従来、光ディスクへのデータの書き込み動作や光ディスクからのデータの読み出し動作を行う光ピックアップを備えた光ディスク装置が知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
上記特許文献1〜4には、所定方向(光ディスクの記録面に対して平行な方向)に移動可能に構成された光ピックアップと、その光ピックアップの所定方向への移動をガイドするガイド部材とを含む光ディスク装置が開示されている。なお、上記特許文献1〜4において、光ピックアップは、所定のシャーシに搭載されているとともに、ガイド部材は、光ピックアップが搭載される所定のシャーシに対して固定されている。また、光ディスクは、所定のシャーシに取り付けられたターンテーブルに装着される。
しかしながら、上記特許文献1〜4では、ガイド部材が所定のシャーシに対して固定されているため、光ディスクの記録面に対するガイド部材の傾角を調節するのが困難であるという不都合がある。このため、光ディスク装置の製造工程において組み付け誤差などが生じた場合に、ガイド部材にガイドされながら光ディスクの記録面に対して平行な方向に移動する光ピックアップの動作不良が発生する場合がある。
そこで、従来では、光ディスクの記録面に対するガイド部材の傾角を調節することが可能な光ディスク装置が提案されている。
図7は、従来の提案された光ディスク装置の光ピックアップ周辺の構造を示した平面図である。図8は、図7の150−150線に沿った断面図である。図9は、図7の160−160線に沿った断面図であり、図10は、図7の170−170線に沿った断面図である。次に、図7〜図10を参照して、従来の提案された光ディスク装置の光ピックアップ周辺の構造について説明する。
従来の光ディスク装置では、図7に示すように、ドライブシャーシ101の所定領域にスピンドルモータ102が取り付けられているとともに、そのスピンドルモータ102の回転軸102aにターンテーブル103が取り付けられている。また、ドライブシャーシ101には、メインガイド部材104およびサブガイド部材105が取り付けられている。このメインガイド部材104およびサブガイド部材105は、丸棒部材によって構成されている。
そして、従来の光ディスク装置では、サブガイド部材105(メインガイド部材104)の光ディスク120の記録面120aに対する傾角の調節は、サブガイド部材105(メインガイド部材104)の両端部のB方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)の位置を調節することによって行われる。
具体的には、図7および図8に示すように、サブガイド部材105は、その両端部が調節ねじ111を介してドライブシャーシ101に取り付けられている。また、サブガイド部材105の両端部には、サブガイド部材105の両端部をB方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)に付勢するためのねじりコイルばね112が1つずつ嵌め込まれている。そして、サブガイド部材105の光ディスク120の記録面120aに対する傾角の調節は、調節ねじ111のねじ込み量を調節することにより、ねじりコイルばね112のたわみ量を調節することによって行われる。また、傾角調節後のサブガイド部材105の両端部のB方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)の位置は、ねじりコイルばね112の付勢力によって保持される。なお、メインガイド部材104の傾角調節機構は、上記したサブガイド部材105の傾角調節機構と同様である。
また、図7に示すように、ドライブシャーシ101には、A方向(光ディスク120の記録面120aに対して平行な方向)に移動可能に構成された光ピックアップ106が搭載されている。この光ピックアップ106は、レーザ光を光ディスク120の記録面120aに集光させるための対物レンズ107や、その対物レンズ107が装着されるピックアップベース108などの部品によって構成されている。ピックアップベース108のメインガイド部材104側には、2つの軸受部108aが設けられている。そして、メインガイド部材104は、ピックアップベース108の2つの軸受部108aに挿入されている。その一方、ピックアップベース108のサブガイド部材105側には、1つの受け部108bが設けられている。このピックアップベース108の受け部108bは、図8および図9に示すように、B方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)に互いに対向するように配置された2つの内面108cおよび108dを有するU字状に形成されている。そして、サブガイド部材105の一部は、ピックアップベース108の受け部108bの内側に配置されているとともに、受け部108bの一方の内面108cと当接している。
また、図7に示すように、ドライブシャーシ101のメインガイド部材104側の領域には、ピックアップベース108のメインガイド部材104側に連結されたギア部(図示せず)と、そのギア部に連結されたフィードモータ109とが取り付けられている。すなわち、フィードモータ109の駆動力は、ギア部を介してピックアップベース108に伝達される。そして、従来の光ディスク装置では、フィードモータ109の駆動力がピックアップベース108に伝達されることによって、光ピックアップ106がA方向(光ディスク120の記録面120aに対して平行な方向)に移動される。また、光ピックアップ106のA方向(光ディスク120の記録面120aに対して平行な方向)への移動は、メインガイド部材104およびサブガイド部材105によってガイドされる。
また、従来の光ディスク装置では、図7、図8および図10に示すように、サブガイド部材105とピックアップベース108との間に、光ピックアップ106をB方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)に付勢するための板ばね110が設けられている。この板ばね110は、ピックアップベース108に対して取り付けられているとともに、受け部108bから離れた位置に配置されている。なお、板ばね110は、光ピックアップ106をB方向(光ディスク120の記録面120aに対して垂直な方向)に付勢することにより、A方向(光ディスク120の記録面120aに対して平行な方向)に移動する光ピックアップ106が振動するのを抑制する機能を有している。
特開平7−235063号公報
特開2002−117634号公報
特開2004−22054号公報
特開2005−135463号公報
しかしながら、上記した従来の提案された光ディスク装置では、光ピックアップ106のサブガイド部材105と当接する部分と、光ピックアップ105の板ばね110に付勢される部分とが離れているため、以下のような不都合が生じる。
すなわち、従来の光ディスク装置では、図11に示すように、サブガイド部材105がC方向に傾くように調節した場合、板ばね110から光ピックアップ106に加わるB方向の付勢力が大きくなるため、その板ばね110から加わる大きい付勢力が光ピックアップ106のA方向への移動の妨げになるという不都合が生じる。その一方、サブガイド部材105がC方向とは反対方向に傾くように調節した場合、板ばね110から光ピックアップ106に加わるB方向の付勢力が小さくなるため、A方向に移動する光ピックアップ106の振動が大きくなるという不都合が生じる。その結果、従来の光ディスク装置では、光ディスク120の記録面120aに対するサブガイド部材105の傾角を調節した場合に、光ピックアップ106に加わる板ばね110の付勢力が予め設定された値から大きく外れることに起因して、光ピックアップ106の動作不良が発生するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、光ピックアップの動作不良が発生するのを抑制することが可能な光ディスク装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による光ディスク装置は、ディスク状の記録媒体を回転させるターンテーブルが取り付けられるドライブシャーシと、記録媒体の記録面に対して平行な方向に沿って延びるようにドライブシャーシに取り付けられるガイド部材と、ドライブシャーシに搭載され、ガイド部材と当接する受け部を有するとともに、ガイド部材にガイドされながら記録媒体の記録面に対して平行な方向に往復移動する光ピックアップと、光ピックアップを付勢することにより光ピックアップの振動を抑制する付勢部材とを備えた光ディスク装置において、ガイド部材は、記録媒体の記録面に対する傾角を調節することが可能なようにドライブシャーシに取り付けられており、付勢部材は、ガイド部材に取り付けられているとともに、光ピックアップが往復移動する方向に沿って連続して延びるように形成されており、かつ、ガイド部材と当接する光ピックアップの受け部を付勢することにより光ピックアップの振動を抑制するように構成され、付勢部材は、光ピックアップの受け部を付勢する第1付勢部と、ドライブシャーシとガイド部材との間に配置された第2付勢部とを有し、ガイド部材の記録媒体の記録面に対する傾角の調節は、付勢部材の第2付勢部のたわみ量を調節することにより行われ、光ピックアップの受け部は、互いに対向するように配置された第1の面および第2の面を有し、光ピックアップの受け部の第1の面は、ガイド部材と当接するとともに、光ピックアップの受け部の第2の面は、付勢部材に付勢される。
この第1の局面による光ディスク装置では、上記のように、ドライブシャーシに取り付けられるガイド部材を、記録媒体の記録面に対する傾角を調節することが可能なように構成することによって、光ディスク装置の製造工程において組み付け誤差などが生じたとしても、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節することができるので、ガイド部材にガイドされながら記録媒体の記録面に対して平行な方向に往復移動する光ピックアップの動作不良が発生するのを抑制することができる。この場合、付勢部材をガイド部材に取り付けるとともに、ガイド部材と当接する光ピックアップの受け部を付勢部材で付勢することによって、光ピックアップのガイド部材と当接する部分と、光ピックアップの付勢部材に付勢される部分とを近づけることができる。したがって、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節したとしても、光ピックアップ(受け部)に加わる付勢部材の付勢力が変動するのを抑制することができる。これにより、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節した場合に、光ピックアップ(受け部)に加わる付勢部材の付勢力が予め設定された値から大きく外れることに起因して、光ピックアップの動作不良が発生するという不都合が生じるのを抑制することができる。また、光ピックアップが往復移動する方向に沿って連続して延びるように形成された付勢部材を用いることによって、光ピックアップが所定位置からその所定位置以外の位置に移動したとしても、付勢部材による光ピックアップに対する付勢を連続して行うことができる。また、光ピックアップの受け部を付勢する第1付勢部と、ガイド部材の傾角調節のための第2付勢部とを有する付勢部材を用いることによって、ガイド部材の傾角調節のための付勢部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。また、互いに対向するように配置された第1の面および第2の面を有する受け部を含む光ピックアップを用いるとともに、光ピックアップの受け部の第1の面がガイド部材と当接し、光ピックアップの受け部の第2の面が付勢部材に付勢されるように構成することによって、容易に、光ピックアップの受け部をガイド部材と当接させながら、光ピックアップの受け部を付勢部材で付勢することができる。また、光ピックアップのガイド部材と当接する部分と、光ピックアップの付勢部材に付勢される部分とを容易に近づけることができる。
この発明の第2の局面による光ディスク装置は、ディスク状の記録媒体を回転させるターンテーブルが取り付けられるドライブシャーシと、記録媒体の記録面に対する傾角を調節することが可能なように、かつ、記録媒体の記録面に対して平行な方向に沿って延びるようにドライブシャーシに取り付けられるガイド部材と、ドライブシャーシに搭載され、ガイド部材と当接する受け部を有するとともに、ガイド部材にガイドされながら記録媒体の記録面に対して平行な方向に往復移動する光ピックアップと、ガイド部材に取り付けられ、ガイド部材と当接する光ピックアップの受け部を付勢することにより光ピックアップの振動を抑制する付勢部材とを備えている。
この第2の局面による光ディスク装置では、上記のように、ドライブシャーシに取り付けられるガイド部材を、記録媒体の記録面に対する傾角を調節することが可能なように構成することによって、光ディスク装置の製造工程において組み付け誤差などが生じたとしても、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節することができるので、ガイド部材にガイドされながら記録媒体の記録面に対して平行な方向に往復移動する光ピックアップの動作不良が発生するのを抑制することができる。この場合、付勢部材をガイド部材に取り付けるとともに、ガイド部材と当接する光ピックアップの受け部を付勢部材で付勢することによって、光ピックアップのガイド部材と当接する部分と、光ピックアップの付勢部材に付勢される部分とを近づけることができる。したがって、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節したとしても、光ピックアップ(受け部)に加わる付勢部材の付勢力が変動するのを抑制することができる。これにより、記録媒体の記録面に対するガイド部材の傾角を調節した場合に、光ピックアップ(受け部)に加わる付勢部材の付勢力が予め設定された値から大きく外れることに起因して、光ピックアップの動作不良が発生するという不都合が生じるのを抑制することができる。
上記第2の局面による光ディスク装置において、好ましくは、付勢部材は、光ピックアップが往復移動する方向に沿って連続して延びるように形成されている。このように構成すれば、光ピックアップが所定位置からその所定位置以外の位置に移動したとしても、付勢部材による光ピックアップ(受け部)に対する付勢を連続して行うことができる。
上記第2の局面による光ディスク装置において、好ましくは、付勢部材は、光ピックアップの受け部を付勢する第1付勢部と、ドライブシャーシとガイド部材との間に配置された第2付勢部とを有し、ガイド部材の記録媒体の記録面に対する傾角の調節は、付勢部材の第2付勢部のたわみ量を調節することにより行われる。このように構成すれば、ガイド部材の傾角調節のための付勢部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
上記第2の局面による光ディスク装置において、好ましくは、光ピックアップの受け部は、互いに対向するように配置された第1の面および第2の面を有し、光ピックアップの受け部の第1の面は、ガイド部材と当接するとともに、光ピックアップの受け部の第2の面は、付勢部材に付勢される。このように構成すれば、容易に、光ピックアップの受け部をガイド部材に当接させながら、光ピックアップの受け部を付勢部材で付勢することができる。また、光ピックアップのガイド部材と当接する部分と、光ピックアップの付勢部材に付勢される部分とを容易に近づけることができる。
以上のように、本発明によれば、光ピックアップの動作不良が発生するのを抑制することが可能な光ディスク装置を容易に得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態による光ディスク装置の光ピックアップ周辺の構造を示した平面図である。図2は、図1の50−50線に沿った断面図であり、図3は、図1の60−60線に沿った断面図である。図4は、図3に示した光ピックアップの受け部周辺の拡大図である。図5は、図1の70−70線に沿った断面図である。図6は、図1に示した一実施形態による光ディスク装置の光ピックアップをガイドするサブガイド部材の斜視図である(サブガイド部材に板ばねが取り付けられた状態)。まず、図1〜図6を参照して、本実施形態による光ディスク装置の光ピックアップ周辺の構造について説明する。
本実施形態による光ディスク装置では、図1に示すように、樹脂製のドライブシャーシ1の所定領域に、回転軸2aを有するスピンドルモータ2が取り付けられている。このスピンドルモータ2の回転軸2aには、回転軸2aと共に回転するように、CDやDVDなどの光ディスク20が装着されるターンテーブル3が取り付けられている。そして、光ディスク20の記録面20aへのデータの書き込み動作や光ディスク20の記録面20aからのデータの読み出し動作などを行う際には、ターンテーブル3に装着された光ディスク20が回転される。なお、光ディスク20は、本発明の「記録媒体」の一例である。
また、ドライブシャーシ1には、メインガイド部材4およびサブガイド部材5が取り付けられている。なお、サブガイド部材5は、本発明の「ガイド部材」の一例である。メインガイド部材4およびサブガイド部材5は、ターンテーブル3(スピンドルモータ2)を挟んで対向するように、かつ、A方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)に沿って延びるように配置されている。また、メインガイド部材4は、金属製の丸棒部材によって構成されているとともに、サブガイド部材5は、金属製の板状部材によって構成されている。
また、ドライブシャーシ1のメインガイド部材4とサブガイド部材5との間の領域には、A方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)に移動可能に構成された光ピックアップ6が搭載されている。この光ピックアップ6は、光ディスク20の記録面20aへのデータの書き込み動作や光ディスク20の記録面20aからのデータの読み出し動作を行う機能を有している。また、光ピックアップ6は、レーザ光を光ディスク20の記録面20aに集光させるための対物レンズ7や、その対物レンズ7が装着されるピックアップベース8などの部品によって構成されている。なお、図示しないが、光ピックアップ6の構成部品としては、対物レンズ7およびピックアップベース8以外に、レーザ光を生成するための半導体レーザや、対物レンズ7を微小移動させるためのアクチュエータなどがある。
また、図1および図2に示すように、ピックアップベース8のメインガイド部材4側には、2つの軸受部8aが互いに所定の間隔を隔てて一体的に形成されている。そして、丸棒状のメインガイド部材4は、ピックアップベース8の2つの軸受部8aに挿入されている。その一方、図1、図3および図4に示すように、ピックアップベース8のサブガイド部材5側には、1つの受け部8bが一体的に形成されている。このピックアップベース8の受け部8bは、図5に示すように、B方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に互いに対向するように配置された2つの内面8cおよび8dを有するU字状に形成されている。なお、内面8cおよび8dは、それぞれ、本発明の「第1の面」および「第2の面」の一例である。そして、板状のサブガイド部材5の一部は、ピックアップベース8の受け部8bの内側に配置されているとともに、受け部8bの一方の内面8cと当接している。
また、図1に示すように、ドライブシャーシ1のメインガイド部材4側の領域には、ピックアップベース8のメインガイド部材4側に連結されたギア部(図示せず)と、そのギア部に連結されたフィードモータ9とが取り付けられている。すなわち、フィードモータ9の駆動力は、ギア部を介してピックアップベース8のメインガイド部材4側に伝達される。そして、本実施形態では、フィードモータ9の駆動力がピックアップベース8のメインガイド部材4側に伝達されることによって、光ピックアップ6がA方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)に往復移動される。また、光ピックアップ6のA方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)への往復移動は、メインガイド部材4およびサブガイド部材5によってガイドされる。
ここで、本実施形態では、図3〜図6に示すように、サブガイド部材5に、光ピックアップ6をB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢するための板ばね10が取り付けられている。なお、板ばね10は、本発明の「付勢部材」の一例である。この板ばね10は、光ピックアップ6をB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢することにより、A方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)に往復移動する光ピックアップ6が振動するのを抑制する機能を有している。
具体的には、板ばね10は、板状のばね部材を折り曲げることによって形成された2つの付勢部10aおよび10bを有している。なお、付勢部10aおよび10bは、それぞれ、本発明の「第1付勢部」および「第2付勢部」の一例である。また、板ばね10の付勢部10aの一部は、ピックアップベース8の受け部8bの内側に配置されている。そして、板ばね10の付勢部10aの一部によって、ピックアップベース8の受け部8bの他方の内面8dがB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢されている。
また、本実施形態では、板ばね10の付勢部10aは、A方向(光ピックアップ6が往復移動する方向)に沿って連続して延びるように形成されている。このため、光ピックアップ6が所定位置からその所定位置以外の位置に移動したとしても、板ばね10の付勢部10aによるピックアップベース8の受け部8bの内面8dに対する付勢が連続して行われることになる。なお、板ばね10の付勢部10bも、A方向(サブガイド部材5が延びる方向)に沿って連続して延びるように形成されている。
また、板ばね10は、付勢部10aと付勢部10bとを一体的に連結するコの字状の連結部10cを有している。そして、板ばね10は、その連結部10cがサブガイド部材5に圧入されることによって、サブガイド部材5に対して固定されている。なお、板ばね10がサブガイド部材5に対して固定された状態では、板ばね10の付勢部10aがサブガイド部材5のガイド面5aとは反対側に配置されるとともに、板ばね10の付勢部10bがサブガイド部材5のガイド面5a側に配置される。
また、本実施形態では、図1に示したメインガイド部材4およびサブガイド部材5は、それぞれ、光ディスク20の記録面20aに対する傾角を調節することが可能なように構成されている。なお、メインガイド部材4(サブガイド部材5)の光ディスク20の記録面20aに対する傾角の調節は、メインガイド部材4(サブガイド部材5)の両端部のB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)の位置を調節することによって行われる。
具体的には、図2に示すように、メインガイド部材4は、その両端部が調節ねじ11を介してドライブシャーシ1に取り付けられている。また、メインガイド部材4の両端部には、メインガイド部材4の両端部をB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢するためのねじりコイルばね12が1つずつ嵌め込まれている。そして、メインガイド部材4の光ディスク20の記録面20aに対する傾角の調節は、調節ねじ11のねじ込み量を調節することにより、ねじりコイルばね12のたわみ量を調節することによって行われる。また、傾角調節後のメインガイド部材4の両端部のB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)の位置は、ねじりコイルばね12の付勢力によって保持される。
その一方、図3および図4に示すように、サブガイド部材5は、その両端部が調節ねじ13を介してドライブシャーシ1の取り付け部1aに取り付けられている。また、サブガイド部材5は、そのガイド面5aが板ばね10の付勢部10bによってB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢された状態となっている。そして、サブガイド部材5の光ディスク20の記録面20aに対する傾角の調節は、調節ねじ13のねじ込み量を調節することにより、板ばね10の付勢部10bのたわみ量を調節することによって行われる。また、傾角調節後のサブガイド部材5の両端部のB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)の位置は、板ばね10の付勢部10bの付勢力によって保持される。
なお、本実施形態では、ドライブシャーシ1の取り付け部1aは、サブガイド部材5のガイド面5aと対向する面を有するように形成されている。そして、サブガイド部材5に取り付けられた板ばね10の付勢部10bは、サブガイド部材5のガイド面5aをB方向(光ディスク20の記録面20aに対して垂直な方向)に付勢するように、ドライブシャーシ1の取り付け部1aとサブガイド部材5のガイド面5aとの間に配置されている。また、サブガイド部材5および板ばね10は、ドライブシャーシ1の取り付け部1aに対して調節ねじ13により共締めされている。
次に、図3を参照して、本実施形態による光ディスク装置の組み付け動作(光ディスク20の記録面20aに対するサブガイド部材5の傾角の調節動作)について説明する。なお、以下の調節動作の説明では、サブガイド部材5を図3のC方向に傾ける場合について説明する。また、以下の調節動作の説明では、図3に示した2つの調節ねじ13のうち、左側の調節ねじ13を調節ねじ13aとするとともに、右側の調節ねじ13を調節ねじ13bとする。
まず、図3の状態から、調節ねじ13aのねじ込み量を調節することにより、調節ねじ13a側における板ばね10の付勢部10bのたわみ量を大きくする。その一方、調節ねじ13bのねじ込み量を調節することにより、調節ねじ13b側における板ばね10の付勢部10bのたわみ量を小さくする。これにより、サブガイド部材5の調節ねじ13a側の端部がB1方向に移動するとともに、サブガイド部材5の調節ねじ13b側の端部がB2方向に移動する。すなわち、サブガイド部材5がC方向に傾く。
この際、本実施形態では、ピックアップベース8の受け部8bを付勢する板ばね10の付勢部10aのたわみ量は、傾角調節前と傾角調節後とでほとんど変化しない。すなわち、本実施形態では、傾角調節前に板ばね10の付勢部10aから光ピックアップ6(ピックアップベース8の受け部8b)に加わる付勢力と、傾角調節後に板ばね10の付勢部10aから光ピックアップ6に加わる付勢力とがほとんど同じである。
本実施形態では、上記のように、ドライブシャーシ1に取り付けられるサブガイド部材5を、光ディスク20の記録面20aに対する傾角を調節することが可能なように構成することによって、光ディスク装置の製造工程において組み付け誤差などが生じたとしても、光ディスク20の記録面20aに対するサブガイド部材5の傾角を調節することができるので、サブガイド部材5にガイドされながらA方向(光ディスク20の記録面20aに対して平行な方向)に往復移動する光ピックアップ6の動作不良が発生するのを抑制することができる。この場合、板ばね10をサブガイド部材5に取り付けるとともに、サブガイド部材5と当接するピックアップベース8の受け部8bを板ばね10で付勢することによって、光ピックアップ6のサブガイド部材5と当接する部分と、光ピックアップ6の板ばね10に付勢される部分とを近づけることができる。したがって、光ディスク20の記録面20aに対するサブガイド部材5の傾角を調節したとしても、光ピックアップ6に加わる板ばね10の付勢力が変動するのを抑制することができる。これにより、光ディスク20の記録面20aに対するサブガイド部材5の傾角を調節した場合に、光ピックアップ6に加わる板ばね10の付勢力が予め設定された値から大きく外れることに起因して、光ピックアップ6の動作不良が発生するという不都合が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ピックアップベース8の受け部8bを付勢する板ばね10の付勢部10aを、光ピックアップ6が往復移動する方向に沿って連続して延びるように形成することによって、光ピックアップ6が所定位置からその所定位置以外の位置に移動したとしても、板ばね10の付勢部10aによる光ピックアップ6に対する付勢を連続して行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、光ピックアップ6を付勢する付勢部10aと、サブガイド部材5の傾角調節のための付勢部10bとを有する板ばね10を用いることによって、サブガイド部材5の傾角調節のための付勢部材を別途設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ピックアップベース8の受け部8bを、互いに対向するように配置された内面8cおよび8dを有するU字状に形成するとともに、ピックアップベース8の受け部8bの内面8cがサブガイド部材5と当接し、ピックアップベース8の受け部8bの内面8dが板ばね10の付勢部10aに付勢されるように構成することによって、容易に、ピックアップベース8の受け部8bをサブガイド部材5と当接させながら、ピックアップベース8の受け部8bを板ばね10の付勢部10aで付勢することができる。また、光ピックアップ6のサブガイド部材5と当接する部分と、光ピックアップ6の板ばね10に付勢される部分とを容易に近づけることができる。
また、本実施形態では、サブガイド部材5と板ばね10とを調節ねじ13により共締めすることができるので、組み付け作業を容易に行うことができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、光ピックアップのサブガイド部材側を付勢部材により付勢するようにしたが、本発明はこれに限らず、光ピックアップのメインガイド部材側を付勢部材により付勢することが可能なように構成してもよい。また、光ピックアップのサブガイド部材側およびメインガイド部材側の両方を付勢部材により付勢することが可能なように構成してもよい。
また、上記実施形態では、板状部材からなるサブガイド部材を用いたが、本発明はこれに限らず、光ピックアップをガイドすることができ、かつ、光ピックアップを付勢する付勢部材を取り付けることが可能であれば、板状以外の形状を有する部材からなるガイド部材を用いてもよい。
また、上記実施形態では、樹脂製のドライブシャーシを用いたが、本発明はこれに限らず、金属製のドライブシャーシを用いてもよい。