JP2008093760A - ドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近には耐溶着性の高い被膜と、切り屑の流れるすくい面が熱による影響を強く受けてクレーター摩耗が発生することを防止する耐熱・耐酸化性の高い被膜との両者を有する、ドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜を提供。
【解決手段】工具基体1に接する第一層2に密着層として、TiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、第二層3に耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、第三層4に耐熱・酸素バリアー層としてAlCrNの被膜を置き、最表面の第四層5に耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置く。
【選択図】 図1
【解決手段】工具基体1に接する第一層2に密着層として、TiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、第二層3に耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、第三層4に耐熱・酸素バリアー層としてAlCrNの被膜を置き、最表面の第四層5に耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置く。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ドライ切削で使用する切削工具用被膜に関し、さらに詳細には刃先が高温になる切削条件下でも従来に較べ優れた耐酸化性、耐摩耗性、ならびに耐溶着性に優れる硬質被膜に関する。
環境保存対応や加工の低コスト化対応のため、近年は切削加工の高速化やドライ化が進行している。特にドライ加工は、冷風のみの雰囲気や少量の潤滑剤あるいは少量の潤滑剤と冷却剤が供給される環境下で行われ、切削工具の刃先の温度が高くなる傾向にある。このため、それらに対応できる耐久性の高い切削工具用被膜が強く求められるようになってきた。そのニーズに対応する被膜として、TiAlNおよびTiSiN膜が開発され、一定の効果をもたらしてきた。また、近年はさらにそれらよりも優れた耐熱特性を持つAlCrN膜が実用化されているが、この終わりのないニーズはさらなる性能向上を求めており、それに対して例えば特許文献1〜特許文献8などに様々な提案がなされている。
特開2002‐ 96205号公報
特開2001‐198723号公報
特開2002‐337007号公報
特開2004‐106183号公報
特開2003‐ 48103号公報
特開2006‐188736号公報
特開2004‐332005号公報
特開2006‐181645号公報
従来の提案の中心は、例えば特許文献1〜特許文献6などに示されている、Ti、Al、SiおよびCrの二種以上から構成される窒化物すなわちTiAlN、TiSiNおよびAlCrNをベースとし、これらに添加元素を加えたり、窒化物を酸化物、ホウ化物としたり、あるいはN、O、C、Bの二種以上の化合物、すなわち炭窒化物、酸窒化物、ホウ窒化物、炭酸窒化物、ホウ炭窒化物、ホウ炭化物、炭酸ホウ化物としたりする方法である。これらの方策は、一定の効果はあるものの、ベースとなる構成の膜の特性を大幅に改善することはなく、製造方法が煩雑になり、新たな添加元素を加えるとターゲットの製造コストが高くなり、コーティング処理のコストアップにもなる。また、特許文献6のCrAlN系の膜は耐熱特性は優れるものの、鉄とのぬれ性が良いため、鋼の切削で溶着しやすいという課題もある。
別の対策として、例えば特許文献7、特許文献8などに、耐酸化性には圧倒的な強さを持つα‐アルミナを含む酸化物被膜を物理蒸着法(PVD法)で形成する方法が提案されている。即ち、従来からα‐アルミナは耐熱性に優れ、適度な硬度を有することからインサートチップへのコーティングに使われていた。しかしながら、この方法は化学蒸着法(CVD法)で行われており、処理温度が約1000°Cと高いことから、処理できる基材は超硬合金やサーメットに限定されていた。したがって、これを物理蒸着法で行うというこれらの提案も良い提案ではあるが、α‐アルミナ化するには同様に 700°C以上の処理温度が必要になり、被覆できる工具の基材が限定されるとともに、高温処理となるため、使うことのできる装置も限定されるというデメリットがある。
即ち、現状のTiAlN系およびTiSiN系膜の耐酸化性は従来のTiNやTiCN膜に較べると高いものの、AlCrN系の膜より耐酸化性が低い。その特性は添加物を加えたり、C、N、O、B化したりしてもTiとAl、あるいはTiとSiを基本構成とするかぎり、大きく変わらない。また、CrAlN系の膜はTiAlN膜やTiSiN膜に較べると硬度が低く、耐アブレッシブ摩耗性が低いという課題、ならびに鉄とのぬれ性が良いため、溶着しやすいという課題がある。このように、現状のTiAlN系、TiSiN系、およびCrAlN系の膜では1種類でこれら全ての特性を満足させることはできない。そこで、特許文献1〜特許文献3ではこれらの膜を多層化して両方の要求を満足させようとしているが、耐酸化性と耐摩耗性の点では必ずしも成功していない。
本発明の課題は、特に鋼のドライ切削工具用被膜において、刃先が高温になる切削条件下でも、構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近には耐溶着性の高い被膜と、切り屑の流れるすくい面には熱による影響を強く受けてクレーター摩耗が発生することを防止する耐熱・耐酸化性の高い被膜との両者を有する、ドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜を提供することにある。
このため本発明は、工具基体に接する第一層に密着層として、TiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、第二層に耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、第三層に耐熱・酸素バリアー層としてAlCrNの被膜を置き、最表面の第四層に耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置くことを特徴とするドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜を提供することによって上記した従来製品の課題を解決した。
切削工具の摩耗形態を見ると、被削材の切削面と摩擦する刃先の逃げ面側では主にアブレッシブ摩耗が中心となって摩耗が進行する。したがって、この部分には耐摩耗性の高い硬い膜が求められる。これに対して、切り屑の流れるすくい面は熱による影響を強く受け、クレーター摩耗が発生する。したがって、この部分には耐熱・耐酸化性の高い膜が求められる。また、構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近には耐溶着性の高い膜が求められる。しかしながら、切削工具の逃げ面側とすくい面側の部位ごとに異なる特性を持つ膜を被覆することは困難であり、現実的ではない。そこで、本発明者等は、多層膜として当該部位に必要とされる特性を持つ膜を少なくとも1層含ませる方法について検討し、多層化をそれぞれの機能を持った膜を例えば超多層化する方法ではなく、しっかりした特性を持った膜を機能別に積み重ねるという方法を採った。
本発明では図1に具体的に示すように、工具基体に最も近い部分には膜の密着性を確保するためのTiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、次いで第二層に硬さをもつ耐熱・耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、次いで第三層に耐熱・耐酸化性と酸素透過バリヤー性を持つCrAlNの被膜を置き、そして最表面の第四層に被削材の溶着を防止するため、被削材とのぬれ性の悪い耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を被覆した。かかる構成により、ドライ加工のごとき刃先の温度が高くなる加工において、最も温度が上がりクレーター摩耗が発生する部分すなわち切り屑の流れるすくい面の耐熱性が要求される部分では耐溶着膜は酸化で早期に除去されるものの、その下層の耐熱・酸素バリアー層が残ってその機能を果たすので、すくい面の被膜の耐熱・酸素バリアー機能が失なわれず、かつ溶着が発生しやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近では比較的アブレッシブ摩耗の進行が遅いので耐溶着層が残って溶着を防止し、他方、被削材の切削面と摩擦する刃先の逃げ面側では主にアブレッシブ摩耗が中心となって耐溶着層と耐熱・酸素バリアー層が早期に摩耗するが、その下層の耐熱・耐摩耗層が残り、耐摩耗性の高い硬い膜の機能を果たすので、特に鋼のドライ切削工具用被膜において、刃先が高温になる切削条件下でも構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近には耐溶着性の高い被膜と、切り屑の流れるすくい面が熱による影響を強く受けてクレーター摩耗が発生することを防止する耐熱・耐酸化性の高い被膜との両者を有する、切削工具の部位ごとに異なる特性を持つ被膜を被覆することなく同一の硬質被膜で提供するものとなった。
密着性を確保しやすい被膜としては、TiN、TiAlN、CrNの被膜がよく、また、硬さと耐熱特性に優れる被膜としては、TiAlN、TiSiNの被膜がよく、これらは特性が安定して使いやすいこともあり、現在でも多く用いられている。高い耐熱性と酸素バリアー性を持つ膜は基本的には酸化物であるが、切削による熱で高温になった時に酸化して内部を守る作用をしても構わない。AlCrN膜は、Al2 O3 のように酸化しない膜ほどではないが、基本的に優れた耐酸化特性を有しており、大気雰囲気中において1000°Cで1時間の加熱を行っても膜の表層のみが酸化し、内部までは酸化が進行しないという特徴を持っている。最表層に置かれる鋼の溶着が少ない被膜は鋼とのぬれ性が良くない材料であり、そのような材料としてはcBN、Al2 O3 があげられるが、いずれも物理蒸着法で被覆するのが難しく、現在の技術で容易に処理できる被膜の中では本発明のTiAlNとTiSiNの被膜が優れている。
好ましくは、第一層と第二層に共通するTiAlN膜があるので、第一層の密着層と第二層の耐熱・耐摩耗層を同じTiAlNの被膜とすることで、製造の観点から実質的に三層となり、成膜速度が速くなるとともに、コストダウンとなる。
より好ましくは、密着層は基体と第二層の接着の役割を担うので、厚さは特に厚い必要はなく、0.05〜1μmの範囲が好ましい。第二層の耐熱・耐摩耗層は、適度な耐熱性と耐摩耗の役割を担うので、特に耐摩耗特性に関しては厚い方が好まれる。しかしながら、硬質膜を厚くすると切削工具の刃先がチッピングを起こしやすくなるので、全体の膜厚としては7μm以下に押さえるのが好ましく、また摩耗に対して必要な寿命を確保する観点からは耐摩耗層の厚さは1μm以上の膜厚が好ましい。これらのことを勘案すると、第二層の耐熱・耐摩耗層の厚さは1μm以上、7μm以下が好ましい。第三層の耐熱・酸素バリアー層は平滑な基体であれば薄くとも十分にその機能を発揮するので原理的には 0.1μmでも良いのであるが、実際には表面粗さのため膜の付きにくい部分がある基体や、ピンホールあるいは微細な異物の影響で被覆されない部分が現れたりするので5μm以上が好ましく、最表面の第四層の耐溶着層は工具の耐久期間は刃先の必要な部位に耐えて残っている必要があるが、アブレッシブ摩耗に対する耐摩耗性を要求される耐摩耗層ほどの厚さは必要ないので、第四層の耐溶着層の厚さはは0.5 μm以上、3μm以下が好ましい。
さらに好ましくは、上記の被膜にはTiN、TiAlN、AlCrN、CrN、TiSiNの各窒化物を用いているが、これらの被膜単体に酸素、炭素あるいはホウ素を原子数比で窒素の 5〜15%相当を添加したところ、無添加に較べ膜の硬度が高くなった。これらの方法はベースとなる窒化物の基本特性を変えずに機能を高めることができるので、処理がやや複雑になるものの、窒化物単体で用いるより有効である。
より好ましくは、密着層は基体と第二層の接着の役割を担うので、厚さは特に厚い必要はなく、0.05〜1μmの範囲が好ましい。第二層の耐熱・耐摩耗層は、適度な耐熱性と耐摩耗の役割を担うので、特に耐摩耗特性に関しては厚い方が好まれる。しかしながら、硬質膜を厚くすると切削工具の刃先がチッピングを起こしやすくなるので、全体の膜厚としては7μm以下に押さえるのが好ましく、また摩耗に対して必要な寿命を確保する観点からは耐摩耗層の厚さは1μm以上の膜厚が好ましい。これらのことを勘案すると、第二層の耐熱・耐摩耗層の厚さは1μm以上、7μm以下が好ましい。第三層の耐熱・酸素バリアー層は平滑な基体であれば薄くとも十分にその機能を発揮するので原理的には 0.1μmでも良いのであるが、実際には表面粗さのため膜の付きにくい部分がある基体や、ピンホールあるいは微細な異物の影響で被覆されない部分が現れたりするので5μm以上が好ましく、最表面の第四層の耐溶着層は工具の耐久期間は刃先の必要な部位に耐えて残っている必要があるが、アブレッシブ摩耗に対する耐摩耗性を要求される耐摩耗層ほどの厚さは必要ないので、第四層の耐溶着層の厚さはは0.5 μm以上、3μm以下が好ましい。
さらに好ましくは、上記の被膜にはTiN、TiAlN、AlCrN、CrN、TiSiNの各窒化物を用いているが、これらの被膜単体に酸素、炭素あるいはホウ素を原子数比で窒素の 5〜15%相当を添加したところ、無添加に較べ膜の硬度が高くなった。これらの方法はベースとなる窒化物の基本特性を変えずに機能を高めることができるので、処理がやや複雑になるものの、窒化物単体で用いるより有効である。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本発明の実施形態のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜は、その構成を示す説明図である図1に示すように、工具基体1に接する第一層2に密着層として、TiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、第二層3に耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、第三層4に耐熱・酸素バリアー層としてAlCrNの被膜を置き、最表面の第四層5に耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置くものである。
好ましくは、第一層と第二層に共通するTiAlN膜があるので、第一層の密着層と第二層の耐熱・耐摩耗層を同じTiAlNの被膜とすることで、製造の観点から実質的に三層となり、成膜速度が速くなるとともに、コストダウンとなる。
より好ましくは、密着層は基体と第二層の接着の役割を担うので、厚さは特に厚い必要はなく、0.05〜1μmの範囲が好ましい。第二層の耐熱・耐摩耗層は、適度な耐熱性と耐摩耗の役割を担うので、特に耐摩耗特性に関しては厚い方が好まれる。しかしながら、硬質膜を厚くすると切削工具の刃先がチッピングを起こしやすくなるので、全体の膜厚としては7μm以下に押さえるのが好ましく、また摩耗に対して必要な寿命を確保する観点からは耐摩耗層の厚さは1μm以上の膜厚が好ましい。これらのことを勘案すると、耐摩耗層の厚さは1μm以上、7μm以下が好ましい。第三層の耐熱・酸素バリアー層は平滑な基体であれば薄くとも十分にその機能を発揮するので原理的には 0.1μmでも良いのであるが、実際には表面粗さのため膜の付きにくい部分がある基体や、ピンホールあるいは微細な異物の影響で被覆されない部分が現れたりするので、5μm以上が好ましく、最表面の耐溶着層は工具の耐久期間は刃先の必要な部位に耐えて残っている必要があるが、アブレッシブ摩耗に対する耐摩耗性を要求される耐摩耗層ほどの厚さは必要ないので、0.5 μm以上、3μm以下が好ましい。
さらに好ましくは、上記の被膜にはTiN、TiAlN、AlCrN、CrN、TiSiNの各窒化物を用いているが、これらの被膜単体に酸素、炭素あるいはホウ素を原子数比で窒素の 5〜15%相当を添加したところ、無添加に較べ膜の硬度が高くなった。これらの方法はベースとなる窒化物の基本特性を変えずに機能を高めることができるので、処理がやや複雑になるものの、窒化物単体で用いるより有効である。
より好ましくは、密着層は基体と第二層の接着の役割を担うので、厚さは特に厚い必要はなく、0.05〜1μmの範囲が好ましい。第二層の耐熱・耐摩耗層は、適度な耐熱性と耐摩耗の役割を担うので、特に耐摩耗特性に関しては厚い方が好まれる。しかしながら、硬質膜を厚くすると切削工具の刃先がチッピングを起こしやすくなるので、全体の膜厚としては7μm以下に押さえるのが好ましく、また摩耗に対して必要な寿命を確保する観点からは耐摩耗層の厚さは1μm以上の膜厚が好ましい。これらのことを勘案すると、耐摩耗層の厚さは1μm以上、7μm以下が好ましい。第三層の耐熱・酸素バリアー層は平滑な基体であれば薄くとも十分にその機能を発揮するので原理的には 0.1μmでも良いのであるが、実際には表面粗さのため膜の付きにくい部分がある基体や、ピンホールあるいは微細な異物の影響で被覆されない部分が現れたりするので、5μm以上が好ましく、最表面の耐溶着層は工具の耐久期間は刃先の必要な部位に耐えて残っている必要があるが、アブレッシブ摩耗に対する耐摩耗性を要求される耐摩耗層ほどの厚さは必要ないので、0.5 μm以上、3μm以下が好ましい。
さらに好ましくは、上記の被膜にはTiN、TiAlN、AlCrN、CrN、TiSiNの各窒化物を用いているが、これらの被膜単体に酸素、炭素あるいはホウ素を原子数比で窒素の 5〜15%相当を添加したところ、無添加に較べ膜の硬度が高くなった。これらの方法はベースとなる窒化物の基本特性を変えずに機能を高めることができるので、処理がやや複雑になるものの、窒化物単体で用いるより有効である。
本発明の実施形態のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜を、高速度工具鋼製ホブの1列歯を構成する外周面に多数の切削刃を形成した舞ツールに被覆し、これを用いたドライ歯切り加工にて評価した。
舞ツールへの被覆は、アークイオンプレーティング装置を用いて、膜の種類により、1回または2回に分けて処理を行った。その代表として、第一層にTiNを 0.1μm、第二層にTiAlNを 2.5μm、第三層にAlCrNを 1.5μm、第四層にTiAlNを 1.0μm被覆した例について示す。本例では、4個のターゲットを設置するコーティング装置に、それぞれ、Tiターゲットを1個、TiとAlの原子数比が50:50のTiAlターゲットを1個、AlとCrの原子数比が40:60のAlCrターゲットを2個取り付けた。そして、通常の工程、すなわち洗浄された舞ツールホブを装置へ充填した後、真空排気、加熱脱ガスを行い、アルゴンガスを導入してイオンボンバードによるワーク表面のクリーニングを行い、その後、アルゴンガスと窒素ガスを導入してTiターゲットを動作させてTiN密着層を形成した。次いで、TiターゲットからTiAlターゲットへ切り換えて耐熱・耐摩耗機能を持つTiAlN層を形成し、次いでAlCrターゲットへ切り換えて耐熱・酸素バリアー機能を持つAlCrN層を形成し、最表層は再びTiAlターゲットに切り換えて耐溶着機能を有するTiAlN層を形成した。
第一層にCrNを置く場合には、まず溶解方式のイオンプレーティング装置を用いてCrNを形成し、その後アークイオンプレーティング装置を用いて上層の膜を形成した。また、窒化物膜に酸素を少量添加する場合にはアルゴンガスと窒素ガスに酸素ガスを添加し、同様に窒化物膜に炭素を添加する場合にはアセチレンガスを添加した。このとき、酸素ガスの添加量は窒素ガスの2〜5%、アセチレンガスの添加量は窒素ガスの5〜15%とした。ホウ素の添加はアークイオンプレーティング装置にTiB2ターゲットを1個取り付けて行った。TiB2ターゲット1個とTiAlターゲット1個を同時に同程度のパワーで動作させることで、膜には原子数比で窒素の15%のホウ素取り込また。
舞ツールを用いた評価試験は、直径 145mm、厚さ70mmの硬さ 180HBに調質したクロムモリブデン鋼SCM 420Hを被削材とし、切削速度 200m/分、送り速度0.82mm/回転、切り込み量 4.5mm、クライムカット、ドライエアブローの条件で行った。切削は歯溝の加工長さが20mに達するまで行い、性能評価は舞ツールのクレーター摩耗、逃げ面摩耗、および刃先への被削材の溶着の目視確認によって行った。
表1には本発明および比較例の膜の構成ならびに切削試験の結果を示す。この結果から判るように、本発明の実施形態の構成の硬質被膜は、舞ツールに被覆して用いたところ、ドライ加工において刃先が高温になる切削条件下でも切削工具の部位ごとに必要な特性を持つ被膜が残り、期待通り、舞ツールの構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近の耐溶着性を改善し、切り屑の流れるすくい面で耐熱・耐酸化性の高い被膜を有し、クレーター摩耗および逃げ面摩耗が少なく、切削工具の寿命延ばし、また刃先への溶着が少ないので被削面も良好で改善された。
表1には本発明および比較例の膜の構成ならびに切削試験の結果を示す。この結果から判るように、本発明の実施形態の構成の硬質被膜は、舞ツールに被覆して用いたところ、ドライ加工において刃先が高温になる切削条件下でも切削工具の部位ごとに必要な特性を持つ被膜が残り、期待通り、舞ツールの構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近の耐溶着性を改善し、切り屑の流れるすくい面で耐熱・耐酸化性の高い被膜を有し、クレーター摩耗および逃げ面摩耗が少なく、切削工具の寿命延ばし、また刃先への溶着が少ないので被削面も良好で改善された。
本発明の実施形態のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜は、かかる構成により、ドライ加工のごとき刃先の温度が高くなる加工において、最も温度が上がりクレーター摩耗が発生する部分すなわち切り屑の流れるすくい面の耐熱性が要求される部分では耐溶着膜は酸化で早期に除去されるものの、その下層の耐熱・酸素バリアー層が残ってその機能を果たすので、すくい面の被膜の耐熱・酸素バリアー機能が失なわれず、かつ溶着が発生しやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近では比較的アブレッシブ摩耗の進行が遅いので耐溶着層が残って溶着を防止し、他方、被削材の切削面と摩擦する刃先の逃げ面側では主にアブレッシブ摩耗が中心となって耐溶着層と耐熱・酸素バリアー層が早期に摩耗するが、その下層の耐熱・耐摩耗層が残り、耐摩耗性の高い硬い膜の機能を果たすので、特に鋼のドライ切削工具用被膜において、刃先が高温になる切削条件下でも構成刃先を作りやすい切り屑の流れるすくい面の刃の稜線付近には耐溶着性の高い被膜と、切り屑の流れるすくい面が熱による影響を強く受けてクレーター摩耗が発生することを防止する耐熱・耐酸化性の高い被膜との両者を有する、切削工具の部位ごとに異なる特性を持つ被膜を被覆することなく同一の硬質被膜で提供するものとなった。
1 基体
2 第一層(密着層)
3 第二層(耐熱・耐摩耗層)
4 第三層(耐熱・酸素バリヤー層)
5 最表面の第四層(耐溶着層)
2 第一層(密着層)
3 第二層(耐熱・耐摩耗層)
4 第三層(耐熱・酸素バリヤー層)
5 最表面の第四層(耐溶着層)
Claims (4)
- 工具基体に接する第一層に密着層として、TiN、TiAlNまたはCrNの被膜を置き、第二層に耐熱・耐摩耗層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置き、第三層に耐熱・酸素バリアー層としてAlCrNの被膜を置き、最表面の第四層に耐溶着層としてTiAlNまたはTiSiNの被膜を置くことを特徴とするドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜。
- 請求項1記載の被膜構成において、第一層の密着層と第二層の耐熱・耐摩耗層を同じTiAlNの被膜としたことを特徴とする請求項1記載のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜。
- 請求項1記載の硬質被膜において、基体に接する第一層の厚さを0.05〜1μm、第二層の厚さを1〜7μm、第三層の厚さを0.1〜3μm、最表面の第四層の厚さを0.5〜3μmとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜。
- 請求項1記載の硬質被膜において、第二層から第四層の被膜に窒素の5〜15原子数%のホウ素、炭素、または炭素を添加したことを特徴とする請求項1記載のドライ加工で優れた性能を発揮する硬質被膜。
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