JP3969107B2 - 逆止弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体の逆流を防止する逆止弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流体を使用する機器において、その流体の流れを制御するとき、特に流体の逆流を防止するとき、逆止弁が多く設けられている。この逆止弁にもその構造により各種のタイプのものがあり、たとえばリフト式,スィング式,インライン式等がある。これらの逆止弁は、使用される設備あるいは配管の状況に応じ、それぞれ適したものが選択されて用いられる。
【0003】
たとえば、ボイラ等の給水系統に用いる給水配管には、給水およびボイラ缶水の逆流を防止するための逆止弁が設けられている。ところで、ボイラ缶水の圧力は高く,かつ高温であるので、安全の面から、また前処理機器の耐熱温度の面から、ボイラ缶水の逆流に対しては万全の対策が必要である。そのため、従来、逆止弁のもれ,すなわち逆流を防止するために、前記各種の異なるタイプの逆止弁を組み合わせたり、複数の逆止弁を直列に接続して配置することが行われる。
【0004】
また、それぞれのタイプの逆止弁の弁座に当接する弁体の材料についても、各種の材料を用いて逆流の防止を行なっている。たとえば、ゴムシールなどの,いわゆる弾性シールを用いたり、メタルシールと一般的に言われている,いわゆる金属同士(非弾性部材同士)のシールを用いることがある。
【0005】
ここにおいて、前記弾性シールのみによる逆止弁は、耐圧力が低く、また耐久性も不足していた。前記メタルシールのみのときは、小さなゴミが前記弁座と前記弁体との間に挟まること,いわゆるゴミ噛みにより、簡単にシール性が損なわれ、流体の逆流が起こり易い問題がある。また、前記両シールのいずれの場合も、前記逆止弁を通過する流体の流量がきわめて少量のときにおいて、前記弁座と前記弁体との間は、きわめて小さな隙間となり、この隙間を流体が流れることになる。すると、前記隙間が、いわゆるフィルターとして作用する隙間となり、この隙間に前記逆止弁の上流側に設けたストレーナーを通過した小さなゴミ等が付着してしまい、流体の逆流を防止するとき、流体がもれる原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、逆止弁を通過する流体の流量が少量のとき、前記逆止弁へのゴミ等の噛み込みを防止し、前記逆止弁のもれをなくすことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、流体入口および流体出口の間に弁室を画成し、この弁室内に、弾性材料よりなる円板状の第一弁体と、この第一弁体と同軸上に、この第一弁体より前記流体入口側に配置され、かつ前記第一弁体より小径で非弾性部材よりなる円板状の第二弁体とで構成された弁体7、前記第一弁体と当接する第一弁座と、この第一弁座の内周側に位置し、前記第二弁体と当接する第二弁座とが設けられ、前記第一弁体にあっては、その中央部に前記流体入口側へ突出するスリーブ部と、このスリーブ部を含めて貫通した装着孔を備え、前記第二弁体にあっては、その中心部に前記スリーブ部の外周面と密嵌合する嵌合孔を備え、この嵌合孔に前記スリーブ部が嵌合し、前記第一弁体と前記第二弁体とが一体となって前記装着孔と密嵌合する弁軸に固定され、前記第一弁体,前記第二弁体および前記第一弁座,前記第二弁座にあっては、前記第一弁体と前記第一弁座とが先に当接し、前記第一弁体の弾性変形により前記第二弁体と前記第二弁座とが当接するように配置され、さらに前記弁体が前記弁室内において流体の流れる方向へ移動自在に設けられた逆止弁において、前記第一弁体の流体入口側における前記第一弁座と当接する部分に第一シール部を形成し、前記弁体と同心で、かつ前記第一弁体の外径より大径の円板形状に構成され、前記流体出口側において前記第一弁体の側面に、前記第一弁体と前記第一弁座との当接時、前記第一シール部の弾性変形を妨げないように、一部を密着させた状態で前記弁軸に固着され、前記弁体の移動を促進する弁体移動促進部材を備えたことを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項2に記載の発明は、前記弁体移動促進部材の前記流体出口側において前記弁室の内壁に、前記弁体移動促進部材の外径よりも大径に形成された流路拡大部を設けたことを特徴としている。
【0009】
この逆止弁は、流体入口および流体出口を備えた弁本体内に空間部を形成することにより、弁室を画成し、この弁室内において、弁体が流体の流れ方向へ移動自在となるように構成されている。
【0010】
前記弁本体は、たとえば金属や合成樹脂の非弾性部材により筒状に成形されており、前記弁室内には、前記弁体と当接する弁座を備えている。
【0011】
前記弁体は、たとえば円板形状の弁体であり、前記弁体を貫通する弁軸に固着されており,いわゆる独楽の形を呈する弁体として構成されている。そして、前記弁体は、前記弁室内において、前記弁軸と一体となって流体の流れ方向へ移動自在となるように装着されている。
【0012】
そして、前記弁体は、前記弁体を前記弁座から引き離すとき,すなわち流体を通過させて流体を前記流体出口側へ供給するとき、前記弁体の移動を促進する弁体移動促進部材を備えている。この弁体移動促進部材は、前記弁体の前記弁座と当接しない側面に密着した状態で固着されている。ここにおいて、前記弁体移動促進部材の固着箇所は、実施に応じ、前記弁体の前記弁座と当接しない側において、前記弁軸に固着してもよいし、前記弁体の側面に密着させた状態で前記弁軸に固着することも好適である。そして、前記弁体移動促進部材は、前記弁体と同心で、かつその外径より大きな外径となるような円板形状に構成されている。
【0013】
さらに、前記弁体は、流体の非流通時,すなわち流体の供給停止時、圧縮バネの付勢力により、前記弁座へ当接するように構成される。ここにおいて、前記圧縮バネは、実施に応じ、省略することもできる。そして、前記弁体は、円板形状が好ましいが、前記弁座と当接する側を円錐形状とすることも好適である。さらに、前記弁体は、弾性部材により構成された円板形状の第一弁体と、この第一弁体より小径で非弾性部材により構成された円板形状の第二弁体とにより、一体に構成された弁体とすることも実施に応じ、好適である。
【0014】
前記構成の逆止弁の作用について説明する。まず、この逆止弁において、正流時,すなわち流体を流体出口側へ供給するときは、前記流体入口から流入した流体の流体圧に基づいて、前記弁体は、前記流体出口側へ前記圧縮バネの付勢力に抗して移動し、流体が前記流体出口側へ流出する。すなわち、前記弁体が移動することにより、前記弁体と前記弁座との当接が解除され、前記弁座と前記弁体の外周の隙間を流体が通過し、流体が前記流体出口から流出する。一方、前記流体入口からの流体の流入が停止すると,すなわち逆流を防止するとき、前記圧縮バネが復帰し、前記弁体は、前記圧縮バネの付勢力により前記流体入口の方へ移動し、前記弁座と当接し前記隙間を閉鎖する。したがって、前記流体出口側からの流体の逆流を阻止する。
【0015】
ここにおいて、流体の供給量が少ないとき、前記弁体移動促進部材が効率的に作用することについて詳細に説明する。流体の供給量が少ないときにおいて、前記弁体移動促進部材は、前記弁体の外径より大きい外径であるので、前記流体入口から流入した流体の通水抵抗は大きい。この通水抵抗が大きいと、前記弁体移動促進部材が受ける圧力は大きくなる。したがって、前記弁体は、前記流体出口側へ前記圧縮バネの付勢力に抗してより多く移動するようになり、前記弁体と前記弁座との当接がより大きい隙間をもって解除される。ここにおいて、前記弁体の移動量は、前記逆止弁の上流側に設けられたストレーナーの網目の大きさより大きな隙間が形成されるように、前記弁体の移動が行なわれるのが好ましい。前記移動量の決定は、前記弁体移動促進部材の外周面と前記弁室の内壁との距離に基づいて決定される。これにより、この第一の実施の形態によれば、前記弁座と前記弁体との隙間にゴミ等が付着することもなく通過してしまうので、前記弁体と前記弁座との当接面は清浄に維持され、逆流防止時、もれる原因とはならない。
【0016】
つぎに、この発明の第二の実施の形態について説明する。この第二の実施の形態は、前記第一の実施の形態の変形例であり、前記第一の実施の形態における前記逆止弁において、前記弁体移動促進部材の流体出口側における前記弁室内に流路拡大部をさらに設けたものである。
【0017】
この流路拡大部は、前記弁室内において、前記弁体移動促進部材の前記流体出口側における内壁の内径を大きくし、流体の通過断面積を大きくするものである。すなわち、前記内壁の内径は、前記弁体移動促進部材の外径よりもさらに大きく構成されている。
【0018】
前記流路拡大部の作用について説明する。この第二の実施の形態における逆止弁は、流量が少ないときの通水開始時、前記弁体移動促進部材の作用により、通水抵抗を増加させた状態,すなわち流量を絞った状態で前記弁体の移動量を確保している。前記弁体の移動量を確保した後は、所定の流量を通過させるため、前記流路拡大部の作用により、前記通水抵抗を増加させた状態を解除する。すなわち、前記流路拡大部により、前記弁体移動促進部材の外周面と前記弁室の内壁との距離をより大きくする。したがって、流体は、前記流路拡大部を経由することにより、通水抵抗が小さくなるので、前記流量を絞った状態より多く前記流体出口側へ流れる。これにより、この第二の実施の形態によれば、流量の少ないときのゴミの噛み込みを防止できるとともに、通水抵抗の小さい逆止弁とすることができる。
【0019】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。好適な実施例として、インライン式の逆止弁に適用して説明する。図1は、逆止弁の構成を概略的に示す断面説明図であり、流路を開としているときの状態を示している。
【0020】
図1において、逆止弁1は、筒状の流体入口2を備えた弁本体3と筒状の流体出口4を備えた蓋部材5とにより画成される弁室6を備えている。この弁室6内には、弁体7が移動自在となるように配置され、この弁体7と当接する弁座8を備えている。そして、前記弁体7は、前記弁体7を前記弁座8から引き離すとき,すなわち流体を前記流体出口4側へ供給するとき、前記弁体7の移動を促進する弁体移動促進部材9を備えている。さらに、前記逆止弁1は、前記弁体7を前記弁座8へ当接させる圧縮バネ10を備えている。
【0021】
前記弁本体3は、前記流体入口2から前記流体出口4へ至る流路において、流路と直交する円形の開口部11を形成しており、この開口部11を囲み、前記蓋部材5と接合する本体接続部12を備えている。この本体接続部12と前記蓋部材5に設けた蓋接続部13とを螺合させることにより、前記弁室6を画成している。そして、前記開口部11の周囲には、前記弁体7と当接する前記弁座8が形成されている。前記弁座8は、前記弁本体3の出口側に形成されている。
【0022】
前記弁体7は、前記弁室6内において、前記弁座8と当接して前記開口部11を閉鎖するように、前記開口部11と直交する方向へ移動自在となるように配置されている。そして、前記弁体移動促進部材9は、前記弁体7の前記弁座8と当接しない側面(符号省略)に一部を密着させた状態で弁軸14に固着されている。そして、前記弁体移動促進部材9は、前記弁体7と同心で、かつその外径より大きな外径となるような円板形状に構成されている。
【0023】
ここで、前記弁体7について、図2に基づいて詳細に説明する。図2は、前記弁室6内に配置される部品を説明するための分解斜視図である。
【0024】
前記弁体7は、弾性部材により構成された円板形状の第一弁体15と、この第一弁体15より小径で非弾性部材により構成された円板形状の第二弁体16とにより構成されている。この両弁体15,16は、密着した状態で一体の弁体となるように前記弁軸14に固着されており,いわゆる独楽の形を呈する弁体として構成されている。ここにおいて、前記弁体7は、前記第一弁体15の側面(符号省略)に前記弁体移動促進部材9の一部を密着させた状態で備えている。そして、前記弁体7は、前記弁室6内において、前記弁体移動促進部材9および前記弁軸14と一体となって流体の流れ方向へ移動自在となるように装着されている。
【0025】
ここで、これらの各部材について、より詳細に説明する。前記第一弁体15は、弾性材料であるゴム等をプレス成形して作られており、その中央部に前記流体入口2側へ一体に突出形成したスリーブ部17を備え、かつこのスリーブ部17も含めて貫通した装着孔18を備えている。ここにおいて、前記スリーブ部17の突出長さは、前記第二弁体16の板厚より若干長く形成されている。前記スリーブ部17の肉厚は、前記第二弁体16との嵌合において、このスリーブ部17が弾性変形により、密嵌合に効果を発揮するように、適宜な厚さに設定されている。前記装着孔18の内径は、前記弁軸14と密嵌合させるため、前記弁軸14の装着部(後述する入口側軸部22)の外径より若干小さく形成されている。
【0026】
また、前記第一弁体15は、前記弁座8のあたり面(後述する第一弁座19)に当接する部分(すなわち、前記第一弁体15の片面の肩の部分)を面取りし、円錐形状の第一シール部20を形成している。さらに、前記第一弁体15は、前記流体出口4の中央部には、前記弁体移動促進部材9および前記圧縮バネ10の一端を配置する凹部21が一体形成されている。
【0027】
前記第二弁体16は、非弾性材料である金属等をプレス加工して作られており、前記弁座8のあたり面(後述する第二弁座23)に当接する部分(すなわち、前記第二弁体16の片面の部分)には、平板状の第二シール部24を形成している。前記第二弁体16の中心部には、前記スリーブ部17の外周面と密嵌合する嵌合孔25を備えている。
【0028】
前記弁体移動促進部材9は、前記弁体7と同心で、かつ前記第一弁体15の外径より大きな外径となるような円板形状に構成されている。ここにおいて、前記弁体移動促進部材9の外径寸法は、流体の通水時、所定の通水抵抗となるように決定される。すなわち、前記弁体移動促進部材9の外周面26と前記弁室6の内壁(符号省略)との距離が、流体の通水時、所定の通水抵抗となる距離となるような外径寸法として決定される。そして、前記弁体移動促進部材9は、その中央部に前記凹部21と密着する凸部27と前記入口側軸部22と嵌合する第二嵌合孔28を備えている。
【0029】
つぎに、前記弁軸14は、その両端をそれぞれ入口ガイド29および出口ガイド30により支持されて、前記弁室6内に配置されている。前記弁軸14は、中央部を太くした二段階の棒状に形成し、プッシュナット31による前記両弁体15,16および前記弁体移動促進部材9の固定と前記入口ガイド29に貫通させるための小径の入口側軸部22と、前記両弁体15,16および前記弁体移動促進部材9の出口側での固定および前記圧縮バネ10のガイドとなる中央軸部32と、前記出口ガイド30に貫通させるための小径の出口側軸部33とにより形成されている。
【0030】
さらに、前記プッシュナット31は、中央部に固定穴34を備え、この固定穴34の周囲は、弾性力を備えた板バネ(符号省略)で構成されている固定具である。このプッシュナット31により、前記両弁体15,16と前記弁体移動促進部材9を前記弁軸14に固定している。
【0031】
ここで、前記弁体7の組み立てについて説明すると、前記弁体7は、前記弁軸14,前記弁体移動促進部材9,前記第一弁体15,前記第二弁体16および前記プッシュナット31により一体的に組み立てられている。
【0032】
つぎに、前記弁体7の組立て手順について説明する。まず、前記入口側軸部22に前記第二嵌合孔28を介して前記弁体移動促進部材9を嵌合し、つぎに前記装着孔18を介して前記第一弁体15を嵌合し、さらに前記スリーブ部17に前記嵌合孔25を介して前記第二弁体16を嵌合する。そして、前記固定穴34を介して前記プッシュナット31を前記入口側軸部22に嵌合させることにより、前記弁体移動促進部材9と前記両弁体15,16を前記中央軸部32の端面35に押し付け、挟み込んで固定する。前記プッシュナット31は、前記板バネの力により、前記入口側軸部22に固定され逆戻りすることなく、かつ前記板バネの力により前記弁体移動促進部材9と前記両弁体15,16を前記端面35へ押し付け続ける。これにより、前記弁体7は、いわゆる独楽の形を呈する弁体に組み立てられ、前記圧縮バネ10を前記中央軸部32の外周へ配置した状態で、前記両ガイド29,30により前記弁室6内へ配置される。
【0033】
ここで、前記第一弁体15と前記第二弁体16の前記弁軸14からの流体のもれ防止について詳細に説明する。前記装着孔18へ前記入口側軸部22を挿入することにより、流体のもれを防止した状態で固着している。一方、前記嵌合孔25を介して、前記スリーブ部17へ前記第二弁体16を装着することにより、前記第一弁体15と前記第二弁体16は、一体的な弁体として構成され、この一体的な弁体として前記弁軸14に固着されているので、前記弁軸14から流体はもれない。
【0034】
つぎに、前記入口ガイド29は、三つ又形状に形成され、その三つ又の3つの隙間36から流体の通過が可能である。また、前記入口ガイド29は、前記弁体7を前記流路の中央部に保持するために、前記入口ガイド29の中央部には、入口側軸受部37を設けている。そして、その周縁部には爪部38を3ヶ所設けている。
【0035】
前記出口ガイド30は、前記入口ガイド29と同様、三つ又形状に形成され、その三つ又の3つの隙間36から流体の通過が可能である。また、前記出口ガイド30は、前記弁体7を前記流路の中央部に保持するために、前記出口ガイド30の中央部には、出口側軸受部39を設けている。そして、その周縁部には前記爪部38を3ヶ所設けている。
【0036】
つぎに、前記弁座8について、図1に基づいて説明すると、前記弁座8は、前記第一弁体15と当接する第一弁座19と、前記第二弁体16と当接する第二弁座23とにより構成されている。ここにおいて、前記第一弁座19と前記第二弁座23は、前記開口部11の周囲に形成されるものであり、前記第一弁座19は、前記第二弁座23より外周側に形成され,かつ前記第二弁座23より下流側に形成されている。そして、前記第一弁座19の形状は、いわゆるすり鉢状のあたり面を持つように、前記弁軸14に対して所定の角度をもたせて形成されている。前記第二弁座23のあたり面は、前記弁軸14の軸方向に対して直交するように形成されている。
【0037】
前記両ガイド29,30による前記弁体7の支持および前記逆止弁1の組み立てについて、図1および図2に基づいて詳細に説明する。まず、前記弁本体3において、前記入口ガイド29の各爪部38を前記流体入口2の内周面に設けた入口側溝部40にそれぞれ嵌め込み固定する。つぎに、前記第二弁体16が前記流体入口2側になる状態で前記弁体7を前記弁室6内へ配置し、前記入口側軸部22を前記入口側軸受部37へ貫通させる。そして、前記圧縮バネ10を前記中央軸部32の外周へ配置する。
【0038】
つぎに、前記蓋部材5において、前記出口ガイド30の各爪部38を前記流体出口4に設けた出口側溝部41にそれぞれ嵌め込み固定する。そして、この固定した状態のまま、前記蓋接続部13にパッキン42を挟み込んで、前記本体接続部12と螺合し、前記出口側軸部33を前記出口側軸受部39へ貫通させる。これにより、前記弁本体3と前記蓋部材5は結合され、前記逆止弁1の組立てが完了する。ここにおいて、前記弁体7は、流体の流れ方向へ,すなわち流体の供給時は前記流体出口4側へ、流体の供給停止時は前記流体入口2側へ移動することができる。その移動できる範囲は、前記両ガイド29,30の配置により規制される。
【0039】
つぎに、前記構成の逆止弁1の作用を説明する。ここでは、流体を水とした場合について説明する。給水時においては、前記弁体7は、前記流体入口2から流入した給水の水圧に基づいて、前記圧縮バネ10の付勢力に抗して、前記流体出口4側へ移動し、前記弁体7と前記弁座8との当接が解除され(図1の状態)、水は前記流体出口4側へ流出する。すなわち、前記弁体7が移動することにより、前記弁体7と前記両弁座19,23との当接が解除され、前記弁体7の外周の隙間を水が通過し、通過した水は、前記流体出口4から流出する。ここにおいて、前記弁体7の移動は、前記弁軸14が前記両ガイド29,30で支持されているので、スムーズに水の流れ方向へ,すなわち正流,逆流の両方向へ移動することができる。
【0040】
一方、給水の停止時における前記流路の逆流を防止するときについて、図3に基づいて説明する。図3は、前記弁体7が前記弁座8と完全に当接する段階を示す概略説明図である。図3において、前記第二弁体16が前記第二弁座23に当接する。このとき、前記第一弁体15は弾性変形し、前記第一シール部20は、前記第一弁座19と密着する。そして、前記第二シール部24は、前記第二弁座23と密着する。すなわち、前記弁体7は、前記圧縮バネ10の作用により、また前記流体出口4側の圧力が前記流体入口2側より高いときは、その差圧により、前記両弁座19,23に圧接されることとなり、前記流体出口4側からの給水の逆流を阻止する。これにより、流路を前記第一弁体15と前記第二弁体16とにより、二重に封鎖する。したがって、前記流体入口2側への水の逆流を阻止する。
【0041】
ここで、前記弁軸14からのもれは、まず前記凹部21における前記端面35と、前記第一弁体15との当接により阻止され、さらに前記入口側軸部22に装着された前記スリーブ部17の弾性作用によるシール効果により、完全に保証される。
【0042】
さて、この発明の特徴とする作用について説明する。この発明は、給水量が少ないときにおいて、前記弁体移動促進部材9が効率的に作用するもので、以下図4に基づいて詳細に説明する。図4は、前記弁体7が前記弁座8から少しだけ離れた段階,すなわち流量が少量のとき、前記弁体7が前記流体出口4側の方へ少しだけ移動したときを示す概略説明図である。図4において、この移動により、まず前記流体入口2側に配置されている前記第二弁体16が前記第二弁座23から離れる。つぎに、前記第一弁体15が前記第一弁座19から離れる。このとき、前記弁体移動促進部材9は、前記弁体7の外径より大きい外径であるので、前記弁室6の前記内壁との隙間(符号省略)は狭いので、前記流体入口2から流入した水の通水抵抗は大きい。この通水抵抗が大きいと、前記弁体移動促進部材9が受ける圧力は大きくなる。したがって、前記弁体7は、前記弁体移動促進部材9の作用が加味され、前記流体出口4側へ前記圧縮バネ10の付勢力に抗してより多く移動するようになり、前記弁体7と前記両弁座19,23との当接がより大きい隙間をもって解除される。ここにおいて、前記弁体7の移動量は、前記逆止弁1の上流側に設けられたストレーナー(図示省略)の網目の大きさより大きな隙間が形成されるように、前記弁体7の移動が行なわれる。
【0043】
以上のように、この第一実施例によれば、前記弁座8と前記弁体7との隙間にゴミ等が付着することもなく通過してしまうので、前記当接面は清浄に維持され、水の逆流を防止するとき、もれる原因とはならない。
【0044】
ここで、この第一実施例における変形例の構成について、図4に基づいて説明する。この変形例は、前記弁体移動促進部材9の前記流体出口4側における前記弁室6内に流路拡大部43をさらに設けたものである。この流路拡大部43は、前記弁室6内において、前記弁体移動促進部材9の前記流体出口4側における前記内壁の内径を大きくし、流体の通過断面積を大きくするものである。すなわち、前記内壁の内径は、前記弁体移動促進部材9の外径よりもさらに大きく構成されている。したがって、流体の正流時、前記外周面26と前記内壁とは、拡大された距離を維持できる構成としている。
【0045】
前記流路拡大部43の作用について図4および図1に基づいて説明する。この変形例においても、流体を水とした場合について説明する。まず、図4に示すようにこの逆止弁1は、流量が少ないときの通水開始時、前記弁体移動促進部材9の作用により、通水抵抗を増加させた状態,すなわち流量を絞った状態で前記弁体7の移動量を確保している。つぎに、前記弁体7の移動量を確保した後は、図1に示す状態となり、所定の流量を通過させるため、前記流路拡大部43の作用により、前記通水抵抗を増加させた状態を解除する。すなわち、前記流路拡大部43により、前記弁体移動促進部材9の前記外周面26と前記内壁との距離をより大きくする。したがって、水は前記流路拡大部43を経由することにより、通水抵抗が小さくなるので、前記流量を絞った状態より多く前記流体出口4側へ流れる。
【0046】
以上のように、この変形例によれば、流量の少ないときのゴミの噛み込みを防止できるとともに、通水抵抗の小さい逆止弁とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、逆止弁を通過する流体の流量が少量のとき、逆止弁へのゴミ等の噛み込みを防止し、逆止弁のもれをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流路を開としているときの逆止弁の構成を概略的に示す断面説明図である。
【図2】逆止弁の弁室内に配置される弁体の構成部品を説明するための分解斜視図である。
【図3】流体供給停止時の段階を示す概略説明図である。
【図4】逆止弁の弁体が弁座から少しだけ離れた段階を示す概略説明図である。
【符号の説明】
2 流体入口
4 流体出口
6 弁室
7 弁体
9 弁体移動促進部材
14 弁軸
15 第一弁体
16 第二弁体
17 スリーブ部
18 装着孔
19 第一弁座
20 第一シール部
23 第二弁座
25 嵌合孔
43 流路拡大部
Claims (2)
- 流体入口2および流体出口4の間に弁室6を画成し、この弁室6内に、弾性材料よりなる円板状の第一弁体15と、この第一弁体15と同軸上に、この第一弁体15より前記流体入口2側に配置され、かつ前記第一弁体15より小径で非弾性部材よりなる円板状の第二弁体16とで構成された弁体7と、前記第一弁体15と当接する第一弁座19と、この第一弁座19の内周側に位置し、前記第二弁体16と当接する第二弁座23とが設けられ、前記第一弁体15にあっては、その中央部に前記流体入口2側へ突出するスリーブ部17と、このスリーブ部17を含めて貫通した装着孔18を備え、前記第二弁体16にあっては、その中心部に前記スリーブ部17の外周面と密嵌合する嵌合孔25を備え、この嵌合孔25に前記スリーブ部17が嵌合し、前記第一弁体15と前記第二弁体16とが一体となって前記装着孔18と密嵌合する弁軸14に固定され、前記第一弁体15,前記第二弁体16および前記第一弁座19,前記第二弁座23にあっては、前記第一弁体15と前記第一弁座19とが先に当接し、前記第一弁体15の弾性変形により前記第二弁体16と前記第二弁座23とが当接するように配置され、さらに前記弁体7が前記弁室6内において流体の流れる方向へ移動自在に設けられた逆止弁において、前記第一弁体15の流体入口2側における前記第一弁座19と当接する部分に第一シール部20を形成し、前記弁体7と同心で、かつ前記第一弁体15の外径より大径の円板形状に構成され、前記流体出口4側において前記第一弁体15の側面に、前記第一弁体15と前記第一弁座19との当接時、前記第一シール部20の弾性変形を妨げないように、一部を密着させた状態で前記弁軸14に固着され、前記弁体7の移動を促進する弁体移動促進部材9を備えたことを特徴とする逆止弁。
- 前記弁体移動促進部材9の前記流体出口4側において前記弁室6の内壁に、前記弁体移動促進部材9の外径よりも大径に形成された流路拡大部43を設けたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
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