JP2008239923A - 有機無機複合組成物とその製造方法、成形体および光学部品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は前記実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散され、優れた透明性と高い屈折率を有する有機無機複合組成物、並びに、これを用いたレンズ基材等の光学部品を提供することにある。
一般式(1)
[3] 前記無機微粒子の屈折率が1.90〜3.00であることを特徴とする[1]または[2]に記載の有機無機複合組成物。
[4] 前記無機微粒子としてチタン酸化物かジルコニウム酸化物の少なくとも一方を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[5] 前記熱可塑性樹脂の屈折率が1.50より大きいことを特徴とする[1]〜[4]に記載の有機無機複合組成物。
[6] 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が80%以上であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[7] 熱可塑性であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[8] 溶媒を含まない固体であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
[10] 水、アルコール、または水とアルコールの混合物中において無機微粒子を表面処理剤の存在下で表面処理する工程と、表面処理された無機微粒子を有機溶媒中に抽出する工程と、抽出した該無機微粒子を一般式(1)で表される熱可塑性樹脂と混合する工程とを含むことを特徴とする[9]に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
[11] 無機微粒子の有機溶媒分散物と、一般式(1)で表される熱可塑性樹脂とを混合する工程と、該混合液から溶剤を留去する工程とを含むことを特徴とする[9]または[10]に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
[12] 無機微粒子の有機溶媒分散物と、一般式(1)で表される熱可塑性樹脂とを混合する工程と、該混合液を再沈澱させる工程とを含むことを特徴とする[9]または[10]に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
[14] 最大厚みが0.1mm以上であることを特徴とする[1]〜[8]または[13]のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物を含む成形体。
[15] 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であり、屈折率が1.63以上であることを特徴とする[14]に記載の成形体。
[16] [14]または[15]に記載の成形体からなることを特徴とする光学部品。
[17] レンズ基材であることを特徴とする[16]に記載の光学部品。
本発明の有機無機複合組成物は、無機微粒子と、特定の構造を有する熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする。本発明の有機無機複合組成物では、熱可塑性樹脂に無機微粒子が分散している。
本発明の有機無機複合組成物は、下記一般式(1)で表される熱可塑性樹脂を含む。
一般式(1)
Xが3価以上の連結基であるとき、例えば上記2価の連結基のうち、いずれかの芳香環または非芳香族炭素原子で枝分かれした構造を挙げることができる。Xの具体例として例えば以下の構造を挙げることができるが、一般式(1)のXとして採用することができる連結基はこれらに限定されるものではない。
前記Polyで表されるビニルモノマー重合体は単独重合体でも、2種類以上のモノマーからなる共重合体でもよい。
一般式(2)
本発明の有機無機複合組成物には、本発明の条件を満たす熱可塑性樹脂とともに、本発明の条件を満たさない樹脂を含有させてもよい。例えば、無機微粒子の表面と化学結合を形成しうる官能基を有さない樹脂と本発明の条件を満たす熱可塑性樹脂を混合して使用してもよい。無機微粒子の表面と化学結合を形成しうる官能基を有さない樹脂の種類に特に制限はないが、前記で挙げた光学物性、熱物性、分子量を満たすものが好ましい。
本発明で用いられる無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子等が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化錫微粒子、硫化亜鉛微粒子、チタン酸バリウム微粒子等を挙げることができ、好ましくは酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、硫化亜鉛微粒子、チタン酸バリウム微粒子であり、より好ましくは酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムを含む微粒子である。ただし、本発明で用いることができる無機微粒子は、ここに例示した材料に限定されるものではない。
具体的には、酸化チタンナノ粒子の合成原料としては硫酸チタニルが例示され、酸化亜鉛ナノ粒子の合成原料としては酢酸亜鉛や硝酸亜鉛等の亜鉛塩が例示される。テトラエトキシシランやチタニウムテトライソプロポキサイド等の金属アルコキシド類も無機微粒子の原料として好適である。このような無機微粒子の合成方法としては、例えば、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス第37巻4603〜4608頁(1998年)、あるいは、ラングミュア第16巻第1号241〜246頁(2000年)に記載の方法を挙げることができる。
これらの方法に用いられる溶媒としては、アセトン、2−ブタノン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アニソール等が例として挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよく、また複数種を混合して使用してもよい。
ここで、上述の数平均粒子サイズは、例えばX線回折(XRD)または透過型電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。
本発明の有機無機複合組成物には、上記の熱可塑性樹脂や無機微粒子以外に、均一分散性、成形時の流動性、離型性、耐候性等観点から適宜各種添加剤を配合してもよい。
これら添加剤の配合割合は目的に応じて異なるが、前記無機微粒子および熱可塑性樹脂の合計量に対して、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることが特に好ましい。
本発明では、後述するように水中またはアルコール溶媒中に分散された無機微粒子を熱可塑性樹脂と混合する際に、有機溶媒への抽出性または置換性を高める目的、熱可塑性樹脂への均一分散性を高める目的、微粒子の吸水性を下げる目的、あるいは耐候性を高める目的など種々目的に応じて、上記熱可塑性樹脂以外の微粒子表面修飾剤を添加してもよい。該表面処理剤の重量平均分子量は50〜50,000であることが好ましく、より好ましくは100〜20,000、さらに好ましくは200〜10,000である。
一般式(3)
A−B
一方、Bで表される基の化学構造は、相溶性の観点から該樹脂マトリックスの主体である熱可塑性樹脂の化学構造と同一または類似するものであることが好ましい。本発明では特に高屈折率化の観点から、前記熱可塑性樹脂とともにBの化学構造が芳香環を有していることが好ましい。
これら表面処理剤の添加量の総量は無機微粒子に対して、質量換算で0.01〜2倍であることが好ましく、0.03〜1倍であることがより好ましく、0.05〜0.5倍であることが特に好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高い場合、組成物の成形が必ずしも容易ではないことがある。このため、本発明の組成物の成形温度を下げるために可塑剤を使用してもよい。可塑化剤を添加する場合の添加量は有機無機複合組成物の総量の1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、3〜20質量%であることが特に好ましい。
本発明で使用する可塑剤は、樹脂との相溶性、耐候性、可塑化効果などを総合的に勘案して決定する必要があり、最適な材料は他の組成物に依存するため一概には言えないが、屈折率の観点からは芳香環を有するものが好ましく、代表的な例として下記一般式(4)で表される構造を有するものを挙げることができる。
上記成分以外に、成形性を改良する目的で変性シリコーンオイル等の公知の離型剤を添加したり、耐光性や熱劣化を改良したりする目的で、ヒンダードフェノール系、アミン系、リン系、チオエーテル系等の公知の劣化防止剤を適宜添加してもよい。これらを配合する場合は、有機無機複合組成物の全固形分に対して0.1〜5質量%程度とすることが好ましい。
本発明に用いられる無機微粒子は、少なくとも一方の高分子鎖末端に前記官能基を有する熱可塑性樹脂と化学結合して樹脂中に分散される。
本発明に用いられる無機微粒子は粒子サイズが小さく、表面エネルギーが高いため、固体で単離すると再分散させることが難しい。よって、無機微粒子は溶液中に分散された状態で熱可塑性樹脂と混合し安定分散物とすることが好ましい。複合物の好ましい製造方法としては、(1)無機粒子を上記表面処理剤の存在下に表面処理を行い、表面処理された無機微粒子を有機溶媒中に抽出し、抽出した該無機微粒子を前記熱可塑性樹脂と均一混合して無機微粒子と熱可塑性樹脂の複合物を製造する方法、(2)無機微粒子と熱可塑性樹脂の両者を均一に分散あるいは溶解できる溶媒を用いて両者を均一混合して無機微粒子と熱可塑性樹脂の複合物を製造する方法が挙げられる。
有機溶媒中に抽出された無機微粒子と熱可塑性樹脂を混合する際に、可塑化剤、離型剤、あるいは別種のポリマー等の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
本発明の有機無機複合組成物を成形することにより、本発明の成形体を製造することができる。本発明の成形体は、有機無機複合組成物の説明の欄で前記した屈折率と光学特性を示すものが有用である。中でも、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であり、屈折率が1.63以上である成形体が有用である。
本発明の成形体は、高屈折性、光線透過性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れた成形体である。本発明の光学部品は、このような成形体からなるものである。本発明の光学部品の種類は、特に制限されない。特に、有機無機複合組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かかる光学部品を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
本発明における「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、レンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、本発明でいうレンズ基材に付加される部材であり、本発明でいうレンズ基材そのものとは区別される。
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
日立製作所(株)社製「H−9000UHR型透過型電子顕微鏡」(加速電圧200kV、観察時の真空度約7.6×10-9Pa)にて行った。
測定する試料を成形して厚さ1.0mmの基板を作製し、紫外可視吸収スペクトル測定用装置「UV−3100」((株)島津製作所製)を用いて波長589nmの光で測定した。
アッベ屈折計(アタゴ社製「DR−M4」)にて、波長589nmの光について行った。
リガク(株)製「RINT1500」(X線源:銅Kα線、波長1.5418Å)を用いて、23℃で測定した。
数平均分子量、重量平均分子量は、「TSKgel GMHxL」、「TSKgel G4000HxL」、「TSKgel G2000HxL」(何れも、東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒テトラハイドロフラン、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
(1)酸化チタン微粒子の合成
特開2003−73559号公報の合成例9に記載の方法に従い、酸化チタン微粒子を合成した。XRDとTEMより、アナタ―ス型酸化チタン微粒子(数平均粒子サイズは約5nm)の生成を確認した。
50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水で溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15質量%に調整して、オートクレーブに入れ、圧力150気圧、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。TEMより数平均粒子サイズが5nmの酸化ジルコニウム微粒子の生成を確認した。
前記(2)で合成した酸化ジルコニウム微粒子懸濁液と日本化薬製の「KAYAMER PM−21」を溶解させたトルエン溶液を混合し、50℃で8時間攪拌した後、トルエン溶液を抽出して酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液を作製した。
前記(1)で調製した酸化ジルコニウム分散物(15質量%水分散物)500gに500gのN,N'−ジメチルアセトアミドを加え約500g以下になるまで減圧濃縮して溶媒置換を行った後、N,N'−ジメチルアセトアミドの添加で濃度調整をすることによって15質量%の酸化ジルコニウムジメチルアセトアミド分散物(2)を得た。
還流冷却器およびガス導入コックを付した300mlの三口フラスコに、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)39.2g(50mmol)、イタコン酸32.5g(250mmol)、1−メトキシ−2−プロパノール127.3gを仕込み、窒素気流下、90℃に加熱した。ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート288mgを1−メトキシ−2−プロパノール20gに溶解し添加した。90℃で2時間反応させた後、さらにジメチル2,2−アゾビスイソブチレート288mgを1−メトキシ−2−プロパノール20gに溶解し添加した。90℃で2時間反応させて後、100℃に昇温しさらに1時間反応させ、チオール誘導体Aの30質量%溶液を得た。反応液を1H NMRで解析し、l/m=5/1であることを確認した。
還流冷却器およびガス導入コックを付した300mlの三口フラスコに、チオール誘導体Aの30質量%1−メトキシ−2−プロパノール溶液4.78g(1mmol)、2−フェニルフェノキシアクリレート44.9g(0.20mol)、THF20mlを仕込み、窒素気流下80℃に加熱した。ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート92mgをTHF1mlに溶解して添加した。80℃で2時間反応させた後、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート46mgをTHF20mlに溶解して添加した。さらに80℃で2時間反応させた後、酢酸エチルで適度に希釈し、大量のメタノールに投入し沈殿させた。沈殿を濾取した後、大量のメタノールで洗浄し、50℃で12時間真空乾燥して例示化合物J−1を得た(収率84%)。数平均分子量は36,800、重量平均分子量は59.000であった。
還流冷却器およびガス導入コックを付した300mlの三口フラスコに、チオール誘導体Aの30質量%の1−メトキシ−2−プロパノール溶液4.78g(1mmol)、ベンジルメタクリレート35.2g(0.20mol)、THF14.1mlを仕込み、窒素気流下80℃に加熱した。ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート92mgをTHF1mlに溶解して添加した。80℃で2時間反応させた後、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート46mgをTHF20mlに溶解して添加した。さらに80℃で2時間反応させた後、酢酸エチルで適度に希釈し、大量のメタノールに投入し沈殿させた。沈殿を濾取した後、大量のメタノールで洗浄し、50℃で12時間真空乾燥して例示化合物J−5を得た(収率81%)。数平均分子量は29,100、重量平均分子量は49,200であった。
メタクリル酸メチル5.00g、アゾビスイソブチロ二トリル0.25gを2−ブタノン中に加え、窒素下70℃で重合を行い、PMMAを合成した。重量平均分子量は100,000であった。
(1)実施例1〜4、比較例1〜4
実施例1〜4と比較例1〜4の各レンズを以下の手順で製造した。以下の手順において使用した熱可塑性樹脂の種類と無機微粒子の種類と使用量とは下記表1に示す通りとし、熱可塑性樹脂と無機微粒子の屈折率も併記した。表1において、無機微粒子の添加量は、製造される成形体の質量を基準として表示している。なお、比較例1、2では無機微粒子を添加せず熱可塑性樹脂のみを成形した。
トルエンに分散させた酸化チタン微粒子もしくは酸化ジルコニウム微粒子を、熱可塑性樹脂のアニソール溶液に5分間かけて滴下し、得られた混合物を1時間攪拌した後、溶媒を濃縮留去した。得られた有機無機複合組成物を加熱圧縮成形し(温度180℃、圧力13.7MPa、時間2分)、厚さ1mmのレンズ用成形体を作製した。成形体を切削し、断面をTEMで観察して、無機微粒子が熱可塑性樹脂中に均一に分散しているか否かを確認した。さらに光線透過率測定と屈折率測定を行った。これらの結果を下記表1に示す。その後、レンズ用成形体をレンズの形状に成形して、光学部品であるレンズを得た。
前記酸化ジルコニウムジメチルアセトアミド分散液に熱可塑性樹脂J−1、n−オクチル安息香酸、および可塑化剤としてKP−L155(商品名;花王株式会社製)を質量比が、ZrO2固形分/J−1/n−オクチル安息香酸/KP−L155=35.7/42.9/7.1/14.3の比率になるように添加して均一に攪拌混合した後、加熱減圧下ジメチルアセトアミド溶媒を濃縮した。該濃縮残渣を実施例1と同様の条件で加熱圧縮成形して透明成形体(レンズ基材)を作成した。実施例5で得られた成形体を切削し、断面をTEMで観察した。また、光線透過率測定および屈折率測定を行った。結果を下記表1に示す。
実施例5における熱可塑性樹脂J−1をJ−5に変更した以外は実施例5と同様にして実施例6の透明成形体(レンズ基材)を作成した。実施例6で得られた成形体をそれぞれ切削し、断面をTEMで観察した。また、光線透過率測定および屈折率測定を行った。結果を下記表1に示す。
実施例5に記載した有機無機複合組成物の濃縮前のジメチルアセトアミド溶液を大過剰の水に投入して得られた沈澱を濾過、乾燥することにより実施例7の有機無機複合組成物を得た。該有機無機複合組成物を実施例1と同様にして実施例7の透明成形体(レンズ基材)を得た。実施例7で得られた透明成形体を切削し、断面をTEMで観察した。また、光線透過率測定および屈折率測定を行なった。結果を下記表1に示す。
また熱可塑性樹脂を主体とした本発明の有機無機複合組成物は、生産性よくかつ型の形状に合わせて正確にレンズ形状を形成することができることを確認した。
Claims (17)
- 前記無機微粒子の数平均粒子サイズが1nm〜15nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合組成物。
- 前記無機微粒子の屈折率が1.90〜3.00であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機無機複合組成物。
- 前記無機微粒子としてチタン酸化物かジルコニウム酸化物の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
- 前記熱可塑性樹脂の屈折率が1.50より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
- 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
- 熱可塑性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
- 溶媒を含まない固体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
- 水、アルコール、または水とアルコールの混合物中において無機微粒子を表面処理剤の存在下で表面処理する工程と、表面処理された無機微粒子を有機溶媒中に抽出する工程と、抽出した該無機微粒子を一般式(1)で表される熱可塑性樹脂と混合する工程とを含むことを特徴とする請求項9に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
- 無機微粒子の有機溶媒分散物と、一般式(1)で表される熱可塑性樹脂とを混合する工程と、該混合液から溶剤を留去する工程とを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
- 無機微粒子の有機溶媒分散物と、一般式(1)で表される熱可塑性樹脂とを混合する工程と、該混合液を再沈澱させる工程とを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の有機無機複合組成物の製造方法。
- 請求項9〜12のいずれか一項に記載の製造方法により製造される有機無機複合組成物。
- 最大厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1〜8または13のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物を含む成形体。
- 波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であり、屈折率が1.63以上であることを特徴とする請求項14に記載の成形体。
- 請求項14または15に記載の成形体からなることを特徴とする光学部品。
- レンズ基材であることを特徴とする請求項16に記載の光学部品。
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