JP2003093770A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP2003093770A
JP2003093770A JP2001292132A JP2001292132A JP2003093770A JP 2003093770 A JP2003093770 A JP 2003093770A JP 2001292132 A JP2001292132 A JP 2001292132A JP 2001292132 A JP2001292132 A JP 2001292132A JP 2003093770 A JP2003093770 A JP 2003093770A
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sewing
cloth
embroidery
embroidery frame
pattern
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Masami Miyasako
雅己 宮迫
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Juki Corp
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刺繍縫製の中断時に布を刺繍枠から取り外し
た場合にも、刺繍縫製を適切に再開できるようにする。 【解決手段】 ミシンは、制御部、針を上下動させるモ
ータ、刺繍枠をXY移動させるモータ、刺繍枠のXY位
置を記憶するRAMを備える。制御部は、刺繍縫製中に
針と刺繍枠を停止させるとともに、刺繍枠に保持された
布上の縫製中断位置をRAMに記憶させる。次に、刺繍
枠をXY移動させ、刺繍枠に保持された布上のA点・B
点の位置を設定し、RAMに記憶させる。次に、布を再
保持させた刺繍枠をXY移動させ、刺繍枠に再保持され
た布上のA点・B点の位置を検出する。次に、縫製中断
時のA点・B点の位置と、布再保持後のA点・B点の位
置の比較に基づいて、縫製中断位置から、刺繍枠に再保
持された布上の縫製再開位置を求める。次に、縫製再開
位置から刺繍模様の縫製を再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刺繍模様を縫製す
るミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の刺繍縫いミシンにおいては、針棒
の上下動に同期して、布がセットされた刺繍枠がXY方
向に移動して、布に刺繍模様が縫製されるようになって
いる。このような刺繍縫いミシンでは、刺繍模様の縫製
位置を、刺繍枠に対する相対位置で決定しており、この
位置に刺繍模様が縫製されるように、刺繍枠のXY移動
を駆動制御する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の刺繍縫
いミシンでは、刺繍縫製を中断して刺繍枠から布を取り
外してしまうと、もう一度布を刺繍枠に取り付けて刺繍
縫製を再開するのは難しい、という問題が生じていた。
なぜなら、いったん取り外した布を、刺繍枠に対する元
の取付位置と同じ位置に正確に取り付けるのは困難であ
り、ほとんどの場合、布を再装着すると刺繍枠に対する
布の取付位置がずれてしまうからである。本発明の課題
は、刺繍縫製の中断時に布を刺繍枠から取り外した場合
にも、刺繍縫製を適切に再開できるようにすることであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1および図2に
示すように、針(9)を上下動させる針駆動手段(メイン
モータ23)と、布を保持可能な刺繍枠(8b)をXY移
動させるXY駆動手段(X方向モータ81、Y方向モー
タ83)と、刺繍模様の縫いデータを記憶する縫いデー
タ記憶手段(ROM12、ROMカード13)と、この縫
いデータ記憶手段から刺繍模様の縫いデータを読み出
し、読み出した縫いデータに基づいて、前記針駆動手段
による前記針の上下動にともない、前記XY駆動手段を
駆動して前記刺繍枠をXY移動させることにより、前記
刺繍枠に保持された布に刺繍模様を縫製する制御手段
(制御部11)と、を備えるミシン(1)であって、縫製を
中断した刺繍模様の縫いデータの位置と前記刺繍枠に保
持された状態の布上の任意の位置を記憶可能な位置記憶
手段(RAM14)と、前記制御手段による刺繍縫製中
に、前記針駆動手段と前記XY駆動手段の駆動を中断し
て、前記針と前記刺繍枠を停止させるとともに、縫製を
中断した刺繍模様の縫いデータの位置と前記刺繍枠に保
持された布上の縫製中断位置を前記位置記憶手段に記憶
させる中断手段(制御部11)と、この中断手段により停
止した前記刺繍枠を、前記XY駆動手段を駆動して複数
の位置にXY移動させ、前記刺繍枠に保持された布上の
複数の基準位置を設定し、設定した前記複数の基準位置
それぞれを前記位置記憶手段に記憶させる中断時基準位
置設定手段(制御部11)と、布が再保持された後の刺繍
枠を、前記XY駆動手段を駆動して複数の位置にXY移
動させ、前記刺繍枠に再保持された布上の前記複数の基
準位置を検出する布再保持後基準位置検出手段(制御部
11)と、前記中断時基準位置設定手段により前記位置
記憶手段に記憶された縫製中断時の複数の基準位置と、
前記布再保持後基準位置検出手段により検出された布再
保持後の複数の基準位置と、を比較し、この比較に基づ
いて、前記中断手段により前記位置記憶手段に記憶され
た前記縫製中断位置から、前記刺繍枠に再保持された布
上の縫製再開位置を求める演算手段(制御部11)と、布
が再保持された後の前記刺繍枠を、縫製を中断した刺繍
模様の縫いデータの位置に関連して縫いデータを読み出
し、前記XY駆動手段を駆動してXY移動させ、前記演
算手段により求められた前記縫製再開位置から刺繍模様
の縫製を再開する再起動手段(制御部11)と、を備える
ことを特徴とする。
【0005】ここで、前記位置記憶手段は、布そのもの
における布上の位置を記憶するものではなく、刺繍枠に
保持された状態の布における布上の位置を記憶するもの
である。位置記憶手段は、刺繍枠に保持された状態の布
上の位置を直接記憶するものでも、間接的に記憶するも
のでもどちらでも良い。
【0006】また、布上の複数の基準位置とは、布その
ものにおける所望あるいは所定の位置である。中断時基
準位置設定手段、布再保持後基準位置検出手段による布
上の複数の基準位置の設定・検出の方法は特に限定され
るものではない。一例としては、布上の複数の基準位置
が所定のXY位置に一致するよう、手動操作や自動制御
により刺繍枠を移動させ、この際の刺繍枠の移動量を設
定・検出する方法等が挙げられる。
【0007】請求項1記載の発明によれば、ミシンは前
記演算手段を備えるので、縫製中断時に中断時基準位置
設定手段により設定した複数の基準位置と、布再保持後
に布再保持後基準位置検出手段により検出した複数の基
準位置と、が比較され、この比較に基づいて、前記縫製
中断位置から、刺繍枠に再保持された布上の縫製再開位
置が求められる。
【0008】すなわち、布上における複数の基準位置
を、縫製中断時(布を再保持する前)に設定し、設定した
複数の基準位置を布再保持後に検出することによって、
布を刺繍枠に再保持させたときに、刺繍枠に対する布の
保持位置がどの程度ずれたのかがわかる。そして、この
布の保持位置のずれ程度に基づき、刺繍枠により再保持
された後の布上における縫製再開位置が求められる。言
い換えれば、縫製中断位置が布の保持位置のずれ分を考
慮して補正されて、縫製を再開すべき位置が求められ
る。このように求められた縫製再開位置から、前記再起
動手段により刺繍模様の縫製が再開されるので、刺繍縫
製の中断時に布を刺繍枠から取り外した場合にも、刺繍
枠に再保持された布に対して、刺繍縫製を適切に再開す
ることができる。
【0009】また、上述のように縫製再開位置が求めら
れるので、ミシンの作業者は、従来と異なり、布を刺繍
枠に再保持させるときに、元の布の保持位置にぴったり
合うように気を使う必要がない。したがって、より容易
に刺繍縫製の中断・再開を行える。さらに、布上の複数
の基準位置が検出できる範囲で布を刺繍枠に再保持しさ
えすれば、布再保持後の縫製再開位置を求められ、刺繍
縫製を再開できるので、いくらでもずらして布を刺繍枠
に再保持させることが可能である。したがって、請求項
1記載のミシンにより、刺繍枠の大きさよりも大きい範
囲にわたって刺繍模様をレイアウトして、刺繍縫製をす
ることができる。
【0010】なお、縫いデータ記憶手段が記憶する刺繍
模様の縫いデータは、一つでも、複数でも良い。複数の
刺繍模様の縫いデータを記憶する構成とした場合には、
縫製すべき刺繍模様を選択する選択手段をさらに備え、
選択手段が選択した刺繍模様を制御手段が縫製する構成
とすればよい。さらに、中断手段により刺繍縫製を中断
したときに、縫製中の刺繍模様を記憶しておく構成とす
ればよい。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のミ
シンにおいて、演算手段は、刺繍枠に再保持された布上
の縫製再開位置と、縫製中断時における前記刺繍枠に対
する布の位置に対しての、布再保持後における前記刺繍
枠に対する布の位置のずれ角度と、を求めることを特徴
とする。請求項2記載の発明によれば、演算手段は前記
ずれ角度を求めるので、求めたずれ角度を考慮して再起
動手段が刺繍縫製を再開することができ、よって、再開
後の縫製をより正確に行える。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のミシンにおいて、例えば、図7に示すように、模
様を複数選択可能な模様選択手段(模様種類選択画面1
02の各キー102a〜102f)と、複数の選択模様
を刺繍枠の大きさよりも大きな範囲に配置可能なレイア
ウト手段(レイアウト画面104の8方向矢印キー10
4b)とを備えたことを特徴とする。請求項3記載の発
明によれば、ミシンは前記模様選択手段と前記レイアウ
ト手段を備えるので、刺繍枠の大きさよりも大きな範囲
にわたって複数の選択模様をレイアウトすることができ
る。
【0013】また、請求項4記載の発明のように、請求
項1〜3のいずれかに記載のミシンにおいて、布が再保
持された後の刺繍枠を移動させ、縫製を中断した位置か
ら後退した位置の縫いデータに戻って縫製を再開する構
成としても良い。この構成とすれば、縫製中断位置の縫
い終わりと縫製再開位置の縫い始めとを重ねることがで
きる。また、請求項5記載の発明のように、請求項1〜
4のいずれかに記載のミシンにおいて、縫製中断位置の
縫い終わり及び縫製再開位置の縫い始めの少なくとも一
方に自動止め縫いを入れる構成としても良い。この構成
とすれば、糸のほつれを防止できる。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のミシンにおいて、中断手段、中断時基準
位置設定手段、布再保持後基準位置検出手段、演算手
段、および再起動手段の中の少なくとも一つの手段を操
作可能な操作手段(操作パネル7)と、この操作手段によ
る操作手順の説明を表示するための説明表示データを記
憶する説明表示データ記憶手段(ROM12)と、この説
明表示データ記憶手段に記憶された説明表示データを表
示する説明表示手段(操作パネル7)と、を備えることを
特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明によれば、ミシンは前
記説明表示手段を備えるので、ミシンの操作者は、操作
手段を操作する際に、説明表示手段により表示された説
明表示データを参照して操作手順を確認しながら、中断
手段、中断時基準位置設定手段、布再保持後基準位置検
出手段、演算手段、および再起動手段の中の少なくとも
一つの手段を操作できる。よって、操作手段の操作性が
よいので、刺繍縫製の中断・再開作業を、容易に行うこ
とができる。
【0016】なお、請求項6記載の発明において、説明
表示手段が、操作手段による操作手順に適合する説明表
示データを順次表示する構成とすれば、より操作手段の
操作性を向上でき、操作手順にあった操作を適切に行え
る。例としては、中断手段により刺繍縫製を中断した後
に、説明表示手段が、中断手段の操作後に行う中断時基
準位置設定手段の操作手順の説明を表示する場合などが
挙げられる。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載のミシンにおいて、縫製中断時の刺繍枠の
種類と、布再保持後の刺繍枠の種類と、をそれぞれ検出
する刺繍枠検出手段(枠検出スイッチ85・86)を備
え、再起動手段は、前記刺繍枠検出手段により検出され
た、前記縫製中断時の刺繍枠の種類と、前記布再保持後
の刺繍枠の種類と、が同じであるかどうかを判断し、同
じである場合に、刺繍模様の縫製を再開することを特徴
とする。
【0018】請求項7記載の発明によれば、縫製中断時
の刺繍枠の種類と、布再保持後の刺繍枠の種類とが同一
である場合に、前記再起動手段によって刺繍模様の縫製
が再開される。もし、布再保持後の刺繍枠が、縫製中断
時の刺繍枠の種類と異なる場合には、例えば、刺繍枠の
サイズや形が異なっているために縫製すべき刺繍模様が
刺繍枠内に縫製できない、等の支障をきたす可能性があ
る。これに対して、請求項7記載の発明では、上述した
ように、布再保持後と縫製中断時とで刺繍枠の種類と同
一である場合に刺繍縫製が再開されるので、適切な刺繍
枠を利用して、滞りなく刺繍縫製を行うことができる。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれかに記載のミシンにおいて、再起動手段により刺繍
模様の縫製を再開するときに、前記刺繍模様の全縫製範
囲のうちの未縫製部分全てを、布が再保持された後の刺
繍枠内に縫製できるか否かを判断する縫製判断手段(制
御部11)と、少なくとも、前記縫製判断手段が、布が
再保持された後の前記刺繍枠内に前記未縫製部分全てを
縫製することはできない、と判断した場合に、布が再保
持された後の前記刺繍枠内に前記未縫製部分全てを縫製
することはできない旨を報知する縫製不可能報知手段
(例えば、操作パネル7)と、を備えることを特徴とす
る。
【0020】ここで、「少なくとも、前記縫製判断手段
が…(中略)…全てを縫製することはできない、と判断し
た場合」には、未縫製部分を全く刺繍枠内に縫製できな
い場合はもちろん、未縫製部分のうちの一部分を刺繍枠
内に縫製できない場合なども含まれる。
【0021】請求項8記載の発明によれば、ミシンは前
記縫製判断手段と前記縫製不可能報知手段を備えるの
で、布が再保持された後の刺繍枠内に未縫製部分全てを
縫製することはできない場合に、その旨を、縫製不可能
報知手段によりミシンの操作者に報知できる。これによ
り、操作者に、未縫製部分全てを縫製できるように布を
刺繍枠に保持しなおすよう促したり、縫製できない部分
がある状態で刺繍縫製を再開することを知らせたりする
ことができる。
【0022】請求項9記載の発明は、請求項8記載のミ
シンにおいて、縫製不可能報知手段により縫製不可能の
旨を報知するときに、刺繍模様の全縫製範囲のうちの少
なくとも未縫製部分の刺繍模様と、前記未縫製部分のう
ち布が再保持された後の刺繍枠内に縫製できる縫製可能
部分、および、前記未縫製部分のうち前記刺繍枠内に縫
製できない縫製不可能部分の少なくとも一方と、を表示
する縫製部分表示手段(操作パネル7)を備えることを特
徴とする。
【0023】ここで、縫製可能部分、縫製不可能部分
は、例えば、その部分を模様表示したり、未縫製の各部
分模様を番号とともに模様表示するとともに、各部分模
様のうちの縫製可能(あるいは不可能)な部分模様の番号
を表示したりすること等により表示される。なお、表示
方法は、これらの例に限定されるものではない。
【0024】請求項9記載の発明によれば、ミシンは前
記縫製部分表示手段を備えるので、ミシンの操作者は、
未縫製部分の刺繍模様と、未縫製部分のうち、どこまで
が縫製可能か、どこからが縫製不可能かを、縫製部分表
示手段の画像表示により確認できる。したがって、この
画像表示を参考にして、未縫製部分全てを縫製できない
場合に布を刺繍枠に保持し直すか、そのまま縫製を再開
するか、を判断することができる。
【0025】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載のミシンにおいて、布が再保持された後の刺繍枠
内に未縫製部分全てを縫製することができず、かつ、前
記未縫製部分に、前記刺繍枠内に縫製できる縫製可能部
分がある場合に、再起動手段は、前記縫製可能部分の刺
繍模様の縫製を行うことを特徴とする。
【0026】ここで、縫製可能部分の刺繍模様の縫製を
行う場合としては、例えば、複数のパターンの刺繍模様
(部分的な模様も含む)を組み合わせて刺繍縫製を行う場
合に、複数のパターンの刺繍模様のうち、縫製可能な刺
繍模様のパターンのみ縫製を行う場合等が挙げられる。
【0027】請求項10記載の発明によれば、再起動手
段が、縫製可能な部分の刺繍模様の縫製を行う。よっ
て、布を刺繍枠に再保持させた場合に縫製可能な部分が
あれば、その分だけは刺繍縫製が行われる。言い換えれ
ば、未縫製部分の一部が縫製できないために刺繍縫製が
行われない、ということがないので、未縫製部分が全て
刺繍枠内に入るよう何度も布を刺繍枠に保持し直す手間
を省略できる。
【0028】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
のいずれかに記載のミシンにおいて、例えば、図1、図
11、図14に示すように、中断時基準位置設定手段に
よる刺繍枠のXY移動の際に、布上における刺繍模様に
対する複数の基準位置の相対位置を示す相対位置画像
(布位置記憶画面(B)202、布位置記憶完了画面20
3のレイアウト部202a・203a)を表示する画像
表示手段(操作パネル7)を備えることを特徴とする。こ
こで、「刺繍枠のXY移動の際」とは、刺繍枠がXY移
動している最中のみに限らず、刺繍枠がXY移動する直
前や、XY移動した直後など、中断時基準位置設定手段
による刺繍枠のXY移動の処理に関わっているとき全般
を意味する。
【0029】請求項11記載の発明によれば、ミシンは
前記画像表示手段を備えるので、操作者は画像表示手段
による画像表示を参照して、刺繍模様に対する複数の基
準位置の相対位置を確認できる。よって、ミシンの操作
時に、画像表示手段による画像表示と、実際の布上の刺
繍模様および複数の基準位置と、を比較して、実際の布
上の基準位置が合っているかどうかを確認することがで
きる。
【0030】なお、請求項11記載の発明においては、
相対位置画像に、さらに、刺繍枠の相対位置が表示され
る構成としても良い。この構成とすれば、刺繍枠と、こ
の刺繍枠に保持された布上の刺繍模様および複数の基準
位置と、の相対位置関係を確認することができる。
【0031】請求項12記載の発明は、請求項11記載
のミシンにおいて、例えば、図2、図14、図15に示
すように、相対位置画像の画像データを記憶する画像デ
ータ記憶手段(RAM14)を備え、画像表示手段は、布
再保持後基準位置検出手段による刺繍枠のXY移動の際
に、前記画像データ記憶手段に記憶された前記相対位置
画像の画像データに基づいて、前記相対位置画像(布位
置記憶完了画面203、布位置復帰画面206のレイア
ウト部203a・206a)を表示することを特徴とす
る。
【0032】請求項12記載の発明によれば、前記画像
表示手段が、布再保持後基準位置検出手段による刺繍枠
のXY移動の際にも相対位置画像を表示するので、ミシ
ンの操作者は、布を刺繍枠に再保持させたあとにも、刺
繍模様に対する前記基準位置の相対位置を確認できる。
【0033】なお、請求項12記載の発明においては、
相対位置画像に、さらに、布を再保持した後の刺繍枠の
相対位置が表示される構成としても良い。この場合に
は、布再保持後における刺繍枠に対する布の保持位置を
確認でき、また、刺繍模様が刺繍枠内に配置されている
かどうかを判断することもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。本実施の形態例のミシン1
は、刺繍模様を縫製可能な家庭用ミシンであり、図1に
示すように、ミシン胴部2、ミシンアーム3、ミシンベ
ッド4を備えて構成されている。
【0035】ミシンアーム3左端のミシン頭部3aに
は、面部近傍に、縫製を起動・停止するための起動/停
止スイッチ(以下、S/Sスイッチと略称する)5と、縫
製の速度を調整するためのスライドボリューム6が設け
られている。また、ミシン頭部3aには上下方向に移動
する針棒(図示略)が設けられており、針棒の下端には針
9が取り付けられている。ミシン胴部2正面には、縫製
を行う刺繍模様の選択などの操作を行うための操作パネ
ル(操作手段)7が設けられている。
【0036】ミシンベッド4上には、刺繍装置8が着脱
可能に取り付けられている。刺繍装置8のキャリッジ8
aは、後述する制御部11の制御に基づいて、X軸ユニ
ット(図示略)と、X軸ユニットに乗っているY軸ユニッ
ト(図示略)とにより、図1中の左右前後方向(矢印XY
方向)に移動可能に構成されている。また、刺繍装置8
の刺繍枠8bは、刺繍を施す布を保持可能であり、キャ
リッジ8aのXY駆動により、前後左右に移動するよう
になっている。
【0037】ミシン1においては、S/Sスイッチ5を
ON状態にすると、針棒の上下動に同期して、キャリッ
ジ8aが駆動される。これにより、刺繍枠8bが前後左
右に移動しながら縫製が行われ、刺繍枠8bに保持され
た布に、操作パネル7によって選択された刺繍模様が縫
製されるようになっている。
【0038】ミシン1は、図2に示す制御システム10
を備えている。制御システム10は、制御部(制御手段)
11と、制御部11に接続されるROM(Read Only Mem
ory)12、RAM(Random Access Memory)14、ROM
カード13、および各種スイッチ、検出基板等を備えて
構成されている。制御部11は、たとえばマイコン基板
からなり、CPU(Central ProcessingUnit)や入出力イ
ンターフェースを有する。制御部11は、コネクタ15
によって、刺繍装置8と電気的に接続されている。
【0039】内部記憶装置であるROM12には、ミシ
ン1における縫製動作や後述の表示処理を実行するため
の制御プログラムや制御データが記憶されている。制御
データとしては、例えば、各種刺繍模様の模様データ、
縫いデータが含まれる。ここで、縫いデータとは、刺繍
縫製の一針ごとの刺繍枠8bの移動量など、刺繍縫製に
必要な各装置の駆動制御データである。また、制御デー
タとしては、後述する縫い中断処理において操作パネル
7に表示される各操作画面(画面201〜210)の画像
データや、各画面201〜210の説明表示部(例え
ば、図11(a)に示す説明表示部201c)に表示され
る操作説明(「A点を指定する」等)のデータなども含ま
れる。すなわち、ROM12は、操作説明の表示データ
を記憶する説明表示データ記憶手段である。
【0040】また、上述の刺繍模様の模様データや縫い
データは、外部記憶装置であるROMカード13にも書
き込まれている。すなわち、ROMカード13と、上述
のROM12は、縫いデータを記憶する縫いデータ記憶
手段である。
【0041】RAM14は、縫製作業や表示処理におい
て、一時的にデータ等を格納する作業領域となるもので
ある。具体的には、例えば、RAM14は、操作パネル
7によって選択された一又は複数の選択模様とその模様
の編集データや、キャリッジ8aによる刺繍枠8bのX
Y移動量などを記憶する。
【0042】制御部11は、ROM12中に書き込まれ
ている制御プログラム、制御データ、模様データ、縫い
データ、およびROMカード13内の模様データ、縫い
データ等に基づいて、入力される各種信号やデータを利
用し、刺繍縫い動作や操作パネル7における各種表示処
理を制御するようになっている。
【0043】また、電源基板20は、ミシン1全体に電
源を供給するものである。電源スイッチ21がONにな
ると、AC電源22を直流電源に変換して、制御部11
に供給するようになっている。
【0044】メインモータ23は、制御部11による駆
動制御に基づいて、ミシン1の主軸(図示略)を回転させ
て針棒を上下駆動し、針9を上下動させる針駆動手段で
ある。メインモータ23の軸には、メインモータ23の
回転数を検出するMP検出基板24が組み込まれてい
る。
【0045】メインモータ23の回転速度は、コントロ
ーラ25や、スライドボリューム6により制御されるよ
うになっている。コントローラ25は、ミシン1に対し
て着脱可能であり、足踏み操作によって踏み込み程度を
調整することにより、ミシン1の縫い速度を設定できる
ようになっている。なお、本体縫い(後述する)を行う場
合には、コントローラ25をミシン1に装着すると、ス
ライドボリューム6による縫い速度の設定ができないよ
うになっている。また、ミシン1本体に刺繍装置8を装
着して、ミシン1を刺繍縫いミシンとして使用する場合
には、スライドボリューム6により、刺繍縫製時の最大
縫い速度が決定されるようになっている。なお、刺繍縫
製を行う場合には、上述のコントローラ25による縫い
速度の設定は無視されるようになっている。
【0046】スイッチ基板26には、上述のS/Sスイ
ッチ5や、他の各スイッチが組み込まれている。S/S
スイッチ5の操作によって、メインモータ23が起動お
よび停止するようになっている。主軸検出基板27は、
主軸近傍に組み込まれている。主軸検出基板27に設け
られたフォトインタラプタ等により、ミシン1の主軸に
組み付けられた遮蔽板の有無を検出して、主軸の回転位
相が検出される。
【0047】刺繍装置8には、X方向モータ81、Y方
向モータ83の各ステッピングモータが設けられてい
る。X方向モータ81は上述のX軸ユニットをX方向に
駆動するためのモータであり、X検知基板82によりX
軸原点が検出される。Y方向モータ83はY軸ユニット
をY方向に駆動するためのモータであり、Y検知基板8
4によりY軸原点が検出される。刺繍装置8において
は、ミシン1本体の制御部11から送られる所定パルス
数の制御信号に従ってX方向モータ81、Y方向モータ
83を駆動することによって、キャリッジ8aをXY方
向に移動させ、刺繍枠8bをXY方向に所定量移動する
ようになっている。すなわち、X方向モータ81、Y方
向モータ83は、刺繍枠8bをXY移動させるXY駆動
手段である。
【0048】また、刺繍装置8には、刺繍枠8bの種類
(サイズ)を検出する刺繍枠検出手段として、二つの枠検
出スイッチ85・86が設けられている。刺繍枠8bの
大きさによって枠検出スイッチ85・86のいずれかが
ON状態になり、刺繍枠8bの種類が判別されるように
なっている。
【0049】制御部11に接続された1針スイッチ30
は、布押さえ(図示略)の位置を検出するものであり、1
針スイッチ30により布押さえの位置が下がっているこ
とが検出された状態で、縫製が行われるようになってい
る。第1ソレノイド31、第2ソレノイド32、エンコ
ーダ33、ポテンショメータ34は、上糸の糸調子を自
動制御する自動糸調子手段を構成するものである。BH
ストップスイッチ35およびBHリバーススイッチ36
は、ボタンホールの縫製を行う場合に専用の押えと共に
使用されるスイッチである。
【0050】また、ミシン1本体には、刺繍縫製の場合
には使用しないが、本体縫いを行う場合に使用する針振
りモータ41、送りモータ42、従送りモータ43の各
ステッピングモータが組み込まれている。ここで、本体
縫いとは、直線、ジクザク等の実用模様や、文字、ワン
ポイント模様、連続模様などの縫製のことである。
【0051】針振りモータ41は針棒を左右方向に揺動
するためのモータであり、送りモータ42は布を送る送
り歯を前後方向に送るモータである。従送りモータ43
は前記送り歯を左右方向に送るモータであり、また、糸
切りモータとしても使用される。各モータ41〜43の
原点は、針振り検出基板44、送り検出基板45、従送
り検出基板46によりそれぞれ検出される。
【0052】表示基板71、バックライト基板72、お
よびタッチパネル73は、上述の操作パネル7を構成す
るものである。表示基板71はLCD(Liquid Crystal
Display;液晶ディスプレイ)であり、制御部11からの
制御信号に基づき所定の表示を行う。バックライト基板
72は、表示基板71の背面に設置されている。また、
タッチパネル73上で押圧入力されて、押圧入力位置が
検出されると、制御部11はこの位置と同じ位置に表示
基板71が表示している内容に基づいて、ミシン1の制
御を行うようになっている。
【0053】次に、上述のミシン1に刺繍装置8を装着
して、刺繍模様の縫製を行う縫製方法について、説明す
る。はじめに、図3〜図8を参照して、刺繍縫いのゼネ
ラルフローを説明する。
【0054】まず、ステップS1で、電源スイッチ21
がON状態になると、電源基板20を介してミシン1の
各部に電力が供給される。次に、ステップS2で、RA
M14を初期化(イニシャライズ)する。次に、ステップ
S3で、電源切れに備えてRAM14のデータをバック
アップしているバッテリー(図示略)の電圧をチェックす
る。
【0055】次に、ステップS4で、操作パネル7が、
刺繍装置8の刺繍枠8bをXY軸の原点位置へ移動させ
るための操作画面(図示略)を表示する。この操作画面上
で、ミシン1の操作者が機械原点検出許可のスイッチを
押すと、刺繍装置8のXY駆動機構の機械的な原点を初
期化する処理を行う。具体的には、XY軸の機械原点が
検出されるとともに、刺繍枠8bの中心が針9の針先と
一致するよう、刺繍枠8bが移動する。
【0056】次に、ステップS5で、操作パネル7は、
図7(a)に示すモード選択画面101を表示する処理を
行う。モード選択画面101には、組合せモード、つな
ぎ刺繍モードを選択するための組合せ刺繍キー101
a、つなぎ刺繍キー101bがそれぞれ設けられてい
る。
【0057】次に、ステップS6で、つなぎ刺繍キー1
01bが操作されてつなぎ刺繍モードが選択されたか否
かを判定し、つなぎ刺繍モードが選択されればステップ
S7に移行する。ここで、つなぎ刺繍とは、刺繍枠8b
の縫製範囲よりも広い縫製範囲にわたって刺繍模様を縫
製するときに選択するモードである。本実施の形態で
は、つなぎ刺繍についての説明をステップS7以降省略
し、「組合せ刺繍」を選択したものとして説明を行う。
すなわち、ステップS6では、つなぎ刺繍モードが選択
されず、ステップS8に移行する。
【0058】次に、ステップS8で、組合せ刺繍キー1
01aが操作されて組合せモードが選択されたか否かを
判定する。組合せモードが選択されなければ、ステップ
S6に戻り、選択されればステップS9に移行し、図7
(b)に示す模様種類選択画面102を表示する。模様種
類選択画面102には、内蔵模様キー102a〜102
e、ROMカードキー102fが設けられており、各キ
ー102a〜102fを操作することにより、一つまた
は複数の模様を選択でき、模様選択手段が構成されてい
る。
【0059】次に、ステップS10で、ROMカードキ
ー102fが操作されてカード模様が選択されたか否か
を判定し、カード模様が選択されればステップS11の
カード模様選択処理に移行する。カード模様選択処理で
は、操作パネル7がカード模様選択画面(図示略)を表示
し、この画面上で、ROMカード13に保存されている
刺繍模様の中から縫製を行う刺繍模様を選択する。その
後、ステップS18(図4)に移行する。
【0060】ステップS10でROMカードキー102
fが操作されなければステップS12に移行し、内蔵模
様キー102a〜102eのいずれかが操作されて内蔵
模様が選択されたか否かを判定する。内蔵模様が選択さ
れなければ、ステップS10に戻る。内蔵模様キー(例
えば、内蔵模様キー102d)が操作されて、野球模様
が選択されれば、ステップS13(図4)に移行して、図
7(c)に示す内蔵模様選択画面103を表示する。
【0061】内蔵模様選択画面103には、3種類の野
球模様を選択するための野球模様選択キー103a〜1
03cが設けられている。また、内蔵模様選択画面10
3には、模様の選択終了時に操作して次の画面に切り換
えるための選択おわりキー103dと、前の画面に戻る
ための戻るキー103eが設けられている。
【0062】次に、ステップS14で、戻るキー103
eがONであるか否かを判定し、ONであればステップ
S9に戻り、模様種類選択画面102を表示する。ON
でなければ、ステップS15に移行し、野球模様選択キ
ー103a〜103cのいずれかが選択されたか否かを
判定する。例えば、野球模様選択キー103aが選択さ
れればステップS16に移行して、選択された模様の模
様データや縫いデータをRAM14に記憶するととも
に、選択された野球模様選択キー103a内の模様の表
示を白黒反転表示する。その後、ステップS14に戻
る。
【0063】再びステップS14・S15の判定を行
い、ステップS15で模様の選択が行われなければステ
ップS17に移行し、選択おわりキー103dがONで
あるか否かを判定する。選択おわりキー103dがON
でなければ、ステップS14に戻り、ONであればステ
ップS18に移行する。
【0064】次に、ステップS18で、図7(d)に示す
レイアウト画面104を表示する。レイアウト画面10
4には、刺繍模様のレイアウトを表示するレイアウト部
104aが設けられている。レイアウト部104aの枠
104xは刺繍枠8bに対応しており、この枠104x
に対する刺繍模様の配置位置に、刺繍模様104yが表
示されている。はじめにレイアウト画面104を表示し
たときには、刺繍模様は刺繍枠8bの中心に相当する位
置に配置されている。
【0065】また、レイアウト画面104には、刺繍枠
8bに対する刺繍模様の配置位置(縫いデータの位置)
を変更するための8方向矢印キー104bが設けられ、
レイアウト手段を構成している。8方向矢印キー104
bが操作されると、刺繍枠8bが所望の位置に移動する
とともに、操作パネル7が枠104x内の刺繍模様10
4yの表示位置を移動させる。これにより、刺繍枠8b
に対する刺繍模様の位置を所望の位置に配置できるよう
になっている。
【0066】また、レイアウト画面104には、選択し
た模様を編集するための編集キー104c、すでに選択
した野球模様に他の模様を組み合わせるための組み合せ
キー104d、前の画面に戻るための戻るキー104
e、刺繍模様の配置位置の変更や、模様の組合せを終え
たときに操作する組み合せおわりキー104fが設けら
れている。
【0067】次に、ステップS19で、戻るキー104
eがONであるか否かを判定し、ONであればステップ
S13に戻り、内蔵模様選択画面103を表示する。戻
るキー104eがONでなければステップS20に移行
し、編集キー104cがONであるか否かを判定する。
編集キー104cがONであればステップS21に移行
して編集画面(図示略)を表示する。編集画面上では、選
択した模様を回転配置したり、文字サイズの変更などが
できるようになっている。編集を終えると、ステップS
18に戻る。
【0068】ステップS20で編集キー104cがON
でなければ、ステップS22に移行し、組み合せキー1
04dがONであるか否かを判定する。ONであればス
テップS9に戻り模様種類選択画面102を表示し、こ
の画面上で、既に選択した模様(ここでは野球模様)に対
して組み合わせる模様を選択することができる。
【0069】ステップS22で組み合わせキー104d
がONでなければ、ステップS23に移行し、組み合せ
おわりキー104fがONであるか否かを判定する。刺
繍模様のレイアウトや編集、組合せを終え、キー104
fが操作されると、ステップS24(図5)に移行する。
キー104fがONでなければステップS19に戻る。
レイアウト中に行われた操作は、制御部11によりRA
M14に順次記憶され、また、操作パネル7は操作に応
じた選択模様をレイアウト部104aに表示する。
【0070】ステップS24では、図8(a)に示す起動
前画面105を表示する。起動前画面105には、組み
合わせた刺繍模様の縫い順を指定するぬい指定キー10
5a、縫製する模様に必要な上糸の色を確認するための
確認キー105b、前の画面に戻るための戻るキー10
5cが設けられている。また、縫製する刺繍模様の縫製
順を模様表示する縫製順表示部105dが設けられてい
る。縫製順表示部105dにおいては、一番左側の欄
に、刺繍模様の色の数「3色」と、全体の刺繍模様が表
示されている。また、「」「」「」の表示ととも
に、各部分刺繍の模様(バット、ボールの背景色、ボー
ルの縁)が、縫製順に表示されている。
【0071】次に、ステップS25で、戻るキー105
cがONであるか否かを判定し、ONであればステップ
S18に戻りレイアウト画面104を表示し、この画面
上で再編集できる。戻るキー105cがONでなければ
ステップS26に移行し、S/Sスイッチ5がONであ
るか否かを判定する。S/Sスイッチ5がONでなけれ
ばステップS25に戻り、ONであればステップS27
に移行する。
【0072】次に、ステップS27で、図8(b)に示す
刺繍縫製画面106を表示し、ステップS28で、メイ
ンモータ23を起動して刺繍縫いを開始する。ここで、
制御部11は、レイアウト操作中にRAM14に記憶さ
れた刺繍模様の編集・組合せ内容に基づいて、ROM1
2や、ROMカード13から刺繍模様の縫いデータを読
み出す。そして、読み出したデータに基づいてメインモ
ータ23、X方向モータ81、Y方向モータ83等を駆
動制御し、刺繍模様の縫製を行う。刺繍縫製は自動運転
により行われ、異常発生や、上糸交換の必要性などがな
い限り、刺繍模様全体の縫製を終えるまでミシン1は停
止しない。
【0073】ステップS27で表示する刺繍縫製画面1
06には、上述のレイアウト部104aと同じ画像を示
すレイアウト部106a、模様全体の縫製にかかる時間
を表示する「ぬい時間」表示部106b、縫製中に縫製
残り時間をリアルタイムで表示する「のこり時間」表示
部106c、刺繍模様のサイズを表示する「たて×よ
こ」表示部106d、枠検出スイッチ85・86により
検出された刺繍枠8bのサイズを表示する「刺しゅう
枠」表示部106eが設けられている。
【0074】次に、ステップS29で、模様縫製が終了
したか否か判定し、縫製が終了すればステップS24に
戻り起動前画面105を表示する。縫製が終了していな
ければステップS30に移行する。
【0075】次に、ステップS30で、S/Sスイッチ
5がONであるか否かを判定し、ONでなければステッ
プS29に戻る。ONであればステップS31に移行
し、制御部(中断手段)11がメインモータ23を停止す
るとともに、X方向モータ81、Y方向モータ83を停
止して、針9と刺繍枠8bを停止させる。
【0076】次に、ステップS32(図6)で、図8(c)
に示す途中停止画面107を表示する。途中停止画面1
07には、刺繍縫製を一時中断して布を刺繍枠8bから
外し、再び布を刺繍枠8bにセットして刺繍縫製を再開
する場合に操作する縫い中断キー107aが設けられて
いる。また、途中停止画面107には、運針を前後した
り、空縫いをして縫いをスキップする等のヘルプ処理を
行うためのヘルプキー107b、刺繍縫いを中止するた
めのぬい中止キー107cが設けられている。
【0077】次に、ステップS33で、S/Sスイッチ
5が再び操作されてON状態になったか否かを判定す
る。例えば、上糸交換等の所定の処理が済み、ミシン1
の操作者がS/Sスイッチ5をONにすれば、ステップ
S27に戻り刺繍縫製画面106を表示し、ステップS
28でメインモータ23を再起動し、縫製を再開する。
【0078】ステップS33で、S/Sスイッチ5がO
Nでなければ、ステップS34に移行し、ぬい中止キー
107cがONであるか否かを判定する。ONであれ
ば、途中まで縫製した状態をキャンセルし、ステップS
9に戻って模様種類選択画面102を表示する。
【0079】ステップS34で、ぬい中止キー107c
がONでなければステップS35に移行し、ヘルプキー
107bがONであるか否かを判定する。ONであれば
ステップS36に移行してヘルプ画面(図示略)を表示
し、所定のヘルプ処理を実施する。ヘルプ処理では、具
体的には、縫製開始位置の変更やキャリッジ8aの退避
等を行う。ヘルプ画面においてヘルプ終了キーを操作す
ると、ステップS32に戻り、途中停止画面107を表
示するようになっている。
【0080】ステップS35で、ヘルプキー107bが
ONでなければステップS37に移行し、縫い中断キー
107aがONであるか否かを判定する。ONでなけれ
ばステップS33に戻り、ONであればステップS38
に移行し、後述する縫い中断処理を行う。
【0081】ここで、ステップS38では、はじめに、
刺繍縫製を中断した時点における刺繍枠8bのXY位置
(縫製中断位置)を、制御部(中断手段)11がRAM(位
置記憶手段)14に記憶させる。縫製中断位置は、具体
的には、ステッピングモータであるX方向モータ81、
Y方向モータ83の出力パルス数で記憶させる。記憶さ
せる縫製中断位置のXY座標を(N1、M1)とする。な
お、通常、1パルスが0.1mmに相当する。
【0082】次に、ステップS38の縫い中断処理につ
いて詳細に説明する。ここで、具体的な処理の内容につ
いて説明する前に、図9を参照して、縫い中断処理の原
理を簡単に説明する。図9は、三角形の刺繍模様Gを縫
製する場合の模式図である。図9に示す横軸および縦軸
は、刺繍枠8bのXY駆動軸を示している。XY駆動軸
の原点は、上述したステップS4で検出される原点であ
り、この原点の位置は不変である。また、点線枠Wは、
刺繍枠8bの刺繍可能範囲である。また、図9(a)に示
す点Sは、ステップS38で検出される前記縫製中断位
置である。
【0083】縫い中断処理においては、まず、縫製を中
断した状態(図9(a))で、刺繍枠8bにセットされた布
上に鉛筆などで二箇所マークを付け(A点・B点)、この
A点・B点の位置を検出する。具体的には、刺繍枠8b
を手動でXY移動させ、A点の真上に針9の針先を合わ
せて位置を記憶する。また、A点の位置の記憶と同様に
して、B点の位置も記憶する。ここで、A点・B点の位
置は、刺繍枠8bのXY駆動テーブル上の座標位置で記
憶する。これにより、縫製中断時における、刺繍枠8b
(点線枠Wに対応)に対する布上の三角形SABの相対位
置を認識したことになる。
【0084】その後、刺繍枠8bを刺繍装置8から取り
外し、さらに刺繍枠8bから布を外して、所望の作業を
行う。このあと、刺繍縫製を再開するため布を刺繍枠8
bにセットし直し、刺繍枠8bを刺繍装置8に装着す
る。この状態を示す図が図9(b)である。図9(b)にお
いて、A’点・B’点は、図9(a)に示すA点・B点に
それぞれ相当する位置であり、S’点は、縫製中断位置
であるS点に相当する位置である。
【0085】次に、刺繍装置8に刺繍枠8bを再装着し
た状態(図9(b))で、上述と同様にして、布上にマーク
された二点の位置をA’点・B’点の位置として検出す
る。ここで、A’点・B’点の位置の記憶は、A点・B
点の位置の記憶と同様に、刺繍枠8bのXY駆動テーブ
ル上の座標位置で記憶する。
【0086】布を再セットした後(図9(b))における三
角形S’A’B’の形は、縫製中断時(図9(a))におけ
る三角形SABの形と同じである。したがって、三角形
SABのXY位置と、布再セット後に検出したA’点・
B’点のXY位置とに基づいて、S’点のXY座標位置
を演算することができる。また、A点に対するA’点の
ずれ量dは、d=A’−Aで求められる。また、図9
(a)において、X軸に対する直線ABの傾き角度をα、
図9(b)において、X軸に対する直線A’B’の傾き角
度をβとすると、直線ABに対する直線A’B’の傾き
角度γは、γ=β−αで求められる(つまり、図9(b)
の状態は、図9(a)の状態に対して、角度γだけ傾いて
布がセットされた状態を示している)。
【0087】次に、上述のようにして求められるS’点
のXY座標位置、ずれ量d、および傾き角度γの各デー
タに基づいて、刺繍縫製を再開する処理を行う。具体的
には、まず、縫製中断時(図9(a)の状態)における刺繍
模様Gの模様データ・縫いデータを、刺繍枠8bのXY
駆動テーブル上においてdだけシフトし、シフト後のデ
ータを角度γだけ回転させて、布再セット後における刺
繍模様G’のデータを演算する。その後、演算した刺繍
模様G’のデータに基づいて、図9(b)に示すS’点か
ら刺繍縫製を再開する。
【0088】以下、縫い中断処理の具体的な処理につい
て、図10〜図19を参照して詳細に説明する。縫い中
断処理においては、上述のようにして縫製中断位置を記
憶した後、続いて、図10に示す布位置記憶処理に移行
する。
【0089】まず、ステップS41で、操作パネル7
は、図11(a)に示す布位置記憶画面(A)201を表示
する。布位置記憶画面(A)201には、レイアウト部2
01a、8方向矢印キー201bと、縫い中断処理にお
ける操作パネル7の操作手順の説明を表示する説明表示
部201cが表示されている。すなわち、操作パネル7
は、操作説明を表示する説明表示手段である。
【0090】説明表示部201cの表示内容「最初の位
置指定」「A点を指定する」から、布位置記憶画面(A)
201上では、最初の位置としてA点を指定(設定)す
る操作を行うことを確認できるようになっている。ここ
で、A点とは、刺繍枠8bの縫製範囲内で、刺繍模様が
縫製されていない部分にミシン1の操作者が布上に任意
に指定する位置(基準位置)である。また、布位置記憶画
面(A)201には、A点を指定するためのA点キー20
1d、前の画面に戻るための戻るキー201eが設けら
れている。
【0091】次に、A点の位置を記憶させるため、ステ
ップS42で、ミシン1の操作者は布上のA点が針9の
位置とほぼ一致するように8方向矢印キー201bを操
作し、ステップS43で、制御部(中断時基準位置設定
手段)11の制御に基づき、8方向矢印キー201bの
操作に従って、刺繍枠8bをXY移動させる。8方向矢
印キー201bを押し続けるとリピート機能が働き、連
続して指定方向に刺繍枠8bが移動するようになってい
る。
【0092】ここで、ミシン1の針棒が下がっている状
態では刺繍枠8bを移動できないため、針棒が下がって
いる状態のまま8方向矢印キー201bを操作した場合
には、操作パネル7はエラーメッセージを表示するよう
になっている。なお、これに限らず、メインモータ23
を逆転させて針9を自動的に上昇させ、上位置停止させ
るようになっていてもよい。
【0093】刺繍枠8bを所望の位置に移動した後、ミ
シン1の操作者は、手回しで針棒を下げて、針9の先が
刺繍枠8bにセットされた布を刺す手前まで下降させ
る。このとき、針9の針先の位置が所望のA点の位置と
異なる場合には、再度8方向矢印キー201bを操作し
て、刺繍枠8bを移動させる。その後、布上において、
芯の柔らかい鉛筆等で針9が刺さる位置(A点)に印を付
ける。このとき、印の大きさはできるだけ小さい方が好
ましい。その後、操作者は手動で針棒を上昇させて、刺
繍枠8bが移動可能な状態にしておく。
【0094】次に、ステップS44で、戻るキー201
eがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS45(上述のステップS32と同じ)に戻り途中停止
画面107を表示し、その後、ステップS33以降の処
理を行う。
【0095】ステップS44で戻るキー201eがON
でなければ、ステップS46に移行し、A点キー201
dがONであるか否かを判定する。ONでなければステ
ップS42に戻る。ONであれば、このときの刺繍枠8
bのXY位置を、X方向モータ81、Y方向モータ83
の出力パルス数に基づいて制御部11(中断時基準位置
設定手段)により検出し、RAM14に記憶させる。こ
こで、記憶するA点のXY座標を、(n1、m1)とす
る。その後、ステップS47に移行する。
【0096】ステップS47では、図11(b)に示す布
位置記憶画面(B)202を表示する。布位置記憶画面
(B)202には、レイアウト部202a、8方向矢印キ
ー202b、説明表示部202c、B点を指定するため
のB点キー202d、前の画面に戻るための戻るキー2
02eが設けられている。
【0097】レイアウト部202aには、既に記憶させ
たA点の位置に相当する位置に、+(プラス)印が表示さ
れている。すなわち、レイアウト部202aは、刺繍模
様202yに対するA点の相対位置を示す相対位置画像
であり、操作パネル7は、この相対位置画像を表示する
画像表示手段である。
【0098】また、説明表示部202cの表示内容によ
り、布位置記憶画面(B)202上では、2番目の位置と
してB点を指定(設定)する操作を行うことが確認でき
るようになっている。ここで、B点とは、A点とは異な
る位置であって、刺繍枠8bの縫製範囲内で、刺繍模様
が縫製されていない部分にミシン1の操作者が布上に任
意に指定する位置(基準位置)である。
【0099】次に、B点の位置を記憶させるため、ステ
ップS42・S43と同様にして、ステップS48で8
方向矢印キー202bを操作し、ステップS49で刺繍
枠8bをXY移動させる。その後、上述と同様にして、
針棒を下げ、針9が刺さる位置(B点)に印を付ける。
【0100】次に、ステップS50で、戻るキー202
eがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS45(上述のステップS32と同じ)に戻り途中停止
画面107を表示し、その後、ステップS33以降の処
理を行う。
【0101】ステップS50で戻るキー202eがON
でなければ、ステップS51に移行し、B点キー202
dがONであるか否かを判定する。ONでなければステ
ップS48に戻る。ONであれば、このときの刺繍枠8
bのXY位置をRAM14に記憶させる。ここで、記憶
するB点のXY座標を、(n2、m2)とする。その後、
ステップS52に移行し、布位置記憶完了画面203
(後述する)を表示して、布位置記憶処理を終える。
【0102】ミシン1の操作者は、布位置記憶完了画面
203が表示されたのを確認した後、刺繍枠8bをキャ
リッジ8aから取り外し、刺繍枠8bから布を取り外し
て所望の作業を行うことができる。作業を終えた後、布
を刺繍枠8bに再び装着して、刺繍枠8bをキャリッジ
8aに取り付ける。ここで、布を刺繍枠8bに装着する
ときには、布を取り外す前の装着位置とだいたい同じ位
置に装着するようにする。なお、必ずしも布を取り外す
前の装着位置に合わせる必要はなく、布上に印を付けた
A点およびB点と、刺繍縫製範囲のうちまだ縫製を終え
ていない部分(未縫製部分)とが、刺繍枠8bの枠内に入
るようにセットすればよい。
【0103】布位置記憶処理を終えると、続いて、布位
置復帰処理(図12、図13、図16、図18)に移行す
る。まず、図12に示すように、ステップS53(上述
のステップS52と同じ)で、図14(a)に示す布位置
記憶完了画面203を表示する。布位置記憶完了画面2
03には、レイアウト部203a、説明表示部203b
と、刺繍縫製を再開するための再開キー203cが設け
られている。
【0104】レイアウト部(相対位置画像)203aに
は、既に記憶させたA点およびB点の位置に相当する位
置に、それぞれ+(プラス)印が表示されている。また、
説明表示部203bの表示内容により、布位置記憶完了
画面203上では、再開キー203cを操作することで
刺繍縫製を再開できることが確認できるようになってい
る。ミシン1の操作者は、布を再セットしてキャリッジ
8aに刺繍枠8bを取り付け、刺繍縫製を再開するため
の準備を終えたら、再開キー203cを操作する。
【0105】次に、ステップS54で、再開キー203
cがONであるか否かを判定し、ONでなければステッ
プS54の判定を繰り返す。再開キー203cがONで
あれば、ステップS55に移行する。
【0106】ステップS55では、現在の刺繍枠8bの
サイズを枠検出スイッチ85・86により検出するとと
もに、現在の刺繍枠8bのサイズが、刺繍縫製を中断し
たときの刺繍枠8bのサイズと一致するか否かを、制御
部(後述する再起動手段)11が判定する。刺繍枠8bの
サイズが一致しない場合にはステップS56に移行し、
操作パネル7がその旨を表示して、ミシン1の操作者に
刺繍枠8bの種類を取り替えるよう催促する。その後、
ステップS54に戻り、ステップS54・S55の判定
を繰り返す。
【0107】ステップS55で、刺繍枠8bのサイズが
一致していると判定すれば、ステップS57に移行し、
図14(b)に示す布位置復帰処理画面(A)204を表示
する。布位置復帰処理画面(A)204には、レイアウト
部204a、8方向矢印キー204b、A点キー204
c、戻るキー204d、説明表示部204eが設けられ
ている。
【0108】レイアウト部204aには刺繍模様は画面
表示されず、刺繍枠8bに対応する枠204xのみが表
示されている。また、説明表示部204eの表示内容に
より、布位置復帰処理画面(A)204上では、A点の位
置を教えるための操作を行うことが確認できるようにな
っている。
【0109】次に、刺繍枠8bに再セットした布上のA
点の位置を記憶させるため、ステップS58で、ミシン
1の操作者は、布上に付けられたA点の印が、針9の位
置と一致するように8方向矢印キー204bを操作し、
ステップS59で、制御部(布再保持後基準位置検出手
段)11の制御に基づき、8方向矢印キー204bの操
作に従って刺繍枠8bをXY移動させる。刺繍枠8bを
所望の位置に移動した後、ミシン1の操作者は、手回し
で針棒を下げて、針9の針先の位置が布上のA点と一致
しているかどうかを確認し、一致している場合にはA点
キー204cを操作する。
【0110】次に、ステップS60で、戻るキー204
dがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS53に戻る。ONでなければステップS61に移行
し、A点キー204cがONであるか否かを判定する。
ONでなければステップS58に戻り、再度8方向矢印
キー204bを操作して、刺繍枠8bに再セットした布
上のA点が針9の針先の位置と一致するよう、刺繍枠8
bを移動させる。ステップS61でA点キー204cが
ONであれば、このときの刺繍枠8bのXY位置を、X
方向モータ81、Y方向モータ83の出力パルス数に基
づいて制御部11(布再保持後基準位置検出手段)により
検出し、RAM14に記憶させる。ここで、記憶するX
Y座標(布再セット後のA点の位置)を(n3、m3)とす
る。その後、ステップS62に移行する。
【0111】ステップS62では、図14(c)に示す布
位置復帰処理画面(B)205を表示する。布位置復帰処
理画面(B)205には、レイアウト部205a、8方向
矢印キー205b、B点キー205c、戻るキー205
d、説明表示部205eが設けられている。
【0112】レイアウト部205aには、布を再セット
したあとに検出したA点の位置に相当する位置に、+
(プラス)印が表示されている。また、説明表示部205
eの表示内容により、布位置復帰処理画面(B)205上
では、B点の位置を教えるための操作を行うことが確認
できるようになっている。
【0113】次に、刺繍枠8bに再セットした布上のB
点の位置を記憶させるため、上述のステップS58・S
59と同様にして、ステップS63で、布上に付けられ
たB点の印が針9の位置と一致するように8方向矢印キ
ー205bを操作し、ステップS64で刺繍枠8bをX
Y移動させる。刺繍枠8bを所望の位置に移動した後、
手回しで針棒を下げて針9の針先の位置が布上のB点と
一致しているかどうかを確認し、一致している場合には
B点キー205cを操作する。
【0114】次に、ステップS65で、戻るキー205
dがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS57に戻る。ONでなければステップS66(図1
3)に移行し、B点キー205cがONであるか否かを
判定する。ONでなければステップS63に戻り、再度
8方向矢印キー205bを操作する。
【0115】ステップS66でB点キー205cがON
であれば、このときの刺繍枠8bのXY位置をRAM1
4に記憶させる。ここで、記憶するXY座標(布再セッ
ト後のB点の位置)を(n4、m4)とする。
【0116】次に、ステップS67で、制御部(演算手
段)11が、布位置の復元演算処理を行う。この演算処
理においては、まず、縫製中断時における刺繍枠8bに
対する布の位置と、再セットしたあとの布の位置と、の
ずれ量を求める。具体的には、以下の各ずれ量を求め
る。
【0117】<A点の位置のずれ量> (n3−n1、m3−m1)
【0118】<布の回転方向のずれ量>まず、縫製中断
時において刺繍枠8bにセットされた布上における直線
AB(布上のA点とB点とを結ぶ直線)がX軸に対してな
す角度S1を求める。 S1=arctan(Y1/X1) ここで、X1=n2−n1、Y1=m2−m1 同様に布を再セットした後の直線ABがX軸に対してな
す角度S2を求める。 S2=arctan(Y2/X2) ここで、X2=n4−n3、Y2=m4−m3 布の回転方向のずれ角度Sは、以下の式により求められ
る。 S=S2−S1
【0119】以上の演算により求めた布の位置のずれ量
に基づいて、布を再セットしたあとの刺繍枠8bにおけ
る縫製中断位置の再現、および縫いデータの補正を行
う。
【0120】補正後の縫製中断位置(縫製再開位置に相
当)の座標(N2、M2)は、縫製中断位置(N1、M1)
と、布の回転方向のずれ角度Sに基づいて、以下の式に
より求められる。 N2=n3+L1*cos(a+S) M2=m3+L1*sin(a+S) ここで、L1*L1=(N1−n1)*(N1−n1)+
(M1−m1)*(M1−m1) a=arctan((M1−m1)/(N1−n1))
【0121】また、補正前の縫いデータ、すなわち、一
針縫う際の刺繍枠8bの移動量を(x1、y1)とする
と、補正後の縫いデータ(x2、y2)は下記の式より求
められる。 x2=L2*cos(θ+S) y2=L2*sin(θ+S) ここで、θ=arctan(y1/x1) Sは回転方向の布のずれ角度 L2*L2=x2*x2+y2*y2
【0122】以上の演算を終了すると、図13に示すス
テップS68に移行し、図15(a)に示す布位置復帰画
面206を表示する。布位置復帰画面206には、レイ
アウト部206a、8方向矢印キー206b、補正後の
縫製中断位置に針9の針先が合うよう刺繍枠8bを移動
させるための中断位置キー206c、布位置記憶完了画
面203に戻るための戻るキー206d、説明表示部2
06eが設けられている。
【0123】レイアウト部(相対位置画像)206aに
は、布を再セットした後に検出したA点、B点に相当す
る位置に、それぞれ+(プラス)印が表示されているとと
もに、これらのA点、B点に対する相対位置に、刺繍模
様206yが表示されている。+(プラス)印に対する刺
繍模様206yの表示位置は、レイアウト中にRAM1
4に記憶された刺繍模様のレイアウトのデータと、布位
置記憶処理で記憶した縫製中断時のA点・B点の位置の
データと、に基づいて決定されている。ここで、ミシン
1の操作者は、刺繍模様範囲のうちの未縫製部分が全て
枠206x内に含まれているか(刺繍模様206yが枠
206xにぶつかっていないか)を確認する。枠206
x内に未縫製部分が含まれていないときには、戻るキー
206dを操作して、布位置記憶完了画面203に戻っ
て、布をセットし直す。また、説明表示部206eの表
示内容により、布位置復帰画面206上では、縫い中断
位置を確認するための操作を行うことが確認できるよう
になっている。
【0124】次に、ステップS69で、戻るキー206
dがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS53に戻り、布位置記憶完了画面203を表示す
る。ONでなければステップS70に移行し、中断位置
キー206cがONであるか否かを判定する。ONでな
ければステップS69に戻り、ステップS69・S70
の判定を繰り返す。
【0125】ステップS70で中断位置キー206cが
ONであればステップS71に移行し、制御部(再起動
手段)11の制御に基づき、ステップS67で算出した
補正後の縫製中断位置(N2、M2)に刺繍枠8bが移動
する。刺繍枠8bが移動した後、ミシン1の操作者は、
刺繍枠8bが正しい中断位置に移動したかどうかを確認
するため、手動で針棒を下げて、針9の先が布上の縫製
中断位置と合っているかどうかを確認する。
【0126】次に、ステップS72で、図15(b)に示
す中断位置確認画面207を表示する。中断位置確認画
面207には、レイアウト部207a、8方向矢印キー
207b、運針を操作して中断位置があっているか否か
を確認するための運針確認キー207c、中断位置を補
正するための位置補正キー207d、中断位置が合って
いる場合に縫製を再開するためのOKキー207e、布
位置記憶完了画面203に戻るための戻るキー207
f、説明表示部207gが設けられている。説明表示部
207gの表示内容により、中断位置確認画面207上
では、中断位置が良い場合にはOKキー207fを操作
し、位置を修正する場合には位置修正をするための操作
を行うことが確認できるようになっている。
【0127】次に、ステップS73で、戻るキー207
fがONであるか否かを判定し、ONであれば、ステッ
プS53に戻り、布位置記憶完了画面203を表示す
る。ONでなければステップS74に移行し、OKキー
207eがONであるか否かを判定し、ONであればス
テップS75に移行し、図15(c)に示す中断復帰画面
208を表示する。
【0128】中断復帰画面208は、レイアウト部20
8aと、上述の途中停止画面107のヘルプキー107
b、ぬい中止キー107cと同様のヘルプキー208
b、ぬい中止キー208cが設けられている。レイアウ
ト部208aには、途中停止画面107のレイアウト部
107dとは異なり、刺繍模様の他に、布再セット後に
検出したA点、B点に相当する位置に+(プラス)印が表
示されている。
【0129】中断復帰画面208を表示した状態で、ミ
シン1の操作者がS/Sスイッチ5をON状態にする
と、ステップS67で算出した補正後の縫いデータに基
づき刺繍枠8bがXY移動して、補正後の刺繍模様の位
置に刺繍が縫製される。
【0130】ステップS74でOKキー207eがON
でなければステップS76に移行し、位置補正キー20
7dがONであるか否かを判定する。ONであればステ
ップS77(図16)に移行し、図17に示す位置補正画
面209を表示する。位置補正キー207dがONでな
ければ、ステップS82(図18)に移行する。
【0131】ステップS77で表示する位置補正画面2
09には、8方向矢印キー209a、中断位置の補正が
完了した後に操作する補正完了キー209b、説明表示
部209cが設けられている。説明表示部209cの表
示内容により、位置補正画面209上において、中断位
置のずれを補正することが確認できるようになってい
る。
【0132】次に、ステップS78で、刺繍枠8bが復
帰後の中断位置、すなわち、ステップS67で算出した
補正後の縫製中断位置(N2、M2)に移動する。次に、
正しい縫製中断位置を記憶させるため、ステップS79
で、ミシン1の操作者が、布上の縫製中断位置が針9の
針先に合うよう8方向矢印キー209aを操作し、ステ
ップS80で、8方向矢印キー209aの操作に従い刺
繍枠8bが移動する。
【0133】次に、ステップS81で、補正完了キー2
09bがONであるか否かを判定し、ONでなければス
テップS79に戻り、再度8方向矢印キー209aを操
作して刺繍枠8bを移動する。補正完了キー209bが
ONであれば、制御部11は既に算出した補正後の中断
位置(x2、y2)から、位置補正後の中断位置(x2
1、y21)を算出する。 x21=x2+Rx y21=y2+Ry ここで、Rxは位置補正におけるX方向の移動量 Ryは位置補正におけるY方向の移動量 その後、ステップS72(図13)に戻り中断位置確認画
面207を表示し、中断位置があっているか否か確認を
行う。
【0134】上述のステップS76で位置補正キー20
7dがONでないと判定した場合には、ステップS82
に移行し、運針確認キー207cがONであるか否かを
判定する。ONでなければ、ステップS73に戻り、ス
テップS73・S74・S76・S82の判定を繰り返
す。運針確認キー207cがONであればステップS8
3に移行し、図19に示す運針確認画面210を表示す
る。
【0135】運針確認画面210には、運針を前進させ
るための運針前進キー210a、運針を後退させるため
の運針後退キー210b、運針による確認を終了したと
きに操作する確認終了キー210c、説明表示部210
dが設けられている。説明表示部210dの表示内容に
より、運針確認画面210上では、運針を後退させて模
様が合っているかを確認する操作を行うことが確認でき
るようになっている。
【0136】次に、刺繍模様が合っているかどうかを確
認するため、ステップS84で、ミシン1の操作者は、
運針前進キー210a、運針後退キー210bを操作
し、ステップS85で、針は上位置停止した状態を維持
したまま、運針前進キー210a、運針後退キー210
bの操作に従って刺繍枠8bが移動する。このとき、運
針後退キー210bを一回押すごとに、刺繍縫いの一針
戻る分だけ刺繍枠8bが移動し、運針前進キー210a
を一回押すごとに、刺繍縫いの一針進む分だけ刺繍枠8
bが移動する。ミシン1の操作者は、刺繍枠8bの移動
を確認して、既に刺繍した模様の運針上を正しくなぞっ
ているかどうかを判断し、確認を終えると、確認終了キ
ー210cを操作する。
【0137】次に、ステップS86で、確認終了キー2
10cがONであるか否かを判定し、ONでなければ、
ステップS84に戻り、ステップS84・S85を繰り
返して、運針の確認を再度行う。確認終了キー210c
がONであれば、ステップS72に戻り、再度中断位置
確認画面207を表示する。
【0138】以上のように、本実施の形態例のミシン1
およびこのミシン1を用いた縫製方法によれば、刺繍縫
製を中断したときのA点の位置(n1、m1)、B点の位
置(n2、m2)と、布を再セットした後のA点の位置
(n3、m3)、B点の位置(n4、m4)がそれぞれ記憶
される。また、これらの位置データに基づいて、刺繍枠
8bに対する布の回転方向のずれ角度Sが求められる。
【0139】そして、このずれ角度Sと縫製中断位置
(N1、M1)から、上述のようにして補正後の縫製中断
位置を求め、この位置に刺繍枠8bが移動してここから
刺繍縫製が再開されるので、刺繍縫製の中断時に布を刺
繍枠8bから取り外して布をセットし直すものとして
も、刺繍縫製を適切に再開することができる。また、ず
れ角度Sに基づいて、一針ごとの縫いデータ(x1、y
1)が上述のようにして補正され、この補正後の縫いデ
ータ(x2、y2)に基づいて再開後の刺繍縫製が行われ
るので、適切に刺繍枠8bをXY移動して、刺繍枠8b
に再セットされた布上に刺繍模様を縫製することができ
る。
【0140】また、上述のように縫製中断位置や縫いデ
ータが補正されるので、元の布のセット位置にぴったり
合うよう布を刺繍枠8bに再保持させる必要がなく、よ
り容易に刺繍縫製の中断・再開を行える。また、布上の
検出する位置(A点、B点)の位置を工夫すれば、少しず
つ布をずらして刺繍枠8bにセットして、連続的に刺繍
模様を縫製することができる。よって、簡単につなぎ刺
繍や、連続的な刺繍縫製を行える。
【0141】また、縫い中断処理においては、操作パネ
ル7に説明表示部が表示され、説明表示部には、各処理
の表示画面201〜210に合わせて、その画面上で行
う操作の説明が表示されるので、ミシン1の操作者は、
この表示内容を確認しながらミシン1の操作を行える。
よって、刺繍縫製を中断・再開する作業を容易に、かつ
確実に行うことができる。
【0142】また、ステップS47で表示する布位置記
憶画面(B)202のレイアウト部202a、および、ス
テップS52で表示する布位置記憶完了画面203のレ
イアウト部203aには、縫製中断時の刺繍枠8bにセ
ットされた布上のA点・B点に相当する位置に+(プラ
ス)印が表示されるので、ミシン1の操作者は、レイア
ウト部202a・203aを参照して、刺繍模様に対す
るA点・B点の位置を確認できる。したがって、ミシン
1側で検出したA点・B点の位置と、ミシン1の操作者
が自分で付けた布上のA点・B点の位置と、を比較し
て、これらが合っているかどうかを確認できる。
【0143】また、ステップS55で、縫製中断時の刺
繍枠8bのサイズと、布を再セットした後の刺繍枠8b
のサイズとが一致するかどうか判定し、一致した場合
に、次の処理(ステップS57〜)に移行するようになっ
ているので、刺繍枠8bのサイズが縫製中断時の刺繍枠
8bのサイズと異なっている状態のまま刺繍縫製を再開
するのを防止することができる。
【0144】また、ステップS68で表示する布位置復
帰画面206のレイアウト部206aには、刺繍枠8b
に相当する枠206xとともに、布を再セットした後に
おける刺繍模様の相対位置に刺繍模様206yが表示さ
れているので、刺繍模様範囲のうちの未縫製部分が刺繍
枠8b内に含まれているかどうかを確認できる。また、
ミシン1の操作者は、戻るキー206dを操作して布位
置記憶完了画面203に戻り、未縫製部分全てが刺繍枠
8b内に入るようにセットし直すか、それとも、このま
ま刺繍縫製を再開するかを、レイアウト部206a内の
表示を参照して判断することができる。また、レイアウ
ト部206aには、布を再セットした後に検出したA点
・B点の位置に+(プラス)印が表示されているので、刺
繍枠8bに対するA点・B点の位置を再度確認すること
ができる。
【0145】なお、以上の実施の形態において、例え
ば、ステップS27で表示する刺繍縫製画面106に、
さらに説明表示部を設けて、縫製を中断する操作につい
ての説明(例えば、「縫製中断するときは、起動/停止
スイッチを押して下さい」など)を表示する構成として
も良い。
【0146】また、縫い中断処理において、刺繍枠8b
にセットされた布上のA点・B点が針9の針先の位置と
一致するよう、ミシン1の操作者が8方向矢印キーを操
作して、刺繍枠8bを移動するものとしたが、本発明は
これに限定されるものではない。例えば、A点・B点の
XY位置座標をテンキーで入力して指定したり、レイア
ウト部上でA点・B点に指定したい位置をタッチして位
置を決めたり、予め決められた複数の点の中からA点・
B点に指定したい点を選択したりして、これに相当する
XY位置に刺繍枠8bが移動する構成としても良い。ま
た、これに限らず、制御部11が、刺繍模様の模様デー
タなどに基づいて刺繍模様が縫製されていない部分を演
算により算出し、この縫製されていない部分に自動でA
点・B点を指定して、これに相当する位置に刺繍枠8b
が移動する構成としても良い。
【0147】また、刺繍枠8bがA点・B点の位置に移
動した後、ミシン1の操作者が手動で針棒を下げるもの
としたが、これに限らず、自動制御により針棒が下降す
る構成としても良い。また、針9の針先の位置に、操作
者が鉛筆等で布上に印を付けるものとしたが、これに限
らず、例えば、ミシン1の縫製機能を利用して目印を縫
製する(例えば、自動で×印などの印を縫いつける)構成
としても良い。
【0148】また、A点、B点の位置を、縫い始めの位
置や、縫製中断位置と一致させるものとしても良い。縫
い始め位置は、始めに刺繍模様をレイアウトした時点で
自動的に算出されるので、縫い始め位置をA点(B点)の
位置と一致させれば、布位置を記憶させるための処理を
一つ省略することができる。また、縫製中断位置をA点
(B点)の位置と一致させる場合も同様である。また、布
を再セットした後の刺繍枠8bが、縫製中断時の刺繍枠
8bと異なる種類であっても、刺繍縫製を再開できるよ
うな構成としても良い。
【0149】また、ステップS68で布位置復帰画面2
06を表示したときに、制御部(縫製判断手段)11が、
刺繍模様206yのうちの少なくとも未縫製部分が枠2
06x内に配置されていない、と判断した場合には、操
作パネル7がエラーメッセージを表示する(例えば、説
明表示部206eに、「布をセットし直して下さい」と
表示する)構成としても良い。この場合、操作パネル7
は、刺繍枠8b内に配置されていない未縫製部分をミシ
ン1により縫製できない、と操作者に報知する縫製不可
能報知手段である。この構成とすれば、未縫製部分の少
なくとも一部は縫製できない、ということを、確実にミ
シン1の操作者に知らせることができる。
【0150】また、上述のエラーメッセージの表示処理
を、ステップS75で中断復帰画面208を表示すると
きに行うようにしても良い。また、エラーメッセージの
表示とともに、中断位置キー206cや、S/Sスイッ
チ5がきかないように制御部11が制御する構成とすれ
ば、さらに効果的である。
【0151】また、布位置復帰画面206や中断復帰画
面208などにおいて、例えば、各部分刺繍の模様のう
ち、バットは刺繍枠8b内に縫製できるが、ボールは刺
繍枠8b内に縫製できない場合などに、その旨を画面上
に表示する構成としても良い。具体的には、操作パネル
(縫製部分表示手段)7が、例えば、縫製可能な(もしく
は縫製不可能な)部分模様の番号を説明表示部に表示し
たり、縫製可能な(もしくは縫製不可能な)部分模様を別
の色で表示する構成などが挙げられる。
【0152】また、次に縫製を行う部分模様(例えば、
バット)は刺繍枠8b内に縫製可能で、その次に縫製す
る部分模様(ボール)は刺繍枠8b内に縫製できない場合
などに、その縫製可能な分の部分模様の刺繍縫製のみを
自動的に行う構成としても良い。なお、これに限らず、
未縫製部分の一部だけでも縫製ができない場合に、刺繍
縫製の再開を全く行えないよう制御する構成としても良
い。
【0153】また、ステップS75で中断復帰画面20
8を表示した後に縫製を再開し始める縫製再開位置は、
必ずしも、演算によって求められた補正後の縫製中断位
置に相当する位置である必要はない。縫製中断位置から
数針後退した針落ち位置でもよく、実際に縫製を再開す
るのに適切な位置であればよい。
【0154】また、刺繍縫製を中断したときの縫い終わ
りや、刺繍縫製を再開するときの縫い始めに、ほつれ防
止のために、止め縫いを自動的に行う構成としても良
い。また、ステップS77〜S81において、中断位置
のXY方向のずれを補正する処理を行うものとしたが、
これに限らず、例えば、再セット後の布の回転方向のず
れを補正する処理を行うものとしても良いし、また、中
断位置のXY方向のずれの補正と、布の回転方向のずれ
の補正とを両方行うものとしても良い。
【0155】また、ステップS85で運針の確認をする
ときに、針は上位置停止した状態を維持するものとした
が、これに限らず、刺繍枠8bの移動に伴い針も一緒に
上下動するようにしても良い。このときに上糸を針9か
ら外しておけば、縫製は行われず、また、針9が布上の
どの位置に刺さるかが正確にわかり、運針が縫製模様に
正しく合っているかどうかを正確に確認できる。
【0156】また、レイアウト画面104において、8
方向矢印キー104bにより、複数の刺繍模様を刺繍枠
8bの大きさよりも大きな範囲に配置可能な構成として
も良い。また、刺繍縫いの処理において表示される各表
示画面101〜107・201〜210の表示内容は、
適宜変更可能である。また、ミシン1の各構成も、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であるのは勿
論である。
【0157】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、縫製中断
時に設定した複数の基準位置と、布再保持後に検出した
複数の基準位置と、の比較により、刺繍枠に対する布の
保持位置がどの程度ずれたのかがわかり、これに基づい
て、縫製再開位置が求められる。そして、この縫製再開
位置から再起動手段により縫製が再開されるので、刺繍
縫製の中断時に布を刺繍枠から取り外した場合にも、刺
繍枠に再保持された布に対して、刺繍縫製を適切に再開
できる。
【0158】請求項2記載の発明によれば、演算手段に
より求めた布位置のずれ角度を考慮して刺繍縫製を再開
でき、再開後の縫製をより正確に行える。請求項3記載
の発明によれば、刺繍枠の大きさよりも大きな範囲にわ
たって複数の選択模様をレイアウトできる。請求項4記
載の発明によれば、縫製中断位置の縫い終わりと縫製再
開位置の縫い始めとを重ねることができる。請求項5記
載の発明によれば、糸のほつれを防止できる。
【0159】請求項6記載の発明によれば、ミシンの操
作者は、説明表示手段により表示された説明表示データ
を参照して、操作手順を確認しながら操作手段の操作を
行えるので、操作手段の操作性がよく、刺繍縫製の中断
・再開作業を容易に行える。請求項7記載の発明によれ
ば、縫製中断時と布再保持後とで刺繍枠の種類が同一で
ある場合に刺繍模様の縫製が再開されるので、適切な刺
繍枠を利用して、滞りなく刺繍縫製を行える。
【0160】請求項8記載の発明によれば、縫製不可能
報知手段によって、布が再保持された後の刺繍枠内に未
縫製部分全てを縫製できないことをミシンの操作者に報
知できる。これにより、操作者に、布を刺繍枠に保持し
直すよう促したり、縫製できない部分がある状態で縫製
を再開することを知らせることができる。請求項9記載
の発明によれば、画像表示手段の画像表示によって、未
縫製部分の刺繍模様と、未縫製部分のうち、どこまでが
縫製可能か、どこからが縫製不可能かを確認できるの
で、布を刺繍枠に保持し直すか、そのまま縫製を再開す
るか、の判断の参考にすることができる。請求項10記
載の発明によれば、縫製可能な部分がある場合には、そ
の分だけは刺繍縫製を行うことになるので、未縫製部分
の一部が縫製できないために刺繍縫製が行われない、と
いうことがなく、未縫製部分全てが刺繍枠内に入るよう
布を刺繍枠に保持し直す手間を省略できる。
【0161】請求項11記載の発明によれば、実際の布
上の刺繍模様および基準位置と、画像表示手段による画
像表示と、を比較して、実際の布上の基準位置が合って
いるかどうかを確認できる。請求項12記載の発明によ
れば、布を刺繍枠に再保持させた後にも、刺繍模様に対
する基準位置の相対位置を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のミシンを示す
斜視図である。
【図2】図1中のミシンの制御システムを示すブロック
図である。
【図3】図1中のミシンによる刺繍縫いのゼネラルフロ
ーを示す図面である。
【図4】図3の続きを示すフローチャートである。
【図5】図4の続きを示すフローチャートである。
【図6】図5の続きを示すフローチャートである。
【図7】刺繍縫いを行う際に操作パネルに表示される画
面の一例を示す図面であり、(a)はモード選択画面、
(b)は模様種類選択画面、(c)は内蔵模様選択画面、
(d)はレイアウト画面である。
【図8】刺繍縫いを行う際に操作パネルに表示される画
面の一例を示す図面であり、(a)は起動前画面、(b)は
刺繍縫製画面、(c)は途中停止画面である。
【図9】縫い中断処理の原理を説明するための図面であ
り、(a)は縫製中断時の状態を示す図面、(b)は布再セ
ット後の状態を示す図面である。
【図10】図1中のミシンによる布位置記憶処理のフロ
ーチャートである。
【図11】布位置記憶処理の際に操作パネルに表示され
る画面の一例を示す図面であり、(a)は布位置記憶画面
(A)、(b)は布位置記憶画面(B)である。
【図12】図1中のミシンによる布位置復帰処理のフロ
ーチャートである。
【図13】図12の続きを示すフローチャートである。
【図14】布位置復帰処理の際に操作パネルに表示され
る画面の一例を示す図面であり、(a)は布位置記憶完了
画面、(b)は布位置復帰処理画面(A)、(c)は布位置復
帰処理画面(B)である。
【図15】布位置復帰処理の際に操作パネルに表示され
る画面の一例を示す図面であり、(a)は布位置復帰画
面、(b)は中断位置確認画面、(c)は中断復帰画面であ
る。
【図16】図13の続きを示すフローチャートである。
【図17】布位置復帰処理の際に操作パネルに表示され
る位置補正画面の一例である。
【図18】図13の続きを示すフローチャートである。
【図19】布位置復帰処理の際に操作パネルに表示され
る運針確認画面の一例である。
【符号の説明】
1 ミシン 7 操作パネル(操作手段、説明表示手段、縫製不可
能報知手段、縫製部分表示手段、画像表示手段) 8b 刺繍枠 9 針 11 制御部(制御手段、中断手段、中断時基準位置
設定手段、布再保持後基準位置検出手段、演算手段、再
起動手段、縫製判断手段) 12 ROM(縫いデータ記憶手段、説明表示データ
記憶手段) 13 ROMカード(縫いデータ記憶手段) 14 RAM(位置記憶手段、画像データ記憶手段) 23 メインモータ(針駆動手段) 81 X方向モータ(XY駆動手段) 83 Y方向モータ(XY駆動手段) 85・86 枠検出スイッチ(刺繍枠検出手段) 102a〜102f キー(模様選択手段) 104b 8方向矢印キー(レイアウト手段) 202a・203a・206a レイアウト部(相対位
置画像)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA15 CB03 CB04 CC01 CE23 CE27 GG04 JA02 LA05 LA26 LA27 LA29 LA55 LA57 LA80 LA82 LA84 LA85 LB01 LB02 MA02 NA06 NA25 NA26 NA28 NA51 NA53 NA67 NA71 NA72 NB09 NB18 NC02 NC03 QA06 QA07 QA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針を上下動させる針駆動手段と、 布を保持可能な刺繍枠をXY移動させるXY駆動手段
    と、 刺繍模様の縫いデータを記憶する縫いデータ記憶手段
    と、 この縫いデータ記憶手段から刺繍模様の縫いデータを読
    み出し、読み出した縫いデータに基づいて、前記針駆動
    手段による前記針の上下動にともない、前記XY駆動手
    段を駆動して前記刺繍枠をXY移動させることにより、
    前記刺繍枠に保持された布に刺繍模様を縫製する制御手
    段と、を備えるミシンであって、 縫製を中断した刺繍模様の縫いデータの位置と前記刺繍
    枠に保持された状態の布上の任意の位置を記憶可能な位
    置記憶手段と、 前記制御手段による刺繍縫製中に、前記針駆動手段と前
    記XY駆動手段の駆動を中断して、前記針と前記刺繍枠
    を停止させるとともに、縫製を中断した刺繍模様の縫い
    データの位置と前記刺繍枠に保持された布上の縫製中断
    位置を前記位置記憶手段に記憶させる中断手段と、 この中断手段により停止した前記刺繍枠を、前記XY駆
    動手段を駆動して複数の位置にXY移動させ、前記刺繍
    枠に保持された布上の複数の基準位置を設定し、設定し
    た前記複数の基準位置それぞれを前記位置記憶手段に記
    憶させる中断時基準位置設定手段と、 布が再保持された後の刺繍枠を、前記XY駆動手段を駆
    動して複数の位置にXY移動させ、前記刺繍枠に再保持
    された布上の前記複数の基準位置を検出する布再保持後
    基準位置検出手段と、 前記中断時基準位置設定手段により前記位置記憶手段に
    記憶された縫製中断時の複数の基準位置と、前記布再保
    持後基準位置検出手段により検出された布再保持後の複
    数の基準位置と、を比較し、この比較に基づいて、前記
    中断手段により前記位置記憶手段に記憶された前記縫製
    中断位置から、前記刺繍枠に再保持された布上の縫製再
    開位置を求める演算手段と、 布が再保持された後の前記刺繍枠を、縫製を中断した刺
    繍模様の縫いデータの位置に関連して縫いデータを読み
    出し、前記XY駆動手段を駆動してXY移動させ、前記
    演算手段により求められた前記縫製再開位置から刺繍模
    様の縫製を再開する再起動手段と、を備えることを特徴
    とするミシン。
  2. 【請求項2】 演算手段は、刺繍枠に再保持された布上
    の縫製再開位置と、縫製中断時における前記刺繍枠に対
    する布の位置に対しての、布再保持後における前記刺繍
    枠に対する布の位置のずれ角度と、を求めることを特徴
    とする請求項1記載のミシン。
  3. 【請求項3】 模様を複数選択可能な模様選択手段と、 複数の選択模様を刺繍枠の大きさよりも大きな範囲に配
    置可能なレイアウト手段とを備えたことを特徴とする請
    求項1または2記載のミシン。
  4. 【請求項4】 布が再保持された後の刺繍枠を移動さ
    せ、縫製を中断した位置から後退した位置の縫いデータ
    に戻って縫製を再開することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のミシン。
  5. 【請求項5】 縫製中断位置の縫い終わり及び縫製再開
    位置の縫い始めの少なくとも一方に自動止め縫いを入れ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミ
    シン。
  6. 【請求項6】 中断手段、中断時基準位置設定手段、布
    再保持後基準位置検出手段、演算手段、および再起動手
    段の中の少なくとも一つの手段を操作可能な操作手段
    と、 この操作手段による操作手順の説明を表示するための説
    明表示データを記憶する説明表示データ記憶手段と、 この説明表示データ記憶手段に記憶された説明表示デー
    タを表示する説明表示手段と、を備えることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のミシン。
  7. 【請求項7】 縫製中断時の刺繍枠の種類と、布再保持
    後の刺繍枠の種類と、をそれぞれ検出する刺繍枠検出手
    段を備え、 再起動手段は、前記刺繍枠検出手段により検出された、
    前記縫製中断時の刺繍枠の種類と、前記布再保持後の刺
    繍枠の種類と、が同じであるかどうかを判断し、同じで
    ある場合に、刺繍模様の縫製を再開することを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のミシン。
  8. 【請求項8】 再起動手段により刺繍模様の縫製を再開
    するときに、前記刺繍模様の全縫製範囲のうちの未縫製
    部分全てを、布が再保持された後の刺繍枠内に縫製でき
    るか否かを判断する縫製判断手段と、 少なくとも、前記縫製判断手段が、布が再保持された後
    の前記刺繍枠内に前記未縫製部分全てを縫製することは
    できない、と判断した場合に、布が再保持された後の前
    記刺繍枠内に前記未縫製部分全てを縫製することはでき
    ない旨を報知する縫製不可能報知手段と、を備えること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のミシン。
  9. 【請求項9】 縫製不可能報知手段により縫製不可能の
    旨を報知するときに、刺繍模様の全縫製範囲のうちの少
    なくとも未縫製部分の刺繍模様と、前記未縫製部分のう
    ち布が再保持された後の刺繍枠内に縫製できる縫製可能
    部分、および、前記未縫製部分のうち前記刺繍枠内に縫
    製できない縫製不可能部分の少なくとも一方と、を表示
    する縫製部分表示手段を備えることを特徴とする請求項
    8記載のミシン。
  10. 【請求項10】 布が再保持された後の刺繍枠内に未縫
    製部分全てを縫製することができず、かつ、前記未縫製
    部分に、前記刺繍枠内に縫製できる縫製可能部分がある
    場合に、再起動手段は、前記縫製可能部分の刺繍模様の
    縫製を行うことを特徴とする請求項8または9記載のミ
    シン。
  11. 【請求項11】 中断時基準位置設定手段による刺繍枠
    のXY移動の際に、布上における刺繍模様に対する複数
    の基準位置の相対位置を示す相対位置画像を表示する画
    像表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれかに記載のミシン。
  12. 【請求項12】 相対位置画像の画像データを記憶する
    画像データ記憶手段を備え、 画像表示手段は、布再保持後基準位置検出手段による刺
    繍枠のXY移動の際に、前記画像データ記憶手段に記憶
    された前記相対位置画像の画像データに基づいて、前記
    相対位置画像を表示することを特徴とする請求項11記
    載のミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8763542B2 (en) 2012-08-28 2014-07-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine and non-transitory computer-readable medium

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