JP2008063043A - エレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
エレベータ利用者の安全性を簡単な方法で実現できるエレベータ装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係わるエレベータ装置は、乗りかごの乗車スペースを2分割し、それぞれの乗車スペースに設けられたかご用乗降口と、該かご用乗降口に対向するように設けられた乗場側乗降口を有する。さらに、該乗場側乗降口のうちの片側の乗降フロアを独立した部屋とし、該乗降フロアの入口前に専用かごの乗降口であることを明記することで女性や子供、老人に利用者を限定したことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

この発明は共同住宅等に設けられたエレベータの利用者の安全性を高めるものである。
共同住宅におけるエレベータ内犯罪はあとが絶えず、その被害者の殆どが女性や子供、老人などのいわゆる犯罪弱者と言われる人々である。エレベータの一般的な防犯対策として「防犯窓」「防犯ブザー」「防犯カメラ」などがあるが十分とはいえない。また最近では、IDカードなどをかざして住民であることが認識できないとエレベータ戸が開かないように構成された防犯仕様のエレベータも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−129793
集合住宅では住民同士、面識の無いことが多くあるため、集合住宅の入口扉がIDカードなどをかざして住民であることが認識できないと開かないように構成されていても、一度戸が開くとその間、次の利用者は認証無しで立ち入ることが可能となるため、先に入った住民も後から入ってきた人が住民かそうでないかの判断が出来ないため、入館を拒否することが出来ず、万が一の場合は犯罪に巻き込まれる可能性がある。
エレベータにおいても共同玄関の電気錠を開錠するIDカードシステムと連動させ、運行するように構成された防犯仕様のエレベータがあるが、一度戸が開くと次の利用者は認証無しで乗込め、また、同乗者が一般乗客であるか不審者であるかの判断も困難である。不審者と同乗する可能性を減らすため、複数台の内少なくとも1台を女性や子供、老人専用エレベータとすれば良いことになるが、乗降ロビーが共用であれば効果は期待できないし、また、経済的とはいえない。
そこで1台のかごの乗車スペースを2分割し、その片方を女性や子供、老人専用とすることで経済的に、なおかつ乗降ロビーを独立させることで男性(老人や子供を除く)の乗り込みを防止するエレベータ装置を提供することを目的とする。
従来には、貴賓客と一般客が同時に利用することが出来るよう、入力された専用運転要求の信号に従って、かごの乗車スペースを2分割するよう構成したエレベータも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この方法では管理人のいない夜間、あるいは、常に管理人のいない集合住宅には適用できないという問題が発生する。つまり、一番セキュリティーを必要とする犯罪が多発する夜間に使えないという欠点を有している。
特開2005−255338
この発明に係わるエレベータ装置は通常時には2つに分割されたかごの乗車スペースと、分割されたかごの乗車スペースのそれぞれに乗降する出入口を持ち、該出入口のうちの片方を一般乗降用ロビーから独立させた構成となっている。
この発明のエレベータ装置は、女性や子供、老人用入口が独立して設けられているため、男性が女性や子供、老人用乗降ロビーでエレベータを待つことすら不自然となり、不審者がいれば乗車前に警戒することが可能であるため、犯罪被害を未然に防止することが出来る。また、この専用乗降ロビーの入口に専用カードキー等を設け、集合住宅に居住する女性や子供、老人等の該当者だけにのみこの専用カードキーを配布することによりさらにセキュリティー効果を高めることが可能となる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態に係わるエレベータの平面図である。
実施の形態1のエレベータ装置において、かご1の乗車スペースを仕切壁4にて一般用かご2と女性や子供・老人用の専用かご3(以下専用かご3という)とに乗車スペースを2分割している。
専用かご3には専用かご用かご側乗降扉5と専用かご用乗場側乗降扉6とを備えている。専用かご用乗場側乗降扉6は専用かご用乗降フロア7に面し、該専用かご用乗降フロア7の前には専用出入口8を備えている。
専用かご用乗降フロア7への立ち入りは女性や子供、老人に限定しているのでそれ以外の男性等が専用出入口8付近をうろついている場合には、事前に警戒することが可能となる。さらに一緒に入ろうとした場合には、その人との面識の有無に係わらずその人は不審者だと判断することが出来、事前に警戒していたので防犯ブザーを押す等の適切な対応が容易に出来る。これにより犯罪への遭遇を未然に防ぐことが可能となる。
このように構成されたエレベータ装置において、このエレベータを利用する女性や子供、老人は専用出入口8から専用かご用乗降フロア7に入り、専用かご用乗場呼び釦9の操作によりかご1を呼び、専用かご3に乗り込むことにより一般乗客と同乗することなく目的階まで到達することが出来る。
図2は専用出入口8の正面図である。
専用かご用乗降フロア7への立ち入りを女性や子供、老人に限定していることを明確にするために専用出入口8の扉や周壁、あるいは、入口前の床面に「女性専用乗場」や「女性専用乗場(子供、老人を除く)」、「女性・子供・老人専用乗場」等の表示をする。
なお、この扉には内部の状況を確認するための防犯窓10を設置したり、全面ガラス製とすること、専用かご用乗降フロア7に防犯カメラを設け専用出入口8近傍にモニタを設けること等により内部を確認できるよう構成することも可能である。
専用かご用乗降フロア7の専用出入口8の扉や周壁、あるいは、入口前の床面に「女性専用乗場」や「女性専用乗場(子供、老人を除く)」、「女性・子供・老人専用乗場」等の表示をすることで一般男性が専用かご用乗降フロア7に入りにくくするという抑止効果もある。
図3は仕切壁4の正面図である。仕切壁4に一般用かご2内を確認するための仕切壁用窓11を設けた実施例である。
仕切壁4は固定式であるが、エレベータの利用状況を考慮して分割位置を変更できるように構成することで、使い勝手が良いエレベータを提供することが可能となる。
仕切壁4には一般かご2の内部を確認できる窓11や一般かご2内の様子を表示するモニター(図示しない)等を設けてあり、一般かご2内の不審者を事前に確認することを可能とし目的階で降車した際の犯罪への遭遇を抑止することも可能となる。
図4は専用かご3に設けられた専用かご用かご内操作盤12の正面図である。専用かご用かご内操作盤12には避難用釦13が設けられてある。
一般用かご2内の不審者を事前に確認した場合、一般用かご2の戸開タイミングを遅延させる避難用釦13を押すことで避難時間を確保し、安全な場所に避難することを可能とする。
専用かご3の乗客が安全に避難できる時間を集合住宅別に設定できる設定手段を専用かご3内に設けることで、その集合住宅に適した時間の設定が可能となる。なお、この設定手段は乗客が非常の場合に設定変更できるように構成することも可能である。
時間設定手段は専用かご用操作盤内に設ける(図示しない)ことや、操作盤の行き先階釦を利用すること、専用タイマー(図示しない)を別に設けることでも実現可能である。
仕切壁4には棚(図示しない)などを設け、装飾品を飾ることも可能である。
一般かご用扉、専用かご用扉は、それぞれ該当するかご呼び、乗場呼び釦が操作された場合にのみ開閉動作を行う。また、それぞれ反対側のかご、乗場呼びに応答して扉の開閉動作を行っている場合には、反対側のかごで乗降を行っている旨の案内を行うことで乗客のいらいらを防止することが可能である。
実施の形態2.
図5は、この発明の仕切壁の構造に関する別の実施の形態である。
犯罪は夜間等の人の利用が少ない時間帯に多く発生する。そのため、かご1は仕切壁4にて一般用かご2と専用かご3とに常時仕切られており、いつでも利用可能な状態としている。
しかしながら一般的に集合住宅にはストレッチャーや棺等の長尺物の運搬のためトランク付エレベータを設置する場合が多い。仕切壁4を固定とするとストレッチャーや棺等の長尺物の運搬のため一般かごを大きくするとか、別にエレベータを設けることが必要となり経済的ではない。
そのためかご1の乗車スペースを2分割する仕切壁4を可動式とし、ストレッチャーや棺等の長尺物を運搬する時には、専用かご3側に移動させることでストレッチャーや棺等の長尺物の運搬を可能とする。
仕切壁4を移動させるときにはトランク付エレベータのトランクを解放するEMTRキーを用いることで非常時の乗車スペースの変更が可能となる。このEMTRキーは社団法人日本エレベータ協会標準キーであり、全国の消防署も所有しており非常時の対応が可能である。
常時管理人が駐在する集合住宅等ではこのEMTRキーに変えて管理人室からの操作で移動可能な構成とすることも出来る。
仕切壁4の位置はエレベータの利用状況を考慮して分割位置を変更可能な構造とすることで、使い勝手が良いエレベータを提供することが可能となる。
実施の形態3.
図6は、この発明の仕切壁4の構造に関する別の実施の形態である。
仕切壁4を開閉式にすることでストレッチャーや棺等の長尺物の運搬を可能としている。一般用かご2、専用かご3を仕切る壁は引き戸、折れ戸、ジャバラ式、シャッター式等特に限定するものではないが、EMTRキー等の専用かぎ、もしくは専用操作により開閉可能とする。図6の仕切壁4は観音開き方式となっている。この場合、仕切壁4は専用かご3側に開いているが、一般用かご2側に開くことでも問題ない。
図7は開閉式仕切壁4の他の実施例である。
仕切壁4に棚14などを設け、装飾品等を飾り付ける棚として利用することも出来る。
図8は開閉式仕切壁4の他の実施例である。
仕切壁4に片開きのジャバラ式扉を採用した実施例である。
図9は開閉式仕切壁4の他の実施例である。
仕切壁4に中央開きのジャバラ式扉を採用した実施例である。
図10は開閉式仕切壁4の他の実施例である。
仕切壁4に中央開きの折れ戸式扉を採用した実施例である。
図11は開閉式仕切壁4の他の実施例である。
仕切壁4にシャッター式扉を採用した実施例である。
仕切壁4が開閉式の場合においても仕切壁4の位置をエレベータの利用状況を考慮して分割位置を変更可能な構造とすることで、使い勝手が良いエレベータを提供することが可能となる。
本発明においてかご1の大きさをトランク付エレベータと同等程度とすることで昇降路の大きさを大きくすることなく本件発明が実施可能となり建築コストを増加させずに容易に実現可能となる。しかしながら、かご1の大きさはこれに限定されるものではなく利用者の利便性を考慮して適宜決定すればよい。
本発明を実施することで簡単で、なおかつ防犯効果の高いエレベータを供給することが可能となる。
なお、管理人が常駐する一般ビルにおいては使用条件や簡易セキュリティーを目的とすること、あるいは使用目的に合わせてビルを分割して使用する場合に乗降口を使い分けることも可能である。
本件発明の実施例1の説明図である。 専用出入口8の正面図である。 仕切壁4の正面図である。 専用かご3側のかご内操作盤である。 本件発明の実施例2の説明図である。 本件発明の実施例3の説明図である。 本件発明の実施例3における仕切壁4の他の実施例の説明図である。 本件発明の実施例3における仕切壁4の他の実施例の説明図である。 本件発明の実施例3における仕切壁4の他の実施例の説明図である。 本件発明の実施例3における仕切壁4の他の実施例の説明図である。 本件発明の実施例3における仕切壁4の他の実施例の説明図である。
符号の説明
1 かご
2 一般用かご
3 専用かご
4 仕切壁
5 専用かご用かご側乗降扉
6 専用かご用乗場側乗降扉
7 専用かご用乗降フロア
8 専用出入口
9 専用かご用乗場呼び釦
10 専用出入口用防犯窓
11 仕切壁用窓
12 専用かご用かご内操作盤
13 避難用釦
14 棚

Claims (12)

  1. 乗りかごの乗車スペースを仕切壁により2分割したエレベータ装置において、片方を一般用かご、他方を専用かごとし、専用かごを女性や子供、老人に利用者を限定したことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 2分割した乗りかごの乗車スペースそれぞれに設けられたかご用乗降口と、該かご用乗降口に対向するように設けられた乗場側乗降口を有し、該乗場側乗降口のうちの専用かご側の乗降フロアを独立した部屋としたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 独立した部屋として区画された乗降フロアを該乗降フロアの入口前に専用かごの乗降口であることを明記することで女性や子供、老人に利用者を限定したことを特徴とする請求項2記載のエレベータ装置。
  4. 乗りかごの乗車スペースを2分割する仕切壁は常時閉鎖していることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のエレベータ装置。
  5. 仕切壁に専用かご側から一般用かご内を確認することが可能となるようにマジックミラー等を組み込んだ一般用かご内確認用窓を設けたことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
  6. 一般用かご内に監視カメラ等を設け、専用かご内で一般用かご内を確認できる手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ装置。
  7. 専用かご内から一般用かご内を確認し、不審者が乗車していることを確認した際、一般用かご扉の戸開タイミングを遅延させる操作釦を専用かご内に設けたことを特徴とする請求項5ないし請求項6に記載のエレベータ装置。
  8. 遅延させる時間を専用かご内で設定できるようにしたことを特徴とする請求項7に記載のエレベータ装置。
  9. 利用者を女性や子供、老人に限定し独立した部屋として区画された乗降フロアの入口前に「女性専用乗場」や「女性・子供・老人専用乗場」等と表示することにより不審者の侵入に対する抑止効果を持たせたことを特徴とする請求項3記載のエレベータ装置
  10. 利用者を女性や子供、老人に限定し独立した部屋として区画された乗降フロアに入る際に専用キーを用いることを特徴とした請求項9に記載のエレベータ装置
  11. 乗りかごの乗車スペースを2分割する仕切壁をストレッチャーや棺等の長尺物の運搬のため専用キーや管理人室からの指令により移動可能としたことを特徴とする請求項4記載のエレベータ装置。
  12. 乗りかごの乗車スペースを2分割する仕切壁をストレッチャーや棺等の長尺物の運搬のため専用キーや管理人室からの指令により開閉可能としたことを特徴とする請求項4記載のエレベータ装置。
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