JP2008091249A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温放置時の電池の膨れを充分に抑制することができるとともに、放電容量が良好であり、極板の高密度化が可能であり、電池の高エネルギー密度化を達成することができる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】負極4は、黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有する。黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)は0.3370nm未満であり、炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3650nm以上である。
【選択図】図1
【解決手段】負極4は、黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有する。黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)は0.3370nm未満であり、炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3650nm以上である。
【選択図】図1
Description
本発明は、正極、負極及び電解質を備え、高エネルギー密度を有し、かつ、高温下での電池の膨れの抑制が図られる非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ等の携帯可能な電子機器の高性能化、小型軽量化が進んでおり、これらの電子機器に使用される電池に対して、高エネルギー密度化が要求されている。このような要求を満たす非水電解質二次電池として、リチウムイオン電池が挙げられる。
前記非水電解質二次電池の負極活物質である黒鉛質炭素材料の粒子表面に、炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3650nm以上である難黒鉛化性炭素材料を被覆することで、負極活物質と非水電解質との反応が抑制され、さらに難黒鉛化性炭素材料の特徴である、ガスを吸収できるという性質により、高温放置特性等の電池性能を向上させることができる。
しかしながら、現時点では、黒鉛質炭素材料への難黒鉛化性炭素材料の被覆は、黒鉛質炭素材料と難黒鉛化性炭素材料前駆体とを混合して焼成する等の限られた製造方法によりなされており、これらの製造方法では、粒子表面を均一に被覆できないという問題があった。
以上の背景から、現時点で、黒鉛質炭素材料の粒子表面を難黒鉛化性炭素材料で完全に被覆しようとする場合は、結果的に大量の難黒鉛化性炭素材料を使用することになる。
その結果、得られた負極活物質は、硬質で、電気化学的に初期不可逆容量が大きいという難黒鉛化性炭素材料由来の性質を強く引き継ぐことになり、この負極活物質を用いた場合、電池の高エネルギー密度化を実現することができないという問題があった。
また、電池の高エネルギー密度化を達成するために、難黒鉛化性炭素材料の被覆量を少なくすると、黒鉛質炭素材料の粒子表面を完全に被覆することができないために、負極活物質と電解質との反応性を抑制することができず、高温放置特性等の電池性能を向上させることができなかった。
以上の背景から、現時点で、黒鉛質炭素材料の粒子表面を難黒鉛化性炭素材料で完全に被覆しようとする場合は、結果的に大量の難黒鉛化性炭素材料を使用することになる。
その結果、得られた負極活物質は、硬質で、電気化学的に初期不可逆容量が大きいという難黒鉛化性炭素材料由来の性質を強く引き継ぐことになり、この負極活物質を用いた場合、電池の高エネルギー密度化を実現することができないという問題があった。
また、電池の高エネルギー密度化を達成するために、難黒鉛化性炭素材料の被覆量を少なくすると、黒鉛質炭素材料の粒子表面を完全に被覆することができないために、負極活物質と電解質との反応性を抑制することができず、高温放置特性等の電池性能を向上させることができなかった。
特許文献1には、黒鉛とハードカーボンの複合体(二層構造体)の表面を炭素焼成体でコーティングしたリチウム二次電池用の負極炭素材の発明が開示されている。黒鉛の炭素網面層の平均層間距離(d002)は0.338nm以下であり、ハードカーボンの炭素網面層の平均層間距離は0.360nm以下である。
特許文献2には、黒鉛粒子の周りにSi及び炭素を含有し、これらが非晶質炭素膜で被覆された負極炭素材の発明が開示されている。黒鉛の炭素網面層の平均層間距離は0.337nm以下であり、非晶質炭素膜の炭素網面層の平均層間距離は0.370nm以上である。
特許文献3には、黒鉛質芯材と、黒鉛質芯材を被包する黒鉛質被覆材とからなる複層粒子及び/又は該複層粒子が集合して形成される複合粒子からなり、複層粒子及び複合粒子は外側表面に黒鉛質表層を有し、結晶性は、黒鉛芯材>黒鉛質被覆材>黒鉛質表層の順に低くした負極材料の発明が開示されている。黒鉛芯材の炭素網面層の平均層間距離は、0.3358nm以下であり、黒鉛質被覆材の炭素網面層の平均層間距離は、0.3365nm以下である。
特許文献4には、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を含む粒子を複数含む複合粒子と、該複合粒子を覆い、導電性を有する炭素材料を含む被覆層と、該被覆層を覆い、難黒鉛化性炭素材料を含む層とを備える非水電解質二次電池の負極材料の発明が開示されている。
特開平11−246209号公報
特開2002−255529号公報
特開2003−173778号公報
特開2005−158721号公報
特許文献1に記載された発明においては、ハードカーボン特有の粒子内に存在する空隙及び開孔を炭素焼成体が塞いでしまうために、ハードカーボンによるガス吸収効果が発揮されないという問題がある。
特許文献2に記載された発明においては、非晶質炭素膜(難黒鉛化性炭素材料)で粒子全体を覆うためには非晶質炭素膜の被覆量が必然的に多くなってしまい、極板の高密度化が不可能となり、また、電気化学的にも不可逆容量が大きくなるために、電池の高エネルギー密度化を達成することができないという問題がある。
特許文献2に記載された発明においては、非晶質炭素膜(難黒鉛化性炭素材料)で粒子全体を覆うためには非晶質炭素膜の被覆量が必然的に多くなってしまい、極板の高密度化が不可能となり、また、電気化学的にも不可逆容量が大きくなるために、電池の高エネルギー密度化を達成することができないという問題がある。
特許文献3に記載された発明においては、最外層が難黒鉛化性炭素ではなく、黒鉛質炭素材料からなるので、負極材料と非水電解質との反応を抑制し、ガスを吸収して電池の膨れを抑制するという効果が得られないという問題がある。
特許文献4に記載された発明においては、被覆される難黒鉛化性炭素材料の炭素網面層の層間距離を規定していないために、特定の層間距離の構造においてのみ特に有効と考えられる電池内におけるガスの吸収効果が充分に発揮されないという問題がある。
難黒鉛化性とは、常圧下における加熱過程による構造変化の性質を示すものであり、同じ難黒鉛化性炭素でも、その炭素網面層の層間距離、形態及び微細構造等は大きく異なる。そして、これらの物性により、リチウムイオンの吸蔵・放出反応、電池内におけるガスの吸収性能等の性質が大幅に変化する。従って、特定の炭素網面層の層間距離を有しない難黒鉛化性炭素材料においても、その結晶性が低いために電解質との反応性を抑制する効果は発揮されるが、電池内におけるガス吸収の効果は発揮されない。
特許文献4に記載された発明においては、被覆される難黒鉛化性炭素材料の炭素網面層の層間距離を規定していないために、特定の層間距離の構造においてのみ特に有効と考えられる電池内におけるガスの吸収効果が充分に発揮されないという問題がある。
難黒鉛化性とは、常圧下における加熱過程による構造変化の性質を示すものであり、同じ難黒鉛化性炭素でも、その炭素網面層の層間距離、形態及び微細構造等は大きく異なる。そして、これらの物性により、リチウムイオンの吸蔵・放出反応、電池内におけるガスの吸収性能等の性質が大幅に変化する。従って、特定の炭素網面層の層間距離を有しない難黒鉛化性炭素材料においても、その結晶性が低いために電解質との反応性を抑制する効果は発揮されるが、電池内におけるガス吸収の効果は発揮されない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、負極が、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有し、黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm未満であり、炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離が0.3650nm以上であるように構成することにより、難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量である場合においても、負極活物質と電解質との反応性が抑制され、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れを充分に抑制することができるとともに、放電容量が良好であり、極板の高密度化が可能であり、電池の高エネルギー密度化を達成することができる非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、炭素材料(B)は、複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.2質量%以上20.0質量%以下であり、難黒鉛化性炭素材料(D)は、前記全質量に対する割合が0.5質量%以上10.0質量%以下である状態で複合化されるように構成することにより、負極活物質と電解質との反応が良好に抑制され、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れをさらに抑制することができるとともに、電池の放電容量がさらに良好になり、電池の高エネルギー密度化がさらに良好に達成される非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
そして、本発明は、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下であるように構成することにより、電池の放電容量がさらに良好であり、高温放置時の電池の膨れがさらに良好に抑制される非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
第1発明に係る非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能である正極及び負極と、電解質とを有する非水電解質二次電池において、前記負極は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有し、前記黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm未満であり、前記炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、前記難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3650nm以上であることを特徴とする。
ここで、黒鉛−炭素複合粒子(C)とは、黒鉛質炭素材料(A)の表面が炭素材料(B)により被覆された二層構造の粒子をいい、この粒子が二次粒子化したものも含む。なお、複合化の方法として後述する化学蒸着法を採用した場合、黒鉛質炭素材料(A)の表面は炭素材料(B)により略完全に被覆される。
また、複合粒子(E)とは、黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の少なくとも一部が難黒鉛化性炭素材料(D)により被覆された粒子をいい、この粒子が二次粒子化したものも含む。
本発明においては黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面を炭素材料(B)で覆っているため、難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量である場合においても、負極活物質と電解質との反応性が抑制されるとともに、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れを充分に抑制することができる。
また、黒鉛質炭素材料(A)が高結晶の黒鉛であり、黒鉛質炭素材料(A)への難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量に抑えられるため、極板の高密度化が可能であり、初期不可逆容量も大きくならずに、良好な放電容量を有し、電池の高エネルギー密度化を達成することができる。
また、複合粒子(E)とは、黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の少なくとも一部が難黒鉛化性炭素材料(D)により被覆された粒子をいい、この粒子が二次粒子化したものも含む。
本発明においては黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面を炭素材料(B)で覆っているため、難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量である場合においても、負極活物質と電解質との反応性が抑制されるとともに、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れを充分に抑制することができる。
また、黒鉛質炭素材料(A)が高結晶の黒鉛であり、黒鉛質炭素材料(A)への難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量に抑えられるため、極板の高密度化が可能であり、初期不可逆容量も大きくならずに、良好な放電容量を有し、電池の高エネルギー密度化を達成することができる。
第2発明に係る非水電解質二次電池は、第1発明において、前記炭素材料(B)は、前記複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.2質量%以上20.0質量%以下であり、前記難黒鉛化性炭素材料(D)は、前記全質量に対する割合が0.5質量%以上10.0質量%以下である状態で複合化されていることを特徴とする。
本発明においては、前記割合で炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)が複合化されているので、負極活物質と電解質との反応性が良好に抑制され、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れをさらに充分に抑制することができるとともに、電池の放電容量が大きくなり、電池の高エネルギー密度化がさらに良好に達成される。
第3発明に係る非水電解質二次電池は、第2発明において、前記複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下であることを特徴とする。
本発明においては、ピーク強度比(I1/I2)が0.2以上1.0以下であるので、高温放置時の電池の膨れがさらに良好に抑制され、電池の放電容量がさらに良好になり、電池のさらなる高エネルギー密度化を達成することができる。
第1発明によれば、負極が、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有し、黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm未満であり、炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離が0.3650nm以上であるので、難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量が少量である場合においても、負極活物質と電解質との反応性が抑制されるとともに、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れを充分に抑制することができる。そして、極板の高密度化が可能であり、放電容量が良好であり、電池の高エネルギー密度化を達成することができる。
第2発明によれば、炭素材料(B)は、複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.2質量%以上20.0質量%以下であり、難黒鉛化性炭素材料(D)は、前記全質量に対する割合が0.5質量%以上10.0質量%以下である状態で複合化されているので、負極活物質と電解質との反応性が良好に抑制され、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果により、高温放置時の電池の膨れをさらに抑制することができる。そして、電池の放電容量が大きくなり、さらなる電池の高エネルギー密度化を達成できる。
第3発明によれば、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下であるので、高温放置時の電池の膨れがさらに良好に抑制され、電池の放電容量がさらに良好になり、電池のさらなる高エネルギー密度化を達成できる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
本発明の非水電解質二次電池(以下、電池と称す)は、正極、負極及びセパレータと、非水電解質とを有する。
本発明の非水電解質二次電池(以下、電池と称す)は、正極、負極及びセパレータと、非水電解質とを有する。
(1)負極
本発明の電池の負極に含まれる負極活物質は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化してなる複合粒子(E)を含む。
そして、複合粒子(E)は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(以下、d002と記す)が0.3370nm未満、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上である。
本発明の電池の負極に含まれる負極活物質は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化してなる複合粒子(E)を含む。
そして、複合粒子(E)は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(以下、d002と記す)が0.3370nm未満、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上である。
黒鉛質炭素材料(A)
核となる黒鉛質炭素材料(A)としては、特に限定されるものではないが、タール、ピッチを原料とするメソフェーズ焼成炭素、メソフェーズ小球体、コークス類(生コークス、ピッチコークス、石油コークス、ニードルコークス等)等を黒鉛化したもの、人造黒鉛、天然黒鉛等の中で、高いリチウムイオンの吸蔵・放出量を有し、極板の高密度化が可能であるという観点から、d002が0.3370nm未満であるものを使用することができる。
これらの中でも、高いリチウムイオンの吸蔵・放出量を有し、極板の高密度化が可能である天然黒鉛を用いることが好ましい。
また、黒鉛質炭素材料(A)としては、複数の黒鉛粒子を造粒して、その形状を球状、楕円体状、塊状等の形状にした造粒粒子を用いることもできる。これらの中では、高密度の負極板を形成した際に、ハイレート性能等の電池性能が良好である、球状又は楕円体状の粒子形状を有する炭素材料を用いることが好ましい。
核となる黒鉛質炭素材料(A)としては、特に限定されるものではないが、タール、ピッチを原料とするメソフェーズ焼成炭素、メソフェーズ小球体、コークス類(生コークス、ピッチコークス、石油コークス、ニードルコークス等)等を黒鉛化したもの、人造黒鉛、天然黒鉛等の中で、高いリチウムイオンの吸蔵・放出量を有し、極板の高密度化が可能であるという観点から、d002が0.3370nm未満であるものを使用することができる。
これらの中でも、高いリチウムイオンの吸蔵・放出量を有し、極板の高密度化が可能である天然黒鉛を用いることが好ましい。
また、黒鉛質炭素材料(A)としては、複数の黒鉛粒子を造粒して、その形状を球状、楕円体状、塊状等の形状にした造粒粒子を用いることもできる。これらの中では、高密度の負極板を形成した際に、ハイレート性能等の電池性能が良好である、球状又は楕円体状の粒子形状を有する炭素材料を用いることが好ましい。
黒鉛質炭素材料(A)表面の炭素材料(B)による被覆
黒鉛質炭素材料(A)の表面を被覆する炭素材料(B)の被覆方法としては、化学蒸着法、又は、黒鉛質炭素材料(A)をピッチ等の炭素材料で被覆し、若しくは浸漬した後、不活性雰囲気下で熱処理を行う方法が挙げられる。これらの被覆方法の中では、少量の炭素材料(B)でも、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面の略全体を均一に被覆することができる化学蒸着法を用いることが好ましい。
黒鉛質炭素材料(A)の表面を被覆する炭素材料(B)の被覆方法としては、化学蒸着法、又は、黒鉛質炭素材料(A)をピッチ等の炭素材料で被覆し、若しくは浸漬した後、不活性雰囲気下で熱処理を行う方法が挙げられる。これらの被覆方法の中では、少量の炭素材料(B)でも、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面の略全体を均一に被覆することができる化学蒸着法を用いることが好ましい。
化学蒸着法としては、特に限定されず、公知の流動床式の化学蒸着法、又は、静置式の固定床化学蒸着法が用いられ得る。
例えば、流動床式の化学蒸着法においては、まず、核となる黒鉛質炭素材料(A)と不活性ガスとを反応器内に供給して、嵩密度が約0.1〜0.5g/cm3 である黒鉛質炭素材料(A)の流動層を形成する。この状態で、反応器内を昇温して、反応器内が所定温度に達した後、炭素源を反応器内に供給することにより、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面が炭素材料(B)で被覆される。
化学蒸着法の処理温度は、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満となる条件であれば特に限定されないが、850〜1200℃の温度範囲であることが好ましく、950〜1150℃の温度範囲であることがさらに好ましい。
また、黒鉛質炭素材料(A)に炭素材料(B)を被覆した後に、不活性雰囲気下、1200〜1300℃の温度範囲で、熱処理を行うことも可能である。
例えば、流動床式の化学蒸着法においては、まず、核となる黒鉛質炭素材料(A)と不活性ガスとを反応器内に供給して、嵩密度が約0.1〜0.5g/cm3 である黒鉛質炭素材料(A)の流動層を形成する。この状態で、反応器内を昇温して、反応器内が所定温度に達した後、炭素源を反応器内に供給することにより、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面が炭素材料(B)で被覆される。
化学蒸着法の処理温度は、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満となる条件であれば特に限定されないが、850〜1200℃の温度範囲であることが好ましく、950〜1150℃の温度範囲であることがさらに好ましい。
また、黒鉛質炭素材料(A)に炭素材料(B)を被覆した後に、不活性雰囲気下、1200〜1300℃の温度範囲で、熱処理を行うことも可能である。
化学蒸着法を採用する場合の炭素源としては、特に限定されず、公知の有機物を使用することができる。
例えば、有機物として、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ジフェニル、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環乃至3環の芳香族炭化水素、若しくはその誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。
また、その他の有機物として、石炭系のタールの蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、石油系の分解油、ナフサ分解タール油、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、及び該肪族炭化水素の誘導体であるアルコールが単独で、又は混合物として用いられ得る。
そして、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブタジエン、アセチレン等の二重結合、又は三重結合を有する有機物も用いられ得る。
例えば、有機物として、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ジフェニル、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環乃至3環の芳香族炭化水素、若しくはその誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。
また、その他の有機物として、石炭系のタールの蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、石油系の分解油、ナフサ分解タール油、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、及び該肪族炭化水素の誘導体であるアルコールが単独で、又は混合物として用いられ得る。
そして、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブタジエン、アセチレン等の二重結合、又は三重結合を有する有機物も用いられ得る。
なお、化学蒸着処理において、反応器内に供給する炭素源としての有機物は、不活性ガスで希釈した混合ガスの形態で供給することが好ましい。この不活性ガスとしては特に限定されないが、窒素、アルゴン等が挙げられる。
混合ガス中の有機物のモル濃度は、2〜80%であることが好ましく、5〜70%であることがさらに好ましい。
混合ガス中の有機物のモル濃度が2%未満である場合は、化学蒸着処理に長時間を要する。一方、混合ガス中の有機物のモル濃度が80%を超える場合は、炭素材料(B)が黒鉛質炭素材料(A)の粒子を被覆した後に、炭素材料(B)が黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面から容易に剥がれ落ちるので好ましくない。
混合ガス中の有機物のモル濃度は、2〜80%であることが好ましく、5〜70%であることがさらに好ましい。
混合ガス中の有機物のモル濃度が2%未満である場合は、化学蒸着処理に長時間を要する。一方、混合ガス中の有機物のモル濃度が80%を超える場合は、炭素材料(B)が黒鉛質炭素材料(A)の粒子を被覆した後に、炭素材料(B)が黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面から容易に剥がれ落ちるので好ましくない。
また、静置式の固定床化学蒸着法としては、公知の方法を使用することができ、例えば、石英管中に備えた黒鉛板上に黒鉛質炭素材料を静置し、石英管内に炭素源となる有機物と希釈ガスとからなる混合ガスを供給しつつ有機物の熱分解温度以上まで加熱する方法が挙げられる。
炭素源となる有機物の種類、希釈ガスの種類、混合ガス中の有機物のモル濃度、処理温度は、上述の流動床式の化学蒸着法と同様である。
炭素源となる有機物の種類、希釈ガスの種類、混合ガス中の有機物のモル濃度、処理温度は、上述の流動床式の化学蒸着法と同様である。
そして、黒鉛質材料(A)をピッチ等の炭素材料で被覆し、又は浸漬した後、不活性雰囲気下で熱処理を行う方法としては、例えば、以下に示す方法等が挙げられる。
まず、黒鉛質炭素材料(A)をピッチ中に10〜300℃の温度範囲で、好ましくは100〜200℃程度の温度範囲で浸漬する。黒鉛質炭素材料(A)のピッチ中への浸漬時間は、5〜60分程度、好ましくは10〜30分程度である。
使用するピッチとしては、石炭、石油、木材等の有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残油等が挙げられ、特に限定されるものではないが、例えばコールタールピッチ、石油ピッチ等が使用され得る。
まず、黒鉛質炭素材料(A)をピッチ中に10〜300℃の温度範囲で、好ましくは100〜200℃程度の温度範囲で浸漬する。黒鉛質炭素材料(A)のピッチ中への浸漬時間は、5〜60分程度、好ましくは10〜30分程度である。
使用するピッチとしては、石炭、石油、木材等の有機物質の乾留によって得られるタールを蒸留したときの釜残油等が挙げられ、特に限定されるものではないが、例えばコールタールピッチ、石油ピッチ等が使用され得る。
次に、ピッチから黒鉛質炭素材料(A)を分離し、有機溶媒を加えて10〜300℃程度、好ましくは10〜100℃程度の温度で、洗浄処理を行う。
そして、不活性雰囲気下で、黒鉛質炭素材料(A)を浸漬させたピッチを炭化することで、黒鉛質炭素材料(A)に炭素材料(B)を被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)を得ることができる。
ここで、洗浄用の有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、トルエン、メタノール、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、メチルナフタレン、タール中油等が使用され得る。
なお、被覆される炭素材料(B)の量は、洗浄に使用する有機溶媒の種類、洗浄時間、洗浄温度等により調節することができる。
そして、不活性雰囲気下で、黒鉛質炭素材料(A)を浸漬させたピッチを炭化することで、黒鉛質炭素材料(A)に炭素材料(B)を被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)を得ることができる。
ここで、洗浄用の有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、トルエン、メタノール、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、メチルナフタレン、タール中油等が使用され得る。
なお、被覆される炭素材料(B)の量は、洗浄に使用する有機溶媒の種類、洗浄時間、洗浄温度等により調節することができる。
また、不活性雰囲気中でピッチを炭化させる温度は、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満となる条件であれば特に限定されないが、例えば、600〜2800℃であり、好ましくは800〜1200℃である。
そして、炭化処理時間も特に限定されないが、例えば1〜20時間程度であり、3〜12時間程度であることが好ましい。
以上の処理方法及び諸条件を適宜選択することで、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面に、d002が0.3370nm以上0.3650nm未満となる炭素材料(B)を均一に被覆することができる。
そして、炭化処理時間も特に限定されないが、例えば1〜20時間程度であり、3〜12時間程度であることが好ましい。
以上の処理方法及び諸条件を適宜選択することで、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面に、d002が0.3370nm以上0.3650nm未満となる炭素材料(B)を均一に被覆することができる。
黒鉛−炭素複合粒子(C)の難黒鉛化性炭素材料(D)による複合化
核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)の難黒鉛化性炭素材料(D)による複合化の方法としては、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上となる条件であれば、特に限定されず、公知の複合化方法を適用することができる。
例えば、黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面に難黒鉛化性炭素材料前駆体を付着させた後に、不活性雰囲気下で、600〜1500℃で熱処理を行う方法が挙げられる。
難黒鉛化性炭素材料前駆体としては、特に限定されず、ピッチ又はタールに架橋処理を施して調整したもの、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
ピッチ又はタールとしては、エチレン製造時に副生する石油系のタール又はピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、コールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分又はピッチ、石炭の液化により得られるタール又はピッチ等の石油系、石炭系のピッチ又はタールが挙げられる。
核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)の難黒鉛化性炭素材料(D)による複合化の方法としては、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上となる条件であれば、特に限定されず、公知の複合化方法を適用することができる。
例えば、黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面に難黒鉛化性炭素材料前駆体を付着させた後に、不活性雰囲気下で、600〜1500℃で熱処理を行う方法が挙げられる。
難黒鉛化性炭素材料前駆体としては、特に限定されず、ピッチ又はタールに架橋処理を施して調整したもの、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
ピッチ又はタールとしては、エチレン製造時に副生する石油系のタール又はピッチ、石炭乾留時に生成するコールタール、コールタールの低沸点成分を蒸留除去した重質成分又はピッチ、石炭の液化により得られるタール又はピッチ等の石油系、石炭系のピッチ又はタールが挙げられる。
架橋の方法としては、特に限定されないが、例えば、公知の酸化剤及び架橋剤を用いて架橋する方法が使用され得る。
酸化剤を用いて架橋処理を行う場合、酸化剤として、酸素、二酸化窒素等を空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は、空気等の酸化性気体を用いて、50〜400℃程度、好ましくは130〜300℃の温度で酸化して架橋処理する。
また、架橋剤を用いて架橋処理を行う場合、架橋剤として、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド等の多官能ビニルモノマーと、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化水素等の反応開始剤を組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂等を使用することができる。
酸化剤を用いて架橋処理を行う場合、酸化剤として、酸素、二酸化窒素等を空気、窒素等で希釈した混合ガス、又は、空気等の酸化性気体を用いて、50〜400℃程度、好ましくは130〜300℃の温度で酸化して架橋処理する。
また、架橋剤を用いて架橋処理を行う場合、架橋剤として、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド等の多官能ビニルモノマーと、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化水素等の反応開始剤を組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂等を使用することができる。
そして、黒鉛−炭素複合粒子(C)への難黒鉛化性炭素材料(D)の複合化方法としては、d002が0.3650nm以上である難黒鉛化性炭素材料(D)を、ボールミル及びロッドミル等を用いて機械的に複合化させる方法も挙げられる。
以上の処理方法及び諸条件を適宜選択することで、黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の少なくとも一部に、d002が0.3650nm以上である難黒鉛化性炭素材料(D)が被覆されて複合化され、複合粒子(E)が得られる。
複合粒子(E)
複合粒子(E)は、粒子内に存在する黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)が、粒子の内部から、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の順で存在し、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3370nm未満であり、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上である。
複合粒子(E)は、粒子内に存在する黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)が、粒子の内部から、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の順で存在し、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3370nm未満であり、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm以上である。
複合粒子(E)の物性としては、この黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)の構成順序と、それぞれのd002の範囲が特に重要であり、この条件を満たす材料のみ、高温で放置したときに電池の膨れが小さく、優れた高温放置特性等の電池性能を発現することができる。
また、複合粒子(E)の全質量に対する、複合化されている炭素材料(B)の割合は、0.2質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、複合粒子(E)の全質量に対する、複合化されている難黒鉛化性炭素材料(D)の割合は、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合が0.2質量%未満である場合は、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面への炭素材料(B)の被覆効果が低いため、複合粒子(E)と電解質との反応性が高くなり、電池を高温で放置したときに、電池の膨れが大きくなる。
また、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合が20.0質量%を超える場合、負極板をロールプレスで圧縮成型するときに、複合粒子(E)が硬質であるために割れてしまい、活性面が露出し、電解質との反応性が高くなり、電池の放電容量が小さくなるとともに、電池を高温で放置したときに、電池の膨れが大きくなる。
以上の観点から、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合は、0.2質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、複合粒子(E)の全質量に対する、複合化されている難黒鉛化性炭素材料(D)の割合は、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合が0.2質量%未満である場合は、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面への炭素材料(B)の被覆効果が低いため、複合粒子(E)と電解質との反応性が高くなり、電池を高温で放置したときに、電池の膨れが大きくなる。
また、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合が20.0質量%を超える場合、負極板をロールプレスで圧縮成型するときに、複合粒子(E)が硬質であるために割れてしまい、活性面が露出し、電解質との反応性が高くなり、電池の放電容量が小さくなるとともに、電池を高温で放置したときに、電池の膨れが大きくなる。
以上の観点から、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)の割合は、0.2質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
また、複合粒子(E)の全質量に対する難黒鉛化性炭素材料(D)の割合が0.5質量%未満である場合は、複合化量が少ないため、複合粒子(E)と電解質との反応性を抑制する効果が低く、電池内で発生したガスを吸収する効果も低い。
そして、複合粒子(E)の全質量に対する難黒鉛化性炭素材料(D)の割合が10.0質量%を超える場合は、難黒鉛化性炭素材料(D)に起因する初期不可逆容量が大きくなるため、放電容量が低下し、電池の高エネルギー密度化を達成することができなくなる。
以上の観点から、複合粒子(E)の全質量に対する難黒鉛化性炭素材料(D)の割合は、0.5質量%以上10.0質量%以下の割合であることが好ましい。
そして、複合粒子(E)の全質量に対する難黒鉛化性炭素材料(D)の割合が10.0質量%を超える場合は、難黒鉛化性炭素材料(D)に起因する初期不可逆容量が大きくなるため、放電容量が低下し、電池の高エネルギー密度化を達成することができなくなる。
以上の観点から、複合粒子(E)の全質量に対する難黒鉛化性炭素材料(D)の割合は、0.5質量%以上10.0質量%以下の割合であることが好ましい。
さらに、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下であることが好ましい。
このピーク強度比(I1/I2)は、複合粒子(E)の表面性状を表す1つの指標となる。
複合粒子(E)のピーク強度比(I1/I2)が0.2未満である場合、複合粒子(E)と電解質との反応性が高くなり、また、ピーク強度比(I1/I2)が1.0を超える場合、複合粒子(E)と電解質との反応性の抑制効果は充分であるが、粒子間の導電性が低くなり、初期不可逆容量も大きくなるため、電池の放電容量が小さくなる。
従って、ピーク強度比(I1/I2)は、0.2以上1.0以下であることが好ましい。
このピーク強度比(I1/I2)は、複合粒子(E)の表面性状を表す1つの指標となる。
複合粒子(E)のピーク強度比(I1/I2)が0.2未満である場合、複合粒子(E)と電解質との反応性が高くなり、また、ピーク強度比(I1/I2)が1.0を超える場合、複合粒子(E)と電解質との反応性の抑制効果は充分であるが、粒子間の導電性が低くなり、初期不可逆容量も大きくなるため、電池の放電容量が小さくなる。
従って、ピーク強度比(I1/I2)は、0.2以上1.0以下であることが好ましい。
また、負極活物質は、前記複合粒子(E)以外にも、良好な放電容量を有し、高温放置時の電池の膨れが充分に抑制される範囲内で、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、気相成長炭素繊維等を含むことにしてもよい。
負極の結着剤としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、カルボキシル変性PVDF、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴムとカルボキシメチルセルロースとの混合物等が使用され得る。
負極は、前記負極活物質と結着剤とからなる合剤を銅等の金属集電体上に形成することで作製される。
負極は、前記負極活物質と結着剤とからなる合剤を銅等の金属集電体上に形成することで作製される。
(2)正極
本発明の電池に用いられる正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な化合物である、組成式Lix MO2 、Lix MaM′1-aO2 、Liy M2 O4 、又はLiyMb M′2-bO4 (但し、Mは遷移金属から選ばれる一種又は複数種、M′はMg又はAlから選ばれる一種又は複数種、0≦x≦1、0≦y≦2、0<a<1、0<b<2)で表される複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることが出来る。その具体例としては、LiCoO2、LiNiO2 、LiMn2 O4 等があり、これらを混合して用いてもよい。
粒状の正極活物質を用いる場合には、正極は、例えば、正極活物質粒子と導電助剤と結着剤とからなる合剤をアルミニウム等の金属集電体上に形成することで作製される。
本発明の電池に用いられる正極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な化合物である、組成式Lix MO2 、Lix MaM′1-aO2 、Liy M2 O4 、又はLiyMb M′2-bO4 (但し、Mは遷移金属から選ばれる一種又は複数種、M′はMg又はAlから選ばれる一種又は複数種、0≦x≦1、0≦y≦2、0<a<1、0<b<2)で表される複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることが出来る。その具体例としては、LiCoO2、LiNiO2 、LiMn2 O4 等があり、これらを混合して用いてもよい。
粒状の正極活物質を用いる場合には、正極は、例えば、正極活物質粒子と導電助剤と結着剤とからなる合剤をアルミニウム等の金属集電体上に形成することで作製される。
(3)非水電解質
本発明の電池に用いられる非水電解質の溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の非水溶媒が挙げられ、これらを単独、又は混合して使用することが出来る。また、適宜、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン等の重合剤等の添加剤を、適量含有したものでもよい。
本発明の電池に用いられる非水電解質の溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の非水溶媒が挙げられ、これらを単独、又は混合して使用することが出来る。また、適宜、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン等の重合剤等の添加剤を、適量含有したものでもよい。
非水電解質は、これらの非水溶媒に支持塩を溶解して使用する。支持塩として、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6、LiCF3 CO2 、LiCF3 SO3 、LiCF3CF2 SO3 、LiCF3 CF2 CF2 SO3、LiN(SO2 CF3 )2 、LiN(SO2 CF2CF3 )2 、LiN(COCF3 )2 、LiN(COCF2CF3 )2 、LiPF3 (CF2 CF3 )3、LiFOB(リチウムジフルオロオキサラートボレート)、及びLiBOB(リチウムビスオキサラートボレート)等の塩、若しくはこれらの混合物を使用することができる。
(4)セパレータ
本発明の電池に用いられるセパレータとしては、多孔性ポリオレフィン膜等の多孔性ポリマー膜、若しくは、リチウムイオン又はイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせて使用することができる。
本発明の電池に用いられるセパレータとしては、多孔性ポリオレフィン膜等の多孔性ポリマー膜、若しくは、リチウムイオン又はイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせて使用することができる。
電池の形状は、特に限定されるものではなく、本発明は、角形、円筒形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用することが可能である。
以下に好適な実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は、本実施例により、何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することが出来る。
[実施例1]
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池を示す断面図であり、図中、1が非水電解質二次電池である。
非水電解質二次電池1は、Al集電体に正極合剤を塗布してなる正極3、及び銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極4がセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電極群(電極エレメント)2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる、縦48mm、横22mm、厚み略6.0mmの角型の非水電解質二次電池である。電池ケース6には、安全弁8及び正極端子9を備えた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられている。また、正極端子9は正極リード10を介して正極3と接続され、負極4は電池ケース6の側壁内面と接触して電気的に接続されている。
図1は、本発明に係る非水電解質二次電池を示す断面図であり、図中、1が非水電解質二次電池である。
非水電解質二次電池1は、Al集電体に正極合剤を塗布してなる正極3、及び銅集電体に負極合剤を塗布してなる負極4がセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電極群(電極エレメント)2と、非水電解液とを電池ケース6に収納してなる、縦48mm、横22mm、厚み略6.0mmの角型の非水電解質二次電池である。電池ケース6には、安全弁8及び正極端子9を備えた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられている。また、正極端子9は正極リード10を介して正極3と接続され、負極4は電池ケース6の側壁内面と接触して電気的に接続されている。
正極3は、以下のようにして作製した。
正極活物質としてのLiCoO2 90質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック5質量%と、結着剤としてのPVDF5質量%とを混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりペーストを得た。このペーストを厚さ20μmのAl集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより正極3が得られた。
正極活物質としてのLiCoO2 90質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック5質量%と、結着剤としてのPVDF5質量%とを混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりペーストを得た。このペーストを厚さ20μmのAl集電体に均一に塗布して、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより正極3が得られた。
負極4は次のようにして作製した。
原料黒鉛として天然黒鉛(中国産)を用い、微粉砕及び造粒を行い、平均粒子径24.7μmの球状の黒鉛質炭素材料(A)を得た。
次に、黒鉛質炭素材料(A)を流動床式の反応炉に仕込み、窒素を50L/min で流しつつ、反応炉内を950℃まで昇温した。
その後、炭素源として、トルエンを35%のモル濃度で反応炉に導入し、化学蒸着処理を行い、黒鉛質炭素材料(A)の表面が炭素材料(B)で被覆された黒鉛−炭素複合粒子(C)を得た。
そして、黒鉛−炭素複合粒子(C)の粒子表面に石炭系ピッチを付着させ、空気雰囲気下、温度240℃の条件で、酸化処理を行い、架橋した。
その後、真空下、温度1100℃の条件で熱処理を行い、黒鉛−炭素複合粒子(C)の粒子の表面に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化してなる複合粒子(E)を得た。
原料黒鉛として天然黒鉛(中国産)を用い、微粉砕及び造粒を行い、平均粒子径24.7μmの球状の黒鉛質炭素材料(A)を得た。
次に、黒鉛質炭素材料(A)を流動床式の反応炉に仕込み、窒素を50L/min で流しつつ、反応炉内を950℃まで昇温した。
その後、炭素源として、トルエンを35%のモル濃度で反応炉に導入し、化学蒸着処理を行い、黒鉛質炭素材料(A)の表面が炭素材料(B)で被覆された黒鉛−炭素複合粒子(C)を得た。
そして、黒鉛−炭素複合粒子(C)の粒子表面に石炭系ピッチを付着させ、空気雰囲気下、温度240℃の条件で、酸化処理を行い、架橋した。
その後、真空下、温度1100℃の条件で熱処理を行い、黒鉛−炭素複合粒子(C)の粒子の表面に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化してなる複合粒子(E)を得た。
この複合粒子(E)の黒鉛質炭素材料(A)のd002は0.3358nmであり、黒鉛質炭素材料(A)の表面に被覆されている炭素材料(B)のd002は0.3462nmであり、黒鉛質炭素材料(A)を炭素材料(B)で被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面に複合化されている難黒鉛化性炭素材料(D)のd002は0.3790nmであった。
炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆処理前後の質量から算出した炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合は5.1質量%であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の複合粒子(E)の全質量に対する割合は5.2質量%であった。
また、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)は0.55であった。
なお、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)のd002、並びにI1/I2の測定方法は後述する。
また、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)は0.55であった。
なお、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)のd002、並びにI1/I2の測定方法は後述する。
この負極活物質90質量%と、結着剤としてのカルボキシ変性PVDF10質量%とを混合して負極合剤とし、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることによりペーストを得た。
この負極ペーストを厚さ15μmの銅箔に均一に塗布して、100℃で5時間乾燥させた後、ロールプレスで合剤密度1.45g/cm3 まで圧縮成型することにより、負極4が得られた。
この負極ペーストを厚さ15μmの銅箔に均一に塗布して、100℃で5時間乾燥させた後、ロールプレスで合剤密度1.45g/cm3 まで圧縮成型することにより、負極4が得られた。
セパレータ5としては、厚さ25μm程度の微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
電解質としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で1:1で混合したものにLiPF6 を1.0M溶解させたものを用いた。
電解質としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で1:1で混合したものにLiPF6 を1.0M溶解させたものを用いた。
[実施例2]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3368nm、炭素材料(B)のd002が0.3478nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.58である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3368nm、炭素材料(B)のd002が0.3478nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.58である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例3]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3512nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.61である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3512nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.61である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例4]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3422nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3711nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.52である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3422nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3711nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.52である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例5]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3447nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.5質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.44である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3447nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.5質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.44である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例6]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3439nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.2質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.91である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3439nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.2質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.91である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例7]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3440nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3788nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.2質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が0.9質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.49である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3440nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3788nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.2質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が0.9質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.49である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例8]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3442nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が9.6質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.93である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3442nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が9.6質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.93である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例9]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3438nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.39である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3438nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.39である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例10]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3443nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が21.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.96である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3443nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が21.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.96である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例11]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3451nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が0.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.53である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3451nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が0.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.53である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例12]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3425nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が10.6質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.95である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3425nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が10.6質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.95である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例13]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3384nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3787nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が1.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が3.0質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.22である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3384nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3787nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が1.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が3.0質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.22である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例14]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3431nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.7質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.96である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3431nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.7質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.96である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例15]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3392nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.4質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が2.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.18である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3392nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.4質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が2.3質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.18である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[実施例16]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3481nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が6.5質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が1.20である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3481nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が17.0質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が6.5質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が1.20である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例1]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3361nmであり、炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化せず、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.21である粒子を負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3361nmであり、炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化せず、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.21である粒子を負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例2]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3359nm、炭素材料(B)のd002が0.3435nmであり、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化していない黒鉛−炭素複合粒子(C)であり、炭素材料(B)の黒鉛−炭素複合粒子(C)の全質量に対する割合が4.7質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.47である複合粒子(C)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3359nm、炭素材料(B)のd002が0.3435nmであり、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化していない黒鉛−炭素複合粒子(C)であり、炭素材料(B)の黒鉛−炭素複合粒子(C)の全質量に対する割合が4.7質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.47である複合粒子(C)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例3]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3787nmで、炭素材料(B)を複合化していない複合粒子(E)であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が7.4質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.62である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3787nmで、炭素材料(B)を複合化していない複合粒子(E)であり、難黒鉛化性炭素材料(D)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が7.4質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.62である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例4]
黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面に難黒鉛化性炭素材料(D)が複合化されており、この黒鉛質炭素材料(A)−難黒鉛化性炭素材料(D)複合粒子を炭素材料(B)で被覆した複合粒子(E)であり、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3450nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.8質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が4.7質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.68である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面に難黒鉛化性炭素材料(D)が複合化されており、この黒鉛質炭素材料(A)−難黒鉛化性炭素材料(D)複合粒子を炭素材料(B)で被覆した複合粒子(E)であり、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3450nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.8質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が4.7質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.68である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例5]
負極合剤の作製時に、d002が0.3358nmである黒鉛質材料(A)と、d002が0.3470nmである炭素材料(B)と、d002が0.3790nmである難黒鉛化性炭素材料(D)とを、単純に混合して得た負極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
なお、炭素材料(B)の負極活物質の全質量に対する割合は5.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の負極活物質の全質量に対する割合は4.8質量%とした。
また、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)を混合した粉体のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)は、0.24であった。
負極合剤の作製時に、d002が0.3358nmである黒鉛質材料(A)と、d002が0.3470nmである炭素材料(B)と、d002が0.3790nmである難黒鉛化性炭素材料(D)とを、単純に混合して得た負極活物質を用いた以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
なお、炭素材料(B)の負極活物質の全質量に対する割合は5.1質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の負極活物質の全質量に対する割合は4.8質量%とした。
また、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)を混合した粉体のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)は、0.24であった。
[比較例6]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3392nm、炭素材料(B)のd002が0.3490nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.3質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.50である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3392nm、炭素材料(B)のd002が0.3490nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3791nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.3質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) が0.50である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例7]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3369nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3789nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.0質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.38である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3369nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3789nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.9質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.0質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.38である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例8]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3679nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.4質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.74である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3679nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3790nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が4.4質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.1質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.74である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
[比較例9]
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3411nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3590nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.3質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.51である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3358nm、炭素材料(B)のd002が0.3411nm、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3590nmであり、炭素材料(B)の複合粒子(E)の全質量に対する割合が5.3質量%、難黒鉛化性炭素材料(D)の前記全質量に対する割合が5.2質量%であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2)が0.51である複合粒子(E)を得、これを負極活物質とした以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
前記実施例1〜16及び比較例1〜9の電池につき、放電容量、高温で放置を行った際の電池の膨れ、及び負極板の充填性に係る試験を行った。
[評価試験及び物性の測定方法]
評価試験は、以下のようにして行った。
同じ条件の電池を各10セルずつ作製し、これらの電池を、25℃、1CAの電流で、4.2Vまで定電流定電圧充電を3時間行って満充電状態とした。続いて、1CAの電流で3.0Vまで放電して、電池の放電容量を確認した。その後、上記と同一の条件で、電池を満充電状態として電池の厚みを測定し、80℃で3日間放置した後、再び電池の厚みを測定した。
そして、放置した後の電池の厚みから、放置を行う前の電池の厚みを減ずることにより、高温放置時における電池の膨れを求めた。
電池の放電容量、及び高温放置時における電池の膨れは、10セルの測定値の平均値を測定データとした。
評価試験は、以下のようにして行った。
同じ条件の電池を各10セルずつ作製し、これらの電池を、25℃、1CAの電流で、4.2Vまで定電流定電圧充電を3時間行って満充電状態とした。続いて、1CAの電流で3.0Vまで放電して、電池の放電容量を確認した。その後、上記と同一の条件で、電池を満充電状態として電池の厚みを測定し、80℃で3日間放置した後、再び電池の厚みを測定した。
そして、放置した後の電池の厚みから、放置を行う前の電池の厚みを減ずることにより、高温放置時における電池の膨れを求めた。
電池の放電容量、及び高温放置時における電池の膨れは、10セルの測定値の平均値を測定データとした。
極板の充填性の測定は、以下のようにして行った。
プレスで圧縮成型する前の負極板を、2cm×2cmの大きさに切り出し、その負極板の質量を測定し、その値から銅箔の質量を減じた値を合剤の質量とした。
その後、その負極板に、油圧平面プレス機により、1cm2 あたり15000Nの圧力を加えて圧縮成型を行い、負極板の厚みを測定し、その値から銅箔の厚みを減じた値を負極合剤部分の厚みとして、合剤密度を求めた。
試験を5回行った結果の平均値を極板の充填性のデータとした。
プレスで圧縮成型する前の負極板を、2cm×2cmの大きさに切り出し、その負極板の質量を測定し、その値から銅箔の質量を減じた値を合剤の質量とした。
その後、その負極板に、油圧平面プレス機により、1cm2 あたり15000Nの圧力を加えて圧縮成型を行い、負極板の厚みを測定し、その値から銅箔の厚みを減じた値を負極合剤部分の厚みとして、合剤密度を求めた。
試験を5回行った結果の平均値を極板の充填性のデータとした。
粒子内における黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の順序の確認、及び層間距離の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)により粒子断面を観察し、炭素網面層の層間距離、及び微細組織を観察することにより行った。また、炭素網面層の層間距離は、無作為に50回以上、炭素網面層を選んで測定を行い、その平均値とした。
また、ラマン分光法による測定は、514.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いて行った。そして、その測定結果を Lorentz関数を用いたピークフィッティングにより波形分離を行い、I1及びI2それぞれのピーク面積からピーク強度比(I1/I2)を算出した。
また、ラマン分光法による測定は、514.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いて行った。そして、その測定結果を Lorentz関数を用いたピークフィッティングにより波形分離を行い、I1及びI2それぞれのピーク面積からピーク強度比(I1/I2)を算出した。
[試験結果]
実施例1〜16、及び比較例1〜9の25種類の電池に用いた複合粒子(E)内に存在する黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)の粒子内側からの順序(数字が小さい程、粒子の内部に存在する)を観察し、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)各々のd002、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)の割合、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) 、電池の放電容量、高温放置時の電池の膨れ、負極板の充填性を測定した結果を下記の表1に示す。
実施例1〜16、及び比較例1〜9の25種類の電池に用いた複合粒子(E)内に存在する黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)の粒子内側からの順序(数字が小さい程、粒子の内部に存在する)を観察し、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)各々のd002、複合粒子(E)の全質量に対する炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)の割合、複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定されるピーク強度比(I1/I2) 、電池の放電容量、高温放置時の電池の膨れ、負極板の充填性を測定した結果を下記の表1に示す。
まず、実施例1〜16の結果と比較例1〜9の結果とを比較することにより、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面を、難黒鉛化性炭素材料(D)で複合化しており、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3370nm未満であり、炭素材料(B)のd002が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、難黒鉛化炭素(D)のd002が0.3650nm以上である複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が570mAh以上であり、かつ高温放置時の電池の膨れが0.80mm以下であり、「電池の放電容量が充分に大きいこと」と「高温放置時の電池の膨れが充分に抑制されていること」という2つの要求性能を満たしていることが分かる。
そして、実施例1〜9の電池の極板は、比較例1〜9と同等、又はそれ以上の充填性を有し、極板の高密度化による電池の高エネルギー密度化を図ることができ、負極板をロールプレスで圧縮成型する際にも、負極合剤がプレスロールに付着することがなく、製造面においても問題がなかった。
実施例1〜4の結果と比較例1〜5の結果とを比較することにより、複合粒子(E)は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆した黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面を、難黒鉛化性炭素材料(D)で複合化していること、すなわち複合粒子(E)内に黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)が存在しており、これらの内側からの順序が、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)であることが、電池の放電容量を大きくし、高温放置時の電池の膨れを抑制するために重要であることが分かる。
比較例1より、黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)及び難黒鉛性炭素材料(D)で覆って複合化していない場合、負極活物質と電解質との反応性が高いために、電池の放電容量が小さく、高温放置時における電池の膨れが非常に大きくなることが分かる。
また、比較例2より、複合粒子(E)の最外層を難黒鉛化性炭素材料(D)として複合化させていない場合、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果が得られないため、高温放置時における電池の膨れが大きいことが分かる。
さらに、比較例3より、黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆していない場合、難黒鉛化性炭素材料(D)による複合化のみでは、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面全体を完全に被覆することができないため、負極活物質と電解質との反応性が高くなり、電池の放電容量が小さくなるとともに、高温で放置した際の電池の膨れが大きくなることが分かる。
また、比較例2より、複合粒子(E)の最外層を難黒鉛化性炭素材料(D)として複合化させていない場合、難黒鉛化性炭素材料(D)によるガス吸収の効果が得られないため、高温放置時における電池の膨れが大きいことが分かる。
さらに、比較例3より、黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆していない場合、難黒鉛化性炭素材料(D)による複合化のみでは、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面全体を完全に被覆することができないため、負極活物質と電解質との反応性が高くなり、電池の放電容量が小さくなるとともに、高温で放置した際の電池の膨れが大きくなることが分かる。
黒鉛質炭素材料(A)への難黒鉛化性炭素材料(D)の被覆量を増やすことにより、黒鉛質炭素材料(A)の粒子表面全体を完全に被覆することが可能であると考えられるが、黒鉛質炭素材料(A)へ難黒鉛化性炭素材料(D)を大量に複合化させることは、難黒鉛化性炭素材料(D)に起因する初期不可逆化容量が大幅に大きくなるために、電池の放電容量が低下し、また、極板の充填性の低下を引き起こすため、電池の高エネルギー密度化という観点から有効ではない。
また、比較例4より、複合粒子(E)内の黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、及び難黒鉛化性炭素材料(D)が粒子の内側から、黒鉛質炭素材料(A)、難黒鉛化性炭素材料(D)、炭素材料(B)の順で存在する場合、高温放置時における電池の膨れが大きいことが分かる。
この理由は明らかではないが、黒鉛質炭素材料(A)に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化した後に、炭素材料(B)により被覆を行った場合、難黒鉛化性炭素材料(D)に特徴的に存在する空隙及び開孔が炭素材料(B)によって被覆されるので、高温放置時に発生したガスを負極活物質が効果的に吸収できなかったためと考えられる。
この理由は明らかではないが、黒鉛質炭素材料(A)に、難黒鉛化性炭素材料(D)を複合化した後に、炭素材料(B)により被覆を行った場合、難黒鉛化性炭素材料(D)に特徴的に存在する空隙及び開孔が炭素材料(B)によって被覆されるので、高温放置時に発生したガスを負極活物質が効果的に吸収できなかったためと考えられる。
そして、比較例5より、炭素材料(B)及び難黒鉛化性炭素材料(D)が、黒鉛質炭素材料(A)の表面を被覆して複合化されていない場合、電池の放電容量が小さく、高温放置時における電池の膨れが大きいことが分かる。
これは、黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆していないため、負極活物質と電解質との反応性が高いことが原因であると考えられる。
そして、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の真密度が非常に異なるため、比較例5の負極板を作製する際には、負極ペーストの分離が観察され、製造面においても問題があることが分かった。
これは、黒鉛質炭素材料(A)の表面を炭素材料(B)で被覆していないため、負極活物質と電解質との反応性が高いことが原因であると考えられる。
そして、黒鉛質炭素材料(A)、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の真密度が非常に異なるため、比較例5の負極板を作製する際には、負極ペーストの分離が観察され、製造面においても問題があることが分かった。
比較例6より、黒鉛質炭素材料(A)のd002が0.3370nm以上である複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が小さくなることが分かる。
この理由は明らかではないが、黒鉛質炭素材料(A)の結晶の発達が充分でなく、充放電の際の負極活物質のリチウムイオンの吸蔵・放出量が小さくなったために、電池の放電容量が小さくなったものと考えられる。
そして、黒鉛質炭素材料(A)の結晶の発達が充分でないため、極板の充填性が悪く、負極板をロールプレスで圧縮成型する際に、負極合剤がプレスロールに付着するという問題が生じた。
この理由は明らかではないが、黒鉛質炭素材料(A)の結晶の発達が充分でなく、充放電の際の負極活物質のリチウムイオンの吸蔵・放出量が小さくなったために、電池の放電容量が小さくなったものと考えられる。
そして、黒鉛質炭素材料(A)の結晶の発達が充分でないため、極板の充填性が悪く、負極板をロールプレスで圧縮成型する際に、負極合剤がプレスロールに付着するという問題が生じた。
比較例7より、炭素材料(B)d002が0.3370nm未満である複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が小さくなり、高温放置時における電池の膨れが大きくなることが分かる。
これは、炭素材料(B)の結晶性が高く、負極活物質と電解質との反応性を充分に抑制できなかったためと考えられる。
これは、炭素材料(B)の結晶性が高く、負極活物質と電解質との反応性を充分に抑制できなかったためと考えられる。
比較例8より、炭素材料(B)のd002が0.3650nm以上である複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が小さくなることが分かる。
この理由は明らかではないが、炭素材料(B)のd002が大きく、結晶性が低すぎるので、初期不可逆化容量が大きくなり、電池の放電容量が小さくなったためと考えられる。
この理由は明らかではないが、炭素材料(B)のd002が大きく、結晶性が低すぎるので、初期不可逆化容量が大きくなり、電池の放電容量が小さくなったためと考えられる。
比較例9より、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm未満である複合粒子(E)を用いた場合、高温放置時における電池の膨れが大きくなった。
この理由は明らかではないが、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm未満である場合、難黒鉛化性炭素材料(D)が、電池内のガス吸収の効果を充分に発揮できない性質になっているためと考えられる。
この理由は明らかではないが、難黒鉛化性炭素材料(D)のd002が0.3650nm未満である場合、難黒鉛化性炭素材料(D)が、電池内のガス吸収の効果を充分に発揮できない性質になっているためと考えられる。
実施例1〜16の結果を比較することにより、炭素材料(B)が複合粒子(E)の全質量に対して、0.2質量%以上20.0質量%以下の割合で、難黒鉛化性炭素材料(D)が複合粒子(E)の全質量に対して、0.5質量%以上10.0質量%以下の割合で複合化されている複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が略580mAh以上であり、かつ、高温放置時の電池の膨れが略0.70mm以下であり、前記2つの要求性能をさらに良好に満たしていることが分かる。
実施例1〜16の結果より、炭素材料(B)、難黒鉛化性炭素材料(D)の、複合粒子(E)の全質量に対する割合が前記範囲を満たしており、かつ、アルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近に存在するピーク強度I1と、1580cm-1付近に存在するピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下である複合粒子(E)を用いた場合、電池の放電容量が580mAh以上であり、かつ、高温放置時の電池の膨れが0.70mm以下であり、前記2つの要求性能を特に良好に満たしていることが分かる。
1 電池(非水電解質二次電池)
2 扁平巻状電極群
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード
2 扁平巻状電極群
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 電池蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード
Claims (3)
- リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能である正極及び負極と、電解質とを有する非水電解質二次電池において、
前記負極は、核となる黒鉛質炭素材料(A)の表面の一部又は全部を炭素材料(B)で被覆してなる黒鉛−炭素複合粒子(C)の表面の一部又は全部を、難黒鉛化性炭素材料(D)で被覆してなる複合粒子(E)を含む負極活物質を有し、
前記黒鉛質炭素材料(A)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm未満であり、前記炭素材料(B)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3370nm以上0.3650nm未満であり、前記難黒鉛化性炭素材料(D)の炭素網面層の平均層間距離(d002)が0.3650nm以上であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記炭素材料(B)は、前記複合粒子(E)の全質量に対する割合が0.2質量%以上20.0質量%以下であり、前記難黒鉛化性炭素材料(D)は、前記全質量に対する割合が0.5質量%以上10.0質量%以下である状態で複合化されていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記複合粒子(E)のアルゴンレーザーを用いたラマン分光法により測定される、1360cm-1付近のピーク強度I1と、1580cm-1付近のピーク強度I2との比(I1/I2)が、0.2以上1.0以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池。
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