JP2012091306A - 超硬合金製エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】ステンレス鋼等の難削材の加工に要求される縦送り加工、横送り加工、および傾斜切削を含む複合加工であっても、一本のエンドミルで高速で複合加工ができ、特にびびり振動を抑制して、切り屑詰まりによる異常摩耗や刃欠けも生じない長寿命の超硬合金製エンドミルを提供する。
【解決手段】複数の底刃及び外周刃と、複数のギャッシュ面からなるギャッシュとを有する超硬合金製エンドミルであって、外周刃が不等な分割角度で配置され、複数のギャッシュ面は、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面、エンドミルの工具軸の回転中心側に設けられた第2ギャッシュ面、エンドミルの外周側に設けられた第3ギャッシュ面から成り、前記複数の外周刃の逃げ面は、第一逃げ角が3°を超え5°未満の第一逃げ面と第一逃げ角より大きい第二逃げ角が設けられた第二逃げ面からなることを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステンレス鋼等の難削材(溶着の生じやすい材料)の切削に用いる超硬合金製エンドミルに関する。
本発明が対象とするエンドミルは、溶着の生じやすいステンレス鋼等の難削材を被削材とした部品加工や金型加工の側面切削や溝切削等に使用される。これらの切削加工において、加工能率を向上し加工時間を短縮したいという要求は一段と強くなっているが、高能率加工を達成するには高速切削や高切り込み加工を行う必要があるため、従来の一般的なエンドミルではびびり振動の問題が生じることが多い。
びびり振動を抑制する技術はいくつか紹介されている。従来の一般的なエンドミルは、軸心を中心にして回転方向に見たときに、外周面の周方向に隣接する2枚の切れ刃までの線分で挟まれる分割角が切れ刃ごとに等しいので、加工中に共振が起こり、びびり振動が生じやすい。この対策として、切れ刃の分割角を異なるようにして、切削力の周期を一定にしないことで振動の共鳴を防止し、工具本体のびびり振動を防止しようとする不等分割エンドミルが提案されている。
そのうち、刃数が偶数である不等分割エンドミルは、隣接する切れ刃間では不等分割角であっても、エンドミルの回転軸に対して回転対称の位置では分割角が一致し、この部分での振動が共鳴する。そこで、刃数を奇数にして、互いに異なる分割角を設けることで切削抵抗を分散切れ刃の分割角毎に異なるようにして、切削力の周期を一定にしないようにした不等分割エンドミル(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、特許文献2では、不等分割を採用すると切り屑排出溝の位置バランスが悪くなり、エンドミルの摩耗を早めたり、欠けが生じることが記載されている。そのため、位置バランスが良好な等分割のエンドミルで切り屑排出性の問題が無くなり、第一逃げ面を設けることで、振動を抑制するほかに加工能率が向上できる提案がなされている。
また、加工能率を上げるためには、切り込み量を大きくして高速切削による高能率加工を行うことが多い。しかし、切り込み量を大きくしすぎると切り屑の排出性が良好でなければ切り屑詰まりにより切削抵抗が大きくなる。切り屑の排出性を改善する目的ではいくつかの提案がなされている。
特許文献3では、ギャッシュノッチ角が後端側に向かうに従い段階的に大きくなる複数段のギャッシュ面を構成したエンドミルが提案されている。縦送り時に大きな負荷が作用するエンドミル本体中心の先端側のギャッシュ面は強度を確保し、欠損等を防止でき、後端側のギャッシュ面は切り屑排出のための空間を確保するというものである。
特許文献4では、エンドミル回転中心側とエンドミル外周側にギャッシュ面を設け外周側のギャッシュ角は回転中心側のギャッシュ角より大きく設けたエンドミルが提案されている。これにより、高硬度材の横送り加工時に、切り屑の排出性を向上させ、高速切削による高能率加工が可能であるとするものである。
特開2000−714号公報 国際公開2006/046278 特開2006−15418号公報 特開2007−296588号公報
近年、金型加工や部品加工の高能率化への要求は一段と強く、高速機の普及と共に高速切削による高送り加工が注目されている。高速切削は切削速度を大きくすること、すなわち回転数を高く設定し、高能率加工を行う方法である。従来のエンドミルを用いて回転数を高く設定し、さらに、切り込み量も大きくし、高能率加工を行うことがあるが、びびり振動が発生し、異常摩耗やチッピングの発生により寿命を極端に短くするだけでなく、欠損や折損を引き起こす原因となっていた。
エンドミルにおけるびびり振動を抑制する技術として、従来技術で説明したように等分割に代わって不等分割によるエンドミルが提案されている。不等分割を適用したエンドミルは適切な形状設計をすれば、一定のびびり振動を抑制する効果があるが、切れ刃が不均一に並んでいることから各刃の刃溝の大きさが異なり、切り屑の排出性で問題になることがあった。不等分割によるエンドミルは通常の等分割エンドミルより小さくなる刃溝があるため、切り屑詰まりによる欠けが発生しやすく、この問題は高速切削に伴って多量に排出される切り屑の処理には特に重要な問題になる。
特許文献2に記載のエンドミルでは、切り屑排出溝の位置バランスの良好な等分割エンドミルに第一逃げ面を設け振動を抑制する効果が記載されているが、等分割エンドミルのため切削力の周期が一定であり共鳴し、工具本体のびびり振動を抑制する効果は小さい。また、第一逃げ角は3°以下のため切削中に加工面と第一逃げ面が擦れることで振動を抑制できるが、加工面と擦れる面積が大きいため切削抵抗が大きくなる問題がある。
切削抵抗が大きくなれば、機械剛性の弱い工作機を用いて切削を行えばびびり振動が発生しやすく、さらに、溶着の発生しやすいステンレス鋼等をびびり振動の生じたままで切削を行った場合、第一逃げ角が小さすぎると溶着によるチッピングも発生しやすく、極端に寿命が短くなる問題がある。
また、近年の高能率加工の要求は一段と強く、工具を交換することなく一本のエンドミルで多方向を向いた被削材の加工を一度に行いたいという要望も強い。金型などの形状が複雑化すると、縦送り加工、横送り加工及び傾斜切削などが組み合わされた複合加工となる。このような場合には、従来は縦送りや横送りなどの切削加工方向に適した複数の切削工具を選択し工具交換して加工していたが、ステンレス鋼等の難削材の切削加工において、すべての加工を一本のエンドミルで行い飛躍的な高能率加工を実現したいという要望がある。
従来から縦送り加工や、横送り加工にそれぞれ特化したエンドミルの提案がされている。例えば特許文献3に記載のエンドミルは、縦送り加工用として、縦送り時に大きな負荷が作用するエンドミル本体中心の先端側のギャッシュ面は強度を確保し、後端側のギャッシュ面は切り屑排出のための空間を確保したエンドミルである。特許文献4に記載のエンドミルは、高硬度材の高速横送り加工に適した複数段のギャッシュ面を構成するエンドミルである。しかし、これらの提案のエンドミルは、エンドミル一本では縦送り加工、横送り加工及び傾斜切削が複合した高能率加工には対応できず、非常に使いづらい。
例えば、縦送り加工や、横送り加工にそれぞれ特化したエンドミルを用いて凹形状等の縦送りや傾斜切削を含む加工を行う場合、最初に縦送りに特化したエンドミルやドリルなどを用い、その後に横送りに特化したエンドミルで繰り広げることが多い。横送りの高速切削を行うには、工具剛性を考慮し、心厚の大きいもので、刃数の多いものを使用することが多い。しかし、このような横送りに特化したエンドミルで縦送り加工を行うには、切り屑排出の問題で、高能率な加工が困難である。従来のエンドミルで縦送り加工を行うと、軸中心付近の底刃によって生成される切り屑排出が悪く、切り屑つまりによる折損が生じやすくなる。また、切り屑排出を良好にするため、底刃のチップポケットを大きくすると、切り屑排出は良好となるが、横送り加工の際に底刃の剛性不足から欠損が発生しやすくなるという問題がある。
本発明者の検討によると、超硬合金を母材とするエンドミルで、さらなる多機能な加工を高能率で行う場合、先端側のギャッシュ面と後端側のギャッシュ面のつなぎ部の長さの適正化は、工具剛性と切り屑排出を両立させるために重要であることが分かってきた。従来から提案されている特許文献3及び4のエンドミルでは、回転軸中心から前記つなぎ部の位置までの長さが長くなるため切り屑つまりによる欠損などの問題となることが多いことが確認された。
従来の技術としては、不等分割刃型は存在するが、高速切削の場合には不等分割で刃溝が狭い部分が切り屑詰まりによる欠けの問題が生じること、そのために不等分割刃型で、外周刃やギャッシュを含みどのような刃底の形状にすれば良いかという問題認識は無かった。これは、従来の切り屑の処理は特許文献3や4のように、エンドミルの加工方向に適した個々のエンドミル形状にすれば良いという認識にとどまり、縦送り加工、横送り加工、及び傾斜切削を含む複合加工であっても、一本のエンドミルで荒切削加工を高速で行うという本発明のような認識が無かったか、その手段が知られていなかったからである。
本発明は、このような背景と課題認識の下に、びびり振動を抑制する不等分割刃型を採用し、外周刃とギャッシュ面の最適な形状を採用することによって、難削材の切削加工における溶着の発生や、各刃溝の不均一による切り屑詰まりによる刃欠けを防止するとともに、縦送り加工、横送り加工、及び傾斜切削を含む複合加工であっても、一本のエンドミルで許容回転数を高速に設定できる長寿命の超硬合金製エンドミルを提供することを目的とする。
本発明の超硬合金製エンドミルの特徴は、工具の硬質皮膜以外の部分を構成する母材部分が超硬合金製であり不等分割刃型を採用していること、一本のエンドミルで多方向に切削が可能な新規な形状のギャッシュ面を採用していること、及び外周刃には特定の硬質皮膜が被覆されていることであり、重要なことはこれらの本発明の要件による複合作用で、従来成し得なかった程の高能率荒加工を達成できることである。
本発明者は、従来よりもびびり振動を抑制でき、大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成できる不等分割刃型の超硬合金製エンドミルで外周刃と底刃の形状を種々検討した。その結果、本発明の超硬合金製エンドミルは、刃溝が不均一になるために生じる切り屑詰まりによる刃欠けを抑制できる新規の外周刃形状として、底刃から排出される切り屑処理と、エンドミル先端付近の強度を中心から外周まで確保できる最適なギャッシュ形状を確認した。本発明は前記本発明の構成要件の相乗効果によって、一本の工具で縦送り加工、横送り加工、及び傾斜切削を含む多機能な加工ができる超硬合金製エンドミルを提供するものである。
すなわち、第1の本発明のエンドミルは、複数の底刃及び複数の外周刃と、複数のギャッシュ面からなるギャッシュとを有する超硬合金製エンドミルであって、該エンドミルの外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図においてエンドミル外周面の周方向に隣接する外周刃が不等な外周刃の分割角度で配置され、前記複数のギャッシュ面は、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面、前記第1ギャッシュ面とは鋭角で交差して続きエンドミルの工具軸の回転中心側に設けられた第2ギャッシュ面、及び前記第1ギャッシュ面とは鈍角で交差して続きエンドミルの外周側かつ前記第2ギャッシュ面よりはエンドミルの後端側に設けられた第3ギャッシュ面から成り、前記複数の外周刃の逃げ面は、第一逃げ角が3°を超え5°未満の範囲で設けられた第一逃げ面と第一逃げ角より大きい第二逃げ角が設けられた第二逃げ面からなることを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
また、第2の本発明のエンドミルは、第1の本発明において、工具軸と外周刃を通る直線に対し垂直となる直線に沿って測定したときの長さで工具径の0.3%以上3%未満の範囲で設けたことを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
また、第3の本発明のエンドミルは、第1の本発明乃至第2の本発明のいずれかにおいて、前記複数の外周刃の分割角度のうち、最大の外周刃の分割角度は、360°を外周刃の数で除した等分割角度に対し、2〜20%の比率で大きく設けたことを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
また、第4の本発明のエンドミルは、第1の本発明乃至第3の本発明のいずれかにおいて、第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部と工具軸に直交する平面とのなす角度を第1ギャッシュ角、第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部と工具軸線に直交する平面とのなす角度を第2ギャッシュ角としたとき、第1ギャッシュ角は15゜以上35゜以下、第2ギャッシュ角は40゜以上60゜以下の範囲であることを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
また、第5の本発明のエンドミルは、第1の本発明乃至第4の本発明のいずれかにおいて、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さは、工具軸からの距離として工具径の5%以上20%未満の範囲としたことを特徴とする超硬合金製エンドミルある。
また、本発明のエンドミルは、特定の硬質皮膜が被覆されていることにより、さらに特性が向上し、寿命も安定する。すなわち、第6の本発明のエンドミルは、第1の本発明乃至第5の本発明のいずれかにおいて、少なくとも底刃と外周刃には(TiAl)N系にSiを含有させた硬質皮膜が被覆されていることを特徴とする超硬合金製エンドミルである。
本発明の超硬合金製エンドミルによれば、不等分割刃型を採用しているので、びびり振動が抑制され、従来よりも大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成できる高速切削が可能となる。不等分割刃型の欠点である刃溝の大きさの不均一性と、小さい刃溝で起こる切り屑詰まりによる刃欠けの問題に対しては、外周刃には最適な逃げ角である第一逃げ面を設け、刃先剛性を向上し、刃欠けや溶着による損傷を抑制し、底刃では、切削時に生じる切り屑の流れに着目して底刃のギャッシュ形状の最適化によりチップポケットを大きくしているので、切り屑詰まりを抑制することができる。
本発明の超硬合金製エンドミルは、最適な外周刃、底刃を採用することで底刃を使用する縦送り加工、外周刃を使用する横送り加工及び両切れ刃を使用する傾斜切削が工具交換をすることなく一本のエンドミルで行うことができる。
本発明のエンドミルのうち、少なくとも外周刃と底刃に硬質皮膜を被覆したものは、高速切削による高能率荒加工から高能率中仕上げ加工が安定して可能となり、硬質皮膜のないものと比較して、さらに長寿命に加工が行える超硬合金製エンドミルを提供することができる。
本発明のエンドミルは、上記で述べた効果の相乗効果により、等分割に配置された従来のエンドミルと比較して、横送り加工時には、本発明の超硬合金製エンドミルは加工能率が1.5倍以上の高能率加工を達成できる。さらに、ギャッシュの形状を最適化しているため、傾斜切削時には、従来のエンドミルと比較して、本発明の超硬合金製エンドミルは1.5倍以上の送り速度の高能率加工が達成できる。
また、溶着の発生しやすいステンレス鋼等の難削材であっても本発明のエンドミルの切削速度は周速100m/minを超える条件も可能である。このような高能率加工における本発明の有利な効果は、主に不等分割刃型と新規な外周刃及びギャッシュの形状の採用による相乗効果であり、さらに硬質皮膜を被覆すれば、その効果が追加付与される。
本発明によれば、従来、高速度工具鋼製のエンドミルと比較して工具の寿命延長は期待できるが脆性材料のために欠損の危険性が高いとされていた超硬合金製エンドミルにおいて切れ刃のチッピングや折損が防止でき、かつ長寿命に加工が行える新規で高性能な超硬合金製エンドミルを提供することができる。
本発明の一実施例を示す超硬合金製エンドミルの全体概観図である。 図1において、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図である。 各刃の分割角が異なる本発明のエンドミルにおける、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図である。 従来の等分割エンドミルにおける、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図を示す。 図1に示すエンドミルの底刃近傍の拡大図である。 図5のA−A´線に沿って切断したときの第1ギャッシュ面と平行な平面で切断したギャッシュ形状を表す部分断面図である。 図1における外周刃の拡大図である。 図2における外周刃の拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す超硬合金製エンドミルの全体概観図である。図1に示す本発明のエンドミル6は工具径D、工具軸Oとして、外周側に刃数が4枚の外周刃1と、各外周刃に切り屑排出用の刃溝2を有する例である。前記刃数は、2枚以上であれば、分割角度をずらすことが可能であるため刃数は必要に応じて変え得る。例えば、溝切削等を行う場合は切り屑の排出が多いためチップポケットを大きく設けることができる2枚程度とし、また、切り込みの小さい仕上げ加工においては送り速度を高く設定できる8枚程度まで刃数を増やし、高送りに対応することができる。
図2は図1において、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図である。図2に示す本発明のエンドミル6は刃数が4枚であり、対となる分割角度が等しい不等分割刃型のエンドミルであるため、外周刃1と工具軸Oを結んだ2本の隣合う直線が成す最大の角度である最大の外周刃の分割角度3が2箇所あることとなる。よって、回転方向に隣合う刃溝の大きさは不均一になり、外周刃には相対的に面積が大きい最大の刃溝4と相対的に面積が小さい最小の刃溝5が混在することとなる。
図3は各刃の分割角が異なる本発明例のエンドミルにおける、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図である。図3は図2と同様に4枚刃であるが、各々の外周刃の分割角度が92°、88°、85°、95°と全て異なるため、最大の外周刃の分割角度3は1箇所となり、最大の刃溝4と最小の刃溝5もそれぞれ1箇所となる。従って刃溝の大きさはそれぞれ不均一となる。ステンレス鋼などの難削材を切削加工するときにおいて、極めて小さい刃溝が混在する場合、切り屑排出性が悪くなり、切り屑詰まりによる刃欠けや折損等が生じやすくなる恐れがある。
図4は従来の等分割エンドミルにおける、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図である。それぞれの外周刃の分割角度は全て90°となり、外周刃の分割角度が等しいため、刃溝は均一に設けられる。刃溝が均一であれば切り屑排出が良好となるが共振によりびびり振動が生じやすい。よって本発明が目的としている難削材の高能率加工及び高送り加工が達成できない。
本発明では、最大の外周刃の分割角度3は360°を外周刃の数で除した角度に対し、2〜20%の比率で大きく設けることが望ましい。さらに前記の望ましい増大比率は4〜12%である。前記の2%に近い例としては、例えば、刃数が4枚刃のときに、それぞれの外周刃の分割角度を92°、88°、92°、88°とすると、最大の外周刃の分割角度は92°であり360°を外周刃数の4で除した等分割角度である90°に対し、比率で2.2%大きい最大の分割角度を設けたものとなる。前記の比率が20%に近い例としては、刃数が4枚刃のときに、それぞれの分割角度を108°、72°、108°、72°とすると、最大の外周刃の分割角度は108°であり、360°を外周刃数の4で除した等分割角度90°に対し、比率で20.0%大きい最大の分割角度を設けたものとなる。
ここで、最大の外周刃の分割角度3における等分割角度からの増大比率を2%未満とすると、共振によるびびり振動の抑制効果はほとんど無く、また前記増大比率が20%より大きくなると、刃溝が大きくなる外周刃は切削中の負担が大きくなるため外周刃を改善してもチッピングが生じやすい。傾斜切削等の底刃を使用する場合も刃溝の小さい底刃では、刃溝のシャンク側の切り屑排出性が悪く、欠損等に繋がる。このように、本発明においては、単純に外周刃を不等分割の配列にするだけではなく、工具の共振に起因するびびり振動の大幅な抑制と、不等分割と新規な外周刃とギュッシュの形状との組合せにより、刃欠けを抑制し、切り屑排出性を良好にし、エンドミルの性能を最大限に発揮するには不等分割の分割角度の程度(増大比率)を制限することが望ましい。
図5は、図1に示すエンドミルの底刃近傍の拡大図である。本発明は複数のギャッシュ面を有し、前記複数のギャッシュ面は、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面11、前記第1ギャッシュ面とは鋭角で交差して続きエンドミルの工具軸の回転中心側に設けられた第2ギャッシュ面12、及び前記第1ギャッシュ面とは鈍角で交差して続きエンドミルの外周側かつ前記第2ギャッシュ面12よりはエンドミルの後端側に設けられた第3ギャッシュ面13で構成されている。
図6は図5のA−A´線に沿って切断したときの第1ギャッシュ面と平行な平面で切断したギャッシュ形状を表す部分断面図である。なお、図6の斜線部は断面を示す。図6において第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部14と軸線に直交する平面とのなす角度を第1ギャッシュ角15、第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部16と軸線に直交する平面とのなす角度を第2ギャッシュ角17とする。本発明のエンドミルにおいて、このようなギャッシュの構成にすることで、底刃付近の切り屑を良好に排出することができ、底刃付近の切り屑詰まりを防止し、縦送り加工、横送り加工、及び傾斜切削を含む複合加工であっても、一本のエンドミルで難削材の高能率加工及び高送り加工が可能となる。
本発明の望ましい態様は、第1ギャッシュ角15が15゜以上35゜以下、第2ギャッシュ角17が40゜以上60゜以下の範囲であり、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さ18は工具軸Oから工具径Dの5%以上20%未満の範囲である。さらに望ましいつなぎ部の長さ18は7%以上15%以下の範囲である。この条件を満足することにより、工具軸付近は剛性が確保でき、外周側は大きなチップポケットで十分な空間ができ、切り屑詰まりによる欠損が防止できる。ここで、つなぎ部の長さ18とは、工具軸Oから直角方向で測定したときの第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部19までの長さを指す。
第1ギャッシュ角15を15°以上35°以下の範囲とすると、工具回転軸付近の剛性が確保でき、切り屑の排出性が良好になるので望ましい。第1ギャッシュ角15が15°未満の場合は、工具軸付近のチップポケットが狭くなるため、切り屑詰まりによる異常摩耗が生じることがある。また、第1ギャッシュ角15が35°を超える場合、工具径が小さくなると中心付近の剛性不足により底刃の欠損が生じることがある。
さらに第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さ18は工具軸から工具径の5%以上20%未満の範囲とすることにより、底刃の工具軸付近の剛性を確保し、外周の溝への切り屑の排出が良好になる。第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さ18が工具径の5%未満である場合、第3ギャッシュ面13が工具軸により近く設けられることになり、底刃の工具軸付近の剛性が低くなり、底刃の工具軸付近での欠損が生じやすくなる。また、前記つなぎ部の長さ18が20%以上となる場合、底刃によって生成された切り屑が第2ギャッシュ面12に押し付けられる時間が長くなり、高速切削の場合、第2ギャッシュ面12に滞留して切り屑排出性が悪くなり、切り屑つまりが生じやすく底刃の欠損につながりやすくなる。
次に、第2ギャッシュ角17の望ましい範囲を40゜以上60゜以下の範囲としたのは、縦送り加工及び傾斜切削の際に、底刃で生成された切り屑の排出性を検討した結果である。第2ギャッシュ角17が40°未満の場合、第2ギャッシュ面12に押し付けられた切り屑は、第3ギャッシュ面13によって外周の刃溝に流れにくく、工具の外側に飛ばされる。しかし、縦送り加工においては、工具の外側はすべて加工穴の壁面であり、また、傾斜切削でも一部に加工済みの壁面があり、切り屑を工具の外側へ排出することが困難となりやすい。よって、第2ギャッシュ角17が40°未満の場合は、底刃から排出された切り屑は外周の溝への流れが悪くなり、切り屑詰まりが生じやすくなる。また、第2ギャッシュ角17が60°を超えた場合、切り屑排出用のチップポケットは大きくなり、底刃によって生成された切り屑は外周の刃溝へ流れやすくなり、切り屑の排出は問題ないが、工具径が小さい場合には工具先端付近の剛性が弱くなるため、欠損が生じやすくなる。
前記のように第1ギャッシュ角15と第2ギャッシュ角17を適正な範囲に設定することで、縦送り加工及び傾斜切削を行った際の、底刃で生成された切り屑の排出性がさらに良好となる。
図7は図1における外周刃の拡大図を示す。図7に示すように、外周刃1を形成する逃げ面には、第一逃げ面22と第二逃げ面23が設けられている。図8は図2における外周刃の拡大図を示す。図8に示すように、外周刃1を形成する逃げ面には、第一逃げ角24で設けられた第一逃げ面22と、第一逃げ面22に連結し、第二逃げ角25で設けられた第二逃げ面23が設けられている。
本発明において、第一逃げ角24を3°を超え5°未満の範囲とする。第二逃げ角25は第一逃げ角24よりも大きくするが、8°以上15°以下の範囲が実際に用いられる角度である。第一逃げ面22と第二逃げ面23の形状は平面状でも曲面状でも良く、図8には第一逃げ面22と第二逃げ面23の形状が曲面状である例を示している。図8において、第一逃げ角24は外周刃1の位置における第一逃げ面22の接線と、工具軸Oと外周刃を通る直線に対し垂直となる直線Cとの成す角度である。第二逃げ角25は第一逃げ面22と第二逃げ面23の境界Bにおける第二逃げ面23の接線と、工具軸Oと外周刃1を通る直線に対し垂直となる直線Cとの成す角度である。
第一逃げ角24を3°を超え5°未満の範囲とした第一逃げ面22を設けることにより刃先の剛性が向上し、溶着及び刃欠けを抑制する効果がある。よって不等分割を採用し、外周刃の切り屑排出溝が小さくなり、切り屑詰まりによる刃欠けを抑制することができ、びびり振動を抑制でき、高能率加工を行うことが可能となる。
高能率加工とは、送り速度が1000m/min以上であり、好ましくは1000〜10000m/minであり、より好ましくは1100〜5000m/minであり、さらに好ましくは1200〜4000m/minで行う切削加工をいう。送り速度が、1000m/min未満では従来のエンドミルとの有意差が少なく、10000m/min超の条件は工業生産上実現が困難だからである。また、高能率加工を行うときの切り込み量は、本発明のエンドミルにおいて、例えば工具径Dが1〜50mm(好ましくは工具径Dが6mm〜20mm)の場合、軸方向切り込み量は、工具径Dの0.2倍以上2倍以下であり、好ましくは工具径Dの0.5倍以上1.5倍以下である。径方向切り込み量は、工具径Dの0.2倍以上0.8倍以下であり、好ましくは工具径Dの0.3倍以上0.6倍以下である。これらの特定範囲を外れると実用性が低下する。
ここで、第一逃げ角24を3°以下に設定すると、切削時に第一逃げ面22と加工面が擦れる現象が生じるため、切削抵抗の増大に繋がる。切削抵抗が増大すれば、機械剛性の弱い工作機械であればびびり振動が発生し、逃げ角が小さいため溶着等の問題により、刃欠けが生じやすい。また、第一逃げ角24を5°以上に設定すると、刃先の剛性が無くなり、切り屑詰まりや刃欠けが生じやすくなる。よって本発明において、第一逃げ角24は3°を超え5°未満の範囲とする。
また、本発明において、第一逃げ面22の幅を前記直線Cに沿って測定したときの長さである第一逃げ面の幅21を工具径Dの0.3%以上3%未満の範囲にすることが望ましい。第一逃げ面の幅21を工具径Dの0.3%より小さくすると、第一逃げ面の幅21が小さすぎるため、刃先の剛性が向上する効果がほとんど無い。また、工具径Dの3%以上にすると切削時に加工面と第一逃げ面22が接触し、切削抵抗が増大しやすくなる。よって第一逃げ面の幅21は工具径Dの0.3%以上3%未満の範囲にすることが望ましい。
本発明において、少なくとも底刃と外周刃には(TiAl)N系にSiを含有させた硬質皮膜が被覆されていることが望ましい。これにより、底刃と外周刃の耐摩耗性及び耐チッピング性が向上し、難削材の高能率加工においても長時間の切削加工を行うことができる。
本発明により、不等分割と最適外周刃の相乗効果で横送り加工時にびびり振動や刃欠けを抑制でき、安定した加工が可能となる。不等分割と最適ギャッシュ形状の相乗効果で縦送り加工時に、びびり振動や切り屑詰まりを抑制でき、安定した加工が可能となる。さらに傾斜切削では不等分割、外周刃、及びギャッシュ形状の相乗効果でびびり振動、外周刃の刃欠け、及びギャッシュの切り屑詰まりが抑制でき、安定加工が可能となる。よって、本発明のエンドミルによれば、1本の工具で多機能に安定した加工を行うことができる。
以下、本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、それらにより本発明が限定されるものではない。
以下の表中にある各実施例では、本発明、従来例、比較例を区分として示し、試料番号は本発明例、従来例、比較例ごとに、連続の通し番号で記載した。各表の中の比率とは最大の外周刃の分割角度における等分割角度からの増大比率(%)のことである。
(実施例1)
実施例1は、本発明例の特徴である第一逃げ面の形状と最適な不等分割の角度の検討を行った実施例である。本発明例1〜16、比較例1及び2、並びに従来例1〜3の各試料を構成する母材はいずれもCo含有量が8質量パーセント及びWC粒子の平均粒径が0.8μmの超硬合金製のものである。また、各試料は工具径が8mm、刃長が12mm、全長が70mm、シャンク径が8mm、刃数は4枚、及び外周刃のねじれ角は45°とした。さらに、各試料はすべて(TiAl)N系にSiを含有させた硬質皮膜を各母材の底刃部分上と外周刃部分上に被覆した。また、底刃のギャッシュ形状は、第1ギャッシュ角を25°、第2ギャッシュ角を50°、中心からのつなぎ部の長さが工具回転軸から工具径の9%の0.72mmとし、第二逃げ角を12°として仕様を統一した。
本発明例1〜11、比較例1及び2は、それぞれの分割角度を95°、85°、95°、85°とし、最大の外周刃の分割角度は95°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で5.6%大きい最大の分割角度とした。
本発明例1〜3、比較例1及び2は第一逃げ面の幅が工具径の0.5%である0.04mmの第一逃げ面を設け、比較例1の第一逃げ角は3°、本発明例1の第一逃げ角は3.5°、本発明例2の第一逃げ角は4°、本発明例3の第一逃げ角は4.5°、比較例2の第一逃げ角は5°のものを作製した。
本発明例4〜11は、第一逃げ角が4°の第一逃げ面を設け、本発明例4は第一逃げ面の幅が工具径の0.2%である0.016mm、本発明例5は第一逃げ面の幅が工具径の0.3%である0.024mm、本発明例6は第一逃げ面の幅が工具径の1.0%である0.08mm、本発明例7は第一逃げ面の幅が工具径の1.5%である0.12mm、本発明例8は第一逃げ面の幅が工具径の2.0%である0.16mm、本発明例9は第一逃げ面の幅が工具径の2.5%である0.20mm、本発明例10は第一逃げ面の幅が工具径の3.0%である0.24mm、本発明例11は第一逃げ面の幅が工具径の3.5%である0.28mmのものを作製した。
本発明例12〜16は、第一逃げ面の幅が工具径の0.5%である0.04mm、第一逃げ角が4°の第一逃げ面を設け、本発明例12は、それぞれの分割角度を92°、88°、92°、88°とし、最大の外周刃の分割角度は92°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で2.2%大きい最大の分割角度を設けたものを作製した。
本発明例13は、それぞれの分割角度を100°、80°、100°、80°とし、最大の外周刃の分割角度は100°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で11.1%大きい最大の分割角度を設けたものを作製した。
本発明例14は、それぞれの分割角度を105°、75°、105°、75°とし、最大の外周刃の分割角度は105°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で17.7%大きい最大の分割角度を設けたものを作製した。
本発明例15は、それぞれの分割角度を108°、72°、108°、72°とし、最大の外周刃の分割角度は108°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で20.0%大きい最大の分割角度を設けたものを作製した。
本発明例16は、それぞれの分割角度を110°、70°、110°、70°とし、最大の外周刃の分割角度は110°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で22.2%大きい最大の分割角度を設けたものを作製した。
従来例1は、各刃の分割角が全て90°であり、第一逃げ面の無い通常の外周刃の等分割エンドミルを作製した。
従来例2は、特許文献2で提案されている逃げ角2°で逃げ面の幅が0.04mmの第一逃げ面を設け、各刃の分割角が全て90°である等分割エンドミルを作製した。
従来例3は分割角度を95°、85°、95°、85°とし、最大の外周刃の分割角度は95°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で5.6%大きい最大の分割角度とした第一逃げ面の無い通常の外周刃のエンドミルを作製した。
テストは、SUS304を被加工材として切削を行った。従来では切削速度は100m/minでも高速であるが、1.5倍である150m/min(回転数6000回転/min)に設定し、送り速度を1600mm/min(1刃送り量0.06mm)とした。軸方向切り込みを8mm、径方向切り込みを4mmとして、寿命テストを行った。評価として、10m毎に外周刃を観察し、50mまで切削を行い欠損及びチッピングの無いものを良好として、その時の摩耗幅を測定した。また、50mまでに外周刃を観察し欠損及びチッピングが生じたものはその時点で終了し、切削長を記録した。その結果を表1に示す。










結果として、本発明例1〜16は安定した加工ができ、50m切削後の摩耗幅は0.1mm以下と良好であった。比較例1は第一逃げ角が小さく、擦れにより摩耗が0.15mmと大きくなった。比較例2は第一逃げ角が大きかったため、50m切削後に欠損が生じた。従来例1及び2は等分割エンドミルであるため、びびり振動が発生し、50m切削するまでに折損及び欠損が生じた。不等分割エンドミルである従来例3はびびり振動は抑制できほとんど生じていなかったが、今回の実施例のような高能率加工においては、切り屑排出溝が小さく、外周刃の刃先に剛性が無かったため30m切削時に欠損が観られた。また、特に第一逃げ面の幅が工具径の0.3%以上3%未満の範囲である本発明例5〜10、及び不等分割角度の増大比率が2〜20%となる本発明例12〜15は50m切削後の摩耗幅が0.08mm以下と良好な結果が得られた。
(実施例2)
実施例2は、本発明の特徴であるエンドミルのギャッシュの最適な形状を確認するために行った実施例である。実施例1と同様に、本発明例17〜36、及び従来例4〜7では、いずれも実施例1と同一条件で得られた超硬合金製母材からなる試料であって、工具径が8mm、刃長が12mm、全長が70mm、シャンク径が8mm、及び刃数は4枚のものを作製した。また各試料は、外周刃は、ねじれ角は45°とし、第一逃げ面を設け、第一逃げ面の幅を工具径の0.5%である0.04mm、第一逃げ角を4°、第二逃げ角を12°とした。さらに各試料はすべて(TiAl)N系にSiを含有させた硬質皮膜を各母材の底刃部分上と外周刃部分上に被覆した。
また、本発明例17〜36及び従来例5は不等分割刃型で、それぞれの分割角は95°、85°、95°、85°とした。よって、この場合の最大の外周刃の分割角度は95°であり、360°を外周刃数の4で除した90°に対し、比率で5.6%大きく設けたことになる。
本発明例17〜23は、第2ギャッシュ角を50°、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さが工具軸からの距離で工具径の9%とした0.72mmとし、第1ギャッシュ角をそれぞれ10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°とした。
本発明例24〜29は、第1ギャッシュ角を25°、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さが工具軸からの距離で工具径の9%とした0.72mmの長さとし、第2ギャッシュ角をそれぞれ35°、40°、45°、55°、60°、65°とした。
本発明例30〜36は、第1ギャッシュ角を25°、第2ギャッシュ角を50°とし、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さはそれぞれ工具軸からの直角方向での距離で工具径の0%、3%、5%、10%、15%、20%、25%の長さとした。
従来例4として等分割エンドミルで第1ギャッシュ角が25°で第3ギャッシュ面がないものを作製し、従来例5として不等分割エンドミルで第1ギャッシュ角が25°で第3ギャッシュ面がないものを作製し、従来例6は、特許文献2に記載のものと同仕様のエンドミルを作製し、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さが工具軸からの距離で工具径の20%とした1.6mmで、第1ギャッシュ角が25°、第2ギャッシュ角が50°とした。
従来例7として、特許文献3の図1に記載のものと同仕様とし、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さ28が工具軸からの距離で工具径の23.5%とした1.76mmで、第1ギャッシュ角が25°、第2ギャッシュ角が50°のものを作製した。
実施例2の切削条件と評価方法は、SUS304を被加工材として幅50mm、長さ50mm、深さ24mmの凹形状を加工した。テストは、傾斜切削で深さ8mmまで切削し、次に横送りで繰り広げて幅50mm、長さ50mmまでの切削を3回繰り返し、深さ24mmまで加工する方法で比較した。すなわち、本テストは縦送り加工、横送り加工、及び傾斜切削が複合した形状での切削テストである。SUS304を切削する場合は切削速度は100m/minでも高速であるが、切削条件は回転数を6000回転/min(切削速度150m/min)、送り速度を1920mm/min(1刃送り量0.08mm)とし、軸方向切り込みを8mm、径方向切り込みを2mm、傾斜切削時の送り速度は1200mm/minとし、傾斜角10°とした。評価として、前記凹形状が1個加工できたものを良好として摩耗幅を記録し、加工終了後に欠損及び加工途中で折損したものはその結果を記録した。その結果を表2に示す。













結果として、本発明例17〜36はびびり振動もなく、切り屑詰まりもなかったため、傾斜切削・横送り加工共に安定した加工が行えた。特に第1ギャッシュ角が15°〜35°である本発明例18〜22は凹形状を1個加工した後でも摩耗幅が0.05mm以下であり、さらに良好な結果が得られた。また、第2ギャッシュ角が40°〜60°である本発明例25〜28も凹形状を1個加工した後でも摩耗幅が0.05mm以下であり良好な結果が得られた。さらに、第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さは、工具軸から直角方向にみた第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部までの距離として工具径の5%以上20%未満の範囲である本発明例32〜34も凹形状を1個加工した後でも摩耗幅が0.05mm以下であり良好な結果が得られた。
従来例4及び5は、加工開始直後の傾斜切削時に折損した。この原因は、第3ギャッシュ面が無いため、刃溝の小さくなる外周刃で切り屑詰まりが生じたためと考えられる。従来例6及び7は凹形状を1個加工できたが、切り屑つまりにより底刃の工具回転軸付近から大きく欠損していた。これらの従来例は第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さが適正値より長いためと考えられる。
上記実施例では、難削材であるステンレス鋼を被削材とした場合を記載したが、特に限定されるものではない。例えば、りん青銅、アルミニウム合金、チタン合金または超耐熱合金(インコネル等)などの難削材を被削材とした場合においても、本発明の有利な効果を奏し得る。
本発明が対象とする金型加工や部品加工などの加工分野では、被削対象材がステンレス鋼、チタン合金及び超耐熱合金などの場合におけるエンドミルの荒加工で従来の1.5倍以上となる高能率加工が要望されている。本発明のエンドミルはこのようなステンレス鋼などの難削材加工の市場のニーズに応じられる超硬合金製エンドミルとして、新規で独創的な刃形状の採用により世界で初めて提供するものである。本発明により、びびり振動が抑制され、従来よりも顕著に大きい単位時間当たりの切り屑排出量を達成できる高能率加工が可能となる。
1 外周刃
2 刃溝
3 最大の外周刃の分割角度
4 最大の刃溝
5 最小の刃溝
6 本発明のエンドミル
7 従来のエンドミル
11 第1ギャッシュ面
12 第2ギャッシュ面
13 第3ギャッシュ面
14 第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部
15 第1ギャッシュ角
16 第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部
17 第2ギャッシュ角
18 つなぎ部の長さ
19 第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部
21 第一逃げ面の幅
22 第一逃げ面
23 第二逃げ面
24 第一逃げ角
25 第二逃げ角
D 工具径
O 工具軸
B 第一逃げ面と第二逃げ面の境界
C 工具軸Oと外周刃を通る直線に対し垂直となる直線

Claims (6)

  1. 複数の底刃及び複数の外周刃と、複数のギャッシュ面からなるギャッシュとを有する超硬合金製エンドミルであって、該エンドミルの外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図においてエンドミル外周面の周方向に隣接する外周刃が不等な外周刃の分割角度で配置され、前記複数のギャッシュ面は、底刃のすくい面である第1ギャッシュ面、前記第1ギャッシュ面とは鋭角で交差して続きエンドミルの工具軸の回転中心側に設けられた第2ギャッシュ面、及び前記第1ギャッシュ面とは鈍角で交差して続きエンドミルの外周側かつ前記第2ギャッシュ面よりはエンドミルの後端側に設けられた第3ギャッシュ面から成り、前記複数の外周刃の逃げ面は、第一逃げ角が3°を超え5°未満の範囲で設けられた第一逃げ面と第一逃げ角より大きい第二逃げ角が設けられた第二逃げ面からなることを特徴とする超硬合金製エンドミル。
  2. 複数の外周刃に設けられた第一逃げ面の幅は、外周刃を通り工具軸に対し垂直な平面で切断したときの断面図において、工具軸と外周刃を通る直線に対し垂直となる直線に沿って測定したときの長さで工具径の0.3%以上3%未満の範囲で設けたことを特徴とする請求項1に記載の超硬合金製エンドミル。
  3. 前記複数の外周刃の分割角度のうち、最大の外周刃の分割角度は、360°を外周刃の数で除した等分割角度に対し、2〜20%の比率で大きく設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の超硬合金製エンドミル。
  4. 第1ギャッシュ面と第2ギャッシュ面の交差部と工具軸に直交する平面とのなす角度を第1ギャッシュ角、第1ギャッシュ面と第3ギャッシュ面の交差部と工具軸線に直交する平面とのなす角度を第2ギャッシュ角としたとき、第1ギャッシュ角は15゜以上35゜以下、第2ギャッシュ角は40゜以上60゜以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超硬合金製エンドミル。
  5. 第2ギャッシュ面と第3ギャッシュ面のつなぎ部の長さは、工具軸からの距離として工具径の5%以上20%未満の範囲としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超硬合金製エンドミル。
  6. 少なくとも底刃と外周刃には(TiAl)N系にSiを含有させた硬質皮膜が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超硬合金製エンドミル。
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