JP5085942B2 - 銅管加工用潤滑油及びそれを用いた銅管の製造方法 - Google Patents

銅管加工用潤滑油及びそれを用いた銅管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、空調機器、冷凍・冷蔵機器の熱交換等に使用される銅あるいは銅合金からなる銅管の製造に使用される銅管加工用潤滑油に関する。
従来より、ルームエアコン等の空調機、冷蔵庫、冷凍庫等の冷凍機の熱交換器には伝熱管が使用されている。伝熱管には、伝熱性、加工性、耐食性に優れた銅及び銅合金(以下、銅と称する。)管が用いられている。該銅管は、内面及び外面に潤滑油を供して、所定の寸法、内面形状になるよう抽伸あるいは転造し、数1000mに及ぶ銅管を整列巻きにしたレベルワンドコイルにする。その後、所定の調質になるよう焼鈍処理が施される。実際、焼鈍処理では、銅管内を窒素ガスや水素ガスなどの非酸化性ガスで置換した後、約500℃で約1時間焼鈍される。
銅管の抽伸あるいは転造加工では、焼き付きや所定の溝形状を形成し易くするために、高粘度の高分子合成炭化水素に脂肪酸エステルあるいはアルコール、ポリオールエステル等の油性剤が添加された潤滑油が銅管内外面に供給されている。抽伸及び転造後、銅管内面に潤滑油が付着しており、その付着潤滑油は、非酸化性ガス内で焼鈍されるが、気化あるいは熱分解する。それら気化物質は、体積膨張だけでは銅管外に放出されず、銅管冷却時に凝集し、銅管内面に油分として残留する。その量は、潤滑油の種類、置換ガス、あるいは銅管の長さ、コイルの大きさ、さらには、焼鈍速度、冷却速度によって左右される。
銅管に残油が多いと、機器組み立て時に行われるろう付け接合において接合不良が生じ易くなる。また、近年のフロン使用規制にともなって、塩素フリーの代替フロン冷媒が使用されるが、それらは、銅管残留油との相溶し難い。その結果、コンタミネーションによりキャピラリー部が閉塞や冷凍機の性能が低下するという問題が生じるため、残油を減らすべく、その対策が検討されている。
例えば、加工後の銅管内面を洗浄する方法や、銅管を真空中で焼鈍する方法(特許文献1)、焼鈍時にDXガスを通しながら焼鈍し、気化あるいは熱分解気化した物質を銅管外に排出し、残留油を最小限にする方法(特許文献2)等が報告されている。
しかしながら、これらの従来技術では、生産性の低下、莫大な設備費や設備設置スペースが必要となる欠点がある。
また、潤滑油によっては、水分、熱、酸素、潤滑油量の条件がある条件になった厳しい環境下で、銅管内あるいは銅管外面に残留した潤滑油が熱と水分と加水分解して、蟻酸、酢酸などの低級有機酸を発生し、この低級有機酸が原因となって、銅管表面が「蟻の巣腐食」という腐食引き起こす場合がある。
特開平1−287258号公報 特開平6−170348号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、抽伸加工あるいは転造加工での、成形性に優れ、焼鈍後の残油量が少なく、低級有機酸の発生を防止することができる銅管加工用潤滑油を提供しようとするものである。
第1の発明は、銅又は銅合金よりなる銅管を加工するための銅管加工用潤滑油であって、
上記銅管の内面を加工する際に該内面に供給される内面加工用であり、該内面加工は、上記銅管の内面に凹凸形状を設ける転造加工であり、
添加剤として、一価アルコールを5〜40重量%と、
下記の一般式(1)、(2)で示されるフェノール化合物の1種又は2種以上を0.01〜3重量%とを含有し、
残部に、基油として、平均分子量30000以上のポリイソブチレンの1種又は2種以上と、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンの1種又は2種以上とを含有し、
動粘度が100〜1000cSt(at40℃)であることを特徴とする銅管加工用潤滑油にある(請求項1)。
Figure 0005085942
(但し、R1は、炭素数1〜18の炭化水素基である。)
Figure 0005085942
(但し、R2は、炭素数1〜18の炭化水素基である。)
本発明の銅管加工用潤滑油は、添加剤と基油の成分を選定し、動粘度を調整することにより、抽伸加工あるいは転造加工での、境界潤滑性、成形性に優れ、焼鈍後の残油量が少なく、低級有機酸の発生を防止することができる銅管加工用潤滑油を得ることができる。
すなわち、上記添加剤の必須成分として、第1の添加剤(以下第1添加剤という)として、一価アルコールを5〜40重量%含有する。これにより、成形性を向上させることができる。
第2の添加剤(以下第2添加剤という)として、上記一般式(1)、(2)で示されるフェノール化合物の1種又は2種以上を0.01〜3重量%含有する。これにより、厳しい環境下でも、低級有機酸の発生を防止することができ、「蟻の巣腐食」を抑制することができる。
また、基油としては、平均分子量30000以上のポリイソブチレン1種又は2種以上と、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンの1種又は2種以上とを組み合わせて合計40〜94重量%含有し、その組み合わせの割合を調節することによって、潤滑油全体の動粘度が100〜1000cStとなるように調整する。これにより、優れた成形性を維持し、かつ焼鈍後の残油量を少なくすることができる。
第2の発明は、銅又は銅合金からなる銅管の少なくとも内面に、第1の発明の上記銅管加工用潤滑油を供給し、転造加工により内面加工を施すことを特徴とする銅管の製造方法にある(請求項)。
本発明の銅管の製造方法は、転造加工等の銅管の内面加工において、第1の発明の上記銅管加工油を用いることで、優れた内面形状を有し、焼鈍時に焼き付きや外面変色がなく、成形後に焼鈍した場合の焼鈍後の残油量が少ない銅管を作製することが可能である。
第1の発明の銅管加工用潤滑油においては、上述したように、第1の添加剤(以下、第1添加剤)としての、一価アルコールを5〜40重量%と、第2の添加剤(以下、第2添加剤)としての上記フェノール化合物の1種又は2種以上を0.01〜3重量%とを含有する。
上記一価アルコールの含有量が5重量%未満の場合には、潤滑性が不足し、成形性が低下するという問題があり、一方、上記一価アルコールの含有量が40重量%を超える場合には、焼鈍後の残油量が多くなるという問題がある。
また、上記第2添加剤の含有量が0.01重量%未満の場合には、低級有機酸防止性の効果を得られないという問題があり、一方、上記第2添加剤の含有量が3重量%を超える場合には、添加量に対して酸化防止性の向上効果はほぼ一定となり、コストアップにつながるという問題や、焼鈍後の残油量が増加するという問題がある。
上記フェノール化合物の炭化水素基R1、R2の炭素数が19以上の場合には、焼鈍後の残油量が増加するという問題がある。
また、上記炭化水素基R1、R2としては、具体的に、例えば、アルキル基及びアルケニル基等が挙げられる。
また、残部に、基油として、平均分子量30000以上のポリイソブチレンの1種又は2種以上と、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンの1種又は2種以上とを含有する。
上記平均分子量30000以上のポリイソブチレンが含まれない場合には、摩擦面へ導入される油量が少なく潤滑不足となるという問題があり、一方、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンが含まれない場合には、高粘度となり、取り扱いが困難で作業性を悪化させるという問題がある。
また、上記基油の含有量は、基本的に、上記添加剤の含有量が確保できる範囲とし、潤滑不足を防ぎ、適正な成形性を確保する。
また、上記平均分子量30000以上のポリイソブチレンとしては、工業的に入手することが可能な範囲である、平均分子量30000〜平均分子量60000のポリイソブチレンであることが好ましい。
また、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンとしては、引火する危険性や、潤滑油の臭気を考慮すると、平均分子量80〜平均分子量400のイソパラフィン又はポリイソブチレンであることが好ましい。
また、上記銅管加工用潤滑油は、動粘度が100〜1000cSt(at40℃)である。
上記動粘度が100cSt未満の場合には、潤滑性が不足するという問題があり、一方、上記動粘度が1000cStを超える場合には、動粘度が増加し取り扱いが困難になるという問題や、焼鈍後の残油が増加するという問題がある。
上記動粘度は、JIS K 2283の「原油及び石油製品の動粘度試験方法」に準拠して40℃における動粘度を測定し、測定器具としては、JIS K 2839の「石油類試験用ガラス器具」のキャノン−フェンスケ粘度計を用いて測定することができる。
また、上記基油の含有量は、基本的に、上記添加剤の含有量が確保できる、且つ、動粘度が上記特定の値となる範囲とし、潤滑不足を防ぎ、適正な成形性を確保する。
なお、添加剤として、上記一価アルコール及び上記第2添加剤のみを含有する場合、上記基油の合計含有量は、57〜94.99重量%の範囲となる。しかし、後述する添加剤をさらに加えた場合には、添加剤の含有量に応じて、添加剤と基油との合計が100重量%となるように、基油の合計含有量が変化する。
また、本発明の銅管加工用潤滑油は、上記基油と添加剤とにより100重量%になるものであるが、実使用に際して、上述の優れた効果を安定的に操業するために、上記100重量%の外に、必要に応じて、酸化防止剤、錆止め剤、腐食防止剤、消泡剤等の一種又は二種以上をさらに添加することも勿論可能である。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族アミン、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの部分エステル、リン酸エステル及びその誘導体等が挙げられる。
上記錆止め剤としては、例えば、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム等が挙げられる。
上記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系のものが挙げられる。
上記第1添加剤としての一価アルコールは、下記の一般式(3)で表されることが好ましい(請求項2)。
Figure 0005085942
(但し、R3は、炭素数9〜18の炭化水素基である。)
上記一価アルコールの炭化水素基の炭素数が8以下の場合には、潤滑性が劣るおそれがあり、一方、上記炭化水素基の炭素数が19以上の場合には、潤滑油が残留し易くなるおそれがある。そのため、上記一価アルコールの炭化水素基の炭素数は12〜15であることがより好ましい。
また、上記炭化水素基R3としては、具体的に、例えば、アルキル基及びアルケニル基等が挙げられる。
また、上記銅管加工用潤滑油は、第3の添加剤(以下、第3添加剤という)として、さらに、リン酸エステルを1〜20重量%含有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、過酷な加工条件下でも使用することができる。
上記リン酸エステルの含有量が1重量%未満の場合には、連続加工した場合に、成形性が悪くなるおそれがあり、一方、リン酸エステルの含有量が20重量%を超える場合には、焼鈍後の残油量が増加するおそれがある。
上記第3添加剤としてのリン酸エステルは、下記の一般式(4)で表されるリン酸エステル、又はリン酸トリトリルであることが好ましい(請求項4)。
Figure 0005085942
(但し、R4は、炭素数が12〜18の炭化水素基であり、R5及びR6は炭素数が1〜4の炭化水素基である。)
上記の一般式(4)で表される特定のリン酸エステルの炭化水素基R4の炭素数が11以下である場合には、潤滑性が劣るという問題があり、一方、上記炭化水素基R4の炭素数が19以上の場合には、残油しやすくなるという問題がある。
また、上記特定のリン酸エステルの炭化水素基R5及びR6の炭素数が5以上の場合には、焼鈍後に残油量が増加するおそれがある。
また、上記炭化水素基としては、具体的に、例えば、アルキル基及びアルケニル基等が挙げられる。
上記特定のリン酸エステルの具体例としては、例えば、ドデシルフォスフォン酸ジメチルエステル、テトラデシルフォスフォン酸ジメチルエステル、オレイルフォスフォン酸ジメチルエステル、ドデシルフォスフォン酸ジエチルエステル、ドデシルフォスフォン酸ジブチルエステル、テトラデシルフォスフォン酸ジエチルエステル等がある。
また、上記リン酸エステルとして、リン酸トリトリルを用いる場合には、焼鈍時に浮遊する熱分解成分が銅管の外周表面(外面)に再付着し難いため、外面変色を抑制することができる。
また、上記銅管加工用潤滑油は、第4の添加剤(第4添加剤)として、さらに、アミン誘導体、アルキルスルホン酸塩、数平均分子量200以上1000未満であると共に水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、そのハイドロカルビルエーテル、数平均分子量120以上1000未満のポリアルキレングリコールのハイドロカルビルエーテル、及び炭素数2〜10の2価アルコールから選ばれる1種または2種以上を0.01〜2.0重量%を含有することが好ましい(請求項5)
この場合には、境界潤滑性が向上することができ、プラグへの銅の凝着や銅磨耗粉の発生を抑制することができる。
上記第4添加剤の含有量が0.01重量%未満の場合には、銅粉の凝集力及びロールコーティング抑制の効果が見られず、一方、上記第4添加剤の含有量が2.0重量%を超える場合には、銅分の凝集効果が伸びず、コストアップとなる。また、含有量が多くなると、基油揮発後の残留分が多くなり、品質を悪化させることにつながる。上記含有量は0.1〜1.0重量%がより好ましい。
上記アミン誘導体は、脂肪族アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、又はそれらのアルキレンオキシド付加物であることが好ましい(請求項6)。
また、上記アミン誘導体は、ヒドロキシル基、エーテル基が含まれていてもよい。
上記脂肪族アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、カプリルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミンジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ブチルオクチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、及びトリオクチルアミン等が挙げられる。
また、上記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−イソプロピルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルイソプロパノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジn−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、N−メチルn−プロパノールアミン、N,N−ジメチルn−プロパノールアミン、N−エチルn−プロパノールアミン、N,N−ジエチルn−プロパノールアミン、N−イソプロピルn−プロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルn−プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N−イソプロピルブタノールアミン、及びN,N−ジイソプロピルブタノールアミン等が挙げられる。
また、上記脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び硬化牛脂プロピレンジアミン等が挙げられる。
また、上記芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ジメチルアニリン、及びジエチルアニリン等が挙げられる。
また、上記脂環式アミンとしては、例えば、N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルーシクロヘキシルアミン、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、及びN,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
上記複素環アミンとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−アセチルホモピペラジン、1−(クロロフェニル)ピペラジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
上記アミン誘導体は、油に対する溶解性の面から、分枝鎖を有する全炭素数4以上の炭化水素基を有していることが好ましい。また、全炭素数が20を超えた場合には、銅管の加工処理後に行われる焼鈍において、オイルステインが発生しやすくなるおそれがある。
また、上記アルキレンオキシド付加物は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、α−オレフィンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合することにより得ることができる。付加されるアルキレンオキシドの重合形態として、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドランダム共重合、ブロック共重合又は、ランダム/ブロック共重合等がある。
また、アルキレンオキシドの付加モル数が6モルを超える場合には、基油への溶解性が悪くなるおそれがある。より好ましくは、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜4モルである。
上記アルキルスルホン酸塩としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、アミドスルホン酸、及びジアルキルスルホこはく酸ナトリウム等が挙げられる。
また、上記アルキルスルホン酸塩は、アルキル基が炭素数4〜18であることが好ましい。
上記数平均分子量200以上1000未満である水酸基を3〜6個有する多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)、及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトース、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース等が挙げられる。
付加されるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜6のものが好ましい。より好ましくは炭素数2〜4のものがよい。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシ−1−メチルプロパン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシヘキサン等がある。
上記アルキレンオキシド等付加物は、例えば、1種類のアルキレンオキシド等の単独重合、2種類以上のアルキレンオキシド等のランダム共重合、ブロック共重合又は、ランダム/ブロック共重合等がある。
また、水酸基を3〜6個有する多価アルコールにアルキレンオキシドを付加させる際、付加される水酸基は、全ての水酸基であっても、一部の水酸基であってもよい。
また、上記多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキサイド付加物の末端水酸基の一部又は全てを、ハイドロカルビルエーテル化させたものを使用することもできる。
ハイドロカルビル基は、炭素数1〜24の炭化水素基である。
炭化水素基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等がある。
炭素数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、直鎖又は分枝のテトライコシル基等がある。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のヘキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセイル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、直鎖又は分枝のテトラコセニル基等がある。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等がある。
炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等がある。
炭素数7〜18のアルキルアリール基としては、例えば、トリル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)等がある。
炭素数7〜12のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブチル基(ブチル基の異性体も含む)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体も含む)、フェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体も含む)等がある。
次に、上記数平均分子量120以上1000未満のポリアルキレングリコール及び、そのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキシドは、炭素数2〜6が好ましい。
このようなアルキレンオキシドとしては、上述の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するアルキレンオキシドとして列挙したものと同様のもの等がある。
また、上記ポリアルキレングリコールのハイドロカルビルエーテルとしては、ポリアルキレングリコールの末端水酸基の一部又は全てをハイドロカルビルエーテル化させたものを用いることができる。
ハイドロカルビル基としては、例えば、上述の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそのハイドロカルビルエーテルを構成するハイドロカルビル基として列挙した各基等がある。
次に、上記2価アルコールは、分子中にエーテル結合を有しておらず、炭素数2〜10のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、及び1,10−デカンジオール等が挙げられる。
また、上記銅管加工用潤滑油は、第5の添加剤(以下第5添加剤という)として、さらに、芳香族炭化水素を1〜10重量%含有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、成形性をさらに向上させるという効果を得ることができる。
上記芳香族炭化水素の含有量が1重量%未満である場合には、効果が現れず、一方、上記芳香族炭化水素の含有量が10重量%を超える場合には、残油量が増加するおそれや、臭気が発生するおそれがある。
また、上記銅管の内面を加工する際に該内面に供給される内面加工用であることが好ましい
内面加工を施す場合には、内面に残留した潤滑油を除去することは困難である。すなわち、この場合には、残油量が少ないことが重要となるため、特に有効である。上記銅管は、ルームエアコン等の空調機、冷蔵庫、冷凍庫等の冷凍機の熱交換器に用いられる伝熱管として、特に好適に使用することができる。なお、加工の種類を特定することなく、多目的に利用が可能であることは言うまでもない。
上記内面加工は、上記銅管の内面に凹凸形状を設ける転造加工であることが好ましい
上記転造加工は、銅管内にプラグを入れて、外面から回転ボールで圧下することによって、銅管内面に複雑なリップルフィンを付与する、非常に過酷な加工である。また、内面形状が複雑となる分だけ残油しやすくなる。このような転造加工においても、上記潤滑油は、優れた成形性を有し、焼鈍後の残油量を少なくすることができ、特に有効である。
第2の発明の銅管の製造方法において、転造加工を施した後に焼鈍を行う場合には、上記内面加工を施した上記銅管の管内雰囲気を非酸化性ガスで置換し、焼鈍を行うことが好ましい(請求項)。
この場合には、焼鈍後の上記銅管の内面に残留する潤滑油の量の低減に非常に有効である。
以下、本発明の銅管加工用潤滑油にかかる実施例および比較例について説明する。
本例では、本発明の実施例および比較例として、表1〜表3に示す組成の銅管加工用潤滑油(試料E1〜試料E25、試料C1〜試料C11)を使用して、総重量500kgのリン脱酸銅管の転造加工を行い、管外径7.00mm、内径6.35mm、肉厚0.25mm、長さ約5000mとし、切断及び整列巻取りして重量250kgのレベルワウンドコイルを作製した。
なお、転造加工では、フィン高さ0.24mm、フィン頂角10°、リード角30°の条件で加工を行うことにより、図1に示すごとく、内側に突出した多数のリップルフィンを有する断面形状に成形した。
本発明の実施例としての試料E1〜試料E25は、添加剤として、一価アルコールを5〜40重量%と、上記一般式(1)、(2)で示されるフェノール化合物の1種又は2種以上を0.01〜3重量%とを含有する。また、基油として、平均分子量30000以上のポリイソブチレンの1種又は2種以上と、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンの1種又は2種以上とを含有し、動粘度が100〜1000cSt(at40℃)である。
Figure 0005085942
Figure 0005085942
Figure 0005085942
表1〜表3の記号を説明する。
A1:平均分子量60000のポリイソブチレン
A2:平均分子量30000のポリイソブチレン
A3:平均分子量3700のポリイソブチレン
B1:平均分子量120のイソパラフィン
B2:平均分子量270のポリイソブチレン
C1:ヘキサデシルアルコール
C2:ドデシルアルコール
C3:オレイルアルコール
C4:オクチルアルコール
D1:ベンゼンプロパン酸−3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシオクチルエステル
D2:ジ−ターシャリーブチルパラクレゾール
E1:リン酸トリトリル
F1:ドデシルフォスフォン酸ジメチルエステル
F2:テトラデシルフォスフォン酸ジメチルエステル
F3:オレイルフォスフォン酸ジメチルエステル
F4:トリプロピレングリコール
F5:N,N−ジシクロヘキシルアミンエチレンオキシド2モル付加物
F6:ジ2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
G1:エチルベンゼン
使用した銅管加工用潤滑油(試料E1〜試料E25、及び試料C1〜試料C11)を用い、以下の評価試験を行った。結果を、表4及び表5に示す。
<リップルフィン高さ>
リップルフィン高さH(図1)は、転造加工直後の銅管長手方向における、転造開始より100mの位置の断面を、拡大鏡を用いて観察し、存在する全てのリップルフィンの高さを測定し、それらの平均値を求めることにより成形性を評価した。
(評価基準)
5:0.235mm以上
4:0.230mm以上0.235mm未満
3:0.225mm以上0.230mm未満
2:0.220mm以上0.225mm未満
1:0.220mm未満
<リップルフィン高さ維持性>
リップルフィン高さ維持性は、転造直後の銅管長手における転造開始より100m、及び転造終了100m手前の2ヵ所の位置での、リップルフィン高さを、リップルフィン高さHと同様に測定し、両測定値の差分より成形性を評価した。
(評価基準)
5:0.005mm以下
4:0.005mm超え0.010mm以下
3:0.010mm超え0.015mm以下
2:0.015mm超え0.020mm以下
1:0.020mm超え
次に、上記レベルワウンドコイル状の銅管の銅管内雰囲気を、水素混合ガス(H2:5%、N2:95%)により置換した後、量産用のローラーハース型焼鈍炉を用いて、銅管の両端を封止することなく、DXガス雰囲気中において軟質材の焼鈍条件に従って530℃で1時間焼鈍処理を施した。
また、焼鈍処理後の各試料について以下の評価試験を行った。結果を表4及び表5に示す。
<残油量>
残油量は、焼鈍処理後、上記レベルワウンドコイル上面に相当する銅管をコイルの入り口端から出側端までの各段について1m長さで残油測定用銅管を採取し、有機溶剤で抽出洗浄し、赤外分光分析法によって3000〜2800cm-1における赤外吸光度を測定し、事前に作成しておいた検量線を元に、銅管内に残留する焼鈍残油量を求め、焼鈍後の残油量を評価した。
(評価基準)
○:残油量が0.10mg/m以下の場合
×:残油量が0.10mg/m超えの場合
<低級有機酸防止性>
供試油6mL、蒸留水50mL及び銅粉1g(平均粒子径75〜150μm)を100mLビーカーに入れ、アルミ箔で密封し、90℃の恒温乾燥機中で48時間加熱した。水層中の低級有機酸イオン(ギ酸イオン)をイオンクロマトグラフにて定量した。ギ酸イオン量を測定することによって低級有機酸防止性を評価した。
(評価基準)
○:ギ酸イオン量が10ppm未満の場合
×:ギ酸イオン量が10ppmを超える場合
<境界潤滑性>
摺動部材としてのSUJ2製鋼球(3/16インチ)、試験材としての0.5mmt、10mmw、150mmLのリン脱酸銅板を用い、板温度50℃、摺動速度5mm/sec、摺動回数150回として、バウデンレーベン摩擦試験を実施し、摩擦係数を求めることによって、境界潤滑性を評価した。
(評価基準)
○:摩擦係数が0.15未満の場合
×:摩擦係数が0.15以上の場合
<コーティング>
ピンオンディスク式摩擦摩耗試験機を用い、コーティング(磨耗粉発生性)を評価した。ピンオンディスク装置は、ピンを固定する支持部と、これに対面して回転可能に配設されたディスク部とを有する。ピンとして、先端R2mm、φ5mm、8mmLの純銅、ディスクとして、冷間工具鋼SKD11、φ50mm、5mmtを用い、荷重20kgf、周速18m/minの条件で20分間、試験を実施した。また、ピンとディスクとは、各種供試油100mL中に浸してある。
試験後のディスク表面を目視にて観察し、銅のコーティングを評価した。
(評価基準)
○:明瞭な銅のコーティングが確認されない場合
×:明瞭な銅のコーティングが確認される場合
フィン高さ及びフィン高さ維持性は、評価点2点以上を合格とし、評価点1点を不合格とした。フィン高さ、低級酸防止性、境界潤滑性、及びコーティングは、◎及び○を合格とし、×を不合格とした。
Figure 0005085942
Figure 0005085942
表4より知られるごとく、本発明の実施例である試料E1〜試料E25は、リップルフィン高さ、リップルフィン高さ維持性、残油量、コーティング、境界潤滑性、低級有機酸防止性のいずれの項目においても良好な結果を示した。
また、試料E1〜試料E5及び試料E7〜試料E11は、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲内であるため、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲の下限を下回る試料E6と比較して、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が優れていた。
また、試料E12は、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲内であり、また、第3添加剤を含有しているため、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が優れていた。
また、上記試料E13〜試料E21は、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲内であるため、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が優れ、また、第4添加剤を含有しているため、境界潤滑性とコーティングが優れていた。
また、上記試料E22は、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲内であり、また、第5添加剤を含有しているため、成形性が優れていた。
また、上記試料E23〜試料E25は、一価アルコールの炭素数が本発明の好ましい範囲内であり、第4添加剤、及び第5添加剤を含有しているため、リップルフィン高さ、リップルフィン高さ維持性、境界潤滑性、及びコーティングが更に優れていた。
これにより、本発明の銅管加工用潤滑油は、成形性に優れ、焼鈍後の残油量が少なく、低級有機酸の発生を防止することが可能であることが分かる。
表5より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1及び試料C2は、分子量30000以上のポリイソブチレンを含有していないため、摩擦面へ導入される油量が少なく潤滑不足となり、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C3及び試料C4は、第1添加剤を含有していないため、潤滑性が不足し、成形性が低下するため、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C5は、第1添加剤の含有量が本発明の下限を下回るため、潤滑性が不足し、成形性が低下するため、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C6は、第1添加剤の含有量が本発明の上限を上回るため、焼鈍後の残油量が多く、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C7は、第2添加剤を含有していないため、低級有機酸防止性の効果を得られないという問題があり、低級有機酸防止性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C8は、第2添加剤の含有量が本発明の下限を下回るため、低級有機酸防止性の効果を得られないという問題があり、低級酸防止性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C9は、第2添加剤の含有量が本発明の上限を上回るため、焼鈍後の残油量が多く、不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C10は、基油全体の動粘度が本発明の下限を下回るため、潤滑性が不足するという問題があり、成形性が低下するため、リップルフィン高さ及びリップルフィン高さ維持性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C11は、基油全体の動粘度が本発明の上限を上回るため、一方、上記動粘度が1000cStを超える場合には、焼鈍後の残油が増加するという問題があり、残油量が不合格であった。
転造加工後の銅管の断面図
符号の説明
1 銅管
2 リップルフィン

Claims (9)

  1. 銅又は銅合金よりなる銅管を加工するための銅管加工用潤滑油であって、
    上記銅管の内面を加工する際に該内面に供給される内面加工用であり、該内面加工は、上記銅管の内面に凹凸形状を設ける転造加工であり、
    添加剤として、一価アルコールを5〜40重量%と、
    下記の一般式(1)、(2)で示されるフェノール化合物の1種又は2種以上を0.01〜3重量%とを含有し、
    残部に、基油として、平均分子量30000以上のポリイソブチレンの1種又は2種以上と、平均分子量400以下のイソパラフィン又はポリイソブチレンの1種又は2種以上とを含有し、
    動粘度が100〜1000cSt(at40℃)であることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
    Figure 0005085942
    (但し、R1は、炭素数1〜18の炭化水素基である。)
    Figure 0005085942
    (但し、R2は、炭素数1〜18の炭化水素基である。)
  2. 請求項1において、上記一価アルコールは、下記の一般式(3)で表されることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
    Figure 0005085942
    (但し、R3は、炭素数9〜18の炭化水素基である。)
  3. 請求項1又は2において、添加剤として、さらに、リン酸エステルを1〜20重量%含有することを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  4. 請求項3において、上記リン酸エステルは、下記の一般式(4)で表されるリン酸エステル、又はリン酸トリトリルであることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
    Figure 0005085942
    (但し、R4は、炭素数が12〜18の炭化水素基であり、R5及びR6は炭素数が1〜4の炭化水素基である。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、添加剤として、さらに、アミン誘導体、アルキルスルホン酸塩、数平均分子量200以上1000未満であると共に水酸基を3〜6個有する多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、そのハイドロカルビルエーテル、数平均分子量120以上1000未満のポリアルキレングリコールのハイドロカルビルエーテル、及び炭素数2〜10の2価アルコールから選ばれる1種または2種以上を0.01〜2.0重量%を含有することを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  6. 請求項5において、上記アミン誘導体は、脂肪族アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、又はそれらのアルキレンオキシド付加物であることを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、添加剤として、さらに、芳香族炭化水素を1〜10重量%含有することを特徴とする銅管加工用潤滑油。
  8. 銅又は銅合金からなる銅管の少なくとも内面に、請求項1〜のいずれか一項に記載の上記銅管加工用潤滑油を供給し、転造加工を施すことを特徴とする銅管の製造方法。
  9. 請求項8において、上記転造加工を施した上記銅管の管内雰囲気を非酸化性ガスで置換し、焼鈍を行うことを特徴とする銅管の製造方法。
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