JPWO2014077382A1 - 拡管プラグ及び金属管の拡管方法 - Google Patents

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Abstract

金属管(2)内にその内径よりも大きな外径を有する拡管プラグ(1)を強制的に挿入して金属管の外径を拡張させるために用いられる拡管プラグ及びこれを用いた拡管方法である。拡管プラグは、プラグ本体部(10)と、その表面に被覆された下地層(11)と、その上に被覆されたDLC膜(12)とを有する。DLC膜中の水素原子数の割合AH(atm%)と炭素原子数の割合AC(atm%)との比AH/ACが平均で0.03以上かつ0.15以下である。また、DLC膜のラマンスペクトルにおけるGバンドのピーク強度PIGとDバンドのピーク強度PIDとの比PIG/PIDが3未満である。

Description

本発明は、金属管の拡管に用いる拡管プラグ、及びこれを用いた金属管の拡管方法に関する。
冷蔵庫や空調用エアコンディショナーには、一般にクロスフィンチューブタイプの熱交換器が用いられている。この熱交換器は、空気側のフィン材と、冷媒側の金属管からなる冷媒配管とから構成されている。
このようなクロスフィンチューブタイプの熱交換器は、一般に、次のようにして作製されている。
まず、所定のカラー部を有するフィン材が積層される。次いで、円筒状のカラー部内に金属管が挿入される。その後、金属管内に金属管の内径よりも大きな外径を有する拡管プラグが強制的に挿入されて金属管の外径が拡張される拡管加工が行われる。これにより、金属管がフィン材に固着される。その結果、クロスフィンチューブタイプの熱交換器が得られる。金属管としては、銅管あるいはアルミニウム管等が用いられている。
近年、家電製品の小型化、高性能化、高信頼性化、低コスト化がさらに求められている。そして、熱交換器に用いられる金属管においても、従来以上の高信頼性および低コスト化が要求されている。信頼性向上のためには、金属管内の残留油を少なくする必要がある。また、低コスト化のためには加工時に使用される潤滑油量を低減させる必要がある。
そこで、拡管加工の際には、拡管冶具と金属管との摩擦を低減しつつ潤滑油量を少なくするために、高粘度の潤滑油が用いられていた。拡管加工後の金属管内に付着した潤滑油は、揮発させて除去される。しかし、一般的に粘度の高い潤滑油は揮発性に劣る。そのため、除去工程においても潤滑油が十分に除去されず、金属管内に残留するおそれがあった。その結果、熱交換器の信頼性が低下するおそれがあった。また、コスト低減のために潤滑油量が減らされると、拡管冶具と金属管とが焼付くおそれがあった。その結果、拡管加工を行うことができなくなるおそれがあった。
そこで、ダイヤモンドライクカーボン(以下、適宜「DLC」という)皮膜を形成した拡管治具を用いることにより、拡管加工に使用する潤滑油量の低減を図る技術が開発されている(特許文献1参照)。
また、DLC膜を用いたその他の技術としては、摺動部材の表面にDLC膜を形成する技術(特許文献2参照)や、被加工面との当接面にDLC膜等の硬質炭素被膜を備えた転造加工用工具に関する技術が開発されている(特許文献3参照)。
特開2008−093713号公報 特開2012−007199号公報 特開2005−066700号公報
しかしながら、どのようなDLC膜が拡管プラグに適しているかはこれまで明かにされていない。したがって、DLC膜を形成した拡管プラグを用いても、必ずしも拡管荷重を充分に低くすることはできていない。特に、アルミニウム管のような金属管は、摩擦抵抗が大きいため、拡管加工時における拡管荷重が大きくなりやすい。そのため、潤滑油を使用していても、拡管プラグと金属管との摩擦が大きくなり、金属の摩耗粉が発生するおそれがある。そして、この摩耗粉が拡管プラグに凝着すると、拡管荷重がさらに高くなるという悪循環を引き起こすとともに、拡管プラグの寿命が低下する。そこで、DLC膜を備えた拡管プラグの更なる改良が望まれている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、少量の潤滑油でも拡管荷重を充分かつ確実に小さくすることができると共に、金属摩耗粉の凝着を充分かつ確実に抑制することができ、さらに耐久性に優れた拡管プラグ、及びこれを用いた金属管の加工方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、金属管内に該金属管の内径よりも大きな外径を有する拡管プラグを強制的に挿入して上記金属管の外径を拡張させるために用いられる拡管プラグであって、
該拡管プラグは、プラグ本体部と、該プラグ本体部の表面に被覆された下地層と、該下地層上に被覆されたダイヤモンドライクカーボン膜とを有し、
上記下地層は、Si、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wから選ばれる1種または2種以上からなり、
上記ダイヤモンドライクカーボン膜中の水素原子数の割合AH(atm%)と炭素原子数の割合AC(atm%)との比AH/ACが、平均で0.03以上かつ0.15以下であり、
上記ダイヤモンドライクカーボン膜のラマンスペクトルにおけるGバンドのピーク強度PIGとDバンドのピーク強度PIDとの比PIG/PIDが3未満であることを特徴とする拡管プラグにある。
本発明の他の態様は、金属管内に上記拡管プラグを強制的に挿入して上記金属管の外径を拡張させる金属管の拡管方法であって、
上記金属管と上記拡管プラグとの間に、温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである潤滑油を存在させた状態で上記金属管の拡管を行うことを特徴とする金属管の拡管方法にある。
上記拡管プラグは、その表面に、AH/AC及びPIG/PIDが上記特定の範囲にあるDLC膜を有している。即ち、上記拡管プラグにおいては、DLC膜の組成(H原子数割合とC原子数割合との比AH/ACの平均)及び構造(ラマンスペクトルにおけるGバンドとDバンドとのピーク強度比PIG/PID)が上記特定の範囲に制御されている。このような組成及び構造を有するDLC膜を備えているため、上記拡管プラグは、少量の潤滑油でも拡管加工における拡管荷重を充分かつ確実に小さくすることができる。また、上記拡管プラグは、拡管加工における金属摩耗粉の凝着を充分かつ確実に抑制することができる。また、上記DLC膜は、耐久性に優れており、拡管プラグの耐久性を向上させることができる。
また、上記拡管プラグは、プラグ本体部とDLC膜との間に、上記特定成分からなる下地層を有している。該下地層の存在により、上記拡管プラグにおけるDLC膜の密着性が向上している。そのため、DLC膜がプラグ本体部から剥がれ難い。それ故、拡管プラグは、DLC膜が有する上述の性能を充分に発揮することができる。
また、上記金属管の拡管方法においては、上記特定のDLC膜及び下地層を有する上述の拡管プラグが用いられている。そのため、金属管と拡管プラグとの間に、温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである低粘度の潤滑油を少量用いても、拡管時における拡管荷重を充分かつ確実に小さくすることができると共に、金属摩耗粉の凝着を充分かつ確実に抑制することができる。
また、拡管プラグのDLC膜は耐久性にも優れているため、長期間安定して金属管の拡管を行うことが可能になる。
実施例における、金属管の拡管加工において金属管内に拡管プラグを挿入した状態を断面にて示す説明図。 実施例における、拡管プラグの表面近傍における断面構造を示す説明図。 実施例における、DLC膜の分析深さに対する水素と炭素の原子数割合のグラフの一例を示す説明図。 実施例における、DLC膜のラマンスペクトルの一例を示す説明図。 熱交換器の構成の一例を示す説明図。
次に、上記拡管プラグ及び上記拡管方法の好ましい実施形態について説明する。
上記拡管プラグは、プラグ本体部と、該プラグ本体部の表面に形成された下地層と、該下地層上に形成されたDLC膜とを有する。
プラグ本体部の材質としては、例えば、超硬合金、SKD11(工具鋼)等を用いることができる。
拡管プラグは、表面に、金属管の径を大きくするための斜面又は曲面を有している。具体的には、拡管プラグは、金属管の内面との接触領域において、一般に、進行方向の先端側から後方に向けて外径が大きくなる領域を有する。より具体的には、拡管プラグは、例えば球形状、楕円球形、弾丸形状、多角錐形状、円錐形状、又は外形の少なくとも一部にテーパ領域を設けた円柱形状等により構成することができる。一般に、拡管プラグの最大径が拡管後の金属管の内径となる。したがって、拡管プラグの最大径は、金属管の内径に応じて適宜設定することができる。拡管プラグの最大径は、例えば3〜12mmの範囲に設定することができる。プラグ本体部の形状も拡管プラグの形状と同様である。
また、上記下地層は、Si、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wから選ばれる1種または2種以上からなる。好ましくは、Si、Cr、Wから選ばれる1種又は2種以上からなることがよい。これらは工業的に入手が容易である。また、これらのうちSiは、DLC膜を構成するCと構造が似ている。そのため、少なくともSiを含む下地層はDLC膜との親和性が高い。その結果、下地層とDLC膜との密着性をより高めることができる。また、W及びCrは、プラグ本体を構成する上述の材質に含まれていることが多い。そのため、少なくともW又はCrを含有する下地層は、プラグ本体との親和性が高い。その結果、下地層とプラグ本体との密着性をより高めることができる。下地層は、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等の物理蒸着法により形成することができる。また、下地層は、化学蒸着法により形成することもできる。
下地層の厚さは、例えば0.5〜5μmである。
DLC膜とプラグ本体部との間に下地層があると、プラグ本体部とDLC膜との密着性がより向上する。DLC膜は、外力を受けると剥離し易いという傾向がある。しかし、上記のように、下地層があるとDLC膜にかかる応力が緩和され、DLC膜が剥離し難くなる。また、DLC膜と下地層との間には、両者の構成成分が互いに拡散した拡散部が存在していてもよい。この場合には、下地層とDLC膜との密着性がさらに向上する。DLC膜の剥離しやすさは、実施例において後述する臨界荷重により測定することができる。臨界荷重は150gf以上であることが好ましく、500gf以上であることがより好ましい。
また、DLC膜は、DLC処理により形成することができる。DLC処理には、大別して化学蒸着法(CVD法)と物理蒸着法(PVD法)の2種類が存在する。
これらのうちCVD法を用いると、厚みが均一なDLC膜を形成することができる。
また、PVD法としては、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。PVD法によってDLC処理を行う場合には、原料として、炭化水素原料だけでなく固体炭素原料を用いることができる。そのため、DLC膜中の水素量が例えば0〜15atm%程度になり、硬質なDLC膜の形成が可能になる。
拡管プラグにおいては、DLC膜中の水素原子数の割合及び炭素原子数の割合をそれぞれAH(atm%)及びAC(atm%)とすると、これらの比AH/ACが平均で0.03以上かつ0.15以下である。
H/ACが0.03未満の場合には、DLC膜中に含まれる水素が少なくなり、DLC膜中の炭素同士がsp2混成軌道やsp3混成軌道を形成し、炭素間の結合が強固になる。そのため、DLC膜の硬度が高くなり過ぎて、拡管加工時にDLC膜にかかる外力によりDLC膜が割れてしまうおそれがある。また、この場合には、拡管荷重が大きくなり、金属管と拡管プラグとの摩擦が大きくなり金属摩耗粉が拡管プラグに凝着し易くなるおそれがある。AH/ACは、好ましくは0.033以上がよく、より好ましくは0.035以上がよい。一方、AH/ACが0.15を超える場合には、DLC膜中に含まれる水素が多くなる。そのため、DLC膜中の炭素と水素とが結合し、潤滑油が吸着できる炭素が少なくなる。それ故、潤滑油がDLC膜中の炭素原子に吸着し難くなる。その結果、DLC膜の表面で潤滑油が濡れ広がり難くなり、潤滑油を用いて拡管を行う際に局所的な油切れが起きやすくなる。また、この場合には、炭素同士のsp2混成軌道が不規則になりやすい。そのため、DLC膜の硬度が小さくなり、DLC膜が摩耗しやすくなる。その結果、拡管プラグの寿命が低下するおそれがある。さらに、AH/ACが大きい場合には、炭素の不対電子が少なくなる。そのため、例え油性剤を含有する潤滑油を用いても、油性剤がDLC膜に吸着しにくくなる。それ故、例え潤滑油に油性剤を添加したとしても油性剤の効果が小さくなる。AH/ACは、好ましくは0.08以下がよく、より好ましくは0.05以下がよい。
DLC膜のAH/ACは、DLC膜の製造条件を調整することにより制御することができる。即ち、例えば原料ガスの組成、成膜時のバイアス電圧、蒸着方法等を調整することにより、AH/ACを制御することができる。
具体的には、原料ガスである例えば炭化水素の水素含有量を増やすと、AH/ACを大きくすることができる。例えば、メタンを用いた場合には、アセチレンを用いた場合よりもAH/ACを大きくすることができる。また、原料として例えば黒鉛を用いると、AH/ACを小さくすることができる。
また、成膜時のバイアス電圧を高くするほどAH/ACを小さくすることができる。
また、上述のPVD法は、成膜原料として固体の炭素を使うことができる。そのため、PVD法により得られるDLC膜は、CVD法により得られるDLC膜よりもAH/ACを小さくすることができる。
DLC膜中の水素原子数の割合AH(atm%)及び炭素原子数の割合AC(atm%)は、DLC膜のグロー放電発光分光分析により測定することができる。
グロー放電発光分光分析により測定された値に基づいたAH/ACが上述のごとく平均で0.03以上かつ0.15以下のDLC膜を有する拡管プラグを用いることにより、拡管荷重の低下及び金属摩耗粉の凝着抑制がより確実に実現されうる。
また、DLC膜のラマンスペクトルにおけるGバンドのピーク強度及びDバンドのピーク強度をそれぞれPIG及びPIDとすると、これらの比PIG/PIDが3未満である。
PIG/PIDが3以上の場合には、DLC膜の硬度が高くなり過ぎて、加工条件によっては拡管加工時にDLC膜が割れるおそれがある。また、この場合には、拡管荷重が大きくなり、金属管と拡管プラグとの摩擦が大きくなる。そのため、金属摩耗粉が拡管プラグに凝着し易くなるおそれがある。PIG/PIDは、好ましくは2.5以下がよく、より好ましくは2以下がよい。また、PIG/PIDが小さくなりすぎると、DLC膜の硬度が低くなり、DLC膜が摩耗しやすくなる。かかる観点から、PIG/PIDは、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.7以上がさらに好ましい。
DLC膜のPIG/PIDは、DLC膜の製造条件を調整することにより制御することができる。即ち、例えば原料ガスの組成、成膜時のバイアス電圧、蒸着方法等を調整することにより、PIG/PIDを制御することができる。
具体的には、DLC膜の製造時に、例えばH及びC以外の第三成分元素(例えばSi等)を含む物質を原料ガスに混合することにより、PIG/PIDを大きくすることができる。また、成膜時のバイアス電圧を高くすると水素濃度が低くなるため、DLC膜の密度が高くなる。その結果、PIG/PIDを小さくすることができる。
DLC膜の厚さは例えば0.1〜5μmである。
拡管プラグ用のDLC膜としては、板状の基材上に形成したDLC膜に2μlのイソパラフィン又はα−オレフィンをしてから上記イソパラフィン又は上記α−オレフィンが直径15mmに広がるまでに要する時間が80秒以内となる膜が採用されていることが好ましい。
即ち、この場合には、イソパラフィン又はα−オレフィンを主成分とする安価な潤滑油に対するDLC膜の濡れ広がり性が優れている。そのため、安価な潤滑油を少量用いて拡管加工を行っても拡管荷重を充分に低くし、金属摩耗粉の凝着を充分に抑制することができる。
上記金属管としては、アルミニウム管、アルミニウム合金管、銅管等がある。
好ましくは、上記金属管は、アルミニウム管又はアルミニウム合金管であることがよい。
この場合には、拡管荷重を小さくし、金属摩耗粉の凝着を抑制し、耐久性に優れるという上記拡管プラグの優れた作用効果をより際立たせることができる。
即ち、一般に、アルミニウム管及びアルミニウム合金管は、摩擦係数が大きい。そのため、拡管加工時に拡管荷重が大きくなり、潤滑油を使用していても、拡管プラグと金属管との摩擦が大きくなり、金属の摩耗粉が発生するおそれがある。上記拡管プラグを用いることにより、これらの問題を回避することができる。
上記アルミニウム管、アルミニウム合金管としては、例えば、JIS H 4080(2006年)に規定されるA1070、A1050、A1100、A1200、A3003、A3203、A5052、A5056、A5083、A6061、A6063等のアルミニウム又はアルミニウム合金からなる管を用いることができる。
上記金属管には、内面に直線状、螺旋状等の種々の凹凸が形成されていてもよい。この場合の金属管の内径は、凸部に内接する円の直径となる。
上記拡管プラグは、温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである潤滑油を上記金属管の少なくとも内周面に存在させた状態で用いることができる。
潤滑油の動粘度が0.5cSt未満の場合には、潤滑性が不足するおそれがある。潤滑油の動粘度は、より好ましくは1cSt以上がよい。一方、潤滑油の動粘度が20cStを超える場合には、拡管加工後に潤滑油の除去を行っても潤滑油を十分に除去することが困難になる。その結果、金属管内における残油量が増加するおそれがある。潤滑油の動粘度は、より好ましくは5cSt以下がよく、さらに好ましくは4cSt以下がよく、さらにより好ましくは3cSt以下がよい。
上記拡管プラグは、プレート状のフィン材に設けた貫通穴内に配置した冷媒配管用の上記金属管内に挿入するために用いられる。より具体的には、例えば次のようにして用いることできる。まず、プレート状のフィン材に設けた貫通穴内に、冷媒配管用の金属管が挿入される。次いで、金属管の内径よりも大きな外径を有する拡管プラグが金属管内に強制的に挿入される。これにより、金属管の外径が拡張され、貫通穴の内壁と金属管の外側面とが嵌合する。即ち、拡管プラグは、例えば冷媒配管用の金属管とフィン材との嵌合に用いられえる。この場合には、例えば、図5に示すように、金属管2とフィン材4とを嵌合して、熱交換器5を作製することができる。また、少ない潤滑油量で、金属管2の拡管が可能になり、低コストでの拡管が可能になる。また、拡管加工後の金属管2内の残留油が減少する。これにより、熱交換器5における高信頼性及び低コスト化の要求に応えることができる。
上記金属管の拡管方法においては、上記金属管と上記拡管プラグとの間に、上述のように温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである潤滑油を存在させた状態で上記金属管の拡管を行うことができる。温度40℃における潤滑油の動粘度は、10cSt以下であることが好ましく、5cSt以下であることがより好ましく、3cSt以下であることがさらに好ましい。
具体的には、例えば鉱油系炭化水素、α−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンから選ばれる1種以上を基油(主成分)として含有する潤滑油を用いることができる。また、上記基油には、必要に応じてさらに油性剤を添加することができる。油性剤の添加量は、例えば1〜30wt%である。なお、α−オレフィン、イソパラフィン、ポリブテンとしては、炭素数が10〜18のものを用いることができる。また、油性剤としては、例えば高級アルコール、合成エステル、脂肪酸、油脂から選ばれる1種以上を用いることができる。
潤滑油としては、上記動粘度範囲を満足すれば、入手可能な拡管加工用の潤滑油を用いることができる。より具体的には例えば特開2008−093713号公報に開示された潤滑油などを用いることができる。
上記潤滑油の主成分は、イソパラフィン又はα−オレフィンであることが好ましい。
この場合には、潤滑油が安価になり、金属管の拡管コストを下げることができる。イソパラフィン及びα−オレフィンとしては、例えば炭素数10〜18のものを用いることができる。また、この場合には、上記拡管プラグの表面に形成されたDLC膜に対する上記潤滑油との濡れ広がり性が優れるため、潤滑油量のより一層の低減化を図ることができる。
(実施例1)
本例においては、拡管プラグ、及びこれを用いた金属管の拡管方法の実施例及び比較例について説明する。
図1に示すごとく、本例の拡管プラグ1は、金属管2内に強制的に挿入して金属管2の外径を拡張させるために用いられる。拡管プラグ1の外径D(最大径)は、金属管2の内径dよりも大きくなっている。図2に示すごとく、拡管プラグ1は、プラグ本体部10と、その表面に被覆された下地層11と、その上に被覆されたDLC膜12とを有する。また、本例においては、下地層を有さず、プラグ本体部の表面に直接被覆されたDLC膜を有する比較用の拡管プラグも用いる(図示略)。
本例においては、プラグ本体部10は弾丸形状であり、図1に示すごとく拡管プラグ1も弾丸形状である。拡管プラグ1には、これを金属管2内に侵入させるために拡管プラグ1から延設された拡管プラグ1よりも小径の軸部19が設けられている。軸部19は、拡管プラグ1にロウ付けされている。
本例においては、拡管プラグ1として6種類の拡管プラグ(試料P1〜P6)を準備した(後述の表1参照)。これらの拡管プラグ1のプラグ本体部10はいずれも超硬合金からなる。超硬合金は、タングステンカーバイドとコバルトとを含有する。
また、試料P1、P2、P4、P5、及びP6においては、プラグ本体部10の外周表面に、下地層11が被覆されており、この下地層11上にDLC膜12が被覆されている(図2参照)。各試料について、下地層を構成する成分を後述の表1に示す。一方、試料P3においては、下地層がなく、プラグ本体部の外周表面に直接DLC膜が被覆されている(図示略)。
各試料の拡管プラグについて、AH/AC及びPIG/PIDを次のようにして算出した。
<AH/ACの算出>
H/ACは、グロー放電発光分光分析(GD−OES分析)により測定した。
各試料のDLC膜について、グロー放電発光分析装置(RIGAKU社製の「GDA750」)を用いて、DLC膜の深さ方向に分析を行った。分析条件は、電力:25W、アルゴンガス圧:3.5hPa、アノード径:2.5mmφ、サンプリングレート:5msとした。スパッタリングレートが一定であると仮定して、分析終了後の到達深さの実測値と分析時間から、分析深さに対する水素(H)と炭素(C)の原子数割合のグラフを作成した。その一例として、試料P3の結果を図3に示す。
分析結果から炭素原子数割合の最大値(ACmax)及び最小値(ACmax)の平均値を算出し、この平均値を炭素の半減値(AChalf)とした(図3参照)。炭素の半減値(AChalf)を与えるまでの深さを、DLC膜の厚さ(T)とした。また、深さ方向における測定点ごとに、水素原子数の割合及び炭素原子数の割合から下記の式(1)にてAH/ACを算出し、DLC膜中のAH/ACの平均値を求めた。各試料におけるDLC膜のAH/ACの平均値を後述の表1に示す。
H/AC=DLC膜中の水素原子数の割合/DLC膜中の炭素原子数の割合・・・式(1)
<PIG/PIDの算出>
PIG/PIDの算出は、ラマン分光分析法により行う。
まず、ラマン分光測定装置(日本電子株式会社製の「NRS−1000」)を用いて、DLC膜のラマンスペクトルを得た。励起光源としては、波長534nmの緑色レーザーを用いた。その一例として、試料P3のDLC膜のラマンスペクトル3を図4に示す。同図において、横軸は波数(cm-1)を示し、縦軸は強度を示す。
得られたラマンスペクトルから、Gバンド31のピークPI及びDバンド32のピークPIDを分離した(図4参照)。各ピークの分離は、株式会社ライトストーン製の分析ソフトウェア「Origin8.6」を用いて、ピーク数:2、ピーク関数:ガウス関数という条件にて行った。また、Gバンド31及びDバンド32のピーク強度は、ピーク分離により得られた各ピークのベースラインを0とし、Gバンド31のピークトップまでの高さをGバンドのピーク強度PIGとし、Dバンド32のピークトップまでの高さをDバンドのピーク強度PIDとした。そして、これらの比を式(2)から算出した。各試料のDLC膜のPIG/PIDの値を後述の表1に示す。
PIG/PID=G−bandのピーク強度PIG/D−bandのピーク強度PID・・・式(2)
また、各試料の拡管プラグに形成したDLC膜について、下記のようにして濡れ広がり性の評価を行った。
<濡れ広がり性>
各試料のDLC膜と同条件で平板上に成膜したDLC膜を準備した。この平板上に形成したDLC膜は、各試料のDLC膜と同じ組成及び構造を有するものである。次いで、平板上に形成したDLC膜上に、シリンジを用いてイソパラフィン(JX日鉱日石エネルギー株式会社製の「アイゾール400」)を2μl滴下した。滴下は、シリンジの先端をDLC膜上に接地して行った。そして滴下直後からイソパラフィンがDLC膜上で直径が15mmに広がるまでの時間(s)を測定し、これを濡れ広がり性の評価結果とした。その結果を後述の表1に示す。
なお、DLC膜上においてイソパラフィンは円が均等にその直径を拡大するように広がっていくため、滴下点から7.5mm離れた位置に滴下点を挟んで対向する2本の線を引き、両方の線に到達するまでの時間(s)を計測することにより、濡れ広がり性の評価を簡便に行うことができる。
また、各試料の拡管プラグに形成したDLC膜について、下記のようにして臨界荷重を測定した。
<臨界荷重>
臨界荷重は、スクラッチ試験により測定した。
スクラッチ試験は、ヘイドン摩擦試験機(新東科学株式会社製の「HHS−2000」)を用いて行った。具体的には、表面を鏡面に研磨した超硬平板上に成膜したDLC膜上にダイヤモンド圧子を載せ、0〜1000gfの範囲で連続的にDLC膜にかかる荷重を増加させながらダイヤモンド圧子を各試料のDLC膜上で摺動させた。このとき、摺動痕を観察し、各試料の超硬の露出が始まったときの荷重を測定し、これを臨界荷重(gf)とした。その結果を表1に示す。
Figure 2014077382
次に、表1に示す各試料P1〜P6の拡管プラグをそれぞれ用いて、金属管の拡管加工を行い、拡管荷重を測定すると共に、拡管プラグへの金属摩耗粉の凝着量を測定した。
本例においては、最大径φ6mmの拡管プラグ(試料P1〜P6)を用いて、外径7.0mm、内面ストレート溝付のJIS A3003のアルミニウム合金管(アルミニウム管)を作製する。アルミニウム管は、溝深さ(フィン高さ)が300μm、底肉厚(溝底から外周面までの肉厚)が475μm、条数が36条である。
具体的には、図1に示すごとく、アルミニウム管2の軸方向に伸びる複数のストレート溝(図示略)が内面21に形成されたアルミニウム管2をその軸方向が鉛直方向になるように固定した。そして、潤滑油を鉛直方向の上方から下方へ向けて供給し、アルミニウム管2の内面21に潤滑油を供給した。潤滑油の組成を表2に示す。
次いで、アルミニウム管2内に拡管プラグ1(試料P1〜P6)を挿入し、軸部19に所定の荷重をかけて拡管プラグ1を鉛直方向の上方から下方へ軸方向に進行させて、アルミニウム管2の拡管加工を行った。アルミニウム管2内における拡管プラグ1の移動速度(拡管速度)は、50mm/minとした。本例においては、上記の表1に示す5種類の拡管プラグ(試料P1〜P6)と、下記の表2に示す3種類の潤滑油(試料L1〜試料L3)とを組み合わせて、後述の表3に示す7種類の拡管加工(試験例1〜試験例8)を行った。
Figure 2014077382
<拡管荷重>
拡管荷重の評価においては、1mlの潤滑油を用いて上述の拡管加工(試験1〜試験8)を行った。そして、拡管加工中にアルミニウム管内における拡管プラグの移動距離が50〜100mmであるときに、拡管に必要な平均荷重を測定し、これを拡管荷重(kgf)とした。その結果を表3に示す。
<摩耗粉の凝着量>
拡管荷重と同様の条件で、アルミニウム管の拡管加工を行った。そして、アルミニウム管を100mm拡管したときにおける、拡管プラグに凝着したアルミニウム摩耗粉の量を測定した。具体的には、拡管プラグの凝着物をマイクロスコープで50倍に拡大し、画像解析ソフト(株式会社ニレコ製の「LUZEX_AP ver1.43」)を用いて、摩耗粉の凝着面積(mm2)を測定し、この凝着面積を摩耗粉の凝着量(mm2)とした。その結果を表3に示す。
また、各試料P1〜P6の拡管プラグに形成したDLC膜について、下記のようにして摩耗性を評価した。
<摩耗性>
DLC膜の摩耗性は、ピンオンディスク試験により評価した。
まず、表面を鏡面研磨した超硬ディスク上に、上述の各試料P1〜P6のDLC膜とそれぞれ同条件でDLC膜を成膜した。ディスク上に形成したDLC膜は、上述の各試料のDLC膜と同じ組成及び構造を有するものである。
次いで、ピンオンディスク試験用のピンとして、直径φ5×長さ10mmのA3003製のアルミピンを3本準備し、その片側の先端をR2.5の曲面とした。ピンの曲面側をディスク上に形成したDLC膜に当接し、潤滑油(試料L1〜L3)を供給しながらディスクを回転させてDLC膜上でピンオンディスク試験装置のピンを摺動させた。このとき、ディスクの回転数を250rpm、回転半径(ディスクの中心からピンの中心までの距離)を22.5mmとし、摺動時間を100分とした。
このようにして、各試料のDLC膜について、ピンオンディスク試験を行った。100分間の摺動中に急激に摩擦係数が上昇した試料(ディスク)については、摩擦係数の上昇時に摺動を停止し、試料の表面を光学顕微鏡にて観察し、DLC膜の摩耗の有無を確認した。摩耗係数が上昇した試料は、いずれもDLC膜の摩耗が観察されたため、摩擦係数が上昇したときの時間を摩耗性の評価時間(min)とした。また、100分間の摺動中に摩擦係数が上昇しなかった試料については、100分間の摺動後に試料の表面を光学顕微鏡にて観察し、DLC膜の摩耗の有無を確認した。摩擦係数が上昇しなかった試料は、いずれもDLC膜の摩耗が観察されなかったため、摩耗性が良好であると判断し、摩耗性の評価結果を「>100(min)」とした。その結果を後述の表3に示す。
Figure 2014077382
表1〜表3より知られるごとく、下地層を有し、その上にAH/ACが平均で0.03以上かつ0.15以下であり、PIG/PIDが3未満であるDLC膜が形成された拡管プラグ(試料P2、試料P6)を用いると、少量の潤滑油でも拡管荷重を充分かつ確実に小さくすることができると共に、金属摩耗粉の凝着を充分かつ確実に抑制することができる(試験例2、試験例6,試験例7、及び試験例8参照)。また、上記特定のDLC膜は耐摩耗性に優れているため、このようなDLC膜が形成された拡管プラグ(試料P2、試料P6)は、耐久性に優れる。なお、試料P2及び試料P6が実施例にかかる拡管プラグであり、その他の試料は比較例にかかる拡管プラグである。また、試験例2、試験例6,試験例7、及び試験例8が実施例にかかる拡管方法であり、その他の試験例は比較例にかかる拡管方法である。

Claims (8)

  1. 金属管内に該金属管の内径よりも大きな外径を有する拡管プラグを強制的に挿入して上記金属管の外径を拡張させるために用いられる拡管プラグであって、
    該拡管プラグは、プラグ本体部と、該プラグ本体部の表面に被覆された下地層と、該下地層上に被覆されたダイヤモンドライクカーボン膜とを有し、
    上記下地層は、Si、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wから選ばれる1種または2種以上からなり、
    上記ダイヤモンドライクカーボン膜中の水素原子数の割合AH(atm%)と炭素原子数の割合AC(atm%)との比AH/ACが、平均で0.03以上かつ0.15以下であり、
    上記ダイヤモンドライクカーボン膜のラマンスペクトルにおけるGバンドのピーク強度PIGとDバンドのピーク強度PIDとの比PIG/PIDが3未満であることを特徴とする拡管プラグ。
  2. 上記ダイヤモンドライクカーボン膜中の上記水素原子数の割合及び上記炭素原子数の割合は、上記ダイヤモンドライクカーボン膜のグロー放電発光分光分析により測定された値であることを特徴とする請求項1に記載の拡管プラグ。
  3. 板状の基材上に形成したダイヤモンドライクカーボン膜に、2μlのイソパラフィン又はα−オレフィンを滴下してから上記イソパラフィン又は上記α−オレフィンが直径15mmに広がるまでに要する時間が80秒以内となる膜が上記拡管プラグ用の上記ダイヤモンドライクカーボン膜として用いられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡管プラグ。
  4. 上記金属管は、アルミニウム管又はアルミニウム合金管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡管プラグ。
  5. 温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである潤滑油を上記金属管の少なくとも内周面に存在させた状態で用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の拡管プラグ。
  6. プレート状のフィン材に設けた貫通穴内に配置した冷媒配管用の上記金属管内に挿入するために用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡管プラグ。
  7. 金属管内に請求項1〜6のいずれか1項に記載の拡管プラグを強制的に挿入して上記金属管の外径を拡張させる金属管の拡管方法であって、
    上記金属管と上記拡管プラグとの間に、温度40℃における動粘度が0.5〜20cStである潤滑油を存在させた状態で上記金属管の拡管を行うことを特徴とする金属管の拡管方法。
  8. 上記潤滑油の主成分は、イソパラフィン又はα−オレフィンであることを特徴とする請求項7に記載の金属管の拡管方法。
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