JP4738078B2 - パイロット式流調弁装置 - Google Patents
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Description
そこで水栓における操作を軽くする手段として、かかる水栓をパイロット式流調弁装置、即ちパイロット弁を進退運動させることによって主弁をこれに追従して進退運動させ、主水路の開度を変化させる方式のパイロット式流調弁装置を内蔵した水栓とすることが考えられる。
同図において200,202は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、204はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
この主弁204は、主弁座206に対し接近離間方向に進退運動して主水路の開度を変化させ、その開度に応じて主水路における流量を調節する。
主弁204には、これを貫通して流入水路200と背圧室208とを連通させる導入小孔210が設けられている。
この導入小孔210は、流入水路200からの水を背圧室208に導いて背圧室208の圧力を増大させる。
主弁204にはまた、これを貫通して背圧室208と流出水路202とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路212が設けられている。
このパイロット水路212は、背圧室208内の水を流出水路202に抜いて背圧室208の圧力を減少させる。
図13おいて220はパイロット弁214を駆動軸216とともに進退駆動させる電気的駆動装置である。
また一方パイロット弁214が図中上向きに後退運動すると、パイロット弁214とパイロット弁座218との隙間が大きくなってパイロット水路212の開度が大となり、ここにおいて背圧室208からパイロット水路212を通じて流出水路202に抜ける水の量が多くなって背圧室208の圧力が減少する。
そして主弁204は、その背圧室208の圧力と流入水路200の圧力とをバランスさせるようにして、パイロット弁214の進退運動に追従して図中上下方向に進退運動し、主水路の開度を変化させる。
そしてその主水路の開度の変化に応じて、流入水路200から流出水路202への水の流量が調節される。
これにより、導入小孔の目詰まりによって水が出っ放しとなってしまうといった不都合を良好に解消することができる。
この場合においてかかる係合部を、駆動軸から径方向に突出する形態で駆動軸に嵌着したリング部材にて構成しておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、係合部を駆動軸に簡単に設けることができる。
本発明において、上記パイロット弁はプランジャにて構成しておくことができる。
図1において、10は本実施形態のパイロット式流調弁装置で、12,14は主水路を形成する1次側の流入水路,2次側の流出水路で、16はその主水路上に設けられたダイヤフラム弁から成る主弁である。
主弁16は、主弁本体18とこれにより保持されたゴム製のダイヤフラム膜20とから成っている。
詳しくは、主弁座22への主弁16の着座によって主水路を遮断し、また主弁座22から図中上向きに離間することによって主水路を開放する。
また主弁座22からの離間量に応じて主水路の開度を大小変化させ、主水路を流れる水の流量を調節する。
背圧室24は、内部の圧力を主弁16に対して閉弁方向の押圧力として作用させる。
主弁16には、これを貫通して1次側の流入水路12と背圧室24とを連通させる導入小孔26が設けられている。
この導入小孔26は、流入水路12からの水を背圧室24に導いて背圧室24の圧力を増大させる。
このパイロット水路28は、背圧室24内の水を流出水路14に抜いて背圧室24の圧力を減少させる。
環状の突出部32の外周面には雄ねじ33が設けられていて、この雄ねじ33がボデー35に設けられた雌ねじ36に螺合されている。
駆動軸30は、加えられた回転操作力に基づいてこれら雄ねじ33と雌ねじ36とのねじ送り作用で図中上下方向に進退移動する。
尚この駆動軸30、詳しくはスピンドル部34とボデー35との間はシールリングとしてのOリング38により水密にシールされている。即ちスピンドル部34と背圧室24との間がOリング38にて水密にシールされている。
上記パイロット水路28は、この貫通孔40の内周面とスピンドル部34の外周面との間に環状に形成されている。
主弁本体18には、この貫通孔40に臨む内周部において図2(イ)に示しているように環状溝42が形成されており、そこに弾性を有するOリングが装着され保持されている。
本実施形態では、このOリングによってパイロット弁座44が構成されている。即ちかかるOリングが主弁16における主弁本体18に組み付けられることで、主弁16にパイロット弁座44が設けられている。
この凹部48の軸方向の各端部は、凹部48の軸方向の中央部に向って漸次小径となるテーパ面50とされており、このテーパ面50と軸方向のストレート形状部56との間に段付部52,54が形成されている。
このパイロット弁46は、止水時においてはストレート形状部56がOリングから成るパイロット弁座44に水密に弾性嵌合してパイロット水路28を遮断する。
このとき、主弁16は主弁座22に着座して主水路を閉鎖した状態にある。図3はその止水状態を示したものである。
また逆に図中下向きの前進移動によりパイロット水路28の開度を小となし、そして段付部52がパイロット弁座44に接触し、更にストレート形状部56がパイロット弁座44に弾性嵌合することでパイロット水路28を閉鎖する。
その隙間を通じて背圧室24内の水がパイロット水路28を通じて流出水路14側に抜き出され、背圧室24の圧力が減少する。
このとき、主弁16と主弁座22との間には隙間が生じて、その隙間を通じて流入水路12から流出水路14へと水が流れ込む。
この状態から更にパイロット弁46が図4(III)に示しているように図中上向きに後退運動すると、背圧室24の圧力と流入水路12との圧力をバランスさせるようにして主弁16がパイロット弁46の後退運動に追従して図中上向きに後退運動し、主水路における開度を更に大として水の流量を増大させる。
この第1係合部58は、スピンドル部34の嵌着溝64に嵌着されたEリング等の弾性リング59にて構成されている。
またスピンドル部34の下端部、詳しくは主弁16から下向きに突出した端部に、同様の構成から成る強制開弁用の第2係合部60が設けられている。この第2係合部60もまた、第1係合部58と同様にスピンドル部34の嵌着溝64に嵌着された弾性リング59にて構成されている。
即ち、本実施形態のパイロット式流調弁装置10は、導入小孔26を通じて流入水路12の水が背圧室24に流入することで所要の流量調節動作を行うことが可能であり、従って図6に示しているように導入小孔26が、そこにごみ等の異物が付着して目詰まりを生ずると、本来の流量調節動作を行うことができなくなってしまう。
この場合主弁16が開弁したままとなって閉弁することができず、水が出っ放しとなってしまう。
ここにおいて止水が行われ、主弁16が開弁したままとなって水が出っ放しになるといった問題を解消することができる。
即ち、寒冷地において主水路の水抜きを行うと、主弁16を流入水路12の給水圧で開弁させるといったことができなくなる。
而して主弁16が主弁座22に着座したままであると、凍結によって主弁16が主弁座22に固着した状態となってしまい、その後の流量調節動作を行えなくなってしまう。
従って本実施形態によれば、主弁16と主弁座22との着座状態での凍結によってそれらが固着してしまうといった問題を良好に回避することができる。
尚主弁16の下面には水抜用の溝66が設けられており、第2係合部60が主弁16の第2被係合部68に当接し係合した状態の下でも良好に背圧室24内の水を流出水路14側に抜くことができる。
これにより導入小孔26の目詰まりによって、水が出っ放しとなってしまうといった不都合を良好に解消することができる。
また第1及び第2係合部58,60を駆動軸30に嵌着した弾性リング59にて構成しているため、それら第1及び第2係合部58,60を駆動軸30に簡単に設けることができる。
上記実施形態では、パイロット弁46が駆動軸30に一体に構成され、そして駆動軸30が背圧室24を貫通して背圧室24の側からパイロット弁46を駆動するようになしてあるが、この実施形態では、図7及び図8に示しているようにプランジャから成るパイロット弁46が、駆動軸30と別体且つ分離可能に構成されて背圧室24内部に設けられている。
一方駆動軸30は、2次側の流出水路14の側から主弁16を貫通してパイロット弁46を駆動するように設けられている。
ここでパイロット弁ケース70は、図8に示しているように図中上端部が主弁16の主弁本体18にねじ結合にて固定状態に組み付けられている。
またパイロット弁46は、コイルスプリングから成る復帰スプリング72にて図中上向き、即ち前進方向に付勢されている。
背圧室ケース74はケースガイド76を有していて、そこにパイロット弁ケース70が上下、即ち進退方向に摺動可能に嵌合され、かかるパイロット弁ケース70がケースガイド76にて進退運動の際に案内されるようになっている。
するとその隙間を通じて背圧室24内の水が流出水路14側に抜け出して背圧室24の圧力が低下する。
このとき主弁16と主弁座22との間には隙間が生じて、その隙間を通じて流入水路12から流出水路14へと水が流れ込む。
その後更に駆動軸30にてパイロット弁46が図中下向きに後退移動させられると、これに追従して主弁16が更に図中下向きに後退運動し、主水路の開度を広くして水の流量を増大させる(図10(III))。
これらの流量調節の基本的な動作については上記第1実施形態のものと同様である。
一方主弁16側には、詳しくは主弁本体18には強制閉弁用の第1被係合部62と、強制開弁用の第2被係合部68とが軸方向に間隔を隔てて設けられている。ここで係合部78は、それら第1被係合部62と第2被係合部68との間で所定ストローク相対移動可能である。
そして係合部78がこの所定ストローク内で自由に移動できることによって、上記パイロット弁46が駆動軸30にて駆動され、所要の流量調節が行われる。
また主弁16の主弁本体18には、略円錐台形状を成す突出部82が形成されていて、その突出部82に、弾性リング80の挿入開口が径方向に貫通する状態で設けられており、その挿入開口を通じて弾性リング80が駆動軸30のスピンドル部34に嵌着されるとともに、その挿入開口の軸方向の縁部が上記の第1被係合部62,第2被係合部68として構成されている。
一方駆動軸30が図中下向きに移動し、その際に係合部78が第2被係合部68に当接し係合することで、主弁16が図中下向きに移動させられ、強制開弁させられる。
12 1次側の流入水路
14 2次側の流出水路
16 主弁
24 背圧室
26 導入小孔
28 パイロット水路
30 駆動軸
44 パイロット弁座
46 パイロット弁
58 第1係合部
59,80 弾性リング
60 第2係合部
62 第1被係合部
68 第2被係合部
78 係合部
Claims (3)
- (イ)主弁座に対して接近離間方向に進退運動して主水路の開度を変化させる主弁と
(ロ)該主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と
(ハ)前記主水路における1次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と
(ニ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に前記主弁を貫通して設けられ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と
(ホ)前記主弁と同方向に進退運動して該主弁に設けられたパイロット弁座に対する相対位置を変化させ、該パイロット水路の開度を変化させるパイロット弁と
(ヘ)該パイロット弁を駆動する駆動軸と
を備え、該パイロット弁の進退運動に追従して前記主弁を進退運動させて前記主水路の流量調節を行うパイロット式流調弁装置において
前記駆動軸に、該駆動軸の軸方向且つ主弁の閉弁方向の移動に伴って前記主弁側の被係合部に係合して該主弁を強制的に閉弁させ止水させる強制止水用の係合部を設けるとともに、該主弁側の前記被係合部を該主弁における前記パイロット弁座とは異なる位置に設けたことを特徴とするパイロット式流調弁装置。 - 請求項1において、前記主弁側には強制止水用の前記被係合部としての第1被係合部が設けられているとともに、該第1被係合部に対して軸方向に隔たった位置に強制開弁用の第2被係合部が設けられており、且つ前記係合部は強制開弁用の係合部も兼ねていて前記駆動軸の軸方向且つ開弁方向の移動に伴って該係合部が前記第2被係合部に係合して前記主弁を強制開弁させるようになしてあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記係合部が前記駆動軸に嵌着され、該駆動軸から径方向に突出するリング部材にて構成してあることを特徴とするパイロット式流調弁装置。
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