JP2008081726A - 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子 - Google Patents

有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2008081726A
JP2008081726A JP2007142854A JP2007142854A JP2008081726A JP 2008081726 A JP2008081726 A JP 2008081726A JP 2007142854 A JP2007142854 A JP 2007142854A JP 2007142854 A JP2007142854 A JP 2007142854A JP 2008081726 A JP2008081726 A JP 2008081726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
inorganic composite
forming material
metal oxide
fluorene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007142854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008081726A5 (ja
Inventor
Nobuhiko Hayashi
伸彦 林
Mitsuharu Matsumoto
光晴 松本
Masaya Nakai
正也 中井
Keiichi Kuramoto
慶一 蔵本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2007142854A priority Critical patent/JP2008081726A/ja
Priority to US11/847,091 priority patent/US20080161444A1/en
Publication of JP2008081726A publication Critical patent/JP2008081726A/ja
Publication of JP2008081726A5 publication Critical patent/JP2008081726A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/005Stabilisers against oxidation, heat, light, ozone
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】金属酸化物微粒子を白濁させずに、フルオレン系樹脂中に分散させて、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することができる有機無機複合体形成用材料及びそれを重合してなる有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子を得る。
【解決手段】アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフルオレン系化合物と、フルオレン系化合物以外のアクリルモノマーと、金属酸化物微粒子と、アルキルアミンと、フェニル基を有する有機アミンと、光重合開始剤とを含有することを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属酸化物微粒子を含有し、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することができる有機無機複合体形成用材料及びこれを重合して得られる有機無機複合体並びに光学素子に関するものである。
非球面レンズは、レンズの収差を低減できるため、使用するレンズを減らすことができ、製品の小型化、軽量化、低コスト化が可能となる。従って、カメラ付き携帯電話、デジタルカメラなどで非球面レンズの需要が増えている。
ガラス製の非球面レンズは、研磨による製造が困難であり、低融点ガラスを使用したモールドガラスも金型の寿命が短いなど問題があり、低コスト、大量生産には適していない。
一方、樹脂製の非球面レンズは、ガラスよりも成形しやすく量産性に富んでいる。しかしながら、有機化合物は、ハロゲン化合物、イオウ化合物などを除き、フェニル基などの屈折率が高くなる基を有するものであっても、屈折率はせいぜい1.6までであり、樹脂の屈折率はガラスよりも小さい。従って、樹脂を用いて非球面レンズを作製する場合には、製品の設計の自由度が低下し、小型化、軽量化を図りにくいという問題がある。
樹脂の屈折率を高くする方法として、ZrO、Nb、TiOなどの屈折率の大きい金属酸化物のナノ粒子を、樹脂中に混ぜることが知られている。ZrO、Nb、TiOなどの金属酸化物ナノ粒子の分散液は、特許文献1及び特許文献2などに開示されている。
これらの金属酸化物ナノ粒子分散液中には、有機カルボン酸及び有機アミンが含有されており、エタノールなどの有機溶媒中に金属酸化物ナノ粒子が分散しやすくなっている。また、エタノールに分散させた酸化ニオブの分散液は、多木化学社製商品名:「バイラール」などとして市販されている。
金属酸化物ナノ粒子を樹脂中に混合して、高い屈折率を有する樹脂を作製する場合には、以下に示す2つの問題がある。
第1の問題は、樹脂中に金属酸化物ナノ粒子を混合することにより、樹脂の強度が劣化するという問題である。長期の高温・高湿の環境下または高温−低温を繰り返す熱サイクル試験でクラックが発生するなどの問題を生じる。特に、ナノ粒子の含有量が多くなるほど、クラックは発生しやすくなる。
第2の問題は、これらの金属酸化物は、水溶性が高く、水溶性が高い樹脂とは混合しやすいが、非水溶性の樹脂とは混合しにくいということである。非水溶性の樹脂に金属酸化物ナノ粒子を混合すると、ナノ粒子が凝集して白濁するという問題を生じる。フェニル基またはナフチル基を多く含有する樹脂は、屈折率が高いため、屈折率の高い樹脂組成物を作製することができる。しかしながら、フェニル基またはナフチル基を含有する樹脂は、非水溶性の樹脂となりやすいため、金属酸化物ナノ粒子を分散しにくい。従って、高い屈折率を有する樹脂組成物を作製するため、フェニル基またはナフチル基を多く有する樹脂に、金属酸化物ナノ粒子を混合しても、金属酸化物ナノ粒子の分散状態が悪いため、樹脂組成物が白濁するなどの問題を生じた。
一方、フェニル基またはナフチル基を有しない、もしくは少ない樹脂に、金属酸化物ナノ粒子を混合すると、比較的良好な分散状態が得られるが、高い屈折率を得るためには、金属酸化物ナノ粒子を多量に添加する必要があり、樹脂組成物の強度が低下するという問題を生じる。
上記のような理由で、従来、フェニル基またはナフチル基が多く含まれる樹脂、例えばフルオレン系樹脂のような屈折率の高い樹脂に、金属酸化物ナノ粒子を良好な分散状態で混合することは困難であった。
特開2005−306641号公報 特開2003−192348号公報
本発明の目的は、金属酸化物微粒子を白濁させずにフルオレン系樹脂中に分散させて、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することができる有機無機複合体形成用材料及びそれを重合してなる有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子を提供することにある。
本発明の有機無機複合体形成用材料は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフルオレン系化合物と、該フルオレン系化合物以外のアクリルモノマーと、金属酸化物微粒子と、アルキルアミンと、フェニル基を有する有機アミンと、光重合開始剤とを含有することを特徴としている。
本発明においては、アルキルアミンと、フェニル基を有する有機アミンとを含有しているので、金属酸化物微粒子の分散性を高めることができ、フルオレン系化合物に金属酸化物微粒子を混合しても、白濁することなく、良好な分散状態で混合することができる。
アルキルアミンにより、有機系溶剤及び樹脂への分散性を高めることができると考えられる。また、フェニル基を有する有機アミンにより、さらに非水溶性樹脂に対する分散性が改善されると考えられる。従って、アルキルアミンと、フェニル基を有する有機アミンの混合比率を調整することにより、金属酸化物微粒子の分散性を制御することが可能である。
アルキルアミンとしては、特許文献1及び特許文献2に開示されているアミン化合物を用いることができる。具体的には、エチルアミン、プロピルアミン、アリルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、オクチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、アニリン等の1級アミン化合物、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジアリルアミン、ジブチルアミン、N−メチルメタノールアミン等の2級アミン化合物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等の3級アミン化合物及び水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化トリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩化合物を例示できる。この中で、これらアミン化合物のうち1級、2級及び3級のアルキルアミン化合物が溶解性および反応性の点から最も好ましい。特に好ましいアミン化合物としては、1級アミン化合物のブチルアミン、2級アミン化合物のジブチルアミン、3級アミン化合物のトリプロピルアミンを例示できるが、これらに限定されるものではない。
上述のように、フェニル基を有する有機アミンを含有させることにより、フェニル基が多く存在するフルオレン系化合物中への分散が良好になり、金属酸化物微粒子を加えても白濁しにくくなる。フェニル基を有する有機アミンとしては、アニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
本発明の有機無機複合体形成用材料におけるアルキルアミンの含有量は、有機無機複合体形成用材料に含有する酸化ニオブ量に対しては、モル比0.2〜2の範囲であることが望ましく、有機無機複合体形成用材料に対しては、5重量%以下であることが望ましい。アルキルアミンの含有量が少な過ぎると、有機系溶剤や樹脂に対する分散性が低下するおそれがある。また、アルキルアミンの含有量が5重量%よりも多くなると、有機無機複合体の強度が低下するおそれがある。
また、フェニル基を有する有機アミンの含有量は、2〜5重量%の範囲であることが好ましい。フェニル基を有する有機アミンの含有量が少な過ぎると、フルオレン系化合物への分散性が低下するおそれがある。含有量が多過ぎると、有機無機複合体の強度が低下し、熱ショックなどでクラックが発生しやすくなるおそれがある。
本発明の有機無機複合体形成用材料において用いるフルオレン系化合物は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有しており、以下に示す構造のビスアリールフルオレンを基本骨格とする化合物である。
Figure 2008081726
具体的には、例えば、以下に示す一般式において、R及びRの位置にアクリル基またはメタクリロイル基を有する置換基を備える化合物などが挙げられる。
Figure 2008081726
一般に市販されているフルオレン系化合物としては、以下に示す構造を有するものが挙げられる。n及びmは、一般的に1〜5の範囲である。
Figure 2008081726
実施例においてフルオレン系化合物として用いている商品名:「オグソールEA−0200」(大阪ガスケミカル社製)は、以下に示す構造を有している。
Figure 2008081726
なお、上記の構造のフルオレン系化合物(9,9−ビス〔4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕フルオレンは、商品名:「NKエステル A−BPEF」(新中村化学工業社製)としても市販されている。
フルオレン系化合物の含有量は、30〜85重量%の範囲であることが好ましい。フルオレン系化合物の含有量が少な過ぎると、フルオレン系化合物は高屈折率成分であるので、高い屈折率の有機無機複合体が得られない場合がある。また、フルオレン系化合物の含有量が多過ぎると、相対的に金属酸化物微粒子の含有量が少なくなり、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することができない場合がある。
本発明において用いるアクリルモノマーは、上記フルオレン系化合物以外のアクリルモノマーであり、多官能のアクリルモノマーであってもよいし、1官能のアクリルモノマーであってもよい。好ましくは、アクリルモノマーとして、多官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーと、1官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーが含まれていることが好ましい。なお、本願明細書において、アクリルモノマーは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーである。
多官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーが含まれることにより、架橋密度を高めることができ、金属酸化物微粒子を含有することで低下する単位体積当りの架橋基数を増加させることができる。
また、1官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーを含むことにより、有機無機複合体の柔軟性が増加し、物理的衝撃に対して緩衝性を高めることができる。
多官能アクリルモノマーの好ましい例としては、3官能のペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。また、1官能のアクリレートモノマーの好ましい例としては、ベンジルメタクリレートが挙げられる。好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレートとベンジルメタクリレートを組み合わせて用いることが好ましい。ペンタエリスリトールトリアクリレートは、OH基を有しているため、金属酸化物微粒子の分散性を高めることができる。
多官能アクリルモノマーまたはオリゴマーと、1官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーを併用する場合、その混合比(多官能:1官能)は、重量比で、1:3〜3:1の範囲であることが望ましく、この範囲内で状況に応じて重量比を変え、樹脂の柔軟性を調整すればよい。
また、多官能アクリレートとして、2官能のアクリレートを用いることが可能である。さらに、多官能アクリレートと1官能アクリレートの組み合わせではなく、2官能アクリレートだけで用いることも可能である。この場合の2官アクリレートとしては、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどの柔軟性の高いアクリレートを用いることが望ましい。また、アクリレートのみならず、メタクリレートも使用することができる。
本発明に用いるアクリルモノマーは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するモノマーであれば、制限なく用いることができるが、一般にフルオレン系化合物は高い粘度を有するため、金型を用いてレンズを成形する場合などにおいて、取り扱いが困難になる場合がある。材料全体の粘度を低下させるためには、オリゴマーよりも粘度の低いモノマーを用いることが好ましく、粘度の低いモノマーを希釈剤的に用いてもよい。
本発明の有機無機複合体形成用材料におけるアクリルモノマーの含有量は、10〜35重量%の範囲であることが好ましい。アクリルモノマーは、重合して得られる有機無機複合体の強度を高め、クラックの発生を防止するため、添加されるものであるので、アクリルモノマーの含有量か少な過ぎると、樹脂強度が低下し、クラックが発生しやすくなる場合がある。また、アクリルモノマーの含有量が多過ぎると、アクリルモノマーは一般に屈折率が低いため、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することが困難になる場合がある。
本発明における金属酸化物微粒子としては、ZrO、Nb、Tiなどの金属酸化物ナノ粒子が挙げられる。特に、Nbのナノ粒子が好ましく用いられる。Nb(酸化ニオブ)のナノ粒子は、エタノール分散の酸化ニオブナノ粒子分散液として市販されている。例えば、上述のように、多木化学社製商品名:「バイラール」として市販されている。このような市販品の中には、分散剤として既にアルキルアミンが含有されているものもある。
金属酸化物微粒子の含有量は、1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。金属酸化物微粒子の含有量が少な過ぎると、高い屈折率の有機無機複合体を形成することができない場合がある。また、金属酸化物微粒子の含有量が多過ぎると、有機無機複合体の強度が低下し、クラックが発生しやくなる場合がある。
本発明の有機無機複合体形成用材料には、本発明の効果が損なわれない範囲で、他の成分が含有されていてもよい。
特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有させることにより、有機無機複合体形成用材料を重合させて得られる有機無機複合体の経時変化による黄変の進行を抑制することができる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量としては、0.1〜0.3重量%の範囲内であることが好ましい。有機無機複合体の黄変は、酸化ニオブなどの金属酸化物微粒子を含有することにより、生じやすくなる。
本発明の有機無機複合体は、上記本発明の有機無機複合体形成用材料を重合させて得られることを特徴としている。
本発明の有機無機複合体は、上記本発明の有機無機複合体形成用材料を、例えば、光重合させて得ることができる。一般には、紫外線を照射して重合させて得られる。特に、後述するように、波長365nm以上の紫外線を照射して重合させることが好ましい。
本発明の光学素子は、上記本発明の有機無機複合体を用いたことを特徴としている。光学素子としては、光学レンズ、回折格子、ホログラム素子、プリズム素子、反射防止多層膜、導波路素子などが挙げられる。
また、光学素子として、基材の上に上記本発明の有機無機複合体からなる光学樹脂層を形成した複合型非球面レンズが挙げられる。
本発明の光学装置は、上記本発明の光学素子を用いたことを特徴としている。本発明の光学装置としては、光スイッチ、光送受信モジュール、光カプラなどの光通信デバイス;液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクター、映写機などの表示装置;マイクロレンズアレイ、インテグレータ、導光板などの光学部品;デジタルカメラ等の写真機;ビデオカメラなどの撮像装置;CCDカメラモジュール、CMOSカメラモジュールなどの撮像モジュール;望遠鏡、顕微鏡、虫眼鏡などの光学機器などが挙げられる。
本発明の有機無機複合体の製造方法は、上記本発明の有機無機複合体形成用材料を用いて有機無機複合体を製造する方法であり、上記アルキルアミン及び上記有機アミンを含有する上記金属酸化物微粒子の分散液を調製する工程と、該分散液に、上記アクリルモノマー、上記光重合開始剤、及び上記フルオレン系化合物を混合して有機無機複合体形成用材料を調製する工程と、上記有機無機複合体形成用材料を重合させて有機無機複合体を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、金属酸化物微粒子を白濁させずにフルオレン系樹脂中に分散させることができ、高い屈折率を有する有機無機複合体を製造することができる。
上記有機無機複合体形成用材料を調製する際には溶剤を用いることができる。溶剤としては、各有機成分を溶解することができる溶剤であれば特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
本発明の製造方法においては、紫外線を照射して有機無機複合体形成用材料を重合させ、有機無機複合体を形成することが好ましい。この場合、波長365nm以上の紫外線を照射して重合させることがさらに好ましい。波長365nm以上の紫外線を照射する方法としては、例えば、波長365nm以上の紫外線を透過させるフィルタを用いて紫外線を照射する方法などが挙げられる。フィルタとしては、特定の波長以上の紫外線を透過させる吸収型フィルタや、特定の波長のみを透過させるライン干渉フィルタなどが挙げられる。
本発明によれば、金属酸化物微粒子を白濁させずにフルオレン系樹脂中に分散させて、高い屈折率を有する有機無機複合体を形成することができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において用いたNbナノ粒子分散液、及びTiOナノ粒子分散液は、以下のようにして調製した。
<Nbナノ粒子分散液の調製>
市販のシュウ酸安定型酸化ニオブゾル(多木化学社製、Nb=10.2重量%、シュウ酸/Nb(モル比)=0.62)にクエン酸/Nb(モル比)=0.20となるようにクエン酸一水和物を添加した後、アンモニア水溶液(15重量%)を用いてpHを8.5に調整した。このゾルを限外濾過装置(マイクローザUF:型式SLP−1053;旭化成社製)を使用して、限外濾過を行ない、Nb濃度を20重量%に調整した。次いで、クエン酸一水和物を、クエン酸/Nb(モル比)=0.15となるように添加した。得られたシュウ酸・クエン酸安定化酸化ニオブゾルは、pH3.8で、クエン酸/シュウ酸(モル比)=1.94、シュウ酸/Nb(モル比)=0.18であった。得られたゾルの酸化ニオブ濃度は10重量%であった。
このようにして得られたシュウ酸・クエン酸安定型酸化ニオブゾル200gを撹拌しながら、n−ブチルアミンをn−ブチルアミン/Nb(モル比)=0.6となるように添加した。これにエタノールを600g添加し、ロータリーエバポレーターで全量が約200gになるまで濃縮する操作を4回繰り返し、有機溶媒置換率を順次向上させた。次いで、全量130gになるまで濃縮し、Nb濃度30.5重量%、含水率1.9重量%、平均粒子径10.2nm、ヘイズ率6.7%、粘度13.5cpのエタノール分散型酸化ニオブ分散液を得た。これをエタノールを用いてNb濃度20重量%に調整し、Nbナノ粒子分散液とした。
<TiOナノ粒子分散液の調製>
オキシ塩化チタン水溶液(TiO=2重量%)2000gに、アンモニア水(NH=2重量%)2212g(NH/Cl当量比=1.3)を常温攪拌下で徐々に添加し、水酸化チタンゲルを生成させた。これをろ液中の塩素イオンがチタンゲル(TiO)に対して100ppm以下になるまでろ過水洗し、TiO=10重量%、NH=0.3重量%のゲルを得た。
この酸化チタンゲル400gに、n−ブチルアミン3.66g(n−ブチルアミン/TiOモル比=0.1)、グリコール酸/TiO(モル比)=0.5となるように70重量%グリコール酸(和光純薬工業社製)27.2gを添加し、これをオートクレーブに入れ、120℃で6時間の水熱処理を行い、結晶性酸化チタンゾル(TiO=9.3重量%)を得た。次に、このゾル100gにエタノールを加えて共沸蒸留を繰り返すことにより、エタノール分散型TiOナノ粒子分散液を得た。この分散液を分析した結果、TiO=20重量%、n−ブチルアミン=1.5重量%、グリコール酸=5.7重量%、n−ブチルアミン/TiO(モル比)=0.08、グリコール酸/TiO(モル比)=0.3であり、分散媒中の水分量は4重量%であった。
(実施例1)
(1)上記Nbナノ粒子分散液0.5ml中に、アニリン0.028ml、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート0.049ml、ベンジルメタクリレート0.096ml、光重合開始剤(商品名:「イルガキュア184」)0.016gを攪拌しながら、順次添加し、90℃で加熱してエタノールを蒸発させた。エタノール除去後の粘性のある液にアセトン1mlを加えて溶解し、液(A)とした。
(2)2官能フルオレン系アクリレート(大阪ガスケミカル社製、商品名:「オグソールEA−0200」)0.582gをアセトン1mlに溶解し、液(B)とした。
(3)液(A)に液(B)を添加し、90℃でアセトンを蒸発させ、その後110℃にて30分間放置し、残留アセトンを完全に除去し、有機無機複合体形成用材料を得た。
上記有機無機複合体形成用材料の各成分の含有量を表1に示す。
Figure 2008081726
上記有機無機複合体形成用材料に紫外線を照射して重合させ硬化させて、有機無機複合体を得た。この有機無機複合体の屈折率及びアッベ数を測定したところ、屈折率1.63、アッベ数26であった。
上記有機無機複合体形成用材料において、アニリンの含有量は3重量%であったが、添加するアニリンの量を変えてアニリンの含有量が2重量%、5重量%、及び10重量%の有機無機複合体形成用材料を上記と同様にして調製した。
アニリンの含有量が、2重量%、3重量%、5重量%、及び10重量%である各有機無機複合体形成用材料を、シランカップリング剤を塗布したBK7ガラス上に、塗布し、紫外線を照射して硬化させ、厚み120μmの板状の有機無機複合体を形成した。
得られた各有機無機複合体の透過率を測定した結果、波長430nmにおける透過率は、アニリンの含有量が2重量%のものは74%、3重量%のものは82%、5重量%のものは80%、10重量%のものは79%であった。アニリンの含有量が2重量%の場合は、やや透過率が低下するものの、全体として透明な樹脂が形成されることが確認された。
さらに、上記の板状の有機無機複合体に急激な温度変化を与えて、クラックの発生の有無を調べた。急激な温度変化は、120℃の高温槽と−50℃の冷凍槽に各サンプルを素早く移しかえることにより行った。120℃で20分間保持した後、−50℃で20分間保持し、さらに120℃で20分間保持した後に、室温に取り出し、有機無機複合体の表面を観察した。その結果、アニリンの含有量が2重量%、3重量%、及び5重量%の場合は、有機無機複合体の表面に変化は認められなかった。これに対し、アニリンの含有量が10重量%のものは、有機無機複合体の表面にクラックが発生した。
(比較例1)
アニリンを添加しなかった以外は、上記実施例1と同様にして有機無機複合体形成用材料を調製した。
得られた有機無機複合体形成用材料は、酸化ニオブナノ粒子が凝集しており、白濁した状態であった。このため、屈折率及びアッベ数ともに測定することができなかった。
(実施例2)
Nbナノ粒子分散液0.5ml、アニリン0.028ml、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.01ml、ヒドロキシエチルトリブロモフェノールアクリル酸エステル(第一工業製薬社製、商品名:「ニューフロンティアBR−31」)0.148g、光重合開始剤0.015gとする以外は、上記実施例1と同様にして有機無機複合体形成用材料を調製した。
得られた有機無機複合体形成用材料に紫外線を照射して硬化させ、有機無機複合体とした。屈折率及びアッベ数を測定したところ、屈折率1.63、アッベ数26であった。
また、上記実施例1と同様にして、厚み120μmの板状の有機無機複合体を作製し、急激な温度変化を与えてクラックの発生の有無を調べたところ、クラックの発生は認められなかった。
(実施例3)
本実施例においては、アクリルモノマーとして、多官能アクリレートと1官能アクリレートの組み合わせ以外の例として、2官能アクリレートを用いた例を示す。
Nbナノ粒子分散液0.5ml、アニリン0.028ml、ジプロピレングリコールジアクリレート0.12ml、光重合開始剤0.015gを用いる以外は、上記実施例1と同様にして有機無機複合体形成用材料を調製した。
上記と同様にして有機無機複合体の屈折率とアッベ数を測定した結果、屈折率1.62、アッベ数26であった。
また、上記の同様にして急激な温度変化を与えて、クラックの発生の有無を調べたところ、クラックの発生は認められなかった。
(実施例4)
(1)上記TiOナノ粒子分散液0.6ml中に、ベンジルメタクリレート0.1ml、光重合開始剤(商品名:「イルガキュア184」)0.016gを攪拌しながら、順次添加しながら、90℃に加熱してエタノールを蒸発させた。エタノール除去後の粘性のある液にアセトン1mlを添加して溶解し、液(A)とした。
(2)上記と同様の2官能フルオレン系アクリレート0.582gをアセトン1mlに溶解し、液(B)とした。
(3)液(A)に液(B)及びアニリン0.045mlを加え、90℃でアセトンを蒸発させ、110℃にて30分間保持し、残留アセトンを完全に除去して、有機無機複合体形成用材料を得た。
この有機無機複合体形成用材料に紫外線を照射して硬化させ、有機無機複合体を形成した。有機無機複合体の屈折率及びアッベ数を測定した結果、屈折率1.65、アッベ数25であった。
(実施例5)
(1)上記Nbナノ粒子分散液0.5ml中に、アニリン0.028ml、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.049ml、ベンジルメタクリレート0.096ml、光重合開始剤(商品名:「イルガキュア184」)0.014g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:「スミライザーGA−80」、住友化学社製)0.003gを攪拌しながら、順次に添加し、90℃に加熱してエタノールを揮発させた。エタノール除去後の粘性のある液にアセトン1mlを加えて溶解し、液(A)とした。
(2)イオウ系二次酸化防止剤(商品名:「スミライザーTP―D」、住友化学社製)0.003gを予め添加した2官能フルオレン系アクリレート(大阪ガスケミカル社製、商品名:「オグソールEA−0200」)0.582gをアセトン1mlに溶解し、液(B)とした。
(3)液(A)に液(B)を添加し、90℃でアセトンを蒸発させ、その後110℃にて30分間放置し、残留アセトンを完全に除去し、有機無機複合体形成用材料を得た。上記有機無機複合体形成用材料の各成分の含有量を表2に示す。
Figure 2008081726
上記有機無機複合体形成用材料に紫外線を照射して重合させ硬化させて、有機無機複合体を得た。この有機無機複合体の屈折率及びアッベ数を測定したところ、屈折率1.63、アッベ数26であった。
〔有機無機複合体の黄変性についての評価〕
ホウケイ酸ガラスからなる基板の上に、上記有機無機複合体形成用材料を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、厚み140μmの有機無機複合体の膜を形成した。紫外線光源としては、USHIO社製SP−7を用い、吸収型フィルタを用いて、USHIO社製SP−7で使用する超高圧水銀ランプから発生する波長365nmよりも短い波長成分、例えば254nm、313nm等をカットし、波長365nm(i線)以上の紫外線を照射して硬化した。硬化後120℃で6時間ベーキングを行い、残留しているアセトンなどの揮発成分を除去した。
得られた有機無機複合体の試料について、波長430nmにおける透過率を測定したところ、80.2%であった。高温高湿試験(85℃−85%)により、この試料について500時間加速試験を行い、再度、波長430nmにおける透過率を測定したところ、79.1%であった。従って、高温高湿試験の試験前と試験後における透過率の差は、−1.1%であり、ほぼ変化がなく、黄変性が著しく低いことが確認された。
(実施例6〜17)
スミライザーGA−80及びスミライザーTP−Dの添加剤に代えて、表3に示す添加剤を表3に示す添加量用いる以外は、上記実施例5と同様にして、有機無機複合体形成用材料を形成した。
得られた有機無機複合体形成用材料を用いて、上記実施例5と同様にして有機無機複合体の試料を作製した。但し、実施例7〜16については、紫外線照射時にフィルタを用いずに照射した。従って、波長365nm未満の紫外線も照射した。
得られた有機無機複合体の試料について、上記実施例5と同様にして、高温高湿試験の試験前及び試験後において、430nmにおける透過率を測定した。測定結果を表3に示す。
なお、表3に示す添加剤は以下の通りである。
・イルガノックス1076:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チバスペシャルティケミカル社製
・スミライザーDS:フェノール系化合物を有効成分とするブタジエン系ポリマー用安定剤であり、分子内の2重結合により、加工時の無酸素下でのポリマーアルキルラジカルを捕捉する安定剤、住友化学社製
・イルガノックス1010:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チバスペシャルティケミカル社製
なお、実施例16及び17は、添加剤を添加せずに、有機無機複合体形成用材料を形成している。
スミライザーGA−80は、上記液(A)に加えて用い、スミライザーTP−D、スミライザーGS、イルガノックス1076、及びイルガノックス1010は、上記実施例5において示すように、2官能フルオレン系アクリレート(EA−0200)に混ぜて使用した。
(比較例2)
金属酸化物微粒子としての酸化物ニオブ粒子を添加していない有機無機複合体形成用材料を調製した。具体的には、2官能フルオレン系アクリレート(EA−0202)70重量%、フェノキシエチルアクリレート(新中村化学社製、商品名:「NKエステルAMP−10G」)28.5重量%、イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)1.5重量%を用い、アセトンを溶媒として有機無機複合体形成用材料の溶液を作製した。
この有機無機複合体形成用材料を用いて、フィルタを用いずに、紫外線を照射する以外は、上記実施例5と同様にして有機無機複合体の膜を形成した。
この比較例の膜について、上記実施例5と同様にして、高温高湿試験の試験前及び試験後において、430nmにおける透過率を測定し、測定結果を表3に示した。
Figure 2008081726
表3から明らかなように、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加剤として用いた実施例6及び8〜15は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加していない実施例7及び実施例16〜17に比べ、高温高湿試験の試験前及び試験後における透過率の差が小さくなっており、黄変性が低減されていることがわかる。特に、紫外線照射時にフィルタを用いて、365nm以上の波長の紫外線を照射した実施例5及び6は、黄変性が著しく小さくなっている。
添加剤を添加せず紫外線照射時にフィルタを用いた実施例17と、添加剤を添加せず紫外線照射時にフィルタを用いていない実施例16との比較から、紫外線照射時にフィルタを用いて、365nm以上の紫外線のみを照射することにより、高温高湿試験の試験前及び試験後において、高い透過率が得られている。従って、紫外線照射時にフィルタを用い、365nm以上の波長の紫外線を照射することにより、透過率の高い有機無機複合体が得られることがわかる。
また、酸化ニオブを含有させていない比較例2においては、高温高湿試験の試験前及び試験後において、透過率の差が小さくなっている。従って、有機無機複合体の黄変性は、
金属酸化物微粒子または添加したアミン系化合物を含有することにより生じるものであることがわかる。本発明において、金属酸化物微粒子は、有機無機複合体の屈折率を高めるために含有されるが、金属酸化物微粒子を含有させることにより、黄変性が高くなるという問題を生じる。このような黄変性は、上述のように、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有させることにより低減させることができる。さらに、紫外線照射で重合する場合には、フィルタなどを用いて365nmよりも短い波長成分をカットし、365nm以上の波長の紫外線を照射することにより、黄変性をさらに低減させることができる。
(実施例18)
図1は、本発明に従う光学素子の実施例を示す断面図である。図1(a)は、本発明の有機無機複合体から形成した非球面レンズ1を示している。このような非球面レンズ1は、本発明の有機無機複合体形成用材料を用いて金型(モールド)成形などで作製することができる。
図1(b)は、本発明の有機無機複合体を用いた複合型非球面レンズ2を示している。光学基材3の上に、シランカップリング剤層4を介して本発明の有機無機複合体からなる光学樹脂層5が金型などを用いて成形し形成されている。
光学基材3としては、ガラス、プラスチック、セラミックスなどを用いることができるが、本実施例では、高屈折率ガラス(株式会社オハラ製、商品名:「S−LAH79」、屈折率約2.0)が用いられている。
図1(c)は、本発明の有機無機複合体からなる光学樹脂層を備えた非球面レンズ6を示している。光学基材7の上に、本発明の有機無機複合体からなる光学樹脂粗8が金型など用いて形成されている。本実施例では、光学基材7として、プラスチック(日本ゼオン社製シクロオレフィンポリマー、商品名:「ZEONEX」)が用いられている。光学基材7としてプラスチックを用いているので、有機無機複合体との接着性が良く、光学基材7の上に直接光学樹脂層8を形成している。
図1(b)及び(c)に示す非球面レンズは、球面レンズである光学基材を用い、その上に非球面形状の光学樹脂層を形成することにより、複合型非球面レンズとしている。
(実施例19)
図2は、図1に示すような複合型非球面レンズを用いたカメラモジュール10を示す模式的断面図である。図2に示すように、撮像素子14の上には、3枚の非球面レンズ11、12及び13が設けられており、これらの非球面レンズは、オートフォーカス機構15により保持されている。カメラモジュール10はこのように3枚の非球面レンズ11〜13を有するものであり、携帯電話用の2〜5メガピクセルのカメラモジュールとして用いることができるものである。
本実施例では、非球面レンズ11〜13に、図1(c)の複合型非球面レンズを用いている。図1(c)に示す複合型非球面レンズは、光学樹脂層8に、本発明の高い屈折率を有する有機無機複合体を用いているため、レンズ枚数を通常の4枚から3枚に減らすことが可能である。このため、本実施例のカメラモジュールの高さは、約7.5mmとすることができる。
また、本実施例では、レンズ11〜13の全てを非球面レンズとしているが、カメラモジュールの設計により全てのレンズを非球面レンズとする必要はなく、少なくとも1個のレンズを非球面レンズとすればよい。図2に示すカメラモジュールは、複数のレンズからなる組み合わせのレンズと、撮像素子と、これらを保持するためのホルダーを有し、複数のレンズの内少なくとも1つが、本発明の光学素子である非球面レンズであることを特徴としている。
従来の携帯電話用カメラモジュールにおいては、カメラモジュールに設置したレンズの光学樹脂層の屈折率が1.61以下にしかならず、レンズの枚数を4枚にする必要があるため、従来のカメラモジュールではその高さが約10mm程度となってしまう。
図3は、高さ10mmの従来のカメラモジュールを配置した2つ折りタイプの携帯電話を示す断面図である。
図3(a)及び(b)に示す2つ折り状態における高さHは25mmである。図3(a)に示す携帯電話においては、上方部の高さh及び下方部の高さhは、それぞれ12.5mmであり、同じ高さになっている。上方部には、カメラモジュール10が備えられており、TVチューナー21、ハードディスクドライブ22、及びディスプレイ23などが内蔵されている。図3(a)では上方部の高さhが12.5mmと低いので、カメラモジュール10の存在が障害となり、小さなディスプレイ23が備えられている。下方部には、キーボード24及び電池25などが内蔵されている。
図3(b)に示す携帯電話では、上方部の高さhが14.5mmであり、下方部の高さhが10.5mmである。上方部の高さhが高くなるように設計されているので、大きなディスプレイ23を配置することができる。一方、下方部の高さhが10.5mmであるので、電池25の容積が小さくなり、電池容量が小さくなるという問題がある。
図4は、本発明に従う一実施例の携帯電話を示す断面図である。
図4(a)及び(b)に示す携帯電話においては、本発明の光学装置であるカメラモジュール10が内蔵されている。本発明のカメラモジュール10は、その高さを例えば8mm程度に低くすることができるので、図4(a)に示すように、大きなディスプレイ23を配置しても、上方部の高さhを高くする必要がなく、下方部の高さhを上方部の高さhと同じ12.5mmとすることができる。このため、大きな容量の電池25を内蔵することができる。
また、図4(b)に示すように、上方部及び下方部にそれぞれカメラモジュール10を配置することが可能になる。このため、立体視画像の撮影が可能となり、また自分の顔も高画質で撮影することが可能となる。さらには複数のカメラを用いたパノラマ撮影や複数のカメラの出力信号を電気的に合成して実質的に感度を上げるなどの応用も可能になる。
(実施例20)
また、図2に示すカメラモジュールは車載用バックモニターのカメラモジュールとして用いることができるものである。車載用のカメラモジュールにおいては、温度変化に対する耐久性が要求され、例えば、図1(c)の非球面レンズを用いることができる。また、図1(c)の非球面レンズは、高い屈折率を有しているので、視野角を広くすることができる。
(実施例21)
図5は、本発明の光学素子の実施例である回折格子を示す模式的断面図である。ガラス基板31の上には、シランカップリング剤層32が形成されており、シランカップリング剤層32の上に、本発明の有機無機複合体から形成された回折格子層33が形成されている。シランカップリング剤層32は、基板31の上にシランカップリング剤を塗布することにより形成することができる。また、回折格子層33は、本発明の有機無機複合体形成用材料を用いてスタンプ法によって成形して形成することができる。本発明の有機無機複合体は、上述のように高い屈折率を有しており、回折格子を大きくすることができる。このため、回折格子を形成する材料として適するものである。
回折格子30は、例えば、光ピックアップ、分光器、光通信用デバイス、フレネルレンズなどの光学部品など幅広い分野で用いることができる。
本発明に従う実施例の光学素子を示す模式的断面図。 本発明に従う実施例の光学装置であるカメラモジュールを示す模式的断面図。 従来のカメラモジュールを配置した2つ折りタイプの携帯電話を示す断面図。 本発明に従う実施例の携帯電話を示す断面図。 本発明の光学素子の実施例である回折格子を示す模式的断面図。
符号の説明
1…非球面レンズ
2,6…複合型非球面レンズ
3,7…光学基材
4…シランカップリング剤層
5,8…光学樹脂層
10…カメラモジュール
11,12,13…複合型非球面レンズ
14…撮像素子
15…オートフォーカス機構
20…携帯電話
21…TVチューナー
22…ハードディスク
23…ディスプレイ
24…キーボード
25…電池
30…回折格子
31…基板
32…シランカップリング剤層
33…回折格子層

Claims (13)

  1. アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフルオレン系化合物と、前記フルオレン系化合物以外のアクリルモノマーと、金属酸化物微粒子と、アルキルアミンと、フェニル基を有する有機アミンと、光重合開始剤とを含有することを特徴とする有機無機複合体形成用材料。
  2. 前記有機アミンが、アニリンまたはジフェニルアミンであることを特徴とする有機無機複合体形成用材料。
  3. 前記有機アミンの含有量が、2〜5重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機無機複合体形成用材料。
  4. 前記金属酸化物微粒子が、酸化ニオブであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機無機複合体形成用材料。
  5. 前記アクリルモノマーとして、多官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーと、1官能のアクリルモノマーまたはオリゴマーが含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機無機複合体形成用材料。
  6. さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機無機複合体形成用材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機無機複合体形成用材料を重合させて得られることを特徴とする有機無機複合体。
  8. 請求項7に記載の有機無機複合体を用いたことを特徴とする光学素子。
  9. 基材の上に、請求項7に記載の有機無機複合体からなる光学樹脂層を形成した複合型非球面レンズであることを特徴とする請求項8に記載の光学素子。
  10. 請求項8または9に記載の光学素子を用いたことを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機無機複合体形成用材料を用いて有機無機複合体を製造する方法であって、
    前記アルキルアミン及び前記有機アミンを含有する前記金属酸化物微粒子の分散液を調製する工程と、
    前記分散液に、前記アクリルモノマー、前記光重合開始剤、及び前記フルオレン系化合物を混合して有機無機複合体形成用材料を調製する工程と、
    前記有機無機複合体形成用材料を重合させて有機無機複合体を形成する工程とを備えることを特徴とする有機無機複合体の製造方法。
  12. 前記有機無機複合体形成用材料に紫外線を照射して重合させること特徴とする請求項11に記載の有機無機複合体の製造方法。
  13. 波長365nm以上の紫外線を照射すること特徴とする請求項12に記載の有機無機複合体の製造方法。
JP2007142854A 2006-08-30 2007-05-30 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子 Withdrawn JP2008081726A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007142854A JP2008081726A (ja) 2006-08-30 2007-05-30 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子
US11/847,091 US20080161444A1 (en) 2006-08-30 2007-08-29 Organic-inorganic composite forming material, organic-inorganic composite and optical element using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006233973 2006-08-30
JP2007142854A JP2008081726A (ja) 2006-08-30 2007-05-30 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008081726A true JP2008081726A (ja) 2008-04-10
JP2008081726A5 JP2008081726A5 (ja) 2010-03-25

Family

ID=39352893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007142854A Withdrawn JP2008081726A (ja) 2006-08-30 2007-05-30 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20080161444A1 (ja)
JP (1) JP2008081726A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008120980A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Sony Chemical & Information Device Corp 封止樹脂組成物及び発光素子
JP2009256462A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Olympus Corp 光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子
JP2009280731A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Olympus Corp 光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子
JP2009298995A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Nippon Shokubai Co Ltd 複合粒子、樹脂組成物、及び、その硬化物
WO2011093144A1 (ja) * 2010-01-29 2011-08-04 昭和電工株式会社 造形方法
JP2012078155A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Omron Corp 受光レンズ、および光学式変位センサ
KR101201831B1 (ko) * 2009-07-09 2012-11-15 제일모직주식회사 유-무기 하이브리드 조성물 및 이미지 센서
JP2013010864A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光学薄膜形成用塗料および光学薄膜
US8502334B2 (en) 2009-04-09 2013-08-06 Cheil Industries Inc. Image sensor and method for manufacturing the same
WO2014142047A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 富士フイルム株式会社 芳香環含有化合物、硬化性樹脂組成物、光学部品およびレンズ
WO2022181563A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 東京応化工業株式会社 光硬化性液状組成物、硬化物、及び硬化物の製造方法
US12005728B2 (en) 2019-05-20 2024-06-11 Crane & Co., Inc. Use of nanoparticles to tune index of refraction of layers of a polymeric matrix to optimize microoptic (MO) focus

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5618510B2 (ja) * 2008-09-22 2014-11-05 キヤノン株式会社 光学材料および光学素子
JP5590851B2 (ja) * 2008-12-10 2014-09-17 キヤノン株式会社 回折光学素子、積層型回折光学素子及びその製造方法
CN102667935B (zh) * 2009-11-03 2016-01-20 拜尔材料科学股份公司 具有不同书写共聚单体的光聚合物制剂
ES2381808T3 (es) * 2009-11-03 2012-05-31 Bayer Materialscience Ag Formulaciones de fotopolímeros con módulo mecánico ajustable Guv
ES2446344T3 (es) * 2009-11-03 2014-03-07 Bayer Intellectual Property Gmbh Procedimiento para la producción de una película holográfica
TW201500398A (zh) * 2013-05-22 2015-01-01 Mitsubishi Rayon Co 光提取膜及其製造方法以及面發光體
EP3789110A1 (en) * 2019-09-06 2021-03-10 Korea Atomic Energy Research Institute Radionuclide adsorbent, method of preparing the same and method of removing radionuclide using the same

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632535B1 (en) * 2000-06-08 2003-10-14 Q2100, Inc. Method of forming antireflective coatings
JP2006308844A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Seiko Epson Corp プラスチックレンズ及びプラスチックレンズの製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008120980A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Sony Chemical & Information Device Corp 封止樹脂組成物及び発光素子
JP2009256462A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Olympus Corp 光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子
JP2009280731A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Olympus Corp 光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子
JP2009298995A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Nippon Shokubai Co Ltd 複合粒子、樹脂組成物、及び、その硬化物
US8502334B2 (en) 2009-04-09 2013-08-06 Cheil Industries Inc. Image sensor and method for manufacturing the same
KR101201831B1 (ko) * 2009-07-09 2012-11-15 제일모직주식회사 유-무기 하이브리드 조성물 및 이미지 센서
US8487030B2 (en) 2009-07-09 2013-07-16 Cheil Industries Inc. Organic-inorganic hybrid composition and image sensor
WO2011093144A1 (ja) * 2010-01-29 2011-08-04 昭和電工株式会社 造形方法
JP2012078155A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Omron Corp 受光レンズ、および光学式変位センサ
JP2013010864A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 光学薄膜形成用塗料および光学薄膜
WO2014142047A1 (ja) * 2013-03-11 2014-09-18 富士フイルム株式会社 芳香環含有化合物、硬化性樹脂組成物、光学部品およびレンズ
JP2014198819A (ja) * 2013-03-11 2014-10-23 富士フイルム株式会社 芳香環含有化合物、硬化性樹脂組成物、光学部品およびレンズ
US12005728B2 (en) 2019-05-20 2024-06-11 Crane & Co., Inc. Use of nanoparticles to tune index of refraction of layers of a polymeric matrix to optimize microoptic (MO) focus
WO2022181563A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 東京応化工業株式会社 光硬化性液状組成物、硬化物、及び硬化物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20080161444A1 (en) 2008-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008081726A (ja) 有機無機複合体形成用材料及び有機無機複合体並びにそれを用いた光学素子
US8124324B2 (en) Laminated diffractive optical element and resin composition therefor
CN104985842B (zh) 光学元件及其制造方法
JP5618510B2 (ja) 光学材料および光学素子
US9422414B2 (en) Organic-inorganic composite material, optical element, and multilayer diffractive optical element
JP4767836B2 (ja) 光学用樹脂組成物およびそれを用いた光学素子
TW201512265A (zh) 紅外線遮光組成物、紅外線遮光層、紅外線截止濾波器、照相機模組
WO2013161767A1 (ja) 光学素子
JP2007238930A (ja) 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体および光学部品
JP5037393B2 (ja) 金属酸化物微粒子分散液及び成形体
JP6890662B2 (ja) 組成物、膜の製造方法および光センサの製造方法
JP2008239923A (ja) 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体および光学部品
US11346985B2 (en) Cured product, and optical element, diffractive optical element, optical apparatus, and imaging device using the cured product
JP4217032B2 (ja) 光学素子
JP2009251093A (ja) 光学用複合材料、及び光学素子
JP2010052985A (ja) 金属酸化物微粒子分散液及び成形体
JP2009102539A (ja) 重合性樹脂組成物およびそれを用いた光学素子
JP2010031186A (ja) 有機無機複合材料、その製造方法および光学部品
CN101134818A (zh) 有机无机复合体形成用材料、有机无机复合体和使用该复合体的光学元件
JP2009298945A (ja) 無機粉体、有機無機複合組成物とその製造方法、成形体、および光学部品
US11377545B2 (en) Curable resin composition, cured product, diffractive optical element, multilayer diffractive optical element, and method for producing curable resin composition
JP2011074280A (ja) スターポリマー、硬化性樹脂組成物
JP2007191687A (ja) 有機無機複合体形成用材料、有機無機複合体、その製造方法及び光学素子
JP5345302B2 (ja) 有機無機複合組成物および光学部品
JP7327979B2 (ja) 硬化物、硬化物を用いた光学素子、回折光学素子、光学機器および撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100215

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110901