JP2008267439A - 流量調節弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】止水に近い状態の最小流量域に到るまで滑らか且つ安定した流量調節特性が得られ、且つ主弁の不規則振動及びこれによる異音の発生を防止することのできる流量調節弁装置を提供する。
【解決手段】主弁20を主弁座25に対し進退移動させて主水路の流量調節を行う流量調節弁装置16において、主弁20に突出部128を設けて突出部128に、主弁座25側の雌テーパ面から成る当接面132と協働して主水路の水流を絞る主弁20側の雄テーパ面から成る当接面130を設け、主弁20の進退移動に伴う当接面130と当接面132との間の隙間の変化により、一対の当接面130,132が当接する直前の最小流量域に到るまでの流量域に亘って流量調節を行うようにする。
【選択図】 図2

Description

この発明は、主水路に設けた主弁を主弁座に対し接近離間方向に進退移動させて流量調節を行う流量調節弁装置に関する。
従来より、主水路に設けたダイヤフラム弁,ピストン弁等から成る主弁を主弁座に対し接近離間方向に進退移動させ、主水路の流量調節を行う流量調節弁装置が広く用いられている。
またこの流量調節弁装置として、流調パイロット弁の進退移動に追従して主弁を移動させることで流量調節を行うようになした流量調節弁装置、詳しくは、(イ)主弁の背後に形成され、内部の圧力を主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ロ)主水路における一次側の流入水路の水を背圧室に導いて背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ハ)背圧室と主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に主弁を貫通して設けられ、背圧室の水を流出水路に抜いて背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ニ)主弁の進退移動の方向に進退移動してパイロット水路の開度を制御する流調パイロット弁とを備え、その流調パイロット弁の進退移動に追従して主弁を進退移動させて、主水路の流量調節を行うパイロット式の流量調節弁装置が知られている。
例えば下記特許文献1に、この種パイロット式の流量調節弁装置が開示されている。
ところで、パイロット式であると否とを問わず、主弁の進退移動に伴うダイヤフラム膜等の主弁本体と主弁座との間の隙間(距離)の大小変化によって直接に流量調節を行う流量調節弁装置にあっては、水圧が高いと流量が急変して正確な流量調節がし難い問題がある。
そこで本出願人は、先の特許願(特願2006−100501:未公開)において、主弁に突出形状の主弁ガイドを設け、この主弁ガイドを、先端部が主弁座とされた円筒部の内部に嵌入させて、かかる主弁ガイドにて主弁の進退移動の際の案内を行わせるとともに、かかる主弁ガイドを補助弁となして、かかる補助弁により流れを絞り、流量調節を行わせるようになしたものを提案している。
図15はその具体例を示している。
同図において、200は先端部が主弁座202とされた円筒部で、204はこの主弁座202に対し接近離間方向に進退移動するダイヤフラム弁から成る主弁で、この主弁204には主弁ガイド206が主弁座202側に突出する形状で設けられている。
主弁ガイド206は、主弁204の進退移動時に円筒部200内部に嵌入して主弁204の移動案内をなす。
この主弁ガイド206は軸方向、即ち図中上下方向に所定肉厚を有する円板状をなしていて、円筒部200への嵌入状態でその外周面と円筒部200の内周面との間に所定の環状隙間S(図15(B)参照)を形成する。
この主弁ガイド206は、主弁座202を乗り越えて下流側(2次側)へと流出する水の流れを絞り、流量を調節する補助弁としても働く。
詳しくは、図15(A)に示すように主弁204が主弁座202から図中上向きに離間した状態では、主水路の1次側の流入水路208Aから2次側の流出水路208Bに流出する水の流量が、主弁ガイド206による水流の絞り作用により、主弁ガイド206と主弁座202との間の隙間Sによって定まる。
この隙間Sは、図15(A)に示す状態から主弁ガイド206が主弁204とともに図中下向きに前進移動するに従って小さくなり、これに伴って主水路を流れる水の流量も減少する。
そして図15(B)に示しているように、主弁ガイド206が円筒部200内部に僅かでも嵌入すると、その時点で主水路における開度が、即ち1次側の流入水路208Aから2次側の流出水路208Bに流出する水の流量が、主弁ガイド206の外周面と円筒部200の内周面との間の微小な環状隙間Sによって定まる状態となる。
この環状隙間Sは、主弁204の更なる閉弁運動、即ち主弁ガイド206の更なる図中下向きの前進移動によっても変化はなく、従って主弁204が更に閉弁運動しても主水路の流量、即ち1次側の流入水路208Aから2次側の流出水路208Bに流出する水の流量はほぼ一定且つ微小水量に保持される。
ところがこの図15に示す流量調節弁装置にあっては、図15(B)に示す状態から、主弁204が更に閉弁方向に前進移動すると、ある位置で主弁ガイド206と円筒部200との間の環状隙間Sよりも、主弁座202と主弁204における主弁本体(ここではダイヤフラム膜)205との間の図中上下方向の隙間S(図15(C)参照)の方が小さくなり、以後は1次側の流入水路208Aから2次側の流出水路208Bに流出する水の流量は、この隙間Sによって定まり、その隙間Sが小さくなるに連れて流量は減少する。
即ちこの図15に示す流量調節弁装置にあっては、主弁204の閉弁方向の前進移動時に、図15(A)の隙間Sによる流量調節域から、図15(B)の隙間Sによる流量調節域に、更には図15(C)の隙間Sによる流量調節域に流量調節が不連続的に切り換わってしまう。
そして流用調節域が切り換わることによって、特に小流量域での流量調節のときに主弁204の開弁方向で流量が急激に増したり、或いは閉弁方向で流量が急激に減少したりし、流量調節を円滑且つ滑らかに連続的に行うことが難しいといった問題があった。
図10は、図15に示す流量調節弁装置における流量調節特性を表したものである。
但し図10では、主弁204を進退移動させるための操作部であるハンドルの回転角度を横軸に、また流量を縦軸にとって示してある。
図中Bが図15に示す流量調節弁装置の流量調節の特性曲線を表したもので、B-1は図15(A)の隙間Sによる流量調節特性を、B-2は図15(B)の隙間Sによる流量調節特性を、更にB-3は図15(C)の隙間Sによる流量調節特性をそれぞれ表している。
図10に示しているように、図15(A)に示す状態では流量が隙間Sの変化によってほぼ直線的に変化するが、図15(B)に示す状態では環状隙間Sが主弁ガイド206の移動によって変化しないために、流量は殆ど変化を生じない。
そして図15(B)に示す状態から(C)に示す状態への切り換わりによって流量調節特性が急激に変化し、主弁204の僅かな前進又は後退移動によって流量が大きく変化する。
尚、図15(A)に示す状態において、主弁ガイド206が図中上方に大きく離間していくと流量がこれに伴って大きく増大していくが、ここではあるところで流量の増大が停止するように別途に弁が設けてある。図中B-4はそのときの一定流量状態(流量調節特性)を表している。
以上のように図15に示す流量調節弁装置にあっては、特に流量調節域が小流量域のときに、主弁204の開弁方向及び閉弁方向の移動に連れて流量が急激に変化して流量調節特性が安定しない問題があり、その改善が望まれていた。
図15に示す流量調節弁装置にはまた、次のような問題も内在していた。
即ち、止水間際の領域で流量変化が大きく生じたときに主弁204が不規則振動が生じて、これが異音発生の原因になるといった問題が内在していた。
この現象は、上記のパイロット式の流量調節弁装置、詳しくは流調パイロット弁の進退移動に伴って、背圧室の圧力と1次側の流入水路の圧力との圧力バランスをとるように主弁が流調パイロット弁に追従して同方向に進退移動する形式の流量調節弁装置において特に顕著である。
図9(A)はその現象を模式的に表したものである。
図中210は、内部の圧力を主弁204に対し閉弁方向の圧力として作用させる背圧室,212は背圧室210と2次側の流出水路208Bとを連通させる状態に主弁204を貫通して設けられたパイロット水路、214はパイロット水路212の開度を変化させる流調パイロット弁である。
この図9(A)に示す流量調節弁装置においては、流調パイロット弁214が図中下向きに前進移動すると、パイロット水路212の開度が小となって、背圧室210から2次側の流出水路208Bへと抜ける水の量が少なくなり、背圧室210の圧力が増大する。
その結果、主弁204に作用する背圧室210の圧力と1次側の流入水路208Aの圧力とに圧力差が生じて、主弁204が圧力バランスを取るように流調パイロット弁214の前進移動に追従して図中下向きに前進移動する。これにより主弁204の開度が小となって、主水路の流量即ち流入水路208Aから流出水路208Bへと流出する水の流量が減少する。
図9(A)において、主弁204には水の流動圧に基づいて図中上向きの力Fが作用する。その力Fに基づいて主弁204が図中上向きに移動させられると、流調パイロット弁214と主弁204との間の距離X、即ちパイロット水路の開度が小さくなる方向に変化する。すると背圧室210の圧力が増大して、主弁204に対し図中下向きに押す力が増大する。
特に小流量域においては主弁204に対して働く上向の力Fと下向きの力とが交互且つ不規則に発生し、そしてこのことが主弁204が静止状態を維持できずに不規則振動を起こし、これが異音発生の原因になるものと考えられる。
特開2006−22638号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、止水に近い状態の小流量域に到るまで滑らか且つ安定した流量調節特性が得られ、且つ主弁の不規則振動及びこれによる異音の発生も防止することのできる流量調節弁装置を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、主水路に設けた主弁を主弁座に対し接近離間方向に進退移動させて、該主水路の流量調節を行う流量調節弁装置において、該弁装置は、(イ)前記主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ロ)前記主水路における一次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ハ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に前記主弁を貫通して設けられ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ニ)前記主弁の前記進退移動の方向に進退移動して前記パイロット水路の開度を制御する流調パイロット弁とを備え、該流調パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁を進退移動させることにより前記主水路の流量調節を行うパイロット式の弁装置となしてあるとともに、前記主弁には前記主弁座側に突出する突出部を設けて該突出部に、該主弁座側の硬質の絞り部と協働して前記主水路の水流を絞る主弁側の硬質の絞り部を設け、且つそれら一対の絞り部のうちの少なくとも一方を前記主弁の前記進退移動の方向に径変化するテーパ面となして、該主弁の該進退移動に伴い該主弁側の絞り部と該主弁座側の絞り部との間の隙間をそれら一対の絞り部が当接する直前の最小流量域に到るまで連続的に変化させて、該最小流量域に到るまで該隙間の連続的な変化により流量調節を行うようになしたことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記主弁側の絞り部と前記主弁座側の絞り部との何れもがテーパ面となしてあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記弁装置が、前記一対の絞り部を互いに当接させて止水を行う止水弁も兼ねていることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項2において、前記弁装置が、前記一対の絞り部を互いに当接させて止水を行う絞り弁を兼ねており、且つ該絞り部をなす該一対のテーパ面の少なくとも一方に、該テーパ面の周方向に環状を成す弾性シールリングが環状の保持溝内部に保持させてあるとともに、該弾性シールリングは、テーパ面同士の当接時に該弾性シールリングを保持させた側の一方のテーパ面の他部とともに、相手側の他方のテーパ面に当接するものとなしてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項4において、前記弾性シールリングは、前記主弁側の絞り部をなすテーパ面の側に且つ前記突出部の基端側に設けてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、パイロット式の流量調節弁装置において、主弁に突出部を設けてその突出部に、主弁座側の硬質の絞り部と協働して主水路の水流を絞る主弁側の硬質の絞り部を設け、これら主弁側の絞り部と主弁座側の絞り部との間の隙間の連続的な変化により流量調節を行うようになすとともに、一対の絞り部のうちの少なくとも一方を、主弁の進退方向に径変化するテーパ面となしたものである。
本発明では、主弁側の絞り部と主弁座側の絞り部とが当接する直前の最小流量域に到るまで、テーパ面を成す一方の絞り部と他方の絞り部との隙間(距離)の連続的な変化によって流量調節を行う。
従って、図15に示す流量調節弁装置と異なって流量域に応じて流量調節が切り換わるといったことがなく、それ故連続的で安定した流量調節特性を得ることができる。
加えて本発明では、硬質の絞り部同士が当接するため、給水圧が高い場合であっても、閉弁時に主弁側の絞り部及び主弁座側の絞り部が給水圧によって弾性変形することを有効に抑えることができる。
このため、閉弁時に主弁が押し込まれ、止水位置がずれることを防止することができ、これによって更に安定した流量調節特性を得ることができる。
またテーパ面の作用により、一対の絞り部が当接する直前の最小流量域で主弁が不規則振動を起して、これが異音の原因になるといった問題も併せて解決することができる。
本発明では、請求項2に従い主弁側の絞り部と主弁座側の絞り部との何れもテーパ面となしておくことができる。
また請求項3に従い、一対の絞り部を互いに当接させて止水を行う止水弁も兼ねて流量調節弁装置を構成しておくことができる。
このようにすれば、流量調節と止水とを同じ弁装置を用いて行うことができる。
次に請求項4は、止水弁を兼ねて流量調節弁装置を構成しておくとともに、絞り部をなす一対のテーパ面の少なくとも一方に弾性シールリングを環状の保持溝内部に保持させておき、且つその弾性シールリングを、テーパ面同士の当接時に弾性シールリングを保持させた側の一方のテーパ面の他部とともに、相手側の他方のテーパ面に当接させるようになしたものである。
本発明に従って、絞り部をなす一方のテーパ面に弾性シールリングを保持させておき、これを相手側のテーパ面に当接させるようになすことで、給水圧が低い場合においても良好に止水を行うことができる。
またこの請求項4では止水時において弾性シールリングのみによりシールを行うのではなく、これを保持させた側の一方のテーパ面の他部とともに、弾性シールリングを相手側の他方にテーパ面に当接させるようになしていることから、弾性シールリングを弾性変形させてシールを行う際の弾性シールリングの変形量を少なく抑えることができる。
従って弾性シールリングの1回ごとの大きな変形量に基づいて、長期の間に弾性シールリングがヘタリを生じ、そのことによって弾性シールリングが永久変形を起して流量調節特性が変化してしまうのを有効に抑止することが可能となる。
この場合において、弾性シールリングは主弁側の絞り部を成すテーパ面の側に且つ突出部の基端側に設けておくことが望ましい(請求項5)。
このようにしておけば、弾性シールリングを設けた基端側とは反対側の先端側の部分が平坦なテーパ面となり(弾性シールリングが突出していない)、従ってその弾性シールリングの突出による影響を抑えて、小流量域における流量調節特性をより安定したものとなすことができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本実施形態の流量調節弁装置を示したもので、図中10は水栓のボデーであり、その内部に主水路を形成する1次側の流入水路12,2次側の流出水路14が形成されている。
16は本実施形態の流量調節弁装置で、この例では流量調節弁装置16全体が単一のユニットとして着脱可能な弁カートリッジとして構成されている。
同図中18はその弁カートリッジのカートリッジケース(弁ケース)で、このカートリッジケース18は、上部18-1と下部18-2とに分割されており、そしてそれらがカートリッジケース18の中間部をなす後述の背圧室形成部材54にて弾性的に連結されている。
流量調節弁装置16は、ボデー10内部に挿入された状態で、ボデー10への固定ナット19のねじ込みにより抜止状態に固定されている。
図1において、20は主水路上に設けられたダイヤフラム弁からなる主弁で、樹脂製の硬質の保持部材22と、これにより保持されたゴム製のダイヤフラム膜24とからなっている。
この実施形態において、流量調節弁装置16は止水弁(吐止水弁)を兼ねて構成されており、主弁20は、樹脂製の硬質の円筒部27の先端部(図中上端部)に形成された主弁座25に対して図中上下方向に進退移動して主水路を開閉し、また主水路の開度を変化させる。
詳しくは、主弁座25への着座によって主水路を遮断し、また主弁座25から図中上向きに離間することによって主水路を開放する。
また主弁座25からの離間量に応じて主水路の開度を大小変化させ、主水路を流れる水の流量即ち吐水部からの流量を調節する。
この主弁20の図中上側の背後には背圧室26が形成されている。
背圧室26は、内部の圧力を主弁20に対して図中下向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。
主弁20には、これを貫通して1次側の流入水路12と背圧室26とを連通させる導入小孔28が設けられている。
この導入小孔28は、流入水路12からの水を背圧室26に導いて背圧室26の圧力を増大させる。
主弁20にはまた、これを貫通して背圧室26と2次側の流出水路14とを連通させる水抜水路としてのパイロット水路30が設けられている。
このパイロット水路30は、背圧室26内の水を流出水路14に抜いて、背圧室26の圧力を減少させる。
図1に示しているように、主弁20にはその中心部においてこれを軸心方向に貫通する貫通孔が設けられており、そこに吐止水パイロット弁及び流調パイロット弁を兼ねた共通のパイロット弁34が挿通され、このパイロット弁34の外周面と貫通孔の内周面との間に、通路幅が狭小な環状をなす上記パイロット水路30が形成されている。
この主弁20には、図5及び図6にも示しているように貫通孔の内周面に沿って主弁20の軸心周りに環状をなすパイロット弁座36が一体に設けられている。
38はこのパイロット弁座36におけるシール部で、環状溝内部に環状をなす弾性シールリングとしてのOリング40を保持ししている。
上記パイロット弁34は、このパイロット弁座36に対し主弁20の軸心に沿って図中上下方向に進退移動可能に嵌合するようになっている。
詳しくは、このパイロット弁34は、断面円形をなし且つ図中上下方向即ち進退方向において外径が同径のシール部42と、その下側(図中下側)の環状の凹所44とを有している。
環状の凹所44の軸方向の各端部は、凹所44の最小径部に向かって漸次小径となるテーパ面とされており、そのテーパ面の大径側の各端部に段付部48,50が形成されている。
尚、図1はパイロット弁34の止水時の状態を表しており、このときパイロット弁34は、シール部42をOリング40を介してパイロット弁座36に対し全周に亘って径方向に弾性接触させ、パイロット弁34とパイロット弁座36との間を水密にシールした状態にある。
またこのとき主弁20、詳しくは主弁20に設けた後述の突出部128が主弁座25に着座(当接)した状態にあって、主水路は閉鎖された状態にある。
図5,図6はパイロット弁34の移動による流調(流量調節)時の作用を表している。
この実施形態では、流調の際にパイロット弁34はパイロット水路30を閉鎖することはなく、その移動によってパイロット水路30の開度だけを変化させる。
後述の回転スリーブ84に対する回転操作量がそのように規制されている。
この実施形態では、主弁20が図5(I)に示す状態の下でパイロット弁34が図中上向きに後退移動すると、パイロット弁34とパイロット弁座36との間の隙間が大となり、背圧室26内の水がパイロット水路30を通じて流出水路14側に多く抜け出して背圧室26の圧力が減少する。
そこで主弁20が流入水路12との圧力差により図中上向きに後退移動し、そして図5(II)に示しているように、流入水路12の圧力と背圧室26の圧力とがバランスする位置で主弁20の後退移動が停止する。
即ち、主弁20がパイロット弁34の後退移動に追従するようにして共に後退移動し、そしてパイロット弁34の停止とともに主弁20もまた停止する。
この主弁20の後退移動によって主弁20(詳しくは突出部128)と主弁座25との間の隙間が大となり、流入水路12から流出水路14への水の流出量が増大する。
この状態からパイロット弁34が更に図中上向きに後退移動させられると、背圧室26の圧力と流入水路12との圧力をバランスさせるようにして、主弁20がパイロット弁34の後退移動に追従して後退移動し、主水路の開度を更に広くして主水路を流れる水の流量を増大させる(図5(III)参照)。
一方パイロット弁34が、図6(I)に示しているように図中下向きに前進移動すると、パイロット弁34とパイロット弁座36との間、詳しくはパイロット弁34におけるシール部42とパイロット弁座36に保持されたOリング40との間の隙間が小さくなって、即ちパイロット水路30の開度が小さくなって、背圧室26から流出水路14に抜ける水の量が少なくなり背圧室26の圧力が増大する。
このため、その増大した圧力により主弁20が今度は図中下向きに前進移動して、背圧室26の圧力と流入水路12との圧力をバランスさせる位置で停止する。
このとき主弁20(詳しくは突出部128)と主弁座25との間の隙間は小さくなって、即ち主水路の開度が小さくなって、主水路を流れる水の流量が減少する(図6(II)参照)。
そしてこの状態から更にパイロット弁34が図中下向きに前進移動すると主水路の開度が更に小さくなり、主水路を流れる水の流量が更に減少する(図6(III)参照)。
図1において、54は背圧室形成部材で逆カップ状を成しており、その内側に上記の背圧室26を形成している。
この背圧室形成部材54はまた、主弁押えとしての働きもなしている。
この背圧室形成部材54には、一対の弾性を有する環状のシールリングとしてのOリング52が保持されている。
これらOリング52は、後述の作用軸60における第1軸部62の外周面に全周に亘り弾性接触して、第1軸部62と背圧室形成部材54との間、即ち背圧室26との間を水密にシールする。
尚、カートリッジケース18における下部18-2にもまたその外周面にOリング56が保持されており、このOリング56にてボデー10との間が水密にシールされている。
図1において、60は加えられた操作力に基づいてパイロット弁34を作用させる作用軸で、この作用軸60は、一様な円形断面且つ一様な外径で軸方向に延びる制御軸部としての第1軸部62と、筒状をなす第2軸部64とに軸方向に2分割されている。
そしてその制御軸部としての働きをなす第1軸部62の図中下部に上記のパイロット弁34が一体に構成されている。
この筒状の第2軸部64には、その内周面に雌ねじ66が設けられている。
一方第1軸部62は、その上端部にボールジョイント67にて3次元的に相対移動可能な大径の頭部68を有しており、その頭部68の外周面に雄ねじ70が設けられている。
そしてこの第1軸部62の雄ねじ70が第2軸部64の雌ねじ66に螺合されている。
この作用軸60は、雌ねじ66と雄ねじ70とのねじ送り作用で第1軸部62が図中上下方向に進退移動する。
即ち、作用軸60全体が雌ねじ66と雄ねじ70とのねじ送りによって全体的に伸縮するようになっている。
尚第1軸部62側の頭部68には、図3に示しているように互いに平行をなす平坦な係合面72が形成されており、この係合面72を回止め部材76の一対の挟持片74が挟持しており、これら挟持片74の挟持作用によって、第1軸部62が回転防止されている。
即ちこの回止め部材76の回転防止作用によって、第2軸部64の回転により第1軸部62が図中上下方向に進退移動させられる。
そしてこの第1軸部62の図中上下方向の進退移動に伴って、その先端側に一体に構成された上記のパイロット弁34が一体に図中上下方向に進退移動させられ、これによりパイロット弁34の位置が同方向に変化せしめられる。
ここで回止め部材76は円形の台座部78を有しており、この台座部78が、その下側の背圧室形成部材54に固定されている。
図1において80は、作用軸60における第1軸部62、即ちそこに一体に構成されたパイロット弁34を駆動する働きをなす駆動機構で、有底円筒形状をなす押ボタン(駆動子)82と、回転スリーブ(ロック部)84及びスラストロック機構の要素を成す回転子86とを有している(図3参照)。
回転スリーブ84は、回転によりパイロット弁34を図5及び図6に示しているように前進及び後退運動させることにより、主弁20をこれに追従して移動させ流量調節を行う部分で、また押ボタン82は、1回の押込みごとにパイロット弁34を前進位置である閉弁位置と上昇位置である開弁位置とに位置切換えするための部分である。
回転スリーブ84は、図1に示しているようにその下部がカートリッジケース18における上部18-1に内嵌状態で回転可能且つ抜止状態に組み付られている。
押ボタン82は、回転スリーブ84に内嵌されて回転スリーブ84に対し軸方向即ち図中上下方向に移動可能とされている。
この押ボタン82の外周面には縦の突条87が設けられていて、この突条87が回転スリーブ84の内面の縦の凹条88に嵌り込んでおり、押ボタン82が回転スリーブ84の回転とともに一体に回転するようになっている。
即ち回転スリーブ84の回転運動が押ボタン82に伝えられるようになっている。
尚この押ボタン82にはまた、その内周面に縦の凹条90が形成されていて、そこに作用軸60における雌ねじ部材としての第2軸部64の外周面に設けられた縦の突条91が嵌り込んでおり、第2軸部64が押ボタン82と一体に回転するようになっている。
即ち回転スリーブ84を回転させると、その回転運動が押ボタン82を介して第2軸部64に伝えられて、第2軸部64が回転運動する。
尚、押ボタン82の外周面にはガイド突起92が設けられている。
このガイド突起92は、回転スリーブ84の嵌入溝94に嵌入して押ボタン82の上下方向の摺動時の案内をなす。
押ボタン82の下端には、図4にも示しているように山形状をなす係合歯96が周方向に沿って所定ピッチで連設されている。
この係合歯96の下面には、直下の回転子86を押ボタン82の上下動即ち下向きの前進移動と上向きの後退移動とによってカム作用で回転させるための駆動カム面98が形成されている。
回転子86はリング状の部材から成るもので、周方向の複数箇所(ここでは4箇所)に、図中上向きに山形状に突出する係合歯100が設けられている。
また周方向の同じ箇所においてその外側に突出する形態で鋸歯状をなす係合歯102が、同じく上向きに設けられている。
内側の係合歯100は、一方の斜辺に沿った上面が押ボタン82の駆動カム面98に対応した第1従動カム面104とされている。
ここで第1従動カム面104の傾斜角度θは、ここでは押ボタン82側の駆動カム面98と同一角度とされている。
一方外側の係合歯102においてもまた、その斜辺に沿った上面が角度θで傾斜した第2従動カム面106とされている。
この実施形態では、第1従動カム面104と第2従動カム面106との傾斜角度が異ならせてあり、第2従動カム面106の傾斜角度θが急角度をなし、これに対して第1従動カム面104の傾斜角度θが小角度とされている。
この回転子86は、図3及び図1に示しているようにその下面を第2軸部64の外向きのフランジ部108の上面にて支持されており、かかるフランジ部108の上面を図4で示す矢印方向に回転摺動する。
図1及び図3に示しているように、第2軸部64のフランジ部108の下面には金属製のコイルスプリング(付勢手段)110の上端が当接させられており、かかるコイルスプリング(以下単にスプリングとする)110による付勢力が第2軸部64に対して上向きに及ぼされている。即ちこの第2軸部64を介して回転子86、押ボタン82に対して、更には第2軸部64に螺合された第1軸部62に対し、スプリング110による付勢力が後退方向の上向きに及ぼされている。
上記回転スリーブ84には、図4に詳しく示しているようにその上部内周面にガイド部112が内方に突出する状態で設けられている。
このガイド部112は下端に係合歯114を有している。
この係合歯114の下面にもまた、回転子86をカム作用で回転させるための、回転子86の第2従動カム面106に対応した傾斜形状の案内カム面116が形成されている。
ここで案内カム面116の傾斜角度は、回転子86の第2従動カム面106と同じ傾斜角度とされている。
このガイド部112にはまた、上記のように上下方向に延びる嵌入溝94が周方向に所定間隔で形成されている。回転子86は外方への突出形状をなす係合歯102を嵌入溝94に位置させる回転位置となったとき、かかる係合歯102を嵌入溝94の内部に嵌入させることによって図中上方への後退運動が許容される。
一方係合歯114は、係合歯102に噛み合ってこれをその前進状態、即ち図中下降状態に保持してロックする働きをなす。即ちパイロット弁34を閉弁位置に保持してロックする働きをなす。
本実施形態では、図4に示すガイド部112及びこれを備えた回転スリーブ84、下端に係合歯96及び駆動カム面98を備えた押ボタン82、その直下の回転子86、更にこれらを上向きに付勢するスプリング110等にてスラストロック機構が構成されている。
本実施形態では、回転スリーブ84を直接に又は別途に設けた操作部材を介して回転させると、これと一体に作用軸60における第2軸部64が回転し、そしてその回転により雌ねじ66と雄ねじ70とのねじ送りにて作用軸60の第2軸部62が、即ちパイロット弁34が図1中上下方向に進退移動し、これにより流量調節が行われる。
一方押ボタン82を押込操作すると、1回の押し込みごとにパイロット弁34が図1に示す下降位置である閉弁位置と、図2に示す上昇位置である開弁位置とに位置切換えされ、且つスラストロック機構によりそれぞれの位置に位置保持される。
図7及び図8は、押ボタン82に対する1回の押し込みごとに、パイロット弁34を閉弁位置と開弁位置とに位置切換えし且つそれぞれに位置保持するスラストロック機構の作用を具体的に表している。
図7(I)はパイロット弁34の閉弁状態即ち止水状態を表しており、このとき回転子86における係合歯102が回転スリーブ84のガイド部112の係合歯114に噛み合った状態にあって、回転子86は図1中の下降位置即ち前進位置にロック状態に保持される。即ちパイロット弁34が閉弁状態に保持される。
この状態で(II)に示しているように押ボタン82を図中下向に押し込むと、回転子86がスプリング110による上向きの付勢力に抗して下向きに押し下げられ、回転子86の係合歯102とガイド部112の係合歯114との係合が外れる。
すると押ボタン82の駆動カム面98と回転子86の第1従動カム面104とのカム作用で、回転子86が図中左方向に所定角度回転させられ、そして押ボタン82の係合歯96と回転子86の係合歯100とが丁度噛み合った位置(第1ストッパ位置)で回転停止させられる。図8(III)(A)はこのときの状態を表している。
このとき、(III)(B)に示しているように回転子86の第2従動カム面106はガイド部112の回転方向の次の案内カム面116に対向した状態となり、そこで(IV)に示しているように回転子86に加えていた押込力を除くと、スプリング110の付勢力で回転子86が押ボタン82及び第2軸部64即ち作用軸60とともに微小距離上昇して係合歯102の第2従動カム面106が、ガイド部112の案内カム面116に当接する。
そしてそれら案内カム面116と第2従動カム面106とのカム作用で回転子86が更に同図中矢印で示す方向に回転移動して、図7(V)(B)に示すように係合歯102がガイド部112の嵌入溝94の位置に至る。
ここにおいて係合歯102が嵌入溝94に嵌入するに至って、回転子86が押ボタン82及び作用軸60とともにスプリング110の付勢力によって上向きに後退運動させられ(図8(VI))、パイロット弁34が開弁状態(吐水状態)となって主水路に水の流れが生じ、水栓における吐水部からの吐水が行われる。
この開弁状態から再び押ボタン82を押し込むと、回転子86が上昇位置から下降せしめられ、そして係合歯102が嵌入溝94から外れると、回転子86が駆動カム面98と第1従動カム面104とのカム作用で、図8(VII)中矢印方向(左方向)に回転移動して、回転子86の係合歯100が押ボタン82の回転方向の次の係合歯96に噛み合うに至って、ここに回転子86の次の1ピッチの回転運動がそこで停止せしめられる(図8(VIII))。
この状態で押ボタン82に対する押込力を除くと、スプリング110の付勢力で回転子86が最下位置から微小距離上昇して、係合歯102の第2従動カム面106がガイド部112の案内カム面116に当接するに至り(図8(IX))、更にそれらのカム作用で回転子86が引き続いて図中左方向に回転移動して、回転子86の係合歯102がガイド部112の次の係合歯114に噛み合う位置(第2ストッパ位置)となり、ここに回転子86の回転動がそこで停止させられる(図8(X))。
この図8(X)に示す状態は、図7(I)に示すのと同じ状態であって、ここに水栓が止水状態となる。
図1,図5及び図6に示しているように、この実施形態では主弁20、詳しくは樹脂製の硬質の保持部材22に弁座25側に向って突出する突出部128が設けられており、そして図5及び図6に示しているようにこの突出部128と、同じく樹脂製の硬質の弁座25とに、雄テーパ面から成る当接面(主弁20側の絞り部)130と、雌テーパ面から成る当接面(主弁座25側の絞り部)132(当接面130,132は何れもゴム製のダイヤフラム膜24よりは硬質)とがそれぞれの当接部として設けられている。
ここで当接面130を成す雄テーパ面,当接面132を成す雌テーパ面は何れも主弁20の後退方向、即ち図中上方向に漸次大径化するテーパ面とされており、且つそれぞれのテーパ面は互いに平行をなすように同じテーパ角度で形成されている。
この実施形態では、図に示しているように突出部128が円筒部27内部に嵌入するように、突出部128及び円筒部27の形状が定めてある。
これら当接面130と132とは、押ボタン82の押込みによる止水時において互いに当接した状態となって主水路を閉鎖する。
また回転スリーブ84の回転操作による流量調節時においては、主弁20側の当接面130が主弁座25側の当接面132に当接する直前の最小流量域に到るまで、主弁20の進退移動に伴う当接面130,132間の隙間(距離)の変化により流量調節を行う。
即ち主弁20の後退移動の際、図5に示しているように当接面130が主弁座25側の当接面132から図中上向きに離間し、それら当接面130と132との間の隙間を大きくし、流量を増大せしめる。
また逆に主弁20の前進移動の際には、図6に示しているように主弁20側の当接面130が主弁座25側の当接面132に図中下向きに接近し、それらの間の隙間を小さくして流量を減少せしめる。
即ちこの実施形態では、最大流量時から最小流量時に到る全流量域において、主弁側の当接面130と主弁座25側の当接面132との間の隙間自体によって流量が調節される。
また押ボタン82の押込みによる止水時においては、主弁20側の当接面130と主弁座25側の当接面132との当接によって、即ちそれらの間の隙間がゼロとなることによって止水が行われる。
従って本実施形態では、流量調節に際して流量を調節する部分が流量の大小によって切り換わることはなく、全て同じ部分によって流量の調節が行われることとなる。
従って本実施形態によれば、最小流量域から最大流量域に到るまでの全流量域に亘って流量調節が連続的に且つ円滑に安定して行われる。
図10はこれを具体的に表したものである。
図10中(A)は、本実施形態の流量調節弁装置16の流量調節の特性曲線で、この流量調節の特性曲線Aから明らかなように、本実施形態によれば、最小流量域から最大流量域にかけて連続的に流量調節を行うことができる。
尚、図中A-2で示す部分(流量調節特性)は、連続的に流量変化するA-1の部分(流量調節特性)に対し折れ曲って寝た線となっているが、これは主弁20が閉じた後、即ち主弁20側の当接面130が主弁座25側の当接面132に当接した後にパイロット弁34が閉じるまでの間、若干のパイロット流(水流)が残留することにより生じる部分であって、主弁20自体による流量調節の特性を表したものではない。
以上のように本実施形態では、主弁20側の当接面130と主弁座25側の当接面132とが当接する直前の最小流量域に到るまで、テーパ面を成す当接面130と132との隙間の連続的な変化によって流量調節を行う。
従って図15に示す流量調節弁装置と異なって、流量域に応じて流量調節が切り換わることがなく、それ故連続的で安定した流量調節特性を得ることができる。
加えて本実施形態では、突出部128及び主弁座25が硬質であって、それらに形成された硬質の当接面130,132同士が当接するため、給水圧が高い場合であっても、閉弁時に主弁20側の当接面130及び主弁座25側の当接面132が給水圧によって弾性変形するのを有効に抑えることができる。
このため、閉弁時に給水圧によって弾性変形を伴って主弁20が押し込まれ、止水位置がずれることを防止することができ、これにより更に安定した流量調節特性を得ることができる。
またテーパ面の作用により、一対の当接面130,132が当接する直前の最小流量域で主弁20が不規則振動を起こして、これが異音の原因になるといった問題も併せて解決することができる。
因みに図9(B)は、主弁20が閉弁直前或いは開弁直後の最小流量域で異常振動を起すのが効果的に抑制されることの理由を模式的に表している。
尚図9(B)は、主弁20側、詳しくは突出部128の当接面130のみをテーパ面とし、主弁座25側の当接部134についてはこれをテーパ形状の当接面としていない場合の例で表している。
図9(B)に示しているように主弁20側の当接面130をテーパ面となした場合、最小流量域において水の流動圧による力は突出部128に対し図中上向きではなく、斜め方向に作用する。
そのため主弁20に対する図中上向き、即ち主弁20を背圧室26側に押し上げる力は小さく、その結果として最小流量域においても主弁20は安定して動作することが可能となり、主弁20に対する図中上向きの力と下向きの力とが不規則に働いて主弁20が不規則振動し、そのことによって異音を発生させる問題を効果的に抑制することができる。
また本実施形態では、一対の当接面130,132を互いに当接させて止水を行う止水弁も兼ねて流量調節弁装置16を構成してあるため、流量調節と止水とを同じ弁装置を用いて行うことができる。
図11は本発明の他の実施形態を示している。
図11(A)の例は、主弁座25側については雌テーパ面から成る当接面とせずに、略直角の角状の当接部134となし、主弁20側についてだけテーパ面から成る当接面130を設けた例である。
この例は、図9(B)の模式図で表した例と基本的に同じである。
他方図11(B)の例は、主弁座25側についてだけ雌テーパ面から成る当接面132となし、主弁20側については角状の当接部136となした例である。
図12は本発明の更に他の実施形態を示している。
この例は、主弁20側に雄テーパ面からなる当接面130を設ける一方、主弁座25側にも雌テーパ面からなる当接面132を設けた上、当接面130側に周方向に環状を成す保持溝138を設けて、そこに弾性シールリングとしてのOリング140を保持させ、止水時即ち当接面130と132との当接時において、かかるOリング140を当接面132に当接させ、これを弾性変形させてシール性を高めるようになした例である。
この例は、図12(B)に示しているようにOリング140の弾性変形だけによりシールを行うのではなく、Oリング140を当接面132に当接させたときに、当接面130のOリング140以外の部分も相手側の当接面132に当接させることにより、止水を行うようになしている。
従って止水時におけるOリング140の弾性変形は、当接面130と132との当接により一定量以下に自動的に抑制される。
この実施形態ではまた、Oリング140が突出部128の大径側即ち基端側に設けられている(テーパ面130のテーパ方向中央位置よりも突出部128の基端側)。
本実施形態によれば、主弁20側の当接面130にOリング140を保持させておき、これを主弁座25側の当接面132に当接させるようになすことで、給水圧が低い場合においても良好に止水を行うことができる。
またこの実施形態では、Oリング140を弾性変形させてシールを行う際のOリング140の弾性変形量を少なく抑えることができ、従ってOリング140の1回ごとの大きな弾性変形量に基づいて、長期の間にOリング140がヘタリを生じ、そのことによってOリング140が永久変形を起こして流量調節特性が変化してしまうのを有効に抑止することができる。
またOリング140は、主弁20側の当接面130且つ突出部128の基端側に設けてあるため、Oリング140を設けた基端側とは反対側の先端側の部分は平坦なテーパ面となり、Oリング140の突出による影響を抑えて、小流量域における流量調節特性をより安定したものとなすことができる。
尚、図12に示した実施形態においては、ゴム製のダイヤフラム膜24とは別体のOリング140を用いる構成であったが、図13に示す実施形態のようにダイヤフラム膜24とOリング140を一体に形成することも可能である。
この実施形態においては、ダイヤフラム膜24とOリング140とを連結部148で連結する形態でOリング140をダイヤフラム膜24と一体に成形し、そして連結部148の外周側に硬質の樹脂製(他の材質であっても良い)の、突出部128とは別体をなす拘束リング146を装着して、突出部128の保持溝138に弾性シールリングとしてのOリング140を保持している。
尚他の点については、図12に示した実施形態と同様である。
以上の例は何れも主弁20をダイヤフラム弁にて構成した場合の例であるが、本発明は図14に示しているようにピストン弁にて主弁20を構成した場合においても適用可能なものである。
同図において142はピストン弁から成る主弁を表しており、この主弁142の図中上側に背圧室26が形成されている。
尚、144はピストン弁から成る主弁142の外周面と背圧室形成部材54との間をシールするシールリングである。
尚他の点については基本的に上記実施形態と同様である。
以上本発明の実施形態を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば本発明は止水を行わない流量調節だけを行う流量調節弁装置にも適用可能なものであるなど、本発明はその趣旨をを逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の流量調節弁装置を示す図である。 図1とは異なる状態の流量調節弁装置を示す図である。 同実施形態の流量調節弁装置を各部材に分解して示す図である。 図3の要部を拡大して示す図である。 同実施形態の作用説明図である。 図5に続く作用説明図である。 同実施形態におけるスラストロック機構の作用説明図である。 図8に続く作用説明図である。 同実施形態の作用を比較例と比較して模式的に表した図である。 同実施形態の流量調節弁装置における流量調節特性を比較例と比較して示した図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 先願に係る流量調節弁装置の流量調節の動作を示した図である。
符号の説明
16 流量調節弁装置
20 主弁
25 主弁座
26 背圧室
28 導入小孔
30 パイロット水路
34 パイロット弁
128 突出部
130 当接面(主弁側の絞り部)
132 当接面(主弁座側の絞り部)
134,136 当接部
138 保持溝
140 Oリング(弾性シールリング)

Claims (5)

  1. 主水路に設けた主弁を主弁座に対し接近離間方向に進退移動させて、該主水路の流量調節を行う流量調節弁装置において、
    該弁装置は、(イ)前記主弁の背後に形成され、内部の圧力を該主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室と、(ロ)前記主水路における一次側の流入水路の水を該背圧室に導いて該背圧室の圧力を増大させる導入小孔と、(ハ)該背圧室と前記主水路における2次側の流出水路とを連通させる状態に前記主弁を貫通して設けられ、該背圧室の水を該流出水路に抜いて該背圧室の圧力を減少させるパイロット水路と、(ニ)前記主弁の前記進退移動の方向に進退移動して前記パイロット水路の開度を制御する流調パイロット弁とを備え、該流調パイロット弁の進退移動に追従して前記主弁を進退移動させることにより前記主水路の流量調節を行うパイロット式の弁装置となしてあるとともに、
    前記主弁には前記主弁座側に突出する突出部を設けて該突出部に、該主弁座側の硬質の絞り部と協働して前記主水路の水流を絞る主弁側の硬質の絞り部を設け、且つそれら一対の絞り部のうちの少なくとも一方を前記主弁の前記進退移動の方向に径変化するテーパ面となして、該主弁の該進退移動に伴い該主弁側の絞り部と該主弁座側の絞り部との間の隙間をそれら一対の絞り部が当接する直前の最小流量域に到るまで連続的に変化させて、該最小流量域に到るまで該隙間の連続的な変化により流量調節を行うようになしたことを特徴とする流量調節弁装置。
  2. 請求項1において、前記主弁側の絞り部と前記主弁座側の絞り部との何れもがテーパ面となしてあることを特徴とする流量調節弁装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記弁装置が、前記一対の絞り部を互いに当接させて止水を行う止水弁も兼ねていることを特徴とする流量調節弁装置。
  4. 請求項2において、前記弁装置が、前記一対の絞り部を互いに当接させて止水を行う絞り弁を兼ねており、且つ該絞り部をなす該一対のテーパ面の少なくとも一方に、該テーパ面の周方向に環状を成す弾性シールリングが環状の保持溝内部に保持させてあるとともに、該弾性シールリングは、テーパ面同士の当接時に該弾性シールリングを保持させた側の一方のテーパ面の他部とともに、相手側の他方のテーパ面に当接するものとなしてあることを特徴とする流量調節弁装置。
  5. 請求項4において、前記弾性シールリングは、前記主弁側の絞り部をなすテーパ面の側に且つ前記突出部の基端側に設けてあることを特徴とする流量調節弁装置。
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