JP2008101131A - 無機粉体含有樹脂組成物及び誘電体層形成基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無機粉体の分散性に優れ、かつシートにした際に転写性に優れる無機粉体含有樹脂組成物を提供することを目的とする。また、光透過率が高く、表面平滑性に優れる誘電体層を形成することのできる無機粉体含有樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 A)無機粉体、B)バインダ樹脂、C)ジグリセリン、D)ジグリセリン脂肪酸モノエステル、ジグリセリン脂肪酸ジエステル、ジグリセリン脂肪酸トリエステル、及びジグリセリン脂肪酸テトラエステルからなる群より選択される少なくとも1種のジグリセリン脂肪酸エステル、及びE)アルカリ金属化合物を含有する無機粉体含有樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機粉体含有樹脂組成物、該組成物からなる膜形成材料層、転写シート、誘電体層、誘電体層形成基板の製造方法、誘電体層形成基板、及び該誘電体層形成基板を用いたプラズマディスプレイパネルに関する。特に、本発明の無機粉体含有樹脂組成物はプラズマディスプレイパネルの誘電体層の形成材料として有用である。
近年、薄型平板状の大型ディスプレイとしては、液晶ディスプレイと共にプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)が注目されている。PDPの一部分は、電極が固定されたガラス基板の表面上にガラス焼結体からなる誘電体層が形成された構造をしている。
この誘電体層の形成方法としては、ガラス粉末、アクリル酸エステル系樹脂及び溶剤を含有するペースト状組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成し、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を、電極が固定されたガラス基板の表面に転写し、転写された膜形成材料層を焼成することにより、前記ガラス基板の表面に誘電体層を形成する方法が開示されている(特許文献1、2)。
また、誘電体層形成用樹脂組成物としては、C〜C12のメタアクリル酸エステル80〜100重量%と、これと共重合可能な他のモノマー0〜20重量%を共重合させることにより得られ、重量平均分子量が2万から100万であり、そのガラス転移温度が15℃以下である自着性樹脂100重量部に対し、誘電性無機粉末100〜500重量部を加えたものが開示されている(特許文献3、4)。
また、ベースフィルムと、該ベースフィルム上に剥離可能に設けられた転写層を少なくとも備え、該転写層はガラスフリットを含む無機成分、焼成除去可能な有機成分を少なくとも含有し、かつ、表面粗さRaが0.4μm以下の範囲にある転写シートが開示されている(特許文献5)。そして、有機成分には転写性付与剤として正リン酸エステル類等、分散剤、沈降防止剤としてリン酸エステル系界面活性剤等を必要に応じて添加することが記載されている。
また、(A)ガラス微粒子、(B)液状光硬化性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)ガラス微粒子と親和性のある極性基を有する分散剤を含有する光硬化性ガラスペースト組成物が開示されている(特許文献6)。そして、分散剤としては、カルボキシル基、水酸基、酸エステルなどのガラス微粒子と親和性のある極性基を有する化合物や高分子化合物、例えば、リン酸エステル類などの酸含有化合物、酸基を含む共重合物、水酸基含有ポリカルボン酸エステルなどが記載されている。
また、ガラスフリットと、熱分解バインダーと、溶剤と、分散剤としてポリカルボン酸系高分子化合物とを含有する誘電体層用組成物が開示されている(特許文献7)。
また、分散剤を含有するペースト膜であって、前記分散剤がリン酸系、スルフォン酸、カルボン酸系から選ばれた一の分散剤であることが開示されている(特許文献8)。
また、(A)ガラス粉末、(B)結着樹脂および(C)分散剤としてシランカップリング剤を含有するガラスペースト組成物が開示されている(特許文献9)。
また、(A)ガラス粉末、(B)結着樹脂および(C)分散剤として脂肪酸を含有するガラスペースト組成物が開示されている(特許文献10)。
また、可塑剤としてリン酸トリブチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリフェニル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルのうちのいずれか一種、分散剤としてソルビタンセスキオレート、グリセロールモノオレエート、リン酸エステルのうちのいずれか一種を含有する誘電体ガラスペーストが開示されている(特許文献11)。
また、界面活性剤としてフッ素系化合物又はシリコン系化合物を含有する誘電層用グリーンシートが開示されている(特許文献12)。
また、(A)無機粒子、(B)結着樹脂、並びに(C)可塑剤として脂肪族ジカルボン酸ジエステル又は脂肪族カルボン酸エステルを含有する無機粒子含有組成物が開示されている(特許文献13)。
また、(A)ガラス粉末、(B)結着樹脂および(C)可塑剤としてポリプロピレングリコールを含有するガラスペースト組成物が開示されている(特許文献14)。
また、(A)無機粒子、(B)結着樹脂、および(C)可塑剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルを含有する無機粒子含有組成物が開示されている(特許文献15)。
さらに、(A)無機粒子、(B)結着樹脂、および(C)可塑剤および分散剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する無機粒子含有組成物が開示されている(特許文献16)。
しかしながら、上記分散剤は、分散効果が不十分であるためガラス粉末の分散不良が生じやすい。そして、ガラス粉末の分散不良により、組成物中でガラス粉末の凝集や沈降が発生し、組成物を支持フィルム上に塗布して転写シートを形成する際に、平滑且つ膜厚均一な膜形成材料層を形成することが困難である。そのため、焼成後のPDPに表示欠陥(輝度ムラ)が発生するという問題があった。
また、上記転写性付与剤や可塑剤は、可塑化効果が不十分であるため膜形成材料層の可とう性が不十分になって転写不良を起こしやすい。転写不良を防止するためには可塑剤の量を増やす必要があるが、可塑剤の量が多いと焼成残渣が多くなり、誘電体層に気泡が発生しやすいという問題があった。
また、従来のペースト状組成物や誘電体層形成用樹脂組成物を用いた場合には、膜形成材料層を焼成して誘電体層を形成する工程において、軟化又は溶融した膜形成材料層中に気泡が発生してそれが残存することにより、誘電体層に凸状の欠陥を発生させたり、光透過率が低下するという問題があった。また、誘電体層はディスプレイの一部として用いられるために高い表面平滑性が要求されるが、従来のペースト状組成物は軟化又は溶融時に発生する気泡量が多くまた気泡径も大きいため、軟化又は溶融した膜形成材料層表面に気泡の抜け跡がそのまま残存し、誘電体層の表面平滑性が悪化するという問題も有していた。このような光透過率や表面平滑性の問題は、特に透明性や平滑性が要求される前面ガラス基板の誘電体層において改善が望まれていた。
特開平9−102273号公報 特開2001−185024号公報 特開平11−35780号公報 国際公開第00/42622号パンフレット 特開平11−260254号公報 特開2000−105453号公報 特開2004−2164号公報 特許第3596530号明細書 特開平10−310451号公報 特開平11−217238号公報 特開2000−156168号公報 特開2005−191009号公報 特開2000−109341号公報 特開平10−310453号公報 特開2003−96305号公報 特開2004−277704号公報
本発明は、無機粉体の分散性に優れ、かつシートにした際に転写性に優れる無機粉体含有樹脂組成物を提供することを目的とする。また、光透過率が高く(気泡欠陥がなく)、表面平滑性に優れる誘電体層を形成することのできる無機粉体含有樹脂組成物を提供することを目的とする。また、該組成物からなる膜形成材料層、転写シート、誘電体層、誘電体層形成基板の製造方法、誘電体層形成基板、及び該誘電体層形成基板を用いたPDPを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す無機粉体含有樹脂組成物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、A)無機粉体、B)バインダ樹脂、C)ジグリセリン、D)ジグリセリン脂肪酸モノエステル、ジグリセリン脂肪酸ジエステル、ジグリセリン脂肪酸トリエステル、及びジグリセリン脂肪酸テトラエステルからなる群より選択される少なくとも1種のジグリセリン脂肪酸エステル、及びE)アルカリ金属化合物を含有する無機粉体含有樹脂組成物、に関する。
本発明者らは、C)ジグリセリン、及びD)ジグリセリン脂肪酸エステルを組成物中に添加することにより、分散不良による無機粉体の凝集や沈降を効果的に防止し、かつ膜形成材料層を形成した際に十分な可とう性を付与して膜形成材料層の転写性を格段に向上できることを見出した。また、本発明の無機粉体含有樹脂組成物を用いると、転写シートを作製する際に支持フィルム上に平滑かつ膜厚均一な膜形成材料層を形成することができ、さらに焼成後には表面欠陥がなく透明性及び表面平滑性に優れる誘電体層を形成することができる。このような効果が発現する理由は明らかではないが、下記のように考えられる。
ジグリセリンは、水酸基の数が4つあるため無機粉体と強く相互作用して優先的に無機粉体表面に吸着し、無機粉体の分散性を向上させることができる。また、ジグリセリンは、脂肪酸エステル基を有さないため焼成残渣が残りにくい。そのため、焼成後に誘電体層の表面平滑性を悪化させることはない。しかし、ジグリセリンは、脂肪酸エステル基を有さないため、これ単独で可塑効果を十分付与することはできない。一方、ジグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸エステル基を少なくとも1つ有しており、可塑効果を付与することができる。そして、ジグリセリン脂肪酸エステルとジグリセリンとを併用することで全体的な水酸基と脂肪酸エステル基とのバランスがとれて、無機粉体の分散性と膜形成材料層の転写性が格段に向上したと考えられる。また、ジグリセリンは、優先的に無機粉体表面に吸着するため、ジグリセリン脂肪酸エステルが無機粉体表面に吸着することを抑制することができる。そのため、焼成時にジグリセリン脂肪酸エステルの残渣が残りにくく、誘電体層中に気泡が残存しにくい。また、上記特性を有するジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルとを併用することにより、無機粉体が均一に分散された状態となり、かつ焼成残渣が少なくなるため、無機粉体の軟化又は溶融時に発生する気泡が少なく均一となり、気泡径も小さくなる。そのため、気泡の抜けた痕が残りにくくなり、誘電体層の表面平滑性が向上したと考えられる。
また、本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、アルカリ金属化合物を添加剤として含有しており、該添加剤の効果により焼成工程において脱泡がさらに促進されるため、焼成後の誘電体層に気泡が残存することがない。さらにアルカリ金属化合物は溶融時に無機粉体に作用して溶融粘度を低下させるため、誘電体層表面に気泡の抜け痕が一層残りにくくなると考えられる。
本発明においては、前記バインダ樹脂の重量平均分子量が5〜50万であることが好ましい。また、前記バインダ樹脂が(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記アルカリ金属化合物は、リチウム系化合物、カリウム系化合物及びナトリウム系化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
また、無機粉体含有樹脂組成物は、無機粉体100重量部に対して、バインダ樹脂を5〜50重量部、ジグリセリン及びジグリセリン脂肪酸エステルを合計で0.5〜10重量部、アルカリ金属化合物を0.01〜1重量部含有し、かつジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルの重量比が3:97〜30:70(前者:後者)であることが好ましい。バインダ樹脂が5重量部未満の場合には、可とう性のあるシート状に形成することが困難になる傾向にある。一方、50重量部を超える場合には、膜形成材料層を焼成した際にバインダ樹脂が残存して誘電体層の光学特性が悪化する傾向にある。また、ジグリセリン及びジグリセリン脂肪酸エステルの含有量が上記範囲内にない場合には、水酸基と脂肪酸エステル基とのバランスが悪くなるため、無機粉体の分散性や膜形成材料層の転写性が低下したり、誘電体層中に残渣や気泡が残りやすくなったり、焼成時に膜形成材料層の表面に気泡の抜け痕が残りやすくなって誘電体層の表面平滑性が低下する傾向にある。また、アルカリ金属化合物が0.01重量部未満の場合には、焼成工程において脱泡効果が乏しくなる傾向にある。一方、1重量部を超える場合は、焼成工程で膜形成材料層中にアルカリ金属化合物が局所的に偏析し、焼成後には完全に分解除去しきれなかったこれらの化合物が残渣となって誘電体層中に残り、光学特性の低下と共に表面平滑性の悪化を招く傾向にある。
本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、特に誘電体層の形成材料として有用である。
また本発明は、前記無機粉体含有樹脂組成物をシート状に形成してなる膜形成材料層、に関する。
また本発明は、支持フィルム上に、少なくとも前記膜形成材料層が積層されている転写シート、に関する。
また本発明の誘電体層は、前記膜形成材料層を焼結させてなるものである。
また本発明は、前記転写シートの膜形成材料層を基板に転写する転写工程、及び転写された膜形成材料層を550〜650℃で焼成し、基板上に誘電体層を形成する焼成工程を含む誘電体層形成基板の製造方法、及び該方法によって製造される誘電体層形成基板、に関する。
さらに本発明は、前記誘電体層形成基板を用いたプラズマディスプレイパネル、に関する。
本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、A)無機粉体、B)バインダ樹脂、C)ジグリセリン、D)ジグリセリン脂肪酸モノエステル、ジグリセリン脂肪酸ジエステル、ジグリセリン脂肪酸トリエステル、及びジグリセリン脂肪酸テトラエステルからなる群より選択される少なくとも1種のジグリセリン脂肪酸エステル、及びE)アルカリ金属化合物を含有する。
無機粉体は、公知のものを特に制限なく用いることができ、具体的には、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化亜鉛、ガラス粉末などが挙げられる。無機粉体の平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましい。
本発明においては、無機粉体としてガラス粉末を用いることが好ましい。ガラス粉末としては公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば、1)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(ZnO−B−SiO系)の混合物、2)酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(ZnO−B−SiO−Al系)の混合物、3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化カルシウム(PbO−B−SiO−CaO系)の混合物、4)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−B−SiO−Al系)の混合物、5)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素(PbO−ZnO−B−SiO系)の混合物、6)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム(PbO−ZnO−B−SiO−Al系)の混合物などを挙げることができる。また、必要に応じてこれらにNaO、CaO、BaO、Bi、SrO、TiO、CuO、又はInなどを添加したものであってもよい。焼成により誘電体層を形成することを考慮すると、軟化点が400〜650℃であるガラス粉末が好ましい。
バインダ樹脂は特に制限されず公知のものを用いることができるが、(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル系樹脂等のバインダ樹脂は、重量平均分子量5〜50万であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30万である。重量平均分子量が5万未満の場合には、無機粉体含有樹脂組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成した転写シートの凝集力が乏しく強度が低くなり、その後の作業上好ましくない。一方、50万を超える場合には、無機粉体含有樹脂組成物の粘度が高くなり、無機粉体の分散性が悪くなるため好ましくない。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系モノマー及び/又はメタクリル系モノマーの重合体、又はそれらの混合物である。
(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ−ト、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、及びアミノ基などの極性基含有モノマーを共重合させてもよい。これら極性基含有モノマーを共重合させることにより、無機粉体の分散性を向上させることができる。極性基含有モノマーの配合割合は、全モノマー成分に対して0.1〜20モル%であることが好ましい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−メチルシスアクリル酸、アリル酢酸、クロトン酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、メチルフマル酸、ジメチルフマル酸、イタコン酸、ビニル酢酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系樹脂は、無機粉体100重量部に対して、5〜50重量部添加することが好ましく、より好ましくは10〜40重量部であり、特に好ましくは15〜30重量部である。
また、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は30℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは20℃以下である。ガラス転移温度が30℃を超える場合には、転写シートとした際に可とう性のないシートとなり、段差吸収性や転写性やハンドリング性が悪化してしまうため好ましくない。なお、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、共重合モノマーの組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調製することができる。
ジグリセリン脂肪酸エステルは、水酸基による分散剤としての機能と、エステル基(−O−CO−R)による可塑剤としての機能を併せ持ち、そのエステル基の価数によってその機能の程度が変化する。ジグリセリン脂肪酸エステルのうち、モノエステルが最も分散剤としての機能が強く、ジエステル、トリエステル、テトラエステルの順に分散剤としての機能が弱くなり、代わりに可塑剤としての機能が強くなっていく。
脂肪酸エステル基を構成する脂肪酸の炭素数は4以上であり、好ましくは4〜30であり、より好ましくは8〜24である。炭素数が4未満の場合には、可塑剤としての機能が不十分になる。また、炭素数が30を超える場合には、焼成後の誘電体層中に残渣や気泡が残りやすくなる。脂肪酸エステル基を構成する脂肪酸としては、例えば、n-ブタン酸(酪酸)、n-ペンタン酸(吉草酸)、n-ヘキサン酸(カプロン酸)、n-ヘプタン酸(ヘプチル酸)、n-オクタン酸(カプリル酸)、n-ノナン酸(ペラルゴン酸)、n-デカン酸(カプリン酸)、n-ドデカン酸(ラウリン酸)、n-テトラデカン酸(ミリスチン酸 )、n-ペンタデカン酸(ペンタデシル酸)、n-ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、n-ヘプタデカン酸(マルガリン酸)、n-オクタデカン酸(ステアリン酸)、n-ノナデカン酸(ツベルクロステアリン酸)、n-イコサン酸(アラキジン酸)、n-ドコサン酸(ベヘン酸)、n-テトラコサン酸(リグノセリン酸)、n-ヘキサコサン酸(セロチン酸)、n-オクタコサン酸(モンタン酸)、及びn-トリアコンタン酸(メリシン酸)などの飽和脂肪酸;クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、及びドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
ジグリセリン脂肪酸モノエステル、ジグリセリン脂肪酸ジエステル、ジグリセリン脂肪酸トリエステル、及びジグリセリン脂肪酸テトラエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、混合比率は、無機粉体の特性、可塑効果、及び分散効果などを考慮して適宜調整することができる。好ましい重量比率は、モノエステル:ジエステル:(トリエステル+テトラエステル)=100:0:0〜30:45:25である。
ジグリセリン及びジグリセリン脂肪酸エステルの添加量は、無機粉体100重量部に対して、合計で0.5〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。また、ジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルの重量比は3:97〜30:70(前者:後者)であることが好ましく、より好ましくは5:95〜25:75である。
本発明において、アルカリ金属化合物は、無機粉体の構成成分としてあらかじめ含まれている材料を指すのではなく、誘電体層への気泡の残存を防止し、表面平滑性を向上させることを目的として無機粉体とは別に添加するものであり、これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びフランシウムの酸化物、過酸化物、水酸化物、無機塩、及び有機塩などが挙げられる。ナトリウム系化合物としては具体的に、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酪酸ナトリウム、及び無水リン酸ナトリウムなどを挙げることができる。また、カリウム系化合物としては具体的に、酸化カリウム、過酸化カリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、オレイン酸カリウム、酪酸カリウム、及びリン酸カリウムなどを挙げることができる。他のアルカリ金属についても同様の化合物を挙げることができる。これらの中でも、脱泡性に顕著な効果を示し、誘電体層の表面平滑性や光透過率を向上させる点からリチウム系化合物、ナトリウム系化合物、及びカリウム系化合物を用いることが好ましい。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭素数4〜30の脂肪酸ナトリウム、及び炭素数4〜30の脂肪酸カリウムを用いることが好ましい。
アルカリ金属化合物は、無機粉体100重量部に対して、0.01〜1重量部添加することが好ましく、より好ましくは0.03〜0.5重量部である。
無機粉体含有樹脂組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成した転写シートを作製する場合には、支持フィルム上に均一に塗布できるように該組成物中に溶剤を加えることが好ましい。
溶剤としては、無機粉体との親和性がよく、かつバインダ樹脂、ジグリセリン、及びジグリセリン脂肪酸エステルの溶解性がよいものであれば特に制限されるものではない。例えば、テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピネオール、ジヒドロ−α−テルピニルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、テレビン油、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロへキサノン、n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロへキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−1−イソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−3−イソブチレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、任意の割合で2種類以上を併用してもよい。
溶剤の添加量は、無機粉体100重量部に対して、10〜100重量部であることが好ましい。
無機粉体含有樹脂組成物には、上記の成分の他、シランカップリング剤、粘着性付与剤、レベリング剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤を添加してもよい。
本発明の転写シートは、支持フィルムと、少なくともこの支持フィルム上に形成された膜形成材料層とにより構成されており、支持フィルム上に形成された膜形成材料層を基板表面に一括転写するために用いられるものである。
転写シートは、前記無機粉体含有樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、溶剤を乾燥除去して膜形成材料層を形成することにより作製される。
転写シートを構成する支持フィルムは、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可とう性を有することにより、ロールコーターなどによってペースト状の無機粉体含有樹脂組成物を塗布することができ、膜形成材料層をロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。
支持フィルムを形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
支持フィルムの厚さは特に制限されないが、25〜100μm程度であることが好ましい。
なお、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、膜形成材料層を基板上に転写する工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
無機粉体含有樹脂組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、例えば、グラビア、キス、コンマなどのロールコーター、スロット、ファンテンなどのダイコーター、スクイズコーター、カーテンコーターなどの塗布方法を採用することができるが、支持フィルム上に均一な塗膜を形成できればいかなる方法でもよい。
膜形成材料層の厚さは、無機粉体の含有率、パネルの種類やサイズなどによっても異なるが、10〜200μmであることが好ましく、さらに好ましくは30〜100μmである。この厚さが10μm未満である場合には、最終的に形成される誘電体層の膜厚が不十分となり、所望の誘電特性を確保することができない傾向にある。通常、この厚さが30〜100μmであれば、大型のパネルに要求される誘電体層の膜厚を十分に確保することができる。また、膜厚は均一であるほど好ましく、膜厚公差は±5%以内であることが好ましい。
なお、転写シートは、膜形成材料層の表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。保護フィルムでカバーされた転写シートは、ロール状に巻き取った状態で保存し、供給することができる。なお、保護フィルムの表面は離型処理が施されていることが好ましい。
本発明の誘電体層形成基板の製造方法は、前記転写シートの膜形成材料層を基板に転写する転写工程、及び転写された膜形成材料層を550〜650℃、好ましくは575〜625℃で焼成し、基板上に誘電体層を形成する焼成工程を含む。
基板としては、セラミックや金属などの基板が挙げられ、特にPDPを作製する場合には、適切な電極が固定されたガラス基板が用いられる。
転写工程の一例を以下に示すが、基板表面に膜形成材料層が転写されて密着した状態にできれば、その方法は特に制限されるものではない。
適宜使用される転写シートの保護フィルムを剥離した後、電極が固定されたガラス基板の表面に、膜形成材料層表面を当接するように転写シートを重ね合わせ、この転写シートを加熱ロール式のラミネーターなどにより熱圧着した後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去する。これにより、ガラス基板表面に膜形成材料層が転写されて密着した状態となる。
転写条件としては、例えば、ラミネーターの表面温度25〜100℃、ロール線圧0.5〜15kg/cm、移動速度0.1〜5m/分であるが、これら条件に限定されるものではない。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度は50〜100℃程度である。
膜形成材料層の焼成工程の一例を以下に示すが、膜形成材料層を550〜650℃で焼成し、基板上に誘電体層を形成できればその方法は特に制限されるものではない。
膜形成材料層が形成されたガラス基板を、550〜650℃の高温雰囲気下に配置することにより、膜形成材料層中の有機物質(バインダ樹脂、ジグリセリン、ジグリセリン脂肪酸エステル、残存溶剤、各種の添加剤など)が分解除去され、無機粉体(ガラス粉末)が溶融して焼結する。これによりガラス基板上には、無機焼結体(ガラス焼結体)からなる誘電体層が形成され、誘電体層形成基板が製造される。
誘電体層の厚さは、使用する膜形成材料層の厚さよって異なるが、15〜50μm程度である。
誘電体層形成基板は、その後各種工程を経ることにより前面ガラス基板や背面ガラス基板となる。そして、パネル化工程において前面ガラス基板及び背面ガラス基板は封着され、その後各種工程を経ることによりPDPは製造される。
本発明の誘電体層形成基板は、誘電体層に残存気泡やクラックがなく、誘電体層の表面平滑性が高く、透明性などの光学特性に優れている。そのため、特にPDPの前面ガラス基板として好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(重量平均分子量の測定)
作製した(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。
GPC装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:東ソー社製、TSKgel Super HZM−H、H−RC、HZ−H
流量:0.6ml/min
濃度:0.2wt%
注入量:20μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
(ガラスの転移点及び軟化点の測定)
使用したガラスの転移点及び軟化点は、DTA分析により測定した。転移点はDTA曲線の第一吸熱部の肩の温度であり、軟化点はDTA曲線の第二吸熱部の裾の温度である。
装置:TG/DTA220(エスアイアイナノテクノロジー社製)
昇温速度:20℃/min
(ガラス含有樹脂組成物の粘度の測定、分散性の評価)
調製したガラス含有樹脂組成物の粘度は、BH型粘度計を用いて測定した。分散性が良好な場合、ガラス含有樹脂組成物の粘度が低下することが知られており、分散性の評価の指標となる。ガラス含有樹脂組成物の粘度は、20Pa・s以下であることが好ましい。
装置:BH型粘度計(東機産業社製)
測定条件:No.6ローター、20rpm、23℃
(転写性の評価)
転写シートの保護フィルムを剥離後、転写シートの膜形成材料層表面をパネル用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)の表面(バス電極の固定面)に当接するように重ね合わせ、加熱ロール式ラミネータを用いて熱圧着した。圧着条件は、加熱ロールの表面温度75℃、ロール線圧1kg/cm、ロール移動速度1m/分であった。熱圧着処理後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去した。そして、ガラス基板表面に転写された膜形成材料層の状態を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○:膜形成材料層はガラス基板表面に密着しており、割れや欠けもない。
×:転写できない。
(誘電体層の外観評価)
得られた誘電体層の外観について、気泡欠陥および表面平滑性を目視により観察し、下記基準にて評価した。
気泡欠陥について
○:気泡欠陥がない。
△:僅かに気泡欠陥がある(1〜2個/1250mm)。
×:気泡欠陥が多い(3個以上/1250mm)。
表面平滑性について
◎:極めて平滑である。
○:平滑である。
△:ほぼ平滑であり、蛍光灯の表面反射像が僅かに歪む程度。
×:凹凸が目視で確認できるレベル。
実施例1
〔(メタ)アクリル系樹脂の調製〕
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロ−トを備えた四つ口フラスコにブチルメタクリレート、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、及びトルエンを仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を85℃付近に保って約8時間重合反応を行い、固形分50重量%のメタクリル系樹脂溶液を調製した。得られたメタクリル系樹脂の重量平均分子量は10万であった。
〔無機粉体含有樹脂組成物の調製〕
PbO−B−SiO−ZnO−Al系ガラス粉体(転移点:420℃、軟化点:480℃)100重量部、前記メタクリル系樹脂20重量部、分散剤及び可塑剤としてジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルの混合物(ジグリセリン:モノオレート:ジオレート:トリオレート=7:35:39:19[重量比])4重量部、水酸化カリウム0.05重量部、及び溶剤としてα−テルピネオール36重量部と酢酸ブチルカルビトール4重量部を配合し、分散機を用いて混合分散してペースト状のガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は18Pa・sであった。
〔転写シートの作製〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに剥離剤処理を施した支持フィルム上に、前記調製したガラス含有樹脂組成物をロールコータを用いて塗布し、塗膜を150℃で3分間乾燥することにより溶剤を除去して膜形成材料層(厚さ:72μm)を形成した。その後、膜形成材料層上に保護フィルム(シリコーンで剥離処理したPET)をカバーし、ロール状に巻き取って転写シートを作製した。
〔誘電体層形成ガラス基板の作製〕
前記転写シートの保護フィルムを剥離後、転写シートの膜形成材料層表面をパネル用ガラス基板(旭硝子社製、PD200)の表面(バス電極の固定面)に当接するように重ね合わせ、加熱ロール式ラミネータを用いて熱圧着した。圧着条件は、加熱ロールの表面温度75℃、ロール線圧1kg/cm、ロール移動速度1m/分であった。熱圧着処理後、膜形成材料層から支持フィルムを剥離除去した。膜形成材料層が転写されたガラス基板を焼成炉内に配置し、炉内の温度を室温から600℃まで20℃/分の昇温速度で昇温し、600℃の温度雰囲気下で60分間維持することにより、ガラス基板表面に誘電体層(厚さ:32μm)を形成し、誘電体層形成ガラス基板を作製した。
実施例2
水酸化カリウム0.05重量部の代わりにオレイン酸カリウム0.3重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は17Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
実施例3
水酸化カリウム0.05重量部の代わりに水酸化ナトリウム0.05重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は19Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例1
ジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルの混合物、及び水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は17.5Pa・sであった。目視でガラス粉体の凝集物が確認された。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例2
水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は16.5Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例3
分散剤及び可塑剤としてシランカップリング剤(信越化学社製、KBM3063、ヘキシルトリメトキシシラン)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は7.5Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例4
分散剤及び可塑剤としてポリカルボン酸(共栄社化学社製、フローレンG)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は53Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例5
分散剤及び可塑剤としてソルビタンモノオレート(理研ビタミン社製、ポエムO−80V)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は18Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例6
分散剤及び可塑剤としてプロピレングリコールモノオレート(理研ビタミン社製、リケマールPO−100)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は7.5Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例7
分散剤及び可塑剤としてアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(田岡化学工業社製、DOA)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は19Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例8
分散剤及び可塑剤としてジグリセリンモノオレート(理研ビタミン社製、リケマールDO−100)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は15.5Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例9
分散剤及び可塑剤としてステアリン酸4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は100Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例10
分散剤及び可塑剤としてポリプロピレングリコール4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は14.5Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
比較例11
分散剤及び可塑剤としてモノグリセリンアセチルモノオレート(理研ビタミン社製、ポエムG−038)4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は8Pa・sであった。該ガラス含有樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法で誘電体層形成ガラス基板(誘電体層の厚さ:32μm)を作製した。
比較例12
分散剤及び可塑剤としてジグリセリン4重量部を用い、水酸化カリウムを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法でガラス含有樹脂組成物を調製した。得られたガラス含有樹脂組成物の粘度は74.5Pa・sであった。その後、該ガラス含有樹脂組成物を用いて実施例1と同様の方法で転写シートを作製したが、膜形成材料層の可塑性不足によりガラス基板表面に膜形成材料層を転写できなかった。
Figure 2008101131
表1の結果から、分散剤及び可塑剤としてジグリセリン及びジグリセリン脂肪酸エステルを併用することにより、無機粉体の分散性に優れ、かつシートにした際に転写性に優れる無機粉体含有樹脂組成物が得られることがわかる。また、無機粉体含有樹脂組成物にアルカリ金属化合物を添加することにより、気泡欠陥がなく、極めて表面平滑性に優れる誘電体層を形成することができる。

Claims (12)

  1. A)無機粉体、B)バインダ樹脂、C)ジグリセリン、D)ジグリセリン脂肪酸モノエステル、ジグリセリン脂肪酸ジエステル、ジグリセリン脂肪酸トリエステル、及びジグリセリン脂肪酸テトラエステルからなる群より選択される少なくとも1種のジグリセリン脂肪酸エステル、及びE)アルカリ金属化合物を含有する無機粉体含有樹脂組成物。
  2. バインダ樹脂の重量平均分子量が、5〜50万である請求項1記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  3. バインダ樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である請求項1又は2記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  4. アルカリ金属化合物がリチウム系化合物、カリウム系化合物及びナトリウム系化合物からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  5. 無機粉体100重量部に対して、バインダ樹脂を5〜50重量部、ジグリセリン及びジグリセリン脂肪酸エステルを合計で0.5〜10重量部、アルカリ金属化合物を0.01〜1重量部含有し、かつジグリセリンとジグリセリン脂肪酸エステルの重量比が3:97〜30:70(前者:後者)である請求項1〜4のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  6. 誘電体層の形成材料として用いられる請求項1〜5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂組成物をシート状に形成してなる膜形成材料層。
  8. 支持フィルム上に、少なくとも請求項7記載の膜形成材料層が積層されている転写シート。
  9. 請求項7記載の膜形成材料層を焼成してなる誘電体層。
  10. 請求項8記載の転写シートの膜形成材料層を基板に転写する転写工程、及び転写された膜形成材料層を550〜650℃で焼成し、基板上に誘電体層を形成する焼成工程を含む誘電体層形成基板の製造方法。
  11. 請求項10記載の方法によって製造される誘電体層形成基板。
  12. 請求項11記載の誘電体層形成基板を用いたプラズマディスプレイパネル。
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