JP7327979B2 - 硬化物、硬化物を用いた光学素子、回折光学素子、光学機器および撮像装置 - Google Patents
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R-X (1)
(式中、Rは分子構造の末端にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、Xはカルボキシル基である。)
(硬化物)
第1実施形態の硬化物は高温高湿環境においても体積変動が少ない光学用途に適した硬化物である。本実施形態の硬化物は、分散剤と、無機粒子と、硬化性樹脂と、を含有する樹脂組成物を重合または共重合させることにより得られる。本明細書において、樹脂組成物とは、硬化物を硬化させる前の原材料のことである。
硬化性樹脂は室温で液体である樹脂であり、光重合開始剤または熱重合開始剤といった重合開始剤を利用したラジカル生成機構により硬化する。
本実施形態の硬化物において、無機粒子は硬化物の屈折率の波長分散特性を調整する役割を担う。
本実施形態に用いられる分散剤は、無機粒子の表面を表面処理し、硬化物中に無機粒子を均一に分散させる役割を担う。
R-X (1)
(式中、Rは分子構造の末端基にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、Xはカルボキシル基である。)
本実施形態に用いる分散剤は、分子構造の末端基にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、その対となる位置にカルボキシル基(-COOH)がある化合物を含むため、無機粒子を均一に分散させることができる。これはカルボキシル基が親水性を有し、無機粒子の表面との親和性に優れるためである。Rは分子構造の末端基にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有する炭化水素基もしくはその一部の水素原子を置換基で置換したものである。RはXと結合するまでに、例えば、-(CH2)n-や-(CH2-CH2-O)n-,-(CH2-CH2-COO)n-といった構造を有していてよい。分散剤として好ましいのは、式(2)で表わされるω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート(n=2)もしくはβ-カルボキシエチルアクリレートである。
CH2=CH-(COO-C5H10)n-COOH (2)
中でも、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートは、その分子鎖がアクリルもしくはメタクリル等の樹脂成分と親和性が高いため、光散乱が生じにくいという利点がある。また、親和性が高いため、硬化物の原材料である樹脂組成物において低い粘度を維持できるという利点もある。
分散溶媒は、未硬化の樹脂組成物である単量体および/又はそのオリゴマー等を溶解するため、若しくは、無機粒子を分散剤で表面処理するために用いる。
重合開始剤は、硬化性樹脂の硬化条件(照射波長、照射量)に応じて適宜選択することができる。例えば、光重合開始剤としては、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、4-フェニルベンゾフェノン、4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジフェニルベンゾフェノン、4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン等を好適なものとして挙げることができる。硬化物の透明性が優れるという観点においては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いるのが好ましい。光重合開始剤の含有量は、可視光に吸収を有する微粒子の含有量によっても異なるが、硬化物の原材料である樹脂組成物100質量部に対して0.01質量部以上10.00質量部以下の範囲であることが好ましい。光重合開始剤の含有量をこの範囲とすることで、硬化物の原材料である樹脂組成物を良好に成形でき、また着色による外観不良や透明性の悪化を避けることができる。なお、光重合開始剤は単量体および/又はそのオリゴマー等との反応性、光照射の波長によって1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
硬化物の原材料である樹脂組成物の製造方法について以下に述べる。
図1は本発明の光学素子の一実施態様を示す概略図である。
図3は本発明の回折光学素子の一実施態様を示す概略図である。
図7は、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である、一眼レフデジタルカメラの構成を示している。図7において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602に対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
まず、本発明の硬化物の原材料である樹脂組成物を製造した。
メタノール溶媒に酸化ジルコニウムを分散した分散液(堺化学工業製:無機粒子の平均粒子径5nm、酸化ジルコニウム濃度31.422質量部)を30.893g用意した。また、分散剤としてω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート(東亜合成製:M-5300)1.691gを用意した。また、紫外線硬化型の硬化性樹脂として、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート2.952g、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.510gおよびジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート4.154gを用意した。さらに、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.236gを用意し、それぞれを瓶に入れ混合した。
(分散液)
A1:溶媒:メタノール/無機粒子:酸化ジルコニウム(平均粒子径5nm)
A2:溶媒:メタノール/無機粒子:酸化珪素(平均粒子径12nm)
(分散剤)
B1:ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート
B2:β-カルボキシエチルアクリレート
(硬化性樹脂)
C1:トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート(重合性反応基:N=3、分子量:375(213=71×N~160×N=480)、水酸基数:0)
C2:ペンタエリスリトールトリアクリレート(重合性反応基:N=3、分子量:298(213=71×N~160×N=480)、水酸基数:1)
C3:ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート(重合性反応基:N=1、分子量:298(71=71×1~160×1=160)、水酸基数:0)
C4:2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクレート(重合性反応基:N=2、分子量:241(142=71×N~160×N=320)、水酸基数:1)
C5:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(3)(重合性反応基:N=3、分子量:692(213=71×N~160×N=480)、水酸基数:0)
(重合開始剤)
D1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート2.120g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを1.335g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを4.162gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散液を30.776g、分散剤を1.267gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを2.245g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを1.414g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを4.407gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの混合量を0.249gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散液を31.011g、分散剤を2.118gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを1.994g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを1.256g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを3.915gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.222gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散液としてメタノール溶媒に酸化珪素を分散した分散液(日産化学製:無機粒子の平均粒子径12nm、酸化珪素濃度29.529質量部)を15.996g、分散剤を2.551gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを3.398g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを2.139g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを6.669gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの混合量を0.378gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレートの代わりに2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクレートを用いて、その含有量を1.335gとした点以外は実施例2と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散剤として、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレートの代わりにβ-カルボキシエチルアクリレートを用いて、その含有量を1.691gとした点以外は実施例2と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
硬化性樹脂として、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの代わりにEO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(3)を用いた。また、その混合量を3.455gとした点以外は、実施例2と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散液を31.422gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート6.203g、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.413gとした。これらの点以外は実施例1の樹脂組成物と同様の条件で樹脂組成物を得た。
分散液を23.778g、分散剤を1.302gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート8.627g、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.704gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.320gとした。これらの点以外は実施例1の樹脂組成物と同様の条件で樹脂組成物を得た。
分散液を31.287g、分散剤を3.120gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを1.698g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを1.069g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを3.334gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの混合量を0.189gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
分散液を30.669g、分散剤を0.877gとした。また、硬化性樹脂の混合量を、トリ(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレートを2.360g、ペンタエリスリトールトリアクリレートを1.486g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレートを4.633gとした。また、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの混合量を0.362gとした。これらの点以外は、実施例1と同様の条件で、樹脂組成物を得た。
(硬化物の組成)
硬化物100体積部に対する無機粒子、分散剤、単量体および水酸基を有する単量体の体積分率は硬化物を作成し、以下の手順で計算した。硬化物は、後述する屈折率・散乱測定用光学素子と同様の方法で作成した。なお、回折光学素子の状態から硬化物を切り出して測定することも可能である。
実施例1~10及び比較例1、2の樹脂組成物の残留溶剤は、ガスクロマトグラフィー(Hewlett Packard社製:5890seriesII)によって評価した。その結果を表3に示す。
屈折率・散乱測定用光学素子は下記の要領で作成した。
屈折率と波長分散は、屈折率・散乱測定用光学素子を用いてng,nF,nd,nCの屈折率を測定する事により求めた。その結果は表3に示す。
散乱率は、屈折率・散乱測定用光学素子を用いて、分光光度計(日立製作所製:U4000)によって、波長400nmにおける散乱率を求めた。サンプルの樹脂部分の膜厚を測定し、500μmの膜厚に換算した値を算出した。結果を表3に示す。
散乱測定用光学素子は下記の様にして作成した。
吸湿膨張率は、吸湿膨張測定サンプルを用いて、水蒸気雰囲気熱機械分析装置:HUM-TMA(リガク社製:Thermo Plus EVO)によって評価した。温度60℃湿度70%と温度60湿度℃0%における長さの変化を測定し、変化した長さに対する元の長さの割合を吸湿膨張率とした。その結果を表3に示す。
図4に示した製造方法で、図3のような回折光学素子を製造した。
<回折効率の評価>
回折効率は、スポット光を回折光学素子1000にあて、受光部を密着して、すべての透過光の光量を測定した後、設計次数(1次の回折光)の光量を測定し、その光量比(設計次数の光量/全透過光光量)を回折効率と定義した。
回折光学素子1000を温度60℃、湿度70%の環境に設定した恒温槽に入れた。2000時間経過後に取り出し、透過波面を計測した。
第2実施形態の硬化物は光散乱が少ない光学用途に適した硬化物である。第2実施形態の硬化物は、第1実施形態と同様に、分散剤と、無機粒子と、硬化性樹脂が重合または共重合された樹脂と、を含有し、さらに酢酸を含有することを特徴とする。
本発明の硬化物において、酢酸は無機粒子の表面の一部に吸着することにより、無機粒子の表面を化学的に安定にさせる安定化剤として役割を担う。そのため、分散剤による無機粒子の凝集抑制効果を助長する。
以下に本発明の硬化物、光学素子および回折光学素子について具体的に説明する。
(実施例11)
酸化ジルコニウム粒子(個数平均粒子径3nm)100質量部に対し、メタノール233質量部、分散剤としてω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート17.4質量部、安定化剤として酢酸11.2質量部を加え、分散処理を行った。硬化性樹脂として、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを20.3質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを39.6質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを13.0質量部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.4質量部、分散液に溶解させた。その後、オイルバスで加熱しながらエバポレーターにより40℃で減圧濃縮を行い、メタノールを除去し、実施例11の樹脂組成物を得た。
実施例11の酢酸の含有量を8.2質量部、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを21.1質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを41.2質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを13.5部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.5質量部に示すように変更した以外は、実施例11と同様の条件で実施例12の樹脂組成物を得た。
実施例11の酢酸の含有量を4.2質量部、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを22.2質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを43.6質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを14.0質量部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.5質量部に示すように変更した以外は、実施例11と同様の条件で実施例13の樹脂組成物を得た。
実施例11の酢酸の含有量を15.1質量部、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを19.3質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを37.8質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを12.1質量部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.1質量部に示すように変更した以外は、実施例11と同様の条件で実施例14の樹脂組成物を得た。
実施例11の酢酸の添加量を3.7質量部、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを22.3質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを43.6質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを14.3部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.7質量部に示すように変更した以外は、実施例11と同様の条件で比較例3の樹脂組成物を得た。
実施例11の酢酸の添加量を17質量部、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを18.8質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレートを36.8質量部、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートを11.8部、並びに光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを2.1質量部に示すように変更した以外は、実施例11と同様の条件で比較例4の樹脂組成物を得た。
(硬化物の組成)
実施例1~10と同様の方法で組成を計算した。なお、酢酸の比重は1.09とした。
散乱率測定用の素子を以下の要領で作製した。
図4に示した製造方法で、図3のような回折光学素子を製造した。
フレア率は、フレア測定機を用いて測定した。フレア測定機は、光源とフレア評価用チャートとレンズを組み込む光学系と撮像センサから構成される。フレア評価用チャートは黒体を含み、その背景に光源を配置する。フレア評価用チャートは、被測定レンズを組み込む光学系を通して撮像センサで撮影される。フレア評価用チャートの黒体の写真が、黒く写るほどフレア率は低くなり、白く明るく写るほどフレア率は高くなる。これは、フレア光(散乱光)が黒体の像域にどれほど広がっているかを評価した。フレア率は、任意の基準レンズのフレア量と被測定レンズのフレア量の比から計算した。
601 レンズ鏡筒(光学機器)
602 カメラ本体
70 第一の基材
700 第一の基材
80 第二の基材
800 第二の基材
90 樹脂層
90a 樹脂組成物
900 第一の樹脂層
910 第二の樹脂層
910a 樹脂組成物
100 接合レンズ(光学素子)
1000 回折光学素子
Claims (20)
- 分散剤と、無機粒子と、硬化性樹脂が重合または共重合された樹脂と、を含有する硬化物であって、
前記分散剤が、式(1)で表わされる化合物を含有し、
前記分散剤の含有量が、前記硬化物100体積部に対して10体積部以上20体積部以下であり、
前記硬化性樹脂が、重合性反応基をN個(Nは2以上の整数)有する単量体を含有し、
前記単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して25体積部以上76体積部以下であり、
前記硬化物の厚みが100μm以上であることを特徴とする硬化物。
R-X (1)
(式中、Rは分子構造の末端にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、Xはカルボキシル基である。) - 前記硬化性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である請求項1に記載の硬化物。
- 前記重合性反応基が(メタ)アクリレート基である請求項1または2に記載の硬化物。
- 前記単量体の分子量が、71×N以上160×N以下(Nは単量体の重合性反応基の数であり、2以上の整数)である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して25体積部以上30体積部以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記単量体が、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクレートからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記無機粒子が、酸化珪素、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウム錫酸化物、アンチモンドーピング錫酸化物及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記無機粒子が、酸化ジルコニウムである請求項7に記載の硬化物。
- 前記硬化性樹脂が、水酸基を有する単量体を含有し、
前記水酸基を有する単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して4.0体積部以上12体積部以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の硬化物。 - 前記式(1)で表わされる化合物が、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレートもしくはβ-カルボキシエチルアクリレートである請求項1乃至9のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記無機粒子の平均粒子径が、3nm以上20nm以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の硬化物。
- 前記無機粒子の含有量が、前記硬化物100体積部に対して5体積部以上25体積部以下である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の硬化物。
- 分散剤と、無機粒子と、硬化性樹脂が重合または共重合された樹脂と、酢酸と、を含有する硬化物であって、
前記分散剤が、式(1)で表わされる化合物を含有し、
前記分散剤の含有量が、前記硬化物100体積部に対して10体積部以上20体積部以下であり、
前記硬化性樹脂が、重合性反応基をN個(Nは2以上の整数)有する単量体を含有し、
前記単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して25体積部以上76体積部以下であり、
前記酢酸の含有量が、前記硬化物100体積部に対して4.0体積部以上15.0体積部以下であることを特徴とする硬化物。
R-X (1)
(式中、Rは分子構造の末端にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、Xはカルボキシル基である。) - 分散剤と、無機粒子と、硬化性樹脂が重合または共重合された樹脂と、を含有する硬化物であって、
前記分散剤が、式(1)で表わされる化合物を含有し、
前記分散剤の含有量が、前記硬化物100体積部に対して10体積部以上20体積部以下であり、
前記硬化性樹脂が、重合性反応基をN個(Nは2以上の整数)有する単量体を含有し、
前記単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して25体積部以上76体積部以下であり、
前記硬化性樹脂が、水酸基を有する単量体を含有し、
前記水酸基を有する単量体の含有量が、前記硬化物100体積部に対して4.0体積部以上12体積部以下であることを特徴とする硬化物。
R-X (1)
(式中、Rは分子構造の末端にアクリロイルオキシ基もしくはメタクリロイルオキシ基を有し、Xはカルボキシル基である。) - 第一の基材と、硬化物と、第二の基材とが順に積層された光学素子であって、
前記硬化物が、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の硬化物であることを特徴とする光学素子。 - 基材と、回折格子形状を有する第一の硬化物と、回折格子形状を有する第二の硬化物とが順に積層された回折光学素子であって、
前記第一の硬化物もしくは前記第二の硬化物が、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の硬化物であることを特徴とする回折光学素子。 - 前記第二の硬化物が、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の硬化物であり、
前記第一の硬化物の屈折率をnd1、前記第一の硬化物のアッベ数をν1、前記第二の硬化物の屈折率をnd2、前記第二の硬化物のアッベ数をν2としたときに、nd1<nd2及びν1<ν2を満たす請求項16に記載の回折光学素子。 - 筐体と、該筐体内に複数のレンズからなる光学系を備える光学機器であって、
前記複数のレンズの少なくとも1つが、請求項15に記載の光学素子または請求項16または17に記載の回折光学素子であることを特徴とする光学機器。 - 筐体と、該筐体内に複数のレンズからなる光学系と、該光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備える撮像装置であって、
前記複数のレンズの少なくとも1つが、請求項15に記載の光学素子または請求項16または17に記載の回折光学素子であることを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像装置がカメラである請求項19に記載の撮像装置。
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