JP4268066B2 - ダイヤフラム弁体 - Google Patents
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同図において、200は止水弁202の主体を成すダイヤフラム弁体で、ゴム等の弾性体から成るダイヤフラム本体204を有している。
ダイヤフラム本体204は、外周部の固定部206と中央部の平板状の閉鎖部208とを有しており、その閉鎖部208において通路210の一部を構成する筒状部の上端の弁座209に着座し、通路210を遮断するようになっている。
このダイヤフラム弁体200には、通路210における上流側通路210aと背圧室218とを連通させる小孔径の連通路220が形成されている。
即ちプランジャ弁体224が弁座226に着座することで水抜通路222が遮断され、またプランジャ弁体224が弁座226から図中上向きに離れることによって水抜通路222が開放される。
これによりダイヤフラム弁体200に対する背圧室218の下向きの押圧力が消失し、ここにおいてダイヤフラム弁体200が給水圧により開弁し、上流側通路210aの水が下流側通路210bへと流れ出す。
また開弁状態から閉弁するまでの間の時間を長くとることができるため、従来生じていたウォータハンマの発生を防止できるようになる。
例えばダイヤフラム本体と保持部材との組付構造として、図16の比較例図に示しているように、保持部材214に可撓部216の嵌込用の環状の隙間228と、閉鎖部208の嵌込用の環状の隙間230とを形成し、そして隙間228に可撓部216の内周部を嵌め込む一方、隙間230に閉鎖部208の外周部を嵌め込んで、ダイヤフラム本体204と保持部材214とを組み付けるようになすことが考えられるが、この場合、可撓部216及び閉鎖部208の保持部材214への嵌込作業、特に可撓部216の内周部を隙間228に嵌め込む作業が著しく困難な作業となる。
また可撓部216ほどではないにしても、閉鎖部208の外周部を隙間230に嵌め込む作業も困難な作業となる。
また234はカップ状部で、閉鎖部208はこのカップ状部234の底部236に沿って平板状に形状保持され、そして可撓部216が、変形時にこのカップ状部234の周壁部に沿って形状ガイドされる。
このダイヤフラム弁体200の場合、閉鎖部208と保持部材214との間に多少の組付けの隙間が生ずるのを避けられないため、閉弁動作時、具体的には閉鎖部208が弁座に押し付けられる際に閉鎖部208が動いてがたつき、その際に異音を発生させる問題のあることが判明した。
また大流量で水を流す際、高圧且つ大流量の水で閉鎖部208や可撓部216が、保持部材214から外れてしまう恐れのある問題があった。
尚、本発明に対する先行技術として下記特許文献2,特許文献3,特許文献4に開示されたものがある。
特許文献2に開示のものは、ダイヤフラム本体を下ディスクと絞り板とで上下に挟み込むようになしたものであるが、この特許文献2に開示のものはダイヤフラム本体が一体構成であり、本発明とは異なっている。
ここで上記閉鎖部は可撓部に対して厚肉となしておくことができる。
このようにしておけば、ガイド部を別体として保持部材に組み付けた場合のようにガイド部が傾いて組み付けられてしまい、ダイヤフラム弁体の開閉動作の際にそのガイド部が筒状部に当って異音を発生する問題も解決することができる。
このようにすれば、保持部材を構成する分割部材を互いに固着することによって、ダイヤフラム本体における可撓部と閉鎖部、更にストレーナとをともに保持部材に対して容易に組み付けることができる。
このようにすれば、肉厚の薄い可撓部に対しても、その突条の食込作用に基づいて強固に固定状態となすことができ、薄肉の可撓部が保持部材から外れるのを更に確実に防止することができる。
このようにすれば簡単にそれら第1挟持部材と第2挟持部材、更に内周側部材と外周側部材とを固着状態とすることができる。
即ちそれらの固着によるダイヤフラム本体及びストレーナと保持部材との組付けを容易に行うことができる。
図1において、10は本例のダイヤフラム弁体で、弾性体(ここではゴム)から成るダイヤフラム本体12と、硬質の樹脂製の保持部材14とから成っている。
ここで可撓部20は、セット状態において上向きの折返し形状をなしている。
詳しくは、可撓部20は図2(I)に示すような折返し形状が真直ぐに伸ばされた形状、即ち固定部16側と閉鎖部18側とが使用時の状態に比べて軸心方向に大きく離隔した略ハット形状で成形され、そしてこの成形品における可撓部20の部分を、図1及び図2(II)に示しているように折り返して、固定部16を閉鎖部18側に軸心方向に接近させ、使用時の状態に変形させた上で相手側に組付セットしてある。
即ち閉鎖部18が図1に示す通路26の一部を形成する円筒部(筒状部)22の上端の弁座24に対する着座位置から所定ストロークリフトアップし、更にそのリフトアップ位置即ち開弁位置から弁座24に着座する位置まで変位可能とされている。
そしてこのカップ状部32によって閉鎖部18が平板状に形状保持され、また可撓部20がカップ状部32に沿って変形時に形状ガイドされ、不規則な変形が防止されている。
ここでストレーナ44は全周に亘り環状をなしている。
第2挟持部材48は、図4にも示しているように全体として略円筒形状をなしている。
具体的には、第2挟持部材48と第1挟持部材46とが図1の溶着部P1において、樹脂同士の超音波溶着により互いに固着されている。
尚閉鎖部18は、その内周部が第1挟持部材46に形成された円環状の嵌込溝58内に嵌込状態に保持されている。
この例は、閉鎖部18における弁座24への当接部分を環状に且つ図中下向きに部分的に突出させ、且つその突出部70の図中下面を第2挟持部材48における図中下面と実質的に面一に形成したもので、この例の場合、ダイヤフラム弁体10の閉弁動作時に水の流れが良好となり、流水音の発生を防止或いは低く抑えることができる効果が得られる。
このようにすれば、可撓部20の内周部に対する固定強度を更に高強度となすことができる。
ここで外周側部材46-2側の突条60は、第2挟持部材48側の突条60に対し、軸直角方向において僅かにずれた位置に設けてある。
この例において第2挟持部材48側の突条60と、外周側部材46-2側の突条60とが軸直角方向において互い違いとなるようにそれらの位置が定めてある。
この実施形態では、突条60により可撓部20が凹条72に押し込まれ食い込んだ状態となって、可撓部20の固定強度を高強度となすことができる。
図示のようにこの実施形態では、(A)に示すように可撓部20の内周端部に図中上向きの全周に亘る環状の嵌込部74を設けて、これを第1挟持部材46、詳しくは外周側部材46-2の対応する位置に形成した環状の嵌込凹部76に嵌め込んで固定するようになし、或いはまた(B)に示すように可撓部20の内周端部に図中下向きの全周に亘る環状の嵌込部78を設けて、これを第2挟持部材48の対応する位置に形成した環状の嵌込凹部80に嵌め込んで固定するようになした例である。
尚これら図12の実施形態においては、第2挟持部材48側に突条60が設けてあり、この突条60が可撓部20に食い込むようになしてある。
更に図14の実施形態は、図12(A)の実施形態における嵌込部74の軸方向の高さ及び軸直角方向の厚みをそれぞれ略半分にした例を示している。
更に場合によってこれらの固定強度向上のための手段を、第2挟持部材48における内フランジ部52と第1挟持部材46とによる閉鎖部18の固定構造に適用するといったことも可能である。
例えば上例では第2挟持部材48に円筒形状の周壁部54を設け、これを第1挟持部材46に設けた円環状の凹部56に嵌入させてそれらを超音波溶着するようになしているが、場合によって周方向に部分的に図1中上向きの突出部を第2挟持部材48に設けておいて、その突出部を対応する間隔で第1挟持部材46に設けた凹部に嵌入させ、その状態でそれら2つの樹脂部材を超音波溶着するようになすことも可能である。
12 ダイヤフラム本体
14 保持部材
16 固定部
18 閉鎖部
20 可撓部
22 円筒部(筒状部)
24 弁座
26 通路
30 ガイド部
42 連通路
44 ストレーナ
46 第1挟持部材
46-1 内周側部材
46-2 外周側部材
48 第2挟持部材
60 突条
Claims (1)
- (A)(イ)弁座に着座して通路を遮断する中央部の平板状の閉鎖部と、(ロ)外周部の固定部と、(ハ)それら閉鎖部と固定部との間の薄肉の可撓部とを有し、該可撓部の可撓変形に基づいて該閉鎖部を軸心方向に変位させる、弾性体から成るダイヤフラム本体及び(B)該ダイヤフラム本体に組み付けられて前記閉鎖部と一体に移動する、該閉鎖部を平板状に形状保持する該ダイヤフラム本体よりも硬質の樹脂製の保持部材と、を含んで成るダイヤフラム弁体において、
前記ダイヤフラム本体を、前記中央部の閉鎖部と、該閉鎖部よりも外周側の前記可撓部及び前記固定部とに径方向に分割して、該閉鎖部と、該可撓部及び固定部とに別体に構成するとともに、前記保持部材を第1挟持部材と第2挟持部材との分割構成として、それら第1挟持部材と第2挟持部材とを、前記閉鎖部の外周部及び前記可撓部の内周部の各径方向の端部を軸心方向の一方の面と他方の面とから全周に亘り環状に挟み込む状態に互いに固着することにより、前記ダイヤフラム本体を前記保持部材に組み付けてあることを特徴とするダイヤフラム弁体。
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