JP2008098154A - リチウム複合金属酸化物および非水電解質二次電池 - Google Patents

リチウム複合金属酸化物および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い容量維持率を示すことが可能な非水電解質二次電池およびそれに有用なリチウム複合金属酸化物を提供する。
【解決手段】構成する少なくとも一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを特徴とするリチウム複合金属酸化物。CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得られるリチウム複合金属酸化物の粉末X線回折図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を与えることを特徴とするリチウム複合金属酸化物。前記酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質。前記活物質を有する非水電解質二次電池用正極。前記正極を有する非水電解質二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム複合金属酸化物および非水電解質二次電池に関する。詳しくは、非水電解質二次電池用正極活物質に用いられるリチウム複合金属酸化物および非水電解質二次電池に関する。
リチウム複合金属酸化物は、リチウム二次電池などの非水電解質二次電池に、正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話やノートパソコン等の電源として実用化されており、更に自動車用途や電力貯蔵用途などの中・大型用途においても、適用が試みられている。
従来のリチウム二次電池の正極活物質に用いられているリチウム複合金属酸化物として、特許文献1には、リチウム−ニッケル−マンガン−M複合酸化物(MはFe、Co、Cr、Al)が開示されている。
特開2002−100356号公報
しかしながら、従来の正極活物質を用いたリチウム二次電池について、充放電サイクル試験を行ったときの容量維持率は十分なものでもない。本発明の目的は、高い容量維持率を示すことが可能な非水電解質二次電池およびそれに有用なリチウム複合金属酸化物を提供することにある。
本発明者らは、種々検討した結果、下記の発明が、上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記の発明を提供する。
<1>Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物であって、該リチウム複合金属酸化物を構成する少なくとも一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを特徴とするリチウム複合金属酸化物。
<2>前記単斜晶型の結晶構造が、空間群C2/mに帰属される結晶構造である前記<1>記載のリチウム複合金属酸化物。
<3>前記六方晶型の結晶構造が、空間群R−3mに帰属される結晶構造である前記<1>または<2>記載のリチウム複合金属酸化物。
<4>遷移金属元素の合計量(モル)に対し、Liの量(モル)が1.4以上1.7以下である前記<1>〜<3>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<5>Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物が、Liと、Ni、Co、MnおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有するリチウム複合金属酸化物である前記<1>〜<4>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<6>Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物が、Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物である前記<1>〜<5>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<7>Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物であって、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得られるリチウム複合金属酸化物の粉末X線回折図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を与えることを特徴とするリチウム複合金属酸化物。
<8>前記粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)の強度を100としたとき、回折ピークAの強度が3以上10以下である前記<7>記載のリチウム複合金属酸化物。
<9>六方晶型の結晶構造を有し、該結晶構造のリートベルト解析におけるa軸の格子定数が、2.840Å以上2.851Å以下である前記<7>または<8>記載のリチウム複合金属酸化物。
<10>NiおよびMの合計量(モル)に対し、Liの量(モル)が1.4以上1.7以下である前記<6>〜<9>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<11>NiおよびMの合計量(モル)に対し、Mの量(モル)が0を超え0.9以下である前記<6>〜<10>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<12>Mの合計量(モル)に対し、Coの量(モル)が0以上0.4以下である前記<6>〜<11>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<13>MがMnおよび/またはCoである前記<6>〜<12>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<14>MがMnである前記<6>〜<13>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
<15>前記<1>〜<14>のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質。
<16>前記<15>記載の非水電解質二次電池用正極活物質を有する非水電解質二次電池用正極。
<17>前記<16>記載の非水電解質二次電池用正極を有する非水電解質二次電池。
<18>さらにセパレータを有する前記<17>記載の非水電解質二次電池。
<19>セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱層と熱可塑性樹脂を含有するシャットダウン層とが積層されてなる積層多孔質フィルムからなるセパレータである前記<18>記載の非水電解質二次電池。
<20>前記<17>〜<19>のいずれかに記載の非水電解質二次電池を、40℃以上70℃以下の温度範囲において、最大電圧が4.0V以上5.0V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する非水電解質二次電池の充放電方法。
<21>前記<17>〜<19>のいずれかに記載の非水電解質二次電池を、40℃以上70℃以下の温度範囲において、以下の(1)および(2)の工程をこの順で含む方法により、充放電を行う前記<20>記載の非水電解質二次電池の充放電方法。
(1)非水電解質二次電池を、最大電圧が4.3V以上4.8V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する。
(2)最大電圧が4.0V以上4.4V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲で放電する。
<22>前記<20>または<21>に記載の非水電解質二次電池の充放電方法による充放電がなされた非水電解質二次電池。
本発明によれば、従来のリチウム二次電池に比し、容量維持率が向上した非水電解質二次電池を得ることができることから、殊に、高い電流レートにおける高出力を要求される非水電解質二次電池、すなわち自動車用や電動工具等のパワーツール用の非水電解質二次電池に極めて有用となる。
本発明は、Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物であって、該リチウム複合金属酸化物を構成する少なくとも一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを特徴とするリチウム複合金属酸化物を提供する。
前記六方晶型の結晶構造としては、P3、P31、P32、R3、P−3、R−3、P312、P321、P3112、P3121、P3212、P3221、R32、P3m1、P31m、P3c1、P31c、R3m、R3c、P−31m、P−31c、P−3m1、P−3c1、R−3m、R−3c、P6、P61、P65、P62、P64、P63、P−6、P6/m、P63/m、P622、P6122、P6522、P6222、P6422、P6322、P6mm、P6cc、P63cm、P63mc、P−6m2、P−6c2、P−62m、P−62c、P6/mmm、P6/mcc、P63/mcm、P63/mmcから選ばれる空間群に帰属される結晶構造が挙げられ、得られる非水電解質二次電池の放電容量の観点からは、前記六方晶型の結晶構造は、空間群R−3mに帰属される結晶構造であることが好ましい。
前記単斜晶型の結晶構造としては、P2、P21、C2、Pm、Pc、Cm、Cc、P2/m、P21/m、C2/m、P2/c、P21/c、C2/cから選ばれる空間群に帰属される結晶構造が挙げられ、得られる非水電解質二次電池の容量維持率をより高くする意味では、前記単斜晶型の結晶構造は、空間群C2/mに帰属される結晶構造であることが好ましい。
本発明において、一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することは、以下の(1)および(2)のようにして確認することができる。
(1)まず、リチウム複合金属酸化物について、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定を行い、その結果をもとに後述のリートベルト解析を行い、リチウム複合金属酸化物が有する結晶構造を解析し、該結晶構造における空間群および格子定数を決定する。
(2)リチウム複合金属酸化物粒子について、透過型電子顕微鏡による観察(TEM観察)および該粒子の電子線回折測定を行うことにより、一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを確認することができる。具体的には、電子線回折測定により得られる回折点のデータ(中心点からの距離)および前記(1)における格子定数をもとに、該回折点が前記(1)で決定された空間群において、どの結晶面に帰属されるかを決定し、該回折点について暗視野像を撮影することにより、一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを確認することができる(例えば、「結晶解析ハンドブック」、1999年9月10日発行、日本結晶学会編、参照)。
前記の少なくとも1種の遷移金属元素としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuから選ばれる1種以上の元素が挙げられる。前記のLiおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物は、得られる非水電解質二次電池の放電容量の観点からは、Liと、Ni、Co、MnおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有するリチウム複合金属酸化物であることが好ましく、Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物であることがより好ましい。
本発明のリチウム複合金属酸化物の組成において、Liおよび遷移金属元素の組成としては、遷移金属元素の合計量(モル)に対し、Liの量(モル)は、通常、1.0を超え2.0未満であり、容量維持率をより高める意味で、1.4以上1.7以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以上1.7以下である。
また、本発明は、Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物であって、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得られるリチウム複合金属酸化物の粉末X線回折図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を与えることを特徴とするリチウム複合金属酸化物を提供する。
本発明において、前記回折ピークAは、2θが20°以上23°以下の前記範囲において、強度が最大である回折ピークのことを意味し、前記粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)の強度を100としたとき、回折ピークAの強度が3未満である場合は、かかるリチウム複合金属酸化物は、回折ピークAを与えないものとしてこれを扱う。
非水電解質二次電池の放電容量の観点から、前記粉末X線回折図形において、回折ピークBの強度を100としたときの回折ピークAの強度は3以上10以下であることが好ましい。
また、本発明のリチウム複合金属酸化物は、通常、六方晶型の結晶構造を有し、該結晶構造のリートベルト解析におけるa軸の格子定数は、2.840Å以上2.851Å以下の範囲であることが好ましく、a軸の格子定数が前記範囲であると、非水電解質二次電池の容量維持率をより高くできる傾向にある。ここで、リートベルト解析は、材料の粉末X線回折測定における回折ピークのデータ(回折ピーク強度、回折角2θ)を用いて、材料の結晶構造を解析する手法であり、従来から使用されている手法である(例えば「粉末X線解析の実際−リートベルト法入門−」2002年2月10日発行、日本分析化学会X線分析研究懇談会編、参照)。
本発明におけるLi、NiおよびMの組成としては、NiおよびMの合計量(モル)に対し、Liの量(モル)は、通常、1.0を超え2.0未満であり、容量維持率をより高める意味で、1.4以上1.7以下であることが好ましく、より好ましくは1.5以上1.7以下である。
また、本発明において、NiとMとの組成としては、NiおよびMの合計量(モル)に対し、Mの量(モル)が0を超え0.9以下である場合が、容量維持率をより大きくすることができる意味で好ましく、より好ましくは0.4以上0.9以下であり、さらにより好ましくは0.5以上0.8以下である。
また、本発明において、Mの組成としては、Mの合計量(モル)に対し、Coの量(モル)が0以上0.4以下である場合が、容量維持率をより大きくすることができる意味で好ましく、より好ましくは0以上0.35以下、さらにより好ましくは0以上0.25以下である。また、放電容量が高くなる観点では、MはMnおよび/またはCoであることが好ましく、コスト面を考慮すると、MはMnであることがより好ましい。また、MがFeを含有する場合には、Mの合計量(モル)に対し、Feの量(モル)は、放電容量の観点では、0.01以上0.5以下であることが好ましく、0.05以上0.3以下がより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明におけるリチウム複合金属酸化物のLi、Ni、Co、Mnの一部をB、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Mg、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Ru、Rh、Ir、Pd、Cu、Ag、Zn等の元素で置換してもよい。
本発明のリチウム複合金属酸化物のBET比表面積は、通常、3m2/g以上30m2/g以下程度である。高い電流レートにおいてより高出力を示す非水電解質二次電池を得る意味で、リチウム複合金属酸化物のBET比表面積は、好ましくは4m2/g以上20m2/g以下、より好ましくは5m2/g以上16m2/g以下である。
本発明のリチウム複合金属酸化物をコア材として、その粒子の表面に、さらにB、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Mgおよび遷移金属元素から選ばれる1種以上の元素を含有する化合物で被着させてもよい。上記元素の中でも、B、Al、Mg、Ga、InおよびSnから選ばれる1種以上が好ましく、操作性の観点からAlがより好ましい。該化合物としては、例えば上記元素の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩またはこれらの混合物が挙げられる。中でも、酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物またはこれらの混合物が好ましい。以上の中でもより好ましくはアルミナである。
次に本発明のリチウム複合金属酸化物を製造する方法について、Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物を製造する場合を例に挙げて、説明する。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、焼成により本発明のリチウム複合金属酸化物となり得る金属化合物混合物を焼成する方法、すなわち固相反応法により製造することができる。具体的には、本発明のリチウム複合金属酸化物の組成において、Li:Ni:Mn:Co:Feのモル比が1:x:y:z:qのときには、Liを含有する化合物、Niを含有する化合物、Mnを含有する化合物、Coを含有する化合物、Feを含有する化合物を用いて、Li:Ni:Mn:Co:Feのモル比がA:x:y:z:q(ただし、Aは2以上5以下の範囲の値である。)となるように秤量し、混合した後に得られる金属化合物混合物を好ましくは800℃〜1000℃の温度範囲で焼成することにより得ることができる。ここで、Aは、2.1以上3.5以下の範囲の値であることが好ましい。
前記のLi、Ni、Mn、Co、Feそれぞれの金属元素を含有する化合物としては、酸化物を用いるか、または、水酸化物、オキシ水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩、アルコキシドなど高温で分解および/または酸化して酸化物になり得るものを用いることができる。これらの中でも、Liを含有する化合物としては水酸化物および/または炭酸塩が好ましく、Niを含有する化合物としては水酸化物および/または酸化物が好ましく、Mnを含有する化合物としては炭酸塩および/または酸化物が好ましく、Coを含有する化合物としては酸化物および/または水酸化物が好ましく、Feを含有する化合物としては、酸化物および/または水酸化物が好ましい。また、上記の金属元素の2種以上を含有する複合化合物を、金属元素を含有する化合物として用いてもよい。
リチウム複合金属酸化物の結晶性を高めて、初期放電容量を大きくするために、焼成前の前記の金属化合物混合物が、さらにホウ素を含有する化合物を含有していてもよい。ホウ素を含有する化合物の含有量としては、通常、前記金属化合物混合物中のリチウムを除く金属元素の総モルに対して、ホウ素換算で0.00001モル%以上5モル%以下であり、好ましくは、ホウ素換算で0.0001モル%以上3モル%以下である。ホウ素を含有する化合物としては、酸化ホウ素、ホウ酸が挙げられ、好ましくはホウ酸である。また、ここで金属化合物混合物にさらに含有されたホウ素は、焼成後の本発明のリチウム複合金属酸化物に残留していてもよいし、洗浄、蒸発等により除去されていてもよい。
前記金属元素を含有する化合物の混合は、乾式混合、湿式混合のいずれによってもよいが、より簡便な乾式混合が好ましく、乾式混合装置としては、V型混合機、W型混合機、リボン混合機、ドラムミキサー、乾式ボールミル等によって行うことができる。
前記金属化合物混合物を、必要に応じて圧縮成形した後、800℃以上1000℃以下の温度範囲にて、2〜30時間保持して焼成することによりリチウム複合金属酸化物を得る。また焼成の雰囲気としては、空気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることができ、酸素が含まれている雰囲気が好ましい。
本発明のリチウム複合金属酸化物は、上記の固相反応法以外にも、例えば下記の水熱反応法、すなわち、以下の(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の工程をこの順で含む製法によっても製造することができる。
(1)NiおよびMを含有する水溶液とアルカリ(A)とを混合することにより、沈殿を生成させる工程。
(2)該沈殿と酸化剤と、LiOHを含むアルカリ(B)とを含有する液状混合物を150℃〜350℃の温度範囲で水熱処理し、水熱処理品を得る工程。
(3)該水熱処理品を洗浄し、洗浄品を得る工程。
(4)該洗浄品を乾燥し、乾燥品を得る工程。
(5)該乾燥品とリチウム化合物とを乾式混合により混合して得られる混合物を焼成し、焼成品を得る工程。
工程(1)におけるNiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有する水溶液は、水溶液中に、NiおよびMを含有していればよく、原料として、Ni、Mを含有する化合物で、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩などの水溶性化合物を用いる場合には、該化合物を水に溶解させて製造すればよい。これらの水溶性化合物は、無水物および水和物のいずれであってもよい。また、原料として、Ni、Mの金属材料や、Ni、Mを含有する化合物で、水酸化物、酸水酸化物、酸化物などの水への溶解が困難な化合物を用いる場合には、これらを塩酸などの酸に溶解させて製造すればよい。また、Ni、Mそれぞれについて、上述の水溶性化合物、水への溶解が困難な化合物、金属材料のうち2種以上を併用してもよい。
工程(1)におけるアルカリ(A)としては、LiOH(水酸化リチウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、KOH(水酸化カリウム)、NH3(アンモニア)、Na2CO3(炭酸ナトリウム)、K2CO3(炭酸カリウム)および(NH42CO3(炭酸アンモニウム)からなる群より選ばれる1種以上の無水物および/または該1種以上の水和物を用いることができ、通常、これらを水に溶解させて、水溶液として用いる。該水溶液におけるアルカリ(A)の濃度は、通常0.1〜20M程度、好ましくは0.5〜10M程度である。また、リチウム複合金属酸化物における不純物を減らす観点から、アルカリ(A)として、LiOHの無水物および/または水和物を用いることが好ましい。また、製造コストの面からは、アルカリ(A)としてKOHの無水物および/または水和物を用いることが好ましい。また、これらのアルカリ(A)を2つ以上併用してもよい。
工程(1)において、上記のNiおよびMを含有する水溶液とアルカリ(A)とを混合することにより、沈殿を生成させるときには、例えば、所定濃度のアルカリ(A)の水溶液に、NiおよびMをそれぞれ所定濃度含有する水溶液所定量を添加する。粒径が均一な沈殿を得るために、アルカリ(A)の水溶液を攪拌しながらNiおよびMを含有する水溶液を滴下することがより好ましい。この場合、アルカリ(A)の水溶液を攪拌しながら、該水溶液のpHの計測を開始する。NiおよびMを含有する水溶液を滴下するに従い、計測pHが低下していく傾向にあるが、工程(1)では、計測pHが11以上であるのがよい。
また、沈殿生成を均一に行う意味で、NiおよびMを含有する水溶液および/またはアルカリ(A)の水溶液を冷却して用いてもよい。この冷却のときの温度としては、10℃以下が好ましく、より好ましくは−15℃以上5℃以下程度である。冷却の温度を0℃以下とする場合には、不凍液としてメタノール、エタノール、エチレングリコールなど、水100重量部に対し、不凍液1〜50重量部の割合でNiおよびMを含有する水溶液および/またはアルカリ(A)の水溶液に添加してもよい。
本発明の効果をより上げる意味で、上記のアルカリ(A)の水溶液中に、空気等の酸素含有ガスを導入する操作をしながら、NiおよびMを含有する水溶液を滴下してもよい。NiおよびMを含有する水溶液にアルカリ(A)の水溶液中を添加する場合には、NiおよびMを含有する水溶液に、ガスを導入する操作を行うのがよい。また、混合後に、該操作を行ってもよい。該操作の時間としては、1時間〜5日程度、温度としては、0〜100℃程度である。
工程(1)における混合により、生成された沈殿を有する混合液について、ろ過等の固液分離を行う場合には、混合液を固液分離し得られる沈殿を再度水に分散させて得られる分散液を、工程(2)で用いる。固液分離し得られる沈殿について、洗浄を行ってもよい。また、生成された沈殿を有する混合液を、固液分離を行うことなしに、そのまま工程(2)で用いてもよい。
工程(2)において、液状混合物は、工程(1)で得られた沈殿と酸化剤とLiOHを含むアルカリ(B)とを含有するものである。酸化剤は、液状混合物中の金属元素を酸化するのに用いる。酸化剤としては、NaClO(次亜塩素酸ナトリウム)、HNO3(硝酸)、KClO3(塩素酸カリウム)およびH22(過酸化水素)からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができ、製造コスト、酸化反応性の面では、H22および/またはKClO3が好ましく、酸化反応制御をし易くする意味でより好ましいのはKClO3である。また、LiOHを含むアルカリ(B)としては、LiOHの無水物および/または水和物のみか、さらにNaOHの無水物および/または水和物、KOHの無水物および/または水和物、好ましくはKOHの無水物および/または水和物を含有してもよい。これらの酸化剤およびアルカリ(B)を、上記の混合液または分散液に添加して、液状混合物を製造することができる。液状混合物中の酸化剤の濃度は、通常0.1〜10M程度、好ましくは0.3〜5M程度であり、液状混合物中のアルカリ(B)は、通常0.1〜30M程度、好ましくは、1〜20M程度であり、液状混合物中の沈殿の含有量は通常1〜200g/(液体混合物1L)程度である。また、液状混合物におけるLiの濃度は、0.1〜10Mとしておくことが好ましく、0.5〜5Mとしておくことがより好ましい。液状混合物は、必要に応じて、塩化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウムを含有してもよい。また、液状混合物のpHは、水熱処理における反応を促進させる意味で、11以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましい。
工程(2)において上記の液状混合物を用いて、150℃〜350℃の温度範囲で水熱処理し、水熱処理品を得る。この温度範囲における圧力は、通常、0.4MPa〜17MPa程度である。水熱処理装置としては、オートクレーブを用いればよい。水熱処理の好ましい温度範囲としては、180℃〜250℃である。水熱処理の時間としては、通常0.1〜150時間程度であり、好ましくは0.5〜50時間である。
工程(3)において、水熱処理品を洗浄する。この洗浄により、水熱処理品中の例えば水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酸化剤等の不純物を除去することができる。洗浄は、通常、水熱処理品をろ過等により固液分離後に得られる固形分を、水、水−アルコール、アセトンなどにより洗浄し、再度、固液分離する。固液分離後の固形分が、洗浄品である。
工程(4)において、洗浄品を乾燥し、乾燥品を得る。この乾燥は、通常、熱処理によって行うが、送風乾燥、真空乾燥等によってもよい。熱処理によって行う場合には、通常50〜300℃で行い、好ましくは100℃〜200℃程度である。
工程(5)において、上記乾燥品とリチウム化合物とを乾式混合により混合して得られる混合物を焼成し、焼成品を得る。該焼成品は、本発明のリチウム複合金属酸化物である。工程(5)におけるリチウム化合物としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウムおよび炭酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上の無水物および/または該1種以上の水和物を挙げることができ、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上の無水物および/または該1種以上の水和物が好ましく、固体状態である必要がある。乾燥品とリチウム化合物との混合は、乾式混合により行う。混合装置としては、攪拌混合、V型混合機、W型混合機、リボン混合機、ドラムミキサー、ボールミル等を挙げることができる。
工程(5)において、焼成の温度は、300℃以上1000℃以下であることが好ましく、より好ましくは500℃以上900℃以下である。前記焼成温度で保持する時間は、通常0.1〜20時間であり、好ましくは0.5〜8時間である。前記焼成温度までの昇温速度は、通常50℃〜400℃/時間であり、前記焼成温度から室温までの降温速度は、通常10℃〜400℃/時間である。また、焼成の雰囲気としては、空気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることができるが、酸素が含まれている雰囲気が好ましい。
以上の、固相反応法、水熱反応法により得られるリチウム複合金属酸化物を、ボールミルやジェットミルなどを用いて粉砕してもよいし、粉砕と焼成を2回以上繰り返してもよい。得られるリチウム複合金属酸化物は必要に応じて洗浄あるいは分級することもできる。
上記のようにして得られる本発明のリチウム複合金属酸化物は、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質となる。
次に、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質を有する非水電解質二次電池用正極について、説明する。
非水電解質二次電池用正極は、正極活物質、導電材およびバインダーを含む正極合剤を正極集電体に担持させて製造する。前記導電材としては炭素質材料を用いることができ、炭素質材料として黒鉛粉末、カーボンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックやアセチレンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率及びレート特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着性を低下させ、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。通常、正極合剤中の導電材の割合は、正極活物質100重量部に対して5重量部以上20重量部以下である。導電材として黒鉛化炭素繊維、カーボンナノチューブなどの繊維状炭素材料を用いる場合には、この割合を下げることも可能である。
前記バインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、これらの二種以上を混合して用いてもよい。また、バインダーとしてフッ素樹脂およびポリオレフィン樹脂を用い、正極合剤に対する該フッ素樹脂の割合が1〜10重量%、該ポリオレフィン樹脂の割合が0.1〜2重量%となるように含有させることによって、正極集電体との結着性に優れた正極合剤を得ることができる。
前記正極集電体としては、Al、Ni、ステンレスなどを用いることができるが、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でAlが好ましい。正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、加圧成型する方法、または有機溶媒などを用いてペースト化し、正極集電体上に塗布、乾燥後プレスするなどして固着する方法が挙げられる。ペースト化する場合、正極活物質、導電材、バインダー、有機溶媒からなるスラリーを作製する。有機溶媒としては、N,N―ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン等のアミン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒等が挙げられる。
正極合剤を正極集電体へ塗布する方法としては、例えば、スリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等が挙げられる。以上に挙げた方法により、非水電解質二次電池用正極を製造することができる。
上記の非水電解質二次電池用正極を用いて、次のようにして、非水電解質二次電池を製造することができる。すなわち、セパレータ、負極集電体に負極合剤が担持されてなる負極、および上記の正極を、積層および巻回することにより得られる電極群を、電池缶内に収納した後、電解質を含有する有機溶媒からなる電解液を含浸させて製造することができる。
前記の電極群の形状としては、例えば、該電極群を巻回の軸と垂直方向に切断したときの断面が、円、楕円、長方形、角がとれたような長方形等となるような形状を挙げることができる。また、電池の形状としては、例えば、ペーパー型、コイン型、円筒型、角型などの形状を挙げることができる。
前記負極としては、リチウムイオンをドープ・脱ドーブ可能な材料を含む負極合剤を負極集電体に担持したもの、リチウム金属またはリチウム合金などを用いることができ、リチウムイオンをドープ・脱ドーブ可能な材料としては、具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体などの炭素質材料が挙げられ、正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープを行うことができる酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物を用いることもできる。炭素質材料としては、電位平坦性が高い点、平均放電電位が低い点などから、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛を主成分とする炭素質材料を用いればよい。炭素質材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体などのいずれでもよい。前記の電解液が後述のエチレンカーボネートを含有しない場合において、ポリエチレンカーボネートを含有した負極合剤を用いると、得られる電池のサイクル特性と大電流放電特性が向上することがある。
前記の負極合剤は、必要に応じて、バインダーを含有してもよい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、PVDF、熱可塑性ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
また負極合剤に含有されるリチウムイオンをドープ・脱ドーブ可能な材料として用いられる前記の酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物としては、周期率表の13、14、15族の元素を主体とした結晶質または非晶質の酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物が挙げられ、具体的には、スズ酸化物を主体とした非晶質化合物等が挙げられる。これらは必要に応じて導電材としての炭素質材料を含有することができる。
前記の負極集電体としては、Cu、Ni、ステンレスなどを挙げることができ、リチウムと合金を作り難い点、薄膜に加工しやすいという点で、Cuを用いればよい。該負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、正極の場合と同様であり、加圧成型による方法、溶媒などを用いてペースト化し負極集電体上に塗布、乾燥後プレスし圧着する方法等が挙げられる。
前記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、含窒素芳香族重合体などの材質からなる、多孔質膜、不織布、織布などの形態を有する材料を用いることができ、また、前記の材質を2種以上用いてセパレータとしてもよいし、前記の材料が積層されていてもよい。セパレータとしては、例えば特開2000−30686号公報、特開平10−324758号公報等に記載のセパレータを挙げることができる。セパレータの厚みは電池の体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなるという点で、機械的強度が保たれる限り薄くした方がよく、通常10〜200μm程度、好ましくは10〜30μm程度である。
非水電解質二次電池においては、通常、正極−負極間の短絡等が原因で電池内に異常電流が流れた際に、電流を遮断して、過大電流が流れることを阻止する(シャットダウンする)ことが重要であり、セパレータには、通常の使用温度を越えた場合に、できるだけ低温でシャットダウンする(多孔質フィルムの微細孔を閉塞する)こと、そしてシャットダウンした後、ある程度の高温まで電池内の温度が上昇しても、その温度により破膜することなく、シャットダウンした状態を維持すること、換言すれば、耐熱性が高いことが求められ、セパレータとして、耐熱樹脂を含有する耐熱層と熱可塑性樹脂を含有するシャットダウン層とが積層されてなる積層多孔質フィルムからなるセパレータを用いることにより、本発明の非水電解質二次電池が有する高い容量維持率の効果をより高めることが可能となる。
以下、前記の耐熱樹脂を含有する耐熱層と熱可塑性樹脂を含有するシャットダウン層とが積層されてなる積層多孔質フィルムからなるセパレータについて説明する。
前記積層多孔質フィルムにおいて、耐熱樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニルサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリエステル、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドを挙げることができ、耐熱性をより高める観点で、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドが好ましく、より好ましくは、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドである。さらにより好ましくは、芳香族ポリアミド(パラ配向芳香族ポリアミド、メタ配向芳香族ポリアミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド等の含窒素芳香族重合体であり、とりわけ好ましくは芳香族ポリアミド、製造面で、特に好ましいのは、パラ配向芳香族ポリアミド(以下、「パラアラミド」ということがある。)である。また、耐熱樹脂として、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状オレフィン系重合体を挙げることもできる。これらの耐熱樹脂を用いることにより、耐熱性を高めるすなわち、熱破膜温度を高めることができる。
熱破膜温度は、耐熱樹脂の種類に依存するが、通常、熱破膜温度は160℃以上である。耐熱樹脂として、上記含窒素芳香族重合体を用いることにより、熱破膜温度を最大400℃程度にまで高めることができる。また、ポリ−4−メチルペンテン−1を用いる場合には最大250℃程度、環状オレフィン系重合体を用いる場合には最大300℃程度にまで、熱破膜温度をそれぞれ高めることができる。
上記パラアラミドは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4、4’−ビフェニレン、1、5−ナフタレン、2、6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド、ポリ(4、4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2、6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミドが例示される。
前記の芳香族ポリイミドとしては、芳香族の二酸無水物とジアミンの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。該二酸無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3、3’、4、4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2、2’−ビス(3、4―ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などがあげられる。該ジアミンの具体例としては、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン、3、3’−メチレンヂアニリン、3、3’−ジアミノベンソフェノン、3、3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1、5’−ナフタレンジアミンなどがあげられる。また、溶媒に可溶なポリイミドが好適に使用できる。このようなポリイミドとしては、例えば、3、3’、4、4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンとの重縮合物のポリイミドが挙げられる。
前記の芳香族ポリアミドイミドとしては、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるもの、芳香族二酸無水物および芳香族ジイソシアネートを用いてこれらの縮合重合から得られるものが挙げられる。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはイソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また芳香族二酸無水物の具体例としては無水トリメリット酸などが挙げられる。芳香族ジイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、オルソトリランジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、イオン透過性をより高める意味で、耐熱層の厚みは、1μm以上10μm以下、さらには1μm以上5μm以下、特に1μm以上4μm以下という薄い耐熱層であることが好ましい。また、耐熱層は微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。さらに、耐熱層は、後述のフィラーを含有することもできる。
前記積層多孔質フィルムにおいて、シャットダウン層は、熱可塑性樹脂を含有する。シャットダウン層は、上記耐熱層と同様に、微細孔を有し、その孔のサイズは通常3μm以下、好ましくは1μm以下である。シャットダウン層の空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、シャットダウン層は、それを構成する熱可塑性樹脂の軟化により、微細孔を閉塞する役割を果たす。
前記熱可塑性樹脂は、80〜180℃で軟化するものを挙げることができ、非水電解質二次電池における電解液に溶解しないものを選択すればよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタンを挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化してシャットダウンさせる意味で、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとして、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。シャットダウン層の突刺し強度をより高める意味では、熱可塑性樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、シャットダウン層の製造面において、熱可塑性樹脂は、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有することが好ましい場合もある。
また、シャットダウン層の厚みは、通常、3〜30μmであり、さらに好ましくは5〜20μmである。また、本発明のセパレータは、耐熱層とシャットダウン層とが積層されてなり、セパレータの厚みとしては、通常20μm以下、好ましくは、10μm以下である。また、耐熱層の厚みをA(μm)、シャットダウン層の厚みをB(μm)としたときには、A/Bの値が、0.1以上1以下であることが好ましい。
また、前記耐熱層は、1種以上のフィラーを含有していてもよい。フィラーは、その材質として、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってもよい。フィラーを構成する粒子は、その平均粒子径が、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。
前記有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。該有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機粉末の中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
前記無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、または炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。該無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。ここで、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であることがより好ましく、さらにより好ましいのは、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であり、その一部または全部が略球状のアルミナ粒子である実施形態である。
耐熱層におけるフィラーの含有量としては、フィラーの材質の比重にもよるが、例えば、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子である場合には、耐熱層の総重量を100としたとき、フィラーの重量は、通常20以上95以下、好ましくは30重量%以上90重量%以下である。これらの範囲は、フィラーの材質の比重により、適宜設定できる。
フィラーの形状については、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等が挙げられ、いずれの粒子も用いることができるが、均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。
本発明において、セパレータは、イオン透過性との観点から、ガーレー法による透気度において、透気度が50〜300秒/100ccであることが好ましく、50〜200秒/100ccであることがさらに好ましい。また、セパレータの空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。
前記電解液において、電解質としては、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LIBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、Li210Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4などのリチウム塩が挙げられ、これらの2種以上の混合物を使用してもよい。リチウム塩として、通常、これらの中でもフッ素を含むLiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32およびLiC(SO2CF33からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いる。
また前記電解液において、有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの二種以上を混合して用いる。中でもカーボネート類を含む混合溶媒が好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネート、または環状カーボネートとエーテル類の混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートの混合溶媒としては、動作温度範囲が広く、負荷特性に優れ、かつ負極の活物質として天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を用いた場合でも難分解性であるという点で、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。また、特に優れた安全性向上効果が得られる点で、LiPF6等のフッ素を含むリチウム塩およびフッ素置換基を有する有機溶媒を含む電解液を用いることが好ましい。ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル等のフッ素置換基を有するエーテル類とジメチルカーボネートとを含む混合溶媒は、大電流放電特性にも優れており、さらに好ましい。
上記の電解液の代わりに固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物などの高分子電解質を用いることができる。また、高分子に非水電解質溶液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。またLi2S−SiS2、Li2S−GeS2、Li2S−P25、Li2S−B23などの硫化物電解質、またはLi2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−Li2SO4などの硫化物を含む無機化合物電解質を用いると、安全性をより高めることができることがある。また、本発明の非水電解質二次電池において、固体電解質を用いる場合には、固体電解質がセパレータの役割を果たす場合もあり、その場合には、セパレータを必要としないこともある。
上記のようにして得られる本発明の非水電解質二次電池において、容量維持率をより高めるための充放電方法としては、40℃以上70℃以下の温度範囲において、最大電圧が4.0V以上5.0V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する方法であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上70℃以下の温度範囲において、以下の(1)および(2)の工程をこの順で含む方法により、充放電を行う方法である。尚、(1)の工程は2回以上行ってもよい。
(1)非水電解質二次電池を、最大電圧が4.3V以上4.8V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する。
(2)最大電圧が4.0V以上4.4V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲で放電する。
本発明においては、上記の充放電方法による充放電がなされた非水電解質二次電池は、より電気容量が高まることがあり、好ましい実施形態となる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。尚、リチウム複合金属酸化物(正極活物質)の評価、充放電試験は、次のようにして行った。
1.充放電試験
正極活物質と導電材アセチレンブラックの混合物に、バインダーとしてPVDFの1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)溶液を、活物質:導電材:バインダー=86:10:4(重量比)の組成となるように加えて混練することによりペーストとし、集電体となる#200ステンレスメッシュに該ペーストを塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、正極を得た。
得られた正極に、電解液としてエチレンカーボネート(以下、ECということがある。)とエチルメチルカーボネート(以下、EMCということがある。)との50:50(体積比)混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したもの(以下、LiPF6/EC+EMCと表すことがある。)、セパレータとしてポリプロピレン多孔質膜を、また、負極として金属リチウムを組み合わせて平板型電池を作製した。
上記の平板型電池を用いて、60℃保持下、以下の充放電条件1および充放電条件2で、定電流定電圧充電、定電流放電による充放電試験を実施した。充放電試験のサイクルを繰り返し、所定回数のサイクルにおける放電容量を測定し、以下に従い、容量維持率を計算した。
<充放電条件1>
充電最大電圧4.3V、充電時間8時間、充電電流0.4mA/cm2
放電最小電圧3.0V、放電電流0.4mA/cm2
<充放電条件2>
1サイクル、2サイクルの充電最大電圧4.5V、充電時間8時間、充電電流0.6mA/cm2、放電最小電圧3.0V、放電電流0.6mA/cm2
3サイクル以降の充電最大電圧4.3V、充電時間8時間、充電電流0.6mA/cm2、放電最小電圧3.0V、放電電流0.6mA/cm2
<容量維持率>
容量維持率(%)=所定回数のサイクルにおける放電容量/初回放電容量×100
2.リチウム複合金属酸化物のBET比表面積の測定
粉末1gを窒素雰囲気中150℃、15分間乾燥した後、マイクロメトリックス製フローソーブII2300を用いて測定した。
3.リチウム複合金属酸化物の組成分析
粉末を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析法(SPS3000、以下ICP−AESと呼ぶことがある)を用いて測定した。
4.リチウム複合金属酸化物の粉末X線回折測定
リチウム複合金属酸化物の粉末X線回折測定は株式会社リガク製RINT2500TTR型を用いて行った。測定は、リチウム複合金属酸化物を専用の基板に充填し、CuKα線源を用いて、回折角2θ=10°〜90°の範囲にて行い、粉末X線回折図形を得た。また、リートベルト解析は、解析プログラムRIETAN-2000(F. Izumi and T. Ikeda, Mater. Sci. Forum, 321−324(2000)198、参照)により行い、リチウム複合金属酸化物が有する結晶構造の空間群および格子定数を求めた。
5.リチウム複合金属酸化物粒子のTEM観察および該粒子の電子線回折測定
粒子のTEM観察および該粒子の電子線回折測定は、測定装置として株式会社日本電子製EF−TEM JEM2200FSを用いて行った。具体的には、リチウム複合金属酸化物を支持膜付きCuメッシュ上にのせ、加速電圧が200kVの電子線を照射して、電子線回折測定およびTEM観察(明視野像および暗視野像の撮影)を行った。前記の方法により、一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造(例えば、空間群R−3mに帰属される結晶構造)と単斜晶型の結晶構造(例えば、空間群C2/mに帰属される結晶構造)とを有することの確認を行った。
比較例1
1.リチウム複合金属酸化物の製造
チタン製ビーカー内で、水酸化リチウム一水和物50g、蒸留水500mlおよびエタノール200mlを用いて、攪拌し、水酸化リチウム一水和物を完全に溶解させ、水酸化リチウム水溶液を調製した。水酸化リチウム水溶液入りチタン製ビーカーを低温恒温槽内に静置して、−10℃で保持した。ガラス製ビーカー内で、塩化ニッケル(II)六水和物23.17g、塩化マンガン(II)四水和物23.25g、硝酸コバルト(II)六水和物7.28g(Ni:Mn:Coのモル比は0.41:0.49:0.10である。)および蒸留水500mlを用いて、攪拌し、上記の塩化ニッケル(II)六水和物、塩化マンガン(II)四水和物および硝酸コバルト(II)六水和物の金属塩を完全に溶解させ、ニッケル−マンガン−コバルト水溶液を得た。該水溶液を、−10℃に保持した水酸化リチウム水溶液に、滴下し、沈殿を生成させた。
次いで、生成した沈殿を含む混合液を、低温恒温槽から取出し、室温で空気を吹き込む操作(バブリング)を1日行った。バブリング後に得られた混合液について、ろ過・蒸留水洗浄し、沈殿を得た。
ポリテトラフルオロエチレン製ビーカー内で、水酸化リチウム一水和物50g、塩素酸カリウム50g、水酸化カリウム309gおよび蒸留水500mlを用いて、攪拌し、上記で得た沈殿を添加して、さらに攪拌して沈殿を分散させ、液状混合物を得た。
上記の液状混合物入りのポリテトラフルオロエチレン製ビーカーをオートクレーブ中に静置し、220℃の温度で5時間水熱処理し、自然冷却し、水熱処理品を得た。水熱処理品をオートクレーブから取出し、蒸留水にてデカンテーションを行って、洗浄品を得た。
この洗浄品と、水酸化リチウム一水和物10.49gを蒸留水100mlに溶解させた水酸化リチウム水溶液とを混合し、100℃で乾燥させ、混合物を得た。次いで、混合物をメノウ乳鉢を用いて粉砕して得られた粉末をアルミナ製焼成容器に入れ、電気炉を用いて大気中800℃で焼成を6時間行った。焼成品を室温まで冷却し、粉砕し、蒸留水でデカンテーションによる洗浄を行い、ろ過し、100℃で8時間乾燥して粉末A1を得た。
粉末A1の組成分析の結果、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.34:0.41:0.49:0.10であることがわかった。また、A1のBET比表面積は、6.4m2/gであった。
粉末A1の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.7°で確認できたが、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を確認することはできなかった。また、リートベルト解析の結果、A1の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mに帰属され、そのa軸の格子定数は2.852Åであった。粉末X線回折図形を図4に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末A1を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、113、132、154、169であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、117、136、149であった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末A1を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、165、178、178、178であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、108、108、108であった。
粉末A1の粒子について、電子線回折測定を行ったところ、空間群R−3mで帰属できる回折点だけが観察された。
比較例2
1.リチウム複合金属酸化物の製造
硝酸コバルト(II)六水和物を用いずに、塩化ニッケル(II)六水和物26.15g、塩化マンガン(II)四水和物25.73gを用いて、Ni:Mnのモル比を0.46:0.54とした以外は、比較例1と同様にして、粉末A2を得た。
粉末A2の組成分析の結果、Li:Ni:Mnのモル比は、1.32:0.46:0.54であることがわかった。また、A2のBET比表面積は、5.7m2/gであった。
粉末A2の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.8°で確認できたが、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を確認することはできなかった。また、リートベルト解析の結果、A2の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mに帰属され、そのa軸の格子定数は2.857Åであった。粉末X線回折図形を図4に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末A2を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、112、127、143、154であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、113、128、137であった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末A2を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、145、171、173、175であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、119、119、121であった。
粉末A2の粒子について、電子線回折測定を行ったところ、空間群R−3mで帰属できる回折点だけが観察された。
実施例1
1.リチウム複合金属酸化物の製造
水熱処理品を得るまでの工程は比較例1と同様に行った。水熱処理品をオートクレーブから取出し、蒸留水にてデカンテーションを行った後、ろ過・蒸留水洗浄し、100℃で乾燥させて乾燥品を得た。
前記乾燥品2.0gと、水酸化リチウム一水和物0.894gとをメノウ乳鉢を用いて乾式混合して混合物を得た。次いで、得られた混合物をアルミナ製焼成容器に入れ、電気炉を用いて大気中800℃で焼成を6時間行った。焼成品を室温まで冷却し、粉砕し、蒸留水でデカンテーションによる洗浄を行い、ろ過し、100℃で8時間乾燥して、粉末B1を得た。
粉末B1の組成分析の結果、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.52:0.41:0.49:0.10であることがわかった。また、B1のBET比表面積は、4.6m2/gであった。
粉末B1の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.8°で確認でき、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)は、2θが20.9°で確認でき、回折ピークBの強度を100としたところ、回折ピークAの強度は、3.9であった。また、リートベルト解析の結果、B1の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mと単斜晶である空間群C2/mに帰属され、六方晶である空間群R−3mのa軸の格子定数は2.849Åであった。粉末X線回折図形を図4に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末B1を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、106、125、150、172であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、118、142、162であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末B1を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、170、202、204、208であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、119、120、122であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
粉末B1を構成する粒子について、TEM観察および電子線回折測定を行った。TEM観察による写真(明視野像)を図1に示す。次いで、該粉末B1の電子線回折測定を行ったところ、空間群R−3mで帰属できる回折点と共に、空間群C2/mで帰属できる回折点の存在も確認された。このときの電子線回折像を図2に示す。図2において、白丸印で囲っている回折点は、空間群C2/mで帰属される回折点であった。
次いで、空間群C2/mで帰属できる回折点をもとに、暗視野像のTEM写真を撮影した。図3に暗視野像のTEM写真を示す。図3において、白い斑点状に見える領域が、空間群C2/mで帰属できる結晶構造を有する領域である。また、粒子中の白い斑点状ではない領域が、空間群R−3mで帰属できる結晶構造を有する領域であり、粒子が、一つの粒子内に空間群R−3mに帰属される結晶構造と空間群C2/mに帰属される結晶構造とを共に有することがわかった。
実施例2
1.リチウム複合金属酸化物の製造
乾燥品2.0gと、水酸化リチウム一水和物1.79gとをメノウ乳鉢を用いて乾式混合して混合物を得た以外は、実施例1と同様にして、粉末B2を得た。
粉末B2の組成分析の結果、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.55:0.40:0.50:0.10であることがわかった。また、B2のBET比表面積は、4.0m2/gであった。
粉末B2の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.8°で確認でき、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)は、2θが20.9°で確認でき、回折ピークBの強度を100としたところ、回折ピークAの強度は、3.8であった。また、リートベルト解析の結果、B2の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mと単斜晶である空間群C2/mに帰属され、六方晶である空間群R−3mのa軸の格子定数は2.847Åであった。粉末X線回折図形を図4に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末B2を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、94、126、163、182であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、134、173、194であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末B2を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、154、202、203、204であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、131、132、132であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
実施例3
1.リチウム複合金属酸化物の製造
乾燥品2.0gと、水酸化リチウム一水和物3.58gとをメノウ乳鉢を用いて乾式混合して混合物を得た以外は、実施例1と同様にして、粉末B3を得た。
粉末B3の組成分析の結果、Li:Ni:Mn:Coのモル比は、1.57:0.40:0.49:0.11であることがわかった。また、B3のBET比表面積は、3.8m2/gであった。
粉末B3の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.8°で確認でき、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)は、2θが20.8°で確認でき、回折ピークBの強度を100としたところ、回折ピークAの強度は、4.2であった。また、リートベルト解析の結果、B3の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mと単斜晶である空間群C2/mに帰属され、六方晶である空間群R−3mのa軸の格子定数は2.848Åであった。粉末X線回折図形を図4に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末B3を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、92、113、141、165であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、123、153、179であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末B3を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、145、197、197、197であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、136、136、136であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
実施例4
1.リチウム複合金属酸化物の製造
硝酸コバルト(II)六水和物7.28gの代わりに、塩化鉄(III)六水和物6.76gを用いた以外は、比較例1と同様にして、水熱処理品を得た(Ni:Mn:Feのモル比は0.41:0.49:0.10である。)。水熱処理品をオートクレーブから取出し、蒸留水にてデカンテーションを行った後、ろ過・蒸留水洗浄し、100℃で乾燥させて乾燥品を得た。
前記乾燥品2.0gと、水酸化リチウム一水和物1.79gとをメノウ乳鉢を用いて乾式混合して混合物を得た。次いで、得られた混合物をアルミナ製焼成容器に入れ、電気炉を用いて大気中800℃で焼成を6時間行った。焼成品を室温まで冷却し、粉砕し、蒸留水でデカンテーションによる洗浄を行い、ろ過し、100℃で8時間乾燥して、粉末B4を得た。
粉末B4の組成分析の結果、Li:Ni:Mn:Feのモル比は、1.51:0.41:0.49:0.10であることがわかった。また、B4のBET比表面積は、4.4m2/gであった。
粉末B4の粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)は、2θが18.7°で確認でき、該図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)は、2θが20.8°で確認でき、回折ピークBの強度を100としたところ、回折ピークAの強度は、4.8であった。また、リートベルト解析の結果、B1の結晶構造は、六方晶である空間群R−3mと単斜晶である空間群C2/mに帰属され、六方晶である空間群R−3mのa軸の格子定数は2.851Åであった。粉末X線回折図形を図5に示す。
2.リチウム二次電池の充放電条件1における充放電試験
粉末B4を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、10回目、20回目、30回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、82、133、161、165であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、161、196、201であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
3.リチウム二次電池の充放電条件2における充放電試験
粉末B4を用いて平板型電池を作製し、充放電試験のサイクルを繰り返した結果、初回、3回目、5回目、10回目における放電容量(mAh/g)は、それぞれ、125、180、176、176であり、容量維持率(%)は、それぞれ100、143、140、140であり、A1およびA2の容量維持率よりも高かった。
製造例1(積層多孔質フィルムの製造)
(1)塗工液の製造
NMP4200gに塩化カルシウム272.7gを溶解した後、パラフェニレンジアミン132.9gを添加して完全に溶解させた。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド243.3gを徐々に添加して重合し、パラアラミドを得て、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液(A)を得た。得られたパラアラミド溶液100gに、アルミナ粉末(a)2g(日本アエロジル社製、アルミナC,平均粒子径0.02μm)とアルミナ粉末(b)2g(住友化学株式会社製スミコランダム、AA03、平均粒子径0.3μm)とをフィラーとして計4g添加して混合し、ナノマイザーで3回処理し、さらに1000メッシュの金網で濾過、減圧下で脱泡して、スラリー状塗工液(B)を製造した。パラアラミドおよびアルミナ粉末の合計重量に対するアルミナ粉末(フィラー)の重量は、67重量%となる。
(2)積層多孔質フィルムの製造および評価
シャットダウン層としては、ポリエチレン製多孔質膜(膜厚12μm、透気度140秒/100cc、平均孔径0.1μm、空孔率50%)を用いた。厚み100μmのPETフィルムの上に上記ポリエチレン製多孔質膜を固定し、テスター産業株式会社製バーコーターにより、該多孔質膜の上にスラリー状塗工液(B)を塗工した。PETフィルム上の塗工された該多孔質膜を一体にしたまま、貧溶媒である水中に浸漬させ、パラアラミド多孔質膜(耐熱層)を析出させた後、溶媒を乾燥させて、耐熱層とシャットダウン層とが積層された積層多孔質フィルム1を得た。積層多孔質フィルム1の厚みは16μmであり、パラアラミド多孔質膜(耐熱層)の厚みは4μmであった。積層多孔質フィルム1の透気度は180秒/100cc、空孔率は50%であった。積層多孔質フィルム1における耐熱層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察をしたところ、0.03μm〜0.06μm程度の比較的小さな微細孔と0.1μm〜1μm程度の比較的大きな微細孔とを有することがわかった。尚、積層多孔質フィルムの評価は以下の方法で行った。
積層多孔質フィルムの評価
(A)厚み測定
積層多孔質フィルムの厚み、シャットダウン層の厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。また、耐熱層の厚みとしては、積層多孔質フィルムの厚みからシャットダウン層の厚みを差し引いた値を用いた。
(B)ガーレー法による透気度の測定
積層多孔質フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(C)空孔率
得られた積層多孔質フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi)を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(g/cm3)とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
上記実施例1〜4のそれぞれにおいて、セパレータとして、製造例1により得られた積層多孔質フィルムを用いれば、さらに容量維持率を高め、しかも、熱破膜温度をより高めることのできるリチウム二次電池を得ることができる。
実施例1における粉末のTEM写真(明視野像)。 実施例1における粉末の電子線回折像である。 実施例1における粉末のTEM写真(暗視野像)。 実施例1〜3および比較例における粉末の粉末X線回折図形。 実施例4における粉末の粉末X線回折図形。

Claims (22)

  1. Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物であって、該リチウム複合金属酸化物を構成する少なくとも一個のリチウム複合金属酸化物粒子が、六方晶型の結晶構造と単斜晶型の結晶構造とを共に有することを特徴とするリチウム複合金属酸化物。
  2. 前記単斜晶型の結晶構造が、空間群C2/mに帰属される結晶構造である請求項1記載のリチウム複合金属酸化物。
  3. 前記六方晶型の結晶構造が、空間群R−3mに帰属される結晶構造である請求項1または2記載のリチウム複合金属酸化物。
  4. 遷移金属元素の合計量(モル)に対し、Liの量(モル)が1.4以上1.7以下である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  5. Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物が、Liと、Ni、Co、MnおよびFeから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有するリチウム複合金属酸化物である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  6. Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素を含有するリチウム複合金属酸化物が、Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  7. Li、NiおよびM(ここで、MはMn、CoおよびFeからなる群より選ばれる1種以上の遷移金属元素を表す。)を含有するリチウム複合金属酸化物であって、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得られるリチウム複合金属酸化物の粉末X線回折図形において、2θが20°以上23°以下の範囲に回折ピーク(回折ピークA)を与えることを特徴とするリチウム複合金属酸化物。
  8. 前記粉末X線回折図形において、最大強度を示す回折ピーク(回折ピークB)の強度を100としたとき、回折ピークAの強度が3以上10以下である請求項7記載のリチウム複合金属酸化物。
  9. 六方晶型の結晶構造を有し、該結晶構造のリートベルト解析におけるa軸の格子定数が、2.840Å以上2.851Å以下である請求項7または8記載のリチウム複合金属酸化物。
  10. NiおよびMの合計量(モル)に対し、Liの量(モル)が1.4以上1.7以下である請求項6〜9のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  11. NiおよびMの合計量(モル)に対し、Mの量(モル)が0を超え0.9以下である請求項6〜10のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  12. Mの合計量(モル)に対し、Coの量(モル)が0以上0.4以下である請求項6〜11のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  13. MがMnおよび/またはCoである請求項6〜12のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  14. MがMnである請求項6〜13のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載のリチウム複合金属酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質。
  16. 請求項15記載の非水電解質二次電池用正極活物質を有する非水電解質二次電池用正極。
  17. 請求項16記載の非水電解質二次電池用正極を有する非水電解質二次電池。
  18. さらにセパレータを有する請求項17記載の非水電解質二次電池。
  19. セパレータが、耐熱樹脂を含有する耐熱層と熱可塑性樹脂を含有するシャットダウン層とが積層されてなる積層多孔質フィルムからなるセパレータである請求項18記載の非水電解質二次電池。
  20. 請求項17〜19のいずれかに記載の非水電解質二次電池を、40℃以上70℃以下の温度範囲において、最大電圧が4.0V以上5.0V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する非水電解質二次電池の充放電方法。
  21. 請求項17〜19のいずれかに記載の非水電解質二次電池を、40℃以上70℃以下の温度範囲において、以下の(1)および(2)の工程をこの順で含む方法により、充放電を行う請求項20記載の非水電解質二次電池の充放電方法。
    (1)非水電解質二次電池を、最大電圧が4.3V以上4.8V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲となる電圧で放電する。
    (2)最大電圧が4.0V以上4.4V以下の範囲となる電圧で充電し、最小電圧が2.0V以上3.0V以下の範囲で放電する。
  22. 請求項20または21に記載の非水電解質二次電池の充放電方法による充放電がなされた非水電解質二次電池。
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