JP2011000696A - ニック付き超硬合金製エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】金型加工や部品加工の高能率加工において、安定した切削を行うと共に、製造コストを含めて容易に工具製造や工具の再研磨が行えること、及び切削抵抗の分散を十分に行えることでびびり振動を抑制し、耐チッピング性を向上させることで、許容回転数を高速に設定できる長寿命のニック付き超硬合金製エンドミルを提供する。
【解決手段】工具の外周刃に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、ある外周刃を基準形状外周刃としたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相が、前記位相から前記ニックのピッチの0%を含まない5%以下の幅で工具軸方向にずれており、それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに外周刃と連なり、それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が工具シャンク側の丸み半径より小さいことを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミルである。
【選択図】図11

Description

本発明は、荒切削から中仕上げ切削に用いるニック付き超硬合金製エンドミルに関する。
本発明が対象とする荒切削から中仕上げ切削用の従来の一般的なエンドミルは、外周刃にニックを有しているものがある。このニック付き外周刃は、各刃で削り残しが出ないように工具軸方向に等間隔で位相がずれている。このような従来のニック付きの外周刃を有するエンドミルは、普通刃エンドミルと比較して、切り屑を分断しやすく切削抵抗を低減して加工ができるため、工具径方向の切り込み量を大きくでき、高能率加工が可能である。
切り込み量を大きくして高能率加工を行うと、びびり振動が原因となりチッピングや欠損等の問題となることが多い。特にエンドミルの軸心から外周面の周方向に隣接する2枚の切れ刃までの線分で挟まれる分割角が切れ刃ごとに等しい等分割エンドミルは、エンドミルの製造が極めて容易であるメリットがあるが、切削加工中に共振が起こり、びびり振動が生じやすい。この対策として、エンドミルの製造上は費用と時間がかかるが、切れ刃の分割角を異なるようにして、切削力の周期を一定にしないようにした不等分割エンドミルが提案されている。
特許文献1には、高速度工具鋼を素材とした波形状刃形のエンドミルにおいて、互いに隣接する各外周刃間における位相のずれ量を不均等にしたことにより、各外周刃の切り込み断面形状や断面積が不均等となり、不等分割同様にびびり振動を抑制し、工具寿命向上や高能率加工が可能となることが記載されている。また、特許文献2には、ラフィング切れ刃にて構成されている外周刃の波形状のピッチが、波形状の凹凸の偶数周期を1周期として正弦曲線状に増減させられているとともに、そのピッチの増減に連動して深さおよび曲率半径もそれぞれ波形状の凹凸が1周期毎に変化させられているため、その増減により軸方向各部の切削態様が変化して共振周波数がずれ、工具全体として共振が軽減されてびびり振動が抑制されることが記載されている。
さらに、特許文献3、4に記載されているエンドミルはニックの形状を最適化した一例として、特許文献3には、ニックの両端に大きなフランク角を設けることによって、ニックと外周刃部と繋いだ部分の強度を確保しようとするエンドミルが記載されており、特許文献4にはニックの両側の各連結部に丸みをつけることによって、耐チッピング性の向上と加工面粗さの向上を図るエンドミルが記載されている。
特開平01−127214号公報 特開2002−233910号公報 特開平06−335814号公報 特開2005−131728号公報
近年、金型加工や部品加工の高能率加工への要求は一段と強く、高速機の普及と共に高速切削による高送り加工が注目されている。高速切削は切削速度を大きくすること、すなわち回転数を高く設定し、高能率加工を行う方法である。特に、ニック付き外周刃を持つエンドミルを用いて切り込み量を大きくし、回転数も高く設定すると、びびり振動が原因で、チッピングや欠損が発生し、寿命を短くする原因となっていた。
エンドミルにおけるびびり振動を抑制する技術として、従来技術で説明したように等分割に代わって不等分割によるエンドミルが提案されている。不等分割を適用したエンドミルは上手な形状設計をすれば、一定のびびり振動を抑制する効果があるが、切れ刃が不均一に並んでいることからエンドミルの製造が困難であり、製造コストが高くなる。さらにエンドミルの再研磨時にも各刃の分割角が異なるため、研削する際の位置あわせ等で問題になることが多かった。また、不等分割を適用したエンドミルは、形状的に刃溝が不均一によることを意味し、切り屑排出性が不均一になりやすく切り屑の排出性が悪いため、異常摩耗や欠けなどの問題があった。この問題は本発明も主目的としている高速切削の分野では、高速切削に伴って多量に排出される切り屑の処理には特に重要な問題になる。
また、特許文献1では、互いに隣接する各外周刃間におけるニックの位相のずれ量を不均等にし、不等分割同様の効果でびびり振動を抑制する方法が提案されている。しかし、特許文献1で提案されている例のエンドミルは靱性のある高速度工具鋼を母材としているので、各外周刃の位相からのずれ量は比較的大きくてもチッピングなどの心配はなく、位相のずれ量の割合まで配慮する必要はない。しかし、エンドミル母材を本発明のように靭性の低い超硬合金とした場合には、単に位相のずれ量を不均等にしたり、前記のように位相からのずれ量が大きい場合には、切削量が大きくなる超硬合金製エンドミルの外周刃では欠損やチッピングが生じやすく、さらなる高速切削での適用は問題が残っていた。したがって、超硬合金を母材にしたニックの位相のずれ量の適正値またはニックの形状は全く不明であり、特許文献1からは参考にもならない。さらに、特許文献2では、ラフィング切れ刃の波形状のピッチ、深さ、および曲率半径のうちの少なくとも一つが、該波形状の凹凸の周期よりも大きな周期で増減し、各刃の切削量を変えて、各刃の切削量を変えることによりびびり振動を抑制する方法が提案されている。しかし、波形状を各刃で変化させることは、エンドミル製造時に各波形状ごとの砥石が必要であり、不等分割を適用したエンドミルと同様に製造コストが高くなる。
特許文献3に記載のニックの形状は、ニックと外周刃部が連結する形状が図6に示すように鋭いエッジ形になる。ニック両端に大きなフランク角を設けて強度を確保しようとするが、高能率加工においては、耐チッピング性から大きな問題がある。したがって、高能率の加工が難しい。
特許文献4にはニックの両側に丸みを設けることで加工面精度を向上できる工具が記載されているが、ニックの工具先端側の丸み半径と工具シャンク側の丸み半径の大きさは記載が無く、高速切削による高能率加工を行う場合には、最適な組み合わせとなる形状でないと、外周刃の剛性不足により、チッピングが発生する。さらに、切れ味の劣化により、摩耗の進行が早くなる。
本発明は、このような背景と課題認識の下に、製造コストを含めて容易に工具製造や工具の再研磨が行えること、及び、切削抵抗の分散を十分に行えることでびびり振動を抑制し、耐チッピング性を向上することで、許容回転数を高速に設定でき、切り込みを大きくしても安定した加工が可能で長寿命のニック付き超硬合金製エンドミルを提供することを目的とする。
本発明は、従来よりも大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成できる高速切削用のエンドミルの開発に伴い、切り屑の排出と生産性の点で大きな優位性を持つ等分割エンドミルを採用し、びびり振動を極力抑えることができ、耐チッピング性を向上する形状要因を検討した結果として生まれたものである。すなわち本発明者は、エンドミル円周方向の刃先の配列は等分割とし、ニック付き外周刃の軸方向への相互の位相の最適なずれ量を形成することに着目して、高速切削に耐え、かつびびり振動を最小にする位相のずれ量と、高速切削であっても外周刃の欠損やチッピングの問題を起こさないニックの形状を種々検討した。その結果、本発明のエンドミルは、あるニック付き外周刃を基準形状外周刃にしたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相が欠損やチッピングを起こさない程度に特定の範囲内で位相がずれて配列されており、ニックの形状についても位相をずらした結果として切削負荷が大きくなるチッピングへの影響をできるだけ抑制するために、新規なニック形状を有することを特徴としている。
すなわち、本発明のエンドミルは、工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、ある外周刃を基準形状外周刃としたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相の工具軸方向へのずれ量が、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相から前記ニックのピッチの0%を含まない5%以下の幅で工具軸方向にずれており、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さいことを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミルである。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルは、ニックの位相をずらすことで従来よりも高速の切削を前提にしている。そのために切削条件の過酷化で外周刃はチッピングの危険性がより高くなるが、高速切削での負荷により外周刃がチッピング等を生じないように、ニックの形状は、前記のニックの両端の形状に加えて特別の配慮が必要になる場合があることが分かった。例えば従来のこの種のニック付き超硬合金製エンドミルでは、平均加工面粗さを確保した場合の平均的な送り速度は500mm/min前後だが、ニックの位相の工具軸方向へのずれ量を設け、ニックの両端に丸みを設けたニック付き超硬合金製エンドミルの使用により、従来の送り速度を2倍程度に上げる事が出来る。しかし、その場合の送り速度でも800mm/min〜1000mm/minの範囲が限界であり、それを上回る送り速度での高速切削においては、高速切削での負荷により外周刃がチッピング等を生じるため、ニックの両端の形状とニックの位相の工具軸方向へのずれ量を規定するだけではさらなる高速での切削は困難であった。
そのために、ニックの両端は丸みの条件に加えて、ニック溝の形状を考慮することが重要である。本発明のより良い発明の要件は、ニック溝の底端が工具シャンク側の丸みと直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、又は前記直線と前記ニック溝に向かって凸状の曲線との組合せで繋がっていることが望ましい。
すなわち本発明のうち、別の発明に係るニック付き超硬合金製エンドミルは、工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、ある外周刃を基準形状外周刃としたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相の工具軸方向へのずれ量が、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相から前記ニックのピッチの0%を含まない5%以下の幅で工具軸方向にずれており、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さく、ニック溝の底端が工具シャンク側の丸みと直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、又は前記直線と前記ニック溝に向かって凸状の曲線との組合せで繋がっていることを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミルである。
本発明のエンドミルにおける形状の重要部分の寸法は、ニック付き超硬合金製エンドミルの工具直径をDとしたときに、ニックの工具先端側の丸み半径が0.01D〜0.03D、ニックの工具シャンク側の丸み半径はニックの工具先端側の丸み半径の1.5倍〜2倍で、ニックの深さが0.01D〜0.05Dであることが望ましい。
各ニック付き外周刃は、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相からずれ量が不均一であることが本発明のニック付き外周刃の基本であるが、外周刃のうち少なくとも1組の前記ニック付き外周刃においては前記位相のずれが無くてもよい。すなわち、本発明の他のニック付き超硬合金製エンドミルは、工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、隣接する各ニック付き外周刃のうち少なくとも1組の前記ニック付き外周刃は、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相からのずれ量が無く、その他の組の前記ニック付き外周刃は互いに位相のずれ量が不均等であり、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さく、ニック溝の底端が工具シャンク側の丸みと直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、又は前記直線と前記ニック溝に向かって凸状の曲線との組合せで繋がっていることを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミルである。
本発明はニックの位相ずれ量を不均一にする結果として、従来よりはるかに高速の切削が可能となるが、そのために切削負荷が大きくなるので、より一層のチッピングや折損への配慮と対策が重要となる。このような相反する得失を考慮して超硬合金製エンドミルを設計するという技術思想は、前述した従来技術のどれを基準にして他のものと組合せをしても生まれるものではない。
ニック付き超硬合金製エンドミルにおいて、従来よりも大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成したいときには、底刃のギャッシュ形状を最適化するのが良い。ギャッシュ形状を最適化することにより、ニックの位相をずらした外周刃を、加工で縦送り、横送り、あるいは傾斜切削しても、縦送り又は傾斜切削時の底刃から排出される切り屑処理は良好であり、横送り又は傾斜切削時の高速切削に耐え、かつびびり振動を最小にすることができる。すなわち、本発明の他のニック付き超硬合金製エンドミルは、ギャッシュを複数の面から構成し、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面、エンドミルの工具軸の回転中心側に第2ギャッシュ面、エンドミルの外周側に第3ギャッシュ面として設け、前記第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部22と軸線に直交する平面との成す角度を第1ギャッシュ角、前記第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部24と軸線に直交する平面とのなす角度を第2ギャッシュ角としたとき、第2ギャッシュ角を第1ギャッシュ角より大きく設けた形状になるようにギャッシュを構成することが望ましい。
本発明において、少なくともニック付き外周刃には硬質皮膜が被覆することが切削工具の性能を向上させる点で望ましい。硬質皮膜を被覆することにより、ニック付き超硬合金製エンドミルの耐摩耗性を向上させることができる。すなわち、本発明の他のニック付き超硬合金製エンドミルは、ニック付き外周刃に被覆される硬質皮膜は、硬質皮膜の最上層まで実質的に最下層の組成と最上層の組成の1回以上の繰り返しで積層された複合層、または、前記最下層と最上層の間に一層以上の中間層を含む複合層でなり、前記皮膜の最下層の組成は金属元素がAl、Cr、Ti、Siから選択される1種以上の窒化物であり、中間層はAl、Cr、Ti、Siから選択される1種以上の金属元素とN、B、C、Oから選択される1種以上の元素との化合物であり、皮膜の最上層は金属元素がTi、Siから選択される1種以上の金属元素とN、S、C、Bから選択される1種以上の元素との化合物からなる多層硬質皮膜であることが望ましい。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルによれば、あるニック付き外周刃を基準形状外周刃としたときに、ニック付き外周刃の工具軸方向への位相のずれ量を最適化しているため、びびり振動が抑制できる。さらにニックの工具シャンク側の丸み半径より小さくしたニックの工具先端側の丸み半径を設け、さらにはニック溝の形状を新規な形状で前記丸み半径に繋げることにより、耐チッピング性が高くなる。よって欠損やチッピングを起こすことなく安定した加工が可能となる。したがって、本発明によれば、高速切削による高能率荒加工から高能率中仕上げ加工が可能となり、さらに長寿命に加工が行えるニック付き超硬合金製エンドミルを提供することができる。
さらに、本発明のニック形状は、切れ味がよくなり加工面の筋線を軽減できるので、より高精度の加工面が実現できる。
さらに、エンドミル製造時は不等分割ではないため、通常のエンドミルと同じように製造できるため製造コストも抑えて容易にエンドミルの製造が可能である。
また、各刃の刃溝の形状はすべて同一であるため、切り屑の排出性も良好であり、切削工具の寿命の安定と高速回転を可能にする効果が得られる。
よって、本発明によれば、超硬合金製のエンドミルでありながら、工具の製造が容易であり、ニック付き外周刃の位相がずれている形状であることによる欠損やチッピングを起こすことなく、加工中のびびり振動を抑制することができる。したがって、本発明は、送り速度が1000mm/min以上の高能率荒加工または高能率中仕上げ加工が可能となり、さらに長寿命に加工が行えるニック付き超硬合金製エンドミルを提供することができる。
本発明の一実施例を示すニック付き超硬合金製エンドミルの全体概観図である。 図1のニックと外周刃を、エンドミルのねじれ角に平行の切断面で見たA−A´断面の拡大図であり、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋がりを直線とした図である。 図2において、本発明の他の例である、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋がりを、ニック溝に向かって凸状の曲線とした図である。 図2において、本発明の他の例である、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋がりを、ニック溝に向かって凸状の曲線と直線との組合せとした図である。 ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋がりが、ニック溝に向かって凹状の曲線とした従来のニック付き超硬合金製エンドミルについて、図2に相当する図である。 ニックと外周刃部との繋がりが鋭いエッジ形である、特許文献3に記載されたニック形状を表す図である。 図6のニック形状において、該ニック形状に丸みを設けた特許文献4に記載されたニック形状を表す図である。 ニックと外周刃部との繋がりを、ニック溝を形成する凹円弧形状の半径より小さい丸みとし、該丸みの大きさを工具先端側と工具シャンク側とが同じとした特許文献4に記載されたニック形状を表す図である。 図8のニック形状において、該丸みの大きさを工具シャンク側の丸み半径が工具先端側の丸み半径より大きく設けた、特許文献4に記載されたニック形状を表す図である。 従来の位相からのずれの無いニック付き超硬合金製エンドミルの外周刃の位相とニックのピッチを示す展開図である。 本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの外周刃の位相とニックのピッチを示す展開図である。 本発明の一実施例を示し、隣接するニック付き外周刃のうち1組の前記ニック付き外周刃は位相からのずれ量が無く、1刃に位相からのずれ量があることを示す展開図である。 底刃のすくい面と平行な平面で切断した部分断面図の拡大図である。
本発明の代表的な形態として、本発明のニック付き超硬合金製エンドミルを図1〜図4で説明する。図1は本発明の一実施例を示すニック付き超硬合金製エンドミルの全体概観図である。本発明のエンドミルは図1に示すように、工具直径Dで、ねじれ角がθとなる複数の外周刃1を有するエンドミル本体の外周に、工具先端側2からシャンク側3に向かって、切り屑を分断させるニック4が所定の間隔ごとに配置されている。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルのニック4の詳細な形状を図2ないし図4、及び図5で説明する。図2は図1のニックと外周刃を、エンドミルのねじれ角に平行の切断面で見たA−A´断面の拡大図であり、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との繋がりを直線とした図である。エンドミルは所定のねじれ角θを有するため、A−A´断面とはニックと外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見た断面である。なお、図2ないし図4、図5、図8ないし図9の説明において、便宜的に、あるニックの工具のシャンク側と工具先端側に存在する円弧(丸み)の半径を、工具先端側の丸み5では工具先端側の丸み半径R1と称し、工具シャンク側の丸み6では工具シャンク側の丸み半径R2と称する。また、図2ないし図4、図5、図8ないし図9の斜線はエンドミルの断面を示す。本発明のニック付き超硬合金製エンドミルは、ニック4は工具先端側の丸み半径R1の円弧を部分的に持つ工具先端側の丸み5と、工具シャンク側の丸み半径R2の円孤を部分的に持つ工具シャンク側の丸み6によって外周刃1とニック溝9とを繋げている。且つ、該ニック4の工具先端側の丸み半径R1が該ニックの工具シャンク側の丸み半径R2より小さく設けられている。また、ニック溝の形状は上記の丸みの条件に加えて、ニック溝9のニック溝の底部7は凹状であり、工具シャンク側の丸み半径R2と直線若しくは凸状の曲線でニック溝の底端8で繋がっているのがよい。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルにおける、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との断面形状での望ましい繋ぎ方は三種類あり、その様子を図2〜図4に示す。既に代表して述べた図2は、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との繋がりを直線10とした例である。図3は、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との繋がりを、ニック溝9に向かって凸状の曲線11で連結されている例である。図4は、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との繋がりを、前記ニック溝9に向かって凸状の曲線11と直線10との組合せで繋げている例である。
また、本発明の他の形状の特徴である位相ずらし量の適正化により、高速切削が可能とはなるが、高送りでの高能率の条件で加工する際には、ニックの形状のより最適化も行なわないとチッピングが発生することがあるし、加工面の精度が悪化することもある。この場合には、本発明のよりよい手段として図2〜図4に例示するように、工具シャンク側の丸み6とニック溝の底端8との繋がりを、直線10もしくはニック溝に向かって凸状の曲線11で繋がるか、又は凸状の曲線11と直線10との組合せで繋ぐことにより、強度を増強でき、位相ずらし量を適正化して、従来と比較して1.5倍以上の切削速度で切削しても、チッピングの発生もなく安定した加工ができる。切削工具として比較的靱性の高い従来の高速度工具鋼と比較して、本発明のように相対的に脆性材料である超硬合金製エンドミルで、荒加工において従来の1.5倍以上の切削速度による加工を実現化するためには、高速度工具鋼では不必要な位相ずらし量の適正化があえて必要であり、加えて、位相ずらし量の適正化によって成し得る高速加工化をより安定化させるためには、ニック形状のより良いシビアな形状設計が必要である。そのために本発明においては、より高速切削でのチッピング対策として、ニック溝の底端8と工具シャンク側の丸み6との断面形状での繋ぎ方がより好ましい発明の要素である。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルは、ニック4の工具先端側の丸み半径R1が0.01D〜0.03D(Dは工具直径を表す。)の範囲内とするのが望ましい。この範囲であると、ニック4と外周刃1と繋いだ工具先端側2の強度をより十分に確保でき、チッピングを防ぐことができるからである。工具先端側の丸み半径R1が0.01D未満であると相対的に強度が弱く、切削する際にチッピングが発生する可能性がでてくる。工具先端側の丸み半径R1が0.03Dを超えると、加工面を工具シャンク側に押し付ける力が大きくなり、その結果、加工面に筋を残しやすくなり、加工面精度に影響する。
また、本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの、ニック4の工具シャンク側の丸み半径R2は工具直径Dの1.5〜2倍の範囲内が望ましい。これにより、ニック4と外周刃1がうまく繋がり、ニック溝9の工具シャンク側3の強度を十分確保しチッピングを防ぐことができるので、高送りでの高能率の加工ができる。ニック4の工具シャンク側の丸み半径R2が工具直径Dの1.5倍未満の場合には強度が不足する。ニック4の工具シャンク側の丸み半径R2が工具直径Dの2倍を超える場合には切削抵抗が大きくなることから、いずれもチッピングが発生しやすい傾向となる。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルのニック深さHは、0.01D〜0.05Dの範囲内が望ましい。ニック深さHが0.01D未満の場合、一刃送り量を多く取れない。その場合には、ニック4が有効に働きづらく、例えば、一刃送り量がニック深さHより大きい場合、切り屑がつながり、高送りが難しくなる。逆に一刃送り量がニック深さHより小さい場合は、高送りができないことになる。また、ニック深さHが0.05Dを超える場合、切れ刃の強度が弱くなり、チッピング起こすことがある。
この範囲のニック深さHにより、切り屑がより良好に分断されるとともに、切削抵抗が小さくなり高能率の加工が一層確実になる。
なお、図2〜図4において、ニック溝の輪郭形状は代表的に3個図示しているが、本発明では、いずれのニック4においても工具先端側の丸み半径R1は工具シャンク側の丸み半径R2より小さいことは必須の条件であるが、ニック4ごとの工具先端側の丸み半径R1と工具シャンク側の丸み半径R2の値はすべてのニック4で同じである必要はない。ただし、ニック溝9形成時の研削加工において砥石を使用することが普通であるから、ニック付き超硬合金製エンドミルの製造上は同じ砥石形状により研削すると都合が良いので、ほぼ同じ寸法が望ましいといえる。
特許文献3、特許文献4ともニックの形状を特徴にしている発明であるが、これらの発明の形状に基づき製作して評価した従来例1〜4は実施例の表1に記載する効果の欄からも分かるように、それぞれ下記のような問題点があることを明らかにした。
特許文献3に記載のニックの形状は、ニック4と外周刃部1とが連結する形状が図6に記載されるように鋭いエッジ形になっている。ニック両端に大きなフランク角を設けて強度を確保しようとするが、高能率加工においては、耐チッピング性から大きな問題がある。特に、本発明のようにニックの位相がずれているニック付き超硬合金製エンドミルで能率の高い条件で切削すると、前記図6のように鋭いエッジが付いて角立っているエッジ部分13を持っていると、チッピングの可能性が高く、加工面には筋を残して、十分な加工面粗さが得られないという問題がある。また、特許文献3にはこの鋭いエッジ部に丸み(アール)をつけてもよいとの記載があるが、せいぜい常識的な範囲で丸みを付けても良いとの発想に過ぎず、基本形状は前記図7の形状に留まる。なお、図6、図7の斜線はエンドミルの断面を示す。
本発明が目的とするように、中仕上げ加工面面粗さを維持しつつ、従来品の2倍以上の加工能率(一刃送り量、回転数)を実現するためのニック付き超硬合金製エンドミルで重要なことは、常識程度に丸みを付けるだけでは事足りず、ニック4と外周刃1とが繋がる形状を工具先端側2と工具シャンク側3で相互の丸みの大きさの関係も含めてどのような形状にし、ニック溝9とどのように繋ぐかが重要なのである。本発明のニック付き超硬合金製エンドミルは、前記工具先端側の丸み半径R1と工具シャンク側の丸み半径R2の最適な大きさと、工具先端側の丸み半径R1と工具シャンク側の丸み半径R2との間の相互の関係、さらに望ましい範囲とするときに、ニック溝の底部7がニックのシャンク側の丸み6とどのように繋げるかを検討した結果として、従来の形状ではなし得なかった中仕上げ加工面粗さを得る切れ味を確保して、しかもニックの耐チッピング性に最適であるという両立した効果を得ることに成功したものである。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの望ましい形状は、工具シャンク側の丸みからニック溝の底端へ、連続して直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、前記直線と凸状の曲線の組み合わせで繋がっている形状である。この形状によりニックの強度は格段に向上する。
本発明の実施例からも分かる本発明のニック4の望ましい形状と、形状の部分的な役割をまとめると下記のようになる。工具先端側の丸み半径R1は、特に、強度を確保した上で切れ味を確保し、面粗さの維持のために必要で、その範囲は工具直径をDとするときに0.01D〜0.05Dとするのが望ましい。さらに望ましい範囲は、0.01D〜0.03Dである。工具シャンク側の丸み半径R2は主にニック4の耐チッピング性を確保する目的で、工具先端側の丸み半径R1の1.1倍〜2.5倍とするのが良い。工具シャンク側の丸み半径R2のさらに望ましい範囲は工具先端側の丸み半径R1の1.5倍〜2.0倍である。ただし、ここで記載したニックの工具先端側の丸み半径R1や工具シャンク側の丸み半径R2の効果、及び必要に応じて考慮するニック溝の形状の効果は、単独でニック付き超硬合金製エンドミルで発揮されるものでもなく、ニック形状の全体の要件、特にニックの位相ずらし量の適正化によって、初めて従来よりはるかに高速切削可能という効果が、実用的にチッピング発生が無いという安心した状況下で満足されて発揮されるものである。
次に、本発明の位相のずれ量が不均一であるニック付き超硬合金製エンドミルと、従来の位相のずれの無いニック付き超硬合金製エンドミルのニック付き外周刃の位相とニックのピッチを比較するために図10〜図12を用いて説明をする。
図10は従来の位相からのずれの無いエンドミルのニック付き外周刃の位相とピッチを示す展開図、図11は本発明ニック付き超硬合金製エンドミルのニック付き外周刃の位相とピッチを示す展開図、図12は、本発明の一実施例を示し、隣接するニック付き外周刃のうち1組の前記ニック付き外周刃は位相からのずれ量が無く、1刃に位相からのずれ量があることを示す展開図である。尚、図10〜図12では外周刃とニックの交点の位置を丸印で示している。
図10のように、従来のエンドミルでは図の一番上に示される第1ニック付き外周刃を基準形状外周刃14として、基準形状外周刃14の外周刃とニックの交点15から次の外周刃とニックの交点15までのニックのピッチ16を4等分したそれぞれの位相17(言い換えれば、基準形状外周刃14の1/4ピッチごと)に、連続して次の第2ニック付き外周刃18、第3ニック付き外周刃19及び第4ニック付き外周刃20の外周刃とニックの交点15が来るように等間隔にニック付き外周刃がそれぞれ配置されている。このような配置はニック付き外周刃の外周刃とニックの交点15の位相17が一定であり、エンドミルによって切削される被加工材の切削量は各ニック付き外周刃で同一となる。各刃で切削される被加工材の切削量が同一であれば、従来技術で説明した等分割エンドミルと同様に、切削加工中に共振が起こり、びびり振動が生じやすい。
これに対して、本発明では図11に示すように、基準形状外周刃14の次に配置される第2ニック付き外周刃18と第4ニック付き外周刃20の外周刃とニックの交点15の位置は、基準形状外周刃14のニックのピッチ16を4等分した位相17から工具軸方向へずれ量21だけずれて配列されている。そして、基準形状外周刃14以外のニック付き外周刃の位相17のずれ量21は、少なくとも一刃が基準形状外周刃14のニックのピッチ16を4等分したそれぞれの位相17を基準にして、基準形状外周刃14のニックのピッチ16の0%を含まない5%以下の範囲の幅で工具軸方向へ配設されている。図11の本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの一例として、基準形状外周刃14のニックのピッチ16を1mmとし4枚の刃数て割った値で等間隔に並んだそれぞれのニック付き外周刃の位相17のずれ量21は、第2ニック付き外周刃18はニックのピッチ16の2%である0.02mm、第3ニック付き外周刃19では0mm、第4ニック付き外周刃20ではニックのピッチ16の2%である0.02mmの位相からのずれがある。ここでずれ量21はプラスを工具シャンク側3の方向とし、マイナスを工具先端側2の方向とする。
また、本発明では図12に示すように、基準形状外周刃14の次に配置される第2ニック付き外周刃18の外周刃とニックの交点15の位置は、基準形状外周刃14のニックのピッチ16を4等分した位相17から工具軸方向へずれ量21だけずれて配列され、隣接する第3ニック付き外周刃19と第4ニック付き外周刃20の位相からのずれ量が無いように配列されている。そして、基準形状外周刃14以外のニック付き外周刃の位相17のずれ量21は、少なくとも一刃が基準形状外周刃14のニックのピッチ16を4等分したそれぞれの位相17を基準にして、基準形状外周刃14のニックのピッチ16の0%を含まない5%以下の範囲の幅で工具軸方向へ配設されている。1刃だけがずれ量21を有する例として、小径エンドミルでの被加工材を溝切削する場合、切屑排出の確保のため刃数が奇数となる3枚刃を用いることが多くこの場合、特許文献1の仕様では、互いの隣接する外周刃の位相17のずれ量21はすべて異ならせることとなるが、本発明を用いれば、1刃だけの位相17のずれ量21を異ならせることでよい。更に、刃数が奇数となる5枚刃の場合においても、前記特許文献1の仕様では、基準形状外周刃14からの位相17のずれ量21は2つの種類が必要となる。しかしながら、本発明では1つの種類の位相17のずれ量21だけでも、びびり振動の抑制と共に、高速切削による高能率加工が可能となり、さらに長寿命に加工が行える。このことは、後で述べる実施例においても確認している。
特許文献1では、外周刃に波形状を有するエンドミルにおいて、前記位相からのずれ量が約6%の高速度工具製エンドミルで切削した例が紹介されている。このずれ量と同様の比率で本発明が対象とする超硬合金を母材としたエンドミルを用いて高速切削を行うと、切削負荷の変動が大きく、ずれ量が最も大きい波形状外周刃でもニック付き外周刃でもチッピングを起こしてしまう。靭性の高い高速度工具鋼を母材にしたエンドミルを用い、切削速度が80m/min以下の低い条件で、鋳鉄など被削性の良い被加工物を加工すれば、問題なく加工できるが、さらなる高能率加工を行うために脆性が高速度工具鋼より相対的に低い超硬合金製エンドミルを用いた場合、ましてや本発明の外周刃のように外周刃の位相ずれ量を不均一にして、さらに高速の切削加工を前提とする場合には、前記位相からのずれ量が6%では大きすぎ、チッピングや欠損等の問題となる。すなわち、ニックの位相ずれ量を不均一にした外周刃で超硬合金製で高速切削用のエンドミルを実現するためには、位相ずれ量の適正な決定はとても大切であり、さらに、ニックの断面における形状の最適化と合わせて、ニック付き超硬合金製エンドミルの実用化に不可欠な要件である。このことは、後で述べる実施例においても確認している。
このような本発明のニック付き外周刃とした場合の超硬合金製エンドミルを用いて切削した時の各ニック付き外周刃の切削量は僅かに異なる。よって、高速切削を行っても切削抵抗が分散されて切削負荷が安定し、びびり振動を抑制でき、さらに、耐チッピング性が向上し、加工面粗さも良好となる。
本発明のニック付き超硬合金製エンドミルにおいて、従来よりも大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成したいときには、底刃のギャッシュ形状を最適化するのが良い。図13は底刃のすくい面と平行な平面で切断した部分断面図の拡大図である。なお、図13の斜線部は断面を示す。図13に示すようにギャッシュを複数の面から構成し、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面、エンドミルの工具軸の回転中心側に第2ギャッシュ面、エンドミルの外周側に第3ギャッシュ面として設け、前記第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部22と軸線に直交する平面との成す角度を第1ギャッシュ角23、前記第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部24と軸線に直交する平面とのなす角度を第2ギャッシュ角25としたとき、第1ギャッシュ角は15°〜35°、第2ギャッシュ角は40°〜60°に設けられ形状になるようにギャッシュを構成すると良い。
このようなギュッシュの構成により、ニックの位相をずらした外周刃を、加工で縦送り、横送り、あるいは傾斜切削しても、縦送り又は傾斜切削時の底刃から排出される切り屑処理は良好であり、横送り又は傾斜切削時の高速切削に耐え、かつびびり振動を最小にすることができる。
本発明において、少なくともニック付き外周刃には硬質皮膜を被覆することが切削工具の性能を向上させる点で望ましい。本発明のニック付き超硬合金エンドミルに適する代表的な硬質皮膜の種類について説明する。本発明のエンドミルの使用環境は回転速度が周速200m/minを超える過酷な条件であり、刃先温度は800℃以上に上昇する。したがって耐酸化性と硬度特性に優れたTiAlN系の硬質皮膜を選択すると良い。
TiAlN系の硬質皮膜では、TiとAlの組成比によって酸化開始温度を制御でき、刃先温度が800℃乃至900℃前後の条件にはAlの添加量を増加して、金属のみの成分の原子比でAlがTiに対して50乃至70%程度とするのが望ましい。TiAlN系とは窒化物を意味するが、TiやAl以外の非金属元素として、窒素単独にかかわらず、TiとAlを主成分とした化合物として窒化物、炭窒化物(例えば(TiAl)CN)、酸窒化物(例えば(TiAl)ON)、酸炭窒化物(例えば(TiAl)CON)であればよい。以下、これらの化合物を総称して、窒素系TiAl化合物という。
硬質皮膜の層構造としては、エンドミルのニック付き外周刃の表面に接する硬質皮膜の最下層から、硬質皮膜の最上層まで実質的に最下層の組成と最上層の組成の1回以上の繰り返しで積層された複合層、または、前記最下層と最上層の間に一層以上の中間層を含む複合層でなり、皮膜の最下層の組成が金属元素としてTiとAlを主成分とし含有し、前記金属元素の窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物の何れかであり、皮膜の最上層の組成が、Siを含有した硬質皮膜を被覆することにより、より安定した切削加工が可能になり、長寿命化が達成できる。より具体的な化合物は金属元素としてTiとSiを主成分として含有し、前記金属元素の窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物の何れかから成る構造が望ましい。
Siを含有した最上層用の硬質皮膜の中でも最適な硬質皮膜の成分系はTiSiの窒化物であり、Si含有量が原子比で5〜30%、残Tiで構成された窒化物が良い。また、Si含有量が原子比で1〜15%、残TiおよびもしくはCr、Alから選択されるTiAlSiの窒化物、AlCrSiの窒化物でも本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの性能を大きく改善する効果を発揮する。さらにTiSiの窒化物、TiAlSiの窒化物、AlCrSiの窒化物から選択される積層膜はより、優れた耐久性を発揮する。これら硬質皮膜はTiN、CrN、TiAlN、AlCrN等の皮膜から選択される1種以上の皮膜と積層しても同様に本発明のニック付き超硬合金製エンドミルの切削性能が向上する。
上記に具体的な組成として挙げた硬質皮膜の製造方法は物理蒸着法であることが耐久性向上の観点から好ましく、アーク放電式イオンプレーティング法、スパッタリング法の何れでも良い。この硬質皮膜は、ニック付き超硬合金製エンドミルの外周刃にも適用できる。
他の硬質皮膜として望ましい形態は、本発明のニック付き超硬合金製エンドミルのニック付き外周刃表面に接する硬質皮膜の最下層から、硬質皮膜の最上層まで実質的に最下層の組成と最上層の組成の1回以上の繰り返しで積層された複合層、または、前記最下層と最上層の間に一層以上の中間層を含む複合層でなり、前記皮膜の最下層の組成は金属元素がAl、Cr、Ti、Siから選択される1種以上の窒化物であり、中間層はAl、Cr、Ti、Siから選択される1種以上の金属元素とN、B、C、Oから選択される1種以上の元素との化合物であり、皮膜の最上層は金属元素がTi、Siから選択される1種以上の金属元素とN、S、C、Bから選択される1種以上の元素との化合物からなる形態が望ましい。この場合に、上記の窒素系TiAl化合物への最上層皮膜として窒素系TiSi化合物を積層した皮膜構造にするか、窒素系TiAl化合物と窒素系TiSi化合物をそれぞれ一層以上づつ交互に積層し、窒素系TiAl化合物はエンドミルの母材の直上に来るようにし、硬質皮膜の最上層は窒素系TiSi化合物となるようにするのが望ましい。前記窒素系TiSi化合物を例示すると、TiとSiを主成分とした化合物として、例えばTiSiNなどの窒化物、(TiSi)CNなどの炭窒化物、(TiSi)ONなどの酸窒化物、(TiSi)CONなどの酸炭窒化物であればよい。以下、これらの化合物を総称して、窒素系TiSi化合物という。
前記窒素系TiAl化合物と窒素系TiSi化合物の間には主に相互の皮膜の密着性を考慮した中間層を入れて積層することも可能である。中間層の種類としては窒素系TiAl化合物と類似した皮膜や、窒素系TiSi化合物に類似した皮膜が適し、前者にはB、Si、Cr、Nb、V、Hfを微量添加した窒素系TiAl化合物、後者にはB、Al、Cr、Nb、V、Hfを微量添加した窒素系TiSi化合物が好ましい中間層皮膜として挙げられる。
上記のように積層した皮膜構造により、本発明に使用する硬質皮膜は外周刃の母材表面直上から最下層と最上層で積層された複合層、または、前記最下層と最上層の間に一層以上交互に積層された層や中間層を含む複合層でなり、前記最上層は前記最下層と比較して相対的に耐酸化性と耐摩耗性が大きい硬質皮膜とすることができる。
さらに本発明のニック付き超硬合金製エンドミルに適した硬質皮膜として、以下のものが推奨される。それは、窒素系TiAl化合物を主体とした多層硬質皮膜で、前記化合物の主要金属元素であるTiとAlの割合を変化させて多層化するものである。より具体的には、前記で定義した窒素系TiAl化合物を(TixAll−xN)で表わすときに、最下層皮膜も最上層皮膜も(TixAll−xN)の組成で成るが、TiとAlの割合は、最下層皮膜はチタンリッチの0.5<x≦1であり、最上層皮膜はアルミニウムリッチの0≦x<0.5である多層硬質皮膜である。多層硬質皮膜は最下層皮膜と最上層皮膜の組成を数ナノメートルから数十ナノメートルの厚みで周期的に積層するか、前期の最下層の皮膜と最上層の皮膜の組成の間に中間層としてTiN、又は窒素系TiAl化合物の金属元素としてAlまたはTiの一部をCrまたはSiに置換した中間層を積層しても良い。いずれの場合にも最下層皮膜はチタンリッチとし、最上層皮膜はアルミニウムリッチとすることは必要である。硬質皮膜全体の膜厚はいずれの場合も2μm〜10μmが望ましい。
次に本発明のニック付き超硬合金製エンドミルを被覆する方法についていくつか例示するが、上記に記載する硬質皮膜が得られればよく、必ずしも以下の被覆方法に限定されるものではない。また、被覆方法は特に限定されるものではないが、ニック付き超硬合金製エンドミルへの皮膜の密着性、および最下層から最上層までの皮膜内の整合性を確保することを考慮しなければならない。また、工具の疲労強度も考慮すると、比較的低温で被覆でき、皮膜に圧縮応力が残留するアーク放電式イオンプレーティング法、又はスパッタリング法など物理蒸着法が望ましい。この場合にニック付き超硬合金製エンドミル側にバイアス電圧を印加する。アーク放電式イオンプレーティング法での具体的な実施条件を挙げると、最下層が窒素系TiAl化合物(例えば(TiAl)N,(TiAl)CN,(TiAlCr)Nなど)で、最上層を窒素系TiSi化合物(例えば(TiSi)N,(TiSi)CN,(TiSiCr)Nなど)系の皮膜とする場合に、例えば具体的な条件として、被覆するニック付き超硬合金製エンドミルの温度を400℃程度、反応ガス圧力を3.0Paとし、バイアス電圧の印加を−10V〜−100Vの範囲で比較的低い値とすれば最下層から最上層まで界面における結晶格子の整合性を取りながら密着性の良い皮膜が得られる。
最下層の皮膜と最上層の皮膜の組成が異なる場合には、蒸着用ターゲットを異なった組成にするが、中間層のターゲットは前記の組成の異なったターゲットを同時に稼動して被覆することが好ましい。これにより、硬質皮膜の中間層は、最下層の皮膜と最上層の皮膜の組成の中間的な組成に制御して積層することが可能となり、組成的に特定の成分を漸増、漸減させることも容易となる。本発明のニック付き超硬合金製エンドミルは、荒加工または中仕上げ加工での高能率・高速加工を前提にしているので、密着性の良い硬質皮膜は皮膜の剥がれなどの突発的事故を防止するために必須の特性であり、その目的の達成のために中間層の結晶格子の整合性を十分取るためには本方法は有効である。
本発明の最良の実施の形態としては、ニック付き外周刃の位相ずらし量を不均一にした本発明でのニック断面形状の最適なものを用い、切り屑の排出が問題になりそうな場合には、先に述べたギャッシュの形状を形成したニック付き超硬合金製エンドミルとするのが良い。たいていの切削条件の場合において、先に述べた硬質皮膜の適用が推奨される。
以下、本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、それらにより本発明が限定されるものではない。
以下の表中にある各実施例では、本発明、従来例、比較例を区分として示し、試料番号は本発明例、従来例、比較例ごとに、連続の通し番号で記載した。
(実施例1)
実施例1は特にニック付き外周刃の最適な位相のずれ量を確認するために行った実施例である。本発明例1及び2、比較例1、従来例1及び2においては基材はCo含有量が8重量パーセント、WC平均粒径が0.8μmの超硬合金で、工具径8mm、刃長16mm、ねじれ角は45°、全長70mm、シャンク径8mmで刃数は4枚とした。ニックの形状は、ニックのピッチを1mm、工具先端側のニックの丸み半径R1を0.025D(実寸で0.2mm、以下同じ)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.6倍(0.32mm)、ニック深さをDの0.03倍(0.24mm)、またギャッシュを複数の面から構成させ、第1ギャッシュ角を25°、第2ギャッシュ角を50°として仕様を統一したものを作製した。また、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2は直線で繋いだ。用いた試料にはすべて中間層としてTiAlSiN、最下層をTiAlN、最上層をTiSiNの成分である硬質皮膜を被覆した。
本発明例1として、第1刃を基準形状外周刃として、基準形状外周刃のニックのピッチを4等分したそれぞれのニック付き外周刃の位相からのずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの1%とした0.01mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの1%とした0.01mmとしたものを作製した。
本発明例2として、第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mmとしたものを作製した。
本発明例3として、第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの3%とした0.03mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mmとしたものを作製した。
本発明例4として、第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの5%とした0.05mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの3%とした0.03mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの4%とした0.04mmとしたものを作製した。
本発明例5として、第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mmとしたものを作製した。
比較例1として、第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの6%とした0.06mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの6%とした0.06mmとしたものを作製した。
従来例1として、基準形状外周刃の1/4ピッチごとのそれぞれのニック付外周刃の位相からのずれ量の無いニックのピッチを0%とした位相が一定のものを作製した。
従来例2として不等分割を採用し、各刃の分割角が95°・85°・95°・85°で、各刃の前記位相からのずれ量の無いニックのピッチの0%とした位相が一定としたものを作製した。
従来例3として、特許文献1で紹介された位相からのずれ量が同比率で第1刃を基準形状外周刃として、それぞれのニック付き外周刃の位相の前記ずれ量を第2ニック付き外周刃はニックのピッチの6%とした0.06mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mmのものを作製した。
本発明例1〜5、比較例1、従来例1及び3は各刃の分割角が等分割とした。
テストは、硬さHRC40の熱間ダイス鋼SKD61を被加工材として切削を行った。従来では切削速度は100m/minでも高速であるが、1.5倍である150m/min(回転数6000回転/min)に設定し、送り速度を1600mm/min(1刃送り量0.06mm)とした。軸方向切り込みを4mm、径方向切り込みを4mmとして、寿命テストを行った。評価として、5m毎に外周刃を観察し、50mまで切削を行い欠損及びチッピングの無いものを良好として、その時の摩耗幅を測定した。また、50mまでに外周刃を観察し欠損及びチッピングが生じたものはその時点で終了し、切削長を記録した。その結果を表1に示す。
Figure 2011000696
その結果、本発明例1〜5はびびり振動も小さく、安定した切削が行え、50m切削しても正常摩耗であった。特に本発明例1〜3及び5は、50m切削後の摩耗幅は0.10mm以下と小さかった。比較例1及び従来例3は位相からのずれ量が大きいため、ずれ量が大きいニック付き外周刃に切削負荷が大きく掛かり、比較例1及び従来例3は25mでチッピングが生じた。従来例1においては等間隔のニックのピッチのため、びびり振動が大きく、15m切削時に欠損が生じ、寿命となった。不等分割品である従来例2は分割角度が小さい溝のニック付き外周刃が35m切削時にチッピングが生じた。
(実施例2)
実施例2は特にニック付き外周刃の最適なニックの形状を確認するために行った実施例である。本発明例6〜23、比較例2、3及び従来例4〜7においては基材はCo含有量が8重量パーセント、WC平均粒径が0.8μmの超硬合金で、工具径10mm、刃長20mm、ねじれ角は45°、全長90mm、シャンク径10mmで刃数は4枚とした。基準形状外周刃のニックのピッチを4等分したそれぞれのニック付き外周刃の位相からのずれ量は、第1ニック付き外周刃を基準形状外周刃として、第2ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mm、第3ニック付き外周刃はニックのピッチの0%とした0mm、第4ニック付き外周刃はニックのピッチの2%とした0.02mmとして仕様を統一したものを作製した。用いた試料にはすべて中間層としてTiAlSiN、最下層をTiAlN、最上層をTiSiNの成分である硬質皮膜を被覆した。
ニック付き超硬合金製エンドミルのニックの工具先端側の丸み半径R1、ニックの工具シャンク側の丸み半径R2、ニック深さを変化させたもの、ニックのニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋ぐ形状を変えたものを本発明と比較例として、特許文献3、特許文献4に記載している形状のものを従来例として作製した。
表2には本発明例、比較例、従来例ごとに通し番号で示した。表2のうち、本発明例6、7、8、21は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(実寸で0.2mm、以下同じ)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とし、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋ぐ形状を変えたものである。
本発明例9〜20、23はニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2を直線で繋いだものであり、本発明例9は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.01D(0.1mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.6倍(0.16mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例10は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.03D(0.3mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.6倍(0.48mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例11は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.5倍(0.3mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例12は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の2倍(0.4mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例13は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.01倍(0.1mm)とした。本発明例14は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.05倍(0.5mm)とした。本発明例15は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.007D(0.07mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.12mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例16は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.033D(0.33mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.6倍(0.52mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例17は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.3倍(0.26mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例18は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の2.5倍(0.5mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。本発明例19は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.008倍(0.08mm)とした。本発明例20は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.07倍(0.7mm)とした。本発明例23は工具先端側のニックの丸み半径R1を0.02D(0.2mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.7倍(0.34mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とし、さらにギャッシュを複数の面から構成させ、第1ギャッシュ角を20°、第2ギャッシュ角を45°としたものを作製した。
本発明例22は、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2を凹状の円弧で繋いだものであり、工具先端側のニックの丸み半径R1を0.01D(0.1mm)、工具シャンク側のニックの丸み半径R2を半径R1の1.3倍(0.13mm)、ニック深さをDの0.025倍(0.25mm)とした。
比較例2は、工具シャンク側の丸み半径R2を工具先端側の丸み半径R1と同じでDの0.025倍(0.25mm)とした以外は、本発明例6と同仕様として作製した。比較例3は、工具先端側の丸み半径R1をDの0.034倍(0.34mm)、工具シャンク側の丸み半径R2を0.2mmとして工具先端側の丸み半径R1より小さく設けた以外は、本発明例6と同仕様として作製した。
従来例4は、ニックと外周刃との繋がりが鋭いエッジ形を有する特許文献3に記載されたニック形状であり、その形状を図6に示す。ニックの工具先端側と工具シャンク側に丸みを設けない以外は、本発明例6と同仕様として作製した。
従来例5は、図6のニック形状において、該ニック形状に丸みを設けてもよいと特許文献3に記載されたニック形状である。その形状を図7に示す。ニックの工具先端側の丸み半径R1をDの0.005倍(0.05mm)、工具シャンク側の丸みの半径R2を半径R1の1倍(0.05mm)に設けた以外は、従来例4と同仕様として作製した。
従来例6はニックと外周刃との繋がりを、ニック溝を形成する凹円弧形状の半径より小さい丸みとし、該丸みの大きさを工具先端側と工具シャンク側とが同じとした特許文献4に記載されたニック形状である。その形状を図8に示す。ニックと外周刃との繋がりを凹状円弧とし、ニックの工具先端側の丸み半径R1をDの0.02倍(0.2mm)、工具シャンク側の丸み半径R2を工具先端側の丸み半径R1と同じに設けた以外は、本発明例6と同仕様として作製した。
従来例7は、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸みとの繋がりが、ニック溝に向かって凹状円弧の曲線とした従来のニック付き超硬合金製エンドミル形状のものである。ニックの工具先端側と工具シャンク側に丸みを設けない以外は、本発明例6と同仕様として作製した。
表2で、ニック形状が「直線連結」とは直線でニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2を繋いだもの、「凸形曲線」とはニック溝に向かって凸状の曲線で工具シャンク側の丸み半径R2とニック溝の底端とを繋いだもの、「直線+凸形曲線」とはニック溝に向かって直線と凸状の曲線との組合せで工具シャンク側の丸み半径R2とニック溝の底端とを繋いだもの、「凹状円弧」とは従来例として、凹状の円弧あるいは凹状の曲線でニックの工具シャンク側の丸み半径R2とニック溝の底端とを繋いだものである。
切削試験条件としては、いずれの試料も統一した条件で行った。被削材はステンレスSUS304のブロック材を用意し、ニック付き超硬合金製エンドミルの回転数は4000回転/min(切削速度120m/min)、軸方向切り込み量10mm、径方向切り込み量4mmとし、潤滑液は水溶性切削液を使用した。従来のこの種のニック付き超硬合金製エンドミルでは、平均加工面粗さを確保した場合の平均的な送り速度は500mm/min前後なので、本発明の加工能率を評価するために、送り速度500mm/min(一刃送り量0.03mm/min)から送り速度を徐々に上げて、送り速度の限界を探った。したがって、送り速度が1000mm/min以上となり、チッピング発生や加工面粗さの劣化の問題がなければ、加工能率が従来の2倍以上である高能率加工の目標を達成したといえる。
評価として、チッピングなどの不具合が生じた時点、若しくは、被削材の加工面の平均面粗さRaが4μm以上に達した時点で切削を中止し、その時の送り速度を限界送り速度(mm/min)として記録した。限界送り速度が1000mm/minの時点で、チッピングなどの不具合が無く、加工面の平均加工面粗さRaが4μm以下のものを「良好」として○印で表わした。限界送り速度が1500mm/minの時点で、チッピングなどの不具合が無く、加工面の平均加工面粗さRaが4μm以下のものを「高送り良好」とし◎印で表わした。限界送り速度が1000mm/min未満でチッピング若しくは平均面粗さRaが4μmを超えるものは、その時点での加工面の平均加工面粗さRaを測定し×印とした。各試料の仕様と結果を表2に示す。
Figure 2011000696
その結果、本発明例6〜23では全て、限界送り速度が1000mm/minの時点で、チッピングや欠損がなく平均面粗さRaが4μm以下で高送り加工ができた。特に、本発明例6〜14、23では、更に限界送り速度が1500mm/minの時点で、チッピングなどの不具合が無く、加工面の平均加工面粗さRaが2.0μm以下となり、高送りでの高能率と高い粘度の加工面を確保できた。さらにギャッシュを複数の面から構成させた本発明例23では限界送り速度が2200mm/minとなり最も良好な結果となった。また本発明例6〜8、21の結果から、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2を繋ぐ方法により、限界送り速度が大きく変わり、ニック溝の底端と工具シャンク側の丸み半径R2を直線で繋いだものが最も良い結果となった。
比較例2では、送り速度が800mm/minの時点でチッピングが発生した。このことは、ニックの工具先端側と工具シャンク側の丸みが同じで、R2が0.2mmと小さいため、強度が不足したことを示す。比較例3では、送り速度が500mm/minで切削後、被削材の加工面に筋を残し、平均面粗さRaが4.58μm(4μm超)となった。これは、ニックの工具先端側の丸みが工具シャンク側の丸みより大きいため、加工面を工具シャンク側に押し付ける力が大きくなり、加工面に筋を残し、平均面粗さRaが大きくなったことを示す。
従来例4では、送り速度500mm/minで加工した際に、チッピングが発生して、平均面粗さRaが4.54μmとなった。また、従来例7では、送り速度400mm/minで加工した際に、チッピングが発生して、平均面粗さRaが4.54μmとなった。このことは、ニックの工具先端側と工具シャンク側に丸みを設けていないため、高送り加工では強度が弱くチッピングが発生したことを示す。従来例5は、従来例4のニック形状のものに工具先端側と工具シャンク側に丸みを設けた場合で、送り速度700mm/minで加工した際に、チッピングが発生した。従来例6では、送り速度800mm/minで加工した際に、ニックの工具シャンク側にチッピングが発生した。これは、ニックの工具シャンク側の丸み半径R2が工具先端の丸み半径R1と同じで、より弱い強度になっていること、また、ニックと外周刃との繋がりが凹状となって更なる強度不足となり、チッピングが発生したことを示す。
実施例1及び実施例2の結果から、最適な位相のずれ量とニックの形状の相乗効果により、びびり振動が抑制でき、耐チッピング性が向上しているため、高速切削による高能率加工が安定して行えることが解った。また、従来よりもはるかに高い送り速度で切削するには、ニックの工具先端側と工具シャンク側に丸みを設け、さらにニック溝の形状も最適化する必要がある事がわかった。
(実施例3)
実施例3として、ニック付き超硬合金製エンドミルの製造時の研削時間の比較を行った。不等分割品に関しては刃溝研削において、分割角度を調整するため研削時間が多くなり、さらに、ランド幅を均一にするための、研削する箇所が多くなり研削時間が多くなる。ここで、特に研削時間の異なる刃溝研削の時間を測定した。実施例1で用いた本発明例1と不等分割を採用した従来例2のニック付き超硬合金製エンドミルを作製するときの1本当たりの刃溝研削の研削時間の測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2011000696
その結果、不等分割品に関しては刃溝研削で切れ刃の分割角を調整するため、研削時間が多くなり、さらに、ランド幅を均一にするための、研削する箇所が多くなり研削時間が多くなる。従来例2の不等分割品に関しては本発明例1より研削時間が約1.4倍の4分長くなった。
本発明が対象とする金型加工や部品加工などの加工分野では、被削対象材としてステンレス鋼、チタン合金及び超耐熱合金のエンドミルの荒加工及び中仕上げ加工で2倍程度以上の高能率加工が要望されている。さらにこの分野では、HRC40程度以上の調質材や焼入材の加工はもはや常識化してきている。本発明はこのような高硬度材の高速加工の市場のニーズに応じられるニック付き超硬合金製エンドミルとして、新しいニック付き外周刃の形状と硬質皮膜の被覆の組合せで初めて提供するものである。
1 外周刃
2 工具先端側
3 工具シャンク側
4 ニック
5 工具先端側の丸み
6 工具シャンク側の丸み
7 ニック溝の底部
8 ニック溝の底端
9 ニック溝
10 直線
11 凸状の曲線
12 凹円弧形状の曲線
13 エッジ部分
14 基準形状外周刃
15 外周刃とニックの交点
16 ニックのピッチ
17 位相
18 第2ニック付き外周刃
19 第3ニック付き外周刃
20 第4ニック付き外周刃
21 ずれ量
22 第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部
23 第1ギャッシュ角
24 第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部
25 第2ギャッシュ角
D 工具直径
R1 工具先端側の丸み半径
R2 工具シャンク側の丸み半径
R3 凹部の半径R
θ 工具外周刃のねじれ角
H ニック深さ

Claims (4)

  1. 工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、ある外周刃を基準形状外周刃としたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相の工具軸方向へのずれ量が、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相から前記ニックのピッチの0%を含まない5%以下の幅で工具軸方向にずれており、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さいことを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミル。
  2. 工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、ある外周刃を基準形状外周刃としたときに、その他の少なくとも一刃のニックの位相の工具軸方向へのずれ量が、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相から前記ニックのピッチの0%を含まない5%以下の幅で工具軸方向にずれており、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端側の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さく、ニック溝の底端が工具シャンク側の丸みと直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、又は前記直線と前記ニック溝に向かって凸状の曲線との組合せで繋がっていることを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミル。
  3. ニック付き超硬合金製エンドミルの工具直径をDとしたときに、ニックの工具先端側の丸み半径が0.01D〜0.03D、ニックの工具シャンク側の丸み半径はニックの工具先端側の丸み半径の1.5倍〜2倍で、ニックの深さが0.01D〜0.05Dであることを特徴とする請求項1及び2に記載のニック付き超硬合金製エンドミル。
  4. 工具の外周刃の径方向に切り屑分断させる複数のニックを有する超硬合金製エンドミルにおいて、隣接する各ニック付き外周刃のうち少なくとも1組の前記ニック付き外周刃は、ニックのピッチを刃数で割った値で等間隔に並んだ前記基準形状外周刃のそれぞれの位相からのずれ量が無く、その他の組の前記ニック付き外周刃は互いに位相のずれ量が不均等であり、前記ニックと前記外周刃をエンドミルのねじれ角と平行の切断面で見たときに、前記それぞれのニックの両端は丸みによって滑らかに前記ニックに隣接する外周刃と連なり、前記それぞれのニックの工具先端の丸み半径が前記ニックの工具シャンク側の丸み半径より小さく、ニック溝の底端が工具シャンク側の丸みと直線若しくはニック溝に向かって凸状の曲線で繋がるか、又は前記直線と前記ニック溝に向かって凸状の曲線との組合せで繋がっていることを特徴とするニック付き超硬合金製エンドミル。
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