JP2013204725A5 - - Google Patents

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流量調節バルブのダイヤフラム弁体
この発明は流量調節バルブのダイヤフラム弁体に関する。
従来、弾性体から成るダイヤフラム膜及びこれを保持するリテーナを含んだダイヤフラム弁体、詳しくは、(A)(a)水路に設けた弁座に対峙する径方向中央部の環状の弁シート部と、(b)水路を形成する水路形成部材に固定される外周部の環状の固定部と、(c)固定部から径方向内方に延びる環状の可撓膜部と、を有し、可撓膜部の可撓変形に基づいて弁シート部を上記径方向と直交する軸線方向に移動させる弾性体から成るダイヤフラム膜、及び(B)弁シート部を保持し、弁シート部と一体に軸線方向に移動するリテーナを含んだダイヤフラム弁体が各種バルブの主弁体として広く用いられている。 従来において、この種ダイヤフラム弁体は、径方向中央部の弁シート部,外周部の固定部及びそれらの間の可撓膜部が一体に成形され、そして弁シート部がリテーナに非接着で組み付けられただけの形態とされている。
図19はその具体例を示している。 この例は、パイロット式流量調節バルブに用いられているダイヤフラム弁体の例で、図中300は水路302に設けられた主弁座、304は水路形成部材としてのバルブボデー、306は主弁体を成すダイヤフラム弁体、308は内部の圧力をダイヤフラム弁体306に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室である。
310は、背圧室308と、水路302における主弁座300の下流側の2次側水路302Bとを連通させる状態に、ダイヤフラム弁体306を貫通して設けられたパイロット水路で、312はダイヤフラム弁体306に設けられたパイロット弁座であり、シール部材としてのOリング316を保持している。
314は、パイロット水路310の開度を大小変化させる方向に、詳しくはパイロット弁座312に向けて接近離間する方向の上下方向に移動するパイロット弁体であり、上記の主弁体をなすダイヤフラム弁体306は、このパイロット弁体314の上下方向の移動に追従して図中上下方向に移動し、水路302の開度を大小変化させる。これにより主弁座300よりも上流側の1次側水路302Aから2次側水路302Bに流れ込む水流量を大小変化させる。
主弁体をなす上記ダイヤフラム弁体306は、ゴム等の弾性体から成るダイヤフラム膜318とリテーナ320とで構成されており、またダイヤフラム膜318は、外周部の固定部321と、径方向中央部の弁シート部322と、それらの間の可撓膜部324とを有しており、そして外周部の固定部321においてバルブボデー304に固定され、また径方向中央部の弁シート部322がリテーナ320の溝326に嵌め込まれて、リテーナ320に非接着で固定されている。
ところでこの流量調節バルブにあっては、高圧条件下で、即ち高圧地域で且つ小流量で流量調節を行う際に、流量調節が安定しないといった問題を生ずる。 高圧条件下で且つ小流量で流量調節を行う際、主弁座300と弁シート部322との間の隙間は例えば0.01mm程度と微小な隙間となり、このときその隙間を通じて1次側水路302Aから2次側水路302Bへと流れる水の流れは速く、その速い流れによって弁シート部322が主弁座300側に吸引されてリテーナ320から離れ、その後に今度はその速い流れに押されてリテーナ320側に押し戻され、その繰り返しによって弁シート部322が震える現象を生じる。そしてそのことによって流量調節を安定して行えないといった問題が生ずるのである。
その対策として、リテーナ320に対する弁シート部322の接触面を接着剤でリテーナ320に接着し、固着するといったことが考えられる。 ダイヤフラム弁体において、このようにして弁シート部をリテーナに接着固定する点については、下記特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示のものは、図20(A)に示すように電磁開閉弁においてプランジャ(パイロット弁体)328にてパイロット水路330を閉鎖すると、背圧室の1次圧がダイヤフラム膜318とリテーナ320との間に回り込み、ダイヤフラム膜318が変形して間隙Gを形成し、次の瞬間圧力が抜け、元に戻るといったことを繰り返すことで、異常音を発生する問題を解決することを目的として、図20(B)に示しているようにダイヤフラム膜318の弁シート部322とリテーナ320とを接着剤332で接着するようになしたもので、その目的とするところはダイヤフラム膜318の弁シート部322の震えにより流量調節が不安定化する問題の解決とは異なったものであるが、このようにダイヤフラム膜318とリテーナ320とを接着することで、弁シート部322がリテーナ320から離れることに起因して震えを生じ、流量調節が安定しないといった問題を解決できると考えられる。
しかしながら、弁シート部322とリテーナ320とを接着すべく、弁シート部322のリテーナ320への接触面に接着剤を塗布して弁シート部322をリテーナ320に押し付けると、流動状態の接着剤が可撓膜部324の側にまで回り込んでしまって、可撓膜部324がリテーナ320に貼り付いてしまい、そのことによって可撓膜部324の十分な可撓性が失われ、結果としてダイヤフラム弁体の流量調節特性が著しく損われてしまうといった問題が生じてしまう。 またそのような現象を避けるように弁シート部322だけをリテーナ320に接着するといったことは製造上多大な困難を伴う。
弁シート部322を接着剤でリテーナ320に接着し固着する際に、接着剤が可撓膜部324の側に回り込んで可撓膜部324がリテーナ320に貼り付いてしまうのを防ぐ手段として、弁シート部322と可撓膜部324とを別体に分離して構成しておくといったことが考えられる。 この点に関し、下記特許文献2にはダイヤフラム弁体において、図21に示しているようにダイヤフラム膜318の弁シート部322と、可撓膜部324及び固定部321とを別体に分離して構成するとともに、リテーナ320を第1挟持部320-1と第2挟持部320-2とに軸線方向に分割し、そして第1挟持部320-1と第2挟持部320-2とで、可撓膜部324の内周部及び弁シート部322の外周部を軸線方向に挟み込んで、ダイヤフラム膜318をリテーナ320に固定するようになした点が開示されている。
しかしながらこのように弁シート部322の外周部と可撓膜部324の内周部とを、第1挟持部320-1と第2挟持部320-2とで挟み込んで、それらをリテーナ320に同時に固定する場合、必然的に可撓膜部324の内周部を弁シート部322よりも外周側の位置に配置しなければならず、この場合にはダイヤフラム膜318が必然的に大径化し、ひいてはダイヤフラム弁体が径方向において大型化してしまう問題を生ずる。
特開平1−135980号公報 特開2004−301323号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、ダイヤフラム膜の弁シート部がリテーナから離れ、震えることによって流量調節が不安定化する問題を解決し、流量調節を安定して行い得る流量調節バルブのダイヤフラム弁体を提供することを目的としてなされたものである。 また他の目的として、ダイヤフラム弁体を径方向に小型化すること、更にダイヤフラム弁体の傾きを抑制して流量調節をより安定して行い得るようにすることを目的としている。
而して請求項1のものは、(A)(a)水路に設けた弁座に対峙する径方向中央部の環状の弁シート部と、(b)該水路を形成する路形成部材に固定される外周部の環状の固定部と、(c)該固定部から径方向内方に延びる環状の可撓膜部と、を有し、該可撓膜部の可撓変形に基づいて前記弁シート部を前記径方向と直交する軸線方向に移動させる弾性体から成るダイヤフラム膜、及び(B)該弁シート部を保持し、該弁シート部と一体に該軸線方向に移動するリテーナ、を含み、該弁シート部の前記弁座からの離間量に応じて水路の水流量を変化させる流量調節バルブのダイヤフラム弁体において、前記ダイヤフラム膜の前記弁シート部と前記可撓膜部とを別体に分離して設け、該弁シート部を前記リテーナに接着固定する一方、該可撓膜部の内周部を該リテーナにて前記軸線方向に弾性圧縮させる状態に挟み込み、該リテーナに固定してあることを特徴とする。
請求項2
のものは、請求項1において、前記可撓膜部の内周部を、前記弁シート部に対し前記弁座とは前記軸線方向の反対側の位置で該弁シート部と該軸線方向に重複させる状態に配置して、該内周部を前記リテーナにて挟み込んであることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記リテーナを第1挟持部と第2挟持部とに軸線方向に分割し、それら別体をなす第1挟持部と第2挟持部とで前記可撓膜部の内周部を前記軸線方向に挟み込んであることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項3において、前記可撓膜部の内周部を挟み込んだ前記第1挟持部と第2挟持部とを固定具にて固定してあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項3において、前記第1挟持部と第2挟持部との一方には係合爪を、他方には対応した係合凹部を設け、前記可撓膜部の内周部を挟み込んだ該第1挟持部と第2挟持部とを、それら係合爪と係合凹部とを前記軸線方向に弾性係合させることで固定してあることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記リテーナにおける前記弁座よりも上流側の部分であって、前記軸線方向において前記可撓膜部と該弁座との間に位置する部分を、前記流路形成部材の内面に向けて径方向外方に延出させ、その延出部の外周部に沿って、該流路形成部材の内面に対して前記軸線方向に摺動し、流量調節動作時のガイドを行うガイド部を設けたことを特徴とする。
請求項7のものは、請求項6において、前記ガイド部は、周方向に沿って凸部と凹部とを交互に有する凹凸形状をなし、該凸部において前記流路形成部材の内面に摺動するものとなしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、ダイヤフラム膜の弁シート部と可撓膜部とを別体に分離して設け、弁シート部をリテーナに接着固定する一方、可撓膜部の内周部をリテーナにて軸線方向に弾性圧縮させる状態に挟み込み、リテーナに固定するようになしたものである。
本発明によれば、弁シート部がリテーナに接着固定してあることから、流量調節バルブにおいて高圧条件で且つ小流量で水を流す場合においても、弁シート部がリテーナから離れたり戻ったりすることを繰り返すことで震えを生じて流量調節が不安定化する問題を解決し得、高圧及び小流量条件の下でも流量調節を安定に行うことが可能となる。
また本発明では、ダイヤフラム膜の弁シート部と可撓膜部とを別体に分離して設けているため、弁シート部をリテーナに接着するための接着剤が可撓膜部の側まで回り込んで、可撓膜部がリテーナに貼り付いてしまうのを防ぐことができ、接着剤による接着に起因して可撓膜部の可撓変形性能が損なわれてしまい、そのことによってダイヤフラム弁体による流量調節が不安定化してしまう問題も併せて解決することができる。
本発明では、可撓膜部の内周部を弁シート部に対し弁座とは軸線方向の反対側の位置で弁シート部と軸線方向に重複させる状態に配置し、その内周部をリテーナにて挟み込み、固定するようになすことができる(請求項2)。 このようにすることでダイヤフラム膜を小径化することができ、従ってダイヤフラム弁体を径方向において小型化することができる効果が得られる。
本発明ではまた、リテーナを第1挟持部と第2挟持部とに軸線方向に分割し、別体をなす第1挟持部と第2挟持部とで可撓膜部の内周部を軸線方向に挟み込んで固定するようになすことができる(請求項3)。 このようにすれば、ダイヤフラム膜の内周部を挟み込む際の幅即ち内周部に対する圧縮幅や軸線方向の圧縮量を容易に大とすることができ、可撓膜部の内周部とリテーナとの接触部のシール性を高めることができる。
詳しくは、リテーナに溝を設けて、そこにダイヤフラム膜の内周部を嵌め込むことで、その内周部を軸線方向に挟み込む場合、作業性の点で内周部に対する圧縮幅や圧縮量を大とすることが難しいが、請求項3に従ってリテーナを第1挟持部と第2挟持部とに分割して、それらによりダイヤフラム膜の内周部を軸線方向に挟み込むようにすれば、内周部に対する圧縮幅や圧縮量を容易に大とすることができる。
この場合において、可撓膜部の内周部を挟み込んだ第1挟持部と第2挟持部とを固定具にて固定しておくことができる(請求項4)。 このようにすれば、第1挟持部と第2挟持部とで可撓膜部の内周部を大きな圧縮幅で、また大きな圧縮量で圧縮した状態を良好に維持することができる。
この場合において、第1挟持部と第2挟持部との一方には固定用の挿通穴部を、他方には挿通穴部を軸線方向に挿通して先端部を挿通穴部から突出させる固定用の突出部を設け、突出部の先端部に設けた溝に弾性を有するEリング等の止め輪を軸線方向と直角方向に嵌め込んで第1挟持部と第2挟持部とを固定するようになしておくことができる。
一方本発明では、第1挟持部と第2挟持部との一方に係合爪を、他方に対応した係合凹部を設け、可撓膜部の内周部を挟み込んだ第1挟持部と第2挟持部とを、それら係合爪と係合凹部とを軸線方向に弾性係合させることで固定しておくことができる(請求項5)。 この請求項5によれば、請求項4のように別途の固定具を用いる場合に比べて、所要部品点数を少なくできる利点が得られる。
ところで、請求項1に従って弁シート部をリテーナに接着固定した場合、弁座と弁シート部との間の微小な隙間を水流が速い流れで流れたとき、弁座側に吸引する力及び押し戻す力がリテーナ自体に加わり、ダイヤフラム弁体が傾きを生じるといったことが危惧される。
そこで本発明では、請求項6に従いリテーナにおける上記弁座よりも上流側の部分であって、可撓膜部と弁座との間に位置する部分を流路形成部材の内面に向けて径方向外方に延出させ、その延出部の外周部に沿って、流路形成部材の内面に対し軸線方向に摺動し、流調調節動作時のガイドを行うガイド部を設けておくことができる(請求項6)。 このようにすれば、軸線方向において弁座に可及的に近いところでガイド部により流量調節動作時のダイヤフラム弁体の傾きを良好に抑制し得、高圧条件下且つ小流量の下での流量調節をより安定して行うことが可能となる。
この場合において上記ガイド部は、周方向に沿って凸部と凹部とを交互に有する凹凸形状となし、その凸部において流路形成部材の内面に摺動させるようになしておくことができる(請求項7)。 このようにガイド部を周方向に沿って凹凸形状となしておくことにより、ガイド部によるゴミ等の異物の噛込みを防止できるとともに、凹部において水の出入を容易とし、ダイヤフラム弁体の流量調節動作がガイド部により妨げられないようにすることができる。
本発明の一実施形態のダイヤフラム弁体を有する水栓を示した図である。 図1の流量調節バルブの断面図である。 図2のダイヤフラム弁体と周辺部を拡大して示した図である。 同ダイヤフラム弁体を分解して示した図である。 図4のリテーナを示した図である。 図2の弁部の作用説明図である。 本発明の他の実施形態の図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 同実施形態のダイヤフラム弁体を組付状態で示した図である。 図9のダイヤフラム弁体の分解斜視図である。 図10の第1挟持部を示した図である。 図10の第2挟持部を示した図である。 図10の第1挟持部及び第2挟持部の組付手順を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 図14の第1挟持部と第2挟持部を分解して示した図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 本発明の更に他の実施形態の図である。 従来のダイヤフラム弁体の図である。 図19とは異なる従来公知のダイヤフラム弁体の図である。 図19,図20とは異なる従来公知のダイヤフラム弁体の図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。 図1において、10は水栓で、カウンタ12上に設けられた操作部14と、カウンタ12から起立する吐水管15とを有している。 吐水管15はグースネック形状をなしており、先端に吐水口16を備えている。 また操作部14には、吐水口16からの吐水と止水とを行うための吐止水操作部14-1,吐水の流量を調節する流調操作部14-2及び吐水の温度を調節する温調操作部14-3等が設けられている。
カウンタ12の下方には、給水路18と給湯路20とのそれぞれに本実施形態の流量調節バルブ22C,22Hが設けられている。 給水路18上の水側の流量調節バルブ22C及び給湯路20上の湯側の流量調節バルブ22Hは、それぞれ水の流量,湯の流量を調節し、そしてそれらによって水と湯との混合比を変化させて、吐水口16からの混合水の温度を変化させる。 また給水路18上の水側の流量調節バルブ22Cからの水の流量、及び給湯路20上の湯側の流量調節バルブ22Hからの湯の流量を合せた総流量によって、吐水口16からの吐水の流量を決定する。
これら水側の流量調節バルブ22C,湯側の流量調節バルブ22Hは、それぞれ操作部14における流調操作部14-2,温調操作部14-3の操作に基づいて水,湯の流出流量を調節する。 これら流量調節バルブ22C,22Hから流出した水と湯とは合流部24で合流して混合水となり、混合水路26を通じて吐水管15へと送られ、吐水口16から外部に吐水される。 尚28は止水栓であり、また30は水栓10に備えられた制御部である。
この制御部30には、流量調節バルブ22C,22Hのそれぞれの駆動部としてのモータ(ここではステッピングモータ)32が電気的に接続されている。流量調節バルブ22C,22Hの各モータ32は制御部30にて動作制御される。 この制御部30にはまた、操作部14が電気的に接続され、そこから制御部30に信号入力される。
上記水側の流量調節バルブ22C,湯側の流量調節バルブ22Hは同じ構成のもので、その構成が図2に具体的に示してある。ここで水側の流量調節バルブ22C,湯側の流量調節バルブ22Hは同一の構成のものであるので、図2では単に流量調節バルブ22として示してある。
図2において、34は流量調節バルブ22のボデーで、内部に水路36が形成されており、その水路36上に主弁体としてのダイヤフラム弁体38が設けられている。 36Aは水路36におけるダイヤフラム弁体38の上流側の1次側水路を、36Bは下流側の2次側水路を表している。 主弁体を成すダイヤフラム弁体38は、図3にも示しているように硬質のリテーナ40と、これに保持された、シール部材を兼ねたゴム製のダイヤフラム膜42とから成っている。 ダイヤフラム弁体38は、主弁座(弁座)44に向けて進退移動して水路36を開閉し、また開度を変化させる。 詳しくは、ダイヤフラム弁体38は主弁座44への着座によって水路36を遮断し、また主弁座44から図中上向きに離間することによって水路36を開放する。 また主弁座44からの離間量に応じて水路36の開度を大小変化させ、水路36を流れる水の流量を調節する。 尚、主弁座44はボデー34に形成された円筒部46の上端部にて構成されている。
このダイヤフラム弁体38の図中上側、即ちダイヤフラム弁体38に対し2次側水路36Bと反対側に背圧室48が設けられている。 背圧室48は、内部の圧力をダイヤフラム弁体38に対し図中下向きの閉弁方向の押圧力として作用させる。 図3に示しているようにダイヤフラム弁体38には、これを貫通して1次側水路36Aと背圧室48とを連通さ
せる導入小孔50が設けられている。 導入小孔50は、1次側水路36Aからの水を背圧室48に導いて背圧室48の圧力を増大させる。
ダイヤフラム弁体38にはまた、これを貫通して背圧室48と2次側水路36Bとを連通させる、水抜路としてのパイロット水路52が設けられている。 このパイロット水路52は、背圧室48内の水を2次側水路36Bに抜いて背圧室48の圧力を減少させる。
54はパイロット弁ケースで、ボデー34に形成されたガイド孔56に摺動可能に嵌合され、ガイド孔56によって図中上下方向に移動ガイドされる。 パイロット弁ケース54は、中心部に後述のパイロット弁体60のためのガイド孔58を有しており、そこにパイロット弁体60が摺動可能に嵌合されている。 パイロット弁体60は、このガイド孔58によって図中上下方向の移動時に移動ガイドされる。 尚、パイロット弁ケース54には切欠部(図示せず)が設けられており、この切欠部によって、背圧室48と上記のガイド孔56及び58とが互いに連通状態とされている。
パイロット弁ケース54は、図3中下端部にL字状に折れ曲がった形態の係合突部64を有しており、この係合突部64を、ダイヤフラム弁体38の係合孔66に係合させることによって、ダイヤフラム弁体38と一体移動する状態にダイヤフラム弁体38に固定されている。 ダイヤフラム弁体38は、パイロット弁ケース54とガイド孔56とによるガイド作用によって、図中上下方向に移動案内される。
図2において、76はパイロット弁体60を移動操作する操作軸で、くびれ部140を除いてその全体が断面円形且つ外径が軸方向の一端から他端に到るまで一様な棒状をなしている。 上記パイロット弁体60は、操作軸76の、くびれ部140よりも図中上側の先端側の一部にて構成されている。 ここでパイロット弁体60には、図6に示しているようにくびれ部140側の図中下側の端部に全周に亘って傾斜面146が形成されている。 操作軸76の、くびれ部140より図中下側且つくびれ部140側の端部においても同様に傾斜面146が全周に亘り形成されている。
ここで操作軸76とボデー34との間は、図2に示すようにOリング(シールリング)78によって水密にシールされている。 またOリング78は、Oリング押え80によって図中下側から上向きに押えられ、支持されている。 このOリング押え80は中心部に挿通孔を有しており、操作軸76はこの挿通孔を挿通して、下端側がボデー34の凹所82内に突き出している。
ダイヤフラム弁体38には、その中心部に貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面と上記のくびれ部140との間に、上記のパイロット水路52が狭小幅で環状に形成されている。 この例において、ダイヤフラム弁体38には中心の貫通孔の内周面に沿って軸線周りに環状をなすパイロット弁座142が設けられている。 このパイロット弁座142は、シール部としてのOリング(シールリング)144を保持している。
この実施形態においては、操作軸76が図中上下方向に移動すると、パイロット弁体60がこれと一体に上下方向に移動する。 そしてこのパイロット弁体60の上下方向の移動に伴って、ダイヤフラム弁体38がこれに追従して同方向に移動する。
図6はその際の弁部の作用を表している。 図6(I)は止水状態を表しており、このときパイロット弁体60はパイロット弁座142のOリング144に全周に亘り弾性嵌合しており、パイロット水路52は閉鎖された状態にある。 この状態から、操作軸76の図中上向きの移動に伴ってパイロット弁体60がこれと一体に上向きに移動すると、図6(II)に示すようにパイロット弁体60がパイロット弁座142のOリング144から図中上向きに離間する。即ちパイロット弁体60における傾斜面146と、Oリング144との間に隙間を生ぜしめる。 ここにおいてパイロット水路52が開いて、背圧室48内の水がパイロット水路52を通じて2次側水路36Bに抜け、背圧室48の圧力が低下する。
すると背圧室48の圧力と1次側水路36Aの圧力とをバランスさせるようにして、ダイヤフラム弁体38がパイロット弁体60の図中上向きの後退移動に追従して上向きに後退移動し、水路36を開いて1次側水路36Aから2次側水路36Bに水を流通させる。
ダイヤフラム弁体38は、図6(III)に示すようにパイロット弁座142とパイロット弁体60との間に微小な一定の追従隙間dを維持しつつ、パイロット弁体60の更なる後退移動に追従して同方向に移動し、水路36の開度を更に広くして、水路36を流れる水の流量を増大変化させる。
また逆にパイロット弁体60が図中下向きに前進移動すると、背圧室48の圧力と1次側水路36Aの圧力とをバランスさせるようにして、ダイヤフラム弁体38がパイロット弁体60の前進移動に追従して図中下向きに移動し、水路36の開度を減少変化させて、水路36を流れる水の流量を減少させる。 そして最終的にパイロット弁体60がパイロット弁座142のOリング144に水密に弾性嵌合して閉弁し、またダイヤフラム弁体38が主弁座44に着座して閉弁状態となる。
図2に示す流量調節バルブ22において、ボデー34の外面(図中下面)には、駆動部としての上記のモータ32が取り付けられている。 またボデー34の内部の収容室84には、雌ねじ部材86,雄ねじ部材88が収容されている。
雌ねじ部材86は有底円筒状をなしていて、その底部にモータ32からの出力軸である回転軸98が結合され、雌ねじ部材86がモータ32によって回転軸98と一体に回転するようになっている。 雌ねじ部材86の円筒状の筒壁100には、内周面に雌ねじ部が設けられている。 一方雄ねじ部材88には円形の外周面に雄ねじ部が設けられ、この雄ねじ部が雌ねじ部に螺合されている。 この雄ねじ部材88は、中心部に挿込孔106を有しており、そこに操作軸76の図中下端部が圧入状態に差し込まれ、雄ねじ部材88に結合されている。
この実施形態では、モータ32の駆動力によって回転軸98が回転すると、これと一体に雌ねじ部材86が回転運動し、そしてその回転運動が、雌ねじ部と雄ねじ部との螺合に基づいて雄ねじ部材88及び操作軸76の直進運動に変換されて、それらが図中上下方向にねじ送りで進退移動せしめられる。 そして操作軸76が図中上下方向に進退移動することで、パイロット弁体60が一体に移動し、これによってダイヤフラム弁体38が開閉方向に動作せしめられる。
尚、雄ねじ部材88は図中上部にフランジ部を有していて、そのフランジ部に一対の切欠部が、周方向に180°隔たった2個所に設けられており、それら切欠部が、図2に示すようにボデー34の係合突部114に係合していて、それらの係合作用によって雄ねじ部材88が回転阻止されている。
上記雄ねじ部材88には、挿込孔106周りに円環状の溝108が設けられていて、そこにスプリング110の図中下部が挿入されている。 スプリング110は、この雄ねじ部材88と上記のOリング押え80との間に介在して、軸方向の各端を雄ねじ部材88の溝108の底面と、Oリング押え80の下面とに当接させ、それらを互いに逆方向に弾発している。
上記ダイヤフラム膜42は、図4に示しているように上記主弁座44に対して軸線方向(ダイヤフラム弁体38の軸線方向)に対峙する径方向中央部の平板状の弁シート部112と、外周部の厚肉の固定部115と、固定部115から径方向内方に向って延びる可撓膜部116とを有している。 ここで弁シート部112は平面視形状が円環状、詳しくはドーナツ環状をなしている。外周部の固定部115及び可撓膜部116もまた平面視形状が円環状をなしている。
可撓膜部116は、断面逆U字形状で図中上方に向って突曲した曲げ返し形状の可撓部116Aと、可撓部116Aに比べて厚肉をなす平板状の内周部116Bとを有している。 この実施形態において、ダイヤフラム膜42は、中央部の弁シート部112と、外周部の固定部115及び可撓膜部116とが別体に分離して構成されている。
一方リテーナ40は、ダイヤフラム膜42よりも硬質の樹脂製のもので、図4及び図5に示しているように平面視形状が円形状をなしている。 リテーナ40は、上端で開口した凹所124を有しており、その凹所124の底部からパイロット弁座142を構成する円筒部126が立ち上っており、その内部にOリング144を保持するようになっている。 このリテーナ40には、図中下面に円環状(ドーナツ環状)の溝120が設けられており、そこに弁シート部112が図中上向きに嵌め込まれて保持されている。
ここで弁シート部112は、溝120の外周面,内周面及び溝底面のそれぞれに接触せしめられており、そしてそれらに対する接触面の全面に亘って接着剤により溝120の外周面,内周面及び溝底面に対して、即ちリテーナ40に対して接着固定されている。 ダイヤフラム弁体38は、図3に示しているように溝120への弁シート部112の組付状態で、図中下面が平坦な面一面をなしている。
リテーナ40にはまた、環状溝120よりも軸線方向の図中上側位置に、外周面で開口し、その開口から径方向内方に向って延びる円環状の溝122が設けられており、そこに可撓膜部116における上記の内周部116Bが嵌め込まれ、保持されている。
ここで内周部116Bは、溝122の上下方向の溝幅よりも厚肉に形成されており、溝122への嵌込みによって、内周部116Bがリテーナ40によって図中上下方向、即ち軸線方向に所定圧縮量で挟み込まれている。そしてその挟み込みによって内周部116Bがリテーナ40に固定されている。
以上のような本実施形態では、弁シート部112がリテーナ40に接着固定してあることから、流量調節バルブ22において高圧条件で且つ小流量で水を流す場合においても、弁シート部112がリテーナ40から離れたり戻ったりすることを繰り返すことで震えを生じて流量調節が不安定化するといったことがなく、高圧及び小流量条件の下でも流量調節を安定して行うことができる。
また本実施形態では、ダイヤフラム膜42の弁シート部112と可撓膜部116とを別体に分離して設けているため、弁シート部112をリテーナ40に接着するための接着剤が可撓膜部116の側まで回り込んで、可撓膜部116がリテーナ40に貼り付いてしまうのを防ぐことができ、接着剤による接着に起因して可撓膜部116の可撓変形性能が損なわれてしまい、そのことによってダイヤフラム弁体38による流量調節が不安定化してしまう問題も解決することができる。
図7は本発明の他の実施形態を示している。 上記実施形態では、操作軸76の先端側の一部にてパイロット弁体60を構成しているが、ここではプランジャ128とその先端部(図中下端部)のシール部材130とでパイロット弁体60を構成し、そしてシール部材130をダイヤフラム弁体38、詳しくはリテーナ40に設けたパイロット弁座138に向けて進退移動させ、パイロット水路52の開度を変化させるようにしている。 尚この例では、パイロット弁体60のためのガイド孔58を有するパイロット弁ケース54がダイヤフラム弁体38に、詳しくはリテーナ40に一体に構成されており、そのパイロット弁ケース54が、ガイド孔56に図中上下方向に摺動可能に嵌合されている。 この実施形態では、ガイド孔56内にスプリング132が設けられており、そのスプリング132によってパイロット弁体60が図中下向き、即ち閉弁方向に付勢されている。 ここでスプリング132は、図中下側の一部がプランジャ128に設けられた凹所136内に収容されている。
パイロット弁体60は、上記のパイロット水路52を挿通して下
向きに突出する細径の軸部134を有しており、この実施形態では、操作軸76によってその軸部134を上記のスプリング132による付勢力に抗して上向きに押し上げることで、パイロット弁体60が図中上方に後退移動する。 そしてその後退移動に追従して主弁体をなすダイヤフラム弁体38が図中上方に移動せしめられる。 尚ここでは、リテーナ40の一部を部分的に図中上向きに環状に突出させることで、パイロット弁座138が形成されている。
図8〜図12は、本発明の更に他の実施形態を示している。 これらの図に示しているように、本実施形態ではリテーナ40が主弁座44側の図中下側の第1挟持部40-1と、図中上側の第2挟持部40-2とに軸線方向の上下方向に2分割されている。 図中上側の第2挟持部40-2には、内側にパイロット弁体60のためのガイド孔58を有するパイロット弁ケース54が、図中上向きに突出する形態で一体に構成されており、そのパイロット弁ケース54が、ガイド孔56内に図中上下方向に摺動可能に嵌入されている。 尚このパイロット弁ケース54には、図9に示しているように周方向に120°ごと異なった3個所にスリット状の切欠部148が形成されており、この切欠部148を介して背圧室48とガイド孔58及び56とが連通状態とされている。
図中下側の第1挟持部40-1には、上記実施形態と同様に主弁座44側の下面にドーナツ環状の溝120が形成されており、そこにダイヤフラム膜42における中央部の弁シート部112が、嵌込状態に接着剤にて接着固定されている。 この実施形態では、弁シート部112に対して主弁座44とは軸線方向の反対側の上側位置に、リテーナ40の外周面で開口し、その開口から径方向内方に延びる円環状の溝122が、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とによって形成されており、その溝122において、ダイヤフラム膜42における可撓膜部116の内周部116Bが、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とで軸線方向の上下方向に圧縮状態に挟み込まれている。 尚溝122の一部、詳しくは径方向内方の奥部の一部は、第1挟持部40-1自身にて形成されている。
溝122及びダイヤフラム膜42における可撓膜部116の内周部116Bは、リテーナ40の外周位置から径方向内方に深く入り込んでおり、かかる内周部116Bが、弁シート部112に対して軸線方向の上下方向に重複(オーバーラップ)せしめられている。 可撓膜部116の内周部116Bは、その重複状態で第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とで軸線方向の上下方向に圧縮状態に挟み込まれ、リテーナ40に固定されている。
ここで溝122及び可撓膜部116における内周部116Bは、その内周端の位置が、溝120の内周端の位置、即ち中央部の弁シート部112の内周端と同じ位置に位置せしめられている。 尚第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とには、平面視において同一位置に上下方向の貫通孔が設けられており、それら貫通孔によって、背圧室48と1次側水路36Aとに連通した導入小孔50が形成されている。
図10に示しているように、ダイヤフラム膜42における中央部の弁シート部112は、外周部に肉厚の薄いフランジ部150を有している。 一方第1挟持部40-1の図中下面には、図11に示しているように最外周部に対して段付きの凹形状をなす、溝深さの浅い浅溝部152が設けられており、この浅溝部152に、弁シート部112のフランジ部150が嵌め込まれている。 このフランジ部150もまた、第1挟持部40-1に対して接着固定されている。
図11に示しているように、第1挟持部40-1は図中下側の基部153と、基部153から立ち上る小径円筒部154と、これから更に図中上向きに立ち上る、外径が小径円筒部154よりも大径の大径円筒部156とを有しており、それら基部153と小径円筒部154と大径円筒部156とによって、上記の溝122の一部を形成している。
大径円筒部156には、周方向に120°ごと隔たった3個所に、軸線方向の上向きに起立する突出部158が一体に構成されており、それら3個所の突出部158の外周面に、円弧状の係止溝160がそれぞれ形成されている。 一方第2挟持部40-2もまた、図12に示しているように図中下側に基部162を有しており、この基部162から上記のパイロット弁ケース54が立ち上っている。 ここで基部162には、上端側の外周部に鍔状部164が設けられている。 また基部162には、第1挟持部40-1の上記の3つの突出部158に対応した位置に且つ対応した形状で、それら突出部158を挿通するための貫通の挿通穴部166が設けられている。
図10において、168は第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とを固定するための固定具としてのEリング(止め輪)で、周方向に120°ごと異なった3個所に内向きに突出する爪部170を有している。 尚、図10に示しているようにダイヤフラム膜42における可撓膜部116の内周部116Bの図中上面には、上向きに突出する環状の突条部172が設けられている。 内周部116Bには、更に周方向の所定個所に導入小孔50のための貫通孔174が設けられている。 一方、図12に示しているように第2挟持部40-2には、ダイヤフラム膜42における可撓膜部116の内周部116Bを下向きに押圧する環状の突条部176が、図中下向きに突出する状態で設けられている。
図13はダイヤフラム膜42,第1挟持部40-1,第2挟持部40-2の組付けの手順を示している。 この実施形態では、予めダイヤフラム膜42における中央部の弁シート部112を、第1挟持部40-1の溝120内に埋込状態に接着固定しておき、また可撓膜部116における内周部116Bの内周端側の一部を第1挟持部40-1の溝に嵌め込む状態に、ダイヤフラム膜42の外周側の固定部115及び可撓膜部116を第1挟持部40-1に取り付けておく。
その状態で、図13(B)に示すように第1挟持部40-1の突出部158を、第2挟持部40-2の挿通穴部166に軸線方向に挿通させるようにして、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とを図中上下方向に組み合せ、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とのそれぞれの基部153と162とで、可撓膜部116の内周部116Bを上下方向に圧縮し、挟み付ける。
そして第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とで可撓膜部116の内周部116Bを軸線方向に圧縮し、挟み込んだ状態で、挿通穴部116を挿通して上向きに突き抜けた突出部158の先端部の係止溝160に、固定具としてのEリング168を軸直角方向から弾性的に嵌め込み、Eリング168の爪部170を係止溝160に係止させることで、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とを固定状態とする。
このとき、可撓膜部116における内周部116Bの突条部172が、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とで局部的に強く圧縮される。 また第2挟持部40-2の下向きの突条部176が内周部116Bに食い込んで、内周部116Bを局部的に強く圧縮状態に押圧する。 これら内周部116Bの突条部172と、第2挟持部40-2の突条部176とは、内周部116Bとリテーナ40との接触部分のシール性を高め、圧力漏れを効果高く抑制する働きをする。 尚、第2挟持部40-2には図9及び図10に示すように、Eリング168の開口部に入り込んで、Eリング168の押込方向を規定する位置決部178が段付形状で設けられている。
本実施形態では、可撓膜部116の内周部116Bを、弁シート部112に対し主弁座44とは軸線方向(図中上下方向)の反対側の位置で弁シート部112と軸線方向に重複させる状態に配置し、その内周部をリテーナにて挟み込み、固定していることから、ダイヤフラム膜42を小径化することができ、従ってダイヤフラム弁体38を径方向において小型化することができる効果が得られる。
本実施形態ではまた、リテーナ40を第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とに軸線方向に分割し、別体をなす第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とで可撓膜部116の内周部116Bを軸線方向に挟み込んで固定しているため、可撓膜部116の内周部116Bに対する圧縮幅や圧縮量を容易に大とすることができ、可撓膜部116の内周部116Bとリテーナ40との接触部のシール性を高めることができる。
図14及び図15は本発明の更に他の実施形態を示している。 この例では、図15に示しているように第1挟持部40-1の突出部158の径方向の外面に係合凹部180を設ける一方、第2挟持部40-2には対応する挿通穴部166と、挿通穴部166の径方向外側位置において弾性片182を設け、その弾性片182に係合爪184を設けている。
この実施形態では、第1挟持部40-1の突出部158を、第2挟持部40-2の挿通穴部166に挿通するようにして、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とを軸線方向の上下方向に組み合せると、第2挟持部40-2の弾性片182に設けた係合爪184が、弾性片182の弾性変形を伴って第1挟持部40-1の係合凹部180に弾性係合した状態となり、そしてそれら係合爪184と係合凹部180との弾性係合に基づいて、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とが上下方向に結合され、固定される。 即ち、第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とが、ダイヤフラム膜42における可撓膜部116の内周部116Bを図中上下方向に圧縮し、挟み込んだ状態に固定される。
この実施形態によれば、図10のEリング168等の固定具を用いることなく第1挟持部40-1と第2挟持部40-2とを固定でき、所要部品点数を少なくすることができる。
図16(A)及び(B)は本発明の更に他の実施形態を示している。 上記の実施形態では、何れもダイヤフラム膜42における中央部の弁シート部112が、リテーナ40の溝120の内部に全体的に嵌め込まれ、接着固定により保持されているが、図16(A)の実施形態では、弁シート部112がリテーナ40の主弁座44側の下面から全体的に突出する状態で、図中その上面がリテーナ40に対し接着剤にて接着固定されている。
弁シート部112がリテーナ40の溝120の内部に完全に嵌り込む状態でリテーナ40に取り付けられていると、弁シート部112を取り囲んだ溝120による拘束作用によって弁シート部112が弾性変形し難く、そのことにより弁シート部112が硬くなってしまう。
しかるに図16(A)の実施形態によれば、弁シート部112が全体的にリテーナ40から外部に突き出す状態で設けられているため、弁シート部112が弾性変形し易く、従って弁シート部112の十分な弾性変形を伴って、弁シート部112を主弁座44に対して軟らかく着座させることができる。
一方図16(B)の例は、弁シート部112を溝120の内部に全体的に嵌め込むとともに、この溝120に連続して穴部186を設けたもので、このようにしておけば、弁シート部112を構成するゴム材が、変形時に穴部186に逃げ込むことができるため、弁シート部112を軟らかくでき、弁シート部112の主弁座44への着座時に、弁シート部112の十分な変形を伴って、これを軟らかく着座させることができる。
図17は本発明の更に他の実施形態を示している。 この例は、背圧室48と2次側水路36Bとを連通させる連通路190を、主弁体をなすダイヤフラム弁体38をバイパスする形で設けて、その連通路190の一部をパイロット水路52となし、そしてそのパイロット水路52を、操作軸188の先端部に設けたパイロット弁体60にて開度制御し、ダイヤフラム弁体38をパイロット弁体60の移動に追従して移動させ、水流量を調節するようになした例である。
図18は本発明の更に他の実施形態を示している
。 この例は、リテーナ40における主弁座44よりも上流側の部分であって、軸線方向において可撓膜部116、詳しくは曲げ返し形状の可撓部116Aと主弁座44との間に位置する部分を、流路形成部材としてのボデー34の内面192に向けて径方向外方に延出させ、その延出部の外周部に沿って、内面192に対して軸線方向の上下方向に摺動し、流量調節動作時のガイドを行うガイド部194を設けた例である。 ここでガイド部194は、周方向に沿って凸部196と凹部198とを交互に有する凹凸形状となしてある。 ガイド部194は、その凸部196においてボデー34の内面192に摺動し、ガイド作用を行う。
弁シート部112をリテーナ40に接着固定した場合、主弁座44と弁シート部112との間の微小な隙間を水流が速い速度で流れたとき、主弁座44側に吸引する力及び押し戻す力がリテーナ40自体に加わり、ダイヤフラム弁体38が傾きを生じることが危惧される。
そこで本実施形態では、リテーナ40に上記のガイド部194を設けたもので、このようにすれば、主弁座44に可及的に近いところでガイド部194により流量調節動作時のダイヤフラム弁体38の傾きを良好に抑制し得、高圧条件下且つ小流量の下での流量調節をより安定して行うことが可能となる。
またガイド部194は、周方向に沿って凸部196と凹部198とを交互に有する凹凸形状となし、その凸部196において流路形成部材の内面に摺動させるようになしているため、ガイド部194によるゴミ等の異物の噛込みを防止できるとともに、凹部198において水の出入を容易とし、ダイヤフラム弁体38の流量調節動作がガイド部194により妨げられないようにすることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
22 流量調節バルブ 36 水路 38 ダイヤフラム弁体 40 リテーナ 40-1 第1挟持部 40-2 第2挟持部 42 ダイヤフラム膜 44 主弁座(弁座) 112 弁シート部 115 固定部 116 可撓膜部 116B 内周部 160 係止溝 166 挿通穴部 168 Eリング(固定具) 180 係合凹部 184 係合爪 194 ガイド部 196 凸部 198 凹部

Claims (7)

  1. (A)(a)水路に設けた弁座に対峙する径方向中央部の環状の弁シート部と、(b)該水路を形成する路形成部材に固定される外周部の環状の固定部と、(c)該固定部から径方向内方に延びる環状の可撓膜部と、を有し、該可撓膜部の可撓変形に基づいて前記弁シート部を前記径方向と直交する軸線方向に移動させる弾性体から成るダイヤフラム膜、及び(B)該弁シート部を保持し、該弁シート部と一体に該軸線方向に移動するリテーナ、を含み、該弁シート部の前記弁座からの離間量に応じて水路の水流量を変化させる流量調節バルブのダイヤフラム弁体において、 前記ダイヤフラム膜の前記弁シート部と前記可撓膜部とを別体に分離して設け、該弁シート部を前記リテーナに接着固定する一方、該可撓膜部の内周部を該リテーナにて前記軸線方向に弾性圧縮させる状態に挟み込み、該リテーナに固定してあることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  2. 請求項1において、前記可撓膜部の内周部を、前記弁シート部に対し前記弁座とは前記軸線方向の反対側の位置で該弁シート部と該軸線方向に重複させる状態に配置して、該内周部を前記リテーナにて挟み込んであることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記リテーナを第1挟持部と第2挟持部とに軸線方向に分割し、それら別体をなす第1挟持部と第2挟持部とで前記可撓膜部の内周部を前記軸線方向に挟み込んであることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  4. 請求項3において、前記可撓膜部の内周部を挟み込んだ前記第1挟持部と第2挟持部とを固定具にて固定してあることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  5. 請求項3において、前記第1挟持部と第2挟持部との一方には係合爪を、他方には対応した係合凹部を設け、前記可撓膜部の内周部を挟み込んだ該第1挟持部と第2挟持部とを、それら係合爪と係合凹部とを前記軸線方向に弾性係合させることで固定してあることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記リテーナにおける前記弁座よりも上流側の部分であって、前記軸線方向において前記可撓膜部と該弁座との間に位置する部分を、前記流路形成部材の内面に向けて径方向外方に延出させ、その延出部の外周部に沿って、該流路形成部材の内面に対して前記軸線方向に摺動し、流量調節動作時のガイドを行うガイド部を設けたことを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
  7. 請求項6において、前記ガイド部は、周方向に沿って凸部と凹部とを交互に有する凹凸形状をなし、該凸部において前記流路形成部材の内面に摺動するものとなしてあることを特徴とする流量調節バルブのダイヤフラム弁体。
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