JP2008064254A - パイロット式流量制御弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パイロット式流量制御弁10のパイロット弁46の駆動装置62を、パイロット弁46の弁軸48の外周面の雄ねじ49と、固定コア、電磁コイル76−1,76−2、及び雄ねじ49に螺嵌する雌ねじ孔68が形成されたマグネットロータ66を備えたステッピングモータ64と、を含んで構成する。そしてマグネットロータ66の回転によるパイロット弁46のねじ送りで連続的な水流量調節を行い、またマグネットロータ66を回転方向位置を保持しつつ軸方向に移動させて吐水と止水の切替えを行う。
【選択図】 図1
Description
そのため、例えば小型のステッピングモータを用いて電気駆動にて主弁を進退移動させるといったことが困難であった。
そこで水栓における操作を軽くする手段として、かかる水栓をパイロット式流量制御弁、即ちパイロット弁を進退移動させることによって主弁をこれに追従して進退移動させ、主水路の開度を変化させる方式のパイロット式流量制御弁を内蔵した水栓とすることが考えられる。
同図において200,202は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、204はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
この主弁204は、主弁座206に対し接近離間方向に進退移動して主水路の開度を変化させ、その開度に応じて主水路における水流量を調節する。
主弁204には、これを貫通して流入水路200と背圧室208とを連通させる導入小孔210が設けられている。
この導入小孔210は、流入水路200からの水を背圧室208に導いて背圧室208の圧力を増大させる。
主弁204にはまた、これを貫通して背圧室208と流出水路202とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路212が設けられている。
このパイロット水路212は、背圧室208内の水を流出水路202に抜いて背圧室208の圧力を減少させる。
図7において、220はパイロット弁214を軸216とともに進退駆動させる電気的駆動装置である。
また一方パイロット弁214が図中上向きに後退移動すると、パイロット弁214とパイロット弁座218との隙間が大きくなってパイロット水路212の開度が大となり、ここにおいて背圧室208からパイロット水路212を通じて流出水路202に抜ける水の量が多くなって背圧室208の圧力が減少する。
そして主弁204は、その背圧室208の圧力と流入水路200の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁214の進退移動に追従して図中上下方向に進退移動し、主水路の開度を変化させる。
そしてその主水路の開度の変化に応じて、流入水路200から流出水路202への水流量が調節される。
またパイロット弁214がパイロット水路212を開放し、これによって主弁204が主弁座206から離間して主水路を開くことで吐水を行い、且つその吐水量を主弁204による主水路の開度変化によって調節する。
即ち、せっかく所望水流量となるようにパイロット弁214の位置を調節したとしても、その後止水を行うと必然的にパイロット弁214の位置が移動してしまうため、次に吐水部から吐水を行うとき再び所望水流量(吐水量)となるようにパイロット弁214の位置を再調節しなければならないといった面倒がある。
本発明はこのような問題点を解決するために案出されたものである。
そのため、吐水時に前回調節した即ち設定済みの吐水流量で吐水させることができ、吐止水動作の度に吐水量を所望水流量に再調節するといった面倒が無く、操作が簡単であって使い勝手が良好である。
即ちステッピングモータとして、非通電遮断の状態でマグネットロータの磁極と固定コアの極歯との磁気吸引力でマグネットロータの回転方向位置を保持するものを用いることで、これを容易に実現することができる。
ここで吐水と止水の操作は、例えばステッピングモータへのオン通電(通電開始)とオフ通電(通電遮断)とを行うためのスイッチ等のオン・オフ操作部を設けておき、そのスイッチ等の操作により吐水と止水とを切り替えるようになすことができる。
またこの請求項3によれば、停電時には通電遮断(オフ通電)により自動的にマグネットロータが押下げ位置まで移動してパイロット弁が閉弁するため、停電状態でパイロット弁が開弁したままとなって水が出っ放しになってしまうといったことを有効に防止することができる。
このようにすれば、ステッピングモータ即ち電磁コイルによる磁気吸引力が弱い場合であっても、スムーズ且つ確実に押下げ位置にあるマグネットロータを引上げ位置まで引き上げることができる。即ち閉弁状態にあるパイロット弁を開弁状態まで持ち上げることができる。
図1及び図2において、10は本実施形態のパイロット式流量制御弁で、12はバルブボデー、14はその内部に形成された主水路、14A,14Bは主水路14を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路である。
ここでバルブボデー12は、本体部16と、本体部16にねじ込まれて本体部16の開口部を閉鎖する閉鎖部材18を固定する固定ナット20とを有している。
円筒部22の外周部には流入室26が形成されており、その流入室26に整流部28が設けられている。
この整流部28は、図中横向きに流入した水の流れを上向きの、即ち縦向きの流れに整流して後述の主弁32に作用させる働きをなす。
この整流部28は、整流板の間に上下方向の整流路30を円筒部22の周りに複数備えている。
この実施形態において、ダイヤフラム弁からなる主弁32は樹脂性の硬質の主弁本体34と、これにより保持されたゴム製のダイヤフラム膜36とからなっている。
詳しくは、主弁座24への着座によって主水路14を遮断し、また主弁座24から図中上向きに離間することによって、主水路14を開放する。
また主弁座24からの離間量に応じて主水路14の開度を大小変化させ、主水路14を流れる水の流量即ち吐水部からの吐水量を調節する。
この主弁ガイド38は、円筒部22の内側に嵌入して主弁32の移動を案内するもので、円形且つ図中上下方向に厚肉をなす上部38-1と、放射状に設けられた板状の下部38-2とからなっている。
背圧室40は、内部の圧力を主弁32に対して図中下向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。
主弁32には、これを貫通して1次側の流入水路14Aと背圧室40とを連通させる導入小孔42が設けられている。
この導入小孔42は、流入水路14Aからの水を背圧室40に導いて背圧室40の圧力を増大させる。
このパイロット水路44は、背圧室40内の水を流出水路14Bに抜いて背圧室40の圧力を減少させる。
背圧室40の内部には、パイロット弁46が図中上下方向即ち主弁32の進退方向と同方向に進退移動可能に設けられている。
パイロット弁46は、図中下向きの前進移動によりパイロット弁座47に着座することでパイロット水路44を閉鎖し、また図中上向きに後退移動してパイロット弁座47から離間することによってパイロット水路44を開放する。
詳しくは、図2はパイロット弁46がパイロット弁座47に、また主弁32が主弁座24にそれぞれ着座して主水路14を閉鎖した状態、即ち止水状態を表しており、この状態から図4(I)に示しているようにパイロット弁46が図中上向きに後退移動すると、パイロット弁46とパイロット弁座47との間に隙間が生じ、背圧室40内の水がパイロット水路44を通じて流出水路14B側に抜け出して背圧室40の圧力が減少する。
この主弁32の後退移動によって主弁32と主弁座24との間に隙間が生じ、流入水路14Aから流出水路14Bに水が流通する。即ち吐水部から吐水が行われる。
図1はこのようにして主弁32が大きく開いた状態を表している。
このためその増大した圧力により主弁32が今度は図中下向きに前進移動して、背圧室40の圧力と流入水路14Aの圧力をバランスさせる位置で停止する。
そしてこの状態から更にパイロット弁46が図中下向きに前進移動すると主水路14の開度が更に小さくなり、主水路14を流れる水の流量が更に減少する(図5(III)参照)。
これに対応して閉鎖部材18の頭部54には嵌入孔56が形成されており、そこに嵌入部52が図中上下方向即ちパイロット弁46及び主弁32の進退方向に摺動可能に嵌入されている。
尚、弁軸48の外周面に設けられた雄ねじ49は、パイロット弁46を駆動する駆動装置62の一要素をなしている。
ここでマグネットロータ66は断面円形の柱状をなしており、その円周面に沿ってN極とS極との各磁極が交互に且つ多極に形成されている。
詳しくは、ステッピングモータ64に対しマグネットロータ66を回転させるための電流パルスが供給されることによって、かかるマグネットロータ66が回転動作させられる。
即ちマグネットロータ66は、図1に示す引上げ位置と図2に示す押下げ位置との間で軸方向に移動する際、マグネットロータ66と極歯78,80との磁気吸引力によって回転方向位置を維持する。
但し場合によってマグネットロータ66の回転動作ではパイロット弁46が止水状態とならないように、その前進端を位置規制するようにしても良い。
従ってこのとき、マグネットロータ66と弁軸48即ちパイロット弁46とは、図中上下方向の即ち軸方向の同じ関係位置を保った状態で、ともに下向きに押し下げられる。
従ってこのときの水流量即ち吐水量は、オフ通電する前の吐水量と同じとなる。
この実施形態は、押下げ位置にあるマグネットロータ66を引上げ位置まで引き上げる際、その引き上げを補助する補助引上げ手段として電磁コイル及び固定鉄芯(磁性材)を設けた例である。
これにより、固定鉄芯86とマグネットロータ66の間に生じた磁気吸引力が、マグネットロータ66を引上げ位置まで引き上げる際の補助力として作用する。
この実施形態では、図6(B)に示すようにマグネットロータ66の引上げ位置は、閉鎖部材18の頭部54に設けられた固定鉄芯86とマグネットロータ66とがスリップワッシャー70を介して当接することで位置規定される。
14 主水路
14A 流入水路
14B 流出水路
24 主弁座
32 主弁
40 背圧室
42 導入小孔
44 パイロット水路
46 パイロット弁
48 弁軸
49 雄ねじ
62 駆動装置
64 ステッピングモータ
66 マグネットロータ
68 雌ねじ孔
74 コイルばね(付勢部材)
76−1,76−2,84 電磁コイル
78,80 極歯
82-1A,82-1B,82-2A,82-2B 固定コア
86 固定鉄芯
Claims (4)
- (イ)主弁座に対して接近離間方向に進退移動して主水路の開度を変化させる主弁と、(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に前記主弁を貫通して設けられ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ホ)該主弁の進退方向に進退移動して前記パイロット水路の開度を制御し、前記背圧室と前記流入水路との圧力バランスによって該主弁を追従して進退移動させるパイロット弁と、(ヘ)該パイロット弁を駆動する駆動装置と、を有するパイロット式の流量制御弁であって、
前記駆動装置は、(a)前記パイロット弁の移動方向に、該パイロット弁に一体移動状態に設けられた弁軸の外周面に形成された雄ねじと、(b)円周方向に沿って複数の極歯を有する磁性材からなる固定コア、該極歯を磁化する電磁コイル、及び該固定コアの内側に回転可能且つ軸方向に移動可能に配置され、中心部に前記雄ねじに螺嵌する雌ねじ孔が形成されるとともに円周方向に沿ってN極とS極の各磁極が交互に形成されたマグネットロータを備え、該マグネットロータの回転によりねじ送りで前記パイロット弁を進退移動させるステッピングモータと、
を有し、前記マグネットロータの回転による前記パイロット弁のねじ送りで連続的な水流量調節を行うとともに、該マグネットロータを回転方向位置を保持しつつ吐水位置である所定の引上げ位置と止水位置である押下げ位置との間で、前記パイロット弁とともに軸方向に移動させて吐止水を行うものとなしてあることを特徴とするパイロット式流量制御弁。 - 請求項1において、前記ステッピングモータは、通電遮断状態で前記マグネットロータの磁極と前記固定コアの極歯との磁気吸引力で該マグネットロータの回転方向位置を保持するものとされていることを特徴とするパイロット式流量制御弁。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記駆動装置が、前記マグネットロータを前記弁軸とともに前記パイロット弁の閉弁方向に付勢する付勢部材を有しており、その付勢力にて前記ステッピングモータのオフ通電により前記マグネットロータを前記引上げ位置から前記押下げ位置まで軸方向に移動させて開弁状態にあるパイロット弁を閉弁させ、オン通電により前記電磁コイルによる磁気吸引力に基いて前記マグネットロータを前記押下げ位置から前記付勢力に抗して前記引上げ位置まで引き上げるものとされていることを特徴とするパイロット式流量制御弁。
- 請求項3において、前記駆動装置には、前記オン通電時に前記マグネットロータに対する前記押下げ位置から前記引上げ位置への引き上げを補助する補助引上げ手段が備えてあることを特徴とするパイロット式流量制御弁。
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