JP2008086832A - 玉縁縫製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】玉縁縫製装置は、身生地上に、玉縁口布を略逆T字状のバインダに沿って折曲保持するとともに、玉縁口布の一方の折曲部上にフラップ布Fを重ねて保持する保持部を有する大押え装置と、針落ち位置を挟む両側のうちの一方の側の第1位置P1から他方の側の第2位置P2へ保持部が移動するよう、大押え装置を移動する移動手段と、第1位置近傍に設けられるフラップ載置台6と、第1位置近傍において、フラップ布を保持し、玉縁口布の一方の折曲部上へ搬送するフラップ搬送手段7と、を備える。この玉縁縫製装置に、フラップ載置台上に載置されたフラップ布の動きを検出する動き検出手段8と、この動き検出手段によりフラップ布が動いていないことを検出した場合に、フラップ搬送手段を駆動制御して、フラップ布の保持を開始する制御手段と、を備えた。
【選択図】図3
Description
具体的には、例えば、調整用のオフセット量を予め入力して、このオフセット量と、検出されたフラップエッジの位置とに基づいて縫製開始位置を算出したり、二つ以上の位置でフラップエッジを検出し、フラップエッジラインの傾きに基づいて縫製開始位置を算出したりしている。
したがって、玉縁縫製装置の作業者は、フラップ載置台上にフラップ布を載置するだけで、自動的にフラップ搬送手段にフラップ布を保持させることができる。よって、作業効率を向上でき、より効率よく玉縁縫製を行うことができる。
また、ミシン2には、針棒21・22よりもX方向においてより前側に、センターメス24が設けられている。センターメス24は、Z方向に上下駆動可能に構成されており、玉縁縫製終了後に、針N1・N2による二つの縫目の間において身生地M(図2に図示)を切断し、ポケット孔を形成するものである。
第2位置P2近傍には、一対のコーナーメス33が設けられている。コーナーメス33は、ミシンテーブルT上へ下方から出没可能に設けられており、玉縁縫製終了後にポケット孔の両端にV字型のコーナーカットを施すものである。
また、図2に示すように、バインダ5には、大押え装置3のX方向における第1位置P1側から第2位置P2側への移動にともない、大押え部30により保持された玉布Gとフラップ布Fとがバインダ5の基部51に沿って移動するように誘導する生地ガイド52が設けられている。
CCDセンサユニット8は、図示しない多数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)からなるLEDアレイと、多数のCCD(charge coupled device)からなるCCDラインセンサと、を備えて構成されている。CCDとしては、例えば、一画素当たり256階調(8bit)のデータを取得できるものが用いられる。
LEDアレイとCCDラインセンサは、それぞれX方向に延在するとともに、フラップ載置台6上に載置されるフラップ布FのX方向における最大幅よりも長さが長くなるよう設けられている。
すなわち、CCDセンサユニット8は、フラップ布Fの前端・後端の位置を検出するフラップ検出手段、フラップ布Fの動きを検出する動き検出手段、フラップ布Fが斜めフラップであるか否かを検出する斜めフラップ検出手段である。
これにより、制御部90によるモータ65の駆動制御によってねじ軸65aが回転し、雌ねじ65bとともにCCDセンサユニット8がY方向に移動制御されるようになっている。
ペダルスイッチ95は、作業者の踏み込み操作により、玉縁縫製装置1に所定の縫製動作を開始させるスイッチである。
RAM93は、ROM91から読み出したデータや縫製プログラム、操作パネル94から入力された縫製に関する各種データを一時的に記憶するとともに、CPU92の演算処理などの作業領域を提供するものである。
具体的には、例えば、CCDセンサユニット8のLEDへの出力信号の制御や、CCDからの入力信号の処理、操作パネル94やペダルスイッチ95からの入力信号の処理、操作パネル94の表示部の駆動制御、電磁弁ユニット69、モータ65・25・34の駆動制御を行う。
まず、玉縁縫製装置1の電源スイッチをONにすると、ステップS1で、CPU92は、モータ65を原点方向に駆動して、CCDセンサユニット8をA点へ移動させる。
次に、ステップS5で、LEDラインの発光光量のバランスを調整する。具体的には、白領域waによる反射光量がCCDの検出可能範囲を越えない程度になるまで、LEDの発光光量を減少する。これにより、白色の検出が可能となる。LEDの発光光量を調整して白領域waによる反射光量を検出し、このときの光量検出値を白レベル値として、CPU92がRAM93に記憶させる。
CCDセンサユニット8がC点へ移動して、待機している状態では、CCDセンサユニット8の温度上昇や、透明板62の汚れ等に対応するため、CPU92は定期的にモータ65を駆動制御して、自動的にステップS1〜S6の黒レベル値、白レベル値の登録処理(黒白調整動作)を行う。
また、作業者は、前基準板66または後基準板67に合わせて、フラップ布Fをフラップ載置台6上に載置する。
なお、CCD入力値の変動を0.2msecの間で判断するものとしたが、特に0.2msecに限定されるものではなく、入力値の変動を判断する時間範囲は適宜に変更可能である。また、例えば、作業者が操作パネル94を操作することにより、CCD入力値の変動を判断する時間範囲を複数の数値の中から選択したり、具体的な数値を入力設定するものとしても良い。
次に、ステップS12で、CPU92は、エアシリンダを駆動制御してフラップ掴み72bを下降させ、フラップ布Fを把持部72により把持する。
CPU92は、反射光量の変化点(例えば、所定量以上の反射光量の変化が生じている位置)をフラップ布Fの前端fwまたは後端bwであると判断し、X方向においてより前側の変化点を前端fwとするとともに、より後側の変化点を後端bwとして、それぞれの位置データ(フラップエッジデータ)をRAM93にそれぞれ記憶させる。
これにより、フラップ布Fの前端fwおよび後端bwの位置データを確実に取得し、それぞれのデータをRAM93に記憶させる。
CPU92は、ステップS14とほぼ同様にして、反射光量の変化点をラインL3上におけるフラップ布Fの前端(前端rfwと称する)または後端(後端rbwと称する)であると判断し、X方向においてより前側の変化点を前端rfwとするとともに、より後側の変化点を後端rbwとして、それぞれの位置データ(フラップエッジデータ)をRAM93にそれぞれ記憶させる。
具体的には、針落ち経路L1上とラインL3上とにおけるフラップ布Fの前端fwと前端rfw、後端bwと後端rbwの位置が、X方向においてそれぞれ微少距離範囲以内であるか否かを判定する。微少距離範囲外であれば、フラップ布Fは斜めフラップであると判断して、ステップS18へ移行し、微少距離範囲以内であれば、平行フラップであると判断して、ステップS20へ移行する。
その後、ステップS20へ移行する。
このとき、作業者は、フラップ載置台6上に載置したフラップ布Fの仕様や、載置位置が正確であり、このまま玉縁縫製を開始してよいと判断した場合には、ペダルスイッチ95を踏み込んでON操作する。一方、フラップ載置台6上におけるフラップ布Fの載置が不正確であり、フラップ布Fをセットし直す必要がある場合には、フラップ載置台6上のフラップ布Fを手でさわって動かす。
所定量以上変動していない場合には、ステップS22に戻る。所定量以上変動した場合には、作業者がフラップ載置台6上のフラップ布Fを手で動かした、と判断して、ステップS24へ移行し、フラップ掴み72bを上昇させて、把持部72によるフラップ布Fの把持を解除する。次に、ステップS8へ戻り、作業者は、フラップ布Fの再セットを行う。
また、折曲部G1上に搬送されたフラップ布Fは、図2に示すように、フラップ押え部材32により押えられて、大押え部30に保持される。
前端fwと前端rfwのX方向における位置が微少距離範囲外であれば、CPU92は、前端fwと前端rfwのどちらがより前側(第2位置P2側)にあるかを判定する。前端fwよりも前端rfwの方が前側にある場合には、フラップ布Fが前側において右斜めフラップである旨をRAM93に記憶させる。前端rfwよりも前端fwの方が前側にある場合には、フラップ布Fが前側において左斜めフラップである旨をRAM93に記憶させる。
なお、「右斜めフラップ」「左斜めフラップ」中の「右」「左」の記載は、便宜上使用しているものであり、図中のY方向における「右」「左」とは異なるものである。
RAM93に、フラップ布Fが前側において右斜めフラップ、または左斜めフラップである旨を記憶させた場合には、CPU92は、前端fwと前端rfwとのX方向における位置のずれ量を、前側における斜め縫製オフセット量としてRAM93に記憶させる処理を行う。
後端bwと後端rbwのX方向における位置が微少距離範囲外であれば、CPU92は、後端bwと後端rbwのどちらがより前側にあるかを判定する。後端bwよりも後端rbwの方が前側にある場合には、フラップ布Fが後側において右斜めフラップである旨をRAM93に記憶させる。後端rbwよりも後端bwの方が前側にある場合には、フラップ布Fが後側において左斜めフラップである旨をRAM93に記憶させる。
RAM93に、フラップ布Fが後側において右斜めフラップ、または左斜めフラップである旨を記憶させた場合には、CPU92は、後端bwと後端rbwとのX方向における位置のずれ量を、後側における斜め縫製オフセット量としてRAM93に記憶させる処理を行う。
まず、ステップS31で、作業者が、身生地M、玉布G、フラップ布Fを大押え装置3にセットし、ペダルスイッチ95を踏み込んでON操作する。ここで、フラップ布Fのセットは、上述のステップS1〜S27の処理により行う。
例えば、フラップ布Fが前側において平行フラップである場合には、前端fw・rfwのいずれかが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
フラップ布Fが前側において右斜めフラップである場合には、前端rfwが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
フラップ布Fが前側において左斜めフラップである場合には、前端fwが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
このとき、フラップ布Fが平行フラップまたは右斜めフラップである場合には、左の針N1によって、針落ち経路L1上において、前端fw付近から縫いつけが開始される。
また、フラップ布Fが平行フラップまたは左斜めフラップである場合には、右の針N2によって、針落ち経路L2上において、玉縁縫製終了後にフラップ布Fを玉布Gの折曲部G2側へ折り返した場合にラインL3上における前端rfwが針落ち経路L2と重なる位置付近から、縫いつけが開始される。
例えば、フラップ布Fが後側において平行フラップである場合には、後端bw・rbwのいずれかが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
フラップ布Fが後側において右斜めフラップである場合には、後端rbwが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
フラップ布Fが後側において左斜めフラップである場合には、後端bwが縫製位置P3まで移動したか否かを判定する。
ここで、フラップ布Fが平行フラップまたは右斜めフラップである場合には、針落ち経路L1上における後端bw付近で、縫目の形成が終了する。
次に、ステップS53で、大押え装置3を第2位置P2から第1位置P1へ移動し、原点位置(第1位置P1)へ後退させる。その後、玉縁縫製を終了する。
このように、玉縁縫製装置1においては、針落ち経路L1上における前端fw・後端bwの位置が検出されるので、縫製ライン上ではない位置でフラップエッジを検出していた従来に比べて、より正確に、縫目の形成開始位置や縫目の形成終了位置を決定できる。よって、より効率良く玉縁縫製を行うことができる。
したがって、玉縁縫製終了後にフラップ布Fを玉布Gの折曲部G2側へ折り返した場合に、折曲部G2における縫目が、フラップ布Fによってほぼ確実に覆い隠されることになる。よって、仕上がりの美しい玉縁縫製を行うことができる。
したがって、作業者は、フラップ載置台6上にフラップ布Fを載置するだけで、自動的に把持部72にフラップ布Fを把持させることができる。よって、作業効率を向上でき、より効率よく玉縁縫製を行うことができる。
この場合には、フラップ布Fを把持部72により把持した後、続けて、フラップ布Fを玉布Gの折曲部G1上へ搬送する工程(ステップS25)へ移行できる。したがって、玉縁縫製の迅速化を図ることができる。
また、この場合には、フラップ布Fの検出範囲外に黒領域ba・白領域waを設ける構成とすれば、CCDセンサユニット8の自動調整処理が可能である。
例えば、CCDセンサユニット8を、玉縁縫製装置1の図示しない機枠などに設ける構成としても良い。また、CCDセンサユニット8の小型化が可能であれば、フラップ掴み72bや固定部72aにCCDセンサユニット8を設ける構成としてもよい。この場合には、さらに簡素な構成とすることができる。
その他、上述の玉縁縫製装置1および玉縁縫製方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更可能であるのは勿論である。
2 ミシン(二本針ミシン)
3 大押え装置
5 バインダ
6 フラップ載置台
7 フラップ搬送腕(フラップ搬送手段)
8 CCDセンサユニット(フラップ検出手段、動き検出手段、斜めフラップ検出手段)
25 ミシン駆動モータ(針駆動手段)
31 折込板(保持部)
32 フラップ押え部材(保持部)
34 大押え駆動モータ(移動手段)
72 把持部
73 窓(窓部)
90 制御部(制御手段)
94 操作パネル(報知手段)
F フラップ布
G 玉縁口布
G1 折曲部(一方の折曲部)
G2 折曲部(他方の折曲部)
L1 針落ち経路
L2 針落ち経路
L3 ライン
M 身生地
N1・N2 針
P1 縫製準備位置(第1位置)
P2 縫製終了位置(第2位置)
P3 縫製位置(針落ち位置)
T ミシンテーブル
bw 後端
fw 前端
rfw 前端
Claims (1)
- ミシンテーブル上に載置される身生地上に、玉縁口布を略逆T字状のバインダに沿って折曲保持するとともに、この玉縁口布の一方の折曲部上にフラップ布を重ねて保持する保持部を有する大押え装置と、
ミシンの針の針落ち位置を挟む両側のうちの一方の側の第1位置から他方の側の第2位置へ前記保持部が移動するよう、前記大押え装置を移動する移動手段と、
前記第1位置近傍に設けられるフラップ載置台と、
前記第1位置近傍において、前記フラップ載置台上に載置されたフラップ布を保持し、前記玉縁口布の一方の折曲部上へ搬送するフラップ搬送手段と、を備える玉縁縫製装置であって、
前記フラップ載置台上に載置されたフラップ布の動きを検出する動き検出手段と、
この動き検出手段により前記フラップ布が動いていないことを検出した場合に、前記フラップ搬送手段を駆動制御して、前記フラップ布の保持を開始する制御手段と、
を備えることを特徴とする玉縁縫製装置。
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