JP2023055538A - 光学素子、光学素子の製造方法、樹脂組成物、光学機器及び撮像装置 - Google Patents

光学素子、光学素子の製造方法、樹脂組成物、光学機器及び撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸水膨張率が低く、高湿環境下においても光学性能が変動しにくい光学素子及びその製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレート化合物と、一般式(3)で示されるビスフェノール骨格とを有する2官能の第2の(メタ)アクリレート化合物とを有する硬化物2を備える光学素子10。TIFF2023055538000028.tif105166【選択図】図1

Description

本開示は、光学素子、光学素子の製造方法、樹脂組成物、光学機器及び撮像装置に関する。
光学素子の一つとして、ガラスレンズのような透明基材に樹脂の硬化物が設けられたレンズが知られている。このようなレンズは、成形型を用い、基材と成形型との間に樹脂組成物を設けて重合又は共重合させることにより、所望形状の硬化物を基材表面に形成することによって製造される。このような製造方法で製造されたレンズはレプリカ素子と呼ばれる。レプリカ素子は所望の表面形状を容易に形成できるので、非球面レンズやフレネルレンズとして用いるのに有効である。非球面レンズとは、レンズ中心から周辺にかけて曲率が連続的に変化しているレンズの総称である。特許文献1には、レプリカ素子に用いることが可能なビスフェノール骨格を有する樹脂組成物及びその硬化物が開示されている。
特開2004-346225号公報
しかしながら、特許文献1に開示された硬化物は吸水膨張率が高いため、高湿の環境下では光学性能が変化しやすいという課題があった。
上記課題を解決するための第一の態様は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレート化合物と、下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能の第2の(メタ)アクリレート化合物と、を有する硬化物を備えることを特徴とする光学素子である。
Figure 2023055538000002
Figure 2023055538000003
Figure 2023055538000004

(上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
上記課題を解決するための第二の態様は、透明基材と、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第1の材料と下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有し2官能(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第2の材料と重合開始剤を有する樹脂組成物と、を用意する用意工程と、前記透明基材に前記樹脂組成物を設ける設置工程と、前記樹脂組成物を硬化し、硬化物を形成する硬化工程と、を有することを特徴とする光学素子の製造方法である。
Figure 2023055538000005
Figure 2023055538000006
Figure 2023055538000007

(上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
上記課題を解決するための第三の態様は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第1の材料と、下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第2の材料と、を有する樹脂組成物であって、前記樹脂組成物における前記第1の材料及び前記第2の材料の含有割合が、90質量%以上99.5質量%以下の範囲であることを特徴とする樹脂組成物である。
Figure 2023055538000008
Figure 2023055538000009
Figure 2023055538000010
(上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
上記態様によれば、吸水膨張率が低く、高湿環境下においても光学性能が変動しにくい光学素子及びその製造方法を提供できる。また、その光学素子に用いる樹脂組成物、その光学素子を用いた光学機器及び撮像装置を提供できる。
第1実施形態に係る光学素子を示す概略図である。 第1実施形態に係る光学素子の製造方法を示す概略図である。 第3実施形態に係る撮像装置を示す概略図である。 実施例の光学素子における硬化物の厚みを示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[光学素子]
図1は第1実施形態に係る光学素子を示す概略図であり、光学素子10を光学素子の素子中心Oを通る直線で積層方向に切断した側面断面図である。
光学素子10は、透明基材1と、硬化物2と、を有する。光学素子10は、透明基材1上に硬化物が設けられたレプリカレンズと呼ばれるタイプの光学素子である。
(透明基材)
透明基材1は、光学面である第1面1Aと第2面1Bを有する。透明基材の第1面1Aは光入射面又は光射出面の一方であり、透明基材の第2面1Bは光入射面又は光射出面の他方である。
透明基材1は、透明な樹脂や、透明なガラスを用いることができる。本明細書において、透明とは、波長が400nm以上780nm以下の範囲の光の透過率が10%以上であることを示す。透明基材1は、ガラスを用いることが好ましく、例えば、珪酸ガラスや硼珪酸ガラス、リン酸ガラスに代表される一般的な光学ガラスや、石英ガラス、ガラスセラミックスを用いることができる。
図1において、第1面1Aは凹球面状であり、第2面1Bは凸球面状であるが、透明基材1の形状は特に限定されない。透明基材1の硬化物2と接する面の形状は、凹球面、凸球面、軸対称非球面、平面などから所望の特性に合わせて選択することができる。透明基材1は図1の紙面上方向から上面視した際に円形であることが好ましい。光学素子10をレンズとして後述する光学系に用いる際に、組み付ける精度が向上するためである。
(硬化物)
硬化物2は、透明基材の第1面1A上に密着して設けられている。硬化物2は樹脂組成物2aを重合又は共重合させることによって得られる樹脂の硬化物である。硬化物2は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレート化合物を有する。また、硬化物2は下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能の第2の(メタ)アクリレート化合物を有する。
Figure 2023055538000011
Figure 2023055538000012
Figure 2023055538000013

(上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
樹脂組成物2aは、第1の材料と第2の材料を有する。第1の材料は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する構造を有する化合物(モノマー)及びその重合体(ポリマーやオリゴマー)の少なくとも一方と、1官能もしくは2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基と、を有する。この第1の材料は、第1の(メタ)アクリレート化合物の前駆体である。
Figure 2023055538000014
Figure 2023055538000015
脂環骨格は、硬化物2のアッベ数を高める効果を有する。また、脂環骨格のその嵩高い構造に起因して樹脂組成物2aを重合又は共重合して硬化物2を得る際の硬化収縮を低減し、成形性を良好にする効果を有する。また、その嵩高い構造に起因してガラス転移温度Tgを高める効果を有する。また、剛直な構造であるがゆえ、硬化物2の吸水膨張率を低減させる効果を有する。脂環骨格を有する構造としては、上記一般式(1)で示されるトリシクロデカン骨格と、上記一般式(2)で示されるイソボニル基がある。トリシクロデカン骨格を有するモノマー(単量体)は硬化収縮量が小さい点でより優れる。イソボニル基は吸水膨張率が低い点でより優れる。また、1官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基は、2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基より吸水膨張率が低い点でより好ましい。
上述した第1の材料として商業的に入手可能なものは、例えば、重合性官能基が1官能のものとしては昭和電工マテリアルズ株式会社製のファンクリルシリーズのFA-513M(ジシクロペンタメタクリレート)や新中村化学株式会社製のIB(イソボルニルメタクリレート)、A-IB(イソボルニルアクリレート)、共栄社化学株式会社製のIB-X(イソボルニルメタクリレート)、IB-AX(イソボルニルアクリレート)が挙げられる。また、重合性官能基が2官能のものとしては、例えば、新中村化学株式会社製のDCP(ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート)、A-DCP(ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート)、共栄社化学株式会社製のDCP-M(ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート)、DCP-A(ジメチロール-トリシクロデカンジメタクリレート)が挙げられる。第1の材料は1種類のみでもよいが、硬化物2の成形時の硬化収集量、吸水膨張率、光学特性等に合わせて2種類以上を併用してもよい。
第2の材料は、下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する化合物及びその重合体の少なくとも一方と、2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基と、を有する。この第2の材料は、第2の(メタ)アクリレート化合物の前駆体である。
Figure 2023055538000016

(上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
第2の材料の2官能の(メタ)アクリレートの重合性の官能基は、第1の材料の1官能もしくは2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基との重合反応により結合する。ビスフェノール骨格は、樹脂組成物2a及び硬化物2において柔軟性を高める効果を有する。これにより成形型を用いて硬化物2を成形する際に、型形状を精度よく転写することが可能になる。ビスフェノールとは2個のヒドロキシフェニル基を有する化合物の総称であるが、本明細書においてビスフェノール骨格とはジフェニルメタンと同義である。ジフェニルメタンは芳香族炭化水素の1種であり、メタンがもつ水素2個がフェニルに変わった構造をもつ。
第2の材料として商業的に入手可能なものは、例えば、新中村化学株式会社製のビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレートシリーズとして、BPE-80N(m+n=2.3)、BPE-100(m+n=2.6)、BPE-200(m+n=4)、BPE-300(m+n=7)、BPE-500(m+n=10)、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレートシリーズとしてABE-300(m+n=3)、A-BPE-4(m+n=4)、A-BPE-10(m+n=10)、A-BPP-3(m+n=3)が挙げられる。ビスフェノール骨格を有する化合物(単量体)及びその重合体は1種類のみでもよいが、硬化物2の成形時の転写精度、硬化収集量、吸水膨張率、光学特性等に合わせて2種類以上を併用してもよい。
樹脂組成物2aおける第1の材料及び第2の材料の含有割合は、90質量%以上99.5質量%以下であることが好ましい。すなわち、硬化物2における第1の(メタ)アクリレート化合物及び第2の(メタ)アクリレート化合物の含有割合が、90質量%以上99.5質量%以下の範囲であることが好ましい。硬化物2の転写精度を高精度にし、かつ、優れた吸水膨張率とするためである。
樹脂組成物2aおける第1の材料及び第2の材料の和に対する第1の材料の含有割合は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。すなわち、硬化物2における第1の(メタ)アクリレート化合物及び第2の(メタ)アクリレート化合物の和に対する第1の(メタ)アクリレート化合物の含有割合が、50質量%以上90質量%以下の範囲であることが好ましい。硬化物2の転写精度を高精度にし、かつ、優れた吸水膨張率とするためである。
上記一般式(3)中のm+nの平均値で表されるエーテル部位の長さは短い方が好ましい。エーテル部位の長さが長いほど樹脂組成物2aの柔軟性が増し、硬化物2も柔らかくなるが、吸水膨張率が高くなるおそれがある。硬化物2の吸水膨張率を低くする観点においては、m+nの平均値は2以上10以下の範囲であることが好ましい。より好ましいm+nの平均値は2以上5以下の範囲である。
樹脂組成物2aは重合開始剤を含有してもよい。重合開始剤は光重合開始剤でもよいし、熱重合開始剤であってもよく、選択する製造プロセスによって決定することができる。但し、非球面形状を製造するためのレプリカ成形を行う場合は、硬化速度が速いという観点において、光重合開始剤であることが好ましい。商業的に入手可能な光重合開始剤としては、例えば、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、4-フェニルベンゾフェノン、4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジフェニルベンゾフェノン、4,4’-ジフェノキシベンゾフェノンが挙げられる。樹脂組成物2aにおける光重合開始剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が0.01質量%より少なくなると十分な反応性が得られず、10質量%を超えると硬化物2の透過率が低下するおそれがある。なお、硬化物2には未反応の重合開始剤が残存する。
また、樹脂組成物2aは、必要に応じて、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、離型剤、顔料、染料等を添加してもよい。
硬化物2は透明性が高いことが好ましい。具体的には、厚み500μm換算における波長400nmに対する透過率が70%以上であることが好ましい。また、硬化物2のアッベ数は40以上であることが好ましい。これらの範囲であれば、光学素子10をレンズとして光学系に用いる際に、様々な光学設計に対応可能である。
図1において、硬化物2の厚みは第1面1Aの面内において均一ではない。すなわち、硬化物2の透明基材1と接していない側の表面の形状は非球面である。本実施形態においては、素子の中心O付近で薄く最小厚みd1となり、素子の周縁部で最大厚みd2となる厚みの分布を有するが、必ずしもこの形状でなくてもよい。例えば、素子の中心O付近で最大厚みd2となり、素子の周縁部で最小厚みd1となるような厚みの分布を有していても良い。硬化物2の最小厚みd1に対する最大厚みd2の割合が、1より大きく、かつ30以下の範囲であることが好ましい。30より大きくなると、硬化物2の厚みの差が大きいため硬化収縮の際に面精度が高精度に保てなくなるおそれがある。なお、最小厚みd1が300μm以下であることが好ましく、最大厚みd2が10μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましい。
また、透明基材1上に設けられた硬化物2の吸水膨張率は0.30%未満であることが好ましい。吸水膨張による光学特性の変動が小さくできるためである。吸水膨張率が0.30%以上であると、吸水前後における硬化物2の表面形状の変化が大きく、光学系に用いた際の画質に変動を及ぼすことがある。そのため、好ましくは0.20%未満である。さらに好ましくは0.15%以下である。なお、吸水膨張率は、温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽に光学素子10を16時間載置し、室温環境下(23℃±2℃)に取り出した20分後に、硬化物2の表面形状を形状測定機によって評価するものである。
なお、本実施形態において光学素子10は透明基材1を有する態様であったが、光学素子10の光学特性によっては、透明基材1を有していなくてもよい。
[光学素子の製造方法]
第1実施形態の光学素子の製造方法は、特に限定されないが、好適な製造工程の一例を説明する。図2は第1実施形態に係る光学素子の製造方法を示す概略図である。
まず、透明基材1と樹脂組成物2aと、を用意する(用意工程)。透明基材1と硬化物2の密着性を向上させるために、透明基材の第1面1Aには前処理をしておくことが好ましい。透明基材1がガラスであれば、例えば、シランカップリング処理、コロナ放電処理、UVオゾン処理、プラズマ処理を選択することができる。第1面1Aと硬化物2を直接化学結合することで密着性をより高めることができるという観点においては、シランカップリング剤を用いてカップリング処理をすることが好ましい。具体的なカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシランが挙げられる。
続いて、図2(a)に示すように、型4の上に樹脂組成物2aを滴下する。樹脂組成物2aは光重合開始剤を含む紫外線硬化型の組成物である。透明基材1をイジェクタ5に載せて型4と対向する位置に配置する。型4は、例えば、表面に所望の非球面形状の反転形状を有し、ステンレス材や鋼材などの金属母材上にNiPメッキや無酸素銅メッキしたものを精密加工機で切削して作製できる金型である。また、型4の表面は樹脂の離型性を制御するために離型剤を塗布してもよい。離型剤の種類は特に限定されないが、例えば、フッ素コーティング剤がある。
続いて、図2(b)に示すように、イジェクタ5を降下させ型4が透明基材1に近づくことにより、透明基材1に樹脂組成物2aが設けられる(設置工程)。イジェクタ5をさらに降下させて型4と透明基材1の間に未硬化の樹脂組成物2aが充填され、所望の形状に成形される(成形工程)。
そして、紫外線光源6を用いて透明基材1の第2面1B側から紫外線を光照射することにより、樹脂組成物2aの重合硬化物である硬化物2が得られる(硬化工程、光照射工程)。
その後、重合・硬化した硬化物2を型4から離型することにより、透明基材1上に非球面形状の硬化物2を有する光学素子10が得られる。なお、硬化物2を形成した後に、大気中もしくは無酸素雰囲気で紫外線の追加照射や熱処理を行ってもよい。
以上の製造方法により、第1実施形態の光学素子を製造することができる。なお、設置工程では、樹脂組成物2aは型4と透明基材1の両方に滴下してもよいし、透明基材1のみに滴下してもよい。また、樹脂組成物2aが硬化開始剤として熱重合開始剤を含む場合は光照射工程を熱処理工程に変更してもよい。また、硬化工程の後に、光学素子10から透明基材1を剥離させて、硬化物2のみを光学素子10としてもよい。
(第2実施形態)
[光学機器]
第1実施形態の光学素子の具体的な適用例としては、カメラやビデオカメラ用の光学機器(撮影光学系)を構成するレンズや液晶プロジェクター用の光学機器(投影光学系)を構成するレンズ等が挙げられる。また、DVDレコーダー等のピックアップレンズに用いることもできる。これらの光学系は、筐体内に配置された少なくとも1つのレンズからなり、それらのレンズの少なくとも1つに第1実施形態の光学素子を用いることができる。
(第3実施形態)
[撮像装置]
図3は、第1実施形態の光学素子を用いた撮像装置の好適な実施形態の一例である、一眼レフデジタルカメラ100の構成を示す概略図である。図3において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602に対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体620内の撮影光学系の光軸上に配置された複数のレンズ603、605などからなる光学系を介して撮影される。第1実施形態の光学素子は、例えば、レンズ603、605に用いることができる。ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621内の主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610がレンズ鏡筒601から入射して撮影光学系を通過した光を受光して撮影光像を結像するようにする。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
尚、ここでは、一眼レフデジタルカメラを用いて撮像装置を説明したが、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラ、ドローンなどにも同様に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて説明をする。まず、実施例及び比較例の評価方法について説明する。
[評価方法]
(d線の屈折率nd及びアッベ数νd)
実施例及び比較例の光学素子の硬化物の屈折率nd及びアッベ数νdは、光学特性評価用のサンプルを作製して評価した。なお、光学特性評価用のサンプルを用いずとも、光学素子から透明基材を剥がし、硬化物を取り出して評価することも可能である。まず、光学特性評価用サンプルの作製方法について説明する。
厚さ1mmのガラス(S-TIH、オハラ社製)の上に、厚み500μmのスペーサーと測定対象である硬化物の前駆体である未硬化の樹脂組成物を配置した。スペーサーを介してその上に厚み1mmの石英ガラスを載せ、未硬化の樹脂組成物を押し広げた。次に、スペーサーを外し、石英ガラスの上から、高圧水銀ランプ(UL750、HOYA CANDEO OPTRONICS製)を用いて、20mW/cm(=石英ガラスを通した照度)で2500秒間(50J)、光を照射した。樹脂組成物を硬化させ、石英ガラスを剥がした後に、80℃16時間でアニールしたものを光学特性評価用のサンプルとした。硬化した硬化物の形状は、厚さが500μm、ガラス面内の大きさは5mm×20mmであった。
得られたサンプルに対し、屈折計(KPR-30、島津製作所製)を用いて、ガラス側から、f線(486.1nm)の屈折率nf、d線(587.6nm)の屈折率nd及びc線(656.3nm)の屈折率ncを測定した。
また、測定した各屈折率からアッベ数を算出した。アッベ数νdは、以下の式により算出した。
アッベ数νd=(nd-1)/(nf-nc)
(最小厚みd1、最大厚みd2)
実施例及び比較例の光学素子の硬化物の最小厚みd1及び最大厚みd2は、透明基材上に硬化物を設けた光学素子を用いて評価した。
まず、作製した光学素子を80℃の恒温槽に16時間載置した。続いて、室温環境下(23℃±2℃)に光学素子を取り出し、20分後に硬化物の表面形状を形状測定機(フォームタリサーフLaser、TAYLORHOBSON製)を用いて評価した。測定は光学素子端部から中心部を通過し反対側の端部までを直線で光走査し、その走査速度は0.5mm/secとした。透明既基材1と硬化物2の界面から、測定した硬化物2の表面形状までの垂直方向の距離を算出し、硬化物2の厚みDを得た。図4に厚みDを示した。さらに、得られた厚みの径方向の平均値をD0とし、最小厚みをd1、最大厚みをd2とした。
(吸水膨張率)
実施例及び比較例の光学素子の硬化物の吸水膨張率は、透明基材上に硬化物を設けた光学素子を用いて評価した。
まず、作製した光学素子を温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽に16時間載置した。続いて、室温環境下(23℃±2℃)に光学素子を取り出し、20分後に硬化物の表面形状を形状測定機(フォームタリサーフLaser、TAYLORHOBSON製)を用いて評価した。測定は光学素子端部から中心部を通過し反対側の端部までを直線で光走査し、その走査速度は0.5mm/secとした。吸水前の平均厚みD0と、吸水後の平均厚みD1から、以下の式を用い光学素子の吸水膨張率[%]を算出した。
吸水膨張率[%]=((D1-D0)/D0)×100
(評価)
A:硬化物の剥がれがなく、吸水膨張率が0.20%未満のもの。
B:硬化物の剥がれがなく、吸水膨張率が0.30%未満のもの。
C:硬化物の剥がれがある、又は、吸水膨張率が0.30%以上のもの。
[光学素子の作製]
(実施例1)
まず、硬化物の前駆体である樹脂組成物の調整を行った。脂環骨格を有し1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第1の材料として、(A-1)ジシクロペンタメタクリレート(1官能、FA-513M、昭和電工マテリアルズ社製)を70質量部用意した。また、ビスフェノール骨格を有し2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第2の材料として、(B-1)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=7、BPE-300、新中村化学社製)を30質量部用意した。また、重合開始剤として、(C-1)1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤、Omnirad184、IGM Resins社製)を2質量部用意した。これらの材料を瓶に入れ、均一になるよう混合し、実施例1の樹脂組成物2aを得た。
次に、図2に示した製造方法を用いて、図1に示した光学素子を製造した。透明基材1として、直径32mmの光学ガラス(S-TIM8、オハラ社製)を用意した。形状は、一方の面(第1面1A)がR40mmの凹球面形状であり、他方の面(第2面1B)がR75mmの凸球面形状であった。型4は、金属母材上にメッキしたNiP層を精密加工機で切削加工し、成形対象である硬化物2の非球面形状を反転した形状を形成したものを用いた。
続いて、透明基材1と型4との間に樹脂組成物2aを充填した。その後、樹脂組成物2aを硬化させるために、波長365nmの強度が10mW/cmの紫外線を200秒間全面に照射した。型4を離型した後に、80℃で24時間加熱することにより、透明基材1の第1面1Aの上に硬化物2を形成し、実施例1の光学素子10を得た。
実施例1の硬化物2のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは47であった。実施例1の光学素子における硬化物は、中心部で厚みが最小となり、周縁部で厚みが最大となる形状であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.15%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例2)
実施例2は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第2の材料として、(B-2)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=10、BPE-500、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。また、型4の形状が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例2の光学素子を作製した。
実施例2の硬化物のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは48であった。最小厚みd1は30μm、最大厚みd2は380μmであり、d2/d1は12.7であった。また、吸水膨張率は0.19%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例3)
実施例3は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第2の材料として、(B-3)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例3の光学素子を作製した。
実施例3の硬化物のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは47であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.07%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例4)
実施例4は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第2の材料として、(B-4)ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(2官能、m+n=3、ABE-300、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例4の光学素子を作製した。
実施例4の硬化物のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは47であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.07%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例5)
実施例5は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第1の材料として、(A-1)ジシクロペンタメタクリレート(1官能、FA-513M、昭和電工マテリアルズ社製)を30質量部、(A-2)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(2官能、A-DCP、新中村化学社製)を40質量部用意した点が実施例1と異なる。また、第2の材料として、(B-3)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例5の光学素子を作製した。
実施例5の硬化物のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは47であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.14%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例6)
実施例6は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第1の材料として、(A-3)ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート(2官能、DCP-M、共栄社化学社製)を70質量部用意した点が実施例1と異なる。また、第2の材料として、(B-3)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例6の光学素子を作製した。
実施例6の硬化物のd線の屈折率ndは1.54、アッベ数νdは46であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.15%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例7)
実施例7は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第1の材料として、(A-1)ジシクロペンタメタクリレート(1官能、FA-513M、昭和電工マテリアルズ社製)を35質量部、(A-2)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(2官能、A-DCP、新中村化学社製)を55質量部用意した点が実施例1と異なる。また、第2の材料として、(B-3)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)を10質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例7の光学素子を作製した。
実施例7の硬化物のd線の屈折率ndは1.53、アッベ数νdは49であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.17%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例8)
実施例8は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第1の材料として、(A-2)ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(2官能、A-DCP、新中村化学社製)を40質量部、(A-4)イソボルニルメタクリレート(2官能、IB、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。また、第2の材料として、(B-3)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例8の光学素子を作製した。
実施例8の硬化物のd線の屈折率ndは1.54、アッベ数νdは47であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.13%であり、剥がれも確認されなかったため評価はAとした。
(実施例9)
実施例9は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第2の材料として、(B-5)ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=17、BPE-900、新中村化学社製)を30質量部用意した点が実施例1と異なる。それ以外の点は実施例1と同様の方法で実施例9の光学素子を作製した。
実施例9の硬化物のd線の屈折率ndは1.52、アッベ数νdは48であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.26%であり、剥がれも確認されなかったため評価はBとした。
(比較例1)
比較例1は実施例1と樹脂組成物の組成が異なる。具体的には、第2の材料として、(B-6)ビスフェノールAのEO付加物アクリレート(2官能、m+n=3、ABE-30、新中村化学社製)を100質量部用意した点が実施例1と異なる。比較例1は、第1の材料を用意しなかった。それ以外の点は実施例1と同様の方法で比較例1の光学素子を作製した。
比較例1の硬化物のd線の屈折率ndは1.56、アッベ数νdは35であった。最小厚みd1は50μm、最大厚みd2は400μmであり、d2/d1は8.0であった。また、吸水膨張率は0.30%であったため評価はCとした。
実施例1~9及び比較例1の樹脂組成物の配合比を表1に示す。
Figure 2023055538000017
表1中の種類の項に示した英数字は、以下のことを指す。
(A)第1の材料
A-1:ジシクロペンタメタクリレート(1官能、FA-513M、昭和電工マテリアルズ社製)
A-2:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(2官能、A-DCP、新中村化学社製)
A-3:ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート(2官能、DCP-M、共栄社化学社製)
A-4:イソボルニルメタクリレート(2官能、IB、新中村化学社製)
(B)第2の材料
B-1:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=7、BPE-300、新中村化学社製)
B-2:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=10、BPE-500、新中村化学社製)
B-3:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=2.3、BPE-80N、新中村化学社製)
B-4:ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(2官能、m+n=3、ABE-300、新中村化学社製)
B-5:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(2官能、m+n=17、BPE-900、新中村化学社製)
B-6:ビスフェノールAのEO付加物アクリレート(2官能、m+n=3、ABE-30、新中村化学社製)
(C)重合開始剤
C-1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤、Omnirad184、IGM Resins社製)
また、実施例1~9及び比較例1の光学素子の評価結果を表2に示す。
Figure 2023055538000018
表2より、樹脂組成物2aとして第1の材料と第2の材料とを有する実施例1~9は、吸水膨張率が0.30%未満であり、第2の材料しか含まない樹脂組成物を用いた比較例1より吸水膨張率が低いことが分かる。また、m+nの平均値が10以下である実施例1~8は、吸水膨張率が0.20%未満であり、m+nの平均値が17である実施例9よりも吸水膨張率が低かった。
以上より、一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレート化合物と、一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能の第2の(メタ)アクリレート化合物と、を有する硬化物を備える光学素子は、アッベ数が40以上と大きく、転写精度を高精度にし、かつ、優れた吸水膨張率であることが分かった。その結果、高湿環境下においても光学性能が変動しにくい光学素子を提供できることが分かった。
1 透明基材
1A 第1面
1B 第2面
2 硬化物
2a 樹脂組成物
4 型
5 イジェクタ
10 光学素子
600 一眼レフデジタルカメラ(撮像装置)
601 レンズ鏡筒(交換レンズ、光学機器)
602 カメラ本体
603 レンズ(光学素子)
604 内筒
605 レンズ(光学素子)
606 絞り
607 主ミラー
608 サブミラー
609 シャッタ
610 撮像素子
611 プリズム
621 筐体

Claims (20)

  1. 下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の第1の(メタ)アクリレート化合物と、下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能の第2の(メタ)アクリレート化合物と、を有する硬化物を備えることを特徴とする光学素子。
    Figure 2023055538000019

    Figure 2023055538000020

    Figure 2023055538000021

    (上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
  2. 前記硬化物における前記第1の(メタ)アクリレート化合物及び前記第2の(メタ)アクリレート化合物の含有割合が、90質量%以上99.5質量%以下の範囲である請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記硬化物における前記第1の(メタ)アクリレート化合物及び前記第2の(メタ)アクリレート化合物の和に対する前記第1の(メタ)アクリレート化合物の含有割合が、50質量%以上90質量%以下の範囲である請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記一般式(3)におけるm+nの平均値が、2以上10以下の範囲である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記一般式(3)におけるm+nの平均値が、2以上5以下の範囲である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記硬化物が、さらに重合開始剤を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 前記硬化物の厚み500μm換算における波長400nmに対する透過率が、70%以上である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学素子。
  8. 前記硬化物のアッベ数が、40以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 前記光学素子は、さらに透明基材を有し、
    前記硬化物が、前記透明基材上に設けられている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 前記透明基材が、凹球面の第1面を有し、
    前記硬化物が、前記第1面に設けられている請求項9に記載の光学素子。
  11. 前記硬化物の最小厚みd1に対する最大厚みd2の割合が、1より大きく、かつ30以下の範囲である請求項9又は10に記載の光学素子。
  12. 前記最小厚みd1が300μm以下であり、前記最大厚みd2が10μm以上1000μm以下の範囲である請求項11に記載の光学素子。
  13. 前記硬化物の吸水膨張率が、0.30%未満である請求項9乃至12のいずれか1項に記載の光学素子。
  14. 透明基材と、下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第1の材料と下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第2の材料と重合開始剤を有する樹脂組成物と、を用意する用意工程と、
    前記透明基材に前記樹脂組成物を設ける設置工程と、
    前記樹脂組成物を硬化し、硬化物を形成する硬化工程と、
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
    Figure 2023055538000022

    Figure 2023055538000023

    Figure 2023055538000024

    (上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
  15. 前記設置工程が、型を用いて前記樹脂組成物を成形する成形工程を含む請求項14に記載の光学素子の製造方法。
  16. 前記重合開始剤が、光重合開始剤であり、
    前記硬化工程が、光照射によって前記樹脂組成物を硬化する光照射工程を含む請求項14又は15に記載の光学素子の製造方法。
  17. 下記一般式(1)又は一般式(2)で示される脂環骨格を有する1官能又は2官能の(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第1の材料と、下記一般式(3)で示されるビスフェノール骨格を有する2官能(メタ)アクリレートの重合性官能基を有する第2の材料と、を有する樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物における前記第1の材料及び前記第2の材料の含有割合が、90質量%以上99.5質量%以下の範囲であることを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2023055538000025

    Figure 2023055538000026

    Figure 2023055538000027

    (上記一般式(3)中、R及びRは水素原子又はメチル基を表し、m+nは数値を表す。)
  18. 前記樹脂組成物における前記第1の材料及び前記第2の材料の和に対する前記第1の材料の含有割合が、50質量%以上90質量%以下の範囲である請求項17に記載の樹脂組成物。
  19. 筐体と、前記筐体内に配置された少なくとも1つのレンズを有する光学系と、を有する光学機器であって、
    前記レンズの少なくとも一つが、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光学素子であることを特徴とする光学機器。
  20. 筐体と、前記筐体内に配置された少なくとも1つのレンズを有する光学系と、前記光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を有する撮像装置であって、
    前記レンズの少なくとも一つが、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光学素子であることを特徴とする撮像装置。
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