JP2008089057A5 - - Google Patents

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車両用変速機
本発明は、エンジンからの動力が伝達され得るメインシャフトと、駆動輪に連結されるカウンタシャフトと、選択的な確立を可能として前記メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間に設けられる複数変速段の歯車列と、それらの歯車列の確立状態を切り換えるべく前記メインシャフトまたは前記カウンタシャフトに相対回転不能かつスライド可能に支承されるシフタと、該シフタを回転自在に保持するシフトフォークを係合させるリード溝を外周に有するシフトドラムと、該シフトドラムとともに回動するシフトドラムセンターと、該シフトドラムセンターを間欠的に回動駆動する間欠送り機構とを備え、前記複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるべく前記シフタをスライドさせるときに前記メインシャフトへの前記エンジンからの動力伝達が遮断される車両用変速機に関する。
シフトドラムとともに回動するシフトドラムセンターを間欠的に回動駆動することにより、複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるようにした車両用変速機が、たとえば特許文献1で知られている。
特開平9−317881号公報
ところが、上記特許文献1で開示された車両用変速機の間欠送り機構は、複数変速段の歯車列の確立状態を切換える際に、ドラムシフタを所定角度だけ同一回動速度で回動駆動するように構成されている。このため歯車列の確立状態を切換えるべくシフタをスライドさせるときに、シフタと、該シフタを係合させる歯車との速度差が比較的大きく、係合音が大きくなってしまう。特に、シフトアップおよびシフトダウン操作に応じて自動的に変速段を切り換えるようにした車両において、或る変速段での走行中に予備変速を行うようにしたものでは、乗員の操作とは連動しない大きな係合音が生じることになり、乗員が違和感を感じてしまうことになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、シフタのスライドによる変速段の切換え時における係合音を小さく抑え得るようにした車両用変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、エンジンからの動力が伝達され得るメインシャフトと、駆動輪に連結されるカウンタシャフトと、選択的な確立を可能として前記メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間に設けられる複数変速段の歯車列と、それらの歯車列の確立状態を切り換えるべく前記メインシャフトまたは前記カウンタシャフトに相対回転不能かつスライド可能に支承されるシフタと、該シフタを回転自在に保持するシフトフォークを係合させるリード溝を外周に有するシフトドラムと、該シフトドラムとともに回動するシフトドラムセンターと、該シフトドラムセンターを間欠的に回動駆動する間欠送り機構とを備え、前記複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるべく前記シフタをスライドさせるときに前記メインシャフトへの前記エンジンからの動力伝達が遮断される車両用変速機において、前記間欠送り機構は、前記シフトドラムセンターと同軸の軸線まわりに回動することを可能として前記シフトドラムセンター内に少なくとも一部が配置されるドラムシフタと、該ドラムシフタの半径方向に起倒するようにして前記ドラムシフタに対称的に装着される一対のポールと、それらのポールを起立方向にそれぞれ付勢する一対のばねと、前記両ポールを係合させることを可能として前記シフトドラムセンターの内周に周方向等間隔に設けられる複数の係合凹部と、前記ドラムシフタの回動に応じた前記両ポールの起伏状態を半径方向外側からガイドする固定のガイドプレートとを有し、該ガイドプレートには、大径円弧部および小径円弧部と、大径円弧部および小径円弧部間を連結する連結部とが設けられ、前記複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるのに必要な回動量だけ前記ドラムシフタが回動する間の途中で、前記ポールを前記係合凹部に係合させるように前記連結部が形成されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、エンジンからの動力伝達を可能として同軸に配置される第1および第2メインシャフトと、駆動輪に連結されるカウンタシャフトと、選択的な確立を可能として前記第1および第2メインシャフトならびに前記カウンタシャフト間に設けられる複数変速段の歯車列と、それらの歯車列のうち第1メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間に設けられる歯車列の確立状態を切換えるべく前記第1メインシャフトに相対回転不能かつスライド可能に配置されるシフタと、該シフタを回転自在に保持するシフトフォークを係合させるリード溝を外周に有するシフトドラムと、該シフトドラムとともに回動するシフトドラムセンターと、該シフトドラムセンターを間欠的に回動駆動する間欠送り機構とを備え、第1メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間の前記歯車列の確立状態を切換えるべく前記シフタをスライドさせるときに前記第2メインシャフトに前記エンジンからの動力が伝達された状態で前記第1メインシャフトへの前記エンジンからの動力伝達が遮断される車両用変速機において、前記間欠送り機構は、前記シフトドラムセンターと同軸の軸線まわりに回動することを可能として前記シフトドラムセンター内に少なくとも一部が配置されるドラムシフタと、該ドラムシフタの半径方向に起倒するようにして前記ドラムシフタに対称的に装着される一対のポールと、それらのポールを起立方向にそれぞれ付勢する一対のばねと、前記両ポールを係合させることを可能として前記シフトドラムセンターの内周に周方向等間隔に設けられる複数の係合凹部と、前記ドラムシフタの回動に応じた前記両ポールの起伏状態を半径方向外側からガイドする固定のガイドプレートとを有し、該ガイドプレートには、大径円弧部および小径円弧部と、大径円弧部および小径円弧部間を連結する連結部とが設けられ、前記複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるのに必要な回動量だけ前記ドラムシフタが回動する間の途中で、前記ポールを前記係合凹部に係合させるように前記連結部が形成されることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、エンジンからの動力伝達を可能として同軸に配置される第1および第2メインシャフトと、駆動輪に連結されるカウンタシャフトと、選択的な確立を可能として前記第1および第2メインシャフトならびに前記カウンタシャフト間に設けられる複数変速段の歯車列と、それらの歯車列のうち第2メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間に設けられる歯車列の確立状態を切換えるべく前記カウンタシャフトに相対回転不能かつスライド可能に配置されるシフタと、該シフタを回転自在に保持するシフトフォークを係合させるリード溝を外周に有するシフトドラムと、該シフトドラムとともに回動するシフトドラムセンターと、該シフトドラムセンターを間欠的に回動駆動する間欠送り機構とを備え、第2メインシャフトおよび前記カウンタシャフト間の前記歯車列の確立状態を切換えるべく前記シフタをスライドさせるときに前記第1メインシャフトに前記エンジンからの動力が伝達された状態で前記第2メインシャフトへの前記エンジンからの動力伝達が遮断される車両用変速機において、前記間欠送り機構は、前記シフトドラムセンターと同軸の軸線まわりに回動することを可能として前記シフトドラムセンター内に少なくとも一部が配置されるドラムシフタと、該ドラムシフタの半径方向に起倒するようにして前記ドラムシフタに対称的に装着される一対のポールと、それらのポールを起立方向にそれぞれ付勢する一対のばねと、前記両ポールを係合させることを可能として前記シフトドラムセンターの内周に周方向等間隔に設けられる複数の係合凹部と、前記ドラムシフタの回動に応じた前記両ポールの起伏状態を半径方向外側からガイドする固定のガイドプレートとを有し、該ガイドプレートには、大径円弧部および小径円弧部と、大径円弧部および小径円弧部間を連結する連結部とが設けられ、前記複数変速段の歯車列の確立状態を切換えるのに必要な回動量だけ前記ドラムシフタが回動する間の途中で、前記ポールを前記係合凹部に係合させるように前記連結部が形成されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、メインシャフトまたはカウンタシャフトとともに回転するシフタを、歯車列の確立状態を切換えるべくスライドさせる際に、ガイドプレートは、ポールを係合凹部に係合させてシフトドラムの回動速度すなわちシフタのスライド速度を一旦緩めることになり、それによって確立状態となる側の歯車列の歯車へのシフタの係合タイミングを遅らせることができ、シフタと、該シフタを係合させる歯車との速度差を比較的小さくし、係合音が大きくなってしまうのを防止することができる。
また請求項2記載の発明によれば、第1メインシャフトとともに回転するシフタを、第1メインシャフトへのエンジンからの動力伝達を遮断するとともに第2メインシャフトにエンジンからの動力を伝達している状態で歯車列の確立状態を切換えるべくスライドさせる際に、ガイドプレートは、ポールを係合凹部に係合させてシフトドラムの回動速度すなわちシフタのスライド速度を一旦緩めることになり、それによって確立状態となる側の歯車列の歯車へのシフタの係合タイミングを遅らせることができる。したがって第2メインシャフトおよびカウンタシャフト間に設けれている歯車列の確立によって両アイドル歯車が回転している状態で、第1および第2メインシャフト間に設けられている軸受もしくは潤滑油の粘性による第1メインシャフトのつれ回りに伴う前記シフタの回転速度と、該シフタを係合させる歯車との相対回転速度差を比較的小さくすることができ、係合音が大きくなってしまうのを防止することができる。
さらに請求項3記載の発明によれば、カウンタシャフトとともに回転するシフタを、第2メインシャフトへのエンジンからの動力伝達を遮断するとともに第1メインシャフトにエンジンからの動力を伝達している状態で歯車列の確立状態を切換えるべくスライドさせる際に、ガイドプレートは、ポールを係合凹部に係合させてシフトドラムの回動速度すなわちシフタのスライド速度を一旦緩めることになり、それによって確立状態となる側の歯車列の歯車へのシフタの係合タイミングを遅らせることができる。したがって第1メインシャフトおよびカウンタシャフト間に設けれている歯車列の確立によってカウンタシャフトおよびシフタが回転している状態で、第1および第2メインシャフト間に設けられている軸受もしくは潤滑油の粘性による第2メインシャフトのつれ回りに伴って、確立状態となる歯車列の歯車も回転するが、その歯車の回転速度と、前記シフタとの相対回転速度差を比較的小さくすることができ、係合音が大きくなってしまうのを防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、歯車列の非確立状態でシフトドラムの回動を一旦緩めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図19は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はエンジン本体の縦断面図であって図2の1−1線に沿う断面図、図2は図1の2−2線矢視方向から見た一部切欠き側面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は第1シフタおよび被係合部材の係合状態を示す横断面図、図5は第1シフタおよび第3速用駆動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図、図6は第2シフタおよび第5速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図、図7は第2シフタおよび後進用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図、図8は第3シフタおよび第2速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図、図9は第3シフタおよび第4速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図、図10は図2の10−10線断面図、図11はシフトドラムの外周面の展開図、図12は第1速の運転状態での図10の12−12線断面図、図13は第1速の運転状態での図10の13−13線拡大断面図、図14はシフトドラムセンターの回動途中での送り機構の一部の状態を示す図、図15は第1速から第2速へのシフトアップ途中の状態での図12に対応した図、図16は第2速の運転状態での図12に対応した図、図17はシフト用作動モータの作動制御手順を示すフローチャート、図18はシフトアップモードでの制御手順を示すフローチャート、図19はシフトアップ時のチェンジ軸の回動角変化を示す図である。
先ず図1において、たとえば荒地走行用車両に搭載されるエンジンEのエンジン本体21は、軸線を車幅方向(図1の紙面に平行な方向)に沿わせたクランクシャフト22を回転自在に支承するクランクケース23と、該クランクケース23の上部に結合されるシリンダブロック24と、該シリンダブロック24の上部に結合されるシリンダヘッド25と、シリンダヘッド25の上部に結合されるヘッドカバー26とを備え、シリンダブロック24のシリンダボア27に摺動可能に嵌合されるピストン28が、前記クランクシャフト22にコネクティングロッド29およびクランクピン30を介して連接される。
前記クランクケース23は、前記クランクシャフト22の回転軸線に直交する平面で結合される一対のケース半体23a,23bから成り、該クランクケース23の両側には、第1および第2クランクケースカバー31,32がそれぞれ締結され、クランクケース23および第1クランクケースカバー31間にはクラッチ収容室33が形成される。
クランクケース23から突出したクランクシャフト22の一端は第1クランクケースカバー31で回転自在に支承されるものであり、第1クランクケースカバー31に近接した位置でクランクシャフト22の一端部にはクラッチ収容室33に収容される遠心クラッチ34が一方向クラッチ35を介して装着される。クランクケース23から突出したクランクシャフト22の他端部には、クランクケース23および第2クランクケースカバー32間に配置される発電機(図示せず)が連結されるとともに第2クランクケースカバー32に取付けられるリコイルスタータ36が連結される。また第2クランクケースカバー32には、クランクシャフト22に始動用動力を入力するための始動用モータ37が取付けられる。
前記遠心クラッチ34は、クランクシャフト22に固定されるドライブプレート38と、クランクシャフト22に相対回転可能に装着された駆動歯車39とともに回転するようにして前記ドライブプレート38を同軸に覆う椀状のクラッチハウジング40と、クランクシャフト22の回転に伴う遠心力の作用に応じてクラッチハウジング40の内周に摩擦係合することを可能としてドライブプレート38に回動可能に軸支されるクラッチウエイト41とを備えるものであり、一方向クラッチ35が、駆動歯車39からクランクシャフト22への動力伝達を可能とすべくクラッチハウジング40およびドライブプレート38間に設けられる。
図2および図3を併せて参照して、クランクケース23には、同一軸線まわりの相対回転を可能として同軸に配置される第1および第2メインシャフト44,45がクランクシャフト22の回転軸線と平行な軸線まわりの回転を可能として支承されるとともに、第1および第2メインシャフト44,45と平行なカウンタシャフト46が回転自在に支承される。また第1および第2メインシャフト44,45と、カウンタシャフト46との間には、選択的な確立を可能とした複数変速段の歯車列が設けられており、この実施例では、第1メインシャフト44およびカウンタシャフト46間に、第1速歯車列G1、第3速歯車列G3および第5速歯車列G5が設けられ、第2メインシャフト45およびカウンタシャフト46間に、第2速歯車列G2、第4速歯車列G4および後進歯車列GRが設けられる。
また第1メインシャフト44は、クランクケース23にボールベアリング47,47を介して回転自在に支承される第2メインシャフト45を、相対回転可能として同軸に貫通するものであり、第2メインシャフト45および第1メインシャフト44間には複数のニードルベアリング48…が介装される。
クラッチ収容室33内で第1メインシャフト44には、伝動筒軸49が相対回転可能に装着されており、該伝動筒軸49には、クランクシャフト22に相対回転可能に装着された前記駆動歯車39、該駆動歯車39に噛合する被動歯車50およびラバーダンパ51を介して動力が伝達される。また伝動筒軸49および第1メインシャフト44間には第1油圧クラッチ52が設けられ、伝動筒軸49および第2メインシャフト45間には第2油圧クラッチ53が設けられる。
而して第1油圧クラッチ52が動力伝達状態にあって第1メインシャフト44にクランクシャフト22から動力が伝達されているときには、第1、第3および第5速歯車列G1,G3,G5のうち択一的に確立した歯車列を介して第1メインシャフト44からカウンタシャフト46に動力が伝達され、第2油圧クラッチ53が動力伝達状態にあって第2メインシャフト45にクランクシャフト22から動力が伝達されているときには、第2、第4および後進歯車列G2,G4,GRのうち択一的に確立した歯車列を介して第2メインシャフト45からカウンタシャフト46に動力が伝達される。
図1で示すように、図示しない駆動輪に連結されるとともに前記クランクシャフト22の回転軸線と平行な軸線を有する出力軸54が、クランクケース23の両ケース半体23a,23bのうち一方のケース半体23aおよび第2のクランクケースカバー32で回転自在に支承されており、この出力軸54の両端は第1および第2クランクケースカバー31,32を液密にかつ回転自在に貫通して外方に突出する。一方、クランクケース23の両ケース半体23a,23bのうち他方のケース半体23bから突出したカウンタシャフト46の端部には駆動歯車55が固定され、この駆動歯車55に噛合する被動歯車56が前記出力軸54に設けられる。すなわち、カウンタシャフト46は、駆動歯車55、被動歯車56および出力軸54を介して駆動輪に連結される。
図3に注目して、第1速歯車列G1は、軸方向位置を一定として第1メインシャフト44に相対回転可能に支承される第1速用駆動アイドル歯車57と、カウンタシャフト46に相対回転不能に結合されるとともに第1速用駆動アイドル歯車57に噛合する第1速用被動歯車58とから成り、第3速歯車列G3は、軸方向位置を一定として第1メインシャフト44に相対回転可能に支承される第3速用駆動アイドル歯車59と、前記カウンタシャフト46に相対回転不能に結合されるとともに第3速用駆動アイドル歯車59に噛合する第3速用被動歯車60とから成る。また第5速歯車列G5は、軸方向のスライド作動を可能として第1および第3速用駆動アイドル歯車57,59間に配置されて第1メインシャフト44に相対回転不能に結合される第5速用駆動歯車61と、軸方向位置を一定としてカウンタシャフト46に相対回転可能に支承されるとともに第5速用駆動歯車61に噛合する第5速用被動アイドル歯車62とから成る。
第2速歯車列G2は、第2メインシャフト45に一体に設けられる第2速用駆動歯車63と、軸方向位置を一定としてカウンタシャフト46に回転自在に支承されるとともに第2速用駆動歯車63に噛合する第2速用被動アイドル歯車64とから成り、第4速歯車列G4は、第2メインシャフト45に一体に設けられる第4速用駆動歯車65と、軸方向位置を一定としてカウンタシャフト46に相対回転可能に支承されるとともに第4速用駆動歯車65に噛合する第4速用被動アイドル歯車66とから成る。また後進歯車列GRは、第2速用駆動歯車63と、第2速用駆動歯車63に噛合する第1後進アイドル歯車67と、第1後進アイドル歯車67と一体に形成される第2後進アイドル歯車68と、軸方向位置を一定としてカウンタシャフト46に相対回転可能に支承されるとともに第2後進アイドル歯車68に噛合する後進用被動アイドル歯車69とから成り、一体の第1および第2後進アイドル歯車67,68は、第1メインシャフト44、第2メインシャフト45およびカウンタシャフト46と平行な軸線を有してクランクケース23に両端部が支持された後進アイドル軸70で回転自在に支承されている。
第1速用駆動アイドル歯車57の第3速用駆動アイドル歯車59側の端部にはリング状の被係合部材71が固着されており、この被係合部材71および第3速用駆動アイドル歯車59間で第1メインシャフト44には、第1シフタ72が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、第5速用駆動歯車61は第1シフタ72に一体に設けられる。この第1シフタ72は、前記被係合部材71に係合して第1速歯車列G1を確立する位置と、第3速用駆動アイドル歯車59に係合して第3速歯車列G3を確立する位置と、第1および第3速用駆動アイドル歯車57,59のいずれにも係合しない中間位置(ニュートラル状態)とを切換えて第1メインシャフト44の軸方向にスライド可能である。
また第3速歯車列G3の第3速用被動歯車60は、第5速用被動アイドル歯車62および後進用被動アイドル歯車69間でカウンタシャフト46に相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承される第2シフタ73に一体に設けられており、第2シフタ73は第3速用駆動アイドル歯車59および第3速用被動歯車60の噛合状態を保持しつつ、第5速用被動アイドル歯車62に係合する位置ならびに後進用被動アイドル歯車69に係合する位置間でカウンタシャフト46の軸方向にスライド可能である。而して第1シフタ72が中間位置にある状態で第2シフタ73が第5速用被動アイドル歯車62に係合すると第5速歯車列G5が確立する。
さらに第2速用被動アイドル歯車64および第4速用被動アイドル歯車66間でカウンタシャフト46には、第3シフタ74が相対回転不能かつ軸方向スライド可能に支承されており、この第3シフタ74は、第2速用被動アイドル歯車64に係合して第2速歯車列G2を確立する位置と、第4速用被動アイドル歯車66に係合して第4速歯車列G4を確立する位置と、第2および第4速用被動アイドル歯車64,66のいずれにも係合しない中間位置(ニュートラル状態)とを切換えてカウンタシャフト46の軸方向にスライド可能である。而して第1および第3シフタ72,74が中間位置にある状態で第2シフタ73が後進用被動アイドル歯車69に係合すると後進歯車列GRが確立する。
第1速用駆動アイドル歯車57に固着された被係合部材71側で第1シフタ72の端部には、図4で示すように、複数の第1係合突部78…が周方向に等間隔をあけて突設されており、前記被係合部材71には、それらの第1係合突部78…をそれぞれ係合させ得る複数の第1係止突部79…が設けられる。また第1シフタ72の第3速用駆動アイドル歯車59側の端部には、図5で示すように、複数の第2係合突部80…が周方向に等間隔をあけて突設されており、第3速用駆動アイドル歯車59にはそれらの第2係合突部80…をそれぞれ係合させ得る複数の第2係止突部81…が設けられる。
第2シフタ73の第5速用被動アイドル歯車62側の端部には、図6で示すように、複数の第3係合突部82…が周方向に等間隔をあけて突設されており、第5速用被動アイドル歯車62には、それらの第3係合突部82…をそれぞれ係合させ得る複数の第3係止突部83…が設けられる。また第2シフタ73の後進用被動アイドル歯車69側の端部には、図7で示すように、複数の第4係合突部84…が周方向に等間隔をあけて突設されており、後進用被動アイドル歯車69にはそれらの第4係合突部84…をそれぞれ係合させ得る複数の第4係止突部85…が設けられる。
第3シフタ74の第2速用被動アイドル歯車64側の端部には、図8で示すように、複数の第5係合突部86…が周方向に等間隔をあけて突設されており、第2速用被動アイドル歯車64には、それらの第5係合突部86…をそれぞれ係合させ得る複数の第5係止突部87…が設けられる。また第3シフタ74の第4速用被動アイドル歯車66側の端部には、図9で示すように、複数の第6係合突部88…が周方向に等間隔をあけて突設されており、第4速用被動アイドル歯車66にはそれらの第6係合突部88…をそれぞれ係合させ得る複数の第6係止突部89…が設けられる。
しかも極力小さく形成された第1〜第6係合突部78…,80…,82…,84…,86…,88…ならびに第1〜第6係止突部79…,81…,83…,85…,87…,89…の個数は極力多く設定されるものであり、第1〜第6係合突部78…,80…,82…,84…,86…,88…ならびに第1〜第6係止突部79…,81…,83…,85…,87…,89…は、先端側に向かうにつれて幅を狭くするようにして歯車の歯と同様の形状を有するように形成される。このような第1〜第6係合突部78…,80…,82…,84…,86…,88…ならびに第1〜第6係止突部79…,81…,83…,85…,87…,89…の大きさ、個数および形状の設定により、第1〜第6係合突部78…,80…,82…,84…,86…,88…が第1〜第6係止突部79…,81…,83…,85…,87…,89…のうち対応の係止突部に係合する際の係合音を小さくすることが可能である。
図10を併せて参照して、第1〜第3シフタ72,73,74は、第1〜第3シフトフォーク91,92,93で回転自在に保持されており、それらのシフトフォーク91〜93は、第1および第2メインシャフト44,45ならびにカウンタシャフト46と平行な軸線を有してクランクケース23に支持されたシフトフォーク軸94で、該シフトフォーク軸94の軸方向にスライド可能に支承される。またクランクケース23には、第1および第2メインシャフト44,45ならびにカウンタシャフト46と平行な軸線を有するシフトドラム95が軸線まわりに回動することを可能として支承されており、このシフトドラム95の外周面に設けられる第1〜第3のリード溝96,97,98に第1〜第3シフトフォーク91〜93に突設されたピン91a,92a,93aがそれぞれ係合され、シフトドラム95が回動すると第1〜第3のリード溝96〜98のパターンに応じて第1〜第3シフトフォーク91〜93が軸方向にスライド作動する。
図11において、第1のリード溝96は、第1シフタ72を保持する第1シフトフォーク91のスライド作動をガイドするためのものであり、第1速用駆動アイドル歯車57に固着された被係合部材71に第1シフタ72を係合させるようにしてシフトドラム95の周方向に延びる第1速用歯車列確立部96aと、第3速用駆動アイドル歯車59に第1シフタ72を係合させるようにして第1速用歯車列確立部96aとはシフトドラム95の軸線方向にオフセットした位置で該シフトドラム95の周方向に延びる第3速用歯車列確立部96bと、第1および第3速用歯車列確立部96a,96b間を結ぶ連絡部96cと、第1シフタ72を中間位置に保持するための一対の中間位置部96d,96eとを有し、前記連絡部96cの中央部には、第1および第3速用駆動アイドル歯車57,59への係合を解除する位置に第1シフタ72を保持するニュートラル部96fが、前記シフトドラム95の周方向にわずかに延びて形成される。
また第2のリード溝97は、第2シフタ73を保持する第2シフトフォーク92のスライド作動をガイドするためのものであり、後進用被動アイドル歯車69に第2シフタ73を係合させるようにしてシフトドラム95の周方向に延びる後進用歯車列確立部97aと、第5速用被動アイドル歯車62に第2シフタ73を係合させるようにして後進用歯車列確立部97aとはシフトドラム95の軸線方向にオフセットした位置で該シフトドラム95の周方向に延びる第5速用歯車列確立部97bと、第2シフタ73を中間位置に保持するための中間位置部97cとを有する。
さらに第3のリード溝98は、第3シフタ74を保持する第3シフトフォーク93のスライド作動をガイドするためのものであり、第2速用被動アイドル歯車64に第3シフタ74を係合させるようにしてシフトドラム95の周方向に延びる第2速用歯車列確立部98aと、第4速用被動アイドル歯車66に第3シフタ74を係合させるようにして第2速用歯車列確立部98aとはシフトドラム95の軸線方向にオフセットした位置で該シフトドラム95の周方向に延びる第4速用歯車列確立部98bと、第2および第4速用歯車列確立部98a,98b間を結ぶ連絡部98cと、第3シフタ74を中間位置に保持するための中間位置部98dとを有し、前記連絡部98cの中央部には、第2および第4速用被動アイドル歯車64,66への係合を解除する位置に第3シフタ74を保持するニュートラル部98eが、前記シフトドラム95の周方向にわずかに延びて形成される。
ところでシフトドラム95には、後進位置PR 、中立位置PN 、第1および第2速位置P1-2 、第2および第3速位置P2-3 、第3および第4速位置P3-4 、第4および第5速位置P4-5 の各位置が60度ずつの間隔をあけて順次設定されている。
而して後進位置PR では、第1および第3のリード溝96,98の中間位置部96d,98dに第1および第3シフトフォーク91,93のピン91a,93aを係合させるとともに第2のリード溝97の後進用歯車列確立部97aに第2シフトフォーク92のピン92aを係合させて後進歯車列GRを確立する。また中立位置PN では、第1〜第3のリード溝96〜98の中間位置部96d,97c,98dに第1〜第3シフトフォーク91〜93のピン91a〜93aを係合させて各歯車列G1〜G5,GRのいずれをも未確立の状態とする。第1および第2速位置P1-2 では、第1のリード溝96の第1速用歯車列確立部96aに第1シフトフォーク91のピン91aを係合し、第2のリード溝97の中間位置部97cに第2シフトフォーク92のピン92aを係合し、第3のリード溝98の第2速用歯車列確立部98aに第3シフトフォーク93のピン93aを係合して、第1および第2速歯車列G1,G2をともに確立する。第2および第3速位置P2-3 では、第1のリード溝96の第3速用歯車列確立部96bに第1シフトフォーク91のピン91aを係合し、第2のリード溝97の中間位置部97cに第2シフトフォーク92のピン92aを係合し、第3のリード溝98の第2速用歯車列確立部98aに第3シフトフォーク93のピン93aを係合して、第2および第3速歯車列G2,G3をともに確立する。第3および第4速位置P3-4 では、第1のリード溝96の第3速用歯車列確立部96bに第1シフトフォーク91のピン91aを係合し、第2のリード溝97の中間位置部97cに第2シフトフォーク92のピン92aを係合し、第3のリード溝98の第4速用歯車列確立部98bに第3シフトフォーク93のピン93aを係合して、第3および第4速歯車列G3,G4をともに確立する。さらに第4および第5速位置P4-5 では、第1のリード溝96の中間位置部96eに第1シフトフォーク91のピン91aを係合し、第2のリード溝97の第5速用歯車列確立部97bに第2シフトフォーク92のピン92aを係合し、第3のリード溝98の第4速用歯車列確立部98bに第3シフトフォーク93のピン93aを係合して、第4および第5速歯車列G4,G5をともに確立する。
すなわちシフトアップ時には、高速段への切換前に高速段側の歯車列を予め確立することができ、シフトダウン時には、低速段への切換前に低速段側の歯車列を予め確立することができる。
ところでシフトドラム95の周方向に沿って第1および第2速位置P1-2 と第2および第3速位置P2-3 との間の中央部には、第1メインシャフト44およびカウンタシャフト46間に設けられている第1速歯車列G1および第3速歯車列G3の確立状態を切換える際のニュートラル位置である1−3ニュートラル位置NP1 が設定されており、第1のリード溝96のニュートラル部96fは1−3ニュートラル位置NP1 に配置される。またシフトドラム95の周方向に沿って第2および第3速位置P2-3 と第3および第4速位置P3-4 との間の中央部には、第2メインシャフト45およびカウンタシャフト46間に設けられている第2速歯車列G2および第4速歯車列G4の確立状態を切換える際のニュートラル位置である2−4ニュートラル位置NP2 が設定されており、第3のリード溝98のニュートラル部98eは2−4ニュートラル位置NP2 に配置される。さらにシフトドラム95の周方向に沿って第3および第4速位置P3-4 と第4および第5速位置P4-5 との間に中央部には、第1メインシャフト44およびカウンタシャフト46間に設けられている第3速歯車列G3および第5速歯車列G5の確立状態を切換える際のニュートラル位置である3−5ニュートラル位置NP3 が設定される。
図12および図13を併せて参照して、前記シフトドラム95の一端には、該シフトドラム95とともに回動するシフトドラムセンター99が同軸のボルト111で固定されており、このシフトドラムセンター99の外周には、第1〜第5速歯車列G1〜G5および後進歯車列GRを選択的に確立させるためにシフトドラム95で設定されている上記後進位置PR 、中立位置PN 、第1および第2速位置P1-2 、第2および第3速位置P2-3 、第3および第4速位置P3-4 、第4および第5速位置P4-5 の各位置に個別に対応した後進用位置決めノッチSR 、中立用位置決めノッチSN 、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 、第3および第4速用位置決めノッチS3-4 、第4および第5速用位置決めノッチS4-5 が相互に等間隔をあけて設けられる。而してこの実施例では、前記各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 が60度の間隔を相互間にあけてシフトドラムセンター99の外周に設けられる。
しかも第1および第2速用位置決めノッチS1-2 、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 、第3および第4速用位置決めノッチS3-4 ならびに第4および第5速用位置決めノッチS4-5 相互間の中央部でシフトドラムセンター99の外周には、1−3ニュートラル位置NP1 、2−4ニュートラル位置NP2 および3−5ニュートラル位置NP3 に個別に対応したニュートラル用ノッチN1 ,N2 ,N3 が設けられる。
前記シフトドラムセンター99に設けられた各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 ,N1 ,N2 ,N3 には、ドラムストッパアーム100が選択的に係合されるものであり、このドラムストッパアーム100は、前記シフトドラム95およびシフトドラムセンター99の軸線と平行な軸線を有する支軸103でクランクケース23におけるケース半体23aに基端部が回動可能に軸支されるアーム101と、前記各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 ,N1 ,N2 ,N3 の1つに係合するようにして前記アーム101の先端に軸支されるローラ102とから成る。しかも前記各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 ,N1 ,N2 ,N3 は、ローラ102の係合状態を安定化させるために円弧状に凹んで形成される。
前記アーム101の基端部および前記ケース半体23a間にはねじりばね104が設けられており、前記アーム101すなわちドラムストッパアーム100は、ローラ102を各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 ,N1 ,N2 ,N3 の1つに係合させるべく、前記ねじりばね104が発揮するばね力により、前記シフトドラムセンター99の回動中心に向けて付勢される。
前記シフトドラムセンター99は、送り機構105で所定角度(この実施例では60度)だけ間欠的に回動駆動されるものであり、この送り機構105は、前記シフトドラムセンター99と同軸の軸線まわりに回動することを可能として前記シフトドラムセンター99内に少なくとも一部が配置されるドラムシフタ106と、該ドラムシフタ106の半径方向に起倒するようにして前記ドラムシフタ106に対称的に装着される一対のポール107,107と、それらのポール107…を起立方向にそれぞれ付勢する一対のばね108,108と、前記両ポール107…を係合させることを可能として前記シフトドラムセンター99の内周に周方向等間隔に設けられる係合凹部109,109…と、前記ドラムシフタ106の回動に応じた前記両ポール107…の起伏状態をガイドする固定のガイドプレート110と、前記ドラムシフタ106に回動力を付与するシフト用作動モータ120とを有する。
前記ドラムシフタ106は、前記シフトドラムセンター99をシフトドラム95の一端に同軸に結合するボルト111が同軸に備える軸部111aで、シフトドラムセンター99と同軸の軸線まわりに回動することを可能として支承されるものであり、一部をシフトドラムセンター99から外方に突出させたドラムシフタ106の大部分はシフトドラムセンター99内に相対回動可能に配置される。
またドラムシフタ106の外周部に設けられた収容凹部112,112の閉塞端と、前記ポール107…の先端部に当接するようにして収容凹部112…に摺動可能に嵌合される有底円筒状のリフタ113,113との間に前記ばね108…がそれぞれ縮設される。而してポール107…は前記ばね108…によって起立方向に付勢されるものであり、ポール107…は起立時に先端部をドラムシフタ106の外周から突出させ、倒伏時には先端部がドラムシフタ106の外周と略同一位置となる。
シフトドラムセンター99の内周には、複数個(この実施例では6個)の係合凹部109,109…が周方向に等間隔をあけて設けられており、ドラムストッパアーム100が、後進用位置決めノッチSR 、中立用位置決めノッチSN 、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 、第3および第4速用位置決めノッチS3-4 ならびに第4および第5速用位置決めノッチS4-5 の1つに係合している状態で、各係合凹部109…のうち相互間に2つの係合凹部109,109を挟んだ位置にある2つの係合凹部109,109に前記両ポール107…の先端部を選択的に係合させることができる。
前記ガイドプレート110は、前記シフトドラムセンター99をクランクケース23におけるケース半体23aとの間に挟む位置で、一対のボルト116,116によって前記ケース半体23aに締結されるものであり、このガイドプレート110には、前記ドラムシフタ106に対応したガイド孔117が設けられる。
このガイド孔117は、前記シフトドラムセンター99およびドラムシフタ106の回動軸線すなわち軸部111aの軸線を中心として前記ドラムシフタ106の周よりも大径に形成される大径円弧部117aと、該大径円弧部117aの中央部から前記ドラムシフタ106の周よりも内方に突出する規制突部117bと、前記軸部111aの軸線を中心として前記ドラムシフタ106の周よりも小径に形成される小径円弧部117cと、大径円弧部117aの両端および前記小径円弧部117の両端間を結ぶ連結部117d,117dとから成るものであり、前記大径円弧部117aの周方向長さは、前記両ポール107…の先端部がそれぞれ係合している2つの係合凹部109…間に対応する長さに設定される。
しかも前記連結部117d…は、前記係合凹部109に係合しているポール107がドラムシフタ106の回動に応じて前記小径円弧部117c側に移動したときに当該ポール107に当接し、該ポール107を倒伏側に押圧する段部117e…を中間部に有するように形成されており、それらの段部117e…は、前記シフトドラムセンター99の内周よりも外方に配置されている。
また前記規制突部117bは、作動途中で一旦停止する前記シフト用作動モータ120の作動に応じて、前記ドラムシフタ106が途中で一旦停止するようにして1回作動するのに応じて、前記両ポール107…の一方の先端部に当接してドラムシフタ106の回動を規制するように形成される。
図10に注目して、第1クランクケースカバー31には、第1クランクケースカバー31との間に減速機構収容室118を形成するカバー119が締結されており、該カバー119にはシフト用作動モータ120が取付けられる。このシフト用作動モータ120は、前記シフトドラム95と平行な回転軸線を有するものであり、その出力軸120aを前記減速機構収容室118に突入させるようにして前記カバー119に取付けられる。一方、シフトドラム95と平行な軸線を有するチェンジ軸121が、前記第1クランクケースカバー31、前記カバー119および第2クランクケースカバー32を回転自在に貫通するように配置されており、前記減速機構収容室118には、前記出力軸120aおよび前記チェンジ軸121間に設けられる歯車減速機構122が収容される。
而して前記減速歯車機構122は、減速機構収容室118内でシフト用作動モータ120の出力軸120aに一体に設けられる駆動歯車123と、該駆動歯車123に噛合する第1中間歯車124と、第1中間歯車124と一体に回転する第2中間歯車125と、減速機構収容室118内で前記チェンジ軸121の一端側に固定されて第2中間歯車125に噛合する被動セクタ歯車126とから成り、シフト用作動モータ120の回転動力が減速歯車機構122で減速されてチェンジ軸121に伝達される。
前記チェンジ軸121には、前記チェンジ軸121に基端部が固定されるとともにチェンジ軸12の半径方向に沿ってドラムシフタ106側に延びるチェンジアーム127が固定されており、前記チェンジ軸121の半径方向に長く延びてチェンジアーム127に設けられる長孔状の係合孔128に、ドラムシフタ106の回動軸線からオフセットした位置で該ドラムシフタ106に植設される係合ピン129が係合される。
また前記チェンジアーム127の基端部には、チェンジアーム127と略L字状をなすようにしてチェンジ軸121の半径方向に延びるアーム130が一体に連設されており、このアーム130の先端部には、前記チェンジ軸121の軸線を中心とする円弧状の長孔131が設けられるとともに、該長孔131の周方向中心およびチェンジ軸121の軸線を結ぶ直線上に位置する突部132が突設される。
一方、クランクケース23におけるケース半体23aには、前記長孔131に挿通されるピン133が植設されており、前記突部132および前記ピン133を両側から挟む一対の挟み腕134a,134aを両端に有する挟みばね134が、チェンジ軸121を囲繞するようにして前記チェンジアーム127およびアーム130と、クランクケース23のケース半体23aとの間に配置される。これにより前記チェンジアーム127および前記アーム130は、前記長孔131の周方向中心およびチェンジ軸121の軸線を結ぶ直線上に前記突部132および前記ピン133が並ぶ中位置に付勢されることになる。
ここで、第1速で運転している状態すなわちドラムストッパアーム100をシフトドラムセンター99の第1および第2速用位置決めノッチS1-2 に係合し、第1油圧クラッチ52を接続し、第2油圧クラッチ53を遮断している状態で第2速にシフトアップする場合について説明すると、シフト用電動モータ120の作動に応じてチェンジ軸121およびチェンジアーム127は図12の時計方向に回動し、送り機構105のドラムシフタ106は、チェンジアーム127の長孔128に係合ピン129が係合していることにより、係合ピン129を係合孔128内でチェンジ軸121に変位させつつ図12の時計方向に回動する。
これにより2つの係合凹部109,109にそれぞれ係合しているポール107,107の一方が、ガイドプレート110のガイド孔117における大径円弧部117aに対応する部分を軸部11aの軸線まわりに回動することになり、シフトドラムセンター99を図12の時計方向に回動するように押圧する。
このようなシフトドラム95の回動駆動時に、シフトドラム95が先行して回動してしまう場合があるが、この際、図14で示すように、歯車列G1〜G5,GRの非確立状態で、両ポール107,107の他方(シフトドラムセンター99を押圧していない方)が、ガイド孔117の連結部117dの中間部における段部17eに当接し、前記他方のポール107を係合凹部109に当接、係合させることにより、シフトドラム95の先行回動が停止することになる。
この状態では、図15で示すように、ドラムストッパアーム100のローラ102は、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 と、ニュートラル用ノッチN1 との間の山部を乗り越えてニュートラル用ノッチN1 に係合することになり、シフトドラム95のニューラル位置が正確に得られることなる。さらにドラムシフタ106が回動すると、前記他方のポール107は、前記段部117eによって内側に畳まれるように回動し、ドラムストッパアーム100のローラ102が、ニュートラル用ノッチN1 と、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 との間の山部を乗り越えることになる。
ドラムシフタ106のさらなる回動によって、前記他方のポール107はガイドプレート110におけるガイド孔117の小径円弧部117cに先端部を摺接させるようになり、ニュートラル用ノッチN 1 との間の山部を乗り越えてしまうまでドラムシフタ106が回動したときにシフト用電動モータ120の作動が停止され、図16で示すように、ドラムストッパアーム100のローラ102を第2および第3速用位置決めノッチS2-3 に係合するまでシフトドラムセンター99は回動することになる。すなわちシフト用電動モータ120は、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 と、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 との間の間隔である60度未満、たとえば53.7度だけドラムシフタ106を回動する動力を発揮すればよい。
このようにして送り機構105は、第1速から第2速へのシフトアップの途中でシフトドラム95の回動速度を一旦緩やかに低下させることになる。このような送り機構105の作用は、第2速から第3速へのシフトアップ時、第3速から第4速へのシフトアップ時、第4速から第5速へのシフトアップ時、ならびに第5速から第4速へのシフトダウン時、第4速から第3速へのシフトダウン時、第3速から第2速へのシフトダウン時、第2速から第1速へのシフトダウン時も同様である。
また後進用位置決めノッチSR 、中立用位置決めノッチSN 、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 、第3および第4速用位置決めノッチS3-4 ならびに第4および第5速用位置決めノッチS4-5 にドラムストッパアーム100のローラ102を係合して、シフトドラム95の回動を停止した後には、チェンジアーム127は挟みばね134のばね力よって、図12および図13で示す位置まで戻り、ドラムシフタ106も図12および図13で示す位置まで戻ることになる。
前記シフトドラム95の回動角度はドラム回動角度検出器135で検出されるものであり、該ドラム回動角度検出器135はシフトドラム95の他端に連結されて第2クランクケースカバー32に取付けられる。またチェンジ軸121の回動角度はチェンジ軸回動角度検出器136で検出され、このチェンジ軸回動角度検出器136はチェンジ軸121の他端に連結されて第2クランクケースカバー32に取付けられる。
前記シフト用作動モータ120の作動は図17で示す手順に従って制御されるものであり、ステップS1では、シフト用作動モータ120の動作を開始するかどうかを判断し、チェンジ軸121の回動角度を「0」に初期補正し、次のステップS2で電源電圧すなわちバッテリの出力電圧が所定値を超えた正常な状態にあるかどうかを判断し、電源電圧が不足していると判断したときにはステップS3に進んでシフト用作動モータ120の作動を停止する。また電源電圧が正常であると判断したときには、ステップS2からステップS4に進んでシフトアップか否かを判断し、シフトアップのときにはステップS5のシフトアップモードの処理を実行し、シフトアップではなかったときにはステップS6でシフトダウンモードの処理を実行する。
シフトアップモードでは図18で示す処理を実行し、このシフトアップモードの処理によってチェンジ軸121の回動角度は図19で示すように変化する。すなわちステップS11では、チェンジ軸回動角度検出器136で検出されるチェンジ軸121の回動角度がα1となるようにチェンジ軸121を回動せしめるべくシフト用作動モータ120を作動せしめる。このステップS11の処理は、チェンジ軸121の回動方向および所要時間を確認するためのものであり、時刻t1で回動角度α1に達したことを確認したときに、ステップS12に進み、チェンジ軸回動角度検出器136で検出されるチェンジ軸121の回動角度がα2となるようにチェンジ軸121を回動せしめるべくシフト用作動モータ120を作動せしめる。この回動角度α2は、シフトドラム95を、後進位置PR 、中立位置PN 、第1および第2速位置P1-2 、第2および第3速位置P2-3 、第3および第4速位置P3-4 、第4および第5速位置P4-5 の各位置に順次回動するのに必要な回動角度(この実施例では60度)の略半分に設定されるものであり、この実施例では略30度であり、この回動角度α2までのチェンジ軸121の回動によるシフタの作動によってそれまで確立されていた歯車列が未確立の状態、すなわちニュートラル状態となる。
チェンジ軸121の回動角度がα2に達した時刻t2ではステップS13に進み、シフト用作動モータ120の作動を一旦停止し、時刻t3までの所定時間ΔTだけその停止状態を保持する。
時刻t3ではステップS14においてチェンジ軸121を回動角度α3に達するまで前記回動角度α1,α2の回動角度を得るのと同一方向方向に回動せしめるべくシフト用作動モータ120を同一方向に回転させる。而して前記回動角度α3は、シフトドラム95を、後進位置PR 、中立位置PN 、第1および第2速位置P1-2 、第2および第3速位置P2-3 、第3および第4速位置P3-4 、第4および第5速位置P4-5 の各位置に順次回動するのに必要な回動角度、この実施例では60度であり、このチェンジ軸121の回動角度α3までの回動により、確立すべき歯車列が確立状態となる。この際、前記両ポール107…の一方の先端部が規制突部117bに当接することでドラムシフタ106の回動が規制される。
時刻t4でチェンジ軸121が回動角度α3まで回動した後のステップS15では、ドラム回動角度検出器135によってシフトドラム95が所定の回動位置となっているか否かを確認し、時刻t5では、ステップS16に進んで、チェンジ軸121をゆっくりと逆方向に回動させる。この処理はシフトドラムセンター99のノッチS2-3 ,S3-4 ,S4-5 へのドラムストッパアーム100の選択的な係合が解除されることを防止するためのものであり、時刻t6ではステップS17において、チェンジ軸121を通常の速度で「0」度に戻るまで逆方向に回動すべくシフト用作動モータ120を作動せしめる。
ここで、第2速で運転している状態すなわちドラムストッパアーム100をシフトドラムセンター99の第1および第2速用位置決めノッチS1-2 に係合し、第2油圧クラッチ53を接続し、第1油圧クラッチ52を遮断している状態で第3速にシフトアップするにあたり、予備変速によってシフトドラムセンター99の第2および第3速用位置決めノッチS2-3 にドラムストッパアーム100を係合する場合について説明すると、シフト用作動モータ120の作動に応じてチェンジ軸121およびチェンジアーム127は図12の時計方向に回動し、送り機構105のドラムシフタ106は、チェンジアーム127の長孔128に係合ピン129が係合していることにより、係合ピン129を係合孔128内でチェンジ軸121に変位させつつ図12の時計方向に回動する。
これにより2つの係合凹部109,109にそれぞれ係合しているポール107,107の一方が、ガイドプレート110のガイド孔117における大径円弧部117aに対応する部分を軸部11aの軸線まわりに回動することになり、シフトドラムセンター99を図12の時計方向に回動するように押圧する。而してシフトドラムセンター99すなわちシフトドラム95が約30度回動すると、図15で示すように、ドラムストッパアーム100のローラ102は、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 と、ニュートラル用ノッチN1 との間の山部を乗り越えてニュートラル用ノッチN1 に係合することになり、この状態で、シフト用作動モータ120の作動が一旦停止され、その停止状態が所定時間ΔTだけ保持される。
前記所定時間ΔTの経過後にシフト用作動モータ120の作動が再び開始され、ドラムシフタ106は、ドラムストッパアーム100のローラ102が、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 に係合するまで回動することになり、この状態で第1油圧クラッチ5を接続することにより第3速へのシフトアップが完了する。而してシフト用作動モータ120の作動が停止すると、チェンジアーム127は挟みばね134のばね力によって、図12および図13で示す位置まで戻り、ドラムシフタ106も図12および図13で示す位置まで戻ることになる。
すなわちシフト用作動モータ120を有する送り機構105は、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 にドラムストッパアーム100を係合させた状態から、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 にドラムストッパアーム100を係合させるまでシフトドラムセンター99を回動するにあたっては、その回動途中での一旦停止によってドラムストッパアーム100をニュートラル用ノッチN1 に係合させた状態を一時的に維持し、第1シフタ72のニュートラル状態を一時的に維持するものである。
このようにして送り機構105は、第2速走行時第1速から第3速へのシフトアップである予備変速によってシフトドラムセンター99の第2および第3速用位置決めノッチS2-3 にドラムストッパアーム100を係合する際に、シフトドラム95の回動速度を一旦停止することになる。このような送り機構105の作用は、第3速から第5速へのシフトアップ、第2速から第4速へのシフトアップである予備変速時も同様である。
第4速から第2速へのシフトダウン、第5速から第3速へのシフトダウン、第3速から第1速へのシフトダウンである予備変速時には、図17におけるステップS6のシフトダウンモードを実行するものであり、このシフトダウンモードでは、上記シフトアップモードとはシフト用作動モータ120の回転方向を逆にしてシフトアップ時と同様の処理が行われる。
次にこの第1実施例の作用について説明すると、第1メインシャフト44およびカウンタシャフト46とともに回転する第1および第3シフタ72,74を、それらの第1および第3シフタ72,74の両側にある第1速用駆動アイドル歯車57および第3速用駆動アイドル歯車59ならびに第2速用被動アイドル歯車64および第4速用被動アイドル歯車66の一方との係合を解除して他方のアイドル歯車に係合させる側にスライドさせる際に、シフトドラム95の外周に設けられる第1および第3のリード溝96,98が有する連絡部96c,98cの中央部に形成されてシフトドラム95の周方向に延びるニュートラル部96f,98eで、第1および第3シフトフォーク91,93をガイドするようにしている。したがって前記連絡部が直線状であるものに比べて、シフトドラム95の回動に対して、第1速用駆動アイドル歯車57および第3速用駆動アイドル歯車59ならびに第2速用被動アイドル歯車64および第4速用被動アイドル歯車66の前記他方への第1および第3シフタ72,74の係合タイミングを遅らせることができる。
しかも第1〜第3シフタ72〜74を、各歯車列G1〜G5,GRの確立状態を切換えるべくスライドさせる際に、送り機構105は、前記シフトドラムセンター99を所定角度だけ回動して前記シフタ72〜74をスライドさせる途中のシフタ72〜74のニュートラル状態でシフトドラムセンター99の回動を速度低下状態または一旦停止状態とすべく構成され、また歯車列の確立途中ではシフトドラム95の回動すなわち前記第1〜第3シフタ72〜74のスライド作動が一旦停止して第1〜第3シフタ72〜74がニュートラル状態となり、さらにシフトドラムセンター99の外周に、ドラムストッパアーム100を選択的に係合させて歯車列G1〜G5のうち選択された歯車列を確立するための複数の位置決めノッチS1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 が相互間に等間隔をあけて設けられるとともにドラムストッパアーム100の係合を可能として各位置決めノッチS1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 間の中央部に配置されるニュートラル用ノッチN1 ,N2 ,N3 が設けられているので、歯車列の確立途中ではドラムストッパアーム100からドラムシフタ106に作用する回動抵抗が一旦大きくなることでシフトドラム95の回動速度すなわち前記第1〜第3シフタ72〜74のスライド速度が一旦緩められる。
したがって前記リード溝96,98が有する連絡部96c,98cの中央部に形成されるニュートラル部96f,98eの働きと相まって、第1および第3シフタ72,74と、それらのシフタ72,74を係合させる歯車との速度差を比較的小さくし、係合音が大きくなるのをより効果的に防止することができる。
また第1メインシャフト44とともに回転する第1シフタ72を、第1メインシャフト44へのエンジンEからの動力伝達を遮断するとともに第2メインシャフト45にエンジンEからの動力を伝達している状態で第1シフタ72の両側にある第1速用駆動アイドル歯車57および第3速用駆動アイドル歯車59の一方との係合を解除して他方に係合させる側にスライドさせる際に、シフトドラム95の外周に設けられる第1のリード溝96の連絡部96cの中央部に形成されてシフトドラム95の周方向に延びるニュートラル部96fで第1シフトフォーク91をガイドするので、シフトドラム95の回動に対して両アイドル歯車57,59への第1シフタ72の係合タイミングを遅らせることができる。また送り機構105による所定角度の送り作動の途中での一旦停止、ガイドプレート110によってポール107を係合凹部109に係合させることでシフトドラム95の回動途中での一旦停止、ならびにシフトドラムセンタ99の外周のニュートラル用ノッチN1 へのドラムストッパアーム100の係合により、シフトドラムセンター99の回動はその回動途中で一旦停止される。したがって第2メインシャフト45およびカウンタシャフト46間に設けられている第2速歯車列G2の確立によって両アイドル歯車57,59が回転している状態で、第1および第2メインシャフト44,45間に設けられているニードルベアリング48…間に満たされた潤滑油の粘性もしくは第1油圧クラッチ52および伝動筒軸49間の潤滑油の粘性による第1メインシャフト44のつれ回りに伴う第1シフタ72の回転速度と、前記両アイドル歯車57,59との相対回転速度差を比較的小さくすることができ、係合音が大きくなるのを防止することができる。
さらにカウンタシャフト46とともに回転する第3シフタ74を、第2メインシャフト45へのエンジンEからの動力伝達を遮断するとともに第1メインシャフト44にエンジンEからの動力を伝達している状態で第3シフタ74の両側にある第2速用被動アイドル歯車64および第4速用被動アイドル歯車66の一方との係合を解除して他方に係合させる側にスライドさせる際に、シフトドラム95の外周に設けられる第3のリード溝98の連絡部98cの中央部に形成されてシフトドラム95の周方向に延びるニュートラル部98で、第3シフトフォーク93をガイドするので、シフトドラム95の回動に対して両アイドル歯車64,66への第3シフタ74の係合タイミングを遅らせることができる。また送り機構105による所定角度の送り作動の途中での一旦停止、ガイドプレート110による回動抵抗、ならびにシフトドラムセンター99の外周のニュートラル用ノッチN2 へのドラムストッパアーム100の係合により、シフトドラムセンター99の回動はその回動途中で一旦停止される。したがって第1メインシャフト44およびカウンタシャフト46間に設けられている第3速歯車列G3の確立によってカウンタシャフト46および第3シフタ74が回転している状態で、第1および第2メインシャフト44,45間に設けられているニードルベアリング48…間に満たされた潤滑油の粘性もしくは第2油圧クラッチ53および伝動筒軸49間の潤滑油の粘性によるによる第2メインシャフト45のつれ回りに伴う前記両アイドル歯車64,66の回転速度と、第3シフタ74との相対回転速度差を比較的小さくすることができ、係合音が大きくなるのをより効果的に防止することができる。
本発明の第2実施例として図20で示すように、シフトドラムセンター99の外周に設けられている各ノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 ,N1 ,N2 ,N3 のうち、後進用位置決めノッチSR 、中立用位置決めノッチSN 、第1および第2速用位置決めノッチS1-2 、第2および第3速用位置決めノッチS2-3 、第3および第4速用位置決めノッチS3-4 ならびに第4および第5速用位置決めノッチS4-5 がV字状に凹んで形成され、ニュートラル用ノッチN1 ,N2 ,N3 が円弧状に凹んで形成されるようにしてもよい。
この第2実施例によれば、各位置決めノッチSR ,SN ,S1-2 ,S2-3 ,S3-4 ,S4-5 へのドラムストッパアーム100の係合および係合解除を素早く行い、前記ドラムストッパアーム100がニュートラル用ノッチN1 ,N2 ,N3 から離脱し難くして、前記ドラムストッパアーム100の係合状態を比較的長く維持してニュートラル状態を比較的長く維持することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では、シフトドラム95の外周に設けられるリード溝96,98のニュートラル部96f,98eによって第1および第3シフタ72,74を一時的にニュートラル位置に保持するとともに間欠送り機構105のガイドプレート110による回動抵抗でシフトドラムセンター99およびシフトドラム95の回動速度を緩やかにするようにしたが、本発明では、そのような機構および作用は必須の要件ではない。
第1実施例のエンジン本体の縦断面図であって図2の1−1線に沿う断面図である。 図1の2−2線矢視方向から見た一部切欠き側面図である。 図2の3−3線断面図である。 第1シフタおよび被係合部材の係合状態を示す横断面図である。 第1シフタおよび第3速用駆動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図である。 第2シフタおよび第5速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図である。 第2シフタおよび後進用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図である。 第3シフタおよび第2速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図である。 第3シフタおよび第4速用被動アイドル歯車の係合状態を示す横断面図である。 図2の10−10線断面図である。 シフトドラムの外周面の展開図である。 第1速の運転状態での図10の12−12線断面図である。 第1速の運転状態での図10の13−13線拡大断面図である。 シフトドラムセンターの回動途中での送り機構の一部の状態を示す図である。 第1速から第2速へのシフトアップ途中の状態での図12に対応した図である。 第2速の運転状態での図12に対応した図である。 シフト用作動モータの作動制御手順を示すフローチャートである。 シフトアップモードでの制御手順を示すフローチャートである。 シフトアップ時のチェンジ軸の回動角変化を示す図である。 第2実施例の図12に対応した図である。
44・・・第1メインシャフト
45・・・第2メインシャフト
46・・・カウンタシャフト
72,73,74・・・シフタ
91,92,93・・・シフトフォーク
95・・・シフトドラム
96,97,98・・・リード溝
99・・・シフトドラムセンター
105・・・間欠送り機構
106・・・ドラムシフタ
107・・・ポール
108・・・ばね
109・・・係合凹部
110・・・ガイドプレート
117a・・・大径円弧部
117c・・・小径円弧部
117d・・・連結部
E・・・エンジン
G1,G2,G3,G4,G5・・・歯車列
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