JP2008061115A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より広い周波数帯域に対応可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置1Aは、ループ状素子20と、ループ状素子20の外側に設けられ、ループ状素子20に電磁結合給電する給電素子30と、給電素子30と給電点50とを接続する接続線路40と、を備える。ループ状素子20を備えることで電流経路が複数となるため、対応可能な周波数帯域を広げることができる。また、給電素子30は電磁結合給電により給電するため、構造を簡素化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のフロントガラスなどに搭載可能なアンテナ装置に関する。
自動車のフロントガラスなどに搭載可能なアンテナ装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。このアンテナ装置は、運転者の視界を確保する領域の外にアンテナ素子を設け、運転者の前方の視界を妨げないようにしている。
特開2005−260659号公報
しかしながら、上記従来のアンテナ装置では、アンテナ素子が線状に設けられているため、面状素子のように幅を持った素子に比べて導体上の電流経路が限定されて周波数帯域が狭くなっていた。従って、周波数帯域が必要なメディアの受信においては、受信チャンネルによってアンテナ利得が大きく変化してしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より広い周波数帯域に対応可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るアンテナ装置は、ループ状素子と、ループ状素子の外側に設けられ、ループ状素子に電磁結合給電する給電素子と、給電素子と給電点とを接続する接続線路と、を備えることを特徴とする。
このアンテナ装置では、ループ状素子を備えることで電流経路が複数となるため、対応可能な周波数帯域を広げることができる。また、給電素子は電磁結合給電により給電するため、構造を簡素化することができると共に、給電素子の形状やサイズを調整することで共振周波数を容易に調整することができ、更に、ガラス内部にループ状素子を形成した場合であっても、容易に給電することができる。
複数の接続線路により、給電素子と給電点とが接続されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、複数の接続線路の間隔を調整することでインピーダンス整合を図り易くなる。
ループ状素子、給電素子、及び接続線路は、ガラス上に設けられていることを特徴としてもよい。このようにすれば、ポールアンテナのような突出した構造にならず、突起物のないアンテナ装置として利用することができる。
ガラスは外周縁部を金属製の枠に囲まれており、接続線路は、枠に沿って配置されていることを特徴としてもよい。このようにすれば、枠には接続線路と逆相の電流が流れて打ち消し合うため、この部分からの電波の放射(または受信)を抑制することができる。
本発明によれば、より広い周波数帯域に対応可能なアンテナ装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、第1実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。図1に示すように、このアンテナ装置1Aは、車両のフロントガラス10に設けられ、テレビ(TV)やラジオ(AM、FM)などの電波を受信する。このフロントガラス10は、外周縁部が金属製の枠12によって囲まれている。
アンテナ装置1Aは、ループ状素子20、給電素子30、及び接続線路40を備えている。ループ状素子20は、矩形の閉ループを構成しており、視界確保領域を囲んでいる。この視界確保領域は、JIS R3212の付属書で定める試験領域Aに相当するものである(運輸省告示第八百二十号参照)。
給電素子30は、線状の素子であり、ループ状素子20の外側に設けられている。この給電素子30は、矩形の閉ループを構成するループ状素子20の上辺の半分程度の長さで、その上辺に沿って設けられており、ループ状素子20に電磁結合給電する。なお、給電素子30の長さは、受信する周波数などによって変化するため、ループ状素子20の半分程度に限定されるものではなく、受信する周波数によって適当な長さにしてもよい。接続線路40は、フロントガラス10の上縁部に設けられる給電点50と給電素子30とを接続し、フロントガラス12の上下方向に延びている。このように、第1実施形態のアンテナ装置1Aでは、給電点50は車両のルーフに設けられる。
このアンテナ装置1Aでは、ループ状素子20を備えることで電流経路が複数となるため、線状のアンテナ素子と比較して、対応可能な周波数帯域を広げることができる。また、給電素子30は電磁結合給電によりループ状素子20に給電するため、直接給電の場合に比べて構造を簡素化することができると共に、給電素子30の形状やサイズを調整することで共振周波数を容易に調整することができ(中央のループ状素子20は、視界領域を確保するため、その形状やサイズを変更することが難しく、直接給電の場合は、共振周波数を調整することが難しい。)、更に、フロントガラス10内部にループ状素子20を形成した場合であっても、容易に給電することができる。
また、給電素子30はループ状素子20の外側に設けられているため、運転者の視界を狭めることがない。また、このように給電素子30がループ状素子20の外側に設けられることで、フロントガラス10が嵌められる車両の枠からループ状素子20を遠ざけることができ、ループ状素子20に流れる電流をキャンセルするような電流が流れることを抑制して、効率を上げることができる。
次に、第2実施形態にかかるアンテナ装置1Bについて説明する。図2は、第2実施形態に係るアンテナ装置1Bを模式的に示す図である。図2に示すように、このアンテナ装置1Bでは、給電点50がフロントガラス10の右側縁部に設けられ、接続線路40がフロントガラス10の左右方向に延びている。このように、第2実施形態では、給電点50は車両のAピラーに設けられる。
給電素子30は、ループ状の素子であり、ループ状素子20の外側に設けられている。この給電素子30は、ループ状素子20の右辺に沿って設けられており、ループ状素子20に電磁結合給電する。
このアンテナ装置1Bでも、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、給電素子30をループ状にしたため、対応可能な周波数帯域をより広げることができる。
次に、第3実施形態にかかるアンテナ装置1Cについて説明する。図3は、第3実施形態に係るアンテナ装置1Cを模式的に示す図である。図3に示すように、このアンテナ装置1Cでは、給電点50がフロントガラス10の右側縁部の中央に設けられ、接続線路40がフロントガラス10の左右方向に延びている。このように、第2実施形態では、給電点50は車両のAピラーに設けられる。
給電素子30は、線状素子であり、ループ状素子20の外側に設けられている。この給電素子30は、ループ状素子20の右辺に沿って上下方向に設けられると共に上下端で屈曲し、ループ状素子20の上下辺に沿って左右方向に設けられる。すなわち、給電素子30は略コ字状に設けられている。
このアンテナ装置1Cでも、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。特に、給電点50がフロントガラス10の右側縁部の中央に設けられているため、横方向にバランスよく電流を載せることができる。
次に、第4実施形態にかかるアンテナ装置1Dについて説明する。図4は、第4実施形態に係るアンテナ装置1Dを模式的に示す図である。図4に示すように、アンテナ装置1Dは、接続線路40が、フロントガラス10の外周縁部を囲む金属製の枠12に沿って配置されている点で、図1に示すアンテナ装置1Aと異なっている。すなわち、接続線路40は、横枠に沿って左右方向に延びる線路42と、縦枠に沿って上下方向に延びる線路44と、線路44と給電素子30とを接続するように左右方向に延びる線路46とを含んでいる。
Aピラー(フロントピラー)は細いため、Aピラーに給電点50を設けられず、ルーフから給電する場合がある。この場合、図1のアンテナ装置1Aのように接続線路40を上下方向に単に延ばしたのでは、この部分からの電波の放射(または受信)により垂直偏波成分が発生するおそれがある。国内のFM放送では、主に水平偏波が使用されるため、このように垂直偏波成分が発生すると、都合が悪い。これに対し、本実施形態のアンテナ装置1Dでは、接続線路40がフロントガラス10の外周縁部を囲む金属製の枠12に沿って配置されているため、枠12に接続線路40と逆相の電流が流れ打ち消し合うことで、この部分が放射(または受信)にあまり寄与することがなくなる。その結果、国内のFM放送に対して都合が悪い垂直偏波成分の発生を抑えることができる。その他、第1実施形態のアンテナ装置1Aと同様の作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
次に、第5実施形態にかかるアンテナ装置1Eについて説明する。図5は、第5実施形態に係るアンテナ装置1Eを模式的に示す図である。第5実施形態に係るアンテナ装置1Eは、第2実施形態に係るアンテナ装置1Bにおいて、給電点50をルーフに設けると共に、接続線路40を第4実施形態のアンテナ装置1Dと同様にフロントガラス10の外周縁部を囲む金属製の枠12に沿って配置したものである。
これにより、第1実施形態のアンテナ装置1Aと比較して、給電素子30をループ状にしたため、対応可能な周波数帯域をより広げることができる。また、接続線路40をフロントガラス10の外周縁部を囲む金属製の枠12に沿って配置したため、国内のFM放送に対して都合が悪い垂直偏波成分の発生を抑えることができる。
次に、第6実施形態にかかるアンテナ装置1Fについて説明する。図6は、第6実施形態に係るアンテナ装置1Fを模式的に示す図である。第6実施形態に係るアンテナ装置1Fは、第5実施形態に係るアンテナ装置1Eと比較して、接続線路40を複数の線路で構成した点で異なっている。
このように、接続線路40を複数の線路で構成することにより、複数の線路の間隔を調整することでインピーダンス整合を図り易くなる。すなわち、線路の間隔を広くすると、接続線路40の特性インピーダンスが低くなり、一方、線路の間隔を狭くすると、接続線路40の特性インピーダンスが高くなる。よって、線路の間隔を調整することで、受信機またはアンテナ素子のインピーダンスと整合を取り易くなる。なお、線路間を縦横に横断する線を設け、接続線路40をメッシュ状に構成してもよい。
次に、第7実施形態にかかるアンテナ装置1Gについて説明する。図7は、第7実施形態に係るアンテナ装置1Gを模式的に示す図である。第7実施形態に係るアンテナ装置1Gは、第1実施形態に係るアンテナ装置1Aの給電素子30と、第6実施形態に係るアンテナ装置1Fの給電素子30の双方を併せ持ち、これら給電素子30のセットをフロントガラス10の左右に備えている。
このように、複数の給電素子30を備えることで、複数のメディアやダイバーシチ受信に対応することができる。
次に、第8実施形態にかかるアンテナ装置1Hについて説明する。図8は、第8実施形態に係るアンテナ装置1Hを模式的に示す図である。第8実施形態に係るアンテナ装置1Hは、図2のアンテナ装置1Bと比較して、ループ状素子20の変わりに矩形の透明導電膜22を設けた点で相違している。
このように、透明導電膜22を設けることで、電流経路を増やすことができ、対応可能な周波数帯域をより一層広げることができる。なお、透明導電膜22を設ける場合は、図9に示すように、合わせガラス24の内部に設けると好ましい。このように、透明導電膜22を合わせガラス24の内部に設けた場合であっても、給電素子30を介して容易に給電することができる。
次に、第9実施形態にかかるアンテナ装置1Iについて説明する。図10は、第9実施形態に係るアンテナ装置1Iを模式的に示す図である。第9実施形態に係るアンテナ装置1Iは、図2のアンテナ装置1Bと比較して、給電素子30をフロントガラス10の左右に設けると共に、ループ状素子20を複数に分割した点で相違している。
このように、ループ状素子20を複数に分割することで、ループ状素子20で共振できないような場合に、所望の周波数に共振させ易くなる。
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、図11及び図12に示すように、フロントガラス10と金属製の枠12との間に接続線路40を通してもよい。なお、図12において符号52は、フロントガラス10と枠12とを接合するための接着剤を示している。
また、上述した実施形態においては、アンテナ装置1A−1Iを車両のフロントガラス10に設けた例について説明したが、サイドウィンドウなどフロントガラス10以外にも設けてもよい。また、車両のガラスに限定されず、その他のガラス上に設けてもよい。
また、ループ状素子20は、矩形でなくても円形や楕円形であってもよい。
第1実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第2実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第3実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第4実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第5実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第6実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第7実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 第8実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 合わせガラス内に透明導電膜を設けた様子を示す断面図である。 第9実施形態に係るアンテナ装置を模式的に示す図である。 フロントガラスと金属製の枠との間に接続線路を通した様子を示す図である。 フロントガラスと金属製の枠との間に接続線路を通した様子を示す断面図である。
符号の説明
1A−1I…アンテナ装置、10…フロントガラス、12…枠、20…ループ状素子、22…透明導電膜、24…合わせガラス、30…給電素子、40…接続線路、50…給電点、52…接着剤。

Claims (4)

  1. ループ状素子と、
    前記ループ状素子の外側に設けられ、該ループ状素子に電磁結合給電する給電素子と、
    前記給電素子と給電点とを接続する接続線路と、
    を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 複数の前記接続線路により、前記給電素子と前記給電点とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記ループ状素子、前記給電素子、及び前記接続線路は、ガラス上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記ガラスは外周縁部を金属製の枠に囲まれており、
    前記接続線路は、前記枠に沿って配置されていることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
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