JP4899779B2 - へミアセタールエステル化合物、熱硬化性組成物、硬化物 - Google Patents

へミアセタールエステル化合物、熱硬化性組成物、硬化物 Download PDF

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本発明は、シクロブタン環を有するへミアセタールエステル化合物、該化合物を含有する熱硬化性組成物、および該組成物を硬化して得られる硬化物に関する。
従来より、熱硬化性組成物の硬化剤としては、(無水)トリメリット酸や(無水)ピロメリット酸に代表される多官能性有機カルボン酸(無水物)が使用されてきた。しかしながら、近年、熱硬化性組成物には、硬化物の耐熱性、透明性に加え、より一層の光に対する耐光性が要求されるようになってきており、これらの性能を同時に満たす多官能性有機カルボン酸の開発が強く求められていた。
このような要求に対して、シクロヘキサントリカルボン酸モノエステル(特許文献1)、シクロヘキサントリカルボン酸無水物(特許文献2)、イソシアヌル酸系環状カルボン酸(特許文献3)等の環状構造を有する多官能性有機カルボン酸を配合した硬化性組成物がそれぞれ開示されており、硬化物の耐光性向上が図られている。
しかしながら、これらの多官能性有機カルボン酸は、硬化物の透明性と特定の波長領域に対する耐光性に関しては、優れた特性を発揮するものの、低波長領域(紫外領域)の光に対しては、充分な特性が得られないのが現状である。また、トリメリット酸のようなベンゼン環骨格を有する多官能性有機カルボン酸と比較すると、Tgに代表される耐熱性が低いといった問題点も有している。
また、これらの多官能性有機カルボン酸は、カルボキシル基の高い水素結合性のために、結晶性が高く、高融点であり、一般の有機溶剤に対する溶解性や各種樹脂に対する相溶性が低く、ハンドリングがしにくいといった問題があった。さらに、エポキシ基等の反応性官能基との反応性が高く、反応性官能基を含有する化合物とが共存する樹脂組成物においては、ポットライフが短くなるなど、その安定性が問題であった。特許文献4、5には、特許文献2、3に記載されている多官能性有機カルボン酸をアルキルビニルエーテル類により熱潜在化したへミアセタールエステル化合物が提案されている。しかしながら、これらの誘導体を用いた場合、溶解性や相溶性が改善され、さらに、樹脂組成物の保存安定性が格段に向上するものの、硬化物中の分子構造に違いはないので、硬化物の透明性、耐光性の光学的性能と、耐熱性との両立は難しい。
一方、発光波長が250nm〜550nmの青色発光あるいは紫外線発光の発光ダイオード(以下「LED」と称す)に関しては、近年、GaN、GaAlN、InGaNおよびInAlGaN等のGaN系化合物半導体を利用した高輝度の製品が得られるようになり、赤色、緑色発光LEDと組み合わせることで高画質なフルカラー画像が形成可能となった。また、青色発光LEDや紫外線発光LEDと蛍光体の組み合わせにより、白色発光のLEDも得られ、液晶ディスプレイのバックライトや一般照明用として需要の高まりが期待されている。
従来、LED、受光素子等の光半導体の樹脂封止材料としては、透明性、密着性、電気絶縁性、耐熱性等に優れる点からエポキシ樹脂組成物が多く使用されている。エポキシ樹脂の硬化剤としては、有機カルボン酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が挙げられ、透明性や成形性の観点から有機カルボン酸無水物系硬化剤が多く使用されている。
しかしながら、硬化剤として有機カルボン酸無水物を使用した場合、以下のような問題がある。
(1)エポキシ樹脂との反応性が高いため、樹脂組成物の貯蔵安定性が悪い。
(2)硬化過程においてエポキシ基とカルボキシル基との反応によりヒドロキシル基が生成するため、硬化物の耐湿性が悪い。
(3)硬化の前工程である真空脱泡工程において、カルボン酸無水物が揮発し、エポキシ樹脂組成物の組成比を一定に保つことが困難である。
これらの問題を解決する手法として、特許文献6、7では、特許文献2に記載されているシクロヘキサントリカルボン酸から誘導されたヘミアセタールエステル誘導体(ビニルエーテル化合物によりカルボキシル基が熱潜在化されたカルボン酸誘導体)を含有する光半導体封止用樹脂組成物が提案されている。しかしながら、これらの光半導体封止用樹脂組成物は、硬化物の耐湿性や樹脂組成物の保存安定性、LED成形時の作業性には優れた効果を発揮するものの、硬化物の透明性、耐光性、耐熱性の面ではまだ不十分であり、さらなる改良が求められている。すなわち、最近では、LEDの高輝度化が進んでいることから、光半導体封止用樹脂組成物は、より高温や高いエネルギーの光(低波長領域の光)にさらされることとなり、それによって硬化物に着色(黄変)が生じるなど、長時間の無色透明性の維持が困難となってきている。エポキシ変性シリコーン樹脂を使用する手法も検討されているが、ガラス転移温度(以下Tgと称す)で代表される耐熱性が低く、通電による発熱により硬化物が軟化するといった課題を有している。
すなわち、硬化物の透明性、低波長領域(紫外領域)の光に対する耐光性、耐熱性を同時に満たすことが求められているのである。
特開2005−053874号公報 特開2005−036218号公報 特開2001−011057号公報 特開2000−319267号公報 特開2005−099404号公報 特開2004−292706号公報 特開2003−277483号公報
本発明は、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)、樹脂組成物の保存安定性に優れた、青色LED、白色LED等の光電変換素子の封止材料として好適なへミアセタールエステル化合物およびそれを含有する熱硬化性組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記熱硬化性組成物を硬化させてなる硬化物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、優れた硬化性を有し、かつ無色透明で、高温および高エネルギーの光照射条件下での変色が少なく、樹脂組成物の貯蔵安定性などの諸特性に優れた、青色LED、白色LED等の光半導体の封止材用樹脂を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)とモノビニルエーテル化合物(a2)、または、不飽和環状エーテル化合物(a3)との付加反応によりへミアセタールエステル化合物(A)を得て、さらに、前記(A)成分とシクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)を必須成分とする熱硬化性組成物が、熱硬化後、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)に優れることを見出し、さらには、前記熱硬化性組成物が、光半導体の封止材用樹脂として好適に使用できることの知見を得て本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕である。
〔1〕下記式(1)で表されるへミアセタールエステル化合物。
(ここで、Rは炭素数1〜7の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、R〜Rは独立に、水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基である。)
〔2〕(A)成分;前記の〔1〕に記載のへミアセタールエステル化合物と、
(B)成分;シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂
からなり、(A)成分のヘミアセタールエステル基のモル当量Nと(B)成分のエポキシ基のモル当量の合計Nとの比率N/Nが0.2〜2.0である熱硬化性組成物。
〔3〕前記の〔2〕に記載の熱硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
本発明のへミアセタールエステル化合物は、その分子構造内にシクロブタン環を含有している。シクロブタン環は、シクロヘキサン環やシクロペンタン環と比較して、イス型、フネ型のコンフォメーションを取れないので、熱による分子運動が制御される。その結果、本発明のへミアセタールエステル化合物は、耐熱性の面で非常に優れる。また、分子内に不飽和結合を含有していないことから、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少ない。さらに、シクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂を混合した熱硬化性組成物は、硬化物の透明性に優れ、低波長領域での光に対する耐光性がさらに向上する。また、本発明のへミアセタールエステル化合物は、分子中のカルボキシル基がブロック化されていることから、上記の熱硬化性組成物はポットライフの面でも非常に優れた特性を発現する。
したがって、上記の熱硬化性組成物を使用することで、硬化物が無色透明で、耐光性、耐熱性に優れ、さらに樹脂組成物の保存安定性が良好な光半導体封止用樹脂組成物が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
1.へミアセタールエステル化合物(A)
本発明のへミアセタールエステル化合物は、下記式(1)で表される。
(ここで、Rは炭素数1〜7の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、R〜Rは独立に、水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基である。)
本発明のへミアセタールエステル化合物は、下記の式(2)で表されるシクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)と下記式(3)で表されるα−不飽和エーテル化合物(a2)との付加反応により得られる。
(こで、R〜Rは式(1)におけるものと同じである。)
(ここで、R、Rは式(1)におけるものと同じである。)
(ここで、R、Rは式(1)におけるものと同じであり、カルボキシル基はシクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)のカルボキシル基を表す。)
前記の式(1)〜(4)において、Rは炭素数1〜7の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、R〜Rは独立に、水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基である。
の炭素数が2を上回るか、Rの炭素数が7を上回るか、或いはR〜Rの炭素数が3を上回ると、カルボキシル基との付加反応が進行しにくくなるとともに、得られるへミアセタールエステル化合物の解離温度の再現性も悪くなる。
シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,4−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,3−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,4−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
前記の式(3)で表されるα−不飽和エーテル化合物(a2)としては、より具体的には、下記の式(5)で表されるアルキルビニルエーテル化合物(a2a)、式(6)で表される3,4−ジヒドロ−2H−ピラン化合物(a2b)、および式(7)で表される2,3−ジヒドロフラン化合物(a2c)が挙げられる。

前記の式(5)において、Rは式(1)におけるものと同じである。
前記の式(6)において、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。Rの炭素数が6を上回り嵩高くなると、カルボキシル基との付加反応が進行しにくくなるとともに、得られるへミアセタールエステル化合物の解離温度の再現性も悪くなる。
前記の式(7)において、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基である。Rの炭素数が6を上回り嵩高くなると、カルボキシル基との付加反応が進行しにくくなるとともに、得られるへミアセタールエステル化合物の解離温度の再現性も悪くなる。
これらの中では、原料の入手性や製造のしやすさなどの点から、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸が好ましい。
これらの化合物は単独で使用することもできるが、適宜組み合わせて使用することもできる。
前記の式(5)で表されるアルキルビニルエーテル化合物(a2a)としては具体的には、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等の直鎖状アルキルビニルエーテル;イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル等の分岐状アルキルビニルエーテル;シクロへキシルビニルエーテル等の脂環式アルキルビニルエーテル化合物が挙げられる。
前記のアルキルビニルエーテル化合物(a2a)の中でも、n−プロピルビニルエーテルが入手性およびカルボキシル基との反応性の観点から好ましく挙げられる。
前記の式(6)で表される3,4−ジヒドロ−2H−ピラン化合物(a2b)としては、ジヒドロピラン誘導体としては具体的には、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−6−メチル−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−6−メチル−2H−ピラン等が挙げられる。
前記の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン化合物(a2b)の中でも、3,4−ジヒドロ−2H−ピランが入手性およびカルボキシル基との反応性の点から好ましく挙げられる。
前記の式(7)で表される2,3−ジヒドロフラン化合物(a2c)としては具体的には、2,3−ジヒドロフラン、5−メチル−2,3−ジヒドロフラン、5−フェニル−2,3−ジヒドロフラン、5−メトキシ−2,3−ジヒドロフラン、2−メチル−2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジメチル−2,3−ジヒドロフラン、2−メトキシ−2,3−ジヒドロフラン等が挙げられる。
前記の2,3−ジヒドロフラン化合物(a2c)の中でも、3,4−ジヒドロ−2H−ピランが入手性およびカルボキシル基との反応性の点から好ましく挙げられる。
前記シクロブタンテトラカルボン酸化合物(a1)に対して、前記モノビニルエーテル化合物(a2)、不飽和環状エーテル化合物(a3)は、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜3モルの比になるように混合、反応させる。好ましくは、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜1.5モル、さらに好ましくは、カルボキシル基/不飽和基=1モル/1〜1.2モルである。カルボキシル基/不飽和基=1モル/3モル以上であると、過剰な(a2)、(a3)成分が残存することになり、反応後にエバポレーター等で除去するとしても、コスト的に好ましくない。カルボキシル基/不飽和基=1モル/1モル未満であると、へミアセタールエステル化合物の酸価が高くなり、本発明の熱硬化性組成物、光半導体封止用樹脂組成物の保存安定性が低下するので好ましくない。
また、反応温度は、通常、室温ないし200℃の範囲の温度であればよく、好ましくは50〜150℃である。また、この反応の反応時間は、反応進行状況に応じて適宜選定すればよいが、通常1〜100時間でよい。この際、反応を促進させる目的で酸触媒を使用することができる。そのような触媒としては、例えば、式(8)で表される酸性リン酸エステル化合物が挙げられる。
ここで、Rは炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、pは1または2である。
前記の酸性リン酸エステル化合物としては、より具体的には、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールといった第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
また、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶媒も使用することができる。そのような有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸メトキシブチル等のエステルおよびエーテルエステル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トリエチルホスフェート等のリン酸エステル類、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール誘導体が挙げられる。好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。
有機溶剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの溶媒量としては、特に限定されないが、反応原料100重量部に対して、通常、5〜95重量部、好ましくは20〜80重量部である。
2.熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物は、前記のへミアセタールエステル化合物(A)と、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)からなる。
一般に、シクロブタンテトラカルボン酸無水物は、ジアミン化合物等と組み合わせて熱硬化させ高分子構造体として用いられるが、Tgはさほど高くない。アミド結合自体の柔軟性のためと、2組のカルボキシル基対がアミド結合をなした線状構造を取るために、シクロブタン環の分子運動拘束性が発現しにくくなるからである。
これに対して、本発明の熱硬化性組成物においては、へミアセタールエステル化合物(A)に、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)を組み合わせて用いることにより、非常に高い耐熱性を有する硬化物が得られる。この特異的な架橋系においては、分子内運動の拘束された無いシクロブタン環が4官能架橋点として3次元的に架橋構造を生成することができるために、高Tg化が達せられるのであると推測される。
<シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)>
本発明に用いるシクロヘキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添化物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添化物、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の核水添化物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の核水添化物、ビフェニル型エポキシ樹脂の核水添化物、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂の核水添化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやビニルシクロヘキセンジエポキサイド等の脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロ無水フタル酸のジグリシジルエステル等の多塩基酸のポリグリシジルエステル等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添化物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添化物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやビニルシクロヘキセンジエポキサイド等の脂環式エポキシ樹脂が、硬化物のTg(℃)が高く、かつ、基材との密着性に優れるのでより好ましい。
これらのエポキシ樹脂は単独でまたは二種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
本発明に使用するシクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)は、好ましくは45〜85重量%、より好ましくは55〜65重量%含有する。含有重量割合が少なすぎると、硬化物中に未反応のカルボキシル基が多く存在することとなり、硬化物の耐湿性が低下する。多すぎると、硬化性が不十分となり、耐熱性が低下する。
<(A)、(B)成分の配合割合>
本発明の熱硬化性組成物における、前記のへミアセタールエステル化合物(A)と、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂(B)との配合割合は、(A)成分のヘミアセタールエステル基のモル当量Nと(B)成分のエポキシ基のモル当量の合計Nとの比率N/Nが0.2〜2.0、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.8〜1.1になるように調整される。本発明において、ヘミアセタールエステル基は加熱によってカルボキシル基を再生し、再生したカルボキシル基がエポキシ基と反応し硬化物を生成するので、ヘミアセタールエステル基のモル当量Nは、再生するカルボキシル基のモル当量に等しく、N/Nは酸−エポキシ反応における酸−エポキシ当量比と同じく、硬化剤/主剤の配合を決定するするモル当量比である。
前記の比率N/Nが0.2未満であると、熱硬化性組成物を硬化してなる硬化物の硬度が低下する恐れがあり、2.0を上回るとカルボン酸過剰によって透明性や密着性の低下が起こりやすい。
本発明の熱硬化性組成物は、場合により該組成物の長期にわたる貯蔵安定性を良好に保ち、かつ低温にて短時間で硬化する際に、硬化反応を促進し、硬化物に良好な化学性能および物理性能を付与する目的で、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有させることができる。この熱潜在性酸触媒は、60℃以上の温度において、酸触媒活性を示す化合物が望ましい。この熱潜在性酸触媒が60℃未満の温度で酸触媒活性を示す場合、得られる組成物は貯蔵中に増粘したり、ゲル化するなど、好ましくない事態を招来する恐れがある。熱潜在性酸触媒としては、プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類、およびオニウム化合物類が好ましく挙げられる。
該プロトン酸をルイス酸で中和した化合物としては、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸モノエステル類、リン酸モノおよびジエステル類、ポリリン酸エステル類、ホウ酸モノおよびジエステル類、等を、アンモニア、モノエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、アニリン、モルホリン、シクロへキシルアミン、n−ブチルアミン、モノエチノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種アミンもしくはトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスファイト、トリアリールホスファイトで中和した化合物、さらには、酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュアー2500X、X−47−110、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)などが挙げられる。また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物としては、例えばBF、FeCl、SnCl、AlCl、ZnClなどのルイス酸を前記のルイス塩基で中和した化合物が挙げられる。あるいは上記ルイス酸とトリアルキルホスフェートとの混合物も挙げられる。該スルホン酸エステル類としては、例えば式(9)で表される化合物が挙げられる。
式(9)中のR10はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基またはアルキル基、R11は一級炭素または二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合している炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基、飽和もしくは不飽和のシクロアルキルまたはヒドロキシシクロアルキル基である。
前記の化合物としては、具体的には例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類とn−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ルなどの第一級アルコール類またはイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノールなどの第二級アルコール類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオキシラン基含有化合物との反応により得られるβ‐ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられる。
該リン酸エステル類としては、例えば下記式(10)で表される化合物が挙げられる。
式(6)中のR12は、炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、Sは1または2である。
前記の化合物としては、具体的には例えば、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル等の第一級アルコール類、およびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オクタノ−ル、シクロヘキサノール等の第二級アルコール類のリン酸モノエステル類あるいはリン酸ジエステル類が挙げられる。
また該オニウム化合物としては、例えば一般式(11)〜(14)で表される化合物などが挙げられる。
〔R13 NR14 ・・・・・ (11)
〔R15 PR16 ・・・・・ (12)
〔R17 OR18 ・・・・・ (13)
〔R19 SR20 ・・・・・ (14)
式(11)〜(14)中のR13、R15、R17、R19は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、アルカノール基またはシクロアルキル基であって、2個のR13、R15、R17、R19は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、R14、R16、R18、R20は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基、XはSbF 、AsF 、PF またはBF である。
前記の熱潜在性酸触媒は、単独でも、2種以上を組み合わせてもよく、またその添加量は本発明の熱硬化性組成物の総固形分量100重量部あたり、通常0.01〜10重量部の範囲で選ばれる。熱潜在性酸触媒の量が0.01重量部未満では触媒効果が十分に発揮されないし、10重量部を超える場合には、最終的に得られる硬化物が着色したり、耐水性が低下したりすることがあり好ましくない。
本発明の熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、可とう性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、シラン系カップリング剤、無機充填材、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レべリング剤、イオントラップ剤、各種ゴム、有機ポリマービーズ、ガラスビーズ、グラスファイバー、耐衝撃性改良剤、揺変性付与剤、界面活性剤、表面張力低下剤、消泡剤、沈降防止剤、光拡散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、離型剤、蛍光剤、導電性充填材、チクソトロピー性付与剤、反応性希釈剤、分散安定剤、エラストマー等の添加剤を配合することができる。
本発明の熱硬化性組成物において、A成分とB成分の反応方法(硬化方法)には特に制限はなく、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置をいずれも採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。硬化温度および硬化時間は、80〜250℃で30秒〜10時間の範囲が好ましい。硬化物の内部応力を低減したい場合は、80〜120℃、0.5時間〜5時間の条件で前硬化した後、120〜180℃、0.1時間〜5時間の条件で後硬化することが好ましい。短時間硬化を目的とする場合は150〜250℃、30秒〜30分の条件で硬化することが好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、青色LED、白色LED等の光電変換素子の封止材料として用いることができるが、該封止材料の調製は、例えば以下のようにして行うことができる。
本発明の熱硬化性組成物の構成成分ならびに必要に応じて他の添加剤を混合した後、万能攪拌釜等の混練機にかけ、加熱状態で混練して溶融混合する。次に、これを室温(25℃程度)にて冷却することにより、目的とする光半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。なお、流動性を調製するため有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、もしくは2種以上を組みあわせて用いてもよい。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、例えば、円筒状のLEDにロールコート、スプレイ、ディップ(浸漬法)等の方法により塗布し、得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じてプリベークした後、加熱することにより封止材層が形成される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
用いた分析方法、評価方法を次に示す。
<IRの測定条件>
機種;日本分光(株)製、FT/IR−600、
セル;臭化カリウムを用いた錠剤法、
分解;4cm−1
積算回数;16回。
13C−NMRの測定条件>
機種;日本ブルカー(株)製、400MHzのAdvance400、
積算回数;128、
溶媒;CDCl、TMS基準。
<酸価の測定>
酸価はJIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
また、製品名「エピコート828」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、製品名「エピコートYX−8000」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型エポキシ樹脂の核水添物、製品名「エピコートYL−6753」は、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールF型エポキシ樹脂の核水添物、製品名「セロキサイド2021P」は、ダイセル化学工業(株)製の脂環式エポキシ樹脂、製品名「CIC酸」は、四国化成工業(株)製のトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、製品名「AP−8」は、大八化学工業(株)製のモノ−2−エチルへキシルホスフェートとジ−2−エチルへキシルホスフェートの混合物をそれぞれ示す。
参考例1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の製造
窒素雰囲気下、無水マレイン酸30.00gと炭酸ジエチル300.0gをフラスコ中に加えた後、光環化反応を反応温度5℃で33時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後に反応液中に生成析出している1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物をろ紙で濾過後、減圧乾燥(50℃、10mmHg)して完全に溶媒を除いた。得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の収量は23.51gであった(収率78.4%、純度99.1%)。
参考例2;1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の製造
窒素雰囲気下、2,3−ジメチル無水マレイン酸30.00gと炭酸ジエチル300.0gをフラスコ中に加えた後、光環化反応を反応温度5℃で33時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後に反応液中に生成析出している1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物をろ紙で濾過後、減圧乾燥(50℃、10mmHg)して完全に溶媒を除いた。得られた1,2,3,4−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の収量は13.51gであった(収率45.0%、純度98.7%)。
参考例3;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の製造
製造例1で得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物20.0g、脱イオン水36.7g、テトラヒドロフラン300.0gをフラスコ中に加え、反応温度95℃で5時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後、ヘキサン/テトラヒドロフラン混合液を用い、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸を再結晶させることにより目的物を得た。得られた1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の収量は18.16gであった(収率90.8%、純度99.0%)。
参考例4;1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の製造
製造例2で得られた1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物20.0g、脱イオン水36.7g、テトラヒドロフラン300.0gをフラスコ中に加え、反応温度95℃で5時間、マグネットスターラーを用いて撹拌しながら行った。反応後、ヘキサン/テトラヒドロフラン混合液を用い、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸を再結晶させることにより目的物を得た。得られた1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の収量は18.16gであった(収率82.6%、純度99.0%)。
なお、製造に使用した光源としては、100W高圧水銀灯(セン特殊光源株式会社製、電源:HB−101、光源:HL100CH−5)を用いた。また、反応容器としては、上記光源を収納できる500mlの平底円筒型フラスコ(内径:80mm)を使用した。
純度はプロトン核磁気共鳴スペクトル測定での積分値から求めた。
実施例1〜4、および参考比較例1〜3
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ表1に記載した、参考例1〜4で得られたシクロブタンカルボン酸化合物を含むカルボン酸化合物、種々のブロック剤、溶剤、および反応触媒を仕込み、それぞれの反応条件で反応させた。その後、反応物の酸価が1.0mgKOH/g以下になったことを確認して反応を終了した。この後、ロータリーエバポレーターを用い、反応物から反応溶剤と未反応の不飽和環状エーテル、n−プロピルビニルエーテルを留去し、その後、真空ポンプにより真空乾燥することにより表1記載の特性を有するへミアセタールエステル化合物(A)を得た。
実施例1で得られたへミアセタールエステル化合物(A)について赤外線吸収スペクトル測定(IRスペクトル)を行ったところ、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基に由来する2500〜3500cm−1付近のブロードな吸収が消失していた。また、エステル基に由来する1728cm−1の吸収が新たに観測された。また、13C−NMRの測定も行い、同樹脂の構造を確認した。すなわち、下記式(15)に示す構造を有していることが確認できた。得られたスペクトル値を以下に示す。
13C−NMR spectrum(CDCl):δ/ppm
34.6(シクロブタン環)
20.5、30.8、62.4(フラン環)
103.7(−COO−H(R)O−)
174.5(C=O)
実施例3で得られたへミアセタールエステル化合物(A)について赤外線吸収スペクトル測定(IRスペクトル)を行ったところ、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基に由来する2500〜3500cm−1付近のブロードな吸収が消失していた。また、エステル基に由来する1728cm−1の吸収が新たに観測された。また、13C−NMRの測定も行い、同樹脂の構造を確認した。すなわち、下記式(16)に示す構造を有していることが確認できた。得られたスペクトル値を以下に示す。
13C−NMR spectrum(CDCl):δ/ppm
34.6(シクロブタン環)
18.9、27.7、32.0、63.5(ピラン環)
101.4(−COO−H(R)O−)
174.5(C=O)
実施例4で得られたへミアセタールエステル化合物(A)について赤外線吸収スペクトル測定(IRスペクトル)を行ったところ、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基に由来する2500〜3500cm−1付近のブロードな吸収が消失していた。また、エステル基に由来する1728cm−1の吸収が新たに観測された。また、13C−NMRの測定も行い、同樹脂の構造を確認した。すなわち、下記式(17)に示す構造を有していることが確認できた。得られたスペクトル値を以下に示す。
13C−NMR spectrum(CDCl):δ/ppm
20.4(−COO−CH()O−)
34.6(シクロブタン環)
10.3(−O−CH−CH
23.8(−O−CH−CH
66.1(−O−−CH−CH
98.6(−COO−H(CH)O−)
174.5(C=O)
また、実施例2で得られたへミアセタールエステル化合物A−2についても、同様にIRスペクトル、13C−NMRにより、目的の1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸の2,3−ジヒドロフランテトラヘミアセタールエステル(A−2)の生成を構造確認できた。
実施例5〜11、比較例1〜7
表2、表3に示した配合組成で、各種成分を混合し、プラネタリ−ミキサーにて混練した。次に得られた樹脂組成物を酢酸ブチルによって、樹脂組成物の粘度をNo.4 フォードカップ(20℃)で30秒になるように希釈した。得られた樹脂組成物に対して、以下の試験方法により評価を行った。
表2中の成分および略号は、以下のものを示す。
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
3)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)製、商品名)
4)エポキシシクロヘキシル基含有多官能性エポキシ樹脂(ダイセル化学(株)製、商品名)の50重量%シクロヘキサノン溶液
5)オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
表3中の成分および略号は、以下のものを示す。
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
3)オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
〔試験方法〕
実施例5〜11、比較例1〜7について得られた樹脂組成物に対して、下記の試験方法により評価を行った。
1.〔ガラス転移温度(Tg)(℃)〕
リン酸亜鉛処理鋼板に実施例1〜7および比較例1〜7で得られた樹脂組成物を用いて、乾燥膜厚が約50μmになるようにエアースプレー塗装し、その後、140℃で30分間加熱硬化させた。得られた試験板から硬化膜を剥離し、試験片とした。TMA(セイコーインスツルメント(株)製TMA/SS150)を用い、10℃/分で昇温した時の試験片の伸び率が急変する温度を硬化膜Tg(℃)とした。
2.〔耐候性〕
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料(日本油脂(株)製、商品名「オルガP−2シーラー」)を乾燥膜厚が約20μmになるように電着塗装し、175℃で30分間加熱硬化した。その後、中塗塗料(日本油脂(株)製、商品名「ハイエピコNo.100シーラー」)を乾燥膜厚が約40μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。この中塗り塗装板にベースコート塗料(日本油脂(株)製、商品名「ベルコートNo.6000ホワイト」)を乾燥膜厚が20μmになるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。このようにして得られた評価用試験板に、実施例5〜11および比較例1〜7で作成した樹脂組成物を乾燥膜厚約40μmになるようにエアースプレー塗装し、その後、140℃で30分間加熱硬化させた。得られた試験板を試験片として、促進耐候性試験を行った。
促進耐候性試験は、JIS K5400−7−6:1990「塗料一般試験方法」に準拠し、試験後の60度光沢保持率(%)を求めた。なお、試験条件は以下の通り。
試験機;WEL−SUNSHINE−DC、スガ試験機(株)製(通称;デューサイクルサンシャインウェザーメーター)
光源;カーボンアーク灯
パネル温度;63℃
試験時間;2000時間
3.〔樹脂組成物の保存安定性〕
上記の樹脂組成物を、25℃で3ヶ月間保管し、その後、E型粘度計で粘度を測定した。初期粘度との粘度上昇比を算出し、以下の基準に従って評価を行った。
◎ : 粘度上昇比が1.1未満。
○ : 粘度上昇比が1.1以上1.5未満。
△ : 粘度上昇比が1.5以上。
× : 樹脂組成物がゲル化し、粘度の測定が不可能な状態。
実施例12〜18、比較例8〜14
表4に示した配合組成で、各種成分を混合し、プラネタリ−ミキサーにて混練した。次に、これを300メッシュのフィルターを用いてろ過した後、さらに、30分間減圧脱泡することで光半導体封止用樹脂組成物を製造した。得られた光半導体封止用樹脂組成物に対して、次の方法により硬化物を得た。また、得られた硬化物に対して、以下の試験方法により評価を行った。
<硬化物の作成方法>
表4、表5に記載した実施例12〜18、比較例8〜14の樹脂組成物を用いて、100℃で2時間プリベイクした後、150℃で3時間硬化させて厚さ1mmの試験片を作成した。
表4中の成分および略号は、以下のものを示す。
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
3)3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学(株)製、商品名)
4)エポキシシクロヘキシル基含有多官能性エポキシ樹脂(ダイセル化学(株)製、商品名)の50重量%シクロヘキサノン溶液
5)オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
表5中の成分および略号は、以下のものを示す。
1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の芳香族核水添化物(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)
3)オクチル酸亜鉛とトリエタノールアミンを等モルで反応させた亜鉛錯体の80重量%シクロヘキサノン溶液
〔試験方法〕
実施例12〜18、比較例8〜14について得られた光半導体封止用樹脂に対して、下記の試験方法により評価を行った。
1.〔耐プレッシャークッカ性〕
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)をプレッシャークッカ試験(PCT、121℃/100%)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は100時間毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった時間を試験結果とした。
2.〔耐高温高湿性〕
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)を高温高湿試験(85℃/85%)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は100時間毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった時間を試験結果とした。
3.〔耐熱衝撃信頼性〕
上記の光半導体封止用樹脂組成物で封止した評価用IC(外形寸法:20×6.3×2.3mm、ピン数16)をヒートサイクル試験(−40℃〜125℃、各30分)を行った後、導通試験を行い断線したものを不良品とした。導通試験は50サイクル毎に行い、サンプル全体の内10%(20個のサンプルの内2個)が不良品となった回数を試験結果とした。
4.〔光線透過率〕
光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)を用い、厚さ1mmの成型品について波長400nm、600nmにおける光線透過率を測定した。
5.〔熱処理後の光線透過率〕
硬化物を空気中200℃で24時間熱処理し、その後、光線透過性(400nm)を光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)にて計測した。
6.〔光照射後の光線透過率〕
同じ硬化物を空気中(温度:60℃)にて、200Wの高圧水銀灯を光源として5万時間の照射を行って高エネルギー光処理し、その後、光線透過性(400nm)を光線透過率分光光度計(株式会社島津製作所製分光光度計UV−3100)にて計測した。
7.〔保存安定性〕
上記の光半導体封止用樹脂組成物を、25℃で3ヶ月間保管し、その後、E型粘度計で組成物の粘度を測定した。初期粘度との粘度上昇比を算出し、以下の基準に従って評価を行った。
◎ : 粘度上昇比が1.1未満。
○ : 粘度上昇比が1.1以上1.5未満。
△ : 粘度上昇比が1.5以上。
× : 樹脂組成物がゲル化し、粘度の測定が不可能な状態。
表2および3の試験結果から、実施例5〜11は、硬化物が高いガラス転移温度を有しており、樹脂組成物の保存安定性に関しても問題ないことが確認できた。また、促進耐候性試験結果より、硬化物の光劣化が少ないことが確認できた。一方、比較例1、2、4、5では、硬化物のガラス転移温度が高く、樹脂組成物の保存安定性には優れているものの、促進耐候性試験後の硬化物のグロス低下が確認された。比較例3、6では、樹脂組成物の保存安定性に優れ、硬化物の光劣化は少ないものの、硬化物のガラス転移温度は低く、耐熱性に劣る結果となった。比較例7では、硬化物の耐熱性、耐光性に優れているものの、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸のカルボキシル基がブロック化されていないことに起因して、樹脂組成物の保存安定性が悪い結果となった。
硬化物の耐熱性、耐光性および樹脂組成物の保存安定性を両立させるには、ブロック化された1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸を硬化剤として使用し、シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂との組み合わせによる熱硬化性組成物が好ましいことが確認できた。
次に、光半導体封止用樹脂組成物への応用事例であるが、表4の実施例12〜18は、いずれの場合も、光線透過率に関して高い値が得られ、熱処理後や光照射後に関しても、硬化物はほとんど劣化していないことが確認された。また、信頼性(耐プレッシャークッカ性、耐高温高湿性、耐熱衝撃信頼性)に関しても問題ないことが確認され、さらに、樹脂組成物の保存安定性にも優れていることがわかった。すなわち、本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、高温および高エネルギーの光照射条件下での着色が少なく(低波長領域の光に対する耐光性)、発光などによって生じる熱に対する耐性(耐熱性)にも優れ、かつ、樹脂組成物の保存安定性に優れた高信頼性の光半導体封止用樹脂組成物であることが確認できた。
一方、比較例8、9、11、12では、硬化物の光線透過率が低く、さらに、熱処理後、光照射後の透過率低下も確認された。比較例10、13では、いずれの特性も実施例には及ばない結果となった。比較例14では、光透過率、信頼性等の諸特性に関しては、問題のないレベルの結果が得られたが、樹脂組成物の保存安定性が悪く、保存後にゲル化していた。
以上の結果から、本発明で使用する各成分の組み合わせでなければ、目標とする特性を両立した光半導体封止用樹脂組成物は得られないことが確認できた。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で表されるへミアセタールエステル化合物。

    (ここで、Rは炭素数1〜7の直鎖または分岐状のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、RとRは互いに結合して環を形成してもよく、R〜Rは独立に、水素原子または炭素数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基である。)
  2. (A)成分;請求項1に記載のへミアセタールエステル化合物と、
    (B)成分;シクロへキサン環骨格を有するエポキシ樹脂
    からなり、(A)成分のヘミアセタールエステル基のモル当量Nと(B)成分のエポキシ基のモル当量の合計Nとの比率N/Nが0.2〜2.0である熱硬化性組成物。
  3. 請求項2に記載の熱硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
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