JP2008093713A - 金属管の拡管方法、それに用いる拡管冶具、及びそれに用いる潤滑油 - Google Patents

金属管の拡管方法、それに用いる拡管冶具、及びそれに用いる潤滑油 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の潤滑油により加工可能であると共に、加工後の残油量を少なくすることが可能な金属管の拡管方法、それに用いる拡管冶具、及びそれに用いる潤滑油を提供すること。
【解決手段】金属管1の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具2を強制的に挿入して外径を拡張させる金属管1の拡管方法である。拡管冶具2としては、本体部21と本体部21の外周表面20にダイヤモンドライクカーボン処理により形成された表面処理層を有し、表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなる拡管冶具2を用いる。金属管1と拡管冶具2との間を潤滑する潤滑油としては、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属管の拡管方法、それに用いる拡管冶具、及びそれに用いる潤滑油に関する。
冷蔵庫には、熱交換器として、空気側のフィン材と、冷媒側の金属管からなる冷媒配管とから構成されたクロスフィンチューブ熱交換器が一般的に用いられている。クロスフィンチューブは、所定のカラー部が形成されたフィン材を積層した後、上記の円筒状のカラー部内に金属管を挿入し、その後、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させ、金属管をフィン材に拡張固着することにより得ることができる。
上記金属管としては、銅合金よりなる銅管、あるいはアルミニウム合金よりなるアルミニウム管等がある。
近年、家電製品の小型化、高性能化の進展、一般家庭への普及により用いられる部品の高性能化、高信頼性および低コスト化が求められている。
そして、冷蔵庫の熱交換器に用いられる金属管においても、従来以上の高信頼性および低コスト化が要求されている。
信頼性向上のためには、金属管内の残留油を少なくする必要がある。また、低コスト化のためには加工時に使用される潤滑油量を低減させる必要がある。
そのため、従来は、拡管加工の際に、拡管冶具と金属管との摩擦を低減し、油量を少なくするために、高粘度な潤滑油を用いてきた。拡管加工に用いた潤滑油は工程内で気散除去されるが、一般的に粘度の高い潤滑油は揮発性に劣り、除去工程において十分に除去されず、管内に残留する可能性があり熱交換器の信頼性を低下させる可能性があった。また、コスト低減のために潤滑油量を減少させると拡管冶具と金属製冷媒管が焼付き、加工ができなくなる可能性があった。
また、このような問題は、上述した熱交換器用の金属管を拡管させる場合に限らず、種々の用途の金属管においても同様である。
また、従来より、金型等の表面を保護するハードコーティング層として利用されているダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜について、容器保持用マンドレルの外周面にダイヤモンドライクカーボンを被覆した技術(特許文献1)が報告されている。この技術は、滑性がよく、かつ耐磨耗性に優れる容器保持用マンドレルを与えるものである。また、表面にダイヤモンド上炭素被膜を有する樹脂成形金型(特許文献2)が報告されている。これは、樹脂の離型性を良好にするものである。また、下地処理層を介してダイヤモンドライクカーボン薄膜が形成された部材(特許文献3)が報告されている。これは、ダイヤモンドライクカーボン薄膜と基材との密着性が良い部材を提供するものである。
しかしながら、DLC処理を、金属の拡管加工に用いる拡管冶具への適用する例は知られていなかった。
特開平9−294954号公報 特開2005−342922号公報 特開平10−203896号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、少量の潤滑油により加工可能であると共に、加工後の残油量を少なくすることが可能な金属管の拡管方法、それに用いる拡管冶具、及びそれに用いる潤滑油を提供しようとするものである。
第1の発明は、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる金属管の拡管方法であって、
上記拡管冶具としては、本体部と該本体部の外周表面にダイヤモンドライクカーボン処理(以下、適宜、DLC処理という)により形成された表面処理層を有し、該表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなる拡管冶具を用い、
上記金属管と上記拡管冶具との間を潤滑する潤滑油としては、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いることを特徴とする金属管の拡管方法にある(請求項1)。
本発明の金属管の拡管方法は、用いる拡管冶具の表面処理状態と、潤滑油の粘度を調整することにより、少量の潤滑油により金属管の拡管加工が可能であり、かつ、加工後の残油量を少なくすることができる。
すなわち、上記拡管冶具として、本体部と該本体部の外周表面にDLC処理により形成された表面処理層を有するものを用いる。上記表面処理層は、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなる非晶質のいわゆるダイヤモンドライクカーボン被膜である。そのため、上記拡管冶具は、上記表面処理層によって固体潤滑性が付与されたものとなり、拡管の際に金属管と拡管冶具との摩擦を低減することが可能となる。
そして、そのため、従来よりも低粘度の潤滑油の適用を可能とすることができる。
そして、本発明では、上記潤滑油として、粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いる。この潤滑油は低粘度であり、優れた揮発性を有する。
そのため、金属管の拡管の際に、上記拡管冶具と上記潤滑油を組み合わせて用いることにより、潤滑油の使用量を少ない量とすることができるため、加工後の潤滑油の残油量を低減することができる。
また、上記拡管冶具に設ける表面処理層は、加工時における発生金属粉が表面に凝着することを抑制すること(耐凝着性)にも優れており、より一層の摩擦の低減と耐摩耗性の向上をも図ることができる。
これにより、本発明によれば、少量の潤滑油により金属管の拡管加工が可能であり、かつ、加工後の残油量を少なくすることが可能である。
第2の発明は、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際に用いる拡管冶具であって、
本体部と該本体部の外周表面にダイヤモンドライクカーボン処理により形成された表面処理層を有し、該表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなることを特徴とする拡管冶具にある(請求項13)。
本発明の拡管冶具は、表面にDLC処理を施し、上述の化合物よりなる非晶質のいわゆるダイヤモンドライクカーボン被膜である表面処理層を形成することにより、固体潤滑性が付与されたこととなる。
そのため、上記拡管冶具を用いて、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際には、金属管と拡管冶具との摩擦を低減することが可能となる。
また、上記拡管冶具の形状としては、例えば、金属管の拡管に実際に寄与する略球状の本体部と、拡管冶具を金属管内に侵入させるために本体部から延設された上記本体部よりも小径の軸部とを有する形状が考えられる。
そして、そのため、金属管の拡管に用いる潤滑油は、従来よりも低粘度の潤滑油の適用を可能とすることができる。
そして、金属管の拡管の際に、上記拡管冶具と潤滑油とを組み合わせて用いることにより、潤滑油の使用量を少ない使用量とすることができるため、加工後の潤滑油の残油量を低減することができる。
第3の発明は、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際に、上記金属管と上記拡管冶具との間の潤滑のために用いる潤滑油であって、
動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)であることを特徴とする潤滑油にある(請求項20)。
本発明の潤滑油は、上述したように、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)の低粘度であり、揮発性の高い潤滑油である。この潤滑油を用いて、金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際には、加工後の潤滑油の除去率を向上することができる。
第1の発明の金属管の拡管方法は、上述したように、上記拡管冶具としては、本体部と該本体部の外周表面にDLC処理により形成された表面処理層を有し、該表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなる非晶質のいわゆるダイヤモンドライクカーボン被膜である拡管冶具を用いる。
また、上記拡管冶具の本体部の材質としては、例えば、タングステンカーバイド、SKD11(工具鋼)等を用いることができる。
また、DLC処理としては、大別して化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition、以下CVD法という)と物理蒸着法(Physical Vapor Deposition、以下PVD法という)の2種類が存在する。
上記CVD法によってDLC処理を行う場合には、対象物への処理層の付き回り性に優れ、緻密で密着力の高い表面処理層を得ることができる。
また、上記PVD法としては、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。PVD法によってDLC処理を行う場合には、原料に固体炭素等を用いることが可能であり、また、炭化水素原料を用いることができるので、表面処理層に含有される水素量が5〜15%程度となり、硬質な表面処理層を得ることができる。そのため、耐摩耗性を要求される工具類には適していると考えられる。
特に、ベンゼン等の炭化水素ガスを原料として用いるイオン化蒸着法で形成した表面処理層は、より一層処理表面が平滑であり、アルミニウムなどの軟質金属との耐凝着性が更に高く、固体潤滑性が良好で、硬質な処理層が得られ、高い耐摩耗性を有することができる。
また、上記拡管方法は、金属管と上記拡管冶具との間を潤滑する潤滑油としては、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いる。
上記潤滑油の動粘度が0.5cSt未満の場合には、潤滑性が不足するという問題があり、一方、上記潤滑油の動粘度が11cStを超える場合には、動粘度が増加し取り扱いが困難になるという問題や、拡管加工後の残油が増加するという問題がある。
第1の発明及び第2の発明について、ダイヤモンドライクカーボン処理は、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法のいずれかの物理蒸着法によるものであることが好ましい(請求項2、14)。
上述したごとく、DLC処理は、PVD法とCVD法のいずれによっても行うことができるが、特にPVD法による場合には、CVD法による場合よりも、拡管冶具の表面処理層に、より優れた耐摩耗性を付与することができる。
また、上記拡管冶具は、上記表面処理層の下層に、チタン、クロム、シリコン、タングステンのうち1種または2種以上、あるいは、これらの金属と炭素との化合物からなる下地処理層を有することが好ましい(請求項3、15)。
この場合には、拡管冶具とDLC処理による表面処理層との密着性を向上することができ、固体潤滑性の良好な耐磨耗性の高い拡管冶具を得ることができる。
上記下地処理は、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等の物理蒸着法や、化学蒸着法等により形成することができる。
また、上記表面処理層と上記下地処理層との間には、両者が互いに拡散した拡散部を有することが好ましい(請求項4、16)。
この場合には、下地処理層と表面処理層との密着性を向上することができる。
また、上記表面処理層は、厚さ0.1〜5μmであり、上記下地処理層は、厚さ1〜50nmであることが好ましい(請求項5、17)。
この場合には、固体潤滑性の良好な耐磨耗性の高く、金属管の拡管加工には非常に適した拡管冶具を得ることができる。
上記表面処理層の厚さが1μm未満の場合には、表面処理層が薄く、加工を繰り返すことにより摩耗し、潤滑性が得られないおそれがあり、一方、上記表面処理層の厚さが5μmを超える場合には、表面処理層内の内部圧力の上昇により、表面処理層が脆くなり、剥離し、潤滑性が得られないおそれがある。
また、上記下地処理層の厚さが1nm未満の場合には、表面処理層との密着性が劣るおそれがあり、一方、上記下地処理層の厚さが50nmを超える場合には、処理時間の増加を招き、コストが増大するおそれがある。
また、上記表面処理層は、表面粗さがRaで0.001〜0.4μmであることが好ましい(請求項6、18)。
この場合には、量産性に優れ、かつ、良好な潤滑性を得ることができる。
上記表面粗さがRaで0.001μm未満である場合には、工業的に得られる面粗度以下であり、量産に適さないおそれがあり、一方、上記0.4μmを超える場合には、表面形状による摩擦抵抗が発生し、潤滑性を損なうおそれがある。
また、第1の発明及び第3の発明について、上記潤滑油は、油性剤として、高級アルコール、合成エステル、脂肪酸、油脂の1種あるいは2種以上を1〜30%(重量%、以下同様)含有し、
極圧剤として、硫黄系化合物、リン系化合物の1種あるいは2種以上を1〜10%含有し、
残部に、基油として、鉱油系炭化水素、あるいは全炭素数10〜18からなるα−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンの1種又は2種以上を含有することが好ましい(請求項7、21)。
上述したように、上記潤滑油は、油性剤として、高級アルコール、合成エステル、脂肪酸、油脂の1種あるいは2種以上を1〜30%(重量%、以下同様)含有することが好ましい。
この場合には、優れた潤滑性を発揮することができる。
上記油性剤の含有量が1%未満の場合には、油性効果が乏しく、摩擦面の金属表面にムシレが発生し、冷却効率を低下させたり、拡管工具に金属粉が凝着し、工具寿命を低下させるおそれがあり、一方、上記油性剤の含有量が30%を超える場合には、残油が多くなり、次工程の気散除去が困難となり、金属管の信頼性を損なうおそれがある。また、潤滑性もほぼ一定となり、コストアップに繋がる。また、上記油性剤は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
脂肪酸はアルキル基の全炭素数が11〜17となる高級脂肪酸であることが好ましい。
具体的には、例えば、直鎖飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等が挙げられる。
上記直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、デミスリチン酸、ペンタデカン酸、パルチミン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。また、上記不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノル酸、リノレン酸、リシノール酸等が挙げられる。
また、工業的に望ましい脂肪酸としては、潤滑性、作業性、長期安定性およびコストの面を考慮して、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等が挙げられる。
また、上記脂肪酸の全炭素数が10以下の場合には、境界潤滑性が乏しくなるおそれがあり、一方、上記脂肪酸の全炭素数が18以上の場合には、冬季固まり易く、取り扱いが困難になるおそれがある。
また、上記合成エステルとしては、例えば、ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンエステル及びペンタエリストールエステル、脂肪酸エステル等が挙げられる。
なお、これらの合成エステルを構成する脂肪酸は直鎖のものであっても、分枝を有するものであってもよい。また、合成エステルはフルエステルあるいは部分エステルのどちらでもよい。
また、上記合成エステルは、単独で用いても良いし、混合で用いても良い。
また、上記のネオペンチルグリコールエステルとしては、具体的には、例えばネオペンチルグリコールカプリン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールカプリン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールエステル、ネオペンチルグリコールリノレン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールリノレン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールステアリン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールステアリン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールオレイン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールオレイン酸ジエステルネオペンチルグリコールエステル、ネオペンチルグリコールイソステアリン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールイソステアリン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールやし油脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコールやし油脂肪酸ジエステル、ネオペンチルグリコール牛脂脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコール牛脂脂肪酸ジエステル、ネオペンチルグリコールパーム油脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコールパーム油脂肪酸ジエステルネオペンチルグリコールエステル、ネオペンチルグリコール2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸2モルの複合エステル等がある。
これらのうちで、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルであることが好ましい。
また、上記トリメチロールプロパンエステルとしては、例えばトリメチロールプロパンカプリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンカプリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンカプリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸モノエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸ジエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸トリエステル、トリメチロールプロパンステアリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンステアリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸モノエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸ジエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸トリエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸トリエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸トリエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸トリエステル、トリメチロールプロパン2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸4モルの複合エステル等が挙げられる。
これらのうちで、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルであることが好ましい。
また、上記ペンタエリスリトールとしては、例えば、ペンタエリスリトールカプリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸モノエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸ジエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸トリエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸ジエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸トリエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸テトラエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸テトラエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸テトラエステル、トリメチロールプロパン2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸6モルの複合エステル等がある。
これらのうちで、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルであることが好ましい。
また、上記脂肪酸エステルとしては,例えば,カプリル酸メチル,カプリル酸エチル,カプリル酸プロピル,カプリル酸ブチル,ペラルゴン酸メチル,ペラルゴン酸エチル,ペラルゴン酸プロピル,ペラルゴン酸ブチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,カプリン酸プロピル,カプリン酸ブチル,ラウリン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ラウリン酸ブチル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリスチン酸プロピル,ミリスチン酸ブチル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エチル,パルミチン酸プロピル,パルミチン酸ブチル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,ステアリン酸ブチル,オレイン酸メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,オレイン酸ブチル等が挙げられる。
また、上記合成エステルは、その炭素数が12〜18であることが好ましい。
上記合成エステルの炭素数が11以下の場合には、潤滑性が低下するおそれがある。一方、上記合成エステルの炭素数が19以上の場合には、冬季等にはさらに粘度が上昇し、場合によっては固化してしまうおそれがあるため混合時に加温して溶解させる必要が生じるおそれがある。
また、上記油脂としては、例えば大豆油、なたね油、パーム油、やし油、豚脂、及び牛脂等がある。これらの中でも、操業性の観点から、パーム油、やし油が好ましい。
また、上記天然油脂としては、パーム油、牛脂及び豚脂から選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
また、上記潤滑油は、上述したように、極圧剤として、硫黄系化合物、リン系化合物の1種あるいは2種以上を1〜10%含有することが好ましい。
この場合には、優れた潤滑性を発揮することができる。
また、上記極圧剤の含有量が1%未満の場合には、過酷な摩擦状態により加工度の高い拡管加工では焼きつきが発生するおそれがあり、一方、上記極圧剤の含有量が10%を超える場合には、潤滑性の向上は望めずコストアップとなるおそれがある。
上記極圧剤としては、具体的には、例えば、硫化エステル、硫化ラード、硫化エステル、等の硫黄化合物、燐酸エステルまたはこれらのチオ化合物、炭素数1〜8のアルキル基、アルキルアリル基またはアルリ基を有するホスホン酸、アルキルフォスフォン酸エステル、リン酸トリトリル(トリクレジルフォスフェート)等が挙げられる。
また、上記潤滑油は、上述したように、残部に、基油として、鉱油系炭化水素、あるいは全炭素数10〜18からなるα−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンの1種又は2種以上を含有することが好ましい。
この場合には、各種添加剤を拡管加工部に導入させ、かつ、加工後に容易に気散除去が可能な潤滑油を得ることができる。
上記鉱油系炭化水素としては、例えばパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等を用いることができる。また、上記鉱油系炭化水素としては、アロマ成分を含有する鉱油を用いることもできる。この場合には、環境汚染の防止という観点からアロマ成分の含有量が2重量%以下の鉱油を用いることが好ましい。
上記α−オレフィンは、分子の末端に二重結合を有し、上記金属の表面に化学吸着しやすいため、油性剤としての機能を有している。α−オレフィンの炭素数が9以下の場合には、上記潤滑油の臭いがきつくなり、作業環境を悪化させるおそれがある。また、この場合には、潤滑性が低下するおそれがある。一方、上記α−オレフィンの炭素数が19以上の場合には、冬季や寒冷地等において固まり易くなり、取り扱いが困難になるおそれがある。また、この場合には、残油量が増加するおそれがある。
また、上記ポリブテンとしては、未水素添加のポリブテンや、二重結合の少なくとも一部が水素添加されたポリブテンを用いることができる。また、ポリブテンの中でもポリイソブチレンは、比較的高圧粘度が高いため、拡管冶具と金属管との間への導入油量が多くなり易く、低粘度の基油には有利である。
また、粘度には規定はないが、取り扱い上、粘度が11cSt以下であることが好ましい。また、現在工業的に市販されているポリイソブチレンの粘度は5cSt以上であることから、望ましい粘度は5〜11cStとされる。
また、上記高級アルコールは、炭素数12〜18のアルキル基を有することが好ましい(請求項8、22)。
上記高級アルコールとしては、具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチンアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。また、境界潤滑性、環境、取り扱い、価格等の観点から、ラウリルアルコールあるいはオレイルアルコールが好ましい。
上記高級アルコールは、単独で用いてもよいし、混合で用いても良い。
また、上記アルキル基の炭素数が11以下の場合には、臭いがきつくなり作業環境を悪化させるほか、境界潤滑性に乏しく、拡管時に焼きつきが発生し摩擦面が悪化するおそれがあり、一方、上記アルキル基の炭素数が19以上の場合には、冬季に固まり易くなり、取り扱いが困難となるおそれがある。
また、上記合成エステルは、下記の一般式(1)で示される脂肪酸エステルであることが好ましい(請求項9、23)。
Figure 2008093713
(但し、R1は、炭素数11〜17の炭化水素基であり、nは1〜4である。)
また、上記炭化水素基R1としては、例えば、アルキル基やアルケニル基等が挙げられる。上記炭化水素基R1としては、アルキル基であることが好ましい。
上記R1の炭素数が10以下である場合には、潤滑性不良、金属粉凝着の増加、および臭気がきつく作業環境を悪化させるおそれがあり、一方、上記R1の炭素数が18以上の場合には、乾燥性が悪化(乾燥しにくい)し、かつ融点が高くなり常温で固化しやすくなることにより作業性が悪化するおそれがある。潤滑性、金属粉凝着性、臭気、乾燥性、作業性の観点から、炭化水素基R1の炭素数の範囲は11〜17であることが好ましい。
また、上記R2は炭素数1〜12の炭化水素基であることが好ましい。
上記R2としては、例えば、アルキル基やアルケニル基等が挙げられる。上記炭化水素基R2としては、アルキル基であることが好ましい。
上記R2の炭素数が13以上の場合には、乾燥性が悪化し,かつ融点が高くなり常温で固化しやすくなるために加熱設備の追加が必要となり作業性が悪化するおそれがある。乾燥性、作業性の観点から、炭化水素基R2の炭素数の範囲は1〜12であることが好ましい。
また、上記脂肪酸エステルの具体例としては、上述した通りである。
また、上記潤滑油は、更に、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン及びそれらのアルキレンオキシド付加物から選ばれる1種以上のアミン誘導体を0.01〜2.0%含有することが好ましい(請求項10、24)。
この場合には、金属の塑性加工の際に発生する磨耗粉の発生や、磨耗粉の拡管冶具への凝着を抑制し、摩擦面が荒れる等の不具合を防ぐという効果を得ることができる。
また、上記アミン誘導体の含有量が0.01%未満の場合には、拡管冶具表面に金属磨耗粉が凝着し易くなるおそれがあり、一方、上アミン誘導体の含有量が2.0%を超える場合には、効果が持続するか、混合されている油性剤あるいは極圧剤の効果を損ない結果として潤滑性を悪化させるおそれがある。
上記アミン誘導体は、上述したように、脂肪族アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、及びそれらのアルキレンオキシド付加物から選ばれる1種以上からなる。また、これらのアミン誘導体は、ヒドロキシル基、エーテル基等を含むことができる。
付加されるアルキレンオキシドの重合形態としては、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等がある。
アルキレンオキシド付加物においては、付加されるアルキレンオキシドのモル数は、アミン類1モルに対して1〜6モルであることが好ましい。6モルを超える場合には、基油への溶解性が低下するおそれがある。
上記アミン誘導体の具体例としては、例えば次のようなものがある。
即ち、脂肪族アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、カプリルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ブチルオクチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等がある。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−イソプロピルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルイソプロパノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジn−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、N−メチルn−プロパノールアミン、N,N−ジメチルn−プロパノールアミン、N−エチルn−プロパノールアミン、N,N−ジエチルn−プロパノールアミン、N−イソプロピルn−プロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルn−プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N−イソプロピルブタノールアミン、N,N−ジイソプロピルブタノールアミン等がある。
脂肪族ポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンジアミン、硬化牛脂プロピレンジアミン等がある。
芳香族アミンとしては、例えばアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン等がある。
脂環式アミンとしては、例えばN−シクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等がある。
複素環アミンとしては、例えばピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ピペコリン、2,6−ピペコリン、3,5−ルペチジン、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−アセチルホモピペラジン、1−(クロロフェニル)ピペラジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジン等がある。
また、上記アミン誘導体は、油に対する溶解性の面から分岐鎖を有する炭素数4以上の炭化水素基を有していることが好ましい。また、上記アミン誘導体の全炭素数が20を超える場合には、残油量が増えるおそれがある。
また、上記潤滑油は、更に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム又は、分子内に四級炭素を1つ以上含有する含酸素化合物の少なくとも1種を0.1〜5.0%含有することが好ましい(請求項11、25)。
この場合には、金属の塑性加工の際に発生する磨耗粉の発生や、磨耗粉の拡管冶具への凝着を抑制し、摩擦面が荒れる等の不具合を防ぐという効果を得ることができる。
上記含酸素化合物の含有量が0.1%未満の場合には、拡管冶具への凝着量が増加し好ましくない。一方、上記含酸素化合物の含有量が5.0%を越える場合には、潤滑性に悪影響を及ぼす可能性があり、また基油揮発後の残留分が多くなり品質を悪化させるおそれがある。
上記含酸素化合物としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、分子内に四級炭素を一つ以上有する多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、またはそのハイドロカルビルエーテルを用いることが好ましい。また、これらの中から選ばれる1種の含酸素化合物を単独で用いても良いし、異なる構造を有する2種以上の含酸素化合物の混合物を用いても良い。
また、分子内に四級炭素を一つ以上有している多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールは、水酸基を2〜6個有することが好ましい。
上記多価アルコールとしては、具体的には例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。
分子内に四級炭素を一つ以上有している多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜6、好ましくは2〜4のものが用いられる。
上記炭素数2〜6のアルキレンオキサイドとしては、具体的に、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン(α−ブチレンオキサイド)、2,3−エポキシブタン(β−ブチレンオキサイド)、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシヘプタンおよび1,2−エポキシヘキサン等が挙げられる。
なお、アルキレンオキシド等の重合形態は特に限定されず、1種類のアルキレンオキシド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキシド等のランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合等であってよい。また、水酸基を2〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際は、全ての水酸基に付加させてもよいし、一部の水酸基のみに付加させてもよい。
また、分子内に四級炭素を一つ以上有している多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の一部または全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものが使用できる。
ここで言うハイドロカルビル基とは、炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
炭素数1〜24の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜12のアリールアルキル基等が挙げられる。
上記炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝のペンチル基、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖または分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基、直鎖または分枝のノニル基、直鎖または分枝のデシル基、直鎖または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデシル基、直鎖または分枝のトリデシル基、直鎖または分枝のテトラデシル基、直鎖または分枝のペンタデシル基、直鎖または分枝のヘキサデシル基、直鎖または分枝のヘプタデシル基、直鎖または分枝のオクタデシル基、直鎖または分枝のノナデシル基、直鎖または分枝のイコシル基、直鎖または分枝のヘンイコシル基、直鎖または分枝のドコシル基、直鎖または分枝のトリコシル基、直鎖または分枝のテトラコシル基等が挙げられる。
また、上記炭素数2〜24のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、直鎖または分岐のプロペニル基、直鎖または分枝のブテニル基、直鎖または分枝のペンテニル基、直鎖または分枝のヘキセニル基、直鎖または分枝のヘプテニル基、直鎖または分枝のオクテニル基、直鎖または分枝のノネニル基、直鎖または分枝のデセニル基、直鎖または分枝のウンデセニル基、直鎖または分枝のドデセニル基、直鎖または分枝のトリデセニル基、直鎖または分枝のテトラデセニル基、直鎖または分枝のペンタデセニル基、直鎖または分枝のヘキサデセニル基、直鎖または分枝のヘプタデセニル基、直鎖または分枝のオクタデセニル基、直鎖または分枝のノナデセニル基、直鎖または分枝のイコセニル基、直鎖または分枝のヘンイコセニル基、直鎖または分枝のドコセニル基、直鎖または分枝のトリコセニル基、直鎖または分枝のテトラコセニル基等が挙げられる。
また、上記炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
また、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)等が挙げられる。
また、上記炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、上記炭素数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)等が挙げられる。
また、炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、例えば、上記ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブチル基(ブチル基の異性体を含む)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体を含む)、フェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体を含む)等が挙げられる。
また、上記潤滑油は、更に、芳香族炭化水素を1〜10%含有することが好ましい。
この場合には、成形性をさらに向上させるという効果を得ることができる。
上記芳香族炭化水素の含有量が1%未満である場合には、効果が現れず、一方、上記芳香族炭化水素の含有量が10%を超える場合には、残油量が増加するおそれや、臭気が発生するおそれがある。
なお、上記潤滑油は、上記優れた効果を安定的に操業するために必要に応じて、更に、酸化防止剤、さび止め剤、腐食防止剤、消泡剤等を添加してもよく、2種以上添加してもよい。
上記酸化防止剤としては、フェニル−α―ナフチルアミン等の芳香族アミン、ソルビタンモノオレートなどの多価アルコールの部分エステル、リン酸エステルおよびその誘導体、フェノール系化合物等が挙げられる。腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、消泡材としては、シリコン系のものが挙げられる。
また、第1〜第3の発明は、プレート状のフィン材に設けた貫通穴にアルミニウム管よりなる冷媒配管を配置し、上記アルミニウム管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させ、上記貫通穴の内壁と上記アルミニウム管とを嵌合させる際に用いることが好ましい(請求項12、19、26)。
この場合には、例えば、図2に示すように、アルミニウム管1とフィン材3とを嵌合して、熱交換器4を作製することができる。また、得られる熱交換器4のアルミニウム管1は、少ない潤滑油量で拡管することができると共に、拡管加工後にアルミニウム管1内の残留油を少なくすることができる、且つ、低コストで加工することができる。これにより、更に、近年の、熱交換器4の高信頼性、低コストの要求に応えることができる。
また、上記アルミニウム管としては、例えば、JIS H 4080に規定されるA1070、A1050、A1100、A1200、A3003、A3203、A5052、A5056、A5083、A6061、及びA6063等のアルミニウムおよびアルミニウム合金管を用いることができる。
なお、上記第1〜第3の発明は、上述した熱交換器用のアルミニウム管に限らず、金属管の継手部のアルミニウム管、その他のアルミニウム管、熱交換器用の銅管、金属管の継手部の銅管、あるいは、その他の銅管の拡管に適用できる。
また、金属管は、内面に直線状、螺旋状等、種々の凹凸を形成していてもよい。この場合の金属管の内径は、凸部に内接する円の直径となる。
(実施例1)
本例は、本発明にかかる実施例及び比較例について、図1を用いて説明する。
本例では、図1に示すごとく、金属管(アルミニウム管)1の内側に内径Dより大きい外径dを有する拡管冶具2を強制的に挿入して外径を拡張させるアルミニウム管1の拡管を行った。また、アルミニウム管と拡管冶具との間は、潤滑油を用いて潤滑した。
上記アルミニウム管1としては、JIS H 4080に規定される外径8mm、内径6.8mm、長さ500mmのA1050を準備した。
また、拡管冶具2として、超硬合金で作製した外径7.2mmの拡管冶具の外周表面20に、表1に示す表面処理を施したものを準備した。拡管冶具2は、金属管1の拡管に実際に寄与する略球状の本体部21と、拡管冶具2を金属管1内に侵入させるために本体部21から延設された上記本体部21よりも小径の軸部22とを有する。
Figure 2008093713
表1の表面処理A1〜表面処理A6の下地処理層は、イオン化蒸着法を用いて形成した。
具体的には、A1〜A6の下地処理層は全て金属クロム層からなる。
表1の表面処理A1〜表面処理A5の表面処理層は、イオン化蒸着法を適用したDLC処理により、出発原料としてベンゼンを用いて形成した。これらにより作製された拡管冶具は、本体部と該本体部の外周表面20にDLC処理により形成された表面処理層を有し、該表面処理層は、非晶質のいわゆるダイヤモンドライクカーボン被膜である。
より具体的には、A1〜A5の表面処理層は、炭素と水素との非晶質物からなり、表面処理層と下地処理層との間に、表面処理層に下地処理の成分である金属クロムが拡散した拡散部を有する。なお、この拡散部は、下地処理の種類によって変更可能であり、例えば、成分であるクロムに変えて、窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、シリコン等を拡散させたものとすることもできる。
表1の表面処理A6の表面処理層は、プラズマCVD法により出発原料としてCH4を用いて形成した。これにより得られる表面処理層は、炭素と水素の非晶物質からなる。また、出発原料のCH4は、C26に変更することができる。また、表面処理層と下地処理層との間に、表面処理層に下地処理の成分である金属クロムが拡散した拡散部を有する。
また、比較のために、表面処理A7は未処理とした。すなわち、本体部の外周表面20に、超硬合金が露出した状態とした。
次に、本発明の実施例(試料E1〜試料E17)および比較例(試料C1〜試料C13)として、表2及び表3に示すように、上述の表1に示した表面処理を施した拡管冶具と、組成の異なる複数種類の潤滑油を組合せて用いて、アルミニウムの拡管を行った。
Figure 2008093713
Figure 2008093713
基油としては、以下に示すB1〜B2のいずれか1種以上を用いた。
油性剤としては、以下に示すC1〜C6のいずれか1種以上を用いた。
極圧剤としては、以下に示すD1あるいはD2を用いた。
潤滑性向上剤としては、テトラデセン−1を用い、芳香族炭化水素としては、温度40℃における動粘度が3.8mm2/sのエチルベンゼンを用いた。
表2及び表3の記号を説明する。
B1:平均分子量が300のポリイソブチレン、
B2:温度40℃における動粘度が0.4mm2/sの鉱油系炭化水素、
B3:温度40℃における動粘度が1.1mm2/sの鉱物油、
C1:ラウリルアルコール、
C2:ステアリン酸ブチル、
C3:オレイン酸、
C4:トリメチロールプロパン、
C5:ペンタエリスリトールオレイン酸テトラエステル、
C6:パーム油、
D1:リン酸トリトリル、
D2:ドデシルフォスフォン酸ジメチルエステル。
表2より知られるごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E17は、本体部と該本体部の外周表面にDLC処理により形成された表面処理層を有する拡管冶具を用い、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いている。
具体的には、アルミニウム管の拡管加工は、潤滑油をアルミニウム管に10ml注入し、その後、拡管冶具を装入し、荷重20kgの力で拡管加工を行った。
その後、各試料について、潤滑性について評価を行った。
<潤滑性>
拡管されたアルミニウム冷媒管の長さの変化を測定し、潤滑性を評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。結果を表4及び表5に示す。
(評価基準)
○:長さの変化が5mm未満の場合。
×:長さの変化が5mm以上の場合。
次に、100mm平方のアルミニウム板上に、各試料(試料E1〜試料E17、試料C1〜試料C13)の潤滑油を0.5gを滴下し、均一に塗布する。塗布した後に各試験片をデシケーター内に8時間保管し、残油量について評価を行った。
<残油量>
保管後の残油分を初期の塗布量で除した割合を算出することにより、残油量を評価した。評価が○の場合を合格、評価が△及び×の場合を不合格とする。結果を表4及び表5に示す。
(評価基準)
○:残油量が10%未満の場合。
△:残油量が10%以上20%未満の場合
×:残油量が20%以上の場合。
次に、潤滑油をアルミニウム管に10ml注入し、その後、拡管冶具を装入し、荷重20kgの力で拡管加工を行った。同一の拡管冶具を用いて、上述の拡管加工を1000回繰り返し、拡管冶具の耐摩耗性を評価した。
<耐摩耗性>
拡管加工を1000回繰り返した後の、拡管冶具の表面の摩耗状態を観察し、耐摩耗性を評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。結果を表4及び表5に示す。
(評価基準)
○:摩耗が確認されないもの。
×:磨耗が確認されたもの。
<総合評価>
潤滑性、残油量、耐摩耗性の全ての項目において合格である場合に評価を◎とし、潤滑性及び残油量が合格であり、耐摩耗性のみが不合格である場合に評価を○とし、潤滑性、残油量のいずれか一つでも不合格である場合に評価を×とする。評価が◎及び○の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とする。結果を表4及び表5に示す。
Figure 2008093713
Figure 2008093713
表4より知られるごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E14は、潤滑性、残油量、耐摩耗性、総合評価のいずれの項目においても、良好な結果を示した。
また、本発明の実施例としての試料E15は、表面処理層の厚みが本発明の好ましい範囲の下限を下回るため、DLC処理層が薄く所定回数の試験実施後、摩耗が確認され、耐摩耗性が不合格であった。
また、本発明の実施例としての試料E16は、表面処理層の厚みが本発明の好ましい範囲の上限を上回るため、表面処理層内の内部応力の上昇により、表面処理層が脆くなり所定回数の試験後、剥離が確認され、耐摩耗性が不合格であった。
また、本発明の実施例としての試料E17は、拡管冶具の表面処理をDLC処理ではないプラズマCVD法で行ったため、耐摩耗性が不合格であった。
これより、ダイヤモンドライクカーボン処理として、物理蒸着法を行うことがより好ましいことが分かる。
また、表5より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1〜試料C11は、拡管冶具の表面が未処理であるため、潤滑性が不足し、不合格となった。
また、本発明の比較例としての試料C12は、潤滑油の動粘度が本発明の下限を下回るため、潤滑性が不足し、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C13は、潤滑油の動粘度が本発明の上限を上回るため、残油量が多くなり、不合格であった。
実施例1における、拡管加工を示す説明図。 熱交換器の構成の一例を示す説明図。
符号の説明
1 金属管
2 拡管冶具
20 外周表面
21 本体部

Claims (26)

  1. 金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる金属管の拡管方法であって、
    上記拡管冶具としては、本体部と該本体部の外周表面にダイヤモンドライクカーボン処理により形成された表面処理層を有し、該表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなる拡管冶具を用い、
    上記金属管と上記拡管冶具との間を潤滑する潤滑油としては、動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)である潤滑油を用いることを特徴とする金属管の拡管方法。
  2. 請求項1において、上記ダイヤモンドライクカーボン処理は、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法のいずれかの物理蒸着法によるものであることを特徴とする金属管の拡管方法。
  3. 請求項1又は2において、上記拡管冶具は、上記表面処理層の下層に、チタン、クロム、シリコン、タングステンのうち1種または2種以上、あるいは、これらの金属と炭素との化合物からなる下地処理層を有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  4. 請求項3において、上記表面処理層と上記下地処理層との間には、両者が互いに拡散した拡散部を有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  5. 請求項3又は4において、上記表面処理層は、厚さ1〜5μmであり、上記下地処理層は、厚さ1〜50nmであることを特徴とする金属管の拡管方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記表面処理層は、表面粗さがRaで0.001〜0.4μmであることを特徴とする金属管の拡管方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記潤滑油は、油性剤として、高級アルコール、合成エステル、脂肪酸、油脂の1種あるいは2種以上を1〜30%(重量%、以下同様)含有し、
    極圧剤として、硫黄系化合物、リン系化合物の1種あるいは2種以上を1〜10%含有し、
    残部に、基油として、鉱油系炭化水素、あるいは全炭素数10〜18からなるα−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンの1種又は2種以上を含有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  8. 請求項7において、上記高級アルコールは、炭素数12〜18のアルキル基を有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  9. 請求項7又は8において、上記合成エステルは、下記の一般式(1)で示される脂肪酸エステルであることを特徴とする金属管の拡管方法。
    Figure 2008093713
    (但し、R1は、炭素数11〜17の炭化水素基であり、nは1〜4である。)
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、上記潤滑油は、更に、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン及びそれらのアルキレンオキシド付加物から選ばれる1種以上のアミン誘導体を0.01〜2.0%含有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項において、上記潤滑油は、更に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム又は、分子内に四級炭素を1つ以上含有する含酸素化合物の少なくとも1種を0.1〜5.0%含有することを特徴とする金属管の拡管方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、上記金属管の拡管方法は、プレート状のフィン材に設けた貫通穴にアルミニウム管よりなる冷媒配管を配置し、上記アルミニウム管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させ、上記貫通穴の内壁と上記アルミニウム管とを嵌合させる際に用いることを特徴とする金属管の拡管方法。
  13. 金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際に用いる拡管冶具であって、
    本体部と該本体部の外周表面にダイヤモンドライクカーボン処理により形成された表面処理層を有し、該表面処理層が、炭素単体、あるいは、炭素と水素の化合物、あるいは、炭素と水素と第3元素(窒素、ボロン、フッ素、チタン、タングステン、クロム、シリコンのうち1種又は2種以上)との化合物よりなることを特徴とする拡管冶具。
  14. 請求項13において、上記ダイヤモンドライクカーボン処理は、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法のいずれかの物理蒸着法によるものであることを特徴とする拡管冶具。
  15. 請求項13または14において、上記表面処理層の下層に、チタン、クロム、シリコン、タングステンのうち1種または2種以上、あるいは、これらの金属と炭素との化合物からなる下地処理層を有することを特徴とする拡管冶具。
  16. 請求項15において、上記表面処理層と上記下地処理層との間には、両者が互いに拡散した拡散部を有することを特徴とする拡管冶具。
  17. 請求項15又は16において、上記表面処理層は、厚さ1〜5μmであり、上記下地処理層は、厚さ1〜50nmであることを特徴とする拡管冶具。
  18. 請求項13〜17のいずれか一項において、上記表面処理層は、表面粗さがRaで0.001〜0.4μmであることを特徴とする拡管冶具。
  19. 請求項13〜18のいずれか一項において、上記拡管冶具は、プレート状のフィン材に設けた貫通穴にアルミニウム管よりなる冷媒配管を配置し、上記アルミニウム管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させ、上記貫通穴の内壁と上記アルミニウム管とを嵌合させる際に用いることを特徴とする拡管冶具。
  20. 金属管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させる際に、上記金属管と上記拡管冶具との間の潤滑のために用いる潤滑油であって、
    動粘度が0.5〜11cSt(at40℃)であることを特徴とする潤滑油。
  21. 請求項20において、上記潤滑油は、油性剤として、高級アルコール、合成エステル、脂肪酸、油脂の1種あるいは2種以上を1〜30%(重量%、以下同様)含有し、
    極圧剤として、硫黄系化合物、リン系化合物の1種あるいは2種以上を1〜10%含有し、
    残部に、基油として、鉱油系炭化水素、あるいは全炭素数10〜18からなるα−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンの1種又は2種以上を含有することを特徴とする潤滑油。
  22. 請求項21において、上記高級アルコールは、炭素数12〜18のアルキル基を有することを特徴とする潤滑油。
  23. 請求項21又は22において、上記合成エステルは、下記の一般式(1)で示される脂肪酸エステルであることを特徴とする潤滑油。
    Figure 2008093713
    (但し、R1は、炭素数11〜17の炭化水素基であり、nは1〜4である。)
  24. 請求項20〜23のいずれか一項において、上記潤滑油は、更に、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン及びそれらのアルキレンオキシド付加物から選ばれる1種以上のアミン誘導体を0.01〜2.0%含有することを特徴とする潤滑油。
  25. 請求項20〜24のいずれか一項において、上記潤滑油は、更に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム又は、分子内に四級炭素を1つ以上含有する含酸素化合物の少なくとも1種を0.1〜5.0%含有することを特徴とする潤滑油。
  26. 請求項20〜25のいずれか一項において、上記潤滑油は、プレート状のフィン材に設けた貫通穴にアルミニウム管よりなる冷媒配管を配置し、上記アルミニウム管の内側に内径より大きい外径を有する拡管冶具を強制的に挿入して外径を拡張させ、上記貫通穴の内壁と上記アルミニウム管とを嵌合させる際に用いることを特徴とする潤滑油。
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