JP2012081534A - ラフィングボールエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度で難切削性の部材に対して、ビビリをなくし、切削性能を高く維持しながら、切れ刃に対する被切削部材の抵抗を低減して、先端刃のR部の欠損を低減する。
【解決手段】工具本体12は、ボール形状をなす先端部に中心から半径方向に配置された複数の先端刃16と、該先端刃に連なる複数の側面刃18とを備え、先端刃16及び側面刃18が工具本体の軸線A方向に長軸が向けられた楕円形をなす連続した凹凸が形成され、先端刃16の凹凸22の山谷の差Hが0.1〜0.15mm、ピッチPが0.8〜1.0mmであり、側面刃18の山谷の差Hが0.3〜0.5mm、ピッチPが1.2〜1.5mmに形成され、ねじれ溝20の軸線Aに対するねじれ角αが15〜30°になるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、荒加工用として側面刃に凹凸(ラフィング)を設けたボールエンドミルに関し、詳しくは、切れ刃に加わる被切削部材の反力や抵抗(以下「切削抵抗」という。)を軽減して、ビビリや切れ刃の欠損を無くし、切削性能を向上させたボールエンドミルに関する。
タービンのノズルやブレード等に用いられる耐熱鋼は、ハイスと呼ばれる高速度鋼と成分が類似しており、高い高温強度と靭性を有する。そのため、これら部品の切削は、容易ではない。一方、ボールエンドミルは、先端が球状で、主に曲面を切削するのに用いられている。そのため、ボールエンドミルは、切削面として曲面が多いタービンノズルやタービンブレードの切削に好適である。また、側面刃に凹凸(ラフィング)をもつラフィングボールエンドミルは、切り込み量を増加でき高速送り切削が可能であり、通常荒加工用として用いられている。
タービンノズルやタービンブレードを超硬工具鋼からなる刃先交換型ボールエンドミルで加工したところ、突き出し量が多いこともあり、大きなビビリ(振動や共振)が発生し、切削面が粗くなると共に、送り速度も向上しなかった。
そのため、ソリッド型の切削工具を用い、切削工具をホルダに焼きばめしたものに変更し、切削工具の剛性を高めてみたが、相変わらずビビリが発生し、前記の不具合がなくならない。
そこで、粉末冶金法により組織の微細化や高合金化を図った焼結高速度工具鋼(粉末ハイス)で形成されたラフィングボールエンドミルを使用してみたが、先端刃のR部の抵抗が大きいため、該R部に欠損が発生し、工具交換回数が多くなると共に、送り速度もさほど向上しないという問題が生じた。
特許文献1(特開平7−195221号公報)には、ラフィングボールエンドミルにおいて、ボール形状をなす先端刃に波形状切れ刃又はニックを設けて、切削抵抗を軽減し、或いは先端刃で切り屑を分断することにより、切り込み量の増加と高い送り速度を可能にした技術事項が開示されている。図7は、特許文献1の図6に開示されたラフィングボールエンドミルの構成を示す。
図7において、このラフィングボールエンドミル100は、工具本体の外周面に設けられた側面刃102、及びボール形状を有する先端部分に設けられた先端刃104の断面が波形状の凹凸をもつ切れ刃106で構成されている。この波形状の凹凸は、工具本体軸線Aに対して交差する方向に連続して形成されている。
特開平7−195221号公報(図6)
タービンノズルやタービンブレードのように、高い高温強度と靭性を持つ耐熱鋼の切削のために、ラフィングボールエンドミルを用いても、先端刃のR部の抵抗が大きくなり、該R部に欠損が発生し、前述の不具合が発生する。これは、特許文献1に開示された、先端刃のR部に波形状の凹凸が形成されたラフィングボールエンドミルでも同様であり、先端刃のR部に波形状の凹凸が形成された分だけ切削能力は向上するが、逆に被切削部材の該R部に対する切削抵抗が増大し、該R部が欠ける可能性が増大する。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、高強度で難切削性の部材をラフィングボールエンドミルを用いて切削する場合に、ビビリをなくし、切削性能を高く維持しながら、ラフィング付き先端刃に対する切削抵抗を低減して、先端刃のR部の欠損を防止することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明のラフィングボールエンドミルは、ボール形状をなす先端部に中心から半径方向に配置された複数の先端刃と、該先端刃に連なり外周面に凹凸が形成された複数の側面刃とを備えたラフィングボールエンドミルにおいて、側面刃及び先端刃に、少なくとも凸部の断面が工具本体の軸線方向に長軸が向けられた楕円形状(以下「横向き楕円形状」という。)をなす連続した凹凸が形成されているものである。
本発明装置では、側面刃及び先端刃に楕円形とすることで被切削部材側への突き出しを低減した前記凹凸を設けたことにより、側面刃及び先端刃に加わる切削抵抗を低減できる。これによって、切削時に工具本体のビビリをなくし、切削面の精度向上、切削速度増大等、切削性能を向上できると共に、先端刃のR部の欠損を低減できる。
本発明装置において、前記構成に加えて、端先刃の凹凸のピッチを0.8〜1.0mmとし、山谷の差を0.1〜0.15mmとすると共に、側面刃の凹凸のピッチを1.2〜1.5mmとし、山谷の差を0.3〜0.5mmとするとよい。
先端刃及び側面刃の凹凸を横向き楕円形状とするだけでなく、先端刃及び側面刃の凹凸を前記数値範囲のような細かい形状をすることで、これら切れ刃に対する切削抵抗をさらに低減できる。ここで、先端刃のR部には側面刃より高い抵抗が付加されるので、先端刃の凹凸のピッチ及び山谷の差を側面刃より小さくしている。
先端刃又は側面刃の凹凸の山谷の差及びピッチを前記上限値より増加させると、これらの切れ刃に対する被切削部材の抵抗が増加し、特に、溝加工等の場合に工具本体の突き出し量が増加すると、ビビリが発生して、切削性能が低下する。一方、先端刃又は側面刃の凹凸の山谷の差及びピッチが前記下限値より下回ると、凹凸を付設したことにより得られる本来の切削性能が低下する。
本発明装置において、前記構成に加えて、先端刃及び側面刃間に形成されるねじれ溝の工具本体の軸線に対するねじれ角を15〜30°とするとよい。このように、切り屑を排出するねじれ溝のねじれ角を従来より小さく設定することで、工具本体の芯厚(直交断面積)を確保し、剛性を向上させることができる。そのため、工具本体の突き出し量を長くしても、工具本体のビビリを抑制でき、切削性能(切削面の凹凸低減、切削速度増大等)を向上できる。
ねじれ溝のねじれ角が前記上限値を超えると、工具本体の剛性が低下し、ビビリが発生しやすくなる。また、ねじれ角αが前記下限値を下回ると、切れ刃に対する切削抵抗が増加し、ビビリが発生して、切削性能が低下し、かつ切り屑の排出性も悪くなる。
本発明装置において、刃先からホルダに至るまでの工具本体先端部をソリッドで構成し、該工具本体先端部をホルダに焼きばめで固定するとよい。これによって、工具本体の剛性を向上でき、さらに工具本体のビビリをなくし、切削性能を向上できる。
本発明装置において、複数の先端刃及び側面刃を工具本体軸線に対して周方向に非対称に形成するとよい。このように、複数の切れ刃を工具本体の周方向に非対称に配置し、各切れ刃の間隔をランダムに微妙に変えるようにするとよい。これによって、個々の切れ刃に加わる切削抵抗に起因した振動のタイミングを微妙にずらし、個々の切削刃で振動を互いに打ち消し合うようにすることができる。これによって、工具本体のビビリを抑制でき、切削性能を向上できる。
例えば、先端刃及び側面刃が4枚刃である場合、向かい合う2枚の切削刃の他の向かい合う2枚の切削刃に対する角度を工具本体の周方向で90°よりさらに2〜5°の偏向角をもたせて配置するとよい。これによって、互いに向かい合う2枚の切削刃を1組とした2組の切れ刃で互いに振動を打ち消し合い、工具本体のビビリを抑制できる。
偏向角が2°を下回ると、振動を打ち消す効果があまり得られず、偏向角が5°を上回ると、工具本体の先端部の基本的な構成変更となり、他の切削性能に影響を与える。そのため、偏向角を2〜5°の範囲とするのが望ましい。
本発明装置によれば、ボール形状をなす先端部に中心から半径方向に配置された複数の先端刃と、該先端刃に連なり外周面に凹凸が形成された複数の側面刃とを備えたラフィングボールエンドミルにおいて、先端刃及び側面刃に、少なくとも凸部の断面が横向き楕円形状をなす連続した凹凸が形成されているので、先端刃及び側面刃に加わる切削抵抗を低減できる。
これによって、工具本体のビビリをなくし、切削抵抗を低減できるので、凹凸を設けたことによる高い切削速度を維持しながら、切削面の切削性能(切削面の精度向上や切削速度の増大等)を向上できると共に、先端刃のR部の欠損を低減して、工具交換頻度を低減できる。
本発明の第1実施形態に係るラフィングボールエンドミルの正面図である。 前記ラフィングボールエンドミルの左側面図である。 (A)は前記ラフィングボールエンドミルの先端刃の凹凸の拡大図であり、(B)は同じく側面刃の凹凸の拡大図である。 前記ラフィングボールエンドミルの切れ刃の凹凸を示す説明図である。 本発明のエンドミルでタービンブレードを切削している所を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るラフィングボールエンドミルの左側面図である。 従来のラフィングボールエンドミルの正面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
本発明装置の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2において、本実施形態に係るラフィングボールエンドミル10は、円筒形状の工具本体12の根元部13が大径の円筒形状を有するホルダ14の軸方向中心に穿設された焼きばめ用穴14aに挿入され、焼きばめで固定されている。工具本体12の先端側において、先端部が半球状に形成され、先端中心Bから放射状に4枚の切れ刃が設けられている。該切れ刃は、先端のR部に設けられた切削刃16と、該切削刃16に連設され、工具本体12の外周面に形成された側面刃18とからなる。
先端刃16及び側面刃18は、先端中心Bを起点として、螺旋状にねじれ、これら切れ刃の間に、切り屑排出用のねじれ溝20が形成されている。図2に示すように、工具本体12は、矢印r方向に回転し、切れ刃16,18で被切削部材を切削し、切り屑はねじれ溝20を通って上方に排出される。先端刃16及び側面刃18には、夫々凹凸22及び24が工具本体12の軸線Aと交差する方向(軸線Aに対して略直交する方向)に連続的に設けられている。
図3により、凹凸22及び24の形状を説明する。図3の(A)は凹凸22の断面形状を示し、(B)は凹凸24の断面形状を示す。凹凸22及び24は、少なくとも夫々の凸部22a及び24aが、長軸が軸線Aの方向に向けられた横向き楕円形状をなす。夫々の凹部22b及び24bは、凸部のような楕円形状である必要はないが、凸部との接続部を滑らかにつなげるために、凸部と同様の横向き楕円形状とするか、あるいは曲率半径が比較的大きいR形状とするのが望ましい。
このような断面形状とすることで、本実施形態の凹凸22の山谷の差H及び凹凸24の山谷の差Hは、従来のラフィングエンドミルの凹凸の山谷の差より小さく形成されている。また、凹凸22のピッチP及び凹凸24のPも、従来のラフィングエンドミルより小さく形成されている。このように、凹凸22、24の山谷の差及びピッチを従来より小さくすることにより、凹凸22、24が被切削部材から受ける反力や抵抗を小さくすることができる。
具体的には、凹凸22の山谷の差Hを0.1〜0.15mmとし、ピッチPを0.1〜0.15mmとし、凹凸24の山谷の差Hを0.3〜0.5mmとし、ピッチPを1.2〜1.5mmとする。先端刃16は側面刃18と比べて、被切削部材から受ける反力や抵抗が大きいが、凹凸22の山谷の差H及びピッチPを凹凸24の山谷の差H及びピッチPより小さくすることにより、凹凸22が受ける反力や抵抗を軽減するようにしている。
また、本実施形態の凹凸22又は24は、夫々の切れ刃において1ピッチ内で凹凸の位置を軸線Aに少しずつずらして配置されている。これによって、被切削部材の切削面の凹凸を低減できると共に、個々の切れ刃に対する切削抵抗を低減できる。なお、この手段は従来公知である。
次に、図4に示すように、工具本体12の軸線Aに対するねじれ溝20のねじれ角αを15〜30°と、従来のラフィングボールエンドミルのねじれ角αを従来より小さく設定している。ねじれ角αが大きければ、切れ刃に対する被切削部材の抵抗を小さくでき、切削性を向上できると共に、切り屑の排出性が良くなるが、芯厚(直交断面積)が減少するので、工具本体12の剛性が低下する。一方、ねじれ角αが小さければ、この逆の現象が起こる。
本実施形態では、切れ刃の凹凸22、24の山谷の差及びピッチを小さくしてあるので、切れ刃に対する切削抵抗を小さくでき、そのため、従来のラフィングエンドミルよりねじれ角αを小さくしても、切削性が低下しない。しかも、切り屑は細かくなるので、ねじれ角αを小さくしても、切り屑の排出性は低下しない。また、ねじれ角αを小さくすることにより、工具本体12の芯厚を確保でき、剛性を向上できる。
先端刃の凹凸の山谷の差及びピッチを前記上限値より増加させるか、あるいは側面刃の凹凸の山谷の差及びピッチを前記上限値より増加させると、これらの切れ刃に対する被切削部材の抵抗が増加し、溝加工等の場合に工具本体12の突き出し量が増加すると、ビビリが発生し、切削性能が低下することがわかった。
一方、凹凸22又は24の山谷の差及びピッチが前記下限値より下回ると、本来凹凸を付与したことによる得られる切削性能がやや低下することがわかった。
また、本実施形態では、工具本体12の先端側から根元部側に向かう途中で、ねじれ角αを変更している。例えば、ねじれ角αを20°とし、先端Bから根元部側に向かう途中で、ねじれ角αを20°を中心に前後に(20°±2〜3°)だけ変更するようにしている。これによって、切削中、工具本体12に発生する振動の周波数を分散させ、ビビリを低減できる。かかる手段は、ビビリが発生しやすい溝加工に適用して好適である。
本実施形態によれば、切れ刃に設けられた凹凸22、24の断面形状を横向き楕円形状とすると共に、該凹凸の山谷の差及びピッチを従来より小さくしたことにより、切れ刃に負荷される切削抵抗を低減でき、切削性能を向上できると共に、切れ刃の欠損を低減でき、工具交換回数を低減できるので、切削効率を向上できる。特に、大きな抵抗が発生する先端刃16の凹凸の山谷の差やピッチを低減したので、先端刃16の欠損を低減できる。
また、前記構成に加えて、ねじれ角αを15〜30°とし、従来のラフィングボールエンドミルより小さくしたので、切れ刃に対する切削抵抗を増加させず、かつ切り屑の排出性を低下させることなく、工具本体12の芯厚を増加させて、剛性を向上できる。これによって、溝加工等の場合に、工具本体12の突き出し量が増加しても、ビビリが発生せず、切削面の凹凸を低減できる。
また、刃先からホルダに至るまでの工具本体先端部をソリッドで構成し、該工具本体先端部をホルダに焼きばめで固定するとよい。これによって、工具本体の剛性を向上でき、さらに工具本体のビビリをなくし、切削性能を向上できる。
また、工具本体12をソリッドで構成し、工具本体12の根元部13をホルダ14の中心に穿設された穴14aに焼きばめで固定したので、工具本体12の剛性を向上でき、これによって、工具本体12の切削時のビビリを抑制して、切削面の凹凸を低減でき、かつ切削送り速度を増大できる。
本発明者等は、先端刃16及び側面刃18の凹凸22、24の凸部22a、24a及び凹部22b、24bの断面を横向き楕円形状とし、かつ凹凸22の山谷の差Hを0.13mm、ピッチPを1.0mmとし、凹凸24の山谷の差Hを0.4mm、ピッチPを1.2mmとし、かつねじれ角αを20°とし、工具本体12をソリッドで構成し、ホルダ14に焼きばめ固定してラフィングボールエンドミルAを製作した。
このラフィングボールエンドミルAを用いて、タービンブレードを切削加工した。図5はこの切削加工時を示す。図5において、工具本体12を固定したホルダ14が図示省略の加工機に装着され、被切削部材であるタービンブレードTBは、固定治具30,30に固定されている。この状態で、工具本体12によってタービンブレードTBを切削し、タービンブレードTBの3次元曲面を形成している。
このラフィングボールエンドミルを用いたところ、切削中、工具本体12のビビリがなく、精度の良い荒仕上げ面を形成できた。また、切れ刃の欠損も発生しなかった。前述の粉末ハイスで形成されたラフィングボールエンドミルを使用すると、1個のタービンノズルを切削するのに2時間強要していたが、ラフィングボールエンドミルAを用いたら、40分強で切削を完了できた。
なお、先端刃16の凹凸22の山谷の差H及びピッチPを前記上限値より増加させるか、あるいは側面刃18の凹凸24の山谷の差H及びピッチPを前記上限値より増加させると、これらの切れ刃に対する切削抵抗が増加し、溝加工等の場合に工具本体12の突き出し量が増加すると、多少ビビリが発生することがわかった。
一方、凹凸22又は24の山谷の差及びピッチが前記下限値より下回ると、切削性能がやや低下することがわかった。
また、ねじれ溝20のねじれ角αが前記上限値を超えると、工具本体12の剛性が低下し、ややビビリが発生することがわかった。また、ねじれ角αが前記下限値を下回ると、切れ刃に対する抵抗が増加し、やや切削面が粗くなり、切削面の切削精度がやや低下することがわかった。
(実施形態2)
次に、本発明装置の第2実施形態を図6により説明する。図6において、4枚の先端刃16a〜dのうち、先端刃16a及び16cは、図2と同様に、横方向中心線C上に向いて配置されている。これに対し、先端刃16b及び16dは、中心Bを中心に縦方向中心線Cに対して夫々偏向角βだけ回転した位置に配置されている。偏向角βは2〜5°の範囲内(例えば4°)とする。その他の構成は、前記第1実施形態と同一である。
本実施形態によれば、4枚の先端刃16a〜dが工具本体12の周方向に等間隔で配置されていないので、夫々の切れ刃が被切削部材に当るときのタイミングを、各切れ刃間で異ならせることができる。切削中に発生する振動の周波数は、各切れ刃の切削タイミングによって決められる。本実施形態のように、各切れ刃間の切削間隔を変えることによって、発生する振動を打ち消すことができ、これによって、ビビリの増大を抑制し、切削性能を確保できる。
本発明者等の実験によれば、先端刃16b及び16dの縦方向中心線Cに対する角度βが2°より小さいと、振動抑制効果はほとんど発生せず、逆に角度βが5°より大きいと、工具本体12の先端部の基本的な構成変更となり、他の切削性能に影響を与える。そのため、角度βを2〜5°の範囲とするのが望ましいことがわかった。
本発明のラフィングボールエンドミルは、航空機や発電用のタービンに用いられるブレード、タービンノズルや、プラスチック成形用金型等に用いられる難切削性材料からなる部材に対しても、切れ刃に対する切削抵抗を少なくして、切れ刃のビビリや欠損を低減でき、切削性能を高く維持できる。
10 ラフィングボールエンドミル
12 工具本体
13 根元部
14 ホルダ
14a 焼きばめ用穴
16,16a〜d 先端刃
18 側面刃
20 ねじれ溝
22,24 凹凸
30 固定治具
A 軸線
B 先端中心
横方向中心線
縦方向中心線
TB タービンブレード(被切削部材)
r 回転方向
α ねじれ角
β 偏向角

Claims (6)

  1. ボール形状をなす先端部に中心から半径方向に配置された複数の先端刃と、該先端刃に連なり外周面に凹凸が形成された複数の側面刃とを備えたラフィングボールエンドミルにおいて、
    前記先端刃及び側面刃に、少なくとも凸部の断面が工具本体の軸線方向に長軸が向けられた楕円形をなす連続した凹凸が形成されていることを特徴とするラフィングボールエンドミル。
  2. 先端刃の凹凸のピッチを0.8〜1.0mmとし、山谷の差を0.1〜0.15mmとすると共に、側面刃の凹凸のピッチを1.2〜1.5mmとし、山谷の差を0.3〜0.5mmとしたことを特徴とする請求項1に記載のラフィングボールエンドミル。
  3. 先端刃及び側面刃間に形成されるねじれ溝の工具本体軸線に対するねじれ角を15〜30°としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のラフィングボールエンドミル。
  4. 刃先からホルダに至るまでの工具本体をソリッドで構成し、該工具本体先端部をシャンクに焼きばめで固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のラフィングボールエンドミル。
  5. 複数の先端刃及び側面刃を工具本体の軸線に対して周方向に非対称に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のラフィングボールエンドミル。
  6. 先端刃及び側面刃が4枚刃であり、向かい合う2枚の切削刃の他の向かい合う2枚の切削刃に対する角度を工具本体の周方向で90°よりさらに2〜5°の偏向角をもたせて配置したことを特徴とする請求項5に記載のラフィングボールエンドミル。
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