JP4602857B2 - パイロット式流調弁装置及びそれに用いる主弁ユニット - Google Patents
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Description
そこで水栓における操作を軽くする手段として、かかる水栓をパイロット式流調弁装置、即ちパイロット弁を進退運動させることによって主弁をこれに追従して進退運動させ、主水路の開度を変化させる方式のパイロット式流調弁装置を内蔵した水栓とすることが考えられる。
同図において200,202は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、204はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
この主弁204は、主弁座206に対し接近離間方向に進退運動して主水路の開度を変化させ、その開度に応じて主水路における流量を調節する。
主弁204には、これを貫通して流入水路200と背圧室208とを連通させる導入小孔210が設けられている。
この導入小孔210は、流入水路200からの水を背圧室208に導いて背圧室208の圧力を増大させる。
主弁204にはまた、これを貫通して背圧室208と流出水路202とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路212が設けられている。
このパイロット水路212は、背圧室208内の水を流出水路202に抜いて背圧室208の圧力を減少させる。
図7において220はパイロット弁214を駆動軸216とともに進退駆動させる電気的駆動装置である。
また一方パイロット弁214が図中上向きに後退運動すると、パイロット弁214とパイロット弁座218との隙間が大きくなってパイロット水路212の開度が大となり、ここにおいて背圧室208からパイロット水路212を通じて流出水路202に抜ける水の量が多くなって背圧室208の圧力が減少する。
そして主弁204は、その背圧室208の圧力と流入水路200の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁214の進退運動に追従して図中上下方向に進退運動し、主水路の開度を変化させる。
そしてその主水路の開度の変化に応じて、流入水路200から流出水路202への水の流量が調節される。
而して主弁204が主弁座206に対し凍結により固着したままとなってしまうと、その後の動作に支障を来してしまう。
パイロット弁214が主弁204に対して、具体的にはパイロット弁座218に対して片当りしてしまうと、パイロット弁214が図中下向きに前進運動しても、パイロット弁214と主弁204との隙間がそれ以上に小さくならず、その結果として背圧室208の圧力がパイロット弁214の下降運動に伴って増大せず、そのためパイロット弁214、詳しくは駆動軸216が直接主弁204を下向きに押すこととなって操作荷重が大となり、操作が重くなってしまうのである。
尚、下記特許文献2には駆動軸を2次側の流出水路の側から主弁を貫通して背圧室側に突出させ、パイロット弁を進退運動させるようになして、これにより流量調節を行うとともに、駆動軸を大きく背圧室側に移動させることで、その駆動軸の途中に設けた大径部にて主弁を強制的に押し上げ、弁座から離間させるようにした点、即ち主弁を強制的に開弁させるようになした点が開示されている。
しかしながらこの特許文献2に開示のものはパイロット弁ケースを備えておらず、また駆動軸によりパイロット弁ケースを介して主弁を強制的に開弁させるといったものではなく、本願発明とは異なっている。
即ち、本発明では請求項2に従ってパイロット弁ケースの内周面をパイロット弁の外周面に摺動可能に嵌合させる状態で設けて、パイロット弁ケースをパイロット弁の進退運動の際のガイドとして構成するといったことが可能となる。そしてこのことによって、パイロット弁を主弁に対し常に垂直姿勢を維持した状態で、詳しくは主弁に設けたパイロット弁座に対し垂直姿勢を維持した状態で進退運動をさせることが可能となる。
このようにしておけば、駆動軸の後退移動時にその復帰ばねの付勢力に基づいて駆動軸とは別体を成すパイロット弁を良好に前進運動させることができる。
ここでパイロット弁はプランジャにて構成しておくことができる。
またパイロット弁ケースは、そのプランジャに対応した円筒形状に形成しておくことができる。
このようにしておけば、主弁自体の傾きをもケースガイドにて良好に防止しつつ、主弁を円滑に進退運動させることが可能となる。
図1において、10は本実施形態のパイロット式流調弁装置で、12,14は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、16はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
この主弁16は、主弁座22に対して接近離間方向に進退運動して主水路の開度を変化させる。
詳しくは、主弁座22への着座によって主水路を遮断し、また主弁座22から図中上向きに離間することによって主水路を開放する。
この主弁16の図中上側、即ち主弁16に対し流出水路14と反対側に背圧室ケース23が設けられており、この背圧室ケース23の内側に、主弁16の背後の背圧室24が形成されている。
背圧室24は、内部の圧力を主弁16に対し閉弁方向の押圧力として作用させる。
この導入小孔26は、流入水路12からの水を背圧室24に導いて背圧室24の圧力を増大させる。
主弁16にはまた、これを貫通して背圧室24と2次側の流出水路14とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路28が設けられている。
このパイロット水路28は、背圧室24内の水を流出水路14に抜いて背圧室24の圧力を減少させる。
このパイロット弁30は図中上下方向、即ち主弁16に設けられたパイロット弁座34に対し図中上下方向(軸方向)に進退運動してパイロット水路28の開度を変化させる。
詳しくは、パイロット弁30がパイロット弁座34に着座することでパイロット水路28が遮断され、またパイロット弁30がパイロット弁座34から図中上向きに軸方向に離間することでパイロット水路28が開放される。
更にパイロット弁30のパイロット弁座34からの離間量に応じてパイロット水路28の開度が変化せしめられる。
即ちパイロット弁30は、このパイロット弁ケース35を介して主弁16に組み付けられており、それらパイロット弁30,パイロット弁ケース35及び主弁16が一体の主弁ユニット17を構成している。
ここでパイロット弁ケース35は、パイロット弁30を主弁16に対して組み付ける組付部材としての働きを有するとともに、パイロット弁30の進退運動に際してこれを摺動案内し、パイロット弁30を主弁16に対し垂直姿勢に保持しつつ円滑に進退運動させるためのパイロット弁ガイドとしての働きも有している。
そしてこのパイロット弁ケース35には、図2に示しているようにその内部と外部の背圧室24とを連通させるための連通孔36が底部と周壁部とに設けられている。
またこのパイロット弁ケース35の底部とパイロット弁30との間には、コイルスプリングから成る復帰スプリング38が設けられており、かかる復帰スプリング38によってパイロット弁30が図中下向き、即ち閉弁方向に付勢されている。
このケースガイド40は、パイロット弁ケース35を介して主弁16を図中水平姿勢に維持しつつ、即ち傾き防止しつつこれを進退方向に運動案内する働きをなす。
この駆動軸42は、図中上部に小径部(スピンドル部)44を有しており、この小径部44が2次側の流出水路14の側から図1の部分拡大図に示しているように背圧室24に向かって主弁16の中心部に設けられた貫通孔46内に挿入され、上記のパイロット弁30に対し当接させられるようになっている。
この小径部44は、自身の外周面と貫通孔46の内周面との間に上記のパイロット水路28を形成する。
駆動軸42は、回転操作によってこれら雄ねじ54と雌ねじ56との螺合によるねじ送り作用で軸方向、即ち図1中上下方向に進退移動させられる。
この突出部52の更に図中下側には大径部58が設けられていて、この大径部58に対し図示を省略するハンドルが一体回転状態に組み付けられるようになっている。
そして駆動軸42即ち小径部44が一定量図中上向きに前進移動したところで、小径部44の先端がパイロット弁30に当接するに到り、この状態で更に駆動軸42を図中上向きに前進移動させると、ここにおいてパイロット弁30が図中上向きに後退運動させられ、図3(I)に示しているようにパイロット弁30とパイロット弁座34との間に隙間を生ぜしめる。
ここにおいて流入水路12の圧力が背圧室24の圧力に打ち勝つに至って主弁16が図3(II)に示しているように図中上向きに上昇、即ち後退運動させられ、そして背圧室24の圧力と流入水路12の圧力とが丁度バランスした位置で主弁16が停止する。
このとき主弁16と主弁座22との間には隙間が生じて、その隙間を通じて流入水路12から流出水路14へと水が流れ込む。
すると背圧室24の圧力が増大して流入水路12の圧力に打ち勝つに到り、これにより主弁16がそれらの圧力をバランスさせるように図4(II)に示しているように図中下向きに前進運動し、主弁座22との間の隙間を小さくする。即ち流入水路12から流出水路14への水の流量を減少させる。
そしてパイロット弁30が主弁16に形成されたパイロット弁座34に着座し、また主弁16が主弁座22に着座することで、流入水路12と流出水路14とが遮断された状態となって、ここに流入水路12から流出水路14への水の流れが停止する(図1に示す状態)。
即ちかかるパイロット弁ケース35を介して主弁16を図1に示す水平姿勢を維持しつつ(傾き防止しつつ)、進退運動の際の運動案内をなす。
この場合その嵌合クリアランスがある程度大きくなることによって主弁16が若干傾く恐れが生ずる。
従ってこの状態でパイロット弁30Aを図中下向きに前進運動させてもパイロット弁30Aとパイロット弁座34との間の隙間は小さくならないで、そのままパイロット弁30Aの図中下向きの前進運動につれて主弁16Aが下向きに押されてしまう。
その結果として操作荷重が大となって操作が重くなってしまう。
しかるに本実施形態ではこうした不都合を生じない。
それ故パイロット弁30がパイロット弁座34に当ることによって、その時点から操作が重くなってしまうといった不都合を生じない。
即ち、図5の(I)に示す閉弁状態の下で駆動軸42を図中上向きに前進移動させて、先ず(II)に示しているようにパイロット弁30をパイロット弁ケース35の底部に当接させ、更にそれらパイロット弁30及びパイロット弁ケース35を介して主弁16に図中上向きの駆動力を及ぼすことで、図5(III)に示しているように主弁16を強制的に主弁座22から図中上向きに離間させることができる。
即ち主弁16を強制的に開弁させることができる。
これにより閉弁状態での凍結により主弁16が主弁座22に固着してしまい、その後の流調動作に支障を来すといった問題を良好に解決することができる。
また背圧室ケース23にパイロット弁ケース35を摺動可能に嵌合させるケースガイド40を設けて、主弁16と一体に移動するパイロット弁ケース35の進退運動の際の案内を行うようにしているため、主弁16自体の傾きをケースガイド40にて良好に防止しつつ、主弁16を円滑に進退運動させることが可能となる。
例えば本発明においてはピストンにて主弁を構成することも可能であるし、また上例ではパイロット弁と駆動軸とが別体に構成してあるが、場合によってそれらパイロット弁と駆動軸とを一体に構成しておくことも可能である。
更に上例ではパイロット弁ケースがパイロット弁の全体をその内部に収容しているが、かかるパイロット弁ケースを、パイロット弁の先端側の一部をだけを挿入させるように構成することも可能であるし、また上記実施形態ではパイロット弁ケースがパイロット弁を摺動可能に嵌合してこれを摺動案内するように構成しているが、場合によってかかるパイロット弁ケースを、パイロット弁に対する摺動案内を有しないものとして構成するといったことも可能である。
12 1次側の流入水路
14 2次側の流出水路
16 主弁
17 主弁ユニット
22 主弁座
23 背圧室ケース
24 背圧室
26 導入小孔
28 パイロット水路
30 パイロット弁
34 パイロット弁座
35 パイロット弁ケース
38 復帰スプリング
40 ケースガイド
42 駆動軸
46 貫通孔
Claims (4)
- (イ)主弁座に対して接近離間方向に進退運動して主水路の開度を変化させる主弁と
(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と
(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と
(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に前記主弁を貫通して設けられ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と
(ホ)前記主弁と同方向に進退運動して該主弁に設けられたパイロット弁座に対する相対位置を変化させ、該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と
(ヘ)該パイロット弁を駆動する駆動軸と
を備え、該パイロット弁の進退運動に追従して前記主弁を進退運動させて前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置において
前記パイロット弁を内部に挿入させるパイロット弁ケースを前記主弁に固定的に前記背圧室内に設けるとともに、前記駆動軸を前記2次側の流出水路の側から前記主弁の貫通孔に挿入して通常時は前記パイロット弁を前記パイロット弁ケースに対して非当接状態に保ちながら該駆動軸を通じて前記パイロット弁を駆動させるようになし、且つ該駆動軸の前進移動により該パイロット弁を後退運動させて、前記パイロット弁ケースに当接させ、該駆動軸の駆動力を該パイロット弁及び該パイロット弁ケースを介して前記主弁に及ぼして該主弁を強制的に開弁させて水抜きできるようになしたことを特徴とするパイロット式流調弁装置。 - 請求項1において、前記パイロット弁ケースは内周面を前記パイロット弁の外周面に摺動可能に嵌合する状態で設けてあり、該パイロット弁ケースが該パイロット弁の進退運動の際の案内をなすパイロット弁ガイドとして構成してあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記背圧室を内側に形成する背圧室ケースが設けてあり、該背圧室ケースに、前記パイロット弁ケースを摺動可能に嵌合させるケースガイドが設けてあって、該ケースガイドが該パイロット弁ケースの進退運動の際の案内を行うようになしてあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
- 請求項1〜3の何れかに用いる主弁ユニットであって、前記パイロット弁ケースが前記主弁とは別体に構成してあり、該パイロット弁ケースが内部に前記パイロット弁を収容する状態に該パイロット弁とともに該主弁に組み付けてあり、それらパイロット弁,パイロット弁ケース及び主弁が全体として1つのユニットを構成していることを特徴とする主弁ユニット。
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