JP5032041B2 - 銅管加工用潤滑油及びそれを用いた銅管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調機器、冷凍・冷蔵機器の熱交換等に使用される銅あるいは銅合金からなる銅管の製造に使用される銅管加工用潤滑油に関する。
従来より、ルームエアコン等の空調機、冷蔵庫、冷凍庫等の冷凍機の熱交換器には伝熱管が使用されている。伝熱管には、伝熱性、加工性、耐食性に優れた銅及び銅合金(以下、銅と称する)からなる銅管が用いられている。該銅管は、内面及び外面に潤滑油を供して、所定の寸法、内面形状になるよう抽伸加工を施し、数1000mに及ぶ銅管を整列巻きにしたレベルワウンドコイルにする。その後、所定の調質になるよう焼鈍処理が施される。実際、焼鈍処理では、銅管内を窒素ガスや水素ガスなどの非酸化性ガスで置換した後、約500℃で約1時間焼鈍される。
一般に抽伸工程では、焼き付きを防止し、所定の溝形状を形成し易くするために、高粘度の高分子合成炭化水素に脂肪酸エステルあるいはアルコール、ポリオールエステル等の油性剤が添加された潤滑油が銅管内外面に供給されている。しかしながら、これらの油性剤を使用した場合には、後工程の焼鈍で、蒸散しきれず、銅管表面が黒く変色する場合(外面変色)がある。
また、上記油性剤は、境界潤滑性に優れるほど、また、その効果を発揮させるほど、化学磨耗も多くなり、発生する銅磨耗粉量も多くなる。さらに、抽伸潤滑油は、コスト低減のため、循環使用する場合が多く、この場合、ろ過装置では銅磨耗粉を除去しきれずに凝集し、銅管表面に付着して表面品質を悪化させるという問題がある。さらに、抽伸機や周辺の設備部材、タンク壁及び配管等に銅磨耗粉が付着し、環境を悪化させる場合もある。
また、抽伸後、銅管内面には潤滑油が付着しており、その付着潤滑油は、非酸化性ガス内で焼鈍されることにより、気化あるいは熱分解する。それら気化物質は、体積膨張だけでは銅管外に放出されず、銅管冷却時に凝集し、銅管内面に油分として残留する。その量は、潤滑油の種類、置換ガス、あるいは銅管の長さ、コイルの大きさ、さらには、焼鈍速度、冷却速度によって左右される。
銅管に残油が多いと、機器組み立て時に行われるろう付け接合において接合不良が生じ易くなる。また、近年のフロン使用規制にともなって、塩素フリーの代替フロン冷媒が使用されるが、それらは、銅管残留油と相溶し難い。その結果、上記残留油と塩素フリーの代替フロン冷媒とによって生じるコンタミネーションが、銅管内に残り、そのコンタミネーションにより、キャピラリー部が閉塞したり、冷凍機の性能が低下するという問題が生じるため、残油を減らすべく、その対策が検討されている。
例えば、加工後の銅管内面を洗浄する方法や、銅管を真空中で焼鈍する方法(特許文献1)、焼鈍時にDXガスを通しながら焼鈍し、気化あるいは熱分解気化した物質を銅管外に排出し、残留油を最小限にする方法(特許文献2)等が報告されている。
しかしながら、これらの従来技術では、生産性の低下、莫大な設備費や設備設置スペースが必要となる欠点がある。
特開平1−287258号公報 特開平6−170348号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、抽伸加工で、潤滑性に優れ、銅磨耗粉の発生が少なく、潤滑油中で銅磨耗粉の分散性に優れ、プラグへの銅磨耗粉の凝着、銅管表面への銅磨耗粉の付着を防ぎ、焼鈍時に焼き付きや外面変色がなく、焼鈍後の残油量の少ない銅管加工用潤滑油を提供しようとするものである。
第1の発明は、銅又は銅合金よりなる銅管を抽伸加工するための銅管加工用潤滑油であって、
添加剤として、アミン誘導体又はアルキルスルホン酸塩0.01〜3.0%(重量%、以下同じ)含有し、
油性剤を1〜15%含有し、
残部に、基油として、ポリイソブチレン、イソパラフィン、及び鉱油から選ばれる1種または2種以上を含有し、
上記アミン誘導体は、炭素数4〜20の脂肪族ポリアミンであり、
上記アルキルスルホン酸塩は、アルキル基の炭素数が4〜18のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩であり、
動粘度が20〜1500cSt(at40℃)であることを特徴とする銅管加工用潤滑油にある(請求項1)。
本発明の銅管加工用潤滑油は、添加剤、油性剤、及び基油成分を選定し、粘度を調整することにより、抽伸加工で、潤滑性に優れ、銅磨耗粉の発生が少なく、潤滑油中で銅磨耗粉の分散性に優れ、プラグへの銅磨耗粉の凝着、銅管表面への銅磨耗粉の付着を防ぎ、焼鈍時に焼き付きや外面変色がなく、焼鈍後の残油量の少ない銅管加工用潤滑油を得ることができる。
すなわち、上記銅管加工用潤滑油の必須成分として、添加剤として、アミン誘導体又はアルキルスルホン酸塩0.01〜3.0%含有する。これにより、潤滑性に優れ、銅磨耗粉の発生や、プラグへの銅の凝着や、銅管への銅磨耗粉の付着を抑制することができ、銅磨耗粉の分散性に優れ、焼鈍時に焼き付きや外面変色がない。
また、上記銅管加工用潤滑油は、油性剤を1〜15%含有する。
これにより、プラグ及びダイスへの銅の凝着を抑制することができ、また、抽伸に必要な力を低減させることができる。
また、残部に、基油として、ポリイソブチレン、イソパラフィン、及び鉱油から選ばれる1種または2種以上を含有し、潤滑油全体の動粘度が20〜1500cStとなるように調整する。これにより、優れた成形性を維持し、かつ焼鈍後の残油量を少なくすることができる。
第2の発明は、銅又は銅合金からなる銅管に、第1の発明の上記銅管加工用潤滑油を供給し、抽伸加工を施すことを特徴とする銅管の製造方法にある(請求項)。
本発明の銅管の製造方法は、抽伸加工において、第1の発明の上記銅管加工油を用いることで、優れた表面品質を有する銅管を作製することが可能である。
第1の発明の銅管加工用潤滑油においては、上述したように、添加剤として、アミン誘導体又はアルキルスルホン酸塩0.01〜3.0%含有する。また、数平均分子量200以上1000未満であると共に水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、そのハイドロカルビルエーテル、数平均分子量120以上1000未満のポリアルキレングリコールのハイドロカルビルエーテル、及び炭素数2〜10の2価アルコールから選ばれる1種または2種以上を含有することもできる
上記添加剤の含有量が0.01%未満の場合には、銅磨耗粉の発生、プラグへの銅磨耗粉の凝着、及び銅管への銅磨耗粉の付着抑制効果が得られないという問題や、銅磨耗粉の分散性が得られないという問題がある。一方、上記添加剤の含有量が2.0%を超える場合には、銅磨耗粉の凝集効果が伸びず、また、含有量が多くなると、基油揮発後の残留分が多くなり、品質の悪化につながる。上記添加剤の含有量は0.1〜1.0%がより好ましい。
また、上記銅管加工用潤滑油は、油性剤を1〜15%含有する。
上記油性剤の含有量が1%未満の場合には、境界潤滑性に効果が現れず、焼き付きが発生し、プラグへの銅磨耗粉凝着が増加し、潤滑油中の銅磨耗粉が多くなるという問題がある。一方、上記油性剤の含有量が15%を超える場合には、焼鈍後の銅管表面の残油量が増加する問題や、外面変色が発生するという問題がある。
また、残部に、基油として、ポリイソブチレン、イソパラフィン、及び鉱油から選ばれる1種または2種以上を含有する。
また、上記基油の含有量は、基本的に、上記添加剤の含有量が確保できる範囲とし、潤滑不足を防ぎ、適正な成形性を確保する。
上記鉱油としては、例えば、具体的に、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等、ノンアロマ鉱油等が挙げられる。臭気性を考慮すると、ノンアロマ鉱油を用いることが好ましい。
また、鉱油とポリイソブチレンあるいはイソパラフィンとを併用することが有用である。この場合には、環境改善、潤滑性に効果がある。さらに、ポリイソブチレンあるいはイソパラフィンは、同粘度の鉱油に比べて熱分解し易いため、焼鈍後の残油量を少なくすることができる。
また、上記銅管加工用潤滑油は、粘度が20〜1500cSt(at40℃)である。
上記粘度が20cSt未満の場合には、潤滑性の不足や、焼き付きが発生するという問題があり、一方、上記粘度が1500cStを超える場合には、粘度が増加し、潤滑油の取り扱い難くなる問題や、潤滑油の循環ろ過が困難になるという問題や、焼鈍後の残油量の増加や、外面変色が発生するという問題がある。
上記銅管加工用潤滑油の動粘度は、好ましくは50〜1300cStである。
上記動粘度は、JIS K 2283の「原油及び石油製品の動粘度試験方法」に準拠して40℃における動粘度を測定し、測定器具としては、JIS K 2839の「石油類試験用ガラス器具」のキャノン−フェンスケ粘度計を用いて測定することができる。
なお、上記銅管加工用潤滑油は、上記基油以外に、上記添加剤及び上記油性剤のみを含有する場合、上記基油の合計含有量は、82〜98.99%の範囲となる。しかし、後述する添加剤をさらに加えた場合には、添加剤の含有量に応じて、添加剤と油性剤と基油との合計が100%となるように、基油の合計含有量が変化する。
また、本発明の銅管加工用潤滑油は、上記基油と上記油性剤と添加剤とにより100%になるものであるが、実使用に際して、上述の優れた効果を安定的に操業するために、上記100%の外に、必要に応じて、酸化防止剤、錆止め剤、腐食防止剤、消泡剤等の一種又は二種以上をさらに添加することも勿論可能である。
上記酸化防止剤としては、例えば、DBPC(2,6−ジターシャリーブチル−P−クレゾール)等のフェノール系化合物、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの部分エステル、リン酸エステル及びその誘導体等が挙げられる。
上記錆止め剤としては、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム等が挙げられる。
上記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系のものが挙げられる。
上記アミン誘導体は、脂肪族アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、又はそれらのアルキレンオキシド付加物であることが好ましい
また、上記アミン誘導体は、ヒドロキシル基、エーテル基が含まれていてもよい。
上記脂肪族アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、カプリルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミンジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ブチルオクチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、及びトリオクチルアミン等が挙げられる。
また、上記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−イソプロピルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルイソプロパノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジn−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、N−メチルn−プロパノールアミン、N,N−ジメチルn−プロパノールアミン、N−エチルn−プロパノールアミン、N,N−ジエチルn−プロパノールアミン、N−イソプロピルn−プロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルn−プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N−イソプロピルブタノールアミン、及びN,N−ジイソプロピルブタノールアミン等が挙げられる。
また、上記脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び硬化牛脂プロピレンジアミン等が挙げられる。
また、上記芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ジメチルアニリン、及びジエチルアニリン等が挙げられる。
また、上記脂環式アミンとしては、例えば、N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルーシクロヘキシルアミン、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、及びN,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
上記複素環アミンとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−アセチルホモピペラジン、1−(クロロフェニル)ピペラジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
上記アミン誘導体は、油に対する溶解性の面から、分枝鎖を有する全炭素数4以上の炭化水素基を有していることが好ましい。また、全炭素数が20を超えた場合には、銅管の加工処理後に行われる焼鈍において、オイルステインが発生しやすくなるおそれがある。
また、上記アルキレンオキシド付加物は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、α−オレフィンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合することにより得ることができる。付加されるアルキレンオキシドの重合形態として、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドランダム共重合、ブロック共重合又は、ランダム/ブロック共重合等がある。
また、アルキレンオキシドの付加モル数が6モルを超える場合には、基油への溶解性が悪くなるおそれがある。より好ましくは、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜4モルである。
上記アルキルスルホン酸塩としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、アミドスルホン酸、及びジアルキルスルホこはく酸ナトリウム等が挙げられる。
また、上記アルキルスルホン酸塩は、アルキル基が炭素数4〜18であることが好ましい。
上記数平均分子量200以上1000未満である水酸基を3〜6個有する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)、及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトース、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、及びシュクロース等が挙げられる。
付加されるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜6のものが好ましい。より好ましくは炭素数2〜4のものがよい。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシヘキサン等がある。
上記アルキレンオキシド等付加物は、例えば、1種類のアルキレンオキシド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキシド等のランダム共重合、ブロック共重合又は、ランダム/ブロック共重合等がある。
また、水酸基を3〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキシドを付加させる際、付加される水酸基は、全ての水酸基であっても、一部の水酸基であってもよい。
また、上記多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものを使用することもできる。
ハイドロカルビル基は、炭素数1〜24の炭化水素基である。
炭化水素基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、及びアリールアルキル基等がある。
炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、及び直鎖又は分枝のテトライコシル基等がある。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のヘキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセイル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、及び直鎖又は分枝のテトラコセニル基等がある。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等がある。
炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、及びジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等がある。
炭素数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、及び直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブチル基(ブチル基の異性体も含む)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体も含む)、及びフェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体も含む)等がある。
次に、上記数平均分子量120以上1000未満のポリアルキレングリコール及び、そのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキシドは、炭素数2〜6が好ましい。
このようなアルキレンオキシドとしては、上述の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキシドとして列挙したものと同様のもの等がある。
また、上記ポリアルキレングリコールのハイドロカルビルエーテルとしては、ポリアルキレングリコールの末端水酸基の一部又は全てをハイドロカルビルエーテル化させたものを用いることができる。
ハイドロカルビル基としては、例えば、上述の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するハイドロカルビル基として列挙した各基等がある。
次に、上記2価アルコールは、分子中にエーテル結合を有しておらず、炭素数2〜10のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、及び1,10−デカンジオール等が挙げられる。
また、上記油性剤は、脂肪酸エステル、合成エステル、又は天然油脂であることが好ましい(請求項)。
この場合には、抽伸加工において用いるプラグ及びダイスへの銅の凝着を抑制することができ、また、抽伸に必要な力を低減させることができる。
上記合成エステルとしては、ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパンエステル、及びペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。
上記ネオペンチルグリコールエステルとしては、ネオペンチルグリコールカプリン酸ジエステルネオペンチルグリコールリノレン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールリノレン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールステアリン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールステアリン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールオレイン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールオレイン酸ジエステルネオペンチルグリコールイソステアリン酸モノエステル、ネオペンチルグリコールイソステアリン酸ジエステル、ネオペンチルグリコールやし油脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコールやし油脂肪酸ジエステル、ネオペンチルグリコール牛脂脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコール牛脂脂肪酸ジエステル、ネオペンチルグリコールパーム油脂肪酸モノエステル、ネオペンチルグリコールパーム油脂肪酸ジエステル、ネオペンチルグリコール2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸2モルの複合エステル等が挙げられる。
また、上記ネオペンチルグリコールエステルとしては、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルが好ましい。
また、トリメチロールプロパンエステルとしては、例えば、トリメチロールプロパンカプリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンカプリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンカプリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸モノエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸ジエステル、トリメチロールプロパンリノレン酸トリエステル、トリメチロールプロパンステアリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンスエアリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸モノエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸ジエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸トリエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸モノエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸ジエステル、トリメチロールプロパンイソステアリン酸トリエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパンやし油脂肪酸トリエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパン牛脂脂肪酸トリエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸ジエステル、トリメチロールプロパンパーム油脂肪酸トリエステル、及びトリメチロールプパン2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸4モルの複合エステル等が挙げられる。
上記トリメチロールプロパンエステルとしては、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルが好ましい。
また、ペンタエリスリトールエステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールカプリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールカプリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸モノエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸ジエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸トリエステル、ペンタエリスリトールリノレン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールステアリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸モノエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸ジエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸トリエステル、ペンタエリスリトールオレイン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸モノエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸ジエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸トリエステル、ペンタエリスリトールイソステアリン酸テトラエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトールやし油脂肪酸テトラエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール牛脂脂肪酸テトラエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトールパーム油脂肪酸テトラエステル、及びペンタエリスリトール2モル・ダイマ酸1モル・オレイン酸6モルの複合エステル等が挙げられる。
また、上記ペンタエリスリトールエステルとしては、特に、オレイン酸、イソステアリン酸、やし油脂肪酸、牛脂脂肪酸のエステルが好ましい。
上記天然油脂としては、例えば、大豆油、なたね油、パーム油、やし油、豚脂、及び牛脂等が挙げられる。
また、上記脂肪酸エステルは、下記の一般式(1)で表されることが好ましい(請求項)。
Figure 0005032041
(但し、R1は、炭素数が11〜17の炭化水素基であり、R2は炭素数が1〜4の炭化水素基である。)
上記炭化水素基R1の炭素数が10以下の場合には、境界潤滑性が劣るおそれがあり、一方、上記炭化水素基R1の炭素数が18以上の場合には、融点が低く、潤滑油製造時の取り扱いが困難になるおそれや、焼鈍後の残油量が増加するおそれがある。
また、上記炭化水素基R2の炭素数が5以上の場合には、工業生産が難しく、コストアップにつながるおそれや、潤滑油の取り扱いが困難になるおそれがある。
また、上記炭化水素基としては、たとえば、アルキル基及びアルケニル基等が挙げられる。上記炭化水素基R1及びR2としては、アルキル基であることが好ましい。
また、上記銅管加工用潤滑油は、添加剤として、さらに、芳香族炭化水素を1〜10%含有することが好ましい(請求項)。
この場合には、成形性をさらに向上させるという効果を得ることができる。
上記芳香族炭化水素の含有量が1%未満である場合には、効果が現れず、一方、上記芳香族炭化水素の含有量が10%を超える場合には、残油量が増加するおそれや、臭気が発生するおそれがある。
また、上記銅管加工用潤滑油は、上記銅管を抽伸加工する際に供給されることが好ましい
抽伸加工で用いられる潤滑油は、循環使用される場合が多いが、抽伸加工時に発生した銅磨耗粉をろ過装置で除去しきることは相当困難である。すなわち、この場合には、銅磨耗粉の発生性、銅磨耗粉の分散性が重要となるため、特に有効である。上記銅管は、ルームエアコン等の空調機、冷蔵庫、冷凍庫等の冷凍機の熱交換器に用いられる伝熱管として、特に好適に使用することができる。なお、加工の種類を特定することなく、多目的に利用が可能であることは言うまでもない。
第2の発明の銅管の製造方法について、上記抽伸加工を施した後に焼鈍を行う場合には、上記抽伸加工を施した上記銅管の管内雰囲気を非酸化性ガスで置換し、焼鈍を行うことが好ましい(請求項)。
この場合には、焼鈍後の上記銅管に残留する潤滑油の量の低減に非常に有効である。
次に、本発明の実施例について説明する。
本例では、本発明の実施例、参考例及び比較例として、総重量540kgのリン脱銅管を、表1、表2、及び表3に示す組成の潤滑油(試料E1〜試料E23、試料C1〜試料C12)を使用して抽伸加工を行い、銅管外径φ11.2mm、銅管内径φ10.9mm、肉厚0.15mm、長さ約5800mとし、切断及び整列巻取りして重量250kgのレベルワウンドコイル状の銅管を作製した。
なお、抽伸加工では、抽伸速度600m/minの条件で加工を行った。
Figure 0005032041
Figure 0005032041
Figure 0005032041
得られた各試料を用い、以下の評価試験を行った。
<潤滑性・銅磨耗粉発生性試験>
ピンオンディスク試験装置を用いて、潤滑性及び銅磨耗粉発生性を評価した。ピンオンディスク試験装置は、銅材のピン状のものを固定する支持部と、これに対面して回転可能に配設されたディスク部とを有している。ピンとしては、純銅で断面積が5mm2の棒状(ピン状)部材を用いた。また、ディスク部には、SKDを使用した。そして、支持部に付与した荷重Fは10kgf、回転数30rpm(回転半径:ディスク部の中心からピンの中心までの距離15mm)、測定時間20min、常温の条件にて測定した。
また、ピンとディスクとは、各種供試油100mL中に浸してある。
測定中に支持部にかかる摩擦力をロードセルにより測定し、その平均値を荷重10kgfで除することによって摩擦係数を求め、潤滑性を評価した。
さらに、測定後、供試油中の銅磨耗粉は、王水(硝酸と塩酸との混酸)に溶解し、原子吸光分光分析により銅を定量し、銅磨耗粉発生量を評価した。
(銅磨耗粉発生性の評価基準)
5:50ppm以下
4:50ppm超え100ppm以下
3:100ppm超え200ppm以下
2:200ppm超え500ppm以下
1:500ppm超え
<分散性評価>
50mLメスシリンダーに供試油50mL及びアルミ粉末(平均粒子径1.0μm)を1.0mass%添加し、超音波攪拌にてアルミ粉を分散させ、24時間静置した後に、中層より液を抜き出し、レーザー光の透過率を測定した。透過率が低いほどアルミ粉が分散しており、分散性良好となる。なお、分散性をより顕著に評価するため、微小なアルミ粉を用いた。
(評価基準)
5:透過率が50%以下
4:透過率が50%超え60%以下
3:透過率が60%超え75%以下
2:透過率が75%超え90%以下
1:透過率が90%超え100%以下
<低級酸発生性評価>
供試油6mLと、蒸留水50mL、銅粉1gを100mLビーカー中に加え、90℃の恒温乾燥機中で48時間加熱した。冷却後、水層の約2mLを抜き取り、水槽に溶出している有機酸イオン濃度をイオンクロマトグラフ法により分析し、低級酸発生性を評価した。分析元素は、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオンとした。
(評価基準)
5:1ppm以下
4:1ppm超え3ppm以下
3:3ppm超え5ppm以下
2:5ppm超え10ppm以下
1:10ppm超え
<焼鈍後の変色>
焼鈍後の変色は、銅板上に供試油を.5g置き、窒素雰囲気中で、580℃で焼鈍した後の銅板の変色を目視により判定した。
(評価基準)
5:全く変色が見られないもの
4:薄い褐色の変色が見られるもの
3:褐色の変色が見られるもの
2:一部黒い変色が見られるもの
1:黒い変色が全体に見られるもの
これらの評価結果は、表4及び表5に示す。潤滑性は、摩擦係数が0.15以下のものを合格とし、0.15を超えるものを不合格とした。また、銅磨耗粉発生性、銅磨耗粉分散性、低級酸発生性、及び焼鈍後の変色は、評価3以上を合格とし、評価1及び2を不合格とした。
Figure 0005032041
Figure 0005032041
表4より知られるごとく、本発明の実施例及び参考例である試料E1〜試料E23は、潤滑性、銅磨耗粉分散性、銅磨耗粉発生性、低級酸発生性、及び焼鈍後の変色のいずれの項目においても、良好な結果を示した。なお、試料E6、試料E14、試料E15、及び試料E18〜E23が参考例である。
また、表5より知られるごとく、本発明の比較例である試料C1は、添加剤を含有していないため、銅磨耗粉分散性及び銅磨耗粉発生性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C2は、油性剤として、酸化分解し易いオレイン酸を用いたため、低級酸発生性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C3は、油性剤として、極界潤滑性の劣るオレイルアルコールを用いたため、潤滑性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C4、試料C6、及び試料C8は、添加剤の含有量が本発明の下限を下回り、銅磨耗粉の発生が増加し、プラグや銅管への銅磨耗粉凝着の抑制効果や、銅磨耗粉の分散性が得られないため、銅磨耗粉分散性及び銅磨耗粉発生性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C5、試料C7、及び試料C9は、添加剤の含有量が本発明の上限を上回り、焼鈍後の残油量が多くなり、外面変色が発生するため、焼鈍後の変色が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C10は、潤滑油全体の動粘度が本発明の下限を下回るため、潤滑性が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C11は、潤滑油全体の動粘度が本発明の上限を上回り、焼鈍後の残油量が増加し、外面変色が発生するため、焼鈍後の変色が不合格であった。
また、本発明の比較例である試料C12は、油性剤を含有しておらず、また、潤滑油全体の動粘度が本発明の上限を上回るため、境界潤滑性を得られず、また、粘度が増加するため、潤滑性が不合格であった。

Claims (6)

  1. 銅又は銅合金よりなる銅管を抽伸加工するための銅管加工用潤滑油であって、
    添加剤として、アミン誘導体又はアルキルスルホン酸塩0.01〜3.0%(重量%、以下同じ)含有し、
    油性剤を1〜15%含有し、
    残部に、基油として、ポリイソブチレン、イソパラフィン、及び鉱油から選ばれる1種または2種以上を含有し、
    上記アミン誘導体は、炭素数4〜20の脂肪族ポリアミンであり、
    上記アルキルスルホン酸塩は、アルキル基の炭素数が4〜18のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩であり、
    動粘度が20〜1500cSt(at40℃)であることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  2. 請求項1において、上記油性剤は、脂肪酸エステル、合成エステル、又は天然油脂であることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  3. 請求項2において、上記脂肪酸エステルは、下記の一般式(1)で表されることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
    Figure 0005032041
    (但し、R1は、炭素数が11〜17の炭化水素基であり、R2は炭素数が1〜4の炭化水素基である。)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、添加剤として、さらに、芳香族炭化水素を1〜10%含有することを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  5. 銅又は銅合金からなる銅管に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の上記銅管加工用潤滑油を供給し、抽伸加工を施すことを特徴とする銅管の製造方法。
  6. 請求項5において、上記抽伸加工を施した上記銅管の管内雰囲気を非酸化性ガスで置換し、焼鈍を行うことを特徴とする銅管の製造方法。
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