)とを、b1/b2=50/50〜90/10(重量比)、好ましくは、70/30〜85/15の範囲で混合して使用する。(b1)が上記混合比率より過大になると、硬化物の光(低波長領域)に対する耐光性が悪くなる。また、(b1)が上記混合比率より過小になると、Tgに代表される硬化物の耐熱性が低くなり、通電による発熱で硬化物が軟化したり、硬化物の表面にタック性が生じたりする。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、主剤(B)を70〜45重量%、好ましくは64〜48重量%含有する。45重量%未満であると、硬化物中に未反応のカルボキシル基が多く存在することとなり、硬化物の耐クラック性が低下する。70重量%を上回ると、硬化性が不十分となり、耐熱性が低下する。
<(A)、(B)成分の配合割合>
シクロブタン環は、シクロヘキサン環やシクロペンタン環と比較して、イス型、フネ型のコンフォメーションを取れないので、熱による分子運動が制御される。すなわち、ガラス転移温度で代表される耐熱性が高い。一方、ブロック剤である2,3−ジヒドロフランは、カルボキシル基とエポキシ基との反応において生成する2−ヒドロキシエチルエステル構造に対して反応し、アセタール構造を形成する。アセタール付加は、従来のアルキルビニルエーテルにおいてもある程度進行するが、2,3−ジヒドロフランの場合には、反応自体が非常に早く、ほぼ定量的に進行する。アセタール構造の導入効果により、硬化物の耐熱性はさらに向上することとなる。フラン環構造自体の影響もさることながら、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸化合物の場合には、エポキシ樹脂との架橋間分子量が小さくなるので、架橋構造上、フラン環同士の立体障害により分子運動がさらに抑制されることになる。したがって、本発明においては、上記の2つの構造因子を合わせ持つ硬化剤(A)を使用することにより、主剤(B)の骨格であるシクロヘキサン環の分子運動やシリコーン樹脂由来の柔軟性を相殺してなお、高Tgの3次元架橋構造をとることが可能となるものと推測できる。また、アセタール付加により、2,3−ジヒドロフランは系外に揮散することがないので、硬化物に発泡が生じることはなく、砲弾型LEDの用途のような、厚膜成形される場合に対しても適用が可能となる。
本発明において、ヘミアセタールエステル基は加熱によってカルボキシル基を再生し、再生したカルボキシル基がエポキシ基と反応し硬化物を生成するので、ヘミアセタールエステル基のモル当量Nは、再生するカルボキシル基のモル当量の合計に等しく、N/Nなる比率は酸−エポキシ反応における酸−エポキシ当量比と同様、硬化剤/主剤の配合を決定するするモル当量比である。
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、(A)、(B)両成分の配合割合は、(A)成分のヘミアセタールエステル基のモル当量Nと(B)成分のエポキシ基のモル当量の合計Nとの比率N/Nが0.2〜2.0、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.8〜1.1になるように調整される。
本発明において、ヘミアセタールエステル基は加熱によってカルボキシル基を再生し、再生したカルボキシル基がエポキシ基と反応し硬化物を生成するので、ヘミアセタールエステル基のモル当量Nは、再生するカルボキシル基のモル当量に等しく、N/Nは酸−エポキシ反応における酸−エポキシ当量比と同じく、硬化剤/主剤の配合を決定するするモル当量比である。
前記の比率N/Nが0.2未満であると、硬化性が不十分となり耐熱性が低下する。2.0を上回ると、硬化物の耐クラック性が低下する。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際に、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能および物理性能を付与する目的で、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性酸触媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。熱潜在性酸触媒としては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、およびオニウム化合物類が好ましく挙げられる。
該プロトン酸をルイス酸で中和した化合物としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノおよびジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノおよびジエステル類、等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロへキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエチノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミンもしくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物などが挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えばBF、FeCl、SnCl、AlCl、ZnClなどのルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物も挙げられる。
該スルホン酸エステル類としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類とn−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ルなどの第一級アルコール類またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノールなどの第二級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ‐ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。
該リン酸エステル類としては、例えば前記式(4)で表される化合物が挙げられる。
具体的には例えば、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル等の第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
該オニウム化合物としては、例えば一般式(11)〜(14)で表される化合物などが挙げられる。
[R12 NR13 ・・・・・ (11)
[R14 PR15 ・・・・・ (12)
[R16 OR17 ・・・・・ (13)
[R18 SR19 ・・・・・ (14)
前記の式(11)〜(14)中のR12、R14、R16、R18は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基またはシクロアルキル基であって、2個のR12、R14、R16、R18は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、R13、R15、R17、R19は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、XはSbF 、AsF 、PF またはBF である。
前記の熱潜在性酸触媒は、単独でも、2種以上を組み合わせてもよく、またその添加量は本発明の光半導体封止用樹脂組成物の総固形分量100重量部あたり、通常0.01〜10重量部の範囲で選ばれる。熱潜在性酸触媒の量が0.01重量部未満では触媒効果が十分に発揮されないし、10重量部を超える場合には、最終的に得られる硬化物が着色したり、耐水性が低下したりすることがあり好ましくない。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物に対して、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、可とう性付与剤、酸化防止剤、可そ剤、滑剤、シラン系カップリング剤、無機充填材、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レべリング剤、イオントラップ剤、各種ゴム、有機ポリマービーズ、ガラスビーズ、グラスファイバー、耐衝撃性改良剤、揺変性付与剤、界面活性剤、表面張力低下剤、消泡剤、沈降防止剤、光拡散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、離型剤、蛍光剤、導電性充填材、チクソトロピー性付与剤、反応性希釈剤、分散安定剤、エラストマー等の添加剤を配合して使用することができる。
硬化剤(A)と主剤(B)の反応方法(硬化方法)には特に制限はなく、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置をいずれも採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。硬化温度および硬化時間は、80〜250℃で30秒〜10時間の範囲が好ましい。硬化物の内部応力を低減したい場合は、80〜120℃、0.5時間〜5時間の条件で前硬化した後、120〜180℃、0.1時間〜5時間の条件で後硬化することが好ましい。短時間硬化を目的とする場合は150〜250℃、30秒〜30分の条件で硬化することが好ましい。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物の調製は、例えば以下のようにして行うことができる。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物の構成成分ならびに必要に応じて他の添加剤を混合した後、万能攪拌釜等の混練機にかけ、加熱状態で混練して溶融混合する。次に、これを室温(25℃程度)にて冷却することにより、目的とする光半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。なお、流動性を調製するため有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、もしくは2種以上を組みあわせて用いてもよい。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、例えば、円筒状のLEDにロールコート、スプレイ、ディップ(浸漬法)等の方法により塗布し、得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じてプリベークした後、加熱することにより封止材層が形成される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これらに制限されない。なお、例中の酸価はJIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
また、製品名「エピコートYX−8000」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添物、製品名「エピコートYL−6753」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添物、製品名「セロキサイド2021P」は、ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂、製品名「TSL−9906」は、GE東芝シリコーン(株)製のエポキシ変性シリコーン樹脂、製品名「AP−8」は、大八化学工業(株)製のモノ−2−エチルへキシルホスフェートとジ−2−エチルへキシルホスフェートの混合物をそれぞれ示す。
製造例1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の製造
窒素雰囲気下、無水マレイン酸30.00gと炭酸ジエチル300.0gをフラスコ中に加えた後、光環化反応を反応温度5℃で33時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後に反応液中に生成析出している1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物をろ紙で濾過後、減圧乾燥(50℃、10mmHg)して完全に溶媒を除いた。得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の収量は23.51gであった(収率78.4%、純度99.1%)。
製造例2;1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の製造
窒素雰囲気下、2,3−ジメチル無水マレイン酸30.00gと炭酸ジエチル300.0gをフラスコ中に加えた後、光環化反応を反応温度5℃で33時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後に反応液中に生成析出している1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物をろ紙で濾過後、減圧乾燥(50℃、10mmHg)して完全に溶媒を除いた。得られた1,2,3,4−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の収量は13.51gであった(収率45.0%、純度98.7%)。
製造例4;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸(A−1)の製造
製造例1で得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物20.0g、脱イオン水36.7g、テトラヒドロフラン300.0gをフラスコ中に加え、反応温度95℃で5時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後、ヘキサン/テトラヒドロフラン混合液を用い、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸を再結晶させることにより目的物を得た。得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の収量は18.16gであった(収率90.8%、純度99.0%)。
製造例4;1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸(A−2)の製造
製造例2で得られた1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物20.0g、脱イオン水36.7g、テトラヒドロフラン300.0gをフラスコ中に加え、反応温度95℃で5時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後、ヘキサン/テトラヒドロフラン混合液を用い、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸を再結晶させることにより目的物を得た。得られた1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の収量は18.16gであった(収率82.6%、純度99.0%)。
なお、製造には、100W高圧水銀灯(セン特殊光源(株)製、電源:HB−101、光源:HL100CH−5)を用いた。また、反応容器としては、上記光源を収納できる500mLの平底円筒型フラスコ(内径:80mm)を使用した。
純度はプロトン核磁気共鳴スペクトル測定での積分値から求めた。
製造例5〜8
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ表1記載の組成の単量体を仕込み、それぞれの反応条件で反応させた。その後、反応物の酸価が1.0mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了した。この後、ロータリーエバポレーターを用い、反応物から反応溶剤と未反応の2,3−ジヒドロフラン化合物(a2)、n−プロピルビニルエーテルを留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することにより表1記載の特性を有する硬化剤(A)を得た。
製造例5で得られた硬化剤(A)について赤外線吸収スペクトル測定(IRスペクトル)を行ったところ、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基に由来する2500〜3500cm−1付近のブロードな吸収が消失していた。また、エステル基に由来する1728cm−1の吸収が新たに観測された。また、13C−NMRの測定も行い、構造確認を行った。すなわち、下記式(15)に示すカルボキシル基/不飽和基の等モル付加体の構造を有していることが確認できた。得られたスペクトル値を以下に示す。
13C−NMR spectrum(CDCl):δ/ppm
34.6(シクロブタン環)
20.5、30.8、62.4(フラン環)
103.7(−COO−H(R)O−)
174.5(C=O)
なお、製造例6〜9で得られた硬化剤についても、製造例5と同様に、目的とするカルボキシル基/不飽和基の等モル付加体が得られていることが確認できた。
次に用いた分析方法、評価方法を示す。
1.<IRの測定条件>
機種;日本分光(株)製、FT/IR−600型、
セル;臭化カリウムを用いた錠剤法、
分解;4cm−1
積算回数;16回。
2.<13C−NMRの測定条件>
機種;日本ブルカー(株)製、400MHzのアドバンス400型、
積算回数;128、
溶媒;CDCl、TMS基準。
実施例1〜7、比較例1〜8
硬化剤(A)を融解させたあと、表2に示した配合組成で、各種成分を混合し、プラネタリ−ミキサーにて混練した。次に、これを300メッシュのフィルターを用いてろ過した後、さらに、30分間減圧脱泡することで光半導体封止用樹脂組成物を製造した。得られた光半導体封止用樹脂組成物に対して、次の方法により硬化物を得た。また、得られた硬化物に対して、以下の試験方法により評価を行った。
<硬化物の作成方法>
表2、表3に記載した実施例1〜7、比較例1〜8の樹脂組成物を用いて、100℃で2時間プリベイクした後、150℃で3時間硬化させて厚さ10mmの試験片を作成した。
表2中の成分および略号は、以下のものを示す。
YX−8000: ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコートYX−8000」)、エポキシ当量205g/mol
YL−6753: ビスフェノールF型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコートYL−6753」)、エポキシ当量180g/mol
CEL2021P: 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)製、商品名)、エポキシ当量130g/mol
TSL−9906 :1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−ジシロキサン(GE東芝シリコーン(株)製、商品名)、エポキシ当量180g/mol
BTMDS :1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(3’,4’−エポキシシクロヘキシルプロピル)ジシロキサン、エポキシ当量210g/mol
LCAT1 :オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
表3中の成分および略号は、以下のものを示す。
YX−8000: ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコートYX−8000」)、エポキシ当量205g/mol
TSL−9906 :1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス−(オキシラニルメトキシプロピル)−ジシロキサン(GE東芝シリコーン(株)製、商品名)、エポキシ当量180g/mol
LCAT1 :オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
[試験方法]
実施例1〜7、比較例1〜8について得られた光半導体封止用樹脂に対して、下記の試験方法により評価を行った。
1.[ガラス転移温度(Tg)(℃)]
TMA(セイコーインスツルメント(株)製TMA/SS150)を用い、10℃/分で昇温した時の硬化物の伸び率が急変する温度を硬化膜Tg(℃)とした。
2.[耐プレッシャークッカ性]
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)をプレッシャークッカ試験(PCT、121℃/100%)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は100時間毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった時間を試験結果とした。
3.[耐高温高湿性]
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)を高温高湿試験(85℃/85%)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は100時間毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった時間を試験結果とした。
4.[耐熱衝撃信頼性]
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)をヒートサイクル試験(−40℃〜125℃、各30分)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は50サイクル毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった回数を試験結果とした。
5.[光線透過率]
光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)を用い、厚さ1mmの成型品について波長400nm、600nmにおける光線透過率を測定した。
6.[熱処理後の光線透過率]
硬化物を空気中200℃で24時間熱処理し、その後、光線透過性(400nm)を光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)にて計測した。
7.[光照射後の光線透過率]
同じ硬化物を空気中(温度:60℃)にて、200Wの高圧水銀灯を光源として5万時間の照射を行って高エネルギー光処理し、その後、光線透過性(400nm)を光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)にて計測した。
8.[発泡性試験]
直径50mmのアルミ皿に、光半導体封止用樹脂組成物を乾燥膜厚で10mmになるように投入し、真空ポンプを用いて組成物中の気泡を除去した。その後、プリベイク:80℃×30分、本硬化:150℃×60分の温度条件下で硬化させた。硬化後の樹脂硬化物中に発生するボイドの状態を以下の基準に従い評価した。
◎ : ボイドが全く発生していない。
○ : 直径1mm未満のボイドが、1〜2個発生している。
△ : 直径1mm以上のボイドが、多数発生している。
× : アルミ皿の半分以上がボイドである。
9.[保存安定性]
上記の光半導体封止用樹脂組成物を、25℃で3ヶ月間保管し、その後、E型粘度計で組成物の粘度を測定した。初期粘度との粘度上昇比を算出し、以下の基準に従って評価を行った。
◎ : 粘度上昇比が1.1未満。
○ : 粘度上昇比が1.1以上1.5未満。
△ : 粘度上昇比が1.5以上。
× : 樹脂組成物がゲル化し、粘度の測定が不可能な状態。
表1および2の試験結果から、本発明の光半導体封止用樹脂組成物を用いた実施例1〜7では、硬化物が高いガラス転移温度を有しており、信頼性(耐プレッシャークッカ性、耐高温高湿性、耐熱衝撃信頼性)に関しても問題ないことが確認された。さらに、光線透過率に関しても、高い値が得られ、熱処理後や光照射後に関しても、硬化物はほとんど劣化していないことが確認された。また、厚膜成形した場合でも、硬化物にボイドは確認されず、樹脂組成物の保存安定性にも優れていた。すなわち、本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)にも優れ、かつ、硬化物の非ボイド性や耐湿信頼性に関しても充分に満足する、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物であることが確認できた。
一方、比較例1、2では、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)との混合比が本発明の光半導体封止用樹脂組成物の範囲からはずれ、(b1)が過剰に混合されているため、硬化物のTgは高く、耐熱性に優れているものの、光線透過率が低く、熱処理後や光照射後には、硬化物の劣化が生じていることが確認できた。比較例3、4では、(b2)が過剰に混合されているため、硬化物のTg低下(耐熱性低下)が確認され、それに伴い、耐プレッシャークッカ性、耐高温高湿性の低下も見られた。比較例5、6では、硬化剤(A)と主剤(B)との混合比が本発明の光半導体封止用樹脂組成物からはずれ、その結果、信頼性(耐プレッシャークッカ性、耐高温高湿性、耐熱衝撃信頼性)に関して大きく低下していることが確認された。比較例7では、ブロック剤として、n−プロピルビニルエーテルを使用しているために、硬化物に発泡が生じ、厚膜用途での使用が難しいことがわかった。比較例8では、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸を使用したことで、硬化物のTg低下(耐熱性低下)が見られ、また、光線透過率が低く、熱処理後や光照射後には、硬化物の劣化が生じていることが確認できた。さらに、ブロック剤として、n−プロピルビニルエーテルを使用しているために、硬化物に発泡が生じた。
以上の結果から、本発明の光半導体封止用樹脂組成物の各成分の組み合わせおよび組成においてのみ、目標とする特性を全て達成することができることが確認された。

Claims (1)

  1. 下記の(A)、(B)成分からなる光半導体封止用樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のヘミアセタール基/エポキシ基の当量比N/Nが0.2〜2.0である光半導体封止用樹脂組成物
    (A)下記式(1)で表されるヘミアセタールエステル化合物である硬化剤

    (ここで、R〜Rは独立に水素原子もしくは炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、またはエトキシ基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、またはシクロヘキシル基である。)
    (B)シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(b1)とエポキシ変性シリコーン樹脂(b2)からなり、前記の(b1)成分と(b2)成分との重量比b1/b2が50/50〜90/10である主剤
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